JP2022182364A - 抗ウイルス性組成物および抗ウイルス性部材 - Google Patents

抗ウイルス性組成物および抗ウイルス性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】空気中に浮遊しているウイルスを表面に吸着して消失することができ、取扱性、安全性に優れる抗ウイルス性組成物、および、この抗ウイルス性組成物を用いた抗ウイルス性部材を提供することを目的とする。【解決手段】抗ウイルス性を備え、多孔質な構造になっている無機化合物3を有する抗ウイルス性組成物1である。また、基材15と、基材15に設置されている抗ウイルス性組成物1とを有する抗ウイルス性部材17である。【選択図】図1

Description

本発明は、抗ウイルス性組成物および抗ウイルス性部材に関する。
近年、新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、ノロウイルス、鳥インフルエンザ等のウイルスやO157等の細菌による感染症が短時間で急激に広がる、いわゆる「パンデミック」が問題になっている。これは、人間の生命を脅かすことから、世界的にその対策が急がれている。
そこで、様々の細菌やウイルスに対して抗菌抗ウイルス活性を発揮する抗菌抗ウイルス剤の開発が活発に行われており、実際に銀、銅、亜鉛等の抗ウイルス性金属成分を含有する無機酸化物微粒子からなる抗ウイルス剤が存在する(特許文献1参照)。
また、有機系抗菌剤成分を主鎖もしくは側鎖に結合した高分子物質、前記高分子物質に混合または結合させた親水性物質、および硬化剤を含む組成物をプラスチック、繊維、等へ添加し、マスク、フィルター、塗料、等に適用した例が挙げられる(特許文献2参照)。
また、従来から微量の銀、銅、亜鉛等の金属イオンが抗菌・抗カビ効果を有することはよく知られており、このような抗菌性の金属イオンは、例えば硝酸銀のような金属塩の形態で殺菌剤、消毒剤等に添加され各種分野で広く使用されている。
特開2015-120896号公報 特開2000-263706号公報
しかしながら、いずれの抗菌抗ウイルス剤は、抗菌抗ウイルス剤表面に付着した細菌およびウイルスにのみ抗菌抗ウイルス活性を示し、空気中に浮遊している細菌やウイルスに対しては効果を示さなない。次亜塩素酸や過酸化水素等の化学薬剤を使用して、空気中に浮遊している微生物、ウイルスの病原性を消失させることも行われているが、これらの化学薬剤は、人体または環境に与える影響が大きいという課題がある。さらに効果の持続性が低いという問題点もある。
また、金属塩は、水溶液状態で取り扱うことからその用途が限定され、また硝酸銀にあっては人体への強い粘膜刺激性があり、その安全性にも問題が多い。
本発明は、空気中に浮遊しているウイルスを表面に吸着して消失することができ、取扱性、安全性に優れる抗ウイルス性組成物、および、この抗ウイルス性組成物を用いた抗ウイルス性部材を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、抗ウイルス性を備え、多孔質な構造になっている無機化合物を有する抗ウイルス性組成物である。
請求項2に記載の発明は、前記無機化合物は、シラスで構成されている請求項1に記載の抗ウイルス性組成物である。
請求項3に記載の発明は、前記無機化合物に、硬化剤、可塑剤、顔料、補強剤、滑剤、酸化防止剤、密着性付与剤、接合剤のうちの少なくとも1つの添加剤が添加されている請求項1または請求項2に記載の抗ウイルス性組成物である。
請求項4に記載の発明は、前記無機化合物は、この平均粒子径が250μm以下の粒子状になっている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物である。
請求項5に記載の発明は、基材と、前記基材に設置されている請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物とを有する抗ウイルス性部材である。
本発明によれば、空気中に浮遊しているウイルスを表面に吸着して消失することができ、取扱性、安全性に優れる抗ウイルス性組成物、および、この抗ウイルス性組成物を用いた抗ウイルス性部材を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の断面図であって上記抗ウイルス性組成物を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。
