JP2022183794A - 車両空調装置用送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増加を回避するとともに、ケースの型割位置に制限を加えることなく、運転時の騒音を低減できるようにする。【解決手段】遠心式ファン10には、複数の主ブレード11と、主ブレード11が支持されるブレード支持板部12と、ブレード支持板部12からモータフランジ33側へ突出する複数の副ブレード13とが設けられている。副ブレード13の外端部13bと舌部30dとの離間距離は、主ブレード11の外端部11bと舌部30dとの離間距離よりも長く設定されている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される車両空調装置用送風機に関し、特に遠心式ファンを内蔵した構造の技術分野に属する。
車両空調装置用送風機としては、モータによって駆動される遠心式ファンと、遠心式ファンを収容するケースとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1~6参照)。遠心式ファンは、その回転軸が上下方向に延びるように配設されており、この遠心式ファンの下方にモータが配設されている。モータは、ケースの底壁部を構成するモータフランジに取り付けられている。モータによって遠心式ファンが回転すると、空気を遠心式ファンの上方から吸い込んだ後、遠心式ファンのブレード間からケース内の送風通路に吹き出し、送風通路に吹き出した空気が車室の各部に送られる空調風を形成する。
遠心式ファンを用いた送風機では、遠心式ファンの底面とモータフランジの上面との間に形成された隙間が大きいと、送風通路から隙間へ向かう空気の流れが発生しやすくなり、その結果、送風通路の空気流が乱れ、騒音や性能低下の一要因となるおそれがある。よって、隙間は小さい方が好ましいが、回転中のモータの回転軸は振動しているので、その振動によってファンとモータフランジとが衝突したり、ファンとモータとの隙間への異物の挟み込みによるモータロックを回避する観点から、ある程度の隙間を確保することが必要である。
特許文献1、2では、ファンの下面及びモータフランジの上面にそれぞれ径の異なる筒状リブを設けることにより、前記隙間へ向かう空気の流れを抑制している。また、特許文献3では、ケースにおける送風通路の巻き始め部に段差を設け、巻き終わり部に突起を設けることにより、前記隙間へ向かう空気の流れを抑制している。
また、特許文献4~6には、遠心式ファンの回転によっておこる周期的な圧力変動が音に変換されることにより発生するNZ音の対策構造が開示されている。特許文献4では、ケースに別体の舌部を設け、その一部に切欠部を形成しており、また、特許文献5では、舌部に階段状の段差を形成しており、また、特許文献6では、吸込み側の舌部とブレードの径方向距離を反吸込み側よりも小さくなるように設定している。
特許第4185654号公報 特許第6111914号公報 特許第5775515号公報 特開平5-65897号公報 実開平7-14192号公報 特許第4026366号公報
ところで、特許文献1~3のように、送風通路から隙間へ向かう空気の流れを抑制すべく、筒状のリブや突起を設ける場合、前記隙間ができる限り小さくなるように設けなければ騒音低減効果は低いので、筒状リブや突起の上下方向寸法を大きくする必要があるが、それによりファンと筒状リブ/突起の衝突が発生しやすくなるため、狙いとする隙間を確保するのが困難であり、その結果、騒音低減効果が低くなるおそれがある。また、前記隙間が小さくなるということは、異物の挟み込みによるモータロックの懸念がある。
これに対し、ファンの下面に主ブレードとは別の副ブレードを設けて送風通路内の空気が前記隙間へ向かわないようにするための気流を発生させることが考えられる。これにより、異物の挟み込みによるモータロックは回避されるが、副ブレードと舌部との径方向距離が相対的に短くなることで副ブレードにより発生するNZ音が加わり、ひいては、送風機の騒音が増大するおそれがある。
NZ音を増大させないためには、特許文献4~6の構造を適用することが考えられるが、以下のような問題が発生する。すなわち、特許文献4では、舌部を別体で作成する必要があり、部品点数の増加による材料費及び組み付けコストの増加が問題となる。また、特許文献5では階段状の段差を設けようとするとケースの型割り位置が制限され、レイアウトの自由度が低下する。さらに、特許文献6では、吸込み側の舌部とブレードの径方向距離を反吸込み側よりも小さくなるようにしようとすると、ケースの型割り位置が制限されるので、レイアウトの自由度が低下する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数の増加を回避するとともに、ケースの型割位置に制限を加えることなく、運転時の騒音を低減できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面では、遠心式ファンと、前記遠心式ファンを回転駆動するモータと、前記遠心式ファンを収容するとともに、前記遠心式ファンの周囲に送風通路を形成するケースとを備えた車両空調装置用送風機を前提とすることができる。前記ケースにおける前記遠心式ファンの吸込側には、ベルマウス部が設けられ、前記ケースにおける前記遠心式ファンの吸込側と反対側には、前記モータが取り付けられるモータフランジが設けられている。また、前記ケースにおける前記送風通路の巻き始め部には、舌部が設けられている。前記遠心式ファンには、前記モータの回転軸方向に長く延びるとともに、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の主ブレードと、当該主ブレードよりも前記モータフランジ側において周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の副ブレードとが設けられ、前記回転軸の径方向について、前記副ブレードの外端部と前記舌部との離間距離は、前記主ブレードの外端部と前記舌部との離間距離よりも長く設定されている。
