JP2024076584A - 多機能組成物、多機能部材および抗菌性部材 - Google Patents

多機能組成物、多機能部材および抗菌性部材 Download PDF

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Abstract

Figure 2024076584000001
【課題】建屋内に設置されて抗菌効果を発揮するバスマットを提供する。
【解決手段】基材33と、基材33に設置されている抗菌性組成物35とを有するバスマット31である。
【選択図】図14

Description

本発明は、多機能組成物、多機能部材および抗菌性部材に関する。
近年、新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、ノロウイルス、鳥インフルエンザ等のウイルスやO157等の細菌による感染症が短時間で急激に広がる、いわゆる「パンデミック」が問題になっている。これは、人間の生命を脅かすことから、世界的にその対策が急がれている。
そこで、様々の細菌やウイルスに対して抗菌抗ウイルス活性を発揮する抗菌抗ウイルス剤の開発が活発に行われており、実際に銀、銅、亜鉛等の抗ウイルス性金属成分を含有する無機酸化物微粒子からなる抗ウイルス剤が存在する(特許文献1参照)。
また、有機系抗菌剤成分を主鎖もしくは側鎖に結合した高分子物質、前記高分子物質に混合または結合させた親水性物質、および硬化剤を含む組成物をプラスチック、繊維、等へ添加し、マスク、フィルター、塗料、等に適用した例が挙げられる(特許文献2参照)。
また、従来から微量の銀、銅、亜鉛等の金属イオンが抗菌・抗カビ効果を有することはよく知られており、このような抗菌性の金属イオンは、例えば硝酸銀のような金属塩の形態で殺菌剤、消毒剤等に添加され各種分野で広く使用されている。
特開2015-120896号公報 特開2000-263706号公報
しかしながら、いずれの抗菌抗ウイルス剤は、抗菌抗ウイルス剤表面に付着した細菌およびウイルスにのみ抗菌抗ウイルス活性を示し、空気中に浮遊している細菌やウイルスに対しては効果を示さなない。次亜塩素酸や過酸化水素等の化学薬剤を使用して、空気中に浮遊している微生物、ウイルスの病原性を消失させることも行われているが、これらの化学薬剤は、人体または環境に与える影響が大きいという課題がある。さらに効果の持続性が低いという問題点もある。また、金属塩は、水溶液状態で取り扱うことからその用途が限定され、また硝酸銀にあっては人体への強い粘膜刺激性があり、その安全性にも問題が多い。
また、いずれの抗菌抗ウイルス剤の多機能化を行う場合、それぞれの機能を有する材料を母材となる抗菌抗ウイルス剤に混合・結合または添加・併用して行っており、多機能化を単一材料で実現することは難しい。この為、商品化における製造方法や品質管理を煩雑および複雑にし、製造コストを上げる一因となっている。
ところで、シラスには抗ウイルス・抗菌(白癬菌)効果があることが確認できている。また、室内環境におけるウイルスや細菌の拡散の多くは、床に落下していると推測される。
本発明は、抗菌抗ウイルス剤の多機能化を、吸水性機能を備えた材料、断熱性機能を備えた材料、消臭性機能を備えた材料を別途加えることなくほぼ単一の材料で実現することができる多機能組成物および多機能部材を提供することを目的とする。また、本発明は、建屋内に設置されて抗菌効果を発揮する抗菌性部材、バスマット、ジョイントマットおよび建屋の水回り用品を提供することを目的とする。
本発明の態様に係る多機能組成物は、多孔質な構造になっており、抗菌性と抗ウイルス性と吸水性と断熱性と消臭性と備えるシラスで構成されている多機能組成物である。
また、本発明の態様に係る多機能部材は、基材と、前記基材に設置されている多機能組成物とを有する多機能部材である。
また、本発明の態様に係る多機能部材は、バスマット、ジョイントマット、もしくは、建屋の水回り用品として使用される多機能部材である。
本発明の態様に係る抗菌性組成物は、抗菌性を備え、多孔質な構造になっているシラスを有する抗菌性組成物である。
本発明によれば、抗菌抗ウイルス剤の多機能化を、吸水性機能を備えた材料、断熱性機能を備えた材料、消臭性機能を備えた材料を別途加えることなくほぼ単一の材料で実現することができる多機能組成物および多機能部材を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、建屋内に設置されて抗菌効果を発揮する抗菌性部材、バスマット、ジョイントマットおよび建屋の水回り用品を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の断面図であって上記抗ウイルス性組成物を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性部材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物の効果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗菌性組成物の、水虫に対する抗菌性能試験結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗菌性組成物の、コロナウイルスに対する抗菌性能試験結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る抗菌性組成物の、インフルエンザウイルスに対する抗菌性能試験結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るバスマットを表側(上側)から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るバスマットを裏側(下側)から見た斜視図である。 (a)は本発明の実施形態に係るバスマットの平面図であり、(b)は(a)におけるXIVB-XIVB断面を示す図である。 (a)は変形例に係るバスマットの平面図であり、(b)は(a)におけるXVB-XVB断面を示す図である。 (a)は別の変形例に係るバスマットの平面図であり、(b)は(a)におけるXVIB-XVIB断面を示す図である。 (a)は本発明の実施形態に係るジョイントマットの平面図であり、(b)は(a)におけるXVIIB矢視図であり、(c)は本発明の実施形態に係る複数のジョイントマットを組み合わせた状態を示す平面図である。 (a)は変形例に係るジョイントマットの平面図であり、(b)は(a)におけるXVIIIB部の拡大図である。 (a)は本発明の実施形態に係る建屋の水回り用品の平面図であり、(b)は(a)におけるXIXB-XIXB断面を示す図である。
本発明の実施形態に係る抗ウイルス性組成物1は、無機化合物3を備えて構成されている。無機化合物3は、抗ウイルス性を備えている。また、無機化合物3には、図1で示すように、多くの細孔(気泡)5が形成されておりウイルスを吸着する多孔質(微小な気泡が多数存在している多孔質)な構造になっている。
抗ウイルス性組成物1(無機化合物3)は、ウイルスを吸着するだけでなく、吸着したウイルスを消失させる(不活性化させる)ようになっている。
無機化合物3は、抗ウイルス性だけでなく、抗菌性も備えている。したがって、「抗ウイルス性組成物」を「抗菌抗ウイルス性組成物」と呼んでもよいし、「抗菌性組成物」と呼んでもよい。抗菌抗ウイルス性組成物1(抗菌性組成物35;図14等参照)では、ウイルスだけなく菌も吸着し、吸着した菌の増殖を防止し、吸着した菌を殺す(殺菌する)ことができるようにもなっている。
無機化合物3は、シラス(たとえば、熱処理等の加工がされていないシラス)で構成されている。シラス3とは、俗称白色砂質堆積物であって、南九州に広く分布する白色粗鬆な火山噴出物およびそれに由来する2次堆積物の総称である。シラス3は、高温マグマの冷却により結晶分化作用が起こり、マグマ中の主成分SiO、Al、Fe、MgO、CaO、NaO、KO等が互いに集まっている。また、シラス3は、鉱物として晶出して間もなく爆発的に噴出して形成されたものであり、約3割の結晶鉱物と残り約7割の非晶質火山ガラスから成っている。
この非晶質火山ガラスはマグマ中の揮発性成分が急激に放出して、多孔質の軽石状を成し、SiOが65~73%、Alが12~16%、CaOが2~4%,NaOが3~4%、KOが2~4%と鉄分1~3%を含んでいる。また、結晶鉱物は斜長石が最も多く、他に紫蘇輝石、石英、普通輝石、磁鉄工等が多少含まれている。
ここでシラスについてさらに説明する。
シラスは、シラス台地を形成しているものである。シラス台地は、日本国の鹿児島県から宮崎県南部にかけて最大150mの厚さになっている。
シラスは、大量の火砕流として一気に堆積したものであるので、他の土と混ざることなく厚い地層になってシラス台地を形成している。一般的な土は、岩石が細かく粉砕された粉末に、植物や微生物などがもたらす作用によって、様々な有機物が混ざっている。
これに対して、シラスは、マグマが岩石になる前に粉末になったものであるので、養分(有機物)をほとんど含んでおらず、マグマの状態から超高温で焼成された高純度の無機質セラミック物質となっている。すなわち、シラスは火山ガラスを主成分としケイ酸分を60%~80%含む多孔質のものである。
高千穂シラス(九州高千穂山産のシラス)の分析結果は、重量%で次の通りである。
強熱減量が2.7%、SiOが67.8%、Alが15.1%、NaOが3.7%、CaOが2.2%、Feが2.5%、KOが2.2%、TiOが0.27%、MnOが0.06%、MgOが0.58%、Pが0.03%、SOが0.20%、Clが0.001%未満になっている。
強熱減量は、三酸化硫黄(SO)によるもので、JIS R5202により測定した。酸化ケイ素(IV)(SiO)は、凝集重量吸光光度併用法により測定した。酸化アルミニウム(Al)と酸化鉄(III)(Fe)と酸化チタン(IV)(TiO)と酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)と酸化マンガン(MnO)と五酸化リン(P)とは、フッ化水素酸、硝酸、過塩素酸分解-ICP発光分析法により測定した。塩化物イオン(Cl)は環境庁告示第13号に準じた溶出を行い、検液をイオンクロマトグラフ法で測定した。
なお、高千穂シラス以外のシラス(たとえば鹿児島産のシラス)や、高千穂シラスと同様の組成になっているものを、高千穂シラスの代わりに採用してもよい。