本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物1は、無機化合物3を備えて構成されている。無機化合物3は、抗ウイルス性を備えている。また、無機化合物3には、図1で示すように、多くの細孔(気泡)5が形成されておりウイルスを吸着する多孔質(微小な気泡が多数存在している多孔質)な構造になっている。
抗ウイルス性組成物1(無機化合物3)は、ウイルスを吸着するだけでなく、吸着したウイルスを消失させる(不活性化させる)ようになっている。
無機化合物3は、抗ウイルス性だけでなく、抗菌性も備えている場合がある。この場合、「抗ウイルス性組成物」を「抗菌抗ウイルス性組成物」と呼んでもよい。また、抗菌抗ウイルス性組成物1では、ウイルスだけなく菌も吸着し、吸着した菌の増殖を防止し、吸着した菌を殺す(殺菌する)ことができるようにもなっている。
無機化合物3は、シラス(たとえば、熱処理等の加工がされていないシラス)で構成されている。シラス3とは、俗称白色砂質堆積物であって、南九州に広く分布する白色粗鬆な火山噴出物およびそれに由来する2次堆積物の総称である。シラス3は、高温マグマの冷却により結晶分化作用が起こり、マグマ中の主成分SiO、Al、Fe、MgO、CaO、NaO、KO等が互いに集まっている。また、シラス3は、鉱物として晶出して間もなく爆発的に噴出して形成されたものであり、約3割の結晶鉱物と残り約7割の非晶質火山ガラスから成っている。
この非晶質火山ガラスはマグマ中の揮発性成分が急激に放出して、多孔質の軽石状を成し、SiOが65~73%、Alが12~16%、CaOが2~4%,NaOが3~4%、KOが2~4%と鉄分1~3%を含んでいる。また、結晶鉱物は斜長石が最も多く、他に紫蘇輝石、石英、普通輝石、磁鉄工等が多少含まれている。
ここでシラスについてさらに説明する。
シラスは、シラス台地を形成しているものである。シラス台地は、日本国の鹿児島県から宮崎県南部にかけて最大150mの厚さになっている。
シラスは、大量の火砕流として一気に堆積したものであるので、他の土と混ざることなく厚い地層になってシラス台地を形成している。一般的な土は、岩石が細かく粉砕された粉末に、植物や微生物などがもたらす作用によって、様々な有機物が混ざっている。
これに対して、シラスは、マグマが岩石になる前に粉末になったものであるので、養分(有機物)をほとんど含んでおらず、マグマの状態から超高温で焼成された高純度の無機質セラミック物質となっている。すなわち、シラスは火山ガラスを主成分としケイ酸分を60%~80%含む多孔質のものである。
高千穂シラス(九州高千穂山産のシラス)の分析結果は、重量%で次の通りである。
強熱減量が2.7%、SiO2が67.8%、Al2O3が15.1%、Na2Oが3.7%、CaOが2.2%、Fe2O3が2.5%、K2Oが2.2%、TiO2が0.27%、MnOが0.06%、MgOが0.58%、P2O5が0.03%、SO3が0.20%、Cl-が0.001%未満になっている。
強熱減量は、三酸化硫黄(SO3)によるもので、JIS R5202により測定した。酸化ケイ素(IV)(SiO2)は、凝集重量吸光光度併用法により測定した。酸化アルミニウム(Al2O3)と酸化鉄(III)(Fe2O3)と酸化チタン(IV)(TiO2)と酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)と酸化ナトリウム(Na2O)と酸化カリウム(K2O)と酸化マンガン(MnO)と五酸化リン(P2O5)とは、フッ化水素酸、硝酸、過塩素酸分解-ICP発光分析法により測定した。塩化物
イオン(Cl-)は環境庁告示第13号に準じた溶出を行い、検液をイオンクロマトグラフ法で測定した。
なお、高千穂シラス以外のシラス(たとえば鹿児島産のシラス)や、高千穂シラスと同様の組成になっているものを、高千穂シラスの代わりに採用してもよい。
さらに説明すると、シラスの主成分は、ケイ酸、酸化アルミニウムであり、斜長石や石英や酸化チタン等も含まれる。また、シラスの粒子内には、微小な気泡が多数存在している。
サラサラした粉状のシラスは、水持ちが悪いので水田に向かず、豪雨の際に土砂崩れを引き起こしやすいなど、やっかいもの扱いされている。
そして、近年、シラスの表面で酸化還元反応が起こり、これにより、シラスの抗菌抗ウイルス性が確認された。また、シラス3の粒子内には、詳しくは後述するシラスバルーンほどではないにしろ、微小な気泡5が多数存在している。これにより、シラス3は、多孔質な構造になっており、そのミクロ孔・メソ孔で物理吸着が起き、空気中のウイルス等に対して、吸着性を発揮することができる。