この構成によれば、モータの回転によって遠心式ファンが回転すると、空気がベルマウス部から遠心式ファンの内側へ吸い込まれた後、主ブレード間からケースの送風通路へ流出する。遠心式ファンが回転すると、副ブレードがモータフランジ側で回転する。この副ブレードによって生成された空気の流れを利用することで、主ブレード間から送風通路へ一旦流出した空気が遠心式ファンとモータフランジとの間の隙間へ逆流しにくくなる。これにより、前記隙間が多少大きくなっても空気の逆流に起因する騒音が低減されるので、異物の挟み込みによるモータロックが回避される。
また、副ブレードを設けることで、副ブレードの回転によっておこる周期的な圧力変動が音に変換されることによりNZ音の発生が懸念されるが、副ブレードの外端部と舌部との離間距離が長いので、副ブレード間から流出した空気が舌部に衝突する際の風速が低下する。これにより、特許文献4のような別体の舌部は不要になって部品点数の増加が回避されるとともに、特許文献5の階段状の段差や特許文献6の吸込み側の舌部とブレードの径方向距離を反吸込み側よりも小さくするといった構成を設けることなく、副ブレードを設けたことに起因するNZ音が低減される。
本開示の第2の側面では、前記主ブレードの枚数と、前記副ブレードの枚数とが異なっている。
すなわち、NZ音は、ブレードの枚数×遠心式ファンの回転数及びその整数倍の周波数にて音圧が高まるため、ブレードの枚数を変更するとNZ音の音圧が高い領域の周波数が変化する。従って、本構成では、主ブレードの枚数と副ブレードの枚数とが異なっていることで、主ブレードの回転によって音圧が高まる周波数と、副ブレードの回転によって音圧が高まる周波数とをずらすことができ、NZ音の増幅が抑制される。
本開示の第3の側面では、前記主ブレードの枚数は、前記副ブレードの枚数よりも多く設定されている。
すなわち、副ブレードの枚数を主ブレードよりも少なくすることで、副ブレードによる送風量を主ブレードによる送風量に比べて小さくすることができる。
本開示の第4の側面では、前記遠心式ファンには、前記主ブレードにおける前記モータフランジ側の端部が支持されるブレード支持板部が設けられ、前記副ブレードは、前記ブレード支持板部から前記モータフランジ側へ突出しているものである。
この構成によれば、単一のブレード支持板部に主ブレード及び副ブレードの両方を設けることができる。
本開示の第5の側面では、前記モータフランジには、前記遠心式ファン側へ向けて突出するとともに前記モータを囲むように環状に延びる環状壁部が前記副ブレードの突出方向先端部よりも前記ブレード支持板部に接近するように設けられ、前記環状壁部の外周面と、前記副ブレードとの間には所定以上の隙間が設けられている。
この構成によれば、例えばモータから流出したモータ冷却風が環状壁部の内側から外側へ向けて流れて副ブレード間に流入し易くなるので、モータの冷却効率が向上する。
本開示の第6の側面では、前記副ブレードの突出方向先端部と、前記モータフランジにおける前記副ブレードの突出方向先端部に対向する部位との前記回転軸方向の間隔は、5.0mm以上に設定されている。
この構成によれば、運転中に副ブレードの突出方向先端部がモータフランジに衝突しなくなる。また、副ブレードとモータフランジの間に侵入した異物の挟み込みや、副ブレードとモータフランジの間に侵入した水の凍結による遠心式ファンのロックを防止することができる。
本開示の第7の側面では、前記遠心式ファンは、樹脂材による一体成形品であり、複数の前記副ブレードのうち、周方向に互いに離れた前記副ブレードにはゲート跡が設けられており、前記ゲート跡が設けられた前記副ブレードは、周方向に等間隔に配置されている。
すなわち、ゲート跡が設けられた副ブレードが周方向に等間隔に配置されているということは、遠心式ファンを成形する際に、金型のキャビティ内の複数箇所において互いに等間隔に溶融樹脂を射出することができるので、溶融樹脂がキャビティ内を均等に流れ易くなり、成形不良が発生しにくくなる。
本開示の第8の側面では、前記副ブレードにおける前記回転軸の径方向の寸法は、前記主ブレードにおける前記回転軸の径方向の寸法よりも短く設定されている。
すなわち、副ブレードの径方向の寸法を相対的に短くすることで、副ブレードによる送風量を主ブレードによる送風量に比べて小さくすることができる。
本開示の第9の側面では、前記回転軸の径方向について、前記遠心式ファンの中心線と前記副ブレードの内端部との離間距離は、前記遠心式ファンの中心線と前記主ブレードの内端部との離間距離よりも長く設定されている。
すなわち、副ブレードの内端部とモータとを離すことができるので、モータから流出したモータ冷却風が流れ易くなり、モータの冷却効率がより一層向上する。
以上説明したように、遠心式ファンに主ブレードと副ブレードとを設け、副ブレードの外端部と舌部との離間距離を主ブレードの外端部と舌部との離間距離よりも長く設定したので、部品点数の増加を回避するとともに、ケースの型割位置に制限を加えることなく、運転時の騒音を低減できる。
