JP2022180147A - タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車 - Google Patents

タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車 Download PDF

Info

Publication number
JP2022180147A
JP2022180147A JP2021087083A JP2021087083A JP2022180147A JP 2022180147 A JP2022180147 A JP 2022180147A JP 2021087083 A JP2021087083 A JP 2021087083A JP 2021087083 A JP2021087083 A JP 2021087083A JP 2022180147 A JP2022180147 A JP 2022180147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lashing
tire
hook
jig
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021087083A
Other languages
English (en)
Inventor
陽介 川澄
Yosuke Kawasumi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Unic Corp
Original Assignee
Furukawa Unic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Unic Corp filed Critical Furukawa Unic Corp
Priority to JP2021087083A priority Critical patent/JP2022180147A/ja
Publication of JP2022180147A publication Critical patent/JP2022180147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】タイヤを固縛する位置の自由度を低下させることなく、重量の増加を抑制することが可能なタイヤ固縛装置と車両運搬車を提供する。【解決手段】床板のうちタイヤが配置される領域に、タイヤの幅方向に沿った方向と、幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列された複数の固定孔が形成されているとともに、幅方向と直交する方向に沿った方向に離隔して配置された二つの固定孔のそれぞれに取り付けられ、且つ固縛ベルトと共にタイヤを固縛する二つ一組の固縛治具のそれぞれには、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に、固縛ベルトを取り付けるための構造が設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、車両のうち固縛の対象となるタイヤを床板に固縛するためのタイヤ固縛装置と、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車に関する。
近年の乗用車は、シャシフレームの下側に配置されている牽引フックを廃止して、バンパにねじ込み式の牽引フックを設けたものが多いため、例えば、車両運搬車による輸送時に、固縛用として牽引フックを用いることが不可能である。また、シャシフレームに固縛用の孔を設けていない構成の車両運搬車もある。そのため、多種多様な車両に対して適用することが可能なタイヤ固縛装置として、例えば、特許文献1には、車両運搬車に積載する車両のタイヤを、荷台の床板に固縛するタイヤ固縛装置が開示されている。
特許文献1に開示されているタイヤ固縛装置は、積載する車両の長さ方向に沿って離隔させて床板に形成された複数のスリットと、床板の裏面に配置され、複数のスリットに沿って延びる丸棒を有する。これに加え、積載する車両が備えるタイヤの外周面に巻き掛けられる固縛ベルトと、固縛ベルトに設けられた二つのフックと、固縛ベルトを緊締する緊締具を有する。なお、複数のスリットは、積載する車両の左右方向に沿って開口している。
特許文献1に開示されているタイヤ固縛装置であれば、固縛の対象となるタイヤを前方と後方から挟む位置において、二つのフックを複数のスリットのうち一つへ選択的に通すとともに、フックの先端を丸棒に係合させる。そして、緊締具を用いて固縛ベルトを緊締することにより、タイヤを荷台へ締め付けて固定することが可能である。
特開2005-153814号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているタイヤ固縛装置は、ホイールベースやタイヤの大きさが異なる多種多様な車両に対して適用するために、床板に多くのスリットが開口している構成であるため、床板の強度が低下する。したがって、床板を補強する構造を追加することで、床板の強度を増加させる必要があるが、床板を補強する構造を追加すると、荷台の重量が増加するという問題が発生する可能性がある。
本発明は、上述した問題点を鑑み、タイヤを固縛する位置の自由度を低下させることなく、重量の増加を抑制することが可能な、タイヤ固縛装置と、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るタイヤ固縛装置は、固縛の対象となるタイヤを、緊締具を用いて床板に固縛するためのタイヤ固縛装置であって、床板のうちタイヤが配置される領域に、タイヤの幅方向に沿った方向と、幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列された複数の固定孔が形成されているとともに、幅方向と直交する方向に沿った方向に離隔して配置された二つの固定孔のそれぞれに取り付けられ、且つ固縛ベルトと共にタイヤを固縛する二つ一組の固縛治具のそれぞれには、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に、固縛ベルトを取り付けるための構造が設けられている。
また、本発明の一態様に係るタイヤ固縛装置は、固縛の対象となるタイヤを、緊締具を用いて床板に固縛するためのタイヤ固縛装置であって、複数の固定孔と、二つ一組の固縛治具と、固縛ベルトを備える。複数の固定孔は、床板に形成されており、床板のうちタイヤが配置される領域に配置され、且つタイヤの幅方向に沿った方向と、タイヤの幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列されている。固縛ベルトは、固定孔に取り付け可能であり、一方の端部が一組の固縛治具のうち一方に接続されるとともに、両端部間の一部がタイヤの外周面と接触した状態で、他方の端部が一組の固縛治具のうち他方を介して緊締具へ接続される。さらに、固縛ベルトは、一方の端部へ取り付けられた第一フックと、両端部間を固縛ベルトの長さ方向に沿って移動可能に固縛ベルトへ取り付けられた第二フックを備える。そして、固縛治具には、第一フック及び第二フックを取り付け可能な複数のフック挿入孔が形成されている。複数のフック挿入孔は、固縛治具を固定孔に取り付けた状態で、タイヤの幅方向に沿って配列されている。
また、本発明の一態様に係る車両運搬車は、タイヤ固縛装置を備える。
本発明に係るタイヤ固縛装置と車両運搬車によれば、タイヤを固縛する位置の自由度を低下させることなく、重量の増加を抑制することが可能となる。