さらに説明すると、シラスの主成分は、ケイ酸、酸化アルミニウムであり、斜長石や石英や酸化チタン等も含まれる。また、シラスの粒子内には、微小な気泡が多数存在している。
サラサラした粉状のシラスは、水持ちが悪いので水田に向かず、豪雨の際に土砂崩れを引き起こしやすいなど、やっかいもの扱いされている。
そして、近年、シラスの表面では、表面に存在する固体酸の触媒作用で酸化還元反応が起こることが確認された。(梅垣哲士、野口大輔、福元翼,“Decomposition of Nitrous Oxide using a Copper-supported Shirasu Catalyst”,[online],令和4年11月10日10 November 2022,[令和4年11月21日検索],インターネット,<URL:https://chemistry-urope.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/slct.202201763>)。さらに、シラスの抗菌抗ウイルス性が確認された。(栗原路子、「自然素材の建材「シラス壁」の有する抗菌・抗ウイルス性」, 月刊MATERIAL STAGE, 技術情報協会, Vol.22, No.1, 2022, p53-57)。
また、シラス自体が他の鉱物と鉱物内のマグマ成分(メルトインクルージョン)が異なっている。つまり、シラスのマグマ成分は、一般的なマグマ成分よりも水分を多く含んでいるため、その生成過程の特徴から、シラス3の粒子内には、詳しくは後述するシラスバルーンほどではないにしろ、微小な気泡5が多数存在している。これにより、シラス3は、多孔質な構造になっており、そのミクロ孔・メソ孔で物理吸着が起き、空気中のウイルス等に対して、吸着性を発揮することができる。
なお、熱処理等の加工がされていないシラス3をほぼそのまま採用することに代えてもしくは加えてシラスバルーンを採用してもよい。シラスバルーンは、シラスを1000℃程度の高温で焼成・発泡させた微細な風船状のもの(微粒の中空体)である。そして、シラスバルーンは、無色・無害、低かさ比重、不燃性、高融点、低熱伝導率、高い耐薬品性・吸湿性・吸音性という様々な特長を持っている。なお、図1では、無機化合物3として、詳しくは後述するシラスバルーンを表している。
ところで、抗ウイルス性組成物1において、無機化合物3に、硬化剤、可塑剤、顔料、補強剤、滑剤、酸化防止剤、密着性付与剤、接合剤のうちの少なくとも1つの添加剤が添加されていてもよい。
添加剤が添加されているが、無機化合物3の表面のほぼ総てが添加剤で覆われているわけではない。添加剤が添加されていても、そのままのシラスを含む無機化合物(特にシラスバルーン)3が多数の気泡5やミクロ孔・メソ孔が形成されている多孔質な構造になっていることや、添加剤の表面張力等によって、無機化合物3の表面の大部分が露出している。添加剤は、無機化合物3の表面のうちの僅かな部位を覆っているにすぎない。なお、無機化合物3の表面とは、図1に示す無機化合物3(抗ウイルス性組成物1)の外周面7だけでなく、無機化合物の空隙(空洞;気泡)5の表面9、無機化合物3の空隙5同士をつないでいる孔11の表面13も含む。なお、孔11は、無機化合物の空隙5と無機化合物3の外部とをもつないでいる。
無機化合物3の平均粒子径は250μm以下の粒子状になっている。さらに説明すると、無機化合物3の平均粒子径は、1μm~250μm以下、もしくは、5μm~250μm以下、もしくは、10μm~250μm以下、もしくは、20μm~250μm以下、もしくは、50μm~250μm以下、もしくは、100μm~250μm以下、もしくは、150μm~250μm以下の粒子状になっている。「平均粒子径」とは、たとえば、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味するものとする。
ところで、無機化合物3の平均粒子径が200μm以下の粒子状になっていてもよい。さらに説明すると、無機化合物3の平均粒子径が、1μm~200μm以下、もしくは、5μm~200μm以下、もしくは、10μm~200μm以下、もしくは、20μm~200μm以下、もしくは、50μm~200μm以下、もしくは、100μm~200μm以下、もしくは、150μm~200μm以下の粒子状になっていてもよい。また、無機化合物3がシラスバルーンである場合、このシラスバルーンの平均粒子径が、145μm以下(たとえば、5μm~145μm以下、さらに好ましくは、105μm~145μm以下)になっていることが望ましい。
また、図2や図3で示すように、抗ウイルス性組成物(抗菌抗ウイルス性組成物1)を基材15に設置することで、抗ウイルス性部材(抗菌抗ウイルス性部材)17を得てもよい。
抗ウイルス性部材17や抗ウイルス性組成物1の形態として、特に限定されることなく、繊維、不織布等の布帛、メッシュ、フィルム、塗膜、薄膜、シート、塊(図4参照)、壁、粒子、棒、板、スポンジ、溶液、塗料、ゲル、クリーム等の各種形状が挙げられる。
なかでも、不織布等の布帛、シート、塗膜、塊、壁、粒子が好ましい。また、水またはアルコール等の有機溶剤及び水の混合物に、溶解または分散させ、スプレーする方式にしても、抗ウイルス性組成物1を好ましく使用できる。