本発明の実施形態に係る車両空調装置用送風機の斜視図である。 上記車両空調装置用送風機の側面図である。 上記車両空調装置用送風機の上面図である。 図3におけるIV-IV線断面図である。 図4におけるB部拡大図である。 図2におけるVI-VI線端面図である。 車両空調装置用送風機の上側分割ケース及び下側分割ケースを省略した状態を示す斜視図である。 車両空調装置用送風機の上側分割ケース及び下側分割ケースを省略した状態を示す正面図である。 遠心式ファンの斜視図である。 遠心式ファンの上面図である。 遠心式ファンの側面図である。 主ブレードと副ブレードとの位置関係を示す遠心式ファンの底面図である。 ゲート跡を示す遠心式ファンの底面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両空調装置用送風機1を示すものである。車両空調装置用送風機1は、例えば自動車等に搭載される車両空調装置(図示せず)に空気を送るためのものである。車両空調装置は、例えばエバポレータ等からなる冷却用熱交換器や、ヒータコア等からなる加熱用熱交換器、電気式ヒータ等を含む室内ユニットと、コンプレッサや凝縮器等を含む室外ユニットとで構成されている。室内ユニットは、冷却用熱交換器や加熱用熱交換器を収容する空調ケーシングを備えている。空調ケーシングには、車両空調装置用送風機1から送られた空気が導入されるようになっている。空調ケーシングの内部には、温度調節ダンパや、空調風の吹出方向を切り替える吹出方向切替ダンパ等が内蔵されており、空調ケーシングに導入された空気を冷却用熱交換器や加熱用熱交換器によって温度調整した後、所望の吹出口から車室内へ供給可能になっている。室内ユニット及び室外ユニットの構成は従来から周知である。
室内ユニットは、車室内の前端部に配設されているインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。車両空調装置用送風機1もインストルメントパネルの内部に収容されており、例えば室内ユニットと車両空調装置用送風機1とは車幅方向に並ぶように配置することができる。この状態で、車両空調装置用送風機1が室内ユニットに接続されて、車両空調装置用送風機1から送られた空気の全量が室内ユニットに導入可能となっている。尚、車両空調装置用送風機1は、室内ユニットと一体化されていてもよいし、両者が別体とされていてもよい。また、車両空調装置用送風機1は、車両空調装置の一部を構成する機器であってもよい。
(車両空調装置用送風機1の全体構成)
図1~図4に示すように、車両空調装置用送風機1は、遠心式ファン10と、遠心式ファン10を回転駆動するモータ20と、遠心式ファン10を収容するとともに、遠心式ファン10の周囲に送風通路S1を形成するケース30とを備えている。この実施形態では、遠心式ファン10は、当該遠心式ファン10の回転中心線E(図4に示す)が上下方向に延びる姿勢で配設されている。この実施形態の説明では、回転中心線Eが上下方向に延びている場合について説明するが、回転中心線Eは傾斜していてもよいし、水平方向に延びていてもよい。
遠心式ファン10が回転すると、遠心式ファン10の上方から空気を吸い込んだ後、吸い込んだ空気を遠心式ファン10の径方向(水平方向)に吹き出すように当該遠心式ファン10が構成されている。従って、モータ20は、遠心式ファン10の下側に配設されており、上方からの空気の吸込を阻害しないようにレイアウトされている。
ケース30の上部が吸込側となっており、このケース30の上部には、図示しないが内外気切替部が設けられている。内外気切替部は、車室内の空気を取り入れる内気取入口と、車室外の空気を取り入れる外気取入口とを有するとともに、内気取入口及び外気取入口を開閉する内外気切替ダンパを有している。内外気切替ダンパの動作により、内気取入口のみを開く内気循環モードと、外気取入口のみを開く外気導入モードとに切り替えることが可能になっている。
(モータ20の構成)
図4に示すように、モータ20は、ロータやステータ(図示せず)を内蔵したモータ本体部21と、回転軸22とを備えている。モータ本体部21は、詳細は後述するがモータフランジ33に取り付けられている。モータ本体部21には、図示しないが電力を供給するための配線が接続されている。車両空調装置の運転時には配線を介してモータ本体部21に電力が供給されるようになっている。モータ本体部21に印加される電圧を調整することで回転軸22の単位時間当たりの回転数を変化させることができる。
回転軸22は、上下方向に延びており、モータ本体部21の中心部から上方へ突出している。また、モータ本体部21の上面は、径方向外端部に近づくほど下に位置するように傾斜ないし湾曲している。
モータ本体部21には冷却風が導入されるようになっている。具体的には、モータ本体部21の下面には冷却風の導入口(図示せず)が形成される一方、モータ本体部21の上面の中央寄りの部分には冷却風の導出口(図示せず)が形成されている。後述する冷却風通路S2を流通した冷却風は、導入口からモータ本体部21の内部に導入された後、導出口から導出され、この冷却風の流れによってモータ本体部21の冷却が行われるようになっている。尚、導入口及び導出口の位置や数は任意に設定することができる。
(遠心式ファン10の構成)
図7~図13に示すように、遠心式ファン10はシロッコファンである。すなわち、図9に示すように、遠心式ファン10には、複数の主ブレード11と、ブレード支持板部12と、複数の副ブレード13と、コーン形状部16と、筒状部17とが設けられている。主ブレード11、ブレード支持板部12、副ブレード13、コーン形状部16及び筒状部17は、樹脂材によって一体成形されており、従って、遠心式ファン10は一体成形品となっている。遠心式ファン10を成形する際には、例えば射出成形法を利用することができる。遠心式ファン10が最大回転数で回転しているときであっても大きな変形を起こさないように、所定以上の強度を持った樹脂材で遠心式ファン10が構成されている。