なお、熱処理等の加工がされていないシラス3をほぼそのまま採用することに代えてもしくは加えてシラスバルーンを採用してもよい。シラスバルーンは、シラスを1000℃程度の高温で焼成・発泡させた微細な風船状のもの(微粒の中空体)である。そして、シラスバルーンは、無色・無害、低かさ比重、不燃性、高融点、低熱伝導率、高い耐薬品性・吸湿性・吸音性という様々な特長を持っている。なお、図1では、無機化合物3として、詳しくは後述するシラスバルーンを表している。
ところで、抗ウイルス性組成物1において、無機化合物3に、硬化剤、可塑剤、顔料、補強剤、滑剤、酸化防止剤、密着性付与剤、接合剤のうちの少なくとも1つの添加剤が添加されていてもよい。
添加剤が添加されているが、無機化合物3の表面のほぼ総てが添加剤で覆われているわけではない。添加剤が添加されていても、そのままのシラスを含む無機化合物(特にシラスバルーン)3が多数の気泡5やミクロ孔・メソ孔が形成されている多孔質な構造になっていることや、添加剤の表面張力等によって、無機化合物3の表面の大部分が露出している。添加剤は、無機化合物3の表面のうちの僅かな部位を覆っているにすぎない。なお、無機化合物3の表面とは、図1に示す無機化合物3(抗ウイルス性組成物1)の外周面7だけでなく、無機化合物の空隙(空洞;気泡)5の表面9、無機化合物3の空隙5同士をつないでいる孔11の表面13も含む。なお、孔11は、無機化合物の空隙5と無機化合物3の外部とをもつないでいる。
無機化合物3の平均粒子径は250μm以下の粒子状になっている。さらに説明すると、無機化合物3の平均粒子径は、1μm~250μm以下、もしくは、5μm~250μm以下、もしくは、10μm~250μm以下、もしくは、20μm~250μm以下、もしくは、50μm~250μm以下、もしくは、100μm~250μm以下、もしくは、150μm~250μm以下の粒子状になっている。「平均粒子径」とは、たとえば、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味するものとする。
ところで、無機化合物3の平均粒子径が200μm以下の粒子状になっていてもよい。さらに説明すると、無機化合物3の平均粒子径が、1μm~200μm以下、もしくは、5μm~200μm以下、もしくは、10μm~200μm以下、もしくは、20μm~200μm以下、もしくは、50μm~200μm以下、もしくは、100μm~200μm以下、もしくは、150μm~200μm以下の粒子状になっていてもよい。また、無機化合物3がシラスバルーンである場合、このシラスバルーンの平均粒子径が、145μm以下(たとえば、5μm~145μm以下、さらに好ましくは、105μm~145μm以下)になっていることが望ましい。
また、図2や図3で示すように、抗ウイルス性組成物(抗菌抗ウイルス性組成物1)を基材15に設置することで、抗ウイルス性部材(抗菌抗ウイルス性部材)17を得てもよい。
抗ウイルス性部材17や抗ウイルス性組成物1の形態として、特に限定されることなく、繊維、不織布等の布帛、メッシュ、フィルム、塗膜、薄膜、シート、塊(図4参照)、壁、粒子、棒、板、スポンジ、溶液、塗料、ゲル、クリーム等の各種形状が挙げられる。
なかでも、不織布等の布帛、シート、塗膜、塊、壁、粒子が好ましい。また、水またはアルコール等の有機溶剤及び水の混合物に、溶解または分散させ、スプレーする方式にしても、抗ウイルス性組成物1を好ましく使用できる。
抗ウイルス性部材17(抗ウイルス性組成物1)を繊維状に成形して布帛として使用してもよい。未処理の繊維19(上述した基材15に相当)の表面に抗ウイルス性組成物1を付与する(たとえば接合剤等の添加剤を用いて付着させる)ことで抗ウイルス性組成物1を表面に有する繊維(抗ウイルス性組成物付着繊維)21を作成する(図2参照)。その繊維21から通常の方法で布帛にしてもよい。さらに、未処理の布帛に抗ウイルス性組成物1をたとえば添加剤を用いて付着させることで、抗ウイルス性組成物1を布帛の表面に有する加工布帛としてもよい。
上記加工布帛は、通常の布帛に対して容易に抗ウイルス性能を付加することが可能となる。また、上記加工布帛において、抗ウイルス性組成物1を付与する方法としては、ディッピングする方法、スプレーする方法、印刷する方法、塗布する方法等が挙げられる。
上記加工布帛としては、織物、編物、不織布を問わずあらゆる布帛組織が含まれる。また、布帛の素材としては、綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維等が挙げられる。
抗ウイルス性組成物1を塗膜用塗料に含ませてもよいし、抗ウイルス性組成物1を含有する塗膜用塗料(抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料)23から加工塗膜(抗ウイルス性組成物含有加工塗膜)25を作成してもよい(図3参照)。
抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料23、および、抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料23から作成される抗ウイルス性組成物含有加工塗膜25を膜状にして、被塗工物27(基材15に相当)に塗る。これにより、被塗工物27に容易にかつ広範囲に抗ウイルス性能を付加することが可能となる。なお、抗ウイルス性組成物含有加工塗膜25には、抗ウイルス性組成物1を含有するシートも含まれる。
抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料23から抗ウイルス性組成物含有加工塗膜25を作成する方法としては、抗ウイルス性組成物1をコーティング、スプレー等で被塗工物27に塗工した後、乾燥する方法等が挙げられる。被塗工物27としては、紙、金属、プラスチックなどの材質に使用でき、シート、フィルム等の平坦面やドアノブ、つり革、手すり等の平坦でない面にも使用できる。
また、抗ウイルス性組成物1に壁装材料に含有させてもよい。抗ウイルス性組成物1を含有した壁装材料(抗ウイルス性組成物含有壁装材料)は、たとえば、住宅等の建屋の内外装壁面に使用される。
抗ウイルス性組成物含有壁装材料およびこの壁装材料から作成される内装外装壁面では、被壁工物に容易にかつ広範囲に抗ウイルス性能を付加することが可能となる。上記壁装材料から内外装壁面を作成する方法としては、抗ウイルス性組成物1をコーティング、スプレー、コテ等で壁を構成する基材に(被塗工物)に塗工した後、乾燥する方法等が挙げられる。上記被壁工物としては、石張り、レンガ貼り、化粧モルタル塗り、珪藻土塗り壁、砂壁、タイル貼り壁、天然木張り壁、プリント化粧合板、化粧鋼板に使用できる。
また、抗ウイルス性組成物1の用途としては、壁材、床材、カーテン、衣類、洗濯糊、柔軟剤、石鹸、ごみ箱、食品包装材、絆創膏、包帯、フィルター(空気清浄器)、寝具(毛布、布団、シーツ)、座席用シート(カーシート、列車シート、航空機シート)、スポンジ(清掃用、食器洗い、ろ過材)、おむつ、清掃用具、汚染拡散防止材、スプレー等が挙げられる。
また、図4で示す塊状の抗ウイルス性組成物1を、適宜の形状に成形し、この成形したものを屋内に置かれる置物や屋外に設置されるモニュメント等として採用してもよい。
ここで、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁の作製方法について説明する。
不純物を除去した後に乾燥させて成るシラス80%(wt%)と、白セメントまたは石膏15%(wt%)と、藁スサ類または麻類等の補強材4%(wt%)と、顔料着色材1%(wt%)とを適宜の量の水を加えて混練させてペースト状態にして抗ウイルス性組成物1を得た。
抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁も、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁と同様にして作成される。
さらに説明すると、白洲漆喰壁は、不純物を除去した後に乾燥させて成るシラス80%(wt%)と、消石灰15%(wt%)と、藁スサ類または麻類等の補強材4%(wt%)と、顔料着色材1%(wt%)とを適宜の量の水を加えて混練させてペースト状態にして得られる。
ここで、上記試験片を用いた抗ウイルス性組成物1の試験結果について簡単に説明する。
得られた抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や白洲漆喰壁を、たとえば厚み約12mm程度の石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル耐水合板、石綿板等の下地の上に厚み約5mm程度にコテ等で塗布さる。この後、乾燥させることにより抗菌抗ウイルス性壁材を得た。なお、抗菌抗ウイルス性壁材から一辺が1.0cmの平面正方形状を切り出すことで試験片とした。
図5は、試験片の表面における感染価測定結果(ファージQβ)を示している。初期値では、ファージ感染価(PFU/試験片)の値が10程度になっている。時間が経過しても、比較例に係る壁紙では、ファージの不活性化がほとんど見られないが、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、99%以上のファージ感染価の減少がみられる。
図6は、試験片の内部における感染価測定結果(ファージQβ)を示している。抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、99%以上のファージ感染価の減少がみられる。
