JP2022182739A - ワイヤハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】かしめリングを使用しなくとも編組線をシールドシェルに固定できるワイヤハーネスを提供する。【解決手段】コネクタハウジング34に保持される端子33は、電線20の端部に接続される。金属製のシールドシェル35は、コネクタハウジング34の外周を囲む。編組線50は、電線20の外周を囲むとともにシールドシェル35の外面に接触する。ブチルゴム部材61は、編組線50と締付部材81aとの間に配置される。締付部材81aは、金属製のバンド部82aと、ロック部83aとを有する。締付部材81aは、バンド部82aの長さ方向の他端部がロック部83aを通るとループ状をなす。バンド部82aは、シールドシェル35の外面との間に編組線50を挟む位置でシールドシェル35に巻き付けられている。ロック部83aは、バンド部82aの内側領域が大きくなる方向へのロック部83aに対するバンド部82aの移動を阻止する。【選択図】図3

Description

本開示は、ワイヤハーネスに関するものである。
従来、ワイヤハーネスには、電線と、電線の端部に接続される端子と、端子を保持するコネクタハウジングと、コネクタハウジングの外周を覆う金属製のシールドシェルと、電線の外周を囲む編組線とを備えるものがある。編組線は、例えば、複数の金属素線が筒状に編み込まれたものである。
編組線は、例えば特許文献1に記載されているように、かしめリングによってシールドシェルに固定されることがある。かしめられた状態のかしめリングは、シールドシェルの外周面と同かしめリングとの間に編組線を挟み込む。編組線は、かしめリングの内側でシールドシェルの外周面に接触することにより、当該シールドシェルに電気的に接続される。
特開2012-226832号公報
一般的に、かしめリングを用いて編組線をシールドシェルに固定する場合、かしめリングをかしめるための金型を備える装置が用いられる。金型は、それぞれシールドシェルの外形に応じた凹部を有する上型と下型とを有する。シールドシェル、編組線におけるシールドシェルを覆う部分、及び、編組線の外周でシールドシェルを囲むかしめリングが、上型と下型とによって挟み込まれることにより、かしめリングがかしめられる。かしめリングがかしめられると、編組線は、シールドシェルに対して電気的に接続される状態で固定される。
このように金型を用いてかしめリングをかしめる場合、外形の異なるシールドシェルには同じ金型を用いることができないことが多い。そのため、シールドシェルの外形が異なる複数種類のワイヤハーネスを製造するためには、シールドシェルの外形に合わせて金型を複数種類準備することになる。また、シールドシェルの外形が同じであっても、編組線を構成する金属素線の直径が異なる場合には、同じ金型を使用することができないこともある。このため、複数種類のワイヤハーネスを製造する際には、シールドシェルの外形や、編組線を構成する金属素線の直径に応じて、複数種類の金型を準備することになる。従って、金型の製作や金型の取り換え、更には金型の管理といった作業が増える。そこで、かしめリングを使用せずに、編組線をシールドシェルに固定することが望まれていた。
本開示の目的は、かしめリングを使用しなくとも編組線をシールドシェルに固定できるワイヤハーネスを提供することにある。
本開示のワイヤハーネスは、電線と、前記電線の端部に接続される端子と、前記端子を保持するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの外周を囲む金属製のシールドシェルと、前記電線の外周を囲むとともに前記シールドシェルの外面に接触する編組線と、前記シールドシェルの外面との間に前記編組線を挟み込み前記編組線を前記シールドシェルに固定する締付部材と、シート状もしくはテープ状をなし前記編組線と前記締付部材との間に配置されるブチルゴム部材と、を備え、前記締付部材は、帯状をなす金属製のバンド部と、前記バンド部の長さ方向の一端部に設けられており前記バンド部の長さ方向の他端部が通されるロック部とを有し、前記バンド部の長さ方向の他端部が前記ロック部を通るとループ状をなすものであり、前記バンド部は、前記シールドシェルの外面との間に前記編組線を挟む位置で前記シールドシェルの外周に巻き付けられており、前記ロック部は、前記バンド部の内側領域が小さくなる方向への前記ロック部に対する前記バンド部の移動を許容する一方で、前記バンド部の内側領域が大きくなる方向への前記ロック部に対する前記バンド部の移動を阻止するワイヤハーネスである。
本開示のワイヤハーネスによれば、かしめリングを使用しなくとも編組線をシールドシェルに固定できる。
図1は、一実施形態におけるワイヤハーネスを示す概略構成図である。 図2は、一実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す模式図である。 図3は、一実施形態におけるワイヤハーネスの一部を模式的に示す断面図である。 図4は、一実施形態におけるワイヤハーネスを模式的に示す断面図である。 図5は、一実施形態におけるシールドシェルを模式的に示す斜視図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]電線と、前記電線の端部に接続される端子と、前記端子を保持するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの外周を囲む金属製のシールドシェルと、前記電線の外周を囲むとともに前記シールドシェルの外面に接触する編組線と、前記シールドシェルの外面との間に前記編組線を挟み込み前記編組線を前記シールドシェルに固定する締付部材と、シート状もしくはテープ状をなし前記編組線と前記締付部材との間に配置されるブチルゴム部材と、を備え、前記締付部材は、帯状をなす金属製のバンド部と、前記バンド部の長さ方向の一端部に設けられており前記バンド部の長さ方向の他端部が通されるロック部とを有し、前記バンド部の長さ方向の他端部が前記ロック部を通るとループ状をなすものであり、前記バンド部は、前記シールドシェルの外面との間に前記編組線を挟む位置で前記シールドシェルの外周に巻き付けられており、前記ロック部は、前記バンド部の内側領域が小さくなる方向への前記ロック部に対する前記バンド部の移動を許容する一方で、前記バンド部の内側領域が大きくなる方向への前記ロック部に対する前記バンド部の移動を阻止するワイヤハーネスである。