図4に示すように、筒状部17は、遠心式ファン10の回転中心線Eと同芯であり、上下方向に延びている。筒状部17には、モータ20の回転軸22の上部が差し込まれた状態で結合されている。この実施形態では、図7にも示すように、筒状部17と回転軸22の上部との間にカラーAが圧入されており、このカラーAを介して筒状部17と回転軸22の上部とが相対的に回転しないように、回転止めされた状態で結合されている。筒状部17と回転軸22との結合構造は、上述した構造に限られるものではなく、例えばナットや留め具等を利用した締結構造であってもよい。
図4に示すように、コーン形状部16は、筒状部17の上下方向中間部の外周面から径方向に延びる板状をなしており、主ブレード11が設けられている側と、副ブレード13が設けられている側との間に位置するとともに、主ブレード11側と副ブレード13側とを区画している。このコーン形状部16の下方にモータ本体部21が配置されており、コーン形状部16の下面と、モータ本体部21とは上下方向に間隔をあけた状態で互いに対向している。モータ本体部21の冷却風の導出口が当該モータ本体部21の上面に開口しているので、モータ本体部21から導出された冷却風は、コーン形状部16の下面と、モータ本体部21の上面との間を流通する。モータ本体部21から導出された冷却風は、コーン形状部16の下面と、モータ本体部21の上面との間を径方向外方へ向かって流れていき、送風通路S1に流入するようになっている。つまり、コーン形状部16の下面と、モータ本体部21の上面との間には、冷却風を排出するための冷却風排出通路S3が形成されており、この冷却風排出通路S3の下流端が送風通路S1に連通している。
コーン形状部16は、その径方向外端部に近づくほど下に位置するように傾斜ないし湾曲している。コーン形状部16の径方向の中心は、筒状部17の軸芯上に位置している。このコーン形状部16の形状は、モータ本体部21の上面の形状と対応している。コーン形状部16の径方向外端部の高さは、筒状部17の下端部よりも低くなっており、モータ本体部21の上面の径方向外端部と略同じ高さとなっている。コーン形状部16の径方向外端部は、モータ本体部21の上面の径方向外端部よりも径方向外方まで延びている。よって、コーン形状部16の外径は、モータ本体部21の上面の外径よりも大きくなる。
ブレード支持板部12は、コーン形状部16の径方向外端部から径方向外方へ向けて延出するとともに周方向に連続して延びている。従って、ブレード支持板部12は、略水平に延びる円環状をなしている。ブレード支持板部12の径方向中心は、筒状部17の軸芯上に位置している。
図11に示すように、複数の主ブレード11は、空調ユニットへ送る空気流を形成するためのものであり、モータ20の回転軸22方向に長く延びるとともに、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。図10に示すように、主ブレード11の周方向の間隔は等間隔である。遠心式ファン10が回転すると、上方から吸い込まれた空気は周方向に隣合う主ブレード11の間から径方向外方へ吹き出し、図4に示す送風通路S1に流入するようになっている。各主ブレード11の下端部(モータフランジ33側の端部)は、ブレード支持板部12に支持されている。具体的には、ブレード支持板部12の上面には、各主ブレード11の下端部が一体成形されており、各主ブレード11はブレード支持板部12の上面から上方へ向けて延びている。各主ブレード11は湾曲した翼状をなしており、この実施形態では、主ブレード11を多数有しているので、遠心式ファン10を遠心式多翼ファンと呼ぶこともできる。
図9に示すように、遠心式ファン10は、主ブレード11の上端部同士を連結する上端連結部14を有している。上端連結部14は、主ブレード11の上端部と一体成形されており、主ブレード11の上端部から上方へ突出するとともに円環状に形成されている。また、遠心式ファン10は、主ブレード11の上下方向中間部同士を連結する中間連結部15を有している。中間連結部15は、主ブレード11の回転軸22方向の外端部と一体成形されており、上端連結部14と同様に円環状に形成されている。
複数の副ブレード13は、送風通路S1内の空気が冷却風排出通路S3へ流入するのを抑制するためのものである。遠心式ファン10が回転すると、ブレード支持板部12の下方において複数の副ブレード13が回転することにより、径方向外方へ向かう空気の流れが形成される。この空気の流れは、主ブレード11の回転によって形成される空気の流れに比べて弱い。
各副ブレード13は、ブレード支持板部12の下面から下側(モータフランジ33側)へ突出し、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。副ブレード13の周方向の間隔は等間隔である。副ブレード13の上下方向の長さは、主ブレード11の上下方向の長さよりも短く設定されており、副ブレード13の上下方向の長さを主ブレード11の上下方向の長さの1/4以下に設定することができる。これは、副ブレード13が冷却風排出通路S3への空気の流入を抑制する程度の比較的弱い流れを形成すればよいためである。各副ブレード13も主ブレード11と同様に湾曲した翼状に形成されている。具体的には、主ブレード11の上下方向の長さは、例えば50mm以上100mm以下の範囲で設定することができ、また、副ブレード13の上下方向の長さは5mm以上30mm以下の範囲で設定することができる。
