JP2022182226A - アークスタート制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】消耗電極式アーク溶接において、常に良好な溶接開始部の品質を得ること。【解決手段】溶接電流Iwが通電を開始するとホットスタート期間Thに入り、ホットスタート期間Th中は定電流制御によってホットスタート電流Ihを通電すると共に溶接ワイヤを定常送給速度Fwcよりも小さな値のホットスタート期間送給速度Fhで送給し、ホットスタート期間Thは溶接電圧Vwの検出値がスタート電圧基準値Vhtまで増加した時点で終了し、ホットスタート期間Thが終了すると定常期間Tcに移行するアークスタート制御方法において、ホットスタート期間Thが基準時間以上になると、ホットスタート期間送給速度Fhを減速させる。この減速値は、ホットスタート期間Thが基準時間に達した時点における溶接電圧Vwの検出値とスタート電圧基準値Vhtとの差分値に応じて変化させる。【選択図】 図2

Description

本発明は、良好なアークスタート性を得ることができる消耗電極式アーク溶接のアークスタート制御方法に関するものである。
特許文献1の発明では、溶接開始に際して、溶接電流が通電を開始すると、第1期間中は電圧設定信号を定常電圧設定値よりも大きな値のスタート電圧設定値に設定し、続く定常期間中は前記電圧設定信号を前記定常電圧設定値に設定して定電圧制御によって溶接電流を通電する消耗電極アーク溶接のアークスタート制御方法において、溶接電圧検出値が増加して前記スタート電圧設定値と等しくなった時点で前記第1期間を終了する。特許文献1の発明では、アーク長(溶接電圧検出値)が必ず目標アーク長(スタート電圧設定値)に到達してから第1期間を終了する。このために、アークが発生した後に、溶接ワイヤ及び母材への適当な入熱が行われることになり、良好なアークスタート性を得ることができると記載されている。
特開2013-132658号公報
上述した従来技術においては、溶接電圧検出値が増加して予め定めたスタート電圧設定値と等しくなった時点で第1期間(ホットスタート期間)を終了する。しかし、溶接ワイヤの先端の状態、母材の表面状態、溶接ワイヤの材質等の影響によっては、アークスタート直後から短いアーク長の状態が継続して、溶接電圧検出値がスタート電圧設定値まで増加しない期間が長く続く場合が発生する。このような状態になると、溶接開始部の品質が悪くなるという問題がある。
そこで、本発明では、消耗電極式アーク溶接において、種々の溶接条件に影響されることなく、溶接開始部の品質を良好にすることができるアークスタート制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接電流が通電を開始するとホットスタート期間に入り、前記ホットスタート期間中は定電流制御によってホットスタート電流を通電すると共に溶接ワイヤを定常送給速度よりも小さな値のホットスタート期間送給速度で送給し、前記ホットスタート期間は溶接電圧の検出値がスタート電圧基準値まで増加した時点で終了し、前記ホットスタート期間が終了すると定常期間に移行するアークスタート制御方法において、
前記ホットスタート期間が基準時間以上になると、前記ホットスタート期間送給速度を減速させる、
ことを特徴とするアークスタート制御方法である。
請求項2の発明は、
前記ホットスタート期間送給速度の前記減速の値は、前記ホットスタート期間が前記基準時間に達した時点における前記溶接電圧の検出値と前記スタート電圧基準値との差分値に応じて変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアークスタート制御方法である。
請求項3の発明は、
前記ホットスタート期間が終了した時点から遅延させて、前記溶接ワイヤの送給速度を前記ホットスタート期間送給速度から前記定常送給速度に切り替える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアークスタート制御方法である。
請求項4の発明は、
前記溶接ワイヤの材質がアルミニウム又はその合金である、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアークスタート制御方法である。
請求項5の発明は、
溶接方法がパルスアーク溶接方法である、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のアークスタート制御方法である。
本発明によれば、消耗電極式アーク溶接において、種々の溶接条件に影響されることなく、溶接開始部の品質を良好にすることができる。
本発明の実施の形態に係るアークスタート制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るアークスタート制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を上記の駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトルを備えている。
