JP2023066875A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 Download PDF

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翔貴 山口
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和明 塚本
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Abstract

【課題】本発明は、この光センサの検知信号を利用して偏向電極内のインク汚れ状態の判定を行うようにしたインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、インクを粒子化して噴出するノズルと、インク粒子を帯電する帯電電極と、帯電されたインク粒子を偏光する偏向電極と、を備えた印字ヘッドにより被印字物に印字を行う。偏向電極内のインク汚れの程度を電気信号として検知する光センサを設けるとともに、この検知信号を入力し、洗浄の要否を判断するための基準値と比較して洗浄要否を判断する制御部を設ける。制御部は、洗浄が必要であると判断した場合に、その情報を表示部に表示するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法に関する。
インクジェット記録装置は長時間使用する場合がある。インクジェット記録装置による印字を長時間正常に行うには、異常な印字結果が現れる前に印字ヘッドのインク汚れ具合を知り、汚れが進んでいる場合には印字ヘッドを早めに洗浄することが重要である。インク汚れを事前に判断できない場合には、印字品質に影響が起きてしまった後に、印字ヘッド内部が汚れていないか、印字ヘッドを開けて目視で確認する必要がある。
この印字ヘッド内部の汚れ具合を自動的に検知する技術として、US2017/0182767A1公報(特許文献1)に記載された技術がある。この技術は、インクを回収するガターの外周部にインク蓄積が生じるので、ガター外周部の上面の光路における受光量を検出してガター外周部のインク蓄積量を検出するものである。
US2017/0182767A1公報
インクジェット記録装置による印字は、本体内に貯蔵されたインクをポンプにより印字ヘッドに供給し、印字ヘッド内でインクを粒子化し、この粒子化されたインク(インク粒子)に対し印字文字に対応した電荷を付与し、帯電されたインク粒子を帯電量に応じて偏向させて被印字物に付着させることにより行われる。具体的には、印字ヘッド内のノズルに供給されたインク柱がノズル先端のオリフィスのインク噴出孔から噴出し、ノズルに振動を与えてインクを粒子化させる。そして、このインク粒子に帯電電極内で印字文字に対応した帯電信号を与え電荷を蓄積する。インク粒子は、偏向電極内をガターに向かって飛行し、偏向電極で形成される電界内を飛行中に偏向され、偏向されたインク粒子がインク粒子の偏向方向と垂直方向に移動する被印字物に到達し、インク粒子の付着によって文字となる。
偏向は偏向電極と呼ばれる電極に電圧を印加した際に、インク粒子の飛行方向が変わることを指す。プラス(+)とマイナス(-)の一対の電極で構成される偏向電極には、直流の高電圧が印加されている。インク粒子が偏向電極内を通過する際、インク粒子はマイナスの電荷を持っているため、偏向電極のプラス側に引っ張られ、文字の縦方向位置によって決まる角度で曲がっていく。
このようなインクジェット記録装置による印字において、インクの劣化やノズルを励振する励振電圧が最適でないなどによりインク粒子の状態が悪い場合や、被印字物に衝突した印字粒子の飛沫が印字ヘッドにかかる状態において、長時間、印字を行っていくと、オリフィス、帯電電極、プラス偏向電極、マイナス偏向電極、ガター、またはヘッド先端面にインクが徐々に付着し、蓄積する。このインク汚れの程度が大きくなると、印字品質を悪化させる一因となる。
上述した特許文献1では、ガター(ガター管)を挟む両側に発光端(発光部)と受光端(受光部)を設け、受光端における受光量の変化を利用してガターの外周部のインク蓄積量を検出し、インク蓄積量が一定値を超える場合に、印字を中止しヘッド洗浄を行なうことを指示するようにした技術を開示している。この技術によれば、ガター外周部におけるインク蓄積が所定量を超える場合に印字作業を中止して洗浄を行なうことが可能になるので、ガター外周部のインク蓄積による印字品質の低下を防ぐことが可能になる。
しかしながら、印字に使用するインクは、偏向電極内で帯電量に対応して大きく偏向するので、偏向電極内においてもインク汚れないしはインク蓄積が発生し、その結果印字品質を低下させる。特許文献1の場合は、偏向電極内のインク汚れによる印字品質の低下を防ぐことに関する検討はなされていない。