図12に示すように、主ブレード11の枚数と、副ブレード13の枚数とは異なっている。その理由は、主ブレード11の回転によって発生するNZ音の音圧が高い周波数領域と、副ブレード13の回転によって発生するNZ音の音圧が高い周波数領域とを変えるためである。図12では、遠心式ファン10を下から見ており、従って、副ブレード13を実線で、主ブレード11の破線でそれぞれ示している。この実施形態では、主ブレード11の枚数は、副ブレード13の枚数よりも多く設定されており、具体的には主ブレード11の枚数は41枚、副ブレード13の枚数は40枚である。副ブレード13の枚数を少なくしている理由は、副ブレード13が冷却風排出通路S3への空気の流入を抑制する程度の比較的弱い流れを形成すればよいためである。尚、主ブレード11の枚数及び副ブレード13の枚数は任意に設定することができ、枚数の差は1枚以上であればよく、枚数の差を2枚、3枚、4枚とすることも可能である。また、主ブレード11の枚数を、副ブレード13の枚数よりも少なくしてもよい。
遠心式ファン10を回転中心線E方向(本例では上下方向)に見た時、主ブレード11の枚数と、副ブレード13の枚数とが異なっているので、一部の主ブレード11と一部の副ブレード13とは、上下方向に互いに重複する位置関係になる一方、他の主ブレード11と他の副ブレード13とは、上下方向に互いに重複しない位置関係になる。図12では、右側に位置する一部の主ブレード11と副ブレード13とが上下方向に重複しているが、上側、下側及び右側に位置する主ブレード11と副ブレード13とは上下方向に重複していない。
図5に示すように、副ブレード13における回転軸22の径方向の寸法W2は、主ブレード11における回転軸22の径方向の寸法W1よりも短く設定されている。寸法W2は、副ブレード13の回転軸22の径方向内端部13aから外端部13bまでの寸法であり、副ブレード13の幅方向の寸法ということもできる。また、寸法W1は、主ブレード11の回転軸22の径方向内端部11aから外端部11bまでの寸法であり、主ブレード11の幅方向の寸法ということもできる。この実施形態では、寸法W2/寸法W1が、例えば1/2~3/4の範囲で設定されている。
また、回転軸22の径方向について、遠心式ファン10の回転中心線Eと副ブレード13の内端部13a(上記径方向内端部)との離間距離は、回転中心線Eと主ブレード11の内端部11a(上記径方向内端部)との離間距離よりも長く設定されている。言い換えると、主ブレード11の内端部11aは、副ブレード13の内端部13aよりも回転中心線Eに近くなっている。また、主ブレード11の外端部11bは、副ブレード13の外端部13bよりも回転中心線Eから離れている。
図13は、遠心式ファン10の底面図である。この図には、遠心式ファン10を射出成形する際にできたゲート跡13aを示している。複数の副ブレード13のうち、周方向に互いに離れた特定の副ブレード13Aにはゲート跡13aが設けられており、ゲート跡13aが設けられた特定の副ブレード13aは、周方向に等間隔に配置されている。この実施形態では、特定の副ブレード13Aは4つあり、従って4つの特定の副ブレード13Aは90゜おきに設けられている。尚、特定の副ブレード13Aは、2以上の任意の枚数設けることができ、例えば3枚であれば120゜おき、6枚であれば60゜おきに設ければよい。
図13の部分拡大図で示すように、ゲート跡13aは副ブレード13Aの幅方向中間部に設けられている。副ブレード13Aにおけるゲート跡13aが設けられていない部分の厚み寸法をT1とし、副ブレード13Aにおけるゲート跡13aが設けられている部分の厚み寸法をT2としたとき、寸法T2が寸法T1よりも長くなっている。つまり、ゲート跡13aが設けられている部分の厚みが、他の部分に比べて厚くなっている。
遠心式ファン10のような樹脂成形品を射出成形する際には、図示しないが、樹脂を混練して溶融した後に所定圧力で射出する射出シリンダと、分割可能に構成された金型とが使用される。射出シリンダから射出された溶融樹脂は、型締め状態にある金型内のキャビティに充填される。このとき、本実施形態のように、ゲート跡13aが設けられた副ブレード13Aが周方向に等間隔に配置されているということは、遠心式ファン10を成形する際に、金型のキャビティ内の複数箇所において互いに周方向に等間隔に溶融樹脂を射出することができるということである。これにより、溶融樹脂がキャビティ内を均等に流れ易くなり、成形不良が発生しにくくなる。尚、上記以外のゲートを適宜設定してもよい。
また、コーン形状部16の下面には、複数のリブ18が放射状に形成されている。各リブ18の内端部は、筒状部17の外周面に接続されており、筒状部17とコーン形状部16とがリブ18によって連結されている。リブ18は省略してもよい。
(ケース30の構成)
図1や図2に示すように、ケース30は、上側分割ケース31と、下側分割ケース32と、モータフランジ33とを備えている。上側分割ケース31、下側分割ケース32及びモータフランジ33は、例えば高剛性な樹脂材で構成されている。図4に示すように、上側分割ケース31は、ケース30の上下方向中間部から上端部までを構成する部分であり、下方に開放されている。下側分割ケース32は、ケース30の上下方向中間部から底部までを構成する部分であり、上方に開放されている。上側分割ケース31の下端部と下側分割ケース32の上端部とを嵌合させることによって内部に送風通路S1が区画形成される。上側分割ケース31と下側分割ケース32とによってスクロールケーシングが構成されている。