溶接ワイヤ1は、送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶接が行われる。溶接ワイヤ1と母材2との間には溶接電圧Vwが印加され、溶接電流Iwが通電する。溶接ワイヤ1の材質は、鉄鋼、アルミニウム等である。溶接トーチ4は、ロボット(図示は省略)に搭載されている。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。電圧フィルタ回路VAVは、この電圧検出信号Vdを入力として、ローパスフィルタによって高周波成分を除去して、電圧フィルタ信号Vavを出力する。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、0.1~1kHz程度に設定される。この電圧フィルタ信号Vavの値とアーク長とは略比例関係にあるので、この電圧フィルタ信号Vavによってアーク長を検出していることになる。アーク長を誤検出しないようにするために、この回路によってインバータ回路からの高周波ノイズを除去している。さらに、溶融池からのガスの噴出等による一時的な変動を除去してアーク長の変化をより正確に検出するために、この回路は設けられている。
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、電流検出信号Idを出力する。通電判別回路CDは、この電流検出信号Idを入力として、この値がしきい値以上のときはHighレベルとなる通電判別信号Cdを出力する。この通電判別信号Cdは、溶接電流Iwが通電するとHighレベルとなる信号である。したがって、しきい値は、5A程度に設定される。
ロボット制御装置RCは、予め教示された作業プログラムを記憶しており、この作業プログラムに従ってロボット(図示は省略)の動作を制御すると共に、駆動回路DVおよび送給制御回路FCに対して溶接開始信号Stを出力する。
スタート電圧基準値設定回路VHTは、予め定めたスタート電圧基準値信号Vhtを出力する。
基準時間設定回路TORは、予め定めた基準時間設定信号Torを出力する。
ホットスタート期間終了判別回路STHは、上記の電圧フィルタ信号Vav、上記のスタート電圧基準値信号Vht、上記の基準時間設定信号Tor及び後述する期間信号Msを入力として、以下の処理を行い、ホットスタート期間終了信号Sth及び基準時間超過信号Stoを出力する。図2で後述するように、良好なアークスタート時は、ホットスタート期間終了信号Sthだけが短時間Highレベルとなり、基準時間超過信号StoはLowレベルのままである。他方、不良なアークスタート時は、基準時間超過信号Stoが短時間Highレベルとなり、その後にホットスタート期間終了信号Sthが短時間Highレベルとなる。
1)期間信号Ms=2(ホットスタート期間Th)のときに、電圧フィルタ信号Vavの値が増加してスタート電圧基準値信号Vhtの値以上になった時点で短時間Highレベルとなるホットスタート期間終了信号Sthを出力する。
2)期間信号Ms=2(ホットスタート期間Th)の時間長さが基準時間設定信号Torの値以上になると短時間Highレベルとなる基準時間超過信号Stoを出力する。
期間設定回路MSは、上記の溶接開始信号St、上記の通電判別信号Cd及び上記のホットスタート期間終了信号Sthを入力として、以下の処理を行い、期間信号Msを出力する。
1)溶接開始信号StがHighレベル(開始)に変化すると、その値が0から1となる期間設定信号Msを出力する。Ms=1の期間はスローダウン送給期間となる。
2)その後に、通電判別信号CdがHighレベル(通電)に変化すると、その値が2となる期間設定信号Msを出力する。Ms=2の期間はホットスタート期間Thとなる。
3)その後に、ホットスタート期間終了信号Sthが短時間Highレベルとなると、その値が3となる期間設定信号Msを出力する。Ms=3の期間は定常期間となる。
電圧設定回路VRは、定常期間中の溶接電圧Vwの値を設定するための予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。
電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vrと上記の電圧フィルタ信号Vavとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
ホットスタート電流設定回路IHRは、予め定めたホットスタート電流設定信号Ihrを出力する。電流誤差増幅回路EIは、このホットスタート電流設定信号Ihrと上記の電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
制御方式切換信号生成回路CSは、上記の期間信号Msを入力として、Ms=1(スローダウン送給期間)及び2(ホットスタート期間Th)のときはLowレベル(定電流制御)となり、Ms=3(定常期間)のときはHighレベル(定電圧制御)になる制御方式切換信号Csを出力する。
制御切換回路SWは、上記の電圧誤差増幅信号Ev、上記の電流誤差増幅信号Ei及び上記の制御方式切換信号Csを入力として、Cs=Lowレベル(定電流制御)のときは電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力し、Cs=Highレベル(定電圧制御)のときは電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