そこで、本発明は、印字ヘッドの偏向電極内のインク汚れの程度を検知し、この検知信号を利用して洗浄の要否の判断を行うようにしたインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、その一例を挙げると、加圧して供給されるインクを粒子化して噴出させるノズルと、粒子化された該インクが通過中に印字文字に対応した電荷を帯電させる帯電電極と、帯電された該インクを帯電量に対応して偏向させ被印字物に向けて飛翔させる偏向電極と、前記帯電電極で帯電されなかった該インクを捕捉するガターとを備えた印字ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、偏向電極内に光を供給する光源と該偏向電極内の光を検知する受光部とからなる光センサと、前記受光部の検知信号を入力し、該検知信号とヘッド洗浄要否判断のための基準値とを比較し、前記検知信号が前記基準値を超える場合に、洗浄が必要であると判断する制御部とを備えたインクジェット記録装置である。
また、本発明の他の例を挙げると、加圧して供給されるインクを粒子化して噴出させるノズルと、該噴出された該インクが通過中に印字文字に対応した電荷を帯電させる帯電電極と、該帯電された該インクを帯電量に対応して偏向させ被印字物に向けて飛翔させる偏向電極と、前記帯電電極で帯電されなかった該インクを捕捉するガターとを備えた印字ヘッドを有するインクジェット記録装置の制御方法であって、偏向電極内に光を供給する光源と該偏向電極内の光を検知する受光部とからなる光センサを備えておき、該光センサの検知信号とヘッド洗浄要否判断のための基準値とを比較し、前記検知信号が前記基準値を超えている場合に、洗浄が必要であると判断するようにしたインクジェット記録装置の制御方法である。
本発明によれば、偏向電極内のインク汚れの程度を検知し洗浄すべきか否かを判断できるインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することができる。
本発明の実施例におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。 実施例において使用する光センサの概略構成を示す図である。 実施例における動作方法を説明するためのフロー図である。 偏向電極内のインク汚れの状態例を示す図である。 本発明の実施例で使用する他の光センサの概略構成を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態(実施例)について図1~図4を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。図2は、この実施例において使用する光センサの概略構成を示す図である。図3は、この実施例における動作方法を説明するためのフロー図である。図4は、偏向電極内のインク汚れの状態例を示す図である。
ここで、本発明は、以下に説明する実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の技術思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その構成を変更しうることは当業者であれば容易に理解される。
また、以下に説明する実施例の構成において、同一機器又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明を省略することがある。
また、図面に示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。それ故、本発明は、図面に開示された構成機器の位置、大きさ、形状、範囲などに限定されるものではない。
以下、図1~図4を用いて本発明の一つの実施例を説明する。図1におけるインクジェット記録装置は、少なくとも、調整された圧力でインクを印字ヘッドに供給する機能、及び印字ヘッドで印字に使用されなかったインクを回収する機能を有する本体10を備えている。また、本体10から供給されたインクを粒子化させ、その粒子化されたインク204(インク粒子)に印字文字に対応した電荷を与え、電荷量に応じた偏向をさせて非印字物に飛翔させ、文字を印字する印字ヘッド20を備えている。本体10と印字ヘッド20との間は、ケーブル30により接続されている。このケーブル30は、印字ヘッド20を被印字物40に印字を行うために十分な長さを有しており、印字ヘッドを任意の位置に位置決めするためにフレキシブルに変形可能である。また、インクジェット記録装置は、本体10および印字ヘッド20を構成する各機器の制御をおこなうための制御部50を備えている。後述するように、この実施例における制御部50は、印字動作を制御するだけでなく、偏向電極内部のインク汚れの程度を示す検知信号を入力し、洗浄の要否を判断する機能も有する。
図1において、本体10は、インクを貯蔵するインク容器101と、インク容器101内のインクを供給するための供給経路102と、供給経路102の途中に設けられ、インクを加圧して印字ヘッドに供給する供給用ポンプ103と、インクの圧力を調整するための調圧弁104を有する。また、本体10は、印字ヘッド20側のガターで捕捉された印字に使用しないインクを、回収経路210を介してインク容器101に回収するために回収用ポンプ105を備えている。インク容器101に回収されたインクは、印字のために再使用される。
なお、実際の本体10は、この他にも多くの機器、例えば、インクの粘度を計測し、インク粘度を印字に適した粘度に調整する粘度調整の機能、あるいはインク容器101内のインクが印字により減少した場合にインクをインク容器101に補充するためのインク補充機能を実現するための機器を備えているが、図1においてはそれらの機器は省略している。
図1において、印字ヘッド20は、本体10から供給される加圧調整されたインクの供給を受け、オリフィス203から噴出するインクを粒子化するノズル201を備えている。ノズル201は圧電素子(ピエゾ素子)を有しており、この圧電素子に励振信号発生部202から励振信号を印加することによって機械的な振動をインクに与え、オリフィス203から噴出するインク柱を粒子化する。
ノズル201で粒子化されたインク204(インク粒子)は、帯電電極205内を所定速度で通過(飛翔)する。帯電電極205には、制御部50から与えられる印字制御信号に基づいて帯電信号供給部206から印字文字に対応した電圧が供給される。これにより帯電電極205内を通過中のインク粒子は、印字文字に対応した電荷量が帯電される。なお、印字に用いられないインク粒子には、帯電電圧が付与されず帯電されない。
次に、帯電電極205を通過したインク粒子は、プラス偏向電極207とマイナス偏向電極208とで構成される偏向電極内を通過する。プラス偏向電極207とマイナス偏向電極208間には直流電圧が印加され、電界が発生する。偏向電極内を通過中のインク粒子は、この電界中を飛翔している間に帯電量に比例した力を受けて偏向し、偏向したインク粒子が被印字物40に向かって飛翔する。偏向後のインク粒子は被印字物40に向かって飛翔し、搬送路を移動中の被印字物40に衝突して付着する。これにより、被印字物40への印字が実行される。すなわち、粒子化されたインク204(インク粒子)は帯電量に応じて偏向方向の着弾位置(付着位置)が上下方向に変化し、コンベヤなどによって水平方向に搬送される被印字物40にインク粒子が着弾することで、2次元の広がりが出来て被印字物40表面に文字が形成される。この印字作業の継続中において、偏向電極の内面は、被印字物側からのインクミストの流入や、偏向制御が正常でないインク粒子などが偏向電極の内面に衝突してインクが付着する。
一方、帯電電極205内で帯電されなかったインク(印字に使用されないインク粒子)は、偏向されず、偏向電極内を直進してガター209に捕捉される。ガター209に捕捉されたインク204は、回収用ポンプ105の駆動により回収経路210を通りインク容器101内に回収される。
この実施例における印字ヘッド20には、偏向電極内のインク汚れの程度(汚れ度合い)を検知するための光センサが設けられる。光センサは、偏向電極内面に光を供給するための光源と、該偏向電極内の光を検知する受光部とを備えている。この光センサとして、この実施例では、光の強度を測定する(検知する)照度センサ22を用いる。以下では、主に、照度センサ22を用いた実施例について説明する。なお、以下の説明において、照度センサ22の受光部220から出力される検知信号を、照度センサの検知信号と称する場合がある。
ここで、本発明において使用可能な光センサは、照度センサに限るものではなく、偏向電極内のインク汚れの程度を光の強弱を電気信号として検知可能な光電変換素子あるいは光電変換素子を用いた機器を使用することができる。例えば、撮像素子(イメージセンサ)やカメラなども使用できる。
次に、照度センサ22の概略構成について、図2を用いて説明する。図2において、照度センサ22は、光源221と受光部220とで構成される。照度センサ22の受光部220は、マイナス偏向電極208の被印字物40寄り(ノズルの反対側)に設置する。これは、偏向電極の被印字物寄りのインク汚れが大きくなる傾向があるためである。すなわち、より大きなインク汚れが予想される被印字物寄りに照度センサを設置することにより、その部位におけるインク汚れの度合いを早期に検知することができる点で好ましい。
この実施例では、受光部220は、偏向電極に埋め込み、その受光面は、偏向電極内に臨むように配置している。これにより、受光部220は、LEDなどの光源221が発光した光222を受光することが可能となる。照度センサ22の受光部220は、光源221が発光した光の偏向電極面内における反射光の強度に応じた電気信号(検知信号)を発生し、図1の制御部50に対し出力する。偏向電極内部のインク汚れに対応して光の量が変化する(インク汚れが大きいほど受光する光量は減少する)ので、受光部220の出力である検知信号は、インク汚れに対応したものとなる。光源221としては、可視光を出力するもので問題ないが、ブラックライトを発する光源を用いても良い。光源としてブラックライトを使用すると、偏向電極内のインクの飛沫の状態(汚れの程度)をより鮮明に検知できる。
なお、照度センサ22の受光部220を偏向電極内とせず、偏向電極の外部に設置しても良い。そのことについては、後述する。
次に、図1における制御部50の構成について説明する。制御部50は、本体10および印字ヘッド20の運転制御を実行するために設けられる。また、この実施例における制御部50は、偏向電極内のインク汚れの度合に応じた電気信号(検知信号)を入力し、予め設定した基準値と比較して、洗浄が必要か否かを判断する機能も有する。図1では、制御部50は、一般的な計算機を使用した例を示している。
すなわち、制御部50は、全体の演算処理動作を行うCPU(Central Processing Unit)501と、CPU501の演算処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)502と、演算処理制御に必要なデータや演算処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)503とを含む。さらに、制御部50は、演算結果やデータ等を表示する表示部504と、操作指令等を入力するための操作部505と、本体10や印字ヘッド20に制御信号を出力し、本体10や印字ヘッドから各センサの出力信号を入力するためのインターフェース506と、制御装置を構成する各機器間における情報やデータの送受信を行うためのバス507とを含む。好ましい実施例では、表示部504と操作部505の機能を一体化されたタッチパネルを使用する。
次に、本発明の実施例におけるインク汚れの検知および洗浄の要否の判断動作等について、図3を用いて説明する。なお、補助的に図1、図2も使用して説明する。
図3において、ステップS01では、インクジェット記録装置の電源をオン(ON)にする。また、ステップS02では、光源221(図2参照)とマイナス偏向電極208に埋め込まれた受光部220からなる照度センサの電源をONにする。
次に、ステップS03において、偏向電極内のインク汚れの程度によって変動する光強度を検知する照度センサ22(受光部220)の検知信号を入力する。
ステップS04では、入力された検知信号を用いて、予め設定し記憶していた基準値と比較演算する。具体的には、図1に示すCPU501が、ROM502に記憶されているプログラムに従い、この検知信号とRAM503に記憶しておいた基準値とを比較演算する。基準値は、偏向電極内のインク汚れにより偏向電極内の洗浄が必要か否かを判断するための基準となる閾値である。
この実施例では、図4に示すように、偏向電極内の汚れの程度を、汚れの程度が低いものから高いものまでいくつかの段階に区分(図4では、A~Fの6区分)しておき、基準値を超えているか否かにより判断する。この例では、区分A~Cは洗浄の必要がない程度の汚れとし、洗浄が必要な程度の汚れを区分D~Fとしている。
したがって、ステップS04では、照度センサ(受光部220)の検知信号が、区分D以上の区分に該当するか否かで洗浄が必要であると判断する。ステップS04において、検知信号の大きさが区分A~Cに該当するものである場合には、ステップS08に進む。また、検知信号の大きさが区分D~Fに該当するものである場合には、ステップS05に進む。
なお、この実施例における照度センサは、インク汚れの度合を検知しており、図4に示すような汚れのパターン(汚れの広がり具合)までは検出していない。もし、この汚れのパターンまでも検知する場合には、複数の画素をマトリクス状に配置した撮像素子の電気信号を利用して画像処理を行い、パターン化した画像情報を得れば良い。
ステップS05では、CPU501が表示部504に、印字ヘッド内(特に、偏向電極内)の「洗浄」が必要であることを知らせるための情報を表示する。これにより、作業者は、偏向電極内の洗浄が必要であることを認識することができる。なお、ここでは、洗浄が必要である旨の情報を表示部に表示したが、画面表示の代りに音声やブザーで知らせる(報知する)ことでもよい。もちろん、表示と共に音声やブザーで知らせる(報知する)ことにより、作業者により確実に伝達される。
次に、ステップS06において、印字ヘッド内のインク汚れの洗浄を実施する。この洗浄は、印字ヘッド内部に洗浄装置を配置して自動的に実施しても良いし、洗浄すべき旨の表示内容を見て、作業者が洗浄を行なうようにしても良い。例えば、特開2020-49786号公報やWO2019/234965A1公報に紹介されているような、印字ヘッドの洗浄をおこなう洗浄ユニットを設けて置き、作業者がこの洗浄ユニット内に印字ヘッドを挿入することにより自動的に洗浄を行なうことができる。ステップS07では、洗浄作業が終了したかどうかを判断する。この判断は、例えば、洗浄時間を監視し、一定時間以上洗浄作業を実施していることにより判断可能である。洗浄が終了したと判断した場合、ステップS08に進む。
ステップS08では印字作業を実施する。そして、ステップS09では、被印字物40への印字作業が終了したかどうかを判断する。まだ印字すべき被印字物40が存在する(印字作業が終了していない)場合、ステップS03に戻り、ステップS03~ステップS09の処理を継続する。ステップS09において、印字作業終了を判断すると、作業終了となる。
なお、インクジェット記録装置を長期間使用しない場合、印字ヘッド内に残存しているインクが固着するなどの問題がある。つまり、インクは、溶剤により粘度を調整してインクを印字ヘッドに供給しているが、長期間使用しない場合には溶剤が蒸発し残っていたインクがノズルなどに固着する場合がある。そのような問題をなくすために、印字終了時に、印字ヘッドを洗浄ユニット内に挿入しておき、印字作業を開始する前に印字ヘッド洗浄作業を自動的に実施するようにすれば、印字ヘッド内にインク汚れが発生している場合にも不良印字が発生し製品の印字品質が低下するなどの問題を解決することができる。
以上説明したように、本発明の実施例によれば、偏向電極内のインク汚れを検知する照度センサを設けて置き、この検知信号と基準値とを比較することにより、洗浄の必要性を簡単で確実に判断することができる。また、この判断結果に基づき、洗浄が必要である旨の情報を表示部に表示することにより、作業者に知らせることができる。これにより、印字品質が低下しない適切なタイミングで洗浄作業を実施することができる。適切なタイミングでの洗浄作業実施により、印字不良に伴う製品不良が減り、歩留まりが向上する。これによって、生産に関する無駄なエネルギー消費を少なくすることができ、地球環境への負担を軽減することができる。
次に、図5を用いて、本発明の他の実施例について説明する。この実施例は、基本的に、図1に示すような構成を採用する。したがって、すでに説明した説明は省略し、先に説明した実施例との違いのみを説明する。先に説明した実施例では、照度センサ22の受光部220を偏向電極内に配置した(図2参照)が、この実施例では照度センサ22の受光部220は、偏向電極の外側に配置している。また、照度センサ22の受光部220を照らす光源221も偏向電極の外側に配置した。また、この例における偏向電極は、半透明または透明の透過性導電材料を使用する。この構成では、光源221が発する光は、偏向電極内を透過して受光部220に到達する。偏向電極内がインクで汚れている場合には、照度センサ22(受光部220)が受光する光の強度が低くなるので、変更電極内のインク汚れの程度を検知することが可能である。
このような構成によれば、照度センサの受光部がインクで汚されることが少なくなるので、装置の維持管理が容易になる。
次に、本発明のさらに他の実施例について説明する。上述した実施例では、光センサとして照度センサを用いたが、照度センサの代りに、撮像素子(イメージセンサ)を用いても本発明を実現することができる。つまり、イメージセンサにより、変更電極内の有るエリア内の画像パターンに対応した電気信号を得ることができ、この電気信号を画像処理することにより、偏向電極内のインク汚れの画像パターンを得ることができる。多数の撮像素子が組み込まれたカメラでも良い。このような構成を採用する場合、図4で示したようなインク汚れのパターンを検知することができるので、汚れが一定以上であるか否かだけでなく、インク汚れの状況をより詳細に検知することが可能になる。制御部は、このような画像情報を検知信号として取り込み、画像信号に基づいて、基準となる画像パターンと比較して洗浄の必要性(洗浄が必要か否か)を判断することができる。
10…本体、20…印字ヘッド、22…照度センサ、30…ケーブル、40…被印字物、50…制御部、101…インク容器、102…供給経路、103…供給用ポンプ、104…調圧弁、105…回収用ポンプ、201…ノズル、202…励振信号発生部、203…オリフィス、204…インク、205…帯電電極、206…帯電信号供給部、207…プラス偏向電極、208…マイナス偏向電極、209…ガター、210…回収経路、220…受光部、221…光源、222…光、501…CPU、502…ROM、503…RAM、504…表示部、505…操作部、506…インターフェース、507…バス

