JP2022181278A - プリントヘッド自動洗浄システム - Google Patents

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JP2022181278A JP2021088139A JP2021088139A JP2022181278A JP 2022181278 A JP2022181278 A JP 2022181278A JP 2021088139 A JP2021088139 A JP 2021088139A JP 2021088139 A JP2021088139 A JP 2021088139A JP 2022181278 A JP2022181278 A JP 2022181278A
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貴大 太田
Takahiro Ota
雅章 栗田
Masaaki Kurita
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Abstract

【課題】洗浄工程の無人化および自動化を実現したプリントヘッド自動洗浄システムを提供する。【解決手段】洗浄システムの総括コントローラは、インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび検査装置から取得した検査結果を示すデータを用いて機械学習を行うことにより作成された、プリントヘッドの洗浄が必要である場合と、そうでない場合とに分類する分類器を備えている。総括コントローラは、インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび検査装置から取得した検査結果を示すデータを入力とした分類器の分類結果に基づいて、プリントヘッドの洗浄が必要であると判定した場合、インクジェットプリンタに指示して運転を停止し、ロボットに指示してプリントヘッドを印字位置から洗浄機まで移送し、洗浄機に指示してプリントヘッドの洗浄を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタのプリントヘッドを自動で洗浄するシステムに関する。
インクジェットプリンタ(以降、「IJP」と略す)は、コンティニュアス方式とオンデマンド方式に大別される。このうちコンティニュアス方式のIJPは、ポンプによってノズルからインクを噴出し、噴出インクがインク滴に分離する位置において帯電電極によりインク滴を帯電させ、更に偏向電極によってインク滴の軌道を曲げ、被印刷面の所定の位置に着弾させて印字ドットを形成するものである。
上述したコンティニュアス方式のIJPにおいて、印字を繰返し行うと、印字面に印字される文字の高さが高くなったり、低くなったりする現象が現れる。
そのうち文字高さが高くなる原因としていくつか考えられるが、その一つに、ノズルから噴射されるインクの一部がミストとなって高偏向電極の表面に付着し、インク滴と電極との間の距離が近づくことによってインク滴の偏向量が増加することが挙げられる。
一方、文字高さが低くなる原因についてもいくつか考えられるが、その一つに、高偏向電極またはガターのうち、インクの付着によって厚みが増した部分にインク滴が接触することで、インク滴の飛翔が妨げられることが挙げられる。
このような状態を放置すると印字不良につながるため、プリントヘッドを定期的に洗浄して、帯電電極やガターの表面に付着したインク等を除去する必要がある。
特開2019-171651号公報 特許第6391745号公報
従来、プリントヘッドの洗浄は、作業者がプリントヘッドのカバーを外して汚れ具合を確認し、洗浄の必要があると判断した場合に行っていた(特許文献1参照)。このため、作業者によるプリントヘッド内部の確認が不可欠であり、洗浄工程の無人化や自動化の妨げとなっていた。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みて成されたもので、IJPの動作中に得られるデータおよび検査工程で得られるデータを利用して、プリントヘッド洗浄の必要性を判定し、これによって作業者による汚れ具合の確認を不要とした洗浄システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るプリントヘッド自動洗浄システムは、
噴出するインクに一定周期の振動を付与して連続したインク滴を生成するガンと、前記インク滴の周期に同期した階段波状の電圧を印加して当該インク滴を帯電させる帯電電極と、前記帯電したインク滴を、帯電の程度に応じて偏向させ、インク滴を被印刷物の印字面に着弾させる偏向電極と、で構成されたプリントヘッドを備え、当該プリントヘッドから噴射されたインク滴を、コンベアで搬送される被印刷物に着弾させ、複数列の印字ドットによって文字を形成するインクジェットプリンタと、
前記被印刷物に印字された文字をカメラで撮影し、印字された文字が適切であるか否かを判定する検査装置と、
インクによって汚れた前記プリントヘッドを、溶剤を用いて洗浄する洗浄機と、
前記プリントヘッドを印字位置から前記洗浄機まで移送するロボットと、
前記インクジェットプリンタ、検査装置、洗浄機およびロボットの動作を制御する総括コントローラと、を備え、
当該総括コントローラは、更に、前記インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび前記検査装置から取得した検査結果を示すデータを用いて、機械学習を行うことにより作成された、前記プリントヘッドの洗浄が必要である場合と、そうでない場合とに分類する分類器を備え、
前記総括コントローラは、