駆動回路DVは、この誤差増幅信号Ea及び上記の溶接開始信号Stを入力として、溶接開始信号StがHighレベルのときは誤差増幅信号Eaに基づいてPWM変調制御を行い、上記の電源主回路PM内のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力し、溶接開始信号StがLowレベルのときは駆動信号Dvの出力を停止する。
スローダウン送給速度設定回路FSRは、予め定めたスローダウン送給速度設定信号Fsrを出力する。
ホットスタート期間送給速度設定回路FHRは、上記の基準時間超過信号Stoを入力として、予め定めた初期値のホットスタート期間送給速度設定信号Fhrを出力し、基準時間超過信号Stoが短時間Highレベルに変化すると初期値よりも小さな値に予め定めた減速値となるホットスタート期間送給速度設定信号Fhrを出力する。
定常送給速度設定回路FCRは、予め定めた定常送給速度設定信号Fcrを出力する。
送給速度設定回路FRは、上記のスローダウン送給速度設定信号Fsr、上記のホットスタート期間送給速度設定信号Fhr、上記の定常送給速度設定信号Fcr及び上記の期間信号Msを入力として、Ms=0及び1のときはスローダウン送給速度設定信号Fsrの値となり、Ms=2に変化するとホットスタート期間送給速度設定信号Fhrの値となり、Ms=3に変化した時点から予め定めた遅延期間が経過すると定常送給速度設定信号Fcrの値となる送給速度設定信号Frを出力する。
送給制御回路FCは、上記の送給速度設定信号Fr及び上記の溶接開始信号Stを入力として、溶接開始信号StがHighレベルのときは溶接ワイヤ1を送給速度設定信号Frによって定まる速度で送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力し、溶接開始信号StがLowレベルのときは送給を停止するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。
図2は、図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は制御方式切換信号Csの時間変化を示し、同図(C)は溶接ワイヤの送給速度Fwの時間変化を示し、同図(D)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(E)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(F)はホットスタート期間終了信号Sthの時間変化を示し、同図(G)は基準時間超過信号Stoの時間変化を示す。同図は、ロボットを使用した溶接の場合を例示している。以下、同図を参照して説明する。
同図において、時刻t1~t2の期間が図1の期間信号Ms=1のスローダウン送給期間となり、時刻t2~t3の期間が図1の期間信号Ms=2のホットスタート期間Thとなり、時刻t3以降の期間が図1の期間信号Ms=3の定常期間Tcとなる。同図(E)に示す溶接電圧Vwは高周波成分を除去して表示しているので、図1の電圧フィルタ信号Vavと略同じ波形となる。
時刻t1において、ロボットが移動して溶接トーチが溶接開始位置に到達すると、ロボット制御装置から溶接電源に対して溶接開始信号Stが出力される。
(1)時刻t1~t2のスローダウン送給期間
同図(A)に示すように、時刻t1において、ロボット制御装置からの溶接開始信号StがHighレベルになると、溶接電源の出力が開始されるので、同図(E)に示すように、80V程度の無負荷電圧が溶接ワイヤと母材との間に印加される。同時に、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、図1のスローダウン送給速度設定信号Fsrによって定まるスローダウン送給速度Fsとなり、溶接ワイヤは母材へと次第に接近する。スローダウン送給速度Fsは、例えば1.5m/min程度である。同図(B)に示すように、制御方式切換信号Csは、ホットスタート期間Thが終了する時刻t3まではLowレベル(定電流制御)となり、それ以降はHighレベル(定電圧制御)となる。この制御方式切換信号Csは、溶接電源の出力制御の方式を定電流制御にするか定電圧制御にするかを切り換える信号である。
(2)時刻t2~t3のホットスタート期間Th
時刻t2において、溶接ワイヤと母材とが接触して導通すると、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは、数V程度の短絡電圧値に急減する。同時に、同図(D)に示すように、溶接電流Iwの通電が開始されて、図1のホットスタート電流設定信号Ihrによって設定されるホットスタート電流Ihが通電する。このホットスタート期間Th中は、同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsがLowレベルであるので、定電流制御となる。同図(C)に示すように、送給速度Fwは、図1のホットスタート期間送給速度設定信号Fhrによって設定されるホットスタート期間送給速度Fhの初期値となる。ホットスタート電流Ihは、例えば500A程度に設定される。ホットスタート期間送給速度Fhの初期値は、定常送給速度Fwcよりも小さな値に設定され、例えば2m/min程度に設定される。ホットスタート期間送給速度Fhをスローダウン送給速度Fsと等しい値に設定しても良い。このホットスタート電流Ihは、溶接ワイヤの先端を早急に溶融してアークを発生させるために通電する。したがって、時刻t2から1ms程度の短時間経過後の時刻t21において、アークが発生する。アークが発生すると、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは20V程度のアーク電圧値に急増する。ホットスタート電流Ihによって溶接ワイヤ先端が溶融されるので、アーク長は次第に長くなる。これに応動して、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは、時刻t21から次第に増加する。通常は、5ms程度の時間が経過すると、溶接電圧Vwが増加して図1のスタート電圧基準値信号Vhtの値以上になる。これに応動して、ホットスタート期間終了信号Sthが短時間Highレベルとなり、ホットスタート期間Thが終了して定常期間Tcに移行する。