実施形態のタイヤ固縛装置を備えた車両運搬車の側面図である。 図1のII線矢視図である。 図2のIII線矢視図である。 荷台の構成を示す斜視図である。 タイヤを固縛した状態を示す斜視図である。 固定孔に固縛治具を取り付けていない状態を示す斜視図である。 固定孔に固縛治具を取り付けた状態を示す斜視図である。 固縛治具の構成を示す図である。 図8(b)のIX-IX線断面図である。 前側固縛ベルトの構成を示す図である。 前側第一フックの構成を示す図である。 後側固縛ベルトの構成を示す図である。 治具ブラケットの構成を示す斜視図である。 図13のXIV線矢視図である。 治具ブラケットに固縛治具を装着した状態を示す斜視図である。 図15のXVI線矢視図である。 変形例の構成を示す図であり、治具ブラケットの構成を示す図である。 変形例の構成を示す図であり、治具ブラケットに固縛治具を装着した状態を示す図である。 図18のZ-Z線断面図である。
以下、本発明に係るタイヤ固縛装置と、タイヤ固縛装置を備えた車両運搬車の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚さと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
<実施形態>
(構成)
図1から図5に示すように、車両運搬車1は、シャシフレーム2と、荷台3と、後煽り4と、鳥居フレーム5と、腰板6と、荷台昇降装置8と、前側タイヤ固縛装置20と、後側タイヤ固縛装置30を備える。
なお、以降の説明及び図面では、車両運搬車1が前進する方向(シフトがDレンジ等に選択されている状態で走行する方向)を、「前方」と記載する場合がある。同様に、以降の説明及び図面では、車両運搬車1が後退する方向(シフトがRレンジに選択されている状態で走行する方向)を、「後方」と記載する場合がある。また、以降の説明及び図面では、「左側」を、車両運搬車1を運転する運転者における左側とし、「右側」を、車両運搬車1を運転する運転者における右側とする。したがって、以降の説明及び図面では、「左側面視」を、車両運搬車1を運転する運転者を左側から見た視点とし、「右側面視」を、車両運搬車1を運転する運転者を右側から見た視点とする。また、以降の説明では、「左側面視」と「右側面視」とをまとめて、「側面視」と記載する場合がある。
荷台3は、シャシフレーム2の上に配置されており、床板3fと、緊締用環11を備える。
床板3fは、車両運搬車1に積載する車両である積載車両Vのタイヤ(前輪タイヤTf、後輪タイヤTr)を固縛する板である。
緊締用環11は、環状に形成されており、荷台3の後部、具体的には、床板3fのうち後輪タイヤTrを固縛する際に後輪タイヤTrが配置される位置と、後煽り4との間に配置されている。
また、荷台3には、牽引装置(図示略)が取り付けられている。
牽引装置は、ワイヤが巻かれているウインチと、ワイヤの先端に連結されたフックを備えており、フックを積載車両Vに連結した状態でウインチを作動させることで、荷台3の上に積載車両Vを牽引することが可能である。
後煽り4は、荷台3の後端に配置されている。また、後煽り4は、荷台3の後端を回転中心として、車両運搬車1の前方及び後方への回転が可能に、荷台3へ取付けられている。後煽り4を回転させることにより、図1に示す垂直な閉じ位置や、開き位置(図示略)に後煽り4を移動させることが可能である。なお、「開き位置」は、後煽り4が、積載車両Vを荷台3へ乗り入れるときのスロープとなる位置である。
鳥居フレーム5は、後方から見てゲート状に形成されており、両端部が荷台3の前部に取り付けられることで、荷台3の前部において、荷台3と一体に設けられている。
腰板6は、長方形の板状に形成されており、鳥居フレーム5の両端部と、荷台3の枠と一体に設けられている。なお、腰板6は、ボルトの取り外しによって、交換することが可能である。
また、腰板6のうち後方を向く面には、溶接等を用いて、二つの治具ブラケット9が取り付けられている。
さらに、腰板6の後方を向く面には、鏡板7が取り付けられている。
二つの治具ブラケット9は、それぞれ、腰板6のうち、後方から見て、積載車両Vのタイヤが配置される位置よりも荷台3の中心に近い位置に配置されている。
治具ブラケット9には、前側タイヤ固縛装置20が備える前側固縛治具60fと、後側タイヤ固縛装置30が備える後側固縛治具60rを取り付けることが可能である。なお、治具ブラケット9の詳細な構成については、後述する。
鏡板7は、鏡を用いて形成されており、荷台3へ載せた積載車両Vを映すことが可能である。これにより、例えば、積載車両Vを運転する運転者が、鏡板7に映った積載車両Vに対し、左側の端部や右側の端部を視認することが可能である。このため、積載車両Vを、荷台3における所望の位置へ移動させることが容易となる。
荷台昇降装置8は、荷台3とシャシフレーム2との間に配置されている。また、荷台昇降装置8は、荷台3を移動させる移動機構(図示略)を備えている。
移動機構は、荷台3の位置を、格納位置と乗込位置に変化させることが可能である。また、移動機構は、荷台3をスライド移動させることで、荷台3の位置を、格納位置と乗込位置に変化させることが可能に構成されている。
格納位置は、荷台3を、シャシフレーム2の上に格納した位置である。乗込位置は、荷台3を、格納位置から車両運搬車1の後方に降ろした位置である。これにより、車両運搬車1は、荷台3の位置を乗込位置として積載車両Vを荷台3に積載し、荷台3の位置を格納位置として積載車両Vを運搬可能である。
前側タイヤ固縛装置20は、固縛の対象となる積載車両Vの前輪タイヤTfを、緊締具(前側緊締具27)を用いて床板3fに固縛するための装置である。なお、前側タイヤ固縛装置20は、積載車両Vに牽引フックが有るか否かに拘わらず、前輪タイヤTfを固縛する装置である。
また、前側タイヤ固縛装置20は、右側の前輪タイヤTfと、左側の前輪タイヤTfに対して、それぞれ配置されている。右側に配置されている前側タイヤ固縛装置20と、左側に配置されている前側タイヤ固縛装置20は、床板3fにおいて、荷台3の中心線CLに対して左右対称に配置されている。なお、前側タイヤ固縛装置20は、左右対称の構成であるため、以降の説明は、左右を区別せずに記載する。
後側タイヤ固縛装置30は、固縛の対象となる積載車両Vの後輪タイヤTrを、緊締具(後側緊締具31)を用いて床板3fに固縛するための装置である。なお、後側タイヤ固縛装置30は、積載車両Vに牽引フックが有るか否かに拘わらず、後輪タイヤTrを固縛する装置である。
また、後側タイヤ固縛装置30は、右側の後輪タイヤTrと、左側の後輪タイヤTrに対して、それぞれ配置されている。右側に配置されている後側タイヤ固縛装置30と、左側に配置されている後側タイヤ固縛装置30は、床板3fにおいて、荷台3の中心線CLに対して左右対称に配置されている。なお、後側タイヤ固縛装置30は、左右対称の構成であるため、以降の説明は、左右を区別せずに記載する。
<荷台>
以下、荷台3の詳細な構成について説明する。
床板3fは、図2に示すように、長方形に形成されている。なお、図2では、説明のために、シャシフレーム2、後煽り4、鳥居フレーム5、腰板6、荷台昇降装置8、積載車両Vの図示を省略している。
床板3fには、乗用車等の積載車両Vを載せることが可能である。
また、床板3fは、床板3fの裏面3rに固定された複数のクロスフレーム10によって、補強されている。
複数のクロスフレーム10は、車両運搬車1の進行方向に沿って、間隔を開けて配置されている。
床板3fのうち、前方の右側には、牽引装置21が配置されている。牽引装置21は、荷台3を乗込位置へ移動させた後に使用することで、荷台3の上に積載車両Vを牽引することが可能である。
また、荷台3には、図2に示すように、前側緊締具27が取り付けられている。
前側緊締具27は、前輪タイヤTfを荷台3に締め付けて固定するための締付手段であり、荷台3の中心よりも前側において、左右に配置されている。
また、前側緊締具27は、ハンドル27hと、ラチェット機構27tと、ワイヤ27rと、複数の滑車27sと、フック27fを備える。
ラチェット機構27tは、ドラム(図示略)を備えている。ドラムは、作業者(運転者等)がハンドル27hを回転させる操作に連動して作動する。
