JP2022181365A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】このリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間にあるセパレータと、電解液と、を有し、前記負極は、シリコン又はシリコン化合物と、第1元素を含む第1化合物と、第2元素を含む第2化合物と、を含む負極活物質を有し、前記電解液は、前記第1元素とイミドアニオンとを含む第1イミド塩と、前記第2元素とイミドアニオンとを含む第2イミド塩とを含み、前記第1元素は、前記電解液中で2価又は3価のカチオンを形成する元素であり、前記第2元素は、前記電解液中で1価のカチオンを形成する元素である。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器やハイブリットカー等の動力源としても広く用いられている。
リチウムイオン二次電池の容量は主に電極の活物質に依存する。負極活物質には、一般に黒鉛が利用されているが、より高容量な負極活物質が求められている。そのため、黒鉛の理論容量(372mAh/g)に比べてはるかに大きな理論容量をもつシリコン(Si)を含む負極活物質が注目されている。
例えば、特許文献1~3には、シリコンを含む負極活物質をリチウムイオン二次電池に用いることができることが記載されている。また特許文献1~3には、特定のリチウム塩とエーテル化合物とを含む電解液を用いることでリチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上することが記載されている。
特開2009-176534号公報 特開2014-110235号公報 特表2015-534254号公報
サイクル特性の更なる向上が求められている。
本開示は上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間にあるセパレータと、電解液と、を有する。前記負極は、シリコン又はシリコン化合物と、第1元素を含む第1化合物と、第2元素を含む第2化合物と、を含む負極活物質を有する。前記電解液は、前記第1元素とイミドアニオンとを含む第1イミド塩と、前記第2元素とイミドアニオンとを含む第2イミド塩とを含む。前記第1元素は、前記電解液中で2価又は3価のカチオンを形成する1種以上の元素であり、前記第2元素は、前記電解液中で1価のカチオンを形成する1種以上の元素である。
(2)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記第1元素は、Mg、Ca、Cs、Al、Znからなる群から選択されるいずれか1種以上の元素であってもよい。
(3)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記第2元素は、K、Naからなる群から選択されるいずれか1種以上の元素であってもよい。
(4)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記電解液における前記第1イミド塩のモル濃度比は、前記電解液におけるリチウム塩のモル濃度比に対して、5%以上20%以下であってもよい。
(5)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記電解液における前記第2イミド塩のモル濃度比は、前記1イミド塩のモル濃度比に対して、10%以上50%以下であってもよい。
(6)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記第1化合物は、フッ化物、酸化物、ケイ化物、ケイ酸化物、リン酸化物からなる群から選択されるいずれか1つ以上であり、前記第2化合物は、フッ化物、酸化物、ケイ化物、ケイ酸化物、リン酸化物からなる群から選択されるいずれか1つ以上であってもよい。
(7)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記負極活物質は、コアと前記コアを被覆する被覆層とを有し、前記被覆層は、前記第1化合物及び前記第2化合物を含んでもよい。
(8)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記負極活物質のメディアン径(D50)は、500nm以上10μm以下であってもよい。
(9)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記負極活物質の放電比容量は、1000mAh/g以上2500mAh/g以下であってもよい。
上記態様に係るリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れる。
第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式図である。 第1実施形態に係る負極活物質の模式図である。
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「リチウムイオン二次電池」
図1は、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の模式図である。図1に示すリチウムイオン二次電池100は、発電素子40と外装体50と非水電解液(図示略)とを備える。外装体50は、発電素子40の周囲を被覆する。発電素子40は、接続された一対の端子60、62によって外部と接続される。非水電解液は、外装体50内に収容されている。