上側分割ケース31の上側は、ケース30における遠心式ファン10の吸込側であり、この上側分割ケース31の上壁部には、円形に開口するとともに下方へ向けて湾曲形成されたベルマウス部31aが当該上壁部を上下方向に貫通するように形成されている。ベルマウス部31aの開口中心は、遠心式ファン10の回転中心線Eと同芯上に位置している。図4に示すように、ベルマウス部31aの下端部は、遠心式ファン10の上端部よりも下方まで延びていて、上端連結部14の内方に位置している。ベルマウス部31aが上記内外気切替部に接続されている。
図6に示すように、送風通路S1は、遠心式ファン10の周囲を囲むスクロール状に延びている。遠心式ファン10から吹き出した空気は、送風通路S1で集合して下流側へ流れていく。ケース30の内壁面における送風通路S1の巻き始め部(始点)S1aには、舌部30dが設けられている。舌部30dは、空気の流れを主流方向(送風通路S1の下流側部分S1bの延びる方向)とスクロールの巻き方向とに分流する部分であり、ケース30の内周面において遠心式ファン10の主ブレード11に最も接近している。すなわち、送風通路S1の巻き始め部S1aの内壁面には、該送風通路S1内へ向けて突出する曲面部が形成されており、この曲面部によって舌部30dが構成されている。舌部30dを構成する曲面部は、例えば水平断面で見たとき円弧を描くように延びる円弧面等で構成されている。
送風通路S1の空気流れ方向に直交する方向の断面は、舌部30dにおいて最も狭く、そこから下流端へ近づくほど拡大している。送風通路S1の断面の拡大方向は、上下方向及び径方向の両方であるが、径方向にのみ拡大していてもよい。送風通路S1の下流側部分S1bは直線状に延びている。図1等に示すように、送風通路S1の下流端は、ケース30の外面において開口しており、この開口が空気流出口30aとされている。空気流出口30aは上記室内ユニットの空調ケーシングに接続されている。
図5に示すように、舌部30dは、遠心式ファン10の主ブレード11の外端部11bに対向する部分から副ブレード13の外端部13bに対向する部分まで連続して形成されている。舌部30dの形状は上端部から下端部まで略同一である一方、副ブレード13の外端部13bは、主ブレード11の外端部11bよりも径方向内方に位置している。したがって、回転軸22の径方向について、副ブレード13の外端部13bと舌部30dとの離間距離D2は、主ブレード11の外端部11bと舌部30dとの離間距離D1よりも長く設定される。
図1や図3に示すように、上側分割ケース31及び下側分割ケース32における舌部30d近傍には、外方へ膨出する上側膨出部30cが形成されている。上側膨出部30cの内部には、冷却風通路S2の上側部分が上下方向に延びるように形成されている。図6に示すように、上側分割ケース31の内面には、舌部30dよりも下流側に冷却風取入口30eが形成されている。この冷却風取入口30eは冷却風通路S2の上流端と連通している。
また、下側分割ケース32の下側は、ケース30における遠心式ファン10の吸込側と反対側であり、この下側分割ケース32の底部には、図4に示すように円形の開口部32aが当該下側分割ケース32の底部を上下方向に貫通するように形成されている。開口部32aの中心は、遠心式ファン10の回転中心線Eと同芯上に位置している。開口部32aの径は、ベルマウス部31aの開口径よりも大きく、また遠心式ファン10の最大外径部の径よりも大きく設定されている。よって、車両空調装置用送風機1の製造時、例えば遠心式ファン10をケース30の下方から収容することが可能になる。
下側分割ケース32の底部には、モータ20が取り付けられるモータフランジ33が設けられている。モータフランジ33は、遠心式ファン10の径方向に延びる環状板部33aと、モータ収容部33bと、下側膨出部33cとを備えている。環状板部33aの外径は、下側分割ケース32の開口部32aよりも大きく設定されており、環状板部33aによって開口部32aが閉塞されるようになっている。また、環状板部33aの複数箇所が下側分割ケース32の底部に対して着脱可能に固定される。
モータ収容部33bは下方へ窪むように形成されている。このモータ収容部33bの内方にモータ本体部21の下側部分が収容されている。モータ本体部21は環状板部33aやモータ収容部33bに対して固定されており、相対回動が不可能になっている。下側膨出部33cは上側膨出部30cに対応するように位置している。この下側膨出部33cの内部には、冷却風通路S2の下側部分が形成されている。冷却風通路S2の下流端は、モータ本体部21の冷却風の導入口に接続されている。
モータフランジ33の環状板部33aの上面には、遠心式ファン10側(上側)へ向けて突出するとともにモータ20を囲むように環状に延びる環状壁部33dが設けられている。環状壁部33aの真上には、コーン形状部16が位置している。環状壁部33dの中心は、遠心式ファン10の回転中心線Eと同芯上に位置している。環状壁部33dの上端部は、副ブレード13の下端部(副ブレード13の突出方向先端部)よりも上に位置している。つまり、環状壁部33dの上端部は、副ブレード13の下端部よりもブレード支持板部12に接近するように設けられている。
そして、環状壁部33dの外周面と、副ブレード13との間には所定以上の隙間が設けられている。すなわち、環状壁部33dの外径は、ブレード支持板部12の内径よりも小さく設定されており、図5に示すように、環状壁部33dの外周面と、副ブレード13の内端部13aとの離間距離D4は、例えば5mm以上に設定されている。離間距離D4の上限は、例えば15mmまたは10mmに設定することができる。