ときたま、ホットスタート期間Th中に、アーク長が短い状態が長く続き、溶接電圧Vwがスタート電圧基準値信号Vhtに到達せずに、ホットスタート期間Thが500ms以上の長い期間継続する場合がある。このような状態になると、溶接開始部の溶接品質が悪くなる。そこで、本実施の形態では、上記の状態から送給に抜け出すために、以下のような制御を実施している。
同図(E)に示すように、溶接電圧Vwが、時刻t21からあまり増加しないために、時刻t22においても、溶接電圧Vwはスタート電圧基準値信号Vhtに到達していない場合が生じる。時刻t22は、時刻t2からのホットスタート期間Thの時間長さが図1の基準時間設定信号Torによって定まる基準時間となる時点である。このために、時刻t22において、同図(G)に示すように、基準時間超過信号Stoが短時間Highレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは図1のホットスタート期間送給速度設定信号Fhrによって設定されるホットスタート期間送給速度Fhの減速値になる。この減速値はホットスタート期間送給速度Fhの初期値よりも小さな値であるので、送給速度Fwは遅くなる。したがって、減速値は、初期値及び定常送給速度Fwcよりも小さな値であり、例えば1.0m/min程度である。送給速度Fwが遅くなったために、アーク長は次第に長くなり、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwも次第に増加する。この結果、時刻t3において、溶接電圧Vwがスタート電圧基準値信号Vht以上となり、同図(F)に示すように、ホットスタート期間終了信号Sthが短時間Highレベルとなり、定常期間Tcに移行する。このようにして、本実施の形態では、短いアーク長の状態が長く続く状態を送給に解消するようにしている。基準時間は、100~500ms程度に設定される。スタート電圧基準値信号Vhtは、定常アーク長と同じ程度のアーク長に対応した値に設定され、例えば25V程度である。
上述したホットスタート期間送給速度Fhの減速値は、ホットスタート期間Thが基準時間に達した時点における溶接電圧Vwの値とスタート電圧基準値信号Vhtの値との差分値に応じて変化させるようにしても良い。差分値が大きい場合には減速値をより小さな値にする。このようにすることによって、ホットスタート期間Thが長く続く状態をより確実に解消させることができる。
(3)時刻t3以降の定常期間tc
時刻t3において、同図(F)に示すように、ホットスタート期間終了信号Sthが短時間Highレベルとなると、定常期間Tcに移行する。これに応動して、同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsはHighレベルとなり、溶接電源は定電圧制御される。同図(C)に示すように、送給速度Fwは、時刻t3~t31の予め定めた遅延期間中はホットスタート期間送給速度Fhのままであり、時刻t31において、図1の定常送給速度設定信号Fcrによって設定される定常送給速度Fwcとなる。この定常送給速度Fwcは、3~10m/min程度の範囲である。遅延期間は0でも良く、0~50ms程度である。同図(D)に示すように、溶接電流Iwは、ホットスタート電流Ihから減少して定常送給速度Fwcに対応した定常値となる。同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは、図1の電圧設定信号Vrによって設定される定常値に定電圧制御される。消耗電極式アーク溶接がパルスアーク溶接であるときは、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwはパルス波形となる。
以下、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態によれば、溶接電流が通電を開始するとホットスタート期間に入り、ホットスタート期間中は定電流制御によってホットスタート電流を通電すると共に溶接ワイヤを定常送給速度よりも小さな値のホットスタート期間送給速度で送給し、ホットスタート期間は溶接電圧の検出値がスタート電圧基準値まで増加した時点で終了し、ホットスタート期間が終了すると定常期間に移行するアークスタート制御方法において、ホットスタート期間が基準時間以上になると、前記ホットスタート期間送給速度を減速させる。このようにすると、ホットスタート期間中に短いアーク長の状態となり、ホットスタート期間が基準時間以上となっても、送給速度を減速させることでアーク長を長くして、この状態から送給に抜け出すことができる。この結果、常に良好なアークスタート性を得ることができ、溶接開始部の品質を良好にすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ホットスタート期間送給速度の減速の値は、ホットスタート期間が基準時間に達した時点における溶接電圧の検出値とスタート電圧基準値との差分値に応じて変化させる、ことが好ましい。差分値が大きい場合には減速値をより遅い速度にする。このようにすることによって、ホットスタート期間が長く続く状態をより確実に解消させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ホットスタート期間が終了した時点から遅延させて、溶接ワイヤの送給速度をホットスタート期間送給速度から定常送給速度に切り替える、ことが好ましい。このようにすると、定常期間への移行がより円滑になる。
さらに、本実施の形態によれば、溶接ワイヤの材質がアルミニウム又はその合金である。溶接ワイヤの材質がアルミニウム又はその合金であるときは鉄鋼であるときよりもワイヤの抵抗値が小さいために、アークスタート直後に短いアーク長の状態になり、ホットスタート期間が長く続く状態に陥りやすい。このために、溶接ワイヤの材質がアルミニウム又はその合金であるときは、上述した本実施の形態の効果が大きくなる。
さらに、本実施の形態によれば、溶接方法がパルスアーク溶接である。溶接方法がパルスアーク溶接であるときは直流溶接であるときよりも、アークスタート直後に短いアーク長の状態になり、ホットスタート期間が長く続く状態に陥りやすい。このために、溶接方法がパルスアーク溶接であるときは、上述した本実施の形態の効果が大きくなる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CD 通電判別回路
Cd 通電判別信号
CS 制御方式切換信号生成回路
Cs 制御方式切換信号
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FCR 定常送給速度設定回路
Fcr 定常送給速度設定信号
Fh ホットスタート期間送給速度
FHR ホットスタート期間送給速度設定回路
Fhr ホットスタート期間送給速度設定信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fs スローダウン送給速度
FSR スローダウン送給速度設定回路
Fsr スローダウン送給速度設定信号
Fw 送給速度
Fwc 定常送給速度
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
Ih ホットスタート電流
IHR ホットスタート電流設定回路
Ihr ホットスタート電流設定信号
Iw 溶接電流
MS 期間設定回路
Ms 期間信号
PM 電源主回路
RC ロボット制御装置
St 溶接開始信号
STH ホットスタート期間終了判別回路
Sth ホットスタート期間終了信号
Sto 基準時間超過信号
SW 制御切換回路
Tc 定常期間
Th ホットスタート期間
TOR 基準時間設定回路
Tor 基準時間設定信号
VAV 電圧フィルタ回路
Vav 電圧フィルタ信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VHT スタート電圧基準値設定回路
Vht スタート電圧基準値信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WM 送給モータ

Claims (5)

  1. 溶接電流が通電を開始するとホットスタート期間に入り、前記ホットスタート期間中は定電流制御によってホットスタート電流を通電すると共に溶接ワイヤを定常送給速度よりも小さな値のホットスタート期間送給速度で送給し、前記ホットスタート期間は溶接電圧の検出値がスタート電圧基準値まで増加した時点で終了し、前記ホットスタート期間が終了すると定常期間に移行するアークスタート制御方法において、
    前記ホットスタート期間が基準時間以上になると、前記ホットスタート期間送給速度を減速させる、
    ことを特徴とするアークスタート制御方法。
  2. 前記ホットスタート期間送給速度の前記減速の値は、前記ホットスタート期間が前記基準時間に達した時点における前記溶接電圧の検出値と前記スタート電圧基準値との差分値に応じて変化させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアークスタート制御方法。
  3. 前記ホットスタート期間が終了した時点から遅延させて、前記溶接ワイヤの送給速度を前記ホットスタート期間送給速度から前記定常送給速度に切り替える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアークスタート制御方法。
  4. 前記溶接ワイヤの材質がアルミニウム又はその合金である、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアークスタート制御方法。
  5. 溶接方法がパルスアーク溶接方法である、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のアークスタート制御方法。
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