(発電素子)
発電素子40は、正極20と負極30とセパレータ10とを備える。
<正極>
正極20は、例えば、正極集電体22と正極活物質層24とを有する。正極活物質層24は、正極集電体22の少なくとも一面に接する。
[正極集電体]
正極集電体22は、例えば、導電性の板材である。正極集電体22は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属薄板である。重量が軽いアルミニウムは、正極集電体22に好適に用いられる。正極集電体22の平均厚みは、例えば、10μm以上30μm以下である。
[正極活物質層]
正極活物質層24は、例えば、正極活物質を含む。正極活物質層24は、必要に応じて、導電助剤、バインダーを含んでもよい。
正極活物質層24の目付量は、例えば15mg/cm以上であり、好ましくは20mg/cm以上である。正極活物質層24の目付量は、例えば35mg/cm以下が好ましい。目付量は、単位面積当たりの正極集電体22の表面に担持された正極活物質層24の質量を意味する。目付量が多いと、単位面積当りの正極活物質の量が増え、電池の容量は大きくなる。他方、目付量が多すぎると、電解液が正極活物質層24内への含浸が難しくなる。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとカウンターアニオンのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を含む。
正極活物質は、例えば、複合金属酸化物である。複合金属酸化物は、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMnの化合物(一般式中においてx+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)である。正極活物質は、有機物でもよい。例えば、正極活物質は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンでもよい。
正極活物質は、リチウム非含有の材料でもよい。リチウム非含有の材料は、例えば、FeF、有機導電性物質を含む共役系ポリマー、シェブレル相化合物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物等である。リチウム非含有の材料は、いずれか一つの材料のみを用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。正極活物質がリチウム非含有の材料の場合は、例えば、最初に放電を行う。放電により正極活物質にリチウムが挿入される。このほか、正極活物質がリチウム非含有の材料に対して、化学的又は電気化学的にリチウムをプレドープしてもよい。
導電助剤は、正極活物質の間の電子伝導性を高める。導電助剤は、例えば、カーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、導電性酸化物である。カーボン粉末は、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等である。金属微粉は、例えば、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の粉である。
バインダーは、活物質同士を結合する。バインダーは、公知のものを用いることができる。バインダーは、例えば、フッ素樹脂である。フッ素樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等である。
上記の他に、バインダーは、例えば、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-HFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-パーフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFMVE-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムでもよい。またバインダーは、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等でもよい。
またバインダーは、電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子でもよい。電子伝導性の導電性高分子は、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等である。イオン伝導性の導電性高分子は、例えば、ポリエーテル系高分子化合物とリチウム塩との複合物質である。ポリエーテル系高分子化合物は、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等である。リチウム塩は、例えば、LiFSI、LiTFSI、LiBETI、LiClO、LiBF、LiPF等である。
正極活物質層24における正極活物質の構成比率は、例えば、質量比で80%以上98%以下である。また正極活物質層24における導電助剤の構成比率は、例えば、質量比で1.0%以上10%以下である。また正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、例えば、質量比で1.0%以上10%以下である。
<負極>