抗ウイルス性部材17(抗ウイルス性組成物1)を繊維状に成形して布帛として使用してもよい。未処理の繊維19(上述した基材15に相当)の表面に抗ウイルス性組成物1を付与する(たとえば接合剤等の添加剤を用いて付着させる)ことで抗ウイルス性組成物1を表面に有する繊維(抗ウイルス性組成物付着繊維)21を作成する(図2参照)。その繊維21から通常の方法で布帛にしてもよい。さらに、未処理の布帛に抗ウイルス性組成物1をたとえば添加剤を用いて付着させることで、抗ウイルス性組成物1を布帛の表面に有する加工布帛としてもよい。
上記加工布帛は、通常の布帛に対して容易に抗ウイルス性能を付加することが可能となる。また、上記加工布帛において、抗ウイルス性組成物1を付与する方法としては、ディッピングする方法、スプレーする方法、印刷する方法、塗布する方法等が挙げられる。
上記加工布帛としては、織物、編物、不織布を問わずあらゆる布帛組織が含まれる。また、布帛の素材としては、綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維等が挙げられる。
抗ウイルス性組成物1を塗膜用塗料に含ませてもよいし、抗ウイルス性組成物1を含有する塗膜用塗料(抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料)23から加工塗膜(抗ウイルス性組成物含有加工塗膜)25を作成してもよい(図3参照)。
抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料23、および、抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料23から作成される抗ウイルス性組成物含有加工塗膜25を膜状にして、被塗工物27(基材15に相当)に塗る。これにより、被塗工物27に容易にかつ広範囲に抗ウイルス性能を付加することが可能となる。なお、抗ウイルス性組成物含有加工塗膜25には、抗ウイルス性組成物1を含有するシートも含まれる。
抗ウイルス性組成物含有塗膜用塗料23から抗ウイルス性組成物含有加工塗膜25を作成する方法としては、抗ウイルス性組成物1をコーティング、スプレー等で被塗工物27に塗工した後、乾燥する方法等が挙げられる。被塗工物27としては、紙、金属、プラスチックなどの材質に使用でき、シート、フィルム等の平坦面やドアノブ、つり革、手すり等の平坦でない面にも使用できる。
また、抗ウイルス性組成物1に壁装材料に含有させてもよい。抗ウイルス性組成物1を含有した壁装材料(抗ウイルス性組成物含有壁装材料)は、たとえば、住宅等の建屋の内外装壁面に使用される。
抗ウイルス性組成物含有壁装材料およびこの壁装材料から作成される内装外装壁面では、被壁工物に容易にかつ広範囲に抗ウイルス性能を付加することが可能となる。上記壁装材料から内外装壁面を作成する方法としては、抗ウイルス性組成物1をコーティング、スプレー、コテ等で壁を構成する基材に(被塗工物)に塗工した後、乾燥する方法等が挙げられる。上記被壁工物としては、石張り、レンガ貼り、化粧モルタル塗り、珪藻土塗り壁、砂壁、タイル貼り壁、天然木張り壁、プリント化粧合板、化粧鋼板に使用できる。
また、抗ウイルス性組成物1の用途としては、壁材、床材、カーテン、衣類、洗濯糊、柔軟剤、石鹸、ごみ箱、食品包装材、絆創膏、包帯、フィルター(空気清浄器)、寝具(毛布、布団、シーツ)、座席用シート(カーシート、列車シート、航空機シート)、スポンジ(清掃用、食器洗い、ろ過材)、おむつ、清掃用具、汚染拡散防止材、スプレー等が挙げられる。
また、図4で示す塊状の抗ウイルス性組成物1を、適宜の形状に成形し、この成形したものを屋内に置かれる置物や屋外に設置されるモニュメント等として採用してもよい。
ここで、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁の作製方法について説明する。
不純物を除去した後に乾燥させて成るシラス80%(wt%)と、白セメントまたは石膏15%(wt%)と、藁スサ類または麻類等の補強材4%(wt%)と、顔料着色材1%(wt%)とを適宜の量の水を加えて混練させてペースト状態にして抗ウイルス性組成物1を得た。
抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁も、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁と同様にして作成される。
さらに説明すると、白洲漆喰壁は、不純物を除去した後に乾燥させて成るシラス80%(wt%)と、消石灰15%(wt%)と、藁スサ類または麻類等の補強材4%(wt%)と、顔料着色材1%(wt%)とを適宜の量の水を加えて混練させてペースト状態にして得られる。
ここで、上記試験片を用いた抗ウイルス性組成物1の試験結果について簡単に説明する。
得られた抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や白洲漆喰壁を、たとえば厚み約12mm程度の石膏ボード、ベニヤ板、コンクリート板、モルタル耐水合板、石綿板等の下地の上に厚み約5mm程度にコテ等で塗布さる。この後、乾燥させることにより抗菌抗ウイルス性壁材を得た。なお、抗菌抗ウイルス性壁材から一辺が1.0cmの平面正方形状を切り出すことで試験片とした。