ワイヤ27rは、基端からドラムに巻かれている。
複数の滑車27sは、回転することで、ワイヤ27rの途中部分(先端と基端との間の部分)を案内する。
フック27fは、ワイヤ27rの先端に取り付けられている。
<前側タイヤ固縛装置>
前側タイヤ固縛装置20は、図3に示すように、タイヤ止めブロック23と、複数の前側固定孔70fと、二つ一組の前側固縛治具60fと、前側固縛ベルト22を備える。
(タイヤ止めブロック)
タイヤ止めブロック23は、床板3fのうち、前輪タイヤTfを配置する位置と前側緊締具27との間に固定されている。また、図3に示すように、タイヤ止めブロック23は、側面視で底辺が上辺よりも長い台形に形成されている。側面視におけるタイヤ止めブロック23の底辺は、床板3fと接触している。なお、タイヤ止めブロック23は、床板3fのうち、車軸の前後位置や前輪タイヤTfのサイズ(径)に応じた位置に配置する。
(前側固定孔)
複数の前側固定孔70fは、床板3fに形成されている。また、前側固定孔70fは、床板3fを貫通する方形の孔である。
実施形態では、一例として、一つの前輪タイヤTfに対して35箇所の前側固定孔70fを形成した場合について説明する。
35箇所の前側固定孔70fは、三つのグループを形成している。三つのグループは、車両運搬車1が走行する方向に沿って、間隔を開けて配置されている。
三つのグループのうち前方のグループは、11箇所の前側固定孔70fによって構成されており、車両運搬車1が走行する方向に沿って配置された四列の組によって形成されている。四列の組のうち最も前方に配置された一列の組は、2箇所の前側固定孔70fを有する。2箇所の前側固定孔70fのうち一方は、前輪タイヤTfの幅方向における中心付近が配置される位置に形成されている。2箇所の前側固定孔70fのうち他方は、2箇所の前側固定孔70fのうち一方よりも、中心線CLに近い位置に形成されている。最も前方に配置された一列の組とは異なる三列の組は、3箇所の前側固定孔70fを有する。3箇所の前側固定孔70fのうち一つは、前輪タイヤTfの幅方向における中心付近が配置される位置に形成されている。3箇所の前側固定孔70fのうち残りの二つは、それぞれ、3箇所の前側固定孔70fのうち一つよりも、中心線CLに近い位置と中心線CLから遠い位置に形成されている。
三つのグループのうち後方のグループは、12箇所の前側固定孔70fによって構成されており、車両運搬車1が走行する方向に沿って配置された四列の組によって形成されている。四列の組は、それぞれ、3箇所の前側固定孔70fを有する。3箇所の前側固定孔70fのうち一つは、前輪タイヤTfの幅方向における中心付近が配置される位置に形成されている。3箇所の前側固定孔70fのうち残りの二つは、それぞれ、3箇所の前側固定孔70fのうち一つよりも、中心線CLに近い位置と中心線CLから遠い位置に形成されている。
三つのグループのうち前方のグループと後方のグループとの間に配置されたグループは、後方のグループと同様の構成である。
したがって、複数の前側固定孔70fは、床板3fのうち、前輪タイヤTfが配置される領域に配置されている。
また、複数の前側固定孔70fは、前輪タイヤTfの幅方向に沿った方向と、前輪タイヤTfの幅方向と直交する方向に沿った方向とに配列されている。
実施形態では、床板3fに複数箇所(35箇所)の前側固定孔70fが形成されている。このため、複数箇所の前側固定孔70fから、前輪タイヤTfの固縛に適した位置の前側固定孔70fを選択することが可能である。
前側固定孔70fの選択は、例えば、前輪タイヤTfのサイズ(外径や幅等)に応じた位置や、前側固縛ベルト22と積載車両Vが備える部品(フェンダ等)との接触を回避することが可能な位置を考慮して行う。
床板3fの裏面3rのうち、前側固定孔70fを形成した部分の間には、前側補強部材80fが取り付けられている。
前側補強部材80fは、図6及び図7に示すように、前側第一補強棒81fと、前側補強リブ82fと、前側第二補強棒83fを有する。また、前側補強部材80fは、それぞれ、前輪タイヤTfの固縛時に床板3fへ作用する力に対して、床板3fのうち前側固定孔70fを形成した部分が耐える力を発揮する形状に形成されている。
前側第一補強棒81fは、例えば、鉄製のパイプを用い、棒状に形成されている。
また、前側第一補強棒81fは、長さ方向を車両運搬車1が走行する方向と平行に向けた状態で、裏面3rのうち、中心線CLから最も遠い位置に形成された前側固定孔70fよりも、中心線CLに近い位置に配置されている。
前側補強リブ82fは、例えば、鉄製の板材を用い、前方及び後方から見て上側が開口したコの字形に形成されている。
また、前側補強リブ82fは、長さ方向を車両運搬車1が走行する方向と平行に向けた状態で、裏面3rのうち、前輪タイヤTfの幅方向における中心付近が配置される位置に形成された前側固定孔70fよりも、中心線CLに近い位置に配置されている。
前側第二補強棒83fは、例えば、鉄製のパイプを用い、棒状に形成されている。
また、前側第二補強棒83fは、長さ方向を車両運搬車1が走行する方向と平行に向けた状態で、裏面3rのうち、中心線CLから最も近い位置に形成された前側固定孔70fよりも、中心線CLに近い位置に配置されている。
(前側固縛治具)
二つ一組の前側固縛治具60fは、前側固定孔70fに取り付け可能であり、一つの前輪タイヤTfに対応して配置されている。したがって、前側タイヤ固縛装置20は、二組の前側固縛治具60fを備える。
また、前側固縛治具60fは、図8及び図9に示すように、治具本体部61と、二つの治具フック部62と、位置保持部63と、保持板部64を備える。すなわち、前側固縛治具60fは、複数の治具フック部62を備える。なお、図8(b)は、図8(a)のB線矢視図である。
治具本体部61は、断面が四辺形である長方形の筒状に形成されている。
治具本体部61の表面(図8(a)では、上側の面)には、三箇所のフック挿入孔65が形成されている。すなわち、前側固縛治具60fには、複数のフック挿入孔65が形成されている。
治具本体部61の裏面(図8(a)では、下側の面)は、例えば、図7に示すように、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付けた状態で、床板3fの前輪タイヤTfを配置する面(表面)と対向する。
フック挿入孔65は、長辺と短辺を有する溝状に形成されている。フック挿入孔65の長辺は、治具本体部61の長辺と平行であり、フック挿入孔65の短辺は、治具本体部61の短辺と平行である。
さらに、三箇所のフック挿入孔65は、図7に示すように、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付けた状態で、前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列されている。
前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列されている、隣り合うフック挿入孔65の間隔は、前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列されている隣り合う前側固定孔70fの間隔よりも狭い。すなわち、前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列されている隣り合う前側固定孔70fの間隔は、前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列されている隣り合うフック挿入孔65の間隔よりも広い。
治具フック部62は、治具本体部61の裏面に形成されている。さらに、治具フック部62は、例えば、図7に示すように、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付けた状態で、床板3fの治具本体部61と対向する面(表面)とは反対の面(裏面3r)と対向する。