負極30は、例えば、負極集電体32と負極活物質層34とを有する。負極活物質層34は、負極集電体32の少なくとも一面に形成されている。
[負極集電体]
負極集電体32は、例えば、導電性の板材である。負極集電体32は、正極集電体22と同様のものを用いることができる。
[負極活物質層]
負極活物質層34は、負極活物質とバインダーとを含む。また負極活物質層34は、必要に応じて、導電助剤を含んでもよい。負極活物質は、シリコン又はシリコン化合物と第1元素を含む第1化合物と第2元素を含む第2化合物とを含む。
シリコン又はシリコン化合物は、結晶質でも非晶質でもよい。シリコンは、単体のシリコンである。シリコン化合物は、シリコン元素を含む化合物である。シリコン化合物は、例えば、シリコン合金、酸化シリコン、炭化シリコン、シリコンと他の物質(例えば、カーボン)との複合体である。シリコン化合物は、これらの混合体でもよい。
シリコン合金は、例えば、XnSiで表される。Xは、カチオンである。Xは、例えば、Mg、Al、Zn、Sn、Ca、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ti、Na、Kである。Xは、好ましくは、2価以上のカチオンとなりうる1種以上の元素である。2価以上のカチオンとなりうる元素は、例えば、Mg、Al、Zn、Sn、Ca、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Tiである。nは、0≦n≦0.5を満たす。
酸化シリコンは、SiOで表記される。xは、0≦x≦2を満たし、好ましくは0.8≦x≦2を満たす。酸化シリコンは、SiOのみからなってもよいし、SiOのみからなってもよいし、SiOとSiOとの混合物でもよい。また酸化シリコンは、酸素の一部が欠損していてもよい。酸化シリコンは、結晶質でも非晶質でもよい。
シリコンと他の物質との複合体は、シリコンと他の物質とが複合化処理されたものである。例えば、シリコンとカーボンとに対してせん断力を加えながら混合すると、シリコンとカーボンとの複合体が得られる。複合体において、シリコンの重量比は、例えば30wt%以上70wt%以下であり、好ましくは50wt%以上70wt%以下である。
第1化合物は、第1元素を含む化合物である。第1化合物は、例えば、フッ化物、酸化物、ケイ化物、ケイ酸化物の中からなる群から選択される1つ以上である。第1元素は、電解液中で2価又は3価のカチオンを形成する1種以上の元素である。第1元素は、例えば、Mg、Ca、Cs、Al、Znからなる群から選択されるいずれか1種以上の元素である。第1元素は、1種類の元素に限られず、上記の条件を満たす複数種の元素でもよい。例えば第1元素がMgの場合、第1化合物は、例えば、MgF、MgO、MgSi、LiMgSi、MgSiOである。
第2化合物は、第2元素を含む化合物である。第2化合物は、例えば、フッ化物、酸化物、ケイ化物、ケイ酸化物の中からなる群から選択される1つ以上である。第2元素は、電解液中で1価のカチオンを形成する1種以上の元素である。第2元素は、例えば、KとNaとのうちの1種以上の元素である。第2元素は、K又はNaのいずれかに限られず、KとNaの両方でもよい。例えば第2元素がNaの場合、第1化合物は、例えば、NaF、NaOである。
図2は、第1実施形態に係る負極活物質35の模式図である。負極活物質35は、コア36と被覆層37とを有してもよい。被覆層37は、コア36の少なくとも一部を被覆する。被覆層37は、コア36の全面を被覆してもよい。被覆層37は、Liの挿入脱離反応を均一にし、負極活物質35の劣化を抑制する。
コア36は、シリコン又はシリコン化合物を含む。コア36は、例えば、シリコン又はシリコン化合物である。被覆層37は、例えば、シリコン又はシリコン化合物と第1化合物と第2化合物とを含む。被覆層37は、炭素材料、金属微粉、炭素材料と金属微粉の混合物、導電性酸化物、無機化合物等を含んでもよい。炭素材料は、例えば、カーボン粉末、カーボンナノチューブ等である。金属微粉は、例えば、銅、コバルト、鉄等である。無機材料は、例えば、セラミックスであり、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物等である。
被覆層37は、第1層37Aと第2層37Bとを有してもよい。第2層37Bは、被覆層37の最表面層である。第2層37Bは、第1元素又は第2元素と電解液に含まれる材料との反応物を含んでもよい。例えば第1元素がMgの場合、第1元素と電解液に含まれる材料との反応物は、例えば、Mg(POである。例えば第2元素がNaの場合、第2元素と電解液に含まれる材料との反応物は、例えば、NaPOである。
負極活物質のメディアン径(D50)は、例えば、500nm以上10μm以下である。負極活物質の粒径が十分小さいと、負極活物質層34内における負極活物質の凝集を抑制できる。また負極活物質のメディアン径が所定の範囲内であれば、第1化合物及び第2化合物が負極活物質内で凝集することを抑制できる。これらの化合物が凝集しないことで、負極活物質が体積膨張によって破損することを抑制できる。
また負極活物質の粒径が小さいほど、負極活物質の比表面積は大きくなる。負極活物質の比表面積が大きいほど、電解液と負極活物質との接触頻度が増え、電解液が分解しやすくなる。他方、負極活物質の粒径が大きいほど、負極活物質の表面において局所的に低電位又は高電位となる箇所が生じやすくなく。電位の不均一は、電解液の酸化還元分解の原因となりうる。負極活物質のメディアン径が上記範囲内であれば、リチウムイオン二次電池100のサイクル特性が向上する。