図5は、試験片の表面における感染価測定結果(ファージQβ)を示している。初期値では、ファージ感染価(PFU/試験片)の値が10程度になっている。時間が経過しても、比較例に係る壁紙では、ファージの不活性化がほとんど見られないが、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、99%以上のファージ感染価の減少がみられる。
図6は、試験片の内部における感染価測定結果(ファージQβ)を示している。抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、99%以上のファージ感染価の減少がみられる。
図7は、試験片の表面における感染価測定結果(ネココロナウイルス)を示している。初期値では、ネココロナウイルス感染価(TCID50/試験片)の値が105~106の間の値になっている。時間が経過しても、比較例に係る壁紙では、ネココロナウイルスの不活性化がほとんど見られないが、抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、98%以上のネココロナウイルス感染価の減少がみられる。なお、図7における接触時間は、1分である。
図8は、試験片の内部における感染価測定結果(ネココロナウイルス)を示している。初期値では、ネココロナウイルス感染価(TCID50/試験片)の値が105~106の間の値になっている。抗ウイルス性組成物1を用いた薩摩中霧島壁や抗ウイルス性組成物1を用いた白洲漆喰壁では、93%以上のネココロナウイルス感染価の減少がみられる。なお、図8における接触時間も、1分である。
抗ウイルス性組成物1は、無機化合物3が抗ウイルス性を備えており、しかも、多孔質な構造になっている。これにより、空気中に浮遊しているウイルスを無機化合物3の表面(ミクロ孔、メソ孔を含む)に物理吸着させて消失することができる。また、次亜塩素酸や過酸化水素等の化学薬剤を使用する場合に比べて、取扱性、安全性に優れ、人体または環境に与える影響が無くなるし、さらに効果の持続性がある。なお、抗ウイルス性組成物1が、抗菌性も備えている場合においては、空気中に浮遊している菌をも表面に吸着して菌の増殖を防止し、吸着した菌を殺すことができる。
また、抗ウイルス性組成物1では、無機化合物3がシラスで構成されているので、抗ウイルス性組成物1をありふれた材料で安価に製造することができる。また、SiOとAlを主成分とするシラスを、抗菌抗ウイルス性を発現させるための材料として用いることで、空気中に浮遊する細菌やウイルスを吸着して消失できる抗菌抗ウイルス性が得られ、高い即効性を実現できる。
また、抗ウイルス性組成物1がシラスを含有することで、菌およびウイルスの増殖を抑制することができる。また、従来の抗菌抗ウイルス性材料と比較して取扱性、安全性にも優れている。
また、抗ウイルス性組成物1で、無機化合物3に、硬化剤、可塑剤、顔料、補強剤、滑剤、酸化防止剤、密着性付与剤、接合剤のうちの少なくとも1つの添加剤が添加されることがある。これにより、抗ウイルス性組成物1の形態を適宜変えることができ、抗ウイルス性組成物1の使い勝手を良くすることができる。なお、添加剤が添加されていても、無機化合物3の表面のほとんどが露出しているので、抗ウイルス性組成物1での吸着性等の機能が損なわれることはほぼない。
また、抗ウイルス性組成物1によれば、無機化合物3の平均粒子径が250μm以下になっているので、抗ウイルス性組成物1を粒子のまま使用すれば、抗菌抗ウイルス性能を短期間で発現することができる。また、取扱性、安全性に優れるほか、溶媒に分散、溶解等させることで少量でも優れた抗菌抗ウイルス性能を発現することができる。平均粒子径が250μm以下であると、ウイルスと接触してから1分という短時間で効果を示すことができる。
また、抗ウイルス性組成物1において、抗ウイルス性組成物1を基材15に設置すれば、抗ウイルス性組成物1を備えた抗ウイルス性部材の形態を適宜変えることができ、抗ウイルス性組成物1(抗ウイルス性部材)の使い勝手を良くすることができる。
ところで、本発明の実施形態に係るバスマット31は、図12から図14で示すように、基材33と、抗菌性組成物35とを備えて構成されている。なお、抗菌性組成物35として、たとえば、上述した薩摩中霧島壁の構成材料もしくは白洲漆喰壁の構成材料を掲げることができる。抗菌性組成物35は、基材33に設置されている。
バスマット31についてさらに詳しく説明する。基材3はたとえば合成樹脂で一体成形されており、矩形な平板状の底板部37と、この底板部37の矩形の4辺のそれぞれから表側に立ち上がっている側板部39とを備えて構成されている。底板部37の厚さ方向は表裏方向になっている。側板部39は、上述したように表側に立ち上がっているとともに、縦方向および横方向では、底板部37から離れる側に突出している。側板部39の厚さ寸法(図14(b)における左右方向の寸法)の値は、裏側から表側に向かうにしたがって、次第に小さくなっている。