また、治具フック部62は、フック基部62aと、フック掛部62bを備える。
フック基部62aは、断面が方形の筒状に形成されている。フック基部62aの基端は、治具本体部61の裏面に取り付けられている。フック基部62aの先端は、治具本体部61の裏面から突出している。
フック掛部62bは、断面が方形の筒状に形成されている。また、フック掛部62bは、フック基部62aの先端と連続して形成されており、治具本体部61と平行に配置されている。したがって、治具本体部61の裏面とフック掛部62bとの間には、隙間が形成されている。
また、治具フック部62の形状は、フック掛部62bと治具本体部61の裏面との間に形成される隙間が、図7に示す隙間となる形状に形成する。具体的には、前側固定孔70fに前側固縛治具60fを取り付けた状態で、治具フック部62と裏面3rとの間に、前側第一補強棒81fと、前側補強リブ82fと、前側第二補強棒83fが配置される形状に、治具フック部62を形成する。
位置保持部63は、治具本体部61のうち、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付けた状態で中心線CLから遠い位置に配置される面(以降の説明では、「外側面」と記載する場合がある)に取り付けられている。
また、位置保持部63は、ブラケット部66と、シリンダ部67と、ロッド部68を備える。
ブラケット部66は、ブラケット基部90と、ロッド支持部91を備える。
ブラケット基部90は、長方形の板状に形成されている。ブラケット基部90のうち、二つの長辺のうち一方の端面は、治具本体部61の上面のうち、外側面と隣接する位置に取り付けられている。したがって、ブラケット基部90と治具本体部61の上面とは、治具本体部61の側面視で、L字状に構成されている。
ロッド支持部91は、長方形の板材に対し、約90°の角度で二箇所を折り曲げた形状に形成されており、第一板部91aと、第二板部91bと、第三板部91cを有する。
第一板部91aは、一方の端部が、ブラケット基部90のうち、治具フック部62から遠い端部に固定されている。また、第一板部91aには、第一板部91aを貫通する貫通孔(図示略)が形成されている。
第二板部91bは、一方の端部が、第一板部91aの他方の端部に固定されており、フック基部62aと平行に配置されている。
第三板部91cは、一方の端部が、第二板部91bの他方の端部に固定されており、第一板部91aと平行に配置されている。また、第三板部91cは、第二板部91bから、第一板部91aと同じ方向へ突出している。第三板部91cが第二板部91bから突出する長さは、第一板部91aが第二板部91bから突出する長さよりも短い。
シリンダ部67は、シリンダ大径部67aと、シリンダ小径部67bを備える。
シリンダ大径部67aは、円筒形に形成されている。
シリンダ大径部67aの一端(図8では、上側の端部)は、第一板部91aの一方の面(図8では、下側の面)に取り付けられている。また、シリンダ大径部67aが有する孔は、第一板部91aに形成されている貫通孔と同軸に配置されている。さらに、シリンダ大径部67aが有する孔の内径は、第一板部91aに形成されている貫通孔の内径よりも大きい。
シリンダ大径部67aの他端(図8では、下側の端部)は、シリンダ大径部67aの径方向(図8では、左右方向)から見て、フック基部62aの基端と同じ位置に配置されている。
シリンダ小径部67bは、円筒形に形成されている。シリンダ小径部67bの外径は、シリンダ大径部67aの内径よりも小さい。また、シリンダ小径部67bは、シリンダ大径部67aの他端(図8では、下側の端部)から、シリンダ大径部67aの内部に挿入されている。シリンダ小径部67bとシリンダ大径部67aは、同軸に配置されている。
また、シリンダ小径部67bの内径面には、図9に示すように、段部67cが形成されている。
段部67cは、シリンダ小径部67bのうち、シリンダ大径部67aから遠い側の端部(図9では、下側の端部)に配置されており、シリンダ小径部67bの内径面からシリンダ小径部67bの中心軸へ向けて突出している。これにより、シリンダ小径部67bの内径は、段部67cが形成されていない部分と、段部67cが形成されている部分で異なっている。段部67cが形成されていない部分におけるシリンダ小径部67bの内径は、段部67cが形成されている部分におけるシリンダ小径部67bの内径よりも大きい。
ロッド部68は、図8及び図9に示すように、ロッド大径部68aと、ロッド中径部68bと、ロッド小径部68cと、グリップ部68dを備える。
ロッド大径部68aは、円柱で形成されており、第一板部91aの他方の面(図8では、上側の面)に配置されている。
ロッド中径部68bは、ロッド大径部68aよりも外径が小さい円柱で形成されており、ロッド大径部68aの一端(図9では、下側の端部)に固定されている。
また、ロッド中径部68bは、シリンダ大径部67aの内部と、シリンダ小径部67bのうち段部67cが形成されていない部分の内部に配置されている。さらに、ロッド中径部68bの周囲には、コイルスプリング69が配置されている。ロッド小径部68cの軸方向は、シリンダ大径部67a及びシリンダ小径部67bの軸方向と、平行である。
コイルスプリング69は、一端(図9では、上側の端部)が第一板部91aの他方の面(図9では、下側の面)に接触しており、他端が段部67cに接触している。コイルスプリング69が伸縮する方向は、ロッド中径部68bの軸方向と平行である。
コイルスプリング69の内径は、第一板部91aに形成されている貫通孔の内径と、シリンダ小径部67bのうち段部67cが形成されている部分の内径よりも大きい。
したがって、シリンダ部67の内部に配置されているコイルスプリング69は、無負荷の状態では、伸長する力によりシリンダ小径部67bを第一板部91aから離れる方向へ押す。このため、シリンダ部67の内部に配置されているコイルスプリング69が無負荷の状態では、ロッド大径部68aが第一板部91aと接触する位置まで、ロッド部68を移動させる。
ロッド小径部68cは、ロッド中径部68bよりも外径が小さい円柱で形成されており、ロッド中径部68bの一端(図9では、下側の端部)に固定されている。
また、ロッド小径部68cは、シリンダ小径部67bのうち段部67cが形成されている部分の内部に配置されており、シリンダ小径部67bに固定されている。ロッド小径部68cの軸方向は、シリンダ大径部67a及びシリンダ小径部67bの軸方向と、平行である。
グリップ部68dは、円柱で形成されており、グリップ部68dの中心軸をロッド大径部68aの中心軸と直交させた状態で、ロッド大径部68aの他端(図9では、上側の端部)に固定されている。
また、グリップ部68dは、ロッド大径部68aの長さ方向(図9では、上下方向)から見て、第三板部91cと重ならない位置に配置されている。
保持板部64は、長方形の板状に形成されており、治具本体部61の表面に取り付けられている。
また、保持板部64には、三箇所の保持孔64aが形成されている。
保持孔64aは、円形に形成されており、それぞれ、保持板部64の厚さ方向から見て、三箇所のフック挿入孔65と重なっている。また、保持孔64aは、保持板部64の厚さ方向から見て、フック挿入孔65を包囲している。
保持孔64aの内径は、フック挿入孔65の長辺の長さよりも大きい。
(前側固縛ベルト)
前側固縛ベルト22は、図10に示すように、前側ベルト本体22aと、前側カバー部22bと、連結環22fと、前側第一フック25と、前側第二フック26を有する。
前側ベルト本体22aは、例えば、引張り強さに優れたポリエステル繊維を編んで、帯状に形成されている。
前側カバー部22bは、前側ベルト本体22aのうち、前側第一フック25と前側第二フック26との間の位置に配置されている。また、前側カバー部22bは、前輪タイヤTfの外周面と接触して、前側第一フック25まで張力を伝えることで、前側ベルト本体22aと前輪タイヤTfとの間に発生する摩擦を軽減する。