Claims (12)

  1. 加圧して供給されるインクを粒子化して噴出させるノズルと、粒子化された該インクが通過中に印字文字に対応した電荷を帯電させる帯電電極と、帯電された該インクを帯電量に対応して偏向させ被印字物に向けて飛翔させる偏向電極と、前記帯電電極で帯電されなかった該インクを捕捉するガターとを備えた印字ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、
    偏向電極内に光を供給する光源と該偏向電極内の光を検知する受光部とからなる光センサと、
    前記受光部の検知信号を入力し、該検知信号とヘッド洗浄要否判断のための基準値とを比較し、前記検知信号が前記基準値を超える場合に、洗浄が必要であると判断する制御部とを備えたインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記受光部の受光面が前記偏向電極の内面に露出するように前記偏向電極に埋め込まれていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記偏向電極を透光性材料とし、前記光源を前記偏向電極の一方側の電極の外側に配置し、前記受光部は前記光源の光を受光可能な位置であり前記偏向電極の他方の電極の外側に配置していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記光源の光はブラックライトであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記制御部は、前記洗浄が必要であると判断した場合に、洗浄すべきことを外部に報知することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項5に記載されたインクジェット記録装置において、前記報知は、表示部に表示することにより行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、前記印字ヘッドを洗浄する洗浄ユニットを備えておき、前記洗浄が必要と判断した場合に前記洗浄ユニットにより、前記印字ヘッドを洗浄するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 加圧して供給されるインクを粒子化して噴出させるノズルと、該噴出された該インクが通過中に印字文字に対応した電荷を帯電させる帯電電極と、該帯電された該インクを帯電量に対応して偏向させ被印字物に向けて飛翔させる偏向電極と、前記帯電電極で帯電されなかった該インクを捕捉するガターとを備えた印字ヘッドを有するインクジェット記録装置の制御方法であって、
    偏向電極内に光を供給する光源と該偏向電極内の光を検知する受光部とからなる光センサを備えておき、
    該光センサの検知信号とヘッド洗浄要否判断のための基準値とを比較し、前記検知信号が前記基準値を超えている場合に、洗浄が必要であると判断するようにしたインクジェット記録装置の制御方法。
  9. 請求項8項に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、前記洗浄が必要であると判断した場合に、洗浄すべきことを外部に報知することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  10. 請求項9項に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、前記報知は、表示部に表示することにより行うことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  11. 請求項8項に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、前記印字ヘッドを洗浄する洗浄ユニットを備えておき、前記洗浄が必要と判断した場合に前記洗浄ユニットにより、前記印字ヘッドを洗浄するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  12. 請求項11に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、印字作業終了時には前記印字ヘッドを前記洗浄ユニットに挿入しておき、次の印字作業開始時に前記印字ヘッドの洗浄を実施した後、印字作業を開始するようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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