副ブレード13は、環状壁部33dの外側に配置される。この副ブレード13の下端部と、モータフランジ33における副ブレード13の下端部に対向する部位との回転軸22方向の間隔D3は、5.0mm以上に設定されている。間隔D3は、例えば6.0mm以上または7.0mm以上に設定することもできる。間隔D3と離間距離D4とは同じであってもよいし、一方が他方に比べて長くてもよい。間隔D3の上限は、例えば20mmまたは15mmにすることができ、これにより、車両空調装置用送風機1の大型化が回避される。
(車両空調装置用送風機1の運転時)
車両空調装置用送風機1のモータ20に電力を供給すると回転軸22が回転し、これにより遠心式ファン10が回転する。遠心式ファン10が回転すると、ケース30の上方の空気がベルマウス部31aから当該ケース30内に取り入れられる。ケース30内に取り入れられた空気は遠心式ファン10の上方から当該遠心式ファン10の内方へ吸い込まれてコーン形状部16の上面に沿って流れた後、主ブレード11間から径方向外方へ流出する。主ブレード11間から流出した空気は、送風通路S1に流入して舌部30dを起点とするスクロール状に流れ、その後、空気流出口30aからケース30外へ流出する。このとき、主ブレード11の外端部11bを舌部30dに接近させて離間距離D1を十分に短くしているので、送風効率が向上する。
また、遠心式ファン10が回転すると、副ブレード13がブレード支持板部12とモータフランジ33の環状板部33aの上面との間で回転する。この副ブレード13によって生成された空気の流れを利用することで、主ブレード11間から送風通路S1へ一旦流出した空気が遠心式ファン10と環状板部33aの上面との間の隙間へ逆流しにくくなる。これにより、遠心式ファン10と環状板部33aの上面との隙間が多少大きくなっても空気の逆流に起因する騒音が低減される。つまり、騒音を低減しながら、遠心式ファン10と環状板部33aの上面との隙間を大きくして異物の挟み込みによるモータロックを回避できる。
また、副ブレード13を設けることで、副ブレード13の回転によっておこる周期的な圧力変動が音に変換されることによりNZ音の発生が懸念されるが、副ブレード13の外端部13bと舌部30dとの離間距離D2が主ブレード11と舌部30dとの離間距離D1に比べて長いので、副ブレード13間から流出した空気が舌部30dに衝突する際の風速が低下する。これにより、特許文献4のような別体の舌部は不要になって部品点数の増加が回避されるとともに、特許文献5の階段状の段差や特許文献6の吸込み側の舌部とブレードの径方向距離を反吸込み側よりも小さくするといった構成を設けることなく、副ブレード13を設けたことに起因するNZ音が低減される。
また、NZ音は、遠心式ファン10のブレード11、13の各枚数×遠心式ファン10の回転数及びその整数倍の周波数にて音圧が高まるため、例えばブレード11、13の各枚数を同じにすると、その枚数×遠心式ファン10の回転数及びその整数倍の周波数にて卓越する成分を有し、その結果、オーバーオール騒音レベルが高くなり、乗員に対して耳障りな騒音成分となりやすい。本実施形態では、ブレード11、13の各枚数を互いに変えることによってNZ音の音圧が高い領域の周波数が変化することを利用しており、具体的には主ブレード11の枚数と副ブレード13の枚数とを異ならせることで、主ブレード11の回転によって音圧が高まる周波数と、副ブレード13の回転によって音圧が高まる周波数とをずらし、その結果、NZ音の増幅を抑制している。
NZ音には、大きく分けて、遠心式ファン10単体で発生する音と、舌部30dに空気流が衝突することによる圧力変動が要因で発生する音との2種類ある。車両空調装置用送風機1のNZ音の主要因は後者である。本実施形態では後者のNZ音を低減することができるので、騒音の低減効果が大きい。
尚、副ブレード13の外端部13bと舌部30dとの離間距離D2を長くすると、送風通路S1内を再循環する空気が増加し、送風効率を低下させる恐れがあるが、副ブレード13により吐出される空気は主流ではなく、流量が少ないため、離間距離D2を長くすることによる送風効率への影響はほとんどない。
また、副ブレード13を設けることで特にNZ音が発生しやすい下側のみに対して効果的に舌部30dとの離間距離D2を長くすることができ、NZ音の低減効果が大きい。主ブレード11だけでは、ブレード11の下側のみ形状を変えて舌部30dとの離間距離を変えることは、金型構造的に困難である。
また、遠心式ファン10が回転すると、送風通路S1内の静圧が高まるので、送風通路S1内の空気が冷却風取入口30eから冷却風通路S2に流入する。冷却風通路S2に流入した空気は下方へ流れてモータ本体部21の冷却風の導入口から当該モータ本体部21に流入した後、モータ本体部21の上面から冷却風排出通路S3へ流出する。このとき、環状壁部33dの外周面と、副ブレード13の内端部13aとの離間距離D4を5mm以上に設定しているので、モータ本体部21から流出した冷却風が環状壁部33dの内側から外側へ向けて流れて副ブレード13間に流入し易くなる。よって、モータ20の冷却効率が向上する。
副ブレード13の下端部と、モータフランジ33における副ブレード13の下端部に対向する部位との回転軸22方向の間隔D3を5.0mm以上確保したので、運転中に遠心式ファン10が多少ぶれたとしても、副ブレード13の下端部がモータフランジ33の環状板部33aの上面に衝突しなくなる。また、副ブレード13と環状板部33aとの間に侵入した異物の挟み込みや、副ブレード13と環状板部33aとの間に侵入した水の凍結による遠心式ファン10のロックを防止することができる。
(流体解析)
次に、上記実施形態と比較例の流体解析結果について説明する。比較例は、副ブレード13の外端部13bと、主ブレード11の外端部11bとが径方向について同じ位置にあり、舌部30dにおける副ブレード13の外端部13bと対向する部分を径方向外方へ逃がすことにより、副ブレード13の外端部13bと、舌部30dとの離間距離を、上記離間距離D2と等しくした例である。
送風通路S1の下流側から上流側へ舌部30dを超えて再流入する流量を上記実施形態と比較例とで比べると、上記実施形態の方が比較例よりも少なかった。再流入する流量が少ないということは、騒音が低くなるとともに、送風効率が高まるということである。また、送風通路S1内の静圧を上記実施形態と比較例とで比べると、略同じであった。つまり、副ブレード13の外端部13bと舌部30dとの離間距離D2を長く設定しても、静圧の低下は殆ど見られない。
また、比較例の場合、舌部の副ブレードに対応する部分で、静圧が上昇している様子が確認できた。舌部の副ブレードに対応する部分よりも下は、相対的に低圧になっているため、空気が流れ込みやすく、空気流が舌部に衝突しやすいと考えられる。よって、比較例の方が、NZ音が大きくなると推測される。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両空調装置用送風機は、例えば自動車の車室内に搭載して利用することができる。
1 車両空調装置用送風機
10 遠心式ファン
11 主ブレード
12 ブレード支持板部
13 副ブレード
13a ゲート跡
20 モータ
30 ケース
30d 舌部
31a ベルマウス部
33 モータフランジ
33d 環状壁部

Claims (9)

  1. 遠心式ファンと、
    前記遠心式ファンを回転駆動するモータと、
    前記遠心式ファンを収容するとともに、前記遠心式ファンの周囲に送風通路を形成するケースとを備えた車両空調装置用送風機であって、
    前記ケースにおける前記遠心式ファンの吸込側には、ベルマウス部が設けられ、
    前記ケースにおける前記遠心式ファンの吸込側と反対側には、前記モータが取り付けられるモータフランジが設けられ、
    前記ケースにおける前記送風通路の巻き始め部には、舌部が設けられ、
    前記遠心式ファンには、前記モータの回転軸方向に長く延びるとともに、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の主ブレードと、当該主ブレードよりも前記モータフランジ側において周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の副ブレードとが設けられ、
    前記回転軸の径方向について、前記副ブレードの外端部と前記舌部との離間距離は、前記主ブレードの外端部と前記舌部との離間距離よりも長く設定されている車両空調装置用送風機。
  2. 請求項1に記載の車両空調装置用送風機において、
    前記主ブレードの枚数と、前記副ブレードの枚数とが異なっている車両空調装置用送風機。
  3. 請求項2に記載の車両空調装置用送風機において、
    前記主ブレードの枚数は、前記副ブレードの枚数よりも多く設定されている車両空調装置用送風機。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の車両空調装置用送風機において、
    前記遠心式ファンには、前記主ブレードにおける前記モータフランジ側の端部が支持されるブレード支持板部が設けられ、
    前記副ブレードは、前記ブレード支持板部から前記モータフランジ側へ突出している車両空調装置用送風機。
  5. 請求項4に記載の車両空調装置用送風機において、
    前記モータフランジには、前記遠心式ファン側へ向けて突出するとともに前記モータを囲むように環状に延びる環状壁部が前記副ブレードの突出方向先端部よりも前記ブレード支持板部に接近するように設けられ、
    前記環状壁部の外周面と、前記副ブレードとの間には所定以上の隙間が設けられている車両空調装置用送風機。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の車両空調装置用送風機において、
    前記副ブレードの突出方向先端部と、前記モータフランジにおける前記副ブレードの突出方向先端部に対向する部位との前記回転軸方向の間隔は、5.0mm以上に設定されている車両空調装置用送風機。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の車両空調装置用送風機において、
    前記遠心式ファンは、樹脂材による一体成形品であり、
    複数の前記副ブレードのうち、周方向に互いに離れた前記副ブレードにはゲート跡が設けられており、
    前記ゲート跡が設けられた前記副ブレードは、周方向に等間隔に配置されている車両空調装置用送風機。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の車両空調装置用送風機において、
    前記副ブレードにおける前記回転軸の径方向の寸法は、前記主ブレードにおける前記回転軸の径方向の寸法よりも短く設定されている車両空調装置用送風機。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の車両空調装置用送風機において、
    前記回転軸の径方向について、前記遠心式ファンの中心線と前記副ブレードの内端部との離間距離は、前記遠心式ファンの中心線と前記主ブレードの内端部との離間距離よりも長く設定されている車両空調装置用送風機。
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