この構成によれば、編組線は、シールドシェルの外面に接触することにより同シールドシェルに電気的に接続される。そして、締付部材によって編組線がシールドシェルに固定されている状態では、締付部材によってブチルゴム部材が編組線及びシールドシェルの外面に向けて押しつけられる。そのため、ブチルゴム部材が編組線の網目に入り込む。そして、当該ブチルゴム部材は、編組線の網目からシールドシェルの外面に接触する。そのため、ブチルゴム部材によって、編組線におけるシールドシェルの外面に接触する部分とシールドシェルとが電線の長さ方向に相対移動することが抑制される。従って、編組線がシールドシェルから抜けることを抑制できる。
また、ワイヤハーネスの組み立てを行う作業者は、シールドシェル、編組線及びブチルゴム部材をバンド部の内側領域に配置した状態で、ロック部を貫通したバンド部を引っ張ることにより、編組線をシールドシェルに固定できる。従って、かしめリングを使用しなくとも編組線をシールドシェルに固定できる。シールドシェル、編組線及びブチルゴム部材をバンド部の内側領域に配置することができれば、これらの部材を締付部材によって締め付けることができる。そして、締付部材を締める工程は、かしめリングを用いる場合のように金型を用いなくとも、締付部材を締める締付工具を用いて行うことができる。従って、シールドシェルの外形及び編組線を構成する金属素線の直径のうち少なくとも一方が異なる複数種類のワイヤハーネスを製造する場合であっても、ワイヤハーネスの種類ごとに金型を製造するなどの作業を行わなくてもよい。そのため、編組線をシールドシェルに固定するための装置にかかる費用を低減できる。その結果、複数種類のワイヤハーネスにおいて、製造コストを低減できる。
[2]前記シールドシェルの外面は、前記電線の長さ方向と平行な平面状をなす平面部を有し、前記ブチルゴム部材は、少なくとも前記平面部との間に前記編組線を挟む位置に配置されることが好ましい。
この構成によれば、締付部材によって押しつけられることにより編組線の網目に入り込んだブチルゴム部材は、平面状をなす平面部に接触できる。そのため、ブチルゴム部材によって、編組線におけるシールドシェルの外面に接触する部分とシールドシェルとが電線の長さ方向に相対移動することをより抑制できる。従って、編組線がシールドシェルから抜けることをより抑制できる。
[3]前記シールドシェルの外面は、前記電線の長さ方向から見て前記電線の外周を囲む環状をなす環状面を有し、前記環状面は、前記電線の長さ方向と直交する方向に離れる2つの前記平面部と、前記平面部同士を連結する2つの連結部とを有し、前記ブチルゴム部材は、少なくとも各前記平面部との間に前記編組線を挟む位置に配置されることが好ましい。
この構成によれば、締付部材によって押しつけられることにより編組線の網目に入り込んだブチルゴム部材が、2つの平面部の各々に接触する。そのため、ブチルゴム部材によって、編組線におけるシールドシェルの外面に接触する部分とシールドシェルとが電線の長さ方向に相対移動することを更に抑制できる。従って、編組線がシールドシェルから抜けることを更に抑制できる。
[4]前記ブチルゴム部材と前記締付部材との間に配置されており前記ブチルゴム部材の外面を覆うテープ部材を備え、前記テープ部材は、帯状をなす基材と、前記基材の片面に積層されている粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が前記ブチルゴム部材の外面に接触することが好ましい。
この構成によれば、ワイヤハーネスの組み立て時において、テープ部材によってブチルゴム部材の外面が覆われた後は、作業者にブチルゴム部材を構成するブチルゴムが付着することが抑制される。従って、ブチルゴム部材を構成するブチルゴムが作業者を介してワイヤハーネスにおける他の部位に付着することを抑制できる。
[5]前記締付部材を2つ備え、2つの前記締付部材のうち一方の前記締付部材は第1締付部材であり、他方の前記締付部材は第2締付部材であり、前記第1締付部材と前記第2締付部材とは、前記電線の長さ方向に並んでいることが好ましい。
この構成によれば、第1締付部材及び第2締付部材の各々がシールドシェル、編組線及びブチルゴム部材を締め付ける。従って、編組線がシールドシェルから抜ける方向に編組線を引っ張る力が当該編組線に作用したとしても、編組線がシールドシェルから抜けることをより抑制できる。
[6]前記第1締付部材が有する前記バンド部は、第1バンド部であり、前記第1締付部材が有する前記ロック部は、第1ロック部であり、前記第2締付部材が有する前記バンド部は、第2バンド部であり、前記第2締付部材が有する前記ロック部は、第2ロック部であり、前記電線の長さ方向における前記第1ロック部の幅は、前記電線の長さ方向における前記第1バンド部の幅よりも広く、前記電線の長さ方向における前記第2ロック部の幅は、前記電線の長さ方向における前記第2バンド部の幅よりも広く、前記電線の長さ方向から見て、前記第2ロック部は、前記第1ロック部と重ならない位置にあることが好ましい。
この構成によれば、電線の長さ方向から見て第2ロック部が第1ロック部と重なる部分を有する場合に比べて、第1締付部材と第2締付部材とを電線の長さ方向に近づけて配置できる。従って、第1締付部材と第2締付部材とを配置するスペースを、電線の長さ方向に狭めることができる。そのため、シールドシェルにおける第1締付部材及び第2締付部材が巻き付けられる部分を、電線の長さ方向により短くできる。その結果、電線の長さ方向においてシールドシェルを小型化することが可能になる。そして、電線の長さ方向においてシールドシェルを小型化すると、シールドシェルを軽量化できるため、ひいてはワイヤハーネスを軽量化できる。
[7]前記編組線は、前記シールドシェルの外面に接触する接触部と、前記編組線の長さ方向における前記編組線の端部領域で前記接触部を外周側から覆うように折り返されている折り返し部とを有し、前記第1締付部材は、前記折り返し部の内側に位置し前記シールドシェルの外面との間に前記接触部を挟み込んでおり、前記第2締付部材は、前記折り返し部の外側に位置し前記シールドシェルの外面との間に前記接触部及び前記折り返し部を挟み込んでいることが好ましい。