これにより、基材3の表側に面には、上下が逆転した背の低い四角錐台状の凹部41が形成されている。抗菌性組成物35は凹部41に充填されている。また、バスマット31外形形状が、上下が逆転し背が低く凹部41よりも僅かに大きい四角錐台状に形成されている。
また、抗菌性組成物35には、抗菌性組成物35等の強度を確保するために補強材43が埋め込まれている。補強材43は、たとえば、合成繊維で網目状に形成されている。なお、バスマット31の基材33の底板部37に、摩擦係数の大きいゴム等で形成されている滑り止め用部材45もしくは粘着剤が設けられていてもよい。これにより、床面上に置かれたバスマット31が、床面に対して移動しにくくなる。
なお、バスマット31の形態を図15もしくは図16で示すように変更してもよい。図15で示すバスマット31は、基材33の底板部37にリブ(たとえば補強用のリブ)47が格子状に設けられている点が、図14等で示すバスマット31と異なっている。図16で示すバスマット31は、基材3の側板部39の形状が、図14等で示すバスマット31の基材3の側板部39の形状と異なっている。
図16で示すバスマット31の側板部39は、底板部37の矩形の4辺のそれぞれから表側に立ち上がっている。また側板部39の厚さ寸法(図16(b)における左右方向の寸法)の値は、裏側から表側に向かうにしたがって、次第に小さくなっている。図16で示すバスマット31では、基材33に形成されている凹部41が矩形な平板状になっている。
さらに説明すると、横方向で互いが対向している一対の側板部39の外側の面の間の寸法L16の値は、裏側から表側(図16(b)の下側から上側)に向かうにしたがって次第に小さくなっている。これにより、図16で示すバスマット31の側面には傾斜面49が形成されている。縦方向で互いが対向している一対の側板部39の外側の面の間の寸法の値も、同様にして、裏側から表側(図16(b)の下側から上側)に向かうにしたがって次第に小さくなっている。これによっても、図16で示すバスマット31の側面には傾斜面49が形成されている。図16で示すバスマット31は、背の低い四角錐状に形成されている。
なお、図12から図16で示すバスマット31は、平面視において矩形状に形成されているが、バスマット31が平面視において他の形状に形成されていてもよい。たとえば、バスマット31が、平面視において、円形状、長円形状、楕円状、正五角形、正六角形等の正多角形状に形成されていてもよい。
ここで、「薩摩中霧島壁(薩摩中霧島壁の構成材料)」と「白洲漆喰(白洲漆喰の構成材料)」の抗菌性や抗ウイルス性の試験結果について、図9から図11を参照しつつ説明する。
図9は、水虫に対する抗菌性能試験結果を示している。すなわち、シラス内装材である「薩摩中霧島壁」と「白洲漆喰」の白癬菌に対する抗菌性能を評価している。「薩摩中霧島壁」、「白洲漆喰」のいずれも、99.9%以上の減少率を確認した。なお、試験菌として白癬菌[NBRC32409]を用いており、測定方法として、コロニーカウント法を用いている、検出限界は10.3cfu/試験片である。
図10は、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性能試験結果を示している。すなわち、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)と同じコロナウイルス科に分類され、類似した構造的特徴を持つネココロナウイルスを対象に、「薩摩中霧島壁」と「白洲漆喰」の持つ抗ウイルス性能を評価している。「薩摩中霧島壁」、「白洲漆喰」のいずれも、ウイルス量を99.9%以上の減少させることを確認した。なお、試験ウイルスとして、ネココロナウイルス[WSU79-1863]を用いており、ウイルス量測定方法として、TCID50を用いておる。検出限は;32TCID50/試験片である。
図11は、インフレエンザウイルスに対する抗ウイルス性能試験結果を示している。インフレエンザウイルスを対象とした抗ウイルス試験においても、新型コロナウイルスと同様、「薩摩中霧島壁」、「白洲漆喰」のいずれにおいても、ウイルス量を99.9%以上の減少させることを確認した。なお、試験ウイルスとして、インフルエンザウイルス[H3N2]を用いており、ウイルス量測定方法としてTCID50を用いている。検出限界は1.00×103.8TCID50/試験片である。
ここで、バスマット31のメンテナンスについて説明する。バスマット31に軽い汚れが付いた場合には、軟らかい消しゴムでこすることで汚れを消すことができる。消しゴムで汚れが落ちない場合には、市販のメラミン製の磨けるスポンジを使い、水なしの乾いた状態で擦り傷や汚れ部分を軽く擦る。この後白くなった場合には、霧吹きで水を吹きかけると色合いの違いが目立たなくなる。
シミを作ってしまった場合には、硬く絞った雑巾と霧吹きを用いて、カーペットの掃除のように、霧吹きで水をスプレーしてから雑巾でたたき、シミを丁寧に取る。
バスマット31を、定期的に風通しの良いところで陰干しする。たとえば、1週間に夏場2回、冬場3回程度の陰干しをする。また、使用後はバスマット31を立てた状態で保管する。万一、バスマット31にカビがわずかに付着している場合には、タオルなどに塩素系漂白剤を塗布してから軽く拭く。カビが全体的に付着している場合には、塩素系漂白剤を直接吹きかけてから拭き取る。それでもケビが落ちない場合には、サンドペーパーにてカビの箇所を削って落とす。