前記インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび前記検査装置から取得した検査結果を示すデータを入力とした前記分類器の分類結果に基づいて、前記プリントヘッドの洗浄が必要であると判定した場合、
前記インクジェットプリンタに指示して運転を停止し、
前記ロボットに指示して前記プリントヘッドを印字位置から前記洗浄機まで移送し、
前記洗浄機に指示して前記プリントヘッドの洗浄を行うことを特徴とする。
ここで、前記プリントヘッドは、前記ガン、帯電電極および偏向電極が搭載されたヘッド本体と、空洞部に前記ガン、帯電電極および偏向電極が収容され、かつ前記帯電したインク滴が通過するスリットが形成された筒状のヘッドカバーと、で構成され、前記ロボットは、前記ヘッド本体だけを前記洗浄機に移送し、前記ヘッドカバーは、常時、印字位置に保持されることが好ましい。
また前記ヘッドカバーは、保持手段によって前記コンベア近傍の所望の位置に保持され、かつ当該保持手段を用いて三次元空間における位置を調整可能であることが好ましい。
また前記総括コントローラは、前記分類器を作成する分類器作成装置を備え、当該分類器作成装置は、前記インクジェットプリンタから動作状態を示す複数種類のデータおよび前記検査装置から検査結果を示す複数種類のデータを取得する学習データ取得部と、当該学習データを記憶するデータ記憶部と、当該データ記憶部に記憶された学習データを入力とし、ディープニューラルネットワークを用いて機械学習を行うことにより前記分類器を作成する学習部と、で構成されることが好ましい。
また前記インクジェットプリンタから取得するデータは、前記ガンに送り込まれるインクの圧力、前記ガンのノズルから噴射されるインクの粘度、前記ガンのノズルから噴射されたインク滴が帯電してから検知電極で検知されるまでの検知時間、および前記ガンに内蔵されたピエゾ振動子に印加される電圧であるピエゾ指令値であることが好ましい。
また前記検査装置から取得するデータは、前記被印刷物に印字された文字の適否、および適正と判定された前記印字文字の平均高さであることが好ましい。
本発明に係るプリントヘッド自動洗浄システム(以降「洗浄システム」と略す)によれば、IJPの運転中に得られるデータおよび、印字において不可欠である検査工程で得られるデータを利用して、プリントヘッド洗浄の必要性を自動判定するとともに、ロボットを用いて、洗浄機へのプリントヘッドへの装脱を行っているため、人手を全く要することなく、プリントヘッドの洗浄を実現できる。結果として、既存の装置とロボットを組み合わせるだけで、洗浄工程の無人化と自動化を実現している。
本発明の実施の形態に係る洗浄システムの全体構成を示す斜視図である。 同洗浄システムの処理の流れを示すフローチャートである。 プリントヘッドを、コンベア上の所望に位置に保持するXYZ軸ステージの平面図である。 プリントヘッドの構成を示す正面図である。 洗浄システムを構成するコンティニュアス方式IJPの概略構成を示す一部断面正面図である。 洗浄システムを構成する検査装置の制御系の構成を示すブロック図である。 検査装置における印字検査の手順を示すフローチャートである。 印字検査の対象となる印字例を示す図である。 総括コントローラに含まれる洗浄判定装置の構成を示すブロック図である。 総括コントローラに含まれる分類器作成装置の構成を示すブロック図である。 検査装置で検査される印字文字の例を示す図である。 プリントヘッドが洗浄機のヘッドホルダーに挿入される状態を示す斜視図である。 洗浄システムを構成する洗浄機の構成を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るプリントヘッド自動洗浄システムについて、図面を参照して説明する。
<プリントヘッド自動洗浄システムの構成と動作>
図1に、本実施の形態に係るプリントヘッド自動洗浄システム(以降「洗浄システム」と略す)1の全体構成を示す。また図2のフローチャートに、洗浄システム1の処理の流れを示す。
プリントヘッド自動洗浄システム1は、IJP2、検査装置3、洗浄機4、ロボット5および総括コントローラ6で構成されている。
図示しないが、IJP2、検査装置3、洗浄機4およびロボット5は、総括コントローラ6と通信ケーブルで接続されており、各装置の運転状態は、逐次総括コントローラ6に報告され、かつ各装置は総括コントローラ6からの指示に従って動作する。以下、図2のフローチャートに従い、各装置の概略の構成と動作を説明する。
コンティニュアス方式のIJP2は、コンベア8上を搬送される被印刷物PTの上面に商品の製造年月日や製品番号等の印字を行うために用いられる。IJP2は、印字を行うプリントヘッド20と、プリントヘッド20の動作を制御するプリンタ本体21で構成され、図では省略しているが、その間はパイプ29で接続されている。プリンタ本体21にはインクタンクが内蔵され、インクタンクに収容されたインクは、パイプ29を通ってプリントヘッド20に供給される。
プリントヘッド20は、XYZ軸ステージ7によってコンベア8上の所定の位置に保持されており、コンベア8によって搬送される被印刷物PTがプリントヘッド20の下を通過したときに、被印刷物PTの上面に印字を行う(ステップS1)。
プリントヘッド20の下流側のコンベア8上には検査装置3のカメラ31が設置されており、プリントヘッド20によって印字された文字はカメラ31で撮影され、後述するコントローラ34(図7参照)で印字の適否が判定される(ステップS2)。なお、検査装置3のコントローラ34は、洗浄システム1の総括コントローラ6と共に、テーブル12の下方に設置された制御ユニット11内に収容されている。
洗浄システム1の総括コントローラ6は、印字の都度、IJP2から得たプリンタの動作状態を示すデータ、および検査装置3から得た検査結果を示すデータに基づいて、プリントヘッド20の汚れ具合を推定し、その結果に基づいて洗浄の必要性を判定する(ステップS3)。
総括 コントローラ6は、プリントヘッド20の汚れ状態から洗浄が必要と判定した場合(ステップS4でYes)、IJP2による印字を停止すると共に(ステップS5)、ロボット5に指示し、プリントヘッド20のヘッド本体202を洗浄機4まで移送し、ヘッド本体202を洗浄機4に装着して、ヘッド本体202の洗浄を行う(ステップS7)。
洗浄後、所定の時間、自然乾燥した(ステップS8)プリントヘッド20は、ロボット5によって印字時の位置に戻され(ステップS9)、継続して印字を行う場合(ステップS10でYes)は、印字を再開する(ステップS1)。
前述したように、従来の洗浄方法では、作業者が目視によってプリントヘッド20の汚れ具合を確認し、汚れがひどいと判断した時に洗浄を行っていたため、洗浄工程を自動化させることは難しかった。
これに対し、本発明に係る洗浄システム1では、IJP2から得たIJP2の動作状態を示すデータ、および検査装置3から得た検査結果を示すデータに基づいて洗浄の必要性を判定しており、作業者による汚れの状態の確認が不要であるため、洗浄工程の自動化および無人化を容易に実現できる。
次に、本実施の形態に係る洗浄システム1を構築する各装置の構成と動作について、図面を参照して詳述する。最初に、IJP2の構成と動作を説明する。
<IJPの構成と動作>
IJP2の構成について説明する前に、プリントヘッド20をコンベア8上の所定の位置に下向きの状態で保持するXYZ軸ステージ7について説明する。図3はXYZ軸ステージ7を上方から見た図である。
本実施の形態では、コンベア8上を搬送される被印刷物PTの上面に印字を行うため、プリントヘッド20を、コンベア上の所望の位置に、下を向けた状態で保持する必要がある。そのための手段として、XYZ軸ステージ7を用いている。
XYZ軸ステージ7は、端部に取り付けられた部材を、三次元空間の所望の位置に、所望の方向を向けて保持するために用いられる手段であり、X軸方向の位置を調整するX軸ステージ71、Y軸方向の位置を調整するY軸ステージ72およびZ軸方向の位置を調整するZ軸ステージ73で構成されている。
ステージ71~73の配置は必要に応じて変更され、図3に示すXYZ軸ステージ7では、コンベア8に近接して設置されたベース70上に、X軸ステージ71、Z軸ステージ73、Y軸ステージ72がこの順に重なるように配置され、それぞれのステージには、手動で位置を調整するためのハンドル74、76および75が設けられている。
図4に、Y軸ステージ72の端部に取り付けられたプリントヘッド20を示す。Y軸ステージ72の先端部分には、プリントヘッド20の円筒状のヘッドカバー201を支持する部材77が取り付けられ、金属製のバンド78を用いて、ヘッドカバー201が支持部材77に固定されている。
図4に示すように、プリントヘッド20は、円筒状のヘッドカバー201と、その内部に配置されたヘッド本体202に分離することができ、ヘッド本体202の基板203には、ガン、帯電電極、偏向電極等のプリントヘッドを構成する主要部材が密接した状態で配置されている。
ヘッド本体202の上部はナット204を用いてチューブ205と連結されており、後述するように、チューブ205には、プリンタ本体21からインクを移送する配管、エアーを供給する配管、並びに電力および信号を伝達するケーブルが挿入されている。
図4に示すように、ヘッド本体202はヘッドカバー201から分離することができる。IJP2の運転状態においては、ヘッド本体202はヘッドカバー201の円筒内に収容されているが、プリンタヘッド20を洗浄するときには、白抜きの矢印で示すように、ロボット5によってヘッドカバー201の上方に取り出され、洗浄機4まで移送される。
本発明では、プリントヘッド20の自動洗浄を実現する一手段として、上述した構成を有効に活用している。すなわち、プリントヘッド20の構成部材のうち、洗浄が必要な部材は全てヘッド本体202に搭載されているため、印字を行う際には、ヘッド本体202だけを洗浄機4に移送すればよい。
従って、ヘッドカバー201については、常にXYZ軸ステージ7によってコンベア上の所望の位置に保持しておき、洗浄が終了したヘッド本体202をヘッドカバー201に挿入して一体化すれば、印字の都度、XYZ軸ステージ7を用いてプリントヘッド20の位置を調節する必要はない。
次に、図5を参照して、IJP2による被印刷物PTへの印字について説明する。図5は、プリントヘッド20を含む、コンティニュアス方式IJP2の概略構成を示す一部断面正面図である。
図5に示すように、IJP2は、プリントヘッド20、コントローラ21,インクタンク22およびポンプ23a、23bで構成されている。これらのうちプリントプリントヘッド20は、ガン24、帯電電極25、検知電極26、偏向電極27a、27b、ガター28およびパイプ29a、29bで構成され、これらの部材がヘッド本体202に搭載され、周囲を円筒状のヘッドカバー201で覆われている。
プリントヘッド20を構成するガン24等の部材は、前述の図4に示したように、実際には、ヘッド本体202の基板203上に密接した状態で配置されているが、図5では、各部材の機能を分かりやすく説明するため、概略の配置を示している。同様に、図1ではプリントヘッド20を下向きに配置しているが、図5では、横向きに配置されている。
ガン24は、インク滴IDを被印刷物(例えば商品が梱包された箱)PTの上面に向けて噴射するものであり、ガン本体241、超音波振動子242およびノズル243で構成されている。ポンプ23aによってインクタンク22から送出され、パイプ29aを通してガン本体241に供給されたインクは、ピエゾ振動子242によって振動が付加された状態でノズル243の孔から噴射される。
ノズル243の孔から噴出したインク柱IPは、ピエゾ振動子242により付加された振動によって個々のインク滴IDに分離し、更に帯電電極25で帯電された後、偏向電極27a、27bにより、印字に必要なインク滴IDのみが帯電電荷量に応じて偏向され、ヘッドカバー201の前部に形成されたスリット206を通過し、被印刷物PTの印刷面に着弾する。
被印刷物PTは、箱の中に食品などが詰め込まれた後、フィルム上に製造番号や使用期限等が印字されて最終商品の形態となる。被印刷物PTが、インク滴IDの飛行方向に対して直交する方向に移動している場合、インク滴IDの偏向量を変えることによって、被印刷物PTの印字面に着弾するインク滴IDの位置が変わり、被印刷物PTの移動に同期してインク滴IDの偏向を繰り返すと、文字や記号が印字される。
一方、帯電されていないインク滴ID、および帯電されていても印字に使用されないインク滴IDは、偏向されず、そのままインク回収用のガター28に飛び込み、インクタンク22に回収される。ガター28によって回収されたインクは、ポンプ23bによりパイプ29bを通してインクタンク22に移送され、再利用される。
IJP2の動作は、コントローラ21によって制御される。コントローラは、CPU、メモリ(ROM、RAM等)、タイマーおよびディスプレイで構成され、ガン24のピエゾ振動子242、帯電電極25のパルス電源251、検知電極26、偏向電極27の直流電源271、並びにポンプ23aおよび23bの動作を制御する。なお、図では煩雑さを避けるため、ポンプ23aおよび23bのみ、制御用の配線を記載している。
具体的な動作を説明すると、コントローラ21は、ポンプ23aを駆動することにより、インクタンク22に収容されたインクに圧力をかけてガン本体241に供給する。またコントローラ21は、検知電極26で検知した信号に基づいて、パルス電源251から帯電電極25に印加されるパルス電圧のタイミングを制御し、これによって帯電されるインク滴IDの数やタイミングを調節する。更にコントローラ21は、直流電源271の電圧を制御することによって、偏向電極27a27bで偏向されるインク滴IDの偏向量を調節する。
前述したように、コンティニュアス方式のIJPでは、ノズル243から噴出したインクの一部がインクミストとして周辺雰囲気に漂い、構成部材の表面に付着してインク滴の飛翔に悪影響を及ぼす。このため、プリントヘッド20の主要部材をヘッドカバー201内に収容すると共に、カバー内を陽圧に保つことで、インクミストの外部への排出を促進し、また外部からの埃がカバー内に入り込むことを防止している。
ヘッド本体202の底板207にはチューブ208が取り付けられ、プリントヘッド20内の空洞部209を陽圧にするため、外部コンプレッサからチューブ208を通してエアーが供給される。ヘッドカバー201は、インク滴IDが噴射されるスリット206を除いて密閉されており、チューブ208を通して供給されたエアーAR(白抜きの矢印で示す)の大半はヘッドカバー201内に留まって空気圧を高めている。
<検査装置の構成と動作>
次に、図6および図7を参照して、検査装置3の構成と動作を説明する。図6は、検査装置3の制御系の構成を示すブロック図、図7は、印字検査の手順を示すフローチャートである。
前述の図1に示したように、プリントヘッド20に対しコンベア8の下流側の上方には、被印刷物PTの印字面に印字された文字等を撮影するカメラ31が設置され、またカメラ31の周辺には印字面を照らす照明32が配置され、カメラ31と照明器具32は金具によって一体化されている。前述したように、検査装置3の動作を制御するコントローラ34は、制御ユニット11内に、洗浄システム1の総括コントローラ6と共に収容されている。
図示しないが、コンベア8の縁に光電センサ33が設置されており、被印刷物PTが光電センサ33から出力されている光を遮断したときから一定時間経過後にカメラ31が作動し、被印刷物PTの上面に印字された文字等を撮影する。
コントローラ34は、制御部341、インターフェース342、入力・表示部343、記憶部344、印字検査処理部345およびハードディスクドライブ(以降、「HDD」という)346で構成されている。
コントローラ34は、ハード的には、一般的なパーソナルコンピュータと同様に、CPUおよびRAMを備えており、制御部341、インターフェース342および印字検査処理部345の各機能は、HDD346に格納されたプログラムを読み出してマイクロプロセッサで実行することにより実現される。
制御部341は、破線で示したように、カメラ31およびコントローラ34の各部の動作を制御する。カメラ31で撮影された画像は、インターフェース342を介してコントローラ34に取り込まれる。
入力・表示部343はタッチパネルディスプレイで構成され、作業者が印字検査に必要なデータを入力するために用いられ、更に、カメラ31で撮影された画像を表示したり、印字検査の結果を表示するために用いられる。
記憶部344はRAMで構成され、カメラ31で撮影した画像データを一時的に記憶した後、必要に応じてHDD346に転送する。逆に、HDD346から読み出された画像データや検査を実行するために必要なデータを一時的に記憶し、印字検査処理部345等に転送する。
印字検査処理部345は、ブロック内に列記したように、印字検査および設定作業に必要な処理、具体的には、パラメータの設定、二値化、文字切り出し、類似度算出および印字の適否判定の各処理を行う。
次に、図7のフローチャートおよび図8の印字例を参照して、印字検査の手順を説明する。最初に、カメラ31を用いて、コンベア8上を搬送される被印刷物PTの上面に印字された文字画像を撮影する(ステップS11)。前述したように、撮影のタイミングは、被印刷物PTが光電センサ33の光を遮断した後、所定時間経過後にカメラ31のシャッタが切れるため、印字画像は常に画面の同じ位置に表示される。
カメラ31で撮影された画像データは、インターフェース342および記憶部344を介して印字検査処理部345に転送され、ここで二値化処理が施される(ステップS12)。二値化処理は、カメラ31で撮影した諧調のある画像を、CPUでの処理が可能な白黒の画像に変換するための処理であり、画像の明るさ等に応じて閾値が設定される。図8(a)に、二値化された印字文字の一例を示す。
続いて、二値化された印字文字に対して文字の切り出しを行う(ステップS13)。撮影画像から文字の切り出しは、ドットの連結処理とノイズカット処理により検査対象となる印字文字を切り出す処理である。連結処理とノイズカット処理の詳細については、特許文献2を参照されたい。
図8(b)に、連結処理およびノイズカット処理が終了した印字文字を示す。図に示すように、検査対象となる印字文字は全て矩形の枠Fで囲まれており、撮影画像から印字検査の対象となる全ての文字が切り出されている。
次に、このようにして切り出された各文字について、HDD346から読み出した対応する文字のテンプレート画像と照合して、類似度、すなわちどの程度似ているかを算出する(ステップS14)。
続いて、算出された類似度を、HDD346から読み出した基準類似度(例えば80%)と比較し、それ以上の類似度の文字については適正、それ未満の文字については不適と判定する(ステップS15)。
通常の検査工程では、印字の適否判定を、図8(b)に表示された全ての文字に対して行い(ステップS16でYes)、判定結果を入力・表示部343の画面に表示する。一方、本実施の形態では、検査装置3の判定結果をプリントヘッド20の洗浄を行うか否かの判断材料の一つとして用いるため、1文字の検査が終了する毎に、判定結果を後述する洗浄判定装置61に送信する。
<洗浄判定装置の構成と動作>
図9に、洗浄システム1の総括コントローラ6に搭載された洗浄判定装置61の構成を示し、また図10に、当該洗浄判定装置61に組み込まれる分類器を作成する分類器作成装置62の構成を示す。
図10に示す分類器作成装置62は、IJP21から得たプリンタ2の動作状態を示すデータおよび検査装置3から得た検査結果を示すデータに基づき、プリントヘッド20の汚れ具合のパターンを機械学習によって学習させて、洗浄が必要な場合と、そうでない場合に分類する分類器を作成するものである。
分類器作成装置62で作成された分類器のプログラムは、総括コントローラ6の洗浄判定装置61に組み込まれる。そして運転中のIJP2から得たプリンタの動作状態を示す4種類のデータ、および検査装置3から得た検査結果を示す2種類のデータが分類器に入力される。
洗浄判定装置61は、分類器の分類結果に基づいて、プリントヘッド20の洗浄が必要であると判定したとき、IJP2のコントローラ21に運転の停止を指示し、またロボットコントローラ54に、プリントヘッド20を洗浄機4まで移送するよう指示する。
図10を参照して、分類器作成装置62の構成と動作を説明する。分類器作成装置62は、機械学習によって分類器を作成するもので、学習用データ取得部621、データ記憶部622、学習部623および分類器624で構成されている。分類器作成装置62および洗浄判定装置61はパーソナルコンピュータで実現され、ハードディスク装置には、上述の各部の機能を実現するプログラムが格納されている。
学習用データ取得部621は、IJP2および検査装置3から取得したデータから、分類器の作成に必要な学習用データを取得する。本実施の形態では、学習用データとして7種類のデータを用いており、そのうち4種類のデータはIJP2から取得し、2種類のデータは検査装置3から取得している。残る1種類のデータは教師データであり、洗浄が必要・不要のデータがデータ記憶部622に直接入力される。
学習用データのうちIJP2から取得する4種類のデータについて説明する。1番目のデータとして、IJP2に内蔵された圧力センサ211を用いてガン24に送り込まれるインクの圧力を測定し、その値を取得する。
2番目のデータとして、IJP2に内蔵された粘度センサ212を用いてノズル243から噴射されるインクの粘度を測定し、その値を取得する。具体的には、インクタンク22とは別にザーンカップタンク(図示せず)を設置し、当該ザーンカップタンクの下部に設けられた細管からインクタンク22にインクが落下する際、ザーンカップタンク内のインク液面が一定高さ分低下する時間を、タンク内部に設置された粘度センサ212で測定し、その時間で粘度を表している。
3番目のデータとして、ノズル243から噴出したインク滴が帯電してから検知電極26で検知するまの時間で、タイマー213によって取得し、「検知時間」とする。
4番目のデータとして、ピエゾ振動子242に印加される電圧を12ビットで数値化した値を「ピエゾ指令値」214として取得する。ピエゾ指令値は、インク柱からインク滴が分離する位置を制御するためのパラメータであり、上述の検知時間を目標とする検知時間に一致させるために用いられる。
上述した4つの学習用データについては、インク圧力が基準インク圧力±0.05MPa以内、粘度が基準粘度±2.0s以内、検知時間が基準検知時間±20μs以内、ピエゾ指令値が基準ピエゾ指令値±500以内であれば、配管、フィルター、ポンプ、ノズルおよびインクの状態が正常であることを示している。なお、上述の「基準」の定義については、後述する「アノテーション基準」において説明する。
次に、学習用データとして、検査装置から取得する2種類のデータについて、図11を用いて説明する。本実施の形態では、検査装置3で作成した2つのデータを学習用データとして取得する。
1番目のデータは、印字の適否に関するデータであり、取得方法については先に説明したので、説明を省略する。図11に、具体的な印字例を示す。図11(a)の印字例は、縦長の四角形を印字したもので、印字適の例、図11(b)(c)は、印字否の例を示す。図11(b)では下段列の印字ドットが上方にシフトし、図11(c)では、下段列の印字ドットが上方にずれた位置に形成されている。
図11(b)(c)の印字例が発生する原因は、ガター28の表面、特に上面にインク滴が接触してインクが固着し、その固形分に飛翔中のインク滴が接触して軌跡が変わったためと考えられる。
学習用データ取得部621には、印字が適と判定された場合“0”、印字が否と判定された場合“1”の各データが学習用データとして入力される。
検査装置3から取得する2番目のデータは、印字の平均文字高さである。プリントヘッドの汚れに起因した印字不良が発生する前触れとして、印字された文字の高さが高くなったり低くなったりする現象が発生する。
前述したように、文字高さが高くなる原因としていくつか考えられるが、その一つとして、高偏向電極27aにインクまたは何らかの導電性物質が付着し、電極-インク滴間の間隔が狭くなることによって、インク滴の偏向量が増すことが挙げられる。
一方、文字高さが低くなる原因としてもいくつか考えられるが、その一つとして、高偏向電極27aもしくはガター28の表面にインクが付着し、インク滴がこれに接触することで飛翔が妨げられることが挙げられる。
上述した発生原因に基づき、本実施の形態では、適正と判定された印字文字から高さのデータを抽出し、平均文字高さが基準文字高さ±20%以上であれば、プリントヘッド20の洗浄を必要とすると判定する。
前述したように、検査装置3から得られるデータについては、印字の検査結果が適正、かつ平均文字高さが基準文字高さ±20%未満であれば、IJP2から得られる4つのデータが設定範囲を超えていても、プリントヘッド20の洗浄は不要と判定する。
データ記憶部622は、学習用データ取得部621で取得した大量のデータ(10万程度)を記憶する。学習部623は、データ記憶部622に記憶された学習用データを読み出して機械学習を行う。本実施の形態では、機械学習の方法として、ディープニューラルネットワークを用いて分類器を構築すると共に、活性化関数として、中間層ではReLU関数、出力層ではシグモイド関数を用いた。また損失関数には2乗和誤差を用いて誤差逆伝搬法による学習を行った。
学習部623におけるアノテーション基準について説明する。印字の検査結果が適正であり、平均文字高さが基準文字高さ±20%未満であれば、洗浄不要“0”に分類する。
一方、
(1)印字の検査結果が否の場合、
(2)印字の検査結果が適正、平均文字高さが基準文字高さよりも20%以上高く、 更にインク圧力が基準インク圧力±0.05MPa以内、粘度が基準インク粘 度±2.0s以内、検知時間が基準検知時間±20μs以内、ピエゾ指令値が 基準ピエゾ指令値±500以内の場合、
(3)印字の検査結果が適正、平均文字高さが基準文字高さよりも20%以上低く、 更にインク圧力が基準インク圧力±0.05MPa以内、粘度が基準粘度±2 .0s以内、検知時間が基準検知時間±20μs以内、ピエゾ指令値が基準ピ エゾ指令値±500以内の場合、
洗浄必要“1”に分類する。それ以外の場合は中間の値を付与する。
ここで、基準文字高さは、データ記憶部622に記憶された10万を超える画像データから得られた平均文字高さのことである。同様に、基準インク圧力、基準インク粘度、基準ピエゾ指令値についても、データ記憶部622に記憶されたそれぞれのデータの平均値を意味する。
上述のアノテーション基準に基づいて学習を行った結果は、学習済みモデルとして分類器624を構成する。このようにして作成された分類器624のプログラムは、洗浄システム1の総括コントローラ6に内蔵された洗浄判定装置61に組み込まれる。
図9に示すように、洗浄判定装置61は、データ取得部611、分類器624および判定部612で構成されている。データ取得部611は、IJP2の圧力センサ211、粘度センサ212、タイマー213およびピエゾ指令値214から4つのデータを取得し、並びに検査装置3から検査結果および平均文字高さの2つのデータを取得する。得られた6種類のデータは分類器624に入力される。
分類器624は、上述した6種類のデータに基づいて、プリントヘッド20がクラス1(洗浄が必要)またはクラス0(洗浄は不要)のいずれに近いかを推定し、0~1の中間値で出力する。
判定部612は、分類器624の出力結果に基づき、洗浄が必要か否かの判定を行う。判定部612には、予め閾値が設定されており、例えば分類器624の出力が0.5以上であった場合、プリントヘッド20の洗浄が必要と判定し、IJPのコントローラ21に一次停止を指示し、またロボットコントローラ54にプリントヘッド20の移送を指示する。一方、分類器624の出力が0.5未満であった場合、IJPのコントローラ21およびロボットコントローラ54には何も指示しない。この場合、IJP2による印字、並びに検査装置3による検査が継続して行われる。
<ロボットの構成と動作>
次に、ロボット5によるプリントヘッド20の印字位置から洗浄機への移送について説明する。
前述の図1に示したように、ロボット5は、互いに関節接合された複数のアーム51とハンド52で構成され、ハンド52の先端には、断面がコ字状の取付金具53を介してプリントヘッド20が取り付けられている。ロボット5のそれぞれの関節内に収容されたサーボモータ(図示せず)を回転させることによって、ハンド52に取り付けられたプリントヘッド20を任意の軌跡に沿って任意の速度で移動させることができる。
取付金具53に取り付けられたプリントヘッドのヘッド本体202の動きは、コントローラ54を用いて制御される。コントローラ54は、ハンド52が所望の軌跡を辿って、ヘッドカバー201に挿入された位置から洗浄機3のヘッドホルダー43に挿入される位置までの移動軌跡と移動速度のデータを生成して、記憶部に記憶する。プリントヘッド20の移送を指示された場合、コントローラ54は、記憶部からデータを読み出して移動軌跡と移動速度を再現する。
前述したように、プリントヘッド20は、主要部材が基板203に密接して取り付けられたヘッド本体202と、ヘッド本体202を覆うように配置された円筒状のヘッドカバー201で構成されており、ヘッド本体202をヘッドカバー201から分離することができる。
これらのうちヘッドカバー201は、ブラケット77を介してXYZ軸ステージ7に、下を向いた状態で取り付けられ、コンベア8上の所望の位置に保持されている。
これに対し、ヘッド本体202は、ロボット5によって三次元空間を自由に移動させることができる。図1に示したように、プリンタ2の運転時には、ヘッド本体202はヘッドカバー201に挿入された状態で保持され、被印刷物PTへの印字に供される。
一方、洗浄判定装置61から洗浄機4への移送が指示された場合、ロボット5は、図4に白抜きの矢印で示したように、ヘッド本体202を上昇させてヘッドカバー201から外し、洗浄機4まで移送すると共にヘッドホルダー43に挿入する。
このように、プリントヘッド20のヘッド本体202とヘッドカバー201を分離可能とし、かつヘッドホルダー201を印字位置に保持し、プリントヘッド20の洗浄時には、ロボット5を用いてヘッド本体202だけを洗浄機4まで移送することで、人手を要することなくプリントヘッド20の洗浄が可能となる。
なお、本実施の形態では、コンベア8で搬送される被印刷物PTの上面に印字を行う場合について説明したが、被印刷物PTの側面や底面に印刷する場合にも、上述した手順に従ってヘッド本体202を洗浄することができる。ただし、その場合、ヘッドカバー201を水平状態で保持する必要があり、ロボット5は、ヘッド本体202を水平方向に移送してヘッドカバー201から外した後、ヘッド本体202の姿勢を水平状態から垂直状態に変えながら洗浄機4まで移送する必要がある。
<洗浄機の構成と動作>
次に、洗浄機4によるヘッド本体202の洗浄について説明する。ロボット5よって洗浄機4まで移送されたプリントヘッドのヘッド本体202は、図12に示すように、洗浄機4の上部に設けられた円筒状のヘッドホルダー43に挿入され、汚れた箇所に溶剤を吹きつけることによって洗浄される。
前述したように、プリントヘッド20に内蔵された帯電電極やガターは、運転により発生するインクミストやインク滴の衝突によって汚れ、それらの表面にインクの固形分が付着する。これを放置するとインク滴の飛翔に影響が出るため、汚れがひどくなる前に洗浄してインクの固形分等を取り除く必要がある。
図13は、洗浄機4の蓋41を開けた状態を示したもので、直方体状の筐体40には、洗浄機4の主要部材である洗浄室42、ヘッドホルダー43、制御ボックス44、ポンプユニット45、循環溶剤タンク46および仕上げ溶剤タンク47が配置されている。なお、各部材の間はパイプによって接続され、パイプには逆止弁やフィルター等が取り付けられているが、ここでは説明を省略する。
洗浄室42は、ヘッド本体202の洗浄を行う部屋で、上部にはヘッド本体202を挿入する円筒状のヘッドホルダー43が取り付けられている。図示しないが、洗浄室42の内部には、溶剤をヘッド本体202の電極等に吹き付ける複数本のノズルが設置されている。
制御ボックス44には、洗浄機4の動作を制御するコントローラ(図示せず)が収容されており、コントローラは、位置センサでヘッドホルダー43にヘッド本体202が挿入されたことを検知すると、ポンプユニット45を駆動してヘッド本体202の洗浄を開始し、タイマーで設定した時間が経過すると洗浄を終了する。
ポンプユニット45によって循環溶剤タンク46から送り出された溶剤は、洗浄室42内のノズルから放出されて電極などの表面に固着した固形分を洗い流す。固形分が溶けて汚れた溶剤は、洗浄室42下部に取り付けられたパイプを通って循環溶剤タンク46に回収される。
コントローラは、循環溶剤タンク46内の溶剤を用いた洗浄が終了した後、仕上げ溶剤タンク47内の汚れのない溶剤をノズルから噴射して、所定の時間、仕上げ用の洗浄を行う。仕上げ用の洗浄に用いられた溶剤は、切換え弁を動作させることにより循環溶剤タンク46に回収され、仕上げ溶剤タンク47には、常に未使用の溶剤が貯められるようにしている。
洗浄が終了し、溶剤の吹き付けによって固着したインク等が取り除かれたヘッド本体202は、その後、タイマーで設定した所定の時間、自然乾燥により溶剤が蒸発するのを待つ。乾燥が終了した時点で、洗浄機4のコントローラ(図示せず)から総括コントローラ6に洗浄が完了した旨の信号が送信される。
洗浄機4のコントローラからヘッド本体202の洗浄が完了した旨の信号を受信した総括コントローラ6は、ロボット5に指示してヘッド本体202を初期の位置、すなわち印字を行う位置まで移送し、次の印字に備える。総括コントローラ6は、印字の準備が完了した旨をIJPのコントローラ21に通知する。IJPのコントローラ21は、印字データが残っているか否か確認し、データが残っている場合は印字を再開する。
以上説明したように、本実施の形態に係る洗浄システムでは、インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび検査装置から取得した検査結果を示すデータを用いて、機械学習を行うことによって分類器を作成し、当該分類器を用いてプリントヘッドの洗浄が必要か否かを判定している。従って、プリントヘッドの汚れ具合を、作業者の目視によって確認する必要がないため、洗浄工程の自動化や無人化を簡単に実現できる。
なお、上述した実施の形態では、洗浄判定装置に入力するデータとして、IJPから取得した4種類のデータおよび検査装置から取得した2種類のデータを用いたが、これらに限定されない。学習を通じ、洗浄の必要性を判定するデータとしてより適切なデータがあれば、それを追加し、もしくは置き換えてもよいことは云うまでもない。
また本実施の形態では、ヘッドカバーとして円筒状のカバーを用いた場合について説明が、これに限定されない。ヘッド本体に配置する部材の形状や密度によっては、断面が四角形や六角形のカバーを用いてもよい。
PT 被印刷物
1 洗浄システム
2 IJP
3 検査装置
4 洗浄機
5 ロボット
6 総括コントローラ
7 XYZ軸ステージ
8 コンベア
11 制御ボックス
12 テーブル
20 プリントヘッド
21、34、54 コントローラ
22 インクタンク
23a、23b ポンプ
24 ガン
25 帯電電極
26 検知電極
27 偏向電極
28 ガター
31 カメラ
32 証明
33 光電センサ
40 筐体
42 洗浄室
43 ヘッドホルダー
44 制御ボックス
45 ポンプユニット
46,47 溶剤タンク
51 アーム
52 ハンド
53 取付金具
61 洗浄判定装置
62 分類器作成装置
71 X軸ステージ
72 Y軸ステージ
73 Z軸ステージ
77 支持部材

Claims (6)

  1. 噴出するインクに一定周期の振動を付与して連続したインク滴を生成するガンと、前記インク滴の周期に同期した階段波状の電圧を印加して当該インク滴を帯電させる帯電電極と、前記帯電したインク滴を、帯電の程度に応じて偏向させ、インク滴を被印刷物の印字面に着弾させる偏向電極と、で構成されたプリントヘッドを備え、当該プリントヘッドから噴射されたインク滴を、コンベアで搬送される被印刷物に着弾させ、複数列の印字ドットによって文字を形成するインクジェットプリンタと、
    前記被印刷物に印字された文字をカメラで撮影し、印字された文字が適切であるか否かを判定する検査装置と、
    インクによって汚れた前記プリントヘッドを、溶剤を用いて洗浄する洗浄機と、
    前記プリントヘッドを印字位置から前記洗浄機まで移送するロボットと、
    前記インクジェットプリンタ、検査装置、洗浄機およびロボットの動作を制御する総括コントローラと、を備え、
    当該総括コントローラは、更に、前記インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび前記検査装置から取得した検査結果を示すデータを用いて、機械学習を行うことにより作成された、前記プリントヘッドの洗浄が必要である場合と、そうでない場合とに分類する分類器を備え、
    前記総括コントローラは、
    前記インクジェットプリンタから取得した動作状態を示すデータおよび前記検査装置から取得した検査結果を示すデータを入力とした前記分類器の分類結果に基づいて、前記プリントヘッドの洗浄が必要であると判定した場合、
    前記インクジェットプリンタに指示して運転を停止し、
    前記ロボットに指示して前記プリントヘッドを印字位置から前記洗浄機まで移送し、
    前記洗浄機に指示して前記プリントヘッドの洗浄を行うことを特徴とするプリントヘッド自動洗浄システム。
  2. 前記プリントヘッドは、前記ガン、帯電電極および偏向電極が搭載されたヘッド本体と、空洞部に前記ガン、帯電電極および偏向電極が収容され、かつ前記帯電したインク滴が通過するスリットが形成された筒状のヘッドカバーと、で構成され、
    前記ロボットは、前記ヘッド本体だけを前記洗浄機に移送し、前記ヘッドカバーは、常時、印字位置に保持される、請求項1に記載のプリントヘッド自動洗浄システム。
  3. 前記ヘッドカバーは、保持手段によって前記コンベア近傍の所望の位置に保持され、かつ当該保持手段を用いて三次元空間における位置を調整可能である、請求項2に記載のプリントヘッド自動洗浄システム。
  4. 前記総括コントローラは、前記分類器を作成する分類器作成装置を備え、当該分類器作成装置は、
    前記インクジェットプリンタから動作状態を示す複数種類のデータおよび前記検査装置から検査結果を示す複数種類のデータを取得する学習データ取得部と、
    当該学習データを記憶するデータ記憶部と、
    当該データ記憶部に記憶された学習データを入力とし、ディープニューラルネットワークを用いて機械学習を行うことにより前記分類器を作成する学習部と、で構成される、請求項1乃至3のいずれかに記載のプリントヘッド自動洗浄システム。
  5. 前記インクジェットプリンタから取得するデータは、
    前記ガンに送り込まれるインクの圧力、
    前記ガンのノズルから噴射されるインクの粘度、
    前記ガンのノズルから噴射されたインク滴が帯電してから検知電極で検知されるまでの検知時間、および
    前記ガンに内蔵されたピエゾ振動子に印加される電圧であるピエゾ指令値である、請求項1乃至4のいずれかに記載のプリントヘッド自動洗浄システム。
  6. 前記検査装置から取得するデータは、
    前記被印刷物に印字された文字の適否、および
    適正と判定された前記印字文字の平均高さである、請求項1乃至4のいずれかに記載のプリントヘッド自動洗浄システム。
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