この構成によれば、ワイヤハーネスの組み立て時には、第1締付部材でシールドシェル、接触部及びブチルゴム部材を締め付ける。その後、第1締付部材の外周を覆うように編組線の長さ方向における同編組線の端部領域を折り返すことにより、折り返し部を形成できる。そして、第1締付部材によって編組線がシールドシェルに固定されている状態で、シールドシェル、接触部、ブチルゴム部材及び折り返し部を第2締付部材で締め付けることができる。従って、シールドシェル及び編組線に対して第2締付部材を容易に巻き付けることができるため、ワイヤハーネスの組み立て作業性を向上できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各図面において、各部分の寸法比率は、実際のものと、または別の図中のものと異なる場合がある。本明細書における「直交」は、厳密に直交する場合のみではなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交する場合も含まれる。また、本明細書で使用される「筒状」という用語は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されるものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字形のように周方向の一部にギャップを有するものも含む。また、「筒状」の外縁形状には、円形、楕円形、及び、尖った角または丸い角を有する多角形が含まれるが、これらに限定されない。また、本明細書の説明で使用される「環状」という用語は、ループを形成する任意の構造、または端部のない連続形状、並びに、全体としてループ形状をなす構造を指すことがある。「環状」の形状には、円形、楕円形、及び尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれるが、これらに限定されない。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、ワイヤハーネスの一実施形態について説明する。
(ワイヤハーネス10の全体構成)
図1に示すワイヤハーネス10は、例えばハイブリッド車や電気自動車等の車両Vに搭載される。ワイヤハーネス10は、2個以上の車載機器を電気的に接続する。例えば、ワイヤハーネス10は、2個の車載機器11,12を電気的に接続する。車載機器11,12としては、例えば、高圧バッテリ、インバータ、モータ、電気接続箱などを挙げることができる。なお、電気接続箱は、車載機器に対して電力供給及び信号伝達の少なくとも一方を行う機器を収容するものである。電気接続箱としては、例えば、リレーボックス、ヒューズボックス、ジャンクションボックスなどを挙げることができる。
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネス10は、例えば、少なくとも1つの電線20と、電線20の端部に設けられるコネクタ30と、電線20の外周を囲む編組線50とを備える。ワイヤハーネス10は、例えば、2つの電線20を備える。コネクタ30は、例えば、車載機器11が有するケースに設けられた相手コネクタと接続される。
(電線20の構成)
図3及び図4に示すように、各電線20は、導電性を有する芯線21と、芯線21の外周を囲むとともに絶縁性を有する絶縁被覆22とを有する。なお、図4は、図3における4-4断面図である。
芯線21としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体や、内部が中空構造をなす筒状導体などを用いることができる。また、芯線21として、例えば撚線、柱状導体、筒状導体のうちの少なくとも2つを組み合わせたものを用いてもよい。芯線21の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。
絶縁被覆22は、例えば、芯線21の外周を、電線20の中心線L1周りの周方向全周にわたって被覆する。絶縁被覆22は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成される。
なお、図2及び図3では、電線20の中心線L1を一点鎖線で図示している。中心線L1は、電線20の横断面における中央を通る線である。電線20の長さ方向Xは、電線20の延びる方向であって、中心線L1に沿う方向である。図中では、長さ方向Xを両矢印で図示している。なお、以下の説明では、便宜上、長さ方向Xのうち、図中における矢印X1方向を前方、矢印X2方向を後方とする。
(コネクタ30の構成)
図2及び図3に示すように、コネクタ30は、例えば、各電線20の端部に接続される端子33と、端子33を保持するコネクタハウジング34と、コネクタハウジング34の外周を囲むシールドシェル35とを有する。なお、図4では、便宜上、コネクタハウジング34の断面ハッチングを省略している。
(端子33の構成)
各端子33の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。各端子33には、例えば、各電線20における絶縁被覆22から露出された芯線21の前端領域が接続される。芯線21は、例えば溶接及び圧着のうちのいずれかの方法で、端子33に電気的及び機械的に接続される。なお、各端子33は、例えば車載機器11が備える異なる相手端子にそれぞれ電気的に接続される。各端子33を介して車載機器11と電線20とが電気的に接続される。
(コネクタハウジング34の構成)
コネクタハウジング34は、同コネクタハウジング34の内部に各端子33を保持する。また、コネクタハウジング34は、各電線20の前端領域を内部に保持する。即ち、コネクタハウジング34は、各端子33と各電線20との接続部分を内部に収容する。各電線20は、例えば長さ方向Xに沿って、コネクタハウジング34から同コネクタハウジング34の後方に突出する。コネクタハウジング34は、例えば絶縁性の樹脂材料で構成される。
(シールドシェル35の構成)
図3~図5に示すように、シールドシェル35は、例えば、長さ方向Xから見てコネクタハウジング34の外周を全周にわたって囲む環状をなす。また、シールドシェル35は、例えば、長さ方向Xに延びる筒状をなす。長さ方向Xと垂直な平面で切ったシールドシェル35の断面形状は、環状をなす。
シールドシェル35は、例えば、編組線50が接続される編組接続部41を有する。編組接続部41は、長さ方向Xに延びる筒状をなす。即ち、編組接続部41は、環状の断面形状を有する周壁である。編組接続部41の外周面は、シールドシェル35の外面の一部を構成する。
シールドシェル35の外面は、長さ方向Xから見て電線20の外周を囲む環状をなす環状面42を有する。例えば、環状面42は、編組接続部41の外周面である。環状面42は、2つの平面部43a,43bと、2つの連結部44a,44bとを有する。
平面部43a,43bの各々は、長さ方向Xと平行な平面状をなす。平面部43aと平面部43bとは、長さ方向Xと直交する方向に離れている。また、平面部43aと平面部43bとは、互いに平行をなしている。長さ方向Xから見て、連結部44aと連結部44bとの間に平面部43a及び平面部43bが位置する。そして、連結部44aは、平面部43aにおける連結部44aと隣接する端部と、平面部43bにおける連結部44aと隣接する端部同士を連結している。連結部44bは、平面部43aにおける連結部44bと隣接する端部と、平面部43bにおける連結部44bと隣接する端部同士を連結している。平面部43a,43b及び連結部44a,44bは、矢印X2方向に見て、平面部43aから順に、時計方向に、平面部43a,連結部44a,平面部43b,連結部44bの順に並んでいる。そして、平面部43a,43b及び連結部44a,44bは、全体で環状をなす。