連結環22fは、前側ベルト本体22aの基端22kに装着されている。また、連結環22fは、円柱部材を環状に曲げ加工することで、フック27fに連結することが可能な形状に形成されている。そして、フック27fを連結環22fに連結した状態で、ハンドル27hを回転させることで、前側固縛ベルト22を緊締することが可能である。
前側第一フック25は、前側ベルト本体22aの先端部22sに連結されており、フック挿入孔65に取り付け可能な形状に形成されている。
また、前側第一フック25は、図11に示すように、本体部25hと、連結部25gと、軸部25jと、抜け止め部25sと、円板部25cを有する。なお、図11(b)は、図11(a)のB線矢視図であり、図11(c)は、図11(a)のC線矢視図であり、図11(d)は、図11(a)のD線矢視図である。
本体部25hは、U字状に形成されている。
連結部25gは、円柱状に形成されており、両端部が、それぞれ、本体部25hが有する一対の対向する平板部に連結されている。
また、連結部25gは、本体部25hに対して、連結部25gの中心軸を回転軸として回転することが可能な状態で、本体部25hに連結されている。
軸部25jは、棒状に形成されている。
軸部25jの一端は、本体部25hと一体に形成されている。軸部25jの他端は、本体部25hの中央から突出している。
抜け止め部25sは、長方形の板状に形成されており、軸部25jの他端に設けられている。また、抜け止め部25sは、フック挿入孔65に挿入することが可能な形状に形成されている。
具体的に、抜け止め部25sの短辺の長さは、フック挿入孔65の短辺の幅よりも小さい。また、抜け止め部25sの長辺の長さは、フック挿入孔65の長辺の幅よりも小さい。
また、軸部25jの軸方向から見て、抜け止め部25sの長辺の長さ方向は、連結部25gの軸方向と交差している。
実施形態では、一例として、軸部25jの軸方向から見て、抜け止め部25sの長辺の長さ方向が、連結部25gの軸方向と直交(90°で交差)している場合を説明する。
円板部25cは、円形の板状に形成されている。また、円板部25cは、軸部25jのうち、本体部25hと抜け止め部25sとの間に取り付けられている。
さらに、円板部25cは、例えば、図6及び図7に示すように、前側第一フック25をフック挿入孔65に取り付けた状態で、保持孔64aの内部に配置される。また、円板部25cの外周面は、例えば、図6及び図7に示すように、前側第一フック25をフック挿入孔65に取り付けた状態で、保持孔64aの内周面と対向する。
円板部25cの直径は、保持孔64aの内径よりも小さい。
したがって、前側第一フック25をフック挿入孔65に取り付けた状態では、円板部25cと保持孔64aとの間に、数[mm]程度の隙間が形成される。
前側第二フック26は、前側ベルト本体22aの途中部分のうち、基端22kに近い位置に装着されており、前側ベルト本体22aの長さ方向に沿って移動することが可能であり、フック挿入孔65に取り付け可能な形状に形成されている。
また、前側第二フック26は、図10に示すように、本体部26hと、連結部26gと、軸部26jと、抜け止め部26sと、円板部26cを有する。
なお、本体部26hと本体部25h、連結部26gと連結部25g、軸部26jと軸部25j、抜け止め部26sと抜け止め部25s、円板部26cと円板部25cは、それぞれ、同様の構成である。このため、本体部26h、連結部26g、軸部26j、抜け止め部26s、円板部26cに関する詳細な説明は、省略する。
また、前側第二フック26は、本体部26hと連結部26gとの間に挿入されることで、前側ベルト本体22aの長さ方向に沿って移動することが可能である。
したがって、前側固縛ベルト22は、一方の端部へ取り付けられた前側第一フック25と、両端部間を前側固縛ベルト22の長さ方向に沿って移動可能に前側固縛ベルト22へ取り付けられた前側第二フック26を備える。
<後側タイヤ固縛装置>
後側タイヤ固縛装置30は、図2に示すように、後側固定孔70rと、後側固縛治具60rと、後側固縛ベルト32を備える。
(後側固定孔)
後側固定孔70rは、前側固定孔70fと同様、床板3fに形成されている。また、後側固定孔70rは、前側固定孔70fと同様、床板3fを貫通する方形の孔によって形成されている。
実施形態では、一例として、一つの後輪タイヤTrに対して40箇所の後側固定孔70rを形成した場合について説明する。
40箇所の後側固定孔70rは、三つのグループを形成している。三つのグループは、車両運搬車1が走行する方向に沿って、間隔を開けて配置されている。
三つのグループのうち前方のグループは、8箇所の後側固定孔70rによって構成されており、車両運搬車1が走行する方向に沿って配置された四列の組によって形成されている。四列の組は、それぞれ、2箇所の後側固定孔70rを有する。四列の組がそれぞれ有する2箇所の後側固定孔70rのうち一方は、後輪タイヤTrの幅方向における中心付近が配置される位置に形成されている。また、四列の組がそれぞれ有する2箇所の後側固定孔70rのうち他方は、2箇所の後側固定孔70rのうち一方よりも、中心線CLに近い位置に形成されている。
三つのグループのうち後方のグループは、8箇所の後側固定孔70rによって構成されており、車両運搬車1が走行する方向に沿って配置された四列の組によって形成されている。四列の組は、それぞれ、2箇所の後側固定孔70rを有する。四列の組がそれぞれ有する2箇所の後側固定孔70rのうち一方は、後輪タイヤTrの幅方向における中心付近が配置される位置に形成されている。四列の組がそれぞれ有する2箇所の後側固定孔70rのうち他方は、それぞれ、2箇所の後側固定孔70rのうち一方よりも、中心線CLから遠い位置に形成されている。
三つのグループのうち前方のグループと後方のグループとの間に配置されたグループは、24箇所の後側固定孔70rによって構成されており、車両運搬車1が走行する方向に沿って配置された八列の組によって形成されている。八列の組は、それぞれ、3箇所の後側固定孔70rを有する。3箇所の後側固定孔70rのうち一つは、後輪タイヤTrの幅方向における中心付近が配置される位置に形成されている。3箇所の後側固定孔70rのうち残りの二つは、それぞれ、3箇所の後側固定孔70rのうち一つよりも、中心線CLに近い位置と中心線CLから遠い位置に形成されている。
したがって、複数の後側固定孔70rは、床板3fのうち、後輪タイヤTrが配置される領域に配置されている。
また、複数の後側固定孔70rは、後輪タイヤTrの幅方向に沿った方向と、後輪タイヤTrの幅方向と直交する方向に沿った方向とに配列されている。
さらに、後輪タイヤTrの幅方向に沿って配列されている隣り合う後側固定孔70rの間隔は、後輪タイヤTrの幅方向に沿って配列されている隣り合うフック挿入孔65の間隔よりも広い。
実施形態では、床板3fに複数箇所(40箇所)の後側固定孔70rが形成されている。このため、複数箇所の後側固定孔70rから、後輪タイヤTrの固縛に適した位置の後側固定孔70rを選択することが可能である。
後側固定孔70rの選択は、例えば、後輪タイヤTrのサイズに応じた位置や、前側固縛ベルト22と積載車両Vが備える部品との接触を回避することが可能な位置を考慮して行う。
また、実施形態では、床板3fに複数箇所の前側固定孔70fと後側固定孔70rが形成されている。このため、積載車両Vのホイールベースに応じて、複数箇所の前側固定孔70fと後側固定孔70rから、前輪タイヤTf及び後輪タイヤTrの固縛に適した位置の前側固定孔70fと後側固定孔70rを選択することが可能である。
床板3fの裏面3rのうち、後側固定孔70rを形成した部分の間には、前側補強部材80fと同様の構成を有する後側補強部材(図示略)が取り付けられている。