図7は、試験片の表面における感染価測定結果(ネココロナウイルス)を示している。初期値では、ネココロナウイルス感染価(TCID50/試験片)の値が10~10の間の値になっている。時間が経過しても、比較例に係る壁紙では、ネココロナウイルスの不活性化がほとんど見られないが、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、98%以上のネココロナウイルス感染価の減少がみられる。なお、図7における接触時間は、1分である。
図8は、試験片の内部における感染価測定結果(ネココロナウイルス)を示している。初期値では、ネココロナウイルス感染価(TCID50/試験片)の値が10~10の間の値になっている。抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、93%以上のネココロナウイルス感染価の減少がみられる。なお、図8における接触時間も、1分である。
抗ウイルス性組成物1は、無機化合物3が抗ウイルス性を備えており、しかも、多孔質な構造になっている。これにより、空気中に浮遊しているウイルスを無機化合物3の表面(ミクロ孔、メソ孔を含む)に物理吸着させて消失することができる。また、次亜塩素酸や過酸化水素等の化学薬剤を使用する場合に比べて、取扱性、安全性に優れ、人体または環境に与える影響が無くなるし、さらに効果の持続性がある。なお、抗ウイルス性組成物1が、抗菌性も備えている場合においては、空気中に浮遊している菌をも表面に吸着して菌の増殖を防止し、吸着した菌を殺すことができる。
また、抗ウイルス性組成物1では、無機化合物3がシラスで構成されているので、抗ウイルス性組成物1をありふれた材料で安価に製造することができる。また、SiOとAlを主成分とするシラスを、抗菌抗ウイルス性を発現させるための材料として用いることで、空気中に浮遊する細菌やウイルスを吸着して消失できる抗菌抗ウイルス性が得られ、高い即効性を実現できる。
また、抗ウイルス性組成物1がシラスを含有することで、菌およびウイルスの増殖を抑制することができる。また、従来の抗菌抗ウイルス性材料と比較して取扱性、安全性にも優れている。
また、抗ウイルス性組成物1で、無機化合物3に、硬化剤、可塑剤、顔料、補強剤、滑剤、酸化防止剤、密着性付与剤、接合剤のうちの少なくとも1つの添加剤が添加されることがある。これにより、抗ウイルス性組成物1の形態を適宜変えることができ、抗ウイルス性組成物1の使い勝手を良くすることができる。なお、添加剤が添加されていても、無機化合物3の表面のほとんどが露出しているので、抗ウイルス性組成物1での吸着性等の機能が損なわれることはほぼない。
また、抗ウイルス性組成物1によれば、無機化合物3の平均粒子径が250μm以下になっているので、抗ウイルス性組成物1を粒子のまま使用すれば、抗菌抗ウイルス性能を短期間で発現することができる。また、取扱性、安全性に優れるほか、溶媒に分散、溶解等させることで少量でも優れた抗菌抗ウイルス性能を発現することができる。平均粒子径が250μm以下であると、ウイルスと接触してから1分という短時間で効果を示すことができる。
また、抗ウイルス性組成物1において、抗ウイルス性組成物1を基材15に設置すれば、抗ウイルス性組成物1を備えた抗ウイルス性部材の形態を適宜変えることができ、抗ウイルス性組成物1(抗ウイルス性部材)の使い勝手を良くすることができる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 抗ウイルス性組成物
3 無機化合物
15 基材
17 抗ウイルス性部材

Claims (5)

  1. 抗ウイルス性を備え、多孔質な構造になっている無機化合物を有する抗ウイルス性組成物。
  2. 前記無機化合物は、シラスで構成されている請求項1に記載の抗ウイルス性組成物。
  3. 前記無機化合物に、硬化剤、可塑剤、顔料、補強剤、滑剤、酸化防止剤、密着性付与剤、接合剤のうちの少なくとも1つの添加剤が添加されている請求項1または請求項2に記載の抗ウイルス性組成物。
  4. 前記無機化合物は、この平均粒子径が250μm以下の粒子状になっている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物。
  5. 基材と、
    前記基材に設置されている請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物と、
    を有する抗ウイルス性部材。
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