長さ方向Xから見た各連結部44a,44bの形状は、例えば、平面部43aと平面部43bとの間の距離と等しい大きさの直径を有する円弧状をなす。長さ方向Xから見て、連結部44aと連結部44bとは、互いに遠ざかる方向に突出する円弧状をなす。そして、長さ方向Xから見て、平面部43a及び平面部43bの各々は、例えば、連結部44aと連結部44bの共通外接線に一致する。そして、長さ方向Xから見た環状面42の形状は、例えば角丸長方形(いわゆるレーストラック形状)をなす。即ち、長さ方向Xから見た編組接続部41の外形は、例えば角丸長方形をなす。
図3に示すように、シールドシェル35は、位置決め面45を有していてもよい。位置決め面45は、シールドシェル35において、編組接続部41の前端と隣接する位置にある。位置決め面45は、後方を向いている。位置決め面45は、例えば、長さ方向Xと垂直な平面状をなす。
シールドシェル35は、例えば車載機器11のケースにシールドシェル35を固定するための固定部46を有していてもよい。シールドシェル35は、例えば固定部46を貫通するボルトを用いて車載機器11のケースに固定される。
シールドシェル35は、金属製である。シールドシェル35の材料としては、例えば、鉄系やアルミニウム系の金属材料を用いることができる。
(編組線50の構成)
編組線50は、複数の金属素線が例えば筒状に編み込まれたものである。編組線50の材料、即ち金属素線の材料としては、例えば、銅系の金属材料を用いることができる。編組線50を構成する金属素線には、銅錫合金のめっきが施されていてもよい。
図2~図4に示すように、編組線50は、2つの電線20の外周を一括して囲む。編組線50は、例えば、長さ方向Xから見て2つの電線20の外周を全周にわたって囲む。また、編組線50は、シールドシェル35の外面に接触する。例えば、編組線50は、シールドシェル35の外面に接触する接触部51を有する。ここで、編組線50の長さ方向の両端は、編組線50の前端52と図示しない後端とに該当する。なお、編組線50の長さ方向は、長さ方向Xに概ね一致する。接触部51は、編組線50において、例えば、前端52に近い位置にある。接触部51は、例えば、編組接続部41の外周を全周にわたって囲む。接触部51は、長さ方向Xから見て、電線20を囲む環状をなす。また、接触部51は、長さ方向Xに沿って延びる筒状をなす。そして、接触部51の内周面が環状面42に接触する。
編組線50は、折り返し部53を有していてもよい。折り返し部53は、編組線50において、編組線50の長さ方向における同編組線50の端部領域で接触部51を外周側から覆うように折り返されている部分である。即ち、折り返し部53は、編組線50における前端52を含む端部領域であって、接触部51を囲むように折り返されている部分である。例えば、折り返し部53は、編組線50における前端52と接触部51との間の部分である。折り返し部53は、接触部51の外周を囲むとともに、接触部51に重ねられている。長さ方向Xから見て、折り返し部53は、電線20を囲む環状をなす。また、折り返し部53は、長さ方向Xに沿って延びる筒状をなす。
(ブチルゴム部材61の構成)
図3及び図4に示すように、ワイヤハーネス10は、シート状もしくはテープ状をなすブチルゴム部材61を備える。ブチルゴム部材61は、例えば、シート状をなすブチルシートである。ブチルシートを構成するブチルゴムは、自己融着性を有する。なお、ブチルゴム部材61としては、ブチルシート以外に、ブチルテープを用いることもできる。ブチルテープはとしては、例えば、基材を備えないブチルテープを用いてよいし、基材の片面もしくは両面にブチルゴム系粘着剤が積層されているブチルテープを用いてもよい。
ブチルゴム部材61は、例えば、少なくとも各平面部43a,43bとの間に編組線50を挟む位置に配置される。ワイヤハーネス10は、例えば2つのブチルゴム部材61を備える。2つのブチルゴム部材61のうち一方のブチルゴム部材61aは、平面部43aとの間に接触部51を挟む位置に配置される。2つのブチルゴム部材61のうち他方のブチルゴム部材61bは、平面部43bとの間に接触部51を挟む位置に配置される。ブチルゴム部材61a,61bの各々は、例えば、接触部51と折り返し部53との間に位置する。例えば、長さ方向Xと直交する方向において、ブチルゴム部材61a,61bの各々は、接触部51及び折り返し部53と重なる。
(テープ部材71の構成)
ワイヤハーネス10は、ブチルゴム部材61a,61bの外面62を覆うテープ部材71を備えてもよい。なお、ブチルゴム部材61の外面62は、ブチルゴム部材61がシールドシェル35に対して配置されている状態において、シールドシェル35の外周側を向く面である。即ち、ブチルゴム部材61の外面62は、同状態において、ブチルゴム部材61におけるシールドシェル35の外面と対向する面の裏側の面である。例えば、ブチルゴム部材61aの外面62は、ブチルゴム部材61aにおける平面部43aと対向する面の裏側の面である。
テープ部材71は、帯状をなす基材72と、基材72の片面に積層されている粘着剤層73とを有する。テープ部材71としては、例えばビニールテープなどの粘着テープを用いることができる。テープ部材71は、粘着剤層73がブチルゴム部材61a,61bの外面62に接触する。即ち、テープ部材71は、粘着剤層73がブチルゴム部材61a,61bの外面62に接触するように、編組線50の外周に巻き付けられている。例えば、テープ部材71は、折り返し部53の内側で、粘着剤層73がブチルゴム部材61a,61bの外面62に接触するように接触部51の外周に巻き付けられている。例えば、各ブチルゴム部材61a,61bの外面62の全体が、テープ部材71によって覆われる。
(締付部材81の構成)
図2~図4に示すように、ワイヤハーネス10は、シールドシェル35の外面との間に編組線50を挟み込み編組線50をシールドシェル35に固定する締付部材81を備える。締付部材81としては、金属製の結束バンドを用いることができる。例えば、締付部材81として、既存のステンレスバンドを用いることができる。
ワイヤハーネス10は、締付部材81を例えば2つ備える。2つの締付部材81のうち一方の締付部材81は第1締付部材81aであり、他方の締付部材81は第2締付部材81bである。
図4に示すように、第1締付部材81aは、帯状をなす金属製の第1バンド部82aと、第1バンド部82aの長さ方向の一端に設けられる第1ロック部83aとを有する。ここで、第1バンド部82aの長さ方向の一端部を第1端部84とし、第1バンド部82aの長さ方向の他端部を第2端部85とする。第1ロック部83aには、第1バンド部82aの第2端部85が通される。第1締付部材81aは、第1バンド部82aの第2端部85が第1ロック部83aを通るとループ状をなす。
第1ロック部83aに第2端部85が通されている状態において、第1ロック部83aは、第1バンド部82aの内側領域が小さくなる方向への第1ロック部83aに対する第1バンド部82aの移動を許容する。その一方で、第1ロック部83aに第2端部85が通されている状態において、第1ロック部83aは、第1バンド部82aの内側領域が大きくなる方向への第1ロック部83aに対する第1バンド部82aの移動を阻止する。例えば、第1ロック部83aは、内部にステンレス製のボールを有する。第1バンド部82aは、第1ロック部83aに第2端部85が通されている状態では、第1ロック部83aの内部で当該ボールに接触可能である。また、第1ロック部83aは、内部に当該ボールに接触可能な傾斜面を有する。第1ロック部83aの内部では、第1ロック部83aを貫通する第1バンド部82aと傾斜面との間にボールを挟み込むことが可能である。第1バンド部82aの内側領域が小さくなる方向へ第1バンド部82aが第1ロック部83aに対して移動されるときには、傾斜面及びボールは、第1バンド部82aの移動を許容する。一方、第1バンド部82aの内側領域が大きくなる方向へ第1バンド部82aが第1ロック部83aに対して移動しようとすると、第1ロック部83aの内部で傾斜面と第1バンド部82aとの間にボールが挟み込まれる。すると、第1ロック部83aの内部で第1バンド部82aとボールとの間の摩擦力が大きくなるため、当該摩擦力によって、第1バンド部82aの内側領域が大きくなる方向へ第1バンド部82aが第1ロック部83aに対して移動することが阻止される。
図2及び図3に示すように、第2締付部材81bは、例えば第1締付部材81aと同じ構成である。即ち、第2締付部材81bは、第1バンド部82aと同様の第2バンド部82bと、第1ロック部83aと同様の第2ロック部83bとを有する。第2バンド部82b及び第2ロック部83bの構成は、第1バンド部82a及び第1ロック部83aの構成と同じであるため、第2バンド部82b及び第2ロック部83bの説明を省略する。
図2に示すように、長さ方向Xにおける第1ロック部83aの幅D1は、例えば、長さ方向Xにおける第1バンド部82aの幅D2よりも広い。また、長さ方向Xにおける第2ロック部83bの幅D3は、例えば、長さ方向Xにおける第2バンド部82bの幅D4よりも広い。
図3及び図4に示すように、第1バンド部82aは、シールドシェル35の外面との間に編組線50を挟む位置でシールドシェル35の外周に巻き付けられている。第1バンド部82aは、例えば、環状面42との間に接触部51を挟む位置で編組接続部41に巻き付けられている。また、第1締付部材81aは、例えば、折り返し部53の内側に位置しシールドシェル35の外面との間に接触部51を挟み込んでいる。即ち、第1締付部材81aは、折り返し部53と接触部51との間に配置されている。そして、第1締付部材81aは、接触部51及び編組接続部41を締め付ける。なお、長さ方向Xにおける第1締付部材81aの位置は、例えば、位置決め面45を基準として、位置決め面45から所定距離だけ離れた位置である。
ブチルゴム部材61a,61bの各々は、編組線50と第1締付部材81aとの間に配置される。例えば、ブチルゴム部材61a,61bの各々は、接触部51と第1締付部材81aとの間に配置される。また、テープ部材71は、ブチルゴム部材61a,61bの各々と第1締付部材81aとの間に配置されている。そして、第1締付部材81aは、編組接続部41及び接触部51と合わせてブチルゴム部材61a,61b及びテープ部材71を締め付ける。
図3に示すように、第2バンド部82bは、シールドシェル35の外面との間に編組線50を挟む位置でシールドシェル35の外周に巻き付けられている。第2バンド部82bは、例えば、環状面42との間に接触部51及び折り返し部53を挟む位置で編組接続部41に巻き付けられている。また、第2締付部材81bは、例えば、折り返し部53の外側に位置しシールドシェル35の外面との間に接触部51及び折り返し部53を挟み込んでいる。そして、第2締付部材81bは、接触部51、折り返し部53及び編組接続部41を締め付ける。
ブチルゴム部材61a,61bの各々は、編組線50と第2締付部材81bとの間に配置される。例えば、ブチルゴム部材61a,61bの各々は、接触部51と第2締付部材81bとの間に配置される。また、テープ部材71は、ブチルゴム部材61a,61bの各々と第2締付部材81bとの間に配置されている。そして、第2締付部材81bは、編組接続部41、接触部51及び折り返し部53と合わせてブチルゴム部材61a,61b及びテープ部材71を締め付ける。
第1締付部材81aと第2締付部材81bとは、長さ方向Xに並んでいる。長さ方向Xにおける第2締付部材81bの位置は、例えば、第1締付部材81aから後方に離れた位置である。このため、長さ方向Xにおける第1締付部材81a位置は、折り返し部53と接触部51との境界部分と、第2締付部材81bとの間である。
図4に示すように、長さ方向Xから見て、第2ロック部83bは、第1ロック部83aと重ならない位置にある。即ち、長さ方向Xから見て、第2ロック部83bは、ループ状をなす第1締付部材81aに沿って第1ロック部83aから離れた位置にある。第1ロック部83aは、例えば平面部43aとの間に編組線50を挟む位置にある。更に、第2ロック部83bは、例えば平面部43bとの間に編組線50を挟む位置にある。
なお、ワイヤハーネス10は、編組線50の外周側から電線20を覆う図示しない外装部材を備えてもよい。外装部材は、例えば、電線20及び編組線50の外周を囲む筒状をなすコルゲートチューブ、及び、樹脂繊維が編み込まれたツイストチューブのいずれかである。因みに、ワイヤハーネス10は当該外装部材を備えなくても良い。
(シールドシェル35への編組線50の固定)
編組線50をシールドシェル35に固定する工程は、作業者によって行われる。シールドシェル35に編組線50を固定する際には、まず、シールドシェル35の外周に編組線50を被せる。このとき、編組線50において、折り返し部53は折り返されていない。即ち、折り返し部53と接触部51とが長さ方向Xに並んだ状態の編組線50を、シールドシェル35に被せる。そして、編組接続部41の環状面42を接触部51が覆う状態にする。その後、ブチルゴム部材61aを、平面部43aとの間に接触部51を挟む位置に配置する。また、ブチルゴム部材61bを、平面部43bとの間に接触部51を挟む位置に配置する。その後、テープ部材71を、ブチルゴム部材61a,61bの各々の外面62を覆うように接触部51及び編組接続部41の外周に巻き付ける。