バスマット31は、基材33とこの基材33に設置されている抗菌性組成物35とを備えて構成されている。これにより、浴室の脱衣所等の建屋内の床に設置されたときに、白癬菌等の菌に対する抗菌効果を発揮するようになっている。
ところで、水虫は「白癬菌」と呼ばれる真菌の一種が、皮膚の角質層に寄生することによって起こる感染症である。家庭内に水虫の人がいると、白癬菌の潜んでいる角質や垢が、家のいたるとことで剥がれ落ち、他の家族にも感染が拡大してしまう。しかし、白癬菌に対する抗菌性を備えたバスマット31を用いることで、家族間における水虫の感染を極力防ぐことができる。
また、バスマット31の使用に際して、家族の構成員毎にバスマット31を用意して使用することで、家族間における水虫の感染を一層確実に防ぐことができる。たとえば、バスマット31のサイズを300mm×300mm×t10mm程度にする。これにより、バスマット31がコンパクトサイズになり、持ち運びや収納が簡単になり、お父さんに1枚、お母さんに1枚、子供に1枚というようにして、各人専用のものを手軽に用意し使用することができる。
さらに、バスマット31の抗菌性組成物35が多孔質になっていることでバスマット31が断熱性と吸水性とを備えている。吸水性を備えていることにより、お風呂上がりの足裏の水分が瞬間的に吸収され、気持ちいい多機能バスマット31として作用する。また、天然素材マグマ生まれのシラスは主成分が中性なので肌に優しい。
また、バスマット31の抗菌性組成物35が消臭機能(消臭性)を備えているので、足裏臭等を吸着し分解することができる。さらに、バスマット31の抗菌性組成物35が抗菌作用を備えていることで、カビの繁殖が抑えられる。
なお、抗菌性組成物35における抗菌・消臭などの機能は、シラスの触媒機能(酸化還元反応)に由来するものであり、従来の珪藻土などの床材には確認できないオリジナルな機能である。
また、バスマット31を、小動物等のケージの床部に設置することで、小動物の動物特有の臭いに対して消臭効果を得ることができる。
次に、本発明の実施形態に係るジョイントマット51について、図17を参照しつつ説明する。ジョイントマット51は、バスマット31と同様に、基材33と基材33に設置されている抗菌性組成物35とを備えて構成されている。また、ジョイントマット51は、矩形な平板状に形成されているが、バスマット31同様に、形態の変更をすることができる。また、ジョイントマット51は、たとえば、温泉施設等の公衆浴場や公共のプールや不特定多数の人の足裏が直接接することがある床の床材として使用される。
さらに説明すると、ジョイントマット51の基材33の側板部39の外周部には、凹凸部53が設けられている。凹凸部53は、複数のジョイントマット51を組み付けたときに、互いが係合するようになっている(図17(c)参照)。さらに説明すると、平面視において(表裏方向で見て)、ジョイントマット51は、凹凸部53が設けられているにも関わらず平面充填形になっている。これにより、複数のジョイントマット51を床面上に隙間なく互いの位置ずれを無くすようにして敷き詰めることができるようになっている。
なお、図17で示す凹凸部53は、等脚台形状に形成されているが、平面視においてジョイントマット51が平面充填形になるのであれば、凹凸部53を他の形状に変更してもよい。また、図17(c)で示す形態では、互いが同形状になっているジョイントマット51を隙間なく敷き詰めているが、互いの形状が異なるジョイントマット51を隙間なく敷き詰める構成であってもよい。
また、図17(a)で示すジョイントマット51では、基材33の凹部41と抗菌性組成物35とが矩形な平板状に形成されており、凹凸部53に抗菌性組成物35が入り込んでいない。これに対して、図18で示すジョイントマット51では、凹凸部53に抗菌性組成物35が入り込んでいる。これにより、平面視において、抗菌性組成物35の外形形状が、凹凸部53を含む基材33の外形形状よりも僅かに小さい形状になっているとともに、所定の狭い幅の縁部(基材33の縁部)55が、基材33の外形に沿って延びている。なお、図18(a)で示す態様において、基材33の総てを抗菌性組成物35で覆い、基材33の縁部55が見えないように構成してもよい。
ジョイントマット51は、基材33とこの基材33に設置されている抗菌性組成物35とを備えて構成されている。これにより、バスマット31の場合と同様にして、建屋内に設置されたときに、抗菌効果を発揮するようになっている。
また、上述したように、水虫は家庭内での感染が非常に多いのと同時に、不特定多数の人が利用する銭湯やプールなどでも床や足ふきマットを介して、気づかないうちに白癬菌に感染するおそれがある。すなわち、温泉施設等では、床材や足ふきマットを介した白癬菌感染が懸念されている。
しかし、抗菌性を備えたジョイントマット51が床材にとして使用することで、ジョイントマット51に落下した白癬菌を除くことができ、白癬菌感染を極力抑えることができる。