負極活物質の放電比容量は、例えば、1000mAh/g以上2500mAh/g以下である。負極活物質の放電比容量は、正極20の正極活物質層24の厚みを変えることで調整できる。負極活物質の放電比容量が大きいほど負極は低電位になり、小さいほど負極は高電位になる。負極電位の高電位化又は低電位化は、サイクル特性の低下の原因となりえる。負極電位が高電位なほど、トラップできるリチウム量は増えるものの、電解液及び被覆層37が酸化分解しやすくなる。負極電位が低電位なほど、負極活物質35の膨張収縮を抑制できるものの、電解液及び被覆層37が還元分解しやすくなる。負極活物質の放電比容量が上記範囲であれば、高容量で、サイクル特性に優れる。
導電助剤は、負極活物質の間の電子伝導性を高める。導電助剤は、正極20と同様のものを用いることができる。
バインダーは、負極活物質同士を結合すると共に、負極活物質と負極集電体32とを結合する。バインダーは、正極20に用いられるものと同様のものを用いることができる。
負極活物質層34中の負極活物質、導電助剤及びバインダーの含有量は特に限定されない。負極活物質層34における負極活物質の構成比率は、例えば、質量比で70%以上100%以下である。また負極活物質層34における導電助剤の構成比率は、例えば、質量比で0%以上10%以下である、負極活物質層34におけるバインダーの構成比率は、例えば、質量比で0%以上20%以下である。
<セパレータ>
セパレータ10は、正極20と負極30とに挟まれる。セパレータ10は、正極20と負極30とを隔離し、正極20と負極30との短絡を防ぐ。セパレータ10は、正極20及び負極30に沿って面内に広がる。リチウムイオンは、セパレータ10を通過できる。
セパレータ10は、例えば、電気絶縁性の多孔質構造を有する。セパレータ10は、例えば、ポリオレフィンフィルムの単層体、積層体である。セパレータ10は、ポリエチレンやポリプロピレン等の混合物の延伸膜でもよい。セパレータ10は、セルロース、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布でもよい。セパレータ10は、例えば、固体電解質であってもよい。固体電解質は、例えば、高分子固体電解質、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質である。セパレータ10は、無機コートセパレータでもよい。無機コートセパレータは、上記のフィルムの表面に、PVDFやCMCなど樹脂とアルミナやシリカなどの無機物の混合物を塗布したものである。無機コートセパレータは、耐熱性に優れ、正極から溶出した遷移金属の負極表面への析出を抑制する。
<電解液>
電解液は、外装体50内に封入され、発電素子40に含浸している。非水電解液は、例えば、非水溶媒と電解質とを有する。電解質は、非水溶媒に溶解している。電解液は、例えば、溶媒、電解質、第1イミド塩、第2イミド塩を含む。第1イミド塩及び第2イミド塩はそれぞれ、1種類でも2種類以上でもよい。
溶媒は、一般にリチウムイオン二次電池に用いられている溶媒であれば特に限定はない。溶媒は、例えば、環状カーボネート化合物、鎖状カーボネート化合物、環状エステル化合物、鎖状エステル化合物のいずれかを含む。溶媒は、これらを任意の割合で混合して含んでもよい。環状カーボネート化合物は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等である。鎖状カーボネート化合物は、例えば、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等である。環状エステル化合物は、例えば、γ-ブチロラクトン等である。鎖状エステル化合物は、例えば、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸エチル、酢酸エチル等である。
溶媒は、フッ素化有機溶媒を含んでもよい。フッ素化有機溶媒は、負極活物質の表面に良好な被膜を形成する。フッ素化有機溶媒の分解物と電解液中に含まれる第1元素及び第2元素とが、被膜に含まれると、被膜中においてLiイオンが輸送されやすくなる。その結果、リチウムイオン二次電池100の抵抗の上昇が抑制される。
電解質は、例えば、リチウム塩である。電解質は、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等である。リチウム塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。電離度の観点から、電解質はLiPFを含むことが好ましい。
第1イミド塩は、第1元素とイミドアニオンとを含む。第1元素は、上述のものである。電解液に含まれる第1元素と、負極活物質層34に含まれる第1元素とは、例えば、同じ元素である。電解液に含まれる第1元素と、負極活物質層34に含まれる第1元素とは、異なる元素でもよい。第1イミド塩は、1種類に限られず、電解液中に複数種類含まれてもよい。
第2イミド塩は、第2元素とイミドアニオンとを含む。第2元素は、上述のものである。電解液に含まれる第2元素と、負極活物質層34に含まれる第2元素とは、例えば、同じ元素である。電解液に含まれる第2元素と、負極活物質層34に含まれる第2元素とは、異なる元素でもよい。第2イミド塩は、1種類に限られず、電解液中に複数種類含まれてもよい。