その後、テープ部材71の外周から、第1締付部材81aを、接触部51、ブチルゴム部材61a,61b、及びテープ部材71を環状面42との間に挟むように巻き付ける。そして、第1バンド部82aの第2端部85を第1ロック部83aに通した後に、第1バンド部82aを締付工具によって引っ張る。これにより、編組接続部41、接触部51、ブチルゴム部材61a,61b及びテープ部材71を第1締付部材81aで締め付ける。当該締付工具としては、金属製の結束バンドを締める際に使用される既存の工具を用いることができる。
その後、折り返し部53を折り返す。そして、第1締付部材81aよりも後方で、折り返し部53の外周から、第2締付部材81bを、接触部51、ブチルゴム部材61a,61b、テープ部材71及び折り返し部53を環状面42との間に挟むように巻き付ける。そして、第2バンド部82bの第2端部85を第2ロック部83bに通した後に、第2バンド部82bを締付工具によって引っ張る。これにより、編組接続部41、接触部51、ブチルゴム部材61a,61b、テープ部材71及び折り返し部53を第2締付部材81bで締め付ける。シールドシェル35に対して第2締付部材81bが固定されると、シールドシェル35への編組線50の固定が終了する。
本実施形態の作用効果について説明する。
(1)ワイヤハーネス10は、電線20と、電線20の端部に接続される端子33と、端子33を保持するコネクタハウジング34と、コネクタハウジング34の外周を囲む金属製のシールドシェル35とを備える。また、ワイヤハーネス10は、電線20の外周を囲むとともにシールドシェル35の外面に接触する編組線50を備える。また、ワイヤハーネス10は、シールドシェル35の外面との間に編組線50を挟み込み編組線50をシールドシェル35に固定する締付部材81を備える。例えば、ワイヤハーネス10は、第1締付部材81aと第2締付部材81bとの2つの締付部材81を備える。また、ワイヤハーネス10は、シート状もしくはテープ状をなし編組線50と締付部材81との間に配置されるブチルゴム部材61を備える。第1締付部材81aは、帯状をなす金属製の第1バンド部82aと、第1バンド部82aの長さ方向の一端部に設けられており第1バンド部82aの長さ方向の他端部が通される第1ロック部83aとを有する。第1締付部材81aは、第1バンド部82aの長さ方向の他端部が第1ロック部83aを通るとループ状をなす。第2締付部材81bは、帯状をなす金属製の第2バンド部82bと、第2バンド部82bの長さ方向の一端部に設けられており第2バンド部82bの長さ方向の他端部が通される第2ロック部83bとを有する。第2締付部材81bは、第2バンド部82bの長さ方向の他端部が第2ロック部83bを通るとループ状をなす。バンド部82a,82bは、シールドシェル35の外面との間に編組線50を挟む位置でシールドシェル35の外周に巻き付けられている。ロック部83a,83bは、バンド部82a,82bの内側領域が小さくなる方向へのロック部83a,83bに対するバンド部82a,82bの移動を許容する。その一方で、ロック部83a,83bは、バンド部82a,82bの内側領域が大きくなる方向へのロック部83a,83bに対するバンド部82a,82bの移動を阻止する。
この構成によれば、編組線50は、シールドシェル35の外面に接触することにより同シールドシェル35に電気的に接続される。そして、第1締付部材81a及び第2締付部材81bによって編組線50がシールドシェル35に固定されている状態では、これら締付部材81a,81bによってブチルゴム部材61が編組線50及びシールドシェル35の外面に向けて押しつけられる。そのため、自己融着性を有するブチルゴム部材61が編組線50の網目に入り込む。そして、当該ブチルゴム部材61は、編組線50の網目からシールドシェル35の外面に接触する。そのため、ブチルゴム部材61によって、編組線50におけるシールドシェル35の外面に接触する部分とシールドシェル35とが長さ方向Xに相対移動することが抑制される。従って、編組線50がシールドシェル35から抜けることを抑制できる。
また、ワイヤハーネス10の組み立てを行う作業者は、シールドシェル35、編組線50及びブチルゴム部材61を第1バンド部82aの内側領域に配置した状態で、第1ロック部83aを貫通した第1バンド部82aを引っ張る。また、同作業者は、シールドシェル35、編組線50及びブチルゴム部材61を第2バンド部82bの内側領域に配置した状態で、第2ロック部83bを貫通した第2バンド部82bを引っ張る。これにより、作業者は、編組線50をシールドシェル35に固定できる。従って、かしめリングを使用しなくとも編組線50をシールドシェル35に固定できる。シールドシェル35、編組線50及びブチルゴム部材61をバンド部82a,82bの内側領域に配置することができれば、これらの部材を締付部材81a,81bによって締め付けることができる。そして、締付部材81a,81bの各々を締める工程は、かしめリングを用いる場合のように金型を用いなくとも、締付部材81a,81bを締める締付工具を用いて行うことができる。従って、シールドシェル35の外形及び編組線50を構成する金属素線の直径のうち少なくとも一方が異なる複数種類のワイヤハーネスを製造する場合であっても、ワイヤハーネスの種類ごとに金型を製造するなどの作業を行わなくてもよい。そのため、編組線50をシールドシェル35に固定するための装置にかかる費用を低減できる。その結果、複数種類のワイヤハーネスにおいて、製造コストを低減できる。
(2)シールドシェル35の外面は、長さ方向Xと平行な平面状をなす平面部43a,43bを有する。ブチルゴム部材61は、少なくとも平面部43a,43bとの間に編組線50を挟む位置に配置される。
この構成によれば、締付部材81によって押しつけられることにより編組線50の網目に入り込んだブチルゴム部材61は、平面状をなす平面部43a,43bに接触できる。そのため、ブチルゴム部材61によって、編組線50におけるシールドシェル35の外面に接触する部分とシールドシェル35とが長さ方向Xに相対移動することをより抑制できる。従って、編組線50がシールドシェル35から抜けることをより抑制できる。
(3)シールドシェル35の外面は、長さ方向Xから見て電線20の外周を囲む環状をなす環状面42を有する。環状面42は、長さ方向Xと直交する方向に離れる2つの平面部43a,43bと、平面部43a,43b同士を連結する2つの連結部44a,44bとを有する。ブチルゴム部材61は、少なくとも各平面部43a,43bとの間に編組線50を挟む位置に配置される。