また、ジョイントマット51をノコギリなどで任意の形状に容易に加工できるようにすることで、様々な間取りの制限を受けることなく、床にジョイントマット51を設置することができる。床材としてジョイントマット51を用いることで、床材の取り外しが可能になり定期的に天日干しできるなど簡単なメンテナンスをすることが可能になる。
さらに、温泉施設等の床材としてジョイントマット51を利用することで、従来の吸水特性のみの床材の多機能化をはかることができ、温泉施設空間の快適化を得ることができる。また、床材形状を使用間取りに制限を受けないジョイントマット51にし、加工性も容易にすることで、メンテナンス性を向上させ、多くの温泉施設に普及させることができる。
ところで、温泉施設等の床材でありがちな問題点として、水で濡れる機会が多いこと、すなわち、どうしても細かな水跳ねが起き、床が汚くなることがある。また、足元がひんやりするとい問題がある。すなわち、足で利用する機会が多い床は、床材によっては「冷たさ」を感じやすくなる。
また、温泉施設等の床材でありがちな問題点として、床材が腐ったり、足ふきマットにカビが発生したりするため、不衛生な状態となってしまう。また、滑って危ないこともある。すなわち、洗面室(脱衣所)での化粧やヘアケアなど身だしなみを整える際に、ドライヤー後にヘアスプレーを使う人も多いが、スプレーから出た霧状の油が、髪だけに留まらず床にも落ちてしまい、床が滑りやすくなる。
ここで、ジョイントマット51を床材として用いることで、ジョイントマット51の吸水性により、床面の水濡れを極力回避することができ、また、滑りにくい床面にすることができる。また、ジョイントマット51を床材として用いることで、ジョイントマット51の断熱性により、足元がひんやりすることが回避される。また、ジョイントマット51を床材として用いることで、上述したように、ジョイントマット51のシラスの酸化還元反応による抗ウイルス・抗菌効果により、腐敗やカビの発生が防止される。
いる。
次に、本発明の実施形態に係る建屋の水回り用品61について、図19を参照しつつ説明する。建屋の水回り用品61は、洗面台や台所シンク領域で水垢やカビの発生を嫌う水回り用品である。建屋の水回り用品61として、歯ブラシ立て(特に電動歯ブラシ立て)、ハンドソープボトル入れ、食器洗いスポンジ入れ等を掲げることができる。
建屋の水回り用品61も、バスマット31やジョイントマット51と同様に、基材33と、基材33に設置されている抗菌性組成物35とを備えて構成されている。ここで、建屋の水回り用品61として、歯ブラシ立て61を例に掲げてさらに説明する。
歯ブラシ立て61は有底筒状(たとえば、有底円筒状)に形成されている基材33と、基材33の円筒の外周を覆っている所定な厚さの抗菌性組成物35とを備えて構成されている。なお、図19で示す構成では、抗菌性組成物35が基材33の円筒の外周のみに設けられているが、抗菌性組成物35が基材33の表面の全面を覆っている構成であってもよい。
水回り用品61では、基材33に抗菌性組成物が設置されているので、水垢やカビの発生を防止することができる。
なお、上述したバスマット31、ジョイントマット51、建屋の水回り用品61は、基材と、基材に設置されている抗菌性組成物とを有する抗菌性部材の例である。
また、抗菌性組成物35は、多孔質な構造になっており、抗菌性と抗ウイルス性と吸水性と断熱性と消臭性と備えるシラスで構成されている多機能組成物の例である。また、上述した抗菌性部材は、基材と、上記基材に設置されている上記多機能組成物とを有する多機能部材の例である。上記多機能部材は、上述したように、バスマット、ジョイントマット、もしくは、建屋の水回り用品として使用される。
多機能組成物や多機能部材によれば、抗菌抗ウイルス剤の多機能化を、吸水性機能を備えた材料、断熱性機能を備えた材料、消臭性機能を備えた材料を別途加えることなくほぼ単一の材料で実現することができる多機能組成物や多機能部材を提供することができる。これにより、商品化における製造方法が煩雑および複雑になることが防止され、品質管理を煩雑および複雑になることが防止され、製造コストを下げることができる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
31 バスマット
33 基材
35 抗菌性組成物(多機能組成物)
51 ジョイントマット
61 建屋の水回り用品

Claims (4)

  1. 多孔質な構造になっており、抗菌性と抗ウイルス性と吸水性と断熱性と消臭性と備えるシラスで構成されている多機能組成物。
  2. 基材と、
    前記基材に設置されている請求項1に記載の多機能組成物と、
    を有する多機能部材。
  3. バスマット、ジョイントマット、もしくは、建屋の水回り用品として使用される請求項2に記載の多機能部材。
  4. 基材と、
    抗菌性を備え多孔質な構造になっているシラスを有し、前記基材に設置されている抗菌性組成物と、
    を有する抗菌性部材。
JP2022188193A 2022-11-25 多機能組成物、多機能部材および抗菌性部材 Pending JP2024076584A (ja)

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