イミドアニオンは、例えば、(SOF)(FSI:ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン)、(SOCF(TFSI:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン)、(SO(BETI:ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン)、(SOF)(SOCF)N、(SOCF)(SO)Nである。イミドアニオンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
電解液における第1イミド塩のモル濃度比は、例えば、電解液におけるリチウム塩のモル濃度比に対して、5%以上20%以下である。第1イミド塩が電解液中に十分含まれると、リチウムイオン二次電池100の充放電時に、電解液の分解が抑制される。また第1イミド塩が電解液中に過度に含まれると、電解液の粘度が高まり、電解液の正極20及び負極30への含浸性が低下する。
電解液における第2イミド塩のモル濃度比は、例えば、電解液における第1イミド塩のモル濃度比に対して、10%以上50%以下である。また電解液における第2イミド塩のモル濃度比は、例えば、電解液におけるリチウム塩のモル濃度比に対して、1%以上5%以下である。第2イミド塩が電解液中に十分含まれると、リチウムイオン二次電池100の充放電時に、電解液の分解が抑制される。また第2イミド塩が電解液中に過度に含まれると、電解液の粘度が高まり、電解液の正極20及び負極30への含浸性が低下する。
電解液中における第1元素及びリチウムのモル濃度比は、例えば、ガスクロマトグラフィー、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析、ICP質量分析等で測定できる。
<外装体>
外装体50は、その内部に発電素子40及び非水電解液を密封する。外装体50は、非水電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止する。
外装体50は、例えば図1に示すように、金属箔52と、金属箔52の各面に積層された樹脂層54と、を有する。外装体50は、金属箔52を高分子膜(樹脂層54)で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムである。
金属箔52としては例えばアルミ箔を用いることができる。樹脂層54には、ポリプロピレン等の高分子膜を利用できる。樹脂層54を構成する材料は、内側と外側とで異なっていてもよい。例えば、外側の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等を用い、内側の高分子膜の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を用いることができる。
<端子>
端子60、62は、それぞれ正極20と負極30とに接続されている。正極20に接続された端子60は正極端子であり、負極30に接続された端子62は負極端子である。端子60、62は、外部との電気的接続を担う。端子60、62は、アルミニウム、ニッケル、銅等の導電材料から形成されている。接続方法は、溶接でもネジ止めでもよい。端子60、62は短絡を防ぐために、絶縁テープで保護することが好ましい。
「リチウムイオン二次電池の製造方法」
リチウムイオン二次電池100は、負極30、正極20、セパレータ10、電解液、外装体50をそれぞれ準備し、これらを組み上げて作製される。以下、リチウムイオン二次電池100の製造方法の一例を説明する。
負極30は、例えば、複合化工程、スラリー作製工程、電極塗布工程、乾燥工程、圧延工程を順に行って作製される。
複合化工程は、シリコン又はシリコン化合物と第1化合物と第2化合物とをせん断力を加えながら混合する工程である。複合化工程を行うと、シリコン又はシリコン化合物の表面が第1化合物及び第2化合物で被覆される。また当該混合の程度により負極活物質の粒径を調整できる。また作製後の負極活物質を篩にかけて、粒径をそろえてもよい。
スラリー作製工程は、複合化後の負極活物質、バインダー、及び溶媒を混合してスラリーを作る工程である。スラリー作製工程では、必要に応じて、導電助剤を加えてもよい。溶媒は、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン等である。負極活物質、導電材、バインダーの構成比率は、質量比で70wt%~100wt%:0wt%~10wt%:0wt%~20wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
電極塗布工程は、負極集電体32の表面に、スラリーを塗布する工程である。スラリーの塗布方法は、特に制限はない。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法をスラリーの塗布方法として用いることができる。
乾燥工程は、スラリーから溶媒を除去する工程である。例えば、スラリーが塗布された負極集電体32を、80℃~150℃の雰囲気下で乾燥させる。スラリーが乾燥することで、負極集電体32上に負極活物質層34が形成される。
圧延工程は、必要に応じて行われる。圧延工程は、負極活物質層34に圧力を加え、負極活物質層34の密度を調整する工程である。圧延工程は、例えば、ロールプレス装置等で行われる。
正極20は、複合化工程を行わないことを除き、負極30と同様の手順で作製できる。セパレータ10及び外装体50は、市販のものを用いることができる。
電解液は、例えば、リチウム塩と溶媒とを混合した混合物に、第1イミド塩及び第2イミド塩を加えて、混合することによって作製できる。
次いで、作製した正極20及び負極30の間にセパレータ10が位置するようにこれらを積層して、発電素子40を作製する。発電素子40が捲回体の場合は、正極20、負極30及びセパレータ10の一端側を軸として、これらを捲回する。
最後に、発電素子40を外装体50に封入する。非水電解液は外装体50内に注入する。非水電解液を注入後に減圧、加熱等を行うことで、発電素子40内に非水電解液が含浸する。熱等を加えて外装体50を封止することで、リチウムイオン二次電池100が得られる。なお、外装体50に電解液を注入するのではなく、発電素子40を電解液に含浸してもよい。
第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池100は、安全性に優れる。以下、この理由を説明する。
負極活物質が体積膨張すると、負極活物質に破損が生じる場合がある。負極活物質が破損すると、活性面が電解液に露出する。活性面と溶媒とが接触すると、溶媒が分解し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下する場合がある。
第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池100は、負極活物質が第1化合物と第2化合物とを含む。一般に、結晶中において複数の化合物が存在すると、それぞれの化合物の結晶は粗大化しにくい。そのため、負極活物質中に第1化合物及び第2化合物が共存すると、これらの化合物は粗大な結晶を形成しにくい。負極活物質中における結晶が微細化すると、負極活物質の局所的な硬質化が抑制され、負極活物質の破損が抑制される。また負極活物質が微細化すると、当該負極活物質を含むスラリーを乾燥させた負極塗膜の硬質化が抑制され、負極塗膜の破損が抑制される。負極活物質及び負極塗膜の破損が抑制されれば、リチウムイオン二次電池の充放電中に形成される活性面が少なくなる。したがって、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、活性面による溶媒の分解が抑制されており、サイクル特性に優れる。
また第1化合物及び第2化合物は、充放電反応中に負極活物質中において分極する。分極した当該化合物は、リチウムイオンを引き寄せる。リチウムイオンが負極活物質の近傍に引き寄せられると共有電子対を有する溶媒は、電解質、第1イミド塩及び第2イミド塩と比較して相対的に負極活物質から離れていく。活性面と溶媒とが接する確率は、活性面と電解質(リチウム塩)又はイミド塩とが接する確率より低くなる。活性面は、溶媒より電解質(リチウム塩)又はイミド塩と反応し、SEI被膜を再形成する。すなわち、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、活性面との反応により溶媒が分解されることが抑制されており、サイクル特性に優れる。
また電解液中に第1イミド塩及び第2イミド塩があると、リチウムイオン二次電池100の充放電反応時に、第1元素及び第2元素が負極活物質に取り込まれる。負極活物質が膨張収縮により活性面が生じた際にも、第1元素及び第2元素が電解液から供給されることで、第1元素及び第2元素が負極活物質に対するアンカーとして機能する。その結果、負極活物質の強度が上昇し、負極活物質が崩壊することを抑制できる。
また上述の活性面と電解質(リチウム塩)又はイミド塩との反応は、負極活物質の表面で生じる。そのため、負極活物質の被覆層37に当該第1元素及び第2元素が含まれると、リチウムイオン二次電池100のサイクル特性低下の抑制効果が高い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「実施例1」
厚さ15μmのアルミニウム箔の一面に、正極スラリーを塗布した。正極スラリーは、正極活物質と導電助剤とバインダーと溶媒とを混合して作製した。
正極活物質は、LiCoOを用いた。導電助剤は、アセチレンブラックを用いた。バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた。溶媒は、N-メチル-2-ピロリドンを用いた。97質量部の正極活物質と、1質量部の導電助剤と、2質量部のバインダーと、70質量部の溶媒を混合して、正極スラリーを作成した。乾燥後の正極活物質層における正極活物質の担持量は、25mg/cmとした。正極スラリーから乾燥炉内で溶媒を除去し、正極活物質層を作成した。正極活物質層をロールプレスで加圧し、正極を作製した。
10度に傾斜させたホソカワミクロン製メカノフュージョンを用いて、結晶性シリコンと酸化マグネシウムと酸化ナトリウムとを複合化し、負極活物質を作製した。複合化時の装置の回転数を2500rpmとした。酸化マグネシウムは、第1元素を含む第1化合物である。酸化ナトリウムは、第2元素を含む第2化合物である。複合化処理後の負極活物質のメディアン径は、3μmであった。負極活物質は、表面にMg及びNaを含む被覆層が形成されていた。
次いで、厚さ10μmの銅箔の一面に、負極スラリーを塗布した。負極スラリーは、負極活物質と導電助剤とバインダーと溶媒とを混合して作製した。負極活物質は、上記の複合化処理したものである。導電助剤は、カーボンブラックを用いた。バインダーは、ポリイミド樹脂を用いた。溶媒は、N-メチル-2-ピロリドンを用いた。90質量部の負極活物質と、5質量部の導電助剤と、5質量部のバインダーとを、N-メチル-2-ピロリドンに混合して、負極スラリーを作製した。乾燥後の負極活物質層における負極活物質の担持量は、2.5mg/cmとした。負極スラリーから乾燥炉内で溶媒を除去し、負極活物質層を作製した。負極活物質層は、ロールプレスで加圧した後、窒素雰囲気下、300℃以上で5時間熱焼成した。
次いで、体積比でフルオロエチレンカーボネート(FEC):エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ジエチルカーボネート(DEC)=5:5:20:70となるように混合し、溶媒を作製した。この混合溶媒に、1mol/Lの濃度となるようにLiPFを溶解させた。その後、この溶液に対し、第1イミド塩としてMg(TFSI)、第2イミド塩としてNaTFSIを電解液に添加して電解液を作製した。Li塩濃度に対する第1イミド塩濃度が10%(0.1mol/L)、Li塩濃度に対する第2イミド塩濃度が3%(0.03mol/L)、となるように調整した。第1イミド塩濃度に対する第2イミド塩濃度は、30%であった。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
作製した負極と正極とを、正極活物質層と負極活物質層とが互いに対向するように、セパレータ(多孔質ポリエチレンシート)を介して積層して積層体を得た。積層体の負極に、ニッケル製の負極リードを取り付けた。積層体の正極に、アルミニウム製の正極リードを取り付けた。正極リード及び負極リードは、超音波溶接機によって溶接した。この積層体を、アルミラミネートフィルムの外装体内に挿入して周囲の1箇所を除いてヒートシールすることにより閉口部を形成した。そして、最後に、外装体内に上記電解液を注入した後に、残りの1箇所を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封して、リチウムイオン二次電池を作製した。なお、リチウムイオン二次電池は、電解液組成分析用と充放電特性評価用の2個作製した。
電解液組成分析用のリチウムイオン二次電池から電解液を採取した。次いで、採取した電解液の組成を、ICP発光を用いて分析した。その結果、電解液中のMg及びNaの含有量は電解液調製時の含有量と同じであることが確認された。
(300サイクル後容量維持率の測定)
評価用リチウムイオン二次電池のサイクル特性を測定した。サイクル特性は、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用いて行った。
充電レート1.0C(25℃で定電流充電を行ったときに1時間で充電終了となる電流値)の定電流充電で電池電圧が4.4Vとなるまで充電を行い、放電レート1.0Cの定電流放電で電池電圧が3.0Vとなるまで放電を行った。充放電終了後の放電容量を検出し、サイクル試験前の電池容量Qを求めた。
上記で電池容量Qを求めた電池を、再び二次電池充放電試験装置を用い、充電レート1.0Cの定電流充電で電池電圧が4.4Vとなるまで充電を行い、放電レート1.0Cの定電流放電で電池電圧が3.0Vとなるまで放電を行った。上記充放電を1サイクルとカウントし、300サイクルの充放電を行った。その後、300サイクル充放電終了後の放電容量を検出し、300サイクル後の電池容量Qを求めた。
上記で求めた容量Q、Qから、300サイクル後の容量維持率Eを求めた。容量維持率Eは、E=Q/Q×100 で求められる。実施例1の容量維持率Eは、88%であった。
「実施例2、3」
実施例2、3は、負極活物質を作製する際に、結晶性シリコンに代えて、酸化シリコン又はシリコンとカーボンとの複合体を用いた点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表1にまとめた。
「実施例4~10」
実施例4~10は、電解液に添加するイミド塩及び負極活物質に含まれる第1元素を変えた点が実施例1と異なる。実施例8~10は、イミド塩に含まれる第1元素及び負極活物質に含まれる第1元素をいずれも2種類以上とした。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表1にまとめた。
「実施例11、12」
実施例11、12は、電解液に添加するイミド塩及び負極活物質に含まれる第2元素を変えた点が実施例1と異なる。実施例12は、イミド塩に含まれる第2元素及び負極活物質に含まれる第2元素をいずれも2種類とした。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表1にまとめた。
「実施例13~17」
実施例13~17は、電解液におけるLi塩濃度、第1イミド塩濃度及び第2イミド塩濃度を変えた点が実施例1と異なる。実施例13~17において、電解液中におけるLi塩濃度に対する第1イミド塩濃度は10%となるように調整し、電解液中における第1イミド塩濃度に対する第2イミド塩濃度は30%となるように調整した。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表1にまとめた。
「実施例18~23」
実施例18~23は、第1イミド塩濃度及び第2イミド塩濃度を変えた点が実施例1と異なる。実施例18~23において、電解液中における第1イミド塩濃度に対する第2イミド塩濃度は30%となるように調整した。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表1にまとめた。
「実施例24~30」
実施例24~30は、電解液における第2イミド塩濃度を変えた点が実施例1と異なる。実施例24~30において、電解液中におけるLi塩濃度に対する第1イミド塩濃度は10%となるように調整した。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表2にまとめた。
「実施例31~38」
実施例31~38は、負極活物質の粒径を変えた点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表2にまとめた。
「実施例39~43」
実施例39~43は、負極活物質の放電比容量を変えた点が実施例1と異なる。負極活物質の放電比容量は、正極活物質層の厚みを変えることで調整した。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表2にまとめた。
「比較例1」
比較例1は、負極活物質を作製する際に酸化マグネシウム(第1化合物)及び断化ナトリウム(第2化合物)を加えず、電解液に第1イミド塩及び第2イミド塩を添加しなかった点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表2にまとめた。
「比較例2」
比較例2は、負極活物質を作製する際に断化ナトリウム(第2化合物)を加えず、電解液に第2イミド塩を添加しなかった点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表2にまとめた。
「比較例3」
比較例3は、負極活物質を作製する際に断化マグネシウム(第1化合物)を加えず、電解液に第1イミド塩を添加しなかった点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして容量維持率Eを求めた。その結果を表2にまとめた。
実施例1~43は、いずれも比較例1~3と比較して容量維持率が高かった。すなわち、負極活物質が第1化合物及び第2化合物を含み、電解液が第1イミド塩及び第2イミド塩を含む実施例1~43に係るリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れていた。
Figure 2022181365000002
Figure 2022181365000003
10 セパレータ
20 正極
22 正極集電体
24 正極活物質層
30 負極
32 負極集電体
34 負極活物質層
35 負極活物質
36 コア
37 被覆層
37A 第1層
37B 第2層
40 発電素子
50 外装体
52 金属箔
54 樹脂層
60、62 端子
100 リチウムイオン二次電池

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間にあるセパレータと、電解液と、を有し、
    前記負極は、シリコン又はシリコン化合物と、第1元素を含む第1化合物と、第2元素を含む第2化合物と、を含む負極活物質を有し、
    前記電解液は、前記第1元素とイミドアニオンとを含む第1イミド塩と、前記第2元素とイミドアニオンとを含む第2イミド塩とを含み、
    前記第1元素は、前記電解液中で2価又は3価のカチオンを形成する1種以上の元素であり、
    前記第2元素は、前記電解液中で1価のカチオンを形成する1種以上の元素である、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記第1元素は、Mg、Ca、Cs、Al、Znからなる群から選択されるいずれか1種以上の元素である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記第2元素は、K、Naからなる群から選択されるいずれか1種以上の元素である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記電解液における前記第1イミド塩のモル濃度比は、前記電解液におけるリチウム塩のモル濃度比に対して、5%以上20%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記電解液における前記第2イミド塩のモル濃度比は、前記電解液における1イミド塩のモル濃度比に対して、10%以上50%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記第1化合物は、フッ化物、酸化物、ケイ化物、ケイ酸化物、リン酸化物からなる群から選択されるいずれか1つ以上であり、
    前記第2化合物は、フッ化物、酸化物、ケイ化物、ケイ酸化物、リン酸化物からなる群から選択されるいずれか1つ以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記負極活物質は、コアと前記コアを被覆する被覆層とを有し、
    前記被覆層は、前記第1化合物及び前記第2化合物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記負極活物質のメディアン径(D50)は、500nm以上10μm以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記負極活物質の放電比容量は、1000mAh/g以上2500mAh/g以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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