この構成によれば、締付部材81によって押しつけられることにより編組線50の網目に入り込んだブチルゴム部材61が、2つの平面部43a,43bの各々に接触する。そのため、ブチルゴム部材61によって、編組線50におけるシールドシェル35の外面に接触する部分とシールドシェル35とが長さ方向Xに相対移動することを更に抑制できる。従って、編組線50がシールドシェル35から抜けることを更に抑制できる。
(4)ワイヤハーネス10は、ブチルゴム部材61と締付部材81との間に配置されておりブチルゴム部材61の外面62を覆うテープ部材71を備える。テープ部材71は、帯状をなす基材72と、基材72の片面に積層されている粘着剤層73とを有する。テープ部材71は、粘着剤層73がブチルゴム部材61の外面62に接触する。
この構成によれば、ワイヤハーネス10の組み立て時において、テープ部材71によってブチルゴム部材61の外面62が覆われた後は、作業者にブチルゴム部材61を構成するブチルゴムが付着することが抑制される。従って、ブチルゴム部材61を構成するブチルゴムが作業者を介してワイヤハーネス10における他の部位に付着することを抑制できる。
(5)ワイヤハーネス10は、締付部材81を2つ備える。2つの締付部材81のうち一方の締付部材81は第1締付部材81aであり、他方の締付部材81は第2締付部材81bである。第1締付部材81aと第2締付部材81bとは、長さ方向Xに並んでいる。
この構成によれば、第1締付部材81a及び第2締付部材81bの各々がシールドシェル35、編組線50及びブチルゴム部材61を締め付ける。従って、編組線50がシールドシェル35から抜ける方向に編組線50を引っ張る力、即ち編組線50を後方に引っ張る力、が当該編組線50に作用したとしても、編組線50がシールドシェル35から抜けることをより抑制できる。
(6)第1締付部材81aは、第1バンド部82aと第1ロック部83aとを有する。第2締付部材81bは、第2バンド部82bと第2ロック部83bとを有する。長さ方向Xにおける第1ロック部83aの幅D1は、長さ方向Xにおける第1バンド部82aの幅D2よりも広い。長さ方向Xにおける第2ロック部83bの幅D3は、長さ方向Xにおける第2バンド部82bの幅D4よりも広い。長さ方向Xから見て、第2ロック部83bは、第1ロック部83aと重ならない位置にある。
この構成によれば、長さ方向Xから見て第2ロック部83bが第1ロック部83aと重なる部分を有する場合に比べて、第1締付部材81aと第2締付部材81bとを長さ方向Xに近づけて配置できる。従って、第1締付部材81aと第2締付部材81bとを配置するスペースを、長さ方向Xに狭めることができる。そのため、シールドシェル35における第1締付部材81a及び第2締付部材81bが巻き付けられる部分を、長さ方向Xにより短くできる。例えば、編組接続部41を長さ方向Xにより短くすることが可能になる。その結果、長さ方向Xにおいてシールドシェル35を小型化することが可能になる。そして、長さ方向Xにおいてシールドシェル35を小型化すると、シールドシェル35を軽量化できるため、ひいてはワイヤハーネス10を軽量化できる。
(7)編組線50は、シールドシェル35の外面に接触する接触部51と、編組線50の長さ方向における同編組線50の端部領域で接触部51を外周側から覆うように折り返されている折り返し部53とを有する。第1締付部材81aは、折り返し部53の内側に位置しシールドシェル35の外面との間に接触部51を挟み込んでいる。第2締付部材81bは、折り返し部53の外側に位置しシールドシェル35の外面との間に接触部51及び折り返し部53を挟み込んでいる。
この構成によれば、ワイヤハーネス10の組み立て時には、第1締付部材81aでシールドシェル35、接触部51及びブチルゴム部材61を締め付ける。その後、第1締付部材81aの外周を覆うように編組線50の長さ方向における同編組線50の端部領域を折り返すことにより、折り返し部53を形成できる。そして、第1締付部材81aによって編組線50がシールドシェル35に固定されている状態で、シールドシェル35、接触部51、ブチルゴム部材61及び折り返し部53を第2締付部材81bで締め付けることができる。従って、シールドシェル35及び編組線50に対して第2締付部材81bを容易に巻き付けることができるため、ワイヤハーネス10の組み立て作業性を向上できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態のワイヤハーネス10において、第1締付部材81aは、折り返し部53の外側に位置しシールドシェル35の外面との間に接触部51及び折り返し部53を挟み込んでもよい。この場合においても、編組線50におけるシールドシェル35の外面に接触する部分と第1締付部材81aとの間に、ブチルゴム部材61が配置される。また、当該ブチルゴム部材61は、編組線50におけるシールドシェル35の外面に接触する部分に接触する。
・編組線50は、折り返し部53を有していなくてもよい。この場合、第2締付部材81bは、第1締付部材81aと同様にテープ部材71の外周に巻き付けられる。そして、当該第2締付部材81bは、編組接続部41、接触部51、ブチルゴム部材61a,61b及びテープ部材71を締め付ける。
・長さ方向Xから見て、第2ロック部83bは、第1ロック部83aと重なる位置にあってもよい。即ち、第1ロック部83aと第2ロック部83bとが長さ方向Xに並んでいてもよい。
・ワイヤハーネス10は、第1締付部材81a及び第2締付部材81bのうちいずれか一方を備えなくてもよい。また、ワイヤハーネス10は、締付部材81を3つ以上備えてもよい。
・テープ部材71は、ブチルゴム部材61の外面62のみを覆ってもよい。また、ワイヤハーネス10は、テープ部材71を備えなくてもよい。
・環状面42は、平面部43a及び平面部43bのうちいずれか一方の平面部のみを備えてもよい。この場合、環状面42は、例えば、長さ方向Xから見てC字状をなす1つの円弧面と、円弧面の端部同士を連結する1つの平面部とを有する。また、環状面42は、平面部を3つ以上備えてもよい。
また、長さ方向Xから見た環状面42の形状は、角丸長方形に限らない。即ち、長さ方向Xから見た編組接続部41の外形は、角丸長方形状に限らない。長さ方向Xから見た環状面42の形状は、例えば、円形状、楕円形状、丸い角を有する多角形状のうちのいずれかの形状であってもよい。
・ブチルゴム部材61は、編組線50と締付部材81との間に配置されるのであれば、上記実施形態と異なる位置に配置されてもよい。ただし、ブチルゴム部材61は、編組線50におけるシールドシェル35の外面に接触する部分に接触する。例えば、ブチルゴム部材61は、上記実施形態のワイヤハーネス10において、連結部44aとの間に編組線50を挟む位置、及び、連結部44bとの間に編組線50を挟む位置に更に配置されてもよい。この場合、ブチルゴム部材61としてブチルテープを用いると、接触部51の外周にブチルゴム部材61を巻き付けることにより容易にブチルゴム部材61を配置できる。また、ブチルゴム部材61は、平面部43aとの間に編組線50を挟む位置、及び平面部43bとの間に編組線50を挟む位置に配置されなくてもよい。この場合、ブチルゴム部材61は、例えば、連結部44aとの間に編組線50を挟む位置、及び、連結部44bとの間に編組線50を挟む位置の少なくとも一方の位置に配置される。
・シールドシェル35の外面は、平面部43a,43bを有していなくてもよい。
・シールドシェル35の形状は、上記実施形態の形状に限定されない。例えば、シールドシェル35は、位置決め面45を備えなくてもよい。
・ワイヤハーネス10が備える電線20の数は、2つに限らず、1つもしくは3つ以上であってもよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 ワイヤハーネス
11,12 車載機器
20 電線
21 芯線
22絶縁被覆
30 コネクタ
33 端子
34 コネクタハウジング
35 シールドシェル
41 編組接続部
42 環状面
43a,43b 平面部
44a,44b 連結部
45 位置決め面
46 固定部
50 編組線
51 接触部
52 前端(編組線の長さ方向の端)
53 折り返し部
61,61a,61b ブチルゴム部材
62 外面
71 テープ部材
72 基材
73 粘着剤層
81 締付部材
81a 第1締付部材(締付部材)
81b 第2締付部材(締付部材)
82a 第1バンド部(バンド部)
82b 第2バンド部(バンド部)
83a 第1ロック部(ロック部)
83b 第2ロック部(ロック部)
84 第1端部(バンド部の長さ方向の一端部)
85 第2端部(バンド部の長さ方向の他端部)
D1 幅
D2 幅
D3 幅
D4 幅
L1 中心線
X 長さ方向
X1 矢印
X2 矢印
V 車両

Claims (7)

  1. 電線と、
    前記電線の端部に接続される端子と、
    前記端子を保持するコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジングの外周を囲む金属製のシールドシェルと、
    前記電線の外周を囲むとともに前記シールドシェルの外面に接触する編組線と、
    前記シールドシェルの外面との間に前記編組線を挟み込み前記編組線を前記シールドシェルに固定する締付部材と、
    シート状もしくはテープ状をなし前記編組線と前記締付部材との間に配置されるブチルゴム部材と、を備え、
    前記締付部材は、帯状をなす金属製のバンド部と、前記バンド部の長さ方向の一端部に設けられており前記バンド部の長さ方向の他端部が通されるロック部とを有し、前記バンド部の長さ方向の他端部が前記ロック部を通るとループ状をなすものであり、
    前記バンド部は、前記シールドシェルの外面との間に前記編組線を挟む位置で前記シールドシェルの外周に巻き付けられており、
    前記ロック部は、前記バンド部の内側領域が小さくなる方向への前記ロック部に対する前記バンド部の移動を許容する一方で、前記バンド部の内側領域が大きくなる方向への前記ロック部に対する前記バンド部の移動を阻止するワイヤハーネス。
  2. 前記シールドシェルの外面は、前記電線の長さ方向と平行な平面状をなす平面部を有し、
    前記ブチルゴム部材は、少なくとも前記平面部との間に前記編組線を挟む位置に配置される請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記シールドシェルの外面は、前記電線の長さ方向から見て前記電線の外周を囲む環状をなす環状面を有し、
    前記環状面は、前記電線の長さ方向と直交する方向に離れる2つの前記平面部と、前記平面部同士を連結する2つの連結部とを有し、
    前記ブチルゴム部材は、少なくとも各前記平面部との間に前記編組線を挟む位置に配置される請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記ブチルゴム部材と前記締付部材との間に配置されており前記ブチルゴム部材の外面を覆うテープ部材を備え、
    前記テープ部材は、帯状をなす基材と、前記基材の片面に積層されている粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が前記ブチルゴム部材の外面に接触する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
  5. 前記締付部材を2つ備え、2つの前記締付部材のうち一方の前記締付部材は第1締付部材であり、他方の前記締付部材は第2締付部材であり、
    前記第1締付部材と前記第2締付部材とは、前記電線の長さ方向に並んでいる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
  6. 前記第1締付部材が有する前記バンド部は、第1バンド部であり、
    前記第1締付部材が有する前記ロック部は、第1ロック部であり、
    前記第2締付部材が有する前記バンド部は、第2バンド部であり、
    前記第2締付部材が有する前記ロック部は、第2ロック部であり、
    前記電線の長さ方向における前記第1ロック部の幅は、前記電線の長さ方向における前記第1バンド部の幅よりも広く、
    前記電線の長さ方向における前記第2ロック部の幅は、前記電線の長さ方向における前記第2バンド部の幅よりも広く、
    前記電線の長さ方向から見て、前記第2ロック部は、前記第1ロック部と重ならない位置にある請求項5に記載のワイヤハーネス。
  7. 前記編組線は、前記シールドシェルの外面に接触する接触部と、前記編組線の長さ方向における前記編組線の端部領域で前記接触部を外周側から覆うように折り返されている折り返し部とを有し、
    前記第1締付部材は、前記折り返し部の内側に位置し前記シールドシェルの外面との間に前記接触部を挟み込んでおり、
    前記第2締付部材は、前記折り返し部の外側に位置し前記シールドシェルの外面との間に前記接触部及び前記折り返し部を挟み込んでいる請求項5または請求項6に記載のワイヤハーネス。
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