後側補強部材の構成は、前側補強部材80fの構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、後側補強部材は、前側補強部材80fと同一の部材を用いて形成してもよい。
(後側固縛治具)
二つ一組の後側固縛治具60rは、後側固定孔70rに取り付け可能であり、一つの後輪タイヤTrに対応して配置されている。したがって、後側タイヤ固縛装置30は、二組の後側固縛治具60rを備える。
なお、後側固縛治具60rの構成は、前側固縛治具60fの構成と同様であるため、具体的な説明を省略する。
(後側固縛ベルト)
後側固縛ベルト32は、図12に示すように、後側ベルト本体32aと、連結ベルト部32bと、後側カバー部32cと、後側第一フック51と、後側第二フック52と、連結フック53を有する。
後側ベルト本体32aは、例えば、引張り強さに優れたポリエステル繊維を編んで、帯状に形成されており、ドラム31dに巻かれている。
また、後側ベルト本体32aの基端には、後側緊締具31が取り付けられている。
後側緊締具31は、積載車両Vの後輪タイヤTrを荷台3に締め付けて固定するための締付手段であり、荷台3の中心よりも後側において、左右に配置されている。
また、後側緊締具31は、図12に示すように、ハンドル31hと、ラチェット機構31tを備える。
ラチェット機構31tは、ドラム31dを備えており、作業者(運転者等)がハンドル31hを回転させる操作に連動して作動する。
連結ベルト部32bは、連結ベルト部32bの基端が、後側緊締具31に対して、後側ベルト本体32aとは反対側に連結されている。
後側カバー部32cは、後側ベルト本体32aのうち、後側第一フック51と後側緊締具31との間の位置に配置されている。また、後側カバー部32cは、後輪タイヤTrの外周面と接触して、後側第一フック51まで張力を伝えることで、後側ベルト本体32aと後輪タイヤTrとの間に発生する摩擦を軽減する。
後側第一フック51は、後側ベルト本体32aの先端部32sに連結されており、フック挿入孔65に取り付け可能な形状に形成されている。
また、後側第一フック51は、図12に示すように、本体部51hと、連結部51gと、軸部51jと、抜け止め部51sと、円板部51cを有する。
なお、本体部51hと本体部25h、連結部51gと連結部25g、軸部51jと軸部25j、抜け止め部51sと抜け止め部25s、円板部51c円板部25cは、それぞれ、同様の構成である。このため、本体部51h、連結部51g、軸部51j、抜け止め部51s、円板部51cに関する詳細な説明は、省略する。
後側第二フック52は、後側ベルト本体32aの途中部分において、後側カバー部32cと後側緊締具31との間の位置に装着されており、後側ベルト本体32aの長さ方向に沿って移動することが可能である。後側第二フック52の形状は、フック挿入孔65に取り付け可能な形状に形成されている。
また、後側第二フック52は、図12に示すように、本体部52hと、連結部52gと、軸部52jと、抜け止め部52sと、円板部52cを有する。
なお、本体部52hと本体部25h、連結部52gと連結部25g、軸部52jと軸部25j、抜け止め部52sと抜け止め部25s、円板部52c円板部25cは、それぞれ、同様の構成である。このため、本体部52h、連結部52g、軸部52j、抜け止め部52s、円板部52cに関する詳細な説明は、省略する。
また、後側第二フック52は、本体部52hと連結部52gとの間に挿入されることで、後側ベルト本体32aの長さ方向に沿って移動することが可能である。
したがって、後側固縛ベルト32は、一方の端部へ取り付けられた後側第一フック51と、両端部間を後側固縛ベルト32の長さ方向に沿って移動可能に前側固縛ベルト22へ取り付けられた後側第二フック52を備える。
以上説明したように、前側第一フック25と、前側第二フック26と、後側第一フック51と、後側第二フック52は、全て、同様の構成である。
したがって、前側第一フック25と、前側第二フック26と、後側第一フック51と、後側第二フック52は、共用することが可能である。
連結フック53は、緊締用環11に対して着脱することが可能な形状である鉤状に形成されており、連結ベルト部32bの先端に連結されている。そして、連結フック53を緊締用環11に取り付けた状態で、作業者がハンドル31hを回転させることで、後側固縛ベルト32を緊締することが可能である。
また、連結フック53には、開閉片53bが取り付けられている。
開閉片53bは、板状に形成されている。また、開閉片53bには、ばね(図示略)が取り付けられている。そして、開閉片53bは、無負荷の状態において、ばねが有する弾性力により、連結フック53が有する開口部分を覆うことで、連結フック53を閉じる位置に保持される。
以上説明したように、実施形態のタイヤ固縛装置(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)は、床板3fのうちタイヤ(前輪タイヤTf、後輪タイヤTr)が配置される領域に、タイヤの幅方向に沿った方向と、幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列された複数の固定孔が形成されている。これに加え、タイヤの幅方向と直交する方向に沿った方向に離隔して配置された二つの固定孔(前側固定孔70f、後側固定孔70r)のそれぞれに取り付けられ、且つ固縛ベルト(前側固縛ベルト22、後側固縛ベルト32)と共にタイヤを固縛する二つ一組の固縛治具(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)のそれぞれには、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に、固縛ベルトを取り付けるための構造が設けられている。
なお、実施形態では、固縛治具に設けた、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に固縛ベルトを取り付けるための構造を、一例として、複数のフック挿入孔65とする。
<治具ブラケット>
治具ブラケット9は、図13及び図14に示すように、フレーム部93と、二つの保持パイプ部94を備える。なお、一つの治具ブラケット9には、例えば、図15及び図16に示すように、一つの前側固縛治具60fと、二つの後側固縛治具60rが装着される。
フレーム部93は、方形の板材に対し、約90°の角度で二箇所を折り曲げた形状に形成されており、取り付け板部93aと、二箇所のフランジ部93bを有する。
取り付け板部93aは、平板状に形成されている。取り付け板部93aの厚さ方向は、腰板6の厚さ方向と平行である。
また、取り付け板部93aには、二つで一組として三組(合計六箇所)のフック保持孔95が形成されている。
フック保持孔95の形状は、前側固定孔70f及び後側固定孔70rと同じ形状である。
一組のフック保持孔95は、上下方向に配列されており、三組のフック保持孔95は、左右方向に配列されている。また、一組のフック保持孔95は、隣り合う前側固定孔70fの間隔、及び隣り合う後側固定孔70rの間隔と、同じ間隔を開けて配列されている。
二箇所のフランジ部93bは、それぞれ、長方形の平板状に形成されている。
フランジ部93bが有する長辺のうち一方は、取り付け板部93aのうち左右の端部と連続している。フランジ部93bが有する長辺のうち他方は、溶接等を用いて、腰板6に固定されている。
二つの保持パイプ部94は、それぞれ、円筒状に形成されている。保持パイプ部94の両端は、それぞれ、二箇所のフランジ部93bのうち、互いに対向する面に固定されている。
保持パイプ部94をフランジ部93bに固定する位置は、保持パイプ部94と腰板6との間に、治具フック部62を配置することが可能な隙間が形成される位置である。
二つの保持パイプ部94のうち一方は、一組のフック保持孔95のうち上方に配列されているフック保持孔95よりも下方に配置されている。二つの保持パイプ部94のうち他方は、一組のフック保持孔95のうち下方に配列されているフック保持孔95よりも下方に配置されている。
<固縛治具の、治具ブラケットへの着脱>
次に、図13から図16を参照して、前側固縛治具60fと後側固縛治具60rを治具ブラケット9から着脱させる動作について説明する。なお、前側固縛治具60fを治具ブラケット9から着脱させる動作と、後側固縛治具60rを治具ブラケット9から着脱させる動作は、同じ動作であるため、前側固縛治具60fを治具ブラケット9から着脱させる動作のみを説明する。
まず、前側固縛治具60fを治具ブラケット9に装着する動作について説明する。
前側固縛治具60fを治具ブラケット9に装着する際には、二つの治具フック部62を、それぞれ、フック掛部62bからフック基部62aの順番で、上方から一組のフック保持孔95へ挿入する。その際、シリンダ小径部67bが取り付け板部93aに押し付けられることで、コイルスプリング69が収縮するとともに、シリンダ小径部67bとロッド部68が後方(取り付け板部93aから離れる方向)へ移動する。ロッド部68が後方へ移動すると、ロッド大径部68aが上方へ移動して第一板部91aから離れる。
治具フック部62をフック保持孔95へ挿入した後、前側固縛治具60fを下方へ向けて移動させ、シリンダ小径部67bをフック保持孔95へ配置する。これに加え、取り付け板部93aの厚さ方向から見て、治具フック部62と保持パイプ部94が重なった状態とする。
このとき、取り付け板部93aと接触して後方へ移動していたロッド部68とシリンダ小径部67bは、シリンダ小径部67bがフック保持孔95へ配置されることで、コイルスプリング69の伸長に伴い前方へ移動する。ロッド部68が前方へ移動すると、ロッド大径部68aが下方へ移動して第一板部91aと接触する。
シリンダ小径部67bが前方へ移動すると、フック保持孔95の内部において、取り付け板部93aとシリンダ小径部67bが、上下方向から見て重なる。このため、前側固縛治具60fを上方へ移動させる力が加わった場合であっても、フック保持孔95の内部でシリンダ小径部67bが取り付け板部93aと接触する。これにより、取り付け板部93aの厚さ方向から見て、治具フック部62がフック保持孔95と完全に重なった状態とはならないため、前側固縛治具60fがフック保持孔95から外れることを抑制することが可能である。
次に、図13から図16を参照して、前側固縛治具60fを治具ブラケット9から離脱させる動作について説明する。
前側固縛治具60fを治具ブラケット9から離脱させる際には、グリップ部68dを後方へ引くことでコイルスプリング69を収縮させて、シリンダ小径部67bとロッド部68を後方へ移動させる。
そして、前側固縛治具60fを上方へ移動させ、治具フック部62を、フック基部62aからフック掛部62bの順番で、フック保持孔95から抜き出す。これにより、前側固縛治具60fをフック保持孔95から取り外し、前側固縛治具60fを治具ブラケット9から離脱させる。
<動作>
次に、タイヤ固縛装置(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)を用いたタイヤの固縛方法について説明する。
車両運搬車1に積載車両Vを積載する際には、後煽り4を開き位置に移動させた状態で、積載車両Vを荷台3の上まで走行させる、又は、ウインチを用いて積載車両Vを荷台3の上に牽引する。そして、図1に示すように、左右の前輪タイヤTfをタイヤ止めブロック23に接触させて積載車両Vを停車させ、荷台3の上に積載車両Vを積載する。その後、左右の前輪タイヤTfを前側タイヤ固縛装置20により荷台3に固縛し、左右の後輪タイヤTrを後側タイヤ固縛装置30により荷台3に固縛した後、後煽り4を閉じ位置に移動させる。
(前輪タイヤの固縛)
前輪タイヤTfを固縛する際は、前側タイヤ固縛装置20を用い、まず、二つの前側固縛治具60fを、それぞれ、前輪タイヤTfの外径に応じた位置に形成されているとともに、前輪タイヤTfの幅方向に沿って隣り合う2箇所の前側固定孔70fに取り付ける。
前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付ける際には、例えば、図1、図3、図5に示すように、タイヤ外周面Tsfの上側に載せた前側固縛ベルト22の両端が床板3fに対して垂直となる位置に、二つの前側固縛治具60fをそれぞれ配置する。そして、配置した二つの前側固縛治具60fを、前側固定孔70fに取り付ける。なお、図5では、説明のために、右側の前輪タイヤTfと、右側の後輪タイヤTrの図示を省略している。
すなわち、前側固縛治具60fは、複数の前側固定孔70fのうち、タイヤ外周面Tsfと接する接平面が床板3fに対して垂直となる位置に形成された前側固定孔70fに取り付けられる。
このため、前側第一フック25及び前側第二フック26を、両端部間を前輪タイヤTfの上側に載せた状態で前輪タイヤTfの外周面に沿って接触している前側固縛ベルト22を、真下に引くことが可能となる。
したがって、前側固縛ベルト22が、積載車両Vが備えるフェンダ等の部品と最も干渉しない位置に配置された状態で、前輪タイヤTfを固縛することが可能となる。
なお、以降の説明では、前輪タイヤTfの中心よりも後方に配置した前側固縛治具60fを、「一方の前側固縛治具60f」と記載し、前輪タイヤTfの中心よりも前方に配置した前側固縛治具60fを、「他方の前側固縛治具60f」と記載する場合がある。また、一方の前側固縛治具60fは、治具ブラケット9から離脱させた前側固縛治具60fである。
前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付ける際には、治具フック部62を、フック掛部62bからフック基部62aの順番で、上方から前側固定孔70fへ挿入する。その際、シリンダ小径部67bが床板3fに押し付けられることで、コイルスプリング69が収縮するとともに、シリンダ小径部67bとロッド部68が上方(床板3fから離れる方向)へ移動する。ロッド部68が上方へ移動すると、ロッド大径部68aが上方へ移動して第一板部91aから離れる。
治具フック部62を前側固定孔70fへ挿入した後、前側固縛治具60fを中心線CLへ向けて移動させ、シリンダ小径部67bを前側固定孔70fへ配置するとともに、床板3fの厚さ方向から見て、治具フック部62と前側補強部材80fが重なった状態とする。
すなわち、前側固縛治具60fは、治具フック部62を前側固定孔70fに挿入した状態で前輪タイヤTfの幅方向に沿って移動させることで、前側固定孔70fに取り付けられる。
具体的に、前側固縛治具60fは、治具フック部62を前側固定孔70fに挿入した状態で、前輪タイヤTfの幅方向に沿って移動させることで、治具本体部61と治具フック部62との間に床板3fが配置された状態である固定状態となる。
また、複数(二つ)の治具フック部62は、前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列された状態で、複数の前側固定孔70fのうち前輪タイヤTfの幅方向に沿って配列された複数(二つ)の前側固定孔70fに挿入される。
このとき、床板3fと接触して上方へ移動していたロッド部68とシリンダ小径部67bは、シリンダ小径部67bが前側固定孔70fへ配置されることで、コイルスプリング69の伸長に伴い下方へ移動する。ロッド部68が下方へ移動すると、ロッド大径部68aが下方へ移動して第一板部91aと接触する。
シリンダ小径部67bが下方へ移動すると、前側固定孔70fの内部において、床板3fとシリンダ小径部67bが、左右方向から見て重なる。このため、前側固縛治具60fを中心線CLから離れる方向へ移動させる力が加わった場合であっても、前側固定孔70fの内部でシリンダ小径部67bが床板3fと接触する。これにより、床板3fの厚さ方向から見て、治具フック部62が前側固定孔70fと完全に重なった状態とはならないため、前側固縛治具60fが前側固定孔70fから外れることを、抑制することが可能である。
したがって、位置保持部63は、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付けた状態である固定状態を保持する。さらに、位置保持部63は、固定状態で、前側固定孔70fへ配置される。
次に、一方の前側固縛治具60fに形成されている三箇所のフック挿入孔65のうち、選択した一箇所のフック挿入孔65に、前側第一フック25が有する抜け止め部25sを挿入し、保持孔64aの内部に円板部25cを配置する。なお、一方の前側固縛治具60fに対し、一箇所のフック挿入孔65を選択する際には、例えば、前輪タイヤTfを固縛する状態に応じて、適切な位置(例えば、三箇所のうち中心)に配置されているフック挿入孔65を選択する。
さらに、前側第一フック25を軸部25jの周方向に回転させ、床板3fの厚さ方向から見て、一方の前側固縛治具60fが備える治具本体部61と、前側第一フック25が有する抜け止め部25sとが重なった状態とする。
床板3fの厚さ方向から見て、治具本体部61と抜け止め部25sとが重なった状態とすると、前側第一フック25を前側固縛治具60fから離脱させる力が発生した場合であっても、抜け止め部25sが下方から治具本体部61と接触する。このため、抜け止め部25sにより、前側固縛治具60fからの前側第一フック25の離脱を防止することが可能となる。
したがって、前側第一フック25は、前側第一フック25をフック挿入孔65に取り付け、前側固縛ベルト22の幅方向を前輪タイヤTfの幅方向と平行に向けた状態で、前側固縛治具60fからの前側第一フック25の離脱を防止する抜け止め部25sを備える。
その後、図3に示すように、タイヤ外周面Tsfの上側に前側カバー部22bを載せる。そして、他方の前側固縛治具60fに形成されている三箇所のフック挿入孔65のうち、選択した一箇所のフック挿入孔65に、前側第二フック26が有する抜け止め部26sを挿入し、保持孔64aの内部に円板部26cを配置する。なお、他方の前側固縛治具60fに対しても、一方の前側固縛治具60fと同様に、一箇所のフック挿入孔65を選択する際には、例えば、前輪タイヤTfを固縛する状態に応じて、適切な位置に配置されているフック挿入孔65を選択する。
さらに、前側第二フック26を軸部26jの周方向に回転させ、床板3fの厚さ方向から見て、他方の前側固縛治具60fが備える治具本体部61と、前側第二フック26が有する抜け止め部26sとが重なった状態とする。
したがって、前側第一フック25及び前側第二フック26は、前輪タイヤTfの幅方向に沿って移動させることで、前輪タイヤTfを固縛する位置を設定することが可能である。
次に、前側ベルト本体22aの基端22kを前方へ移動させ、連結環22fをフック27fに連結させた後、ハンドル27hを回転させて、前側固縛ベルト22を緊締する。
前側固縛ベルト22を緊締すると、前側カバー部22bが外周面Tsfと接触した状態で、左右の前輪タイヤTfを、それぞれ、床板3fに締め付けて固定することが可能となる。
これにより、前側第一フック25は、前側固縛ベルト22が発生させる緊締力により、前側固縛ベルト22の姿勢が床板3fに対して垂直になる位置で、一方の前側固縛治具60fに保持される。
これに加え、前側第二フック26は、前側固縛ベルト22が発生させる緊締力により、前側固縛ベルト22の姿勢が床板3fに対して垂直になる位置で、他方の前側固縛治具60fに保持される。
したがって、前側固縛ベルト22は、一方の端部が一方の前側固縛治具60fに接続されるとともに、両端部間の一部が外周面Tsfと接触した状態で、他方の端部が他方の前側固縛治具60fを介して前側緊締具27へ接続される。
次に、前側タイヤ固縛装置20による前輪タイヤTfの固縛を解除する手順について説明する。
前輪タイヤTfの固縛を解除する際は、まず、ハンドル27hを回転させて、前側固縛ベルト22を緩める。
さらに、前側第二フック26を軸部26jの周方向に回転させ、抜け止め部26sを、他方の前側固縛治具60fに形成されているフック挿入孔65から抜き出す。また、前側第一フック25を軸部25jの周方向に回転させ、抜け止め部25sを、一方の前側固縛治具60fに形成されているフック挿入孔65から抜き出す。
その後、前側固縛ベルト22を前輪タイヤTfから取り外す。前輪タイヤTfから取り外した前側固縛ベルト22は、例えば、助手席等に収納する。
次に、一方の前側固縛治具60fに対し、例えば、親指を第三板部91cに当てた状態で、親指以外の指でグリップ部68dを引っ張ってコイルスプリング69を収縮させる操作を行うことで、シリンダ小径部67bとロッド部68を上方へ移動させる。
そして、一方の前側固縛治具60fを中心線CLから離れる方向へ移動させる。これにより、治具フック部62を、フック基部62aからフック掛部62bの順番で、前側固定孔70fから抜き出して、一方の前側固縛治具60fを前側固定孔70fから取り外し、前輪タイヤTfの固縛を解除する。
すなわち、前側固縛治具60fは、治具フック部62を前側固定孔70fに挿入した状態で前輪タイヤTfの幅方向に沿って移動させることで、固定状態と離脱状態とを変化可能である。離脱状態は、治具本体部61と治具フック部62との間に床板3fが配置されていない状態であり、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付けていない状態である。
前側固定孔70fから取り外した一方の前側固縛治具60fは、治具ブラケット9に装着する。他方の前側固縛治具60fは、前側固定孔70fに取り付けておいてもよく、また、前側固定孔70fから取り外して、助手席等に収納してもよい。
(後輪タイヤの固縛)
後輪タイヤTrを固縛する際は、後側タイヤ固縛装置30を用い、まず、二つの後側固縛治具60rを、それぞれ、後輪タイヤTrの外径に応じた位置に形成されているとともに、後輪タイヤTrの幅方向に沿って隣り合う2箇所の後側固定孔70rに取り付ける。
後側固縛治具60rを後側固定孔70rに取り付ける際には、例えば、図1や図5に示すように、タイヤ外周面Tsrの上側に載せた後側固縛ベルト32の両端が床板3fに対して垂直となる位置に、二つの後側固縛治具60rをそれぞれ配置する。そして、配置した二つの後側固縛治具60rを、後側固定孔70rに取り付ける。
なお、以降の説明では、後輪タイヤTrの中心よりも前方に配置した後側固縛治具60rを、「一方の後側固縛治具60r」と記載し、後輪タイヤTrの中心よりも後方に配置した後側固縛治具60rを、「他方の後側固縛治具60r」と記載する場合がある。また、二つの後側固縛治具60rは、共に、治具ブラケット9から離脱させて、後側固定孔70rに取り付ける。
後側固縛治具60rを後側固定孔70rに取り付ける際には、前側固縛治具60fを前側固定孔70fに取り付ける際と同様の作業を行い、床板3fの厚さ方向から見て、治具フック部62と後側補強部材が重なった状態とする。
このとき、後側固定孔70rの内部において、床板3fとシリンダ小径部67bが、左右方向から見て重なる。このため、後側固縛治具60rを中心線CLから離れる方向へ移動させる力が加わった場合であっても、後側固定孔70rの内部でシリンダ小径部67bが床板3fと接触する。これにより、床板3fの厚さ方向から見て、治具フック部62が後側固定孔70rと完全に重なった状態とはならないため、後側固縛治具60rが後側固定孔70rから外れることを抑制することが可能である。
次に、一方の後側固縛治具60rに形成されている三箇所のフック挿入孔65のうち、選択した一箇所のフック挿入孔65に、後側第一フック51が有する抜け止め部51sを挿入し、保持孔64aの内部に円板部51cを配置する。なお、一方の後側固縛治具60rに対し、一箇所のフック挿入孔65を選択する際には、例えば、後輪タイヤTrを固縛する状態に応じて、適切な位置(例えば、三箇所のうち中心)に配置されているフック挿入孔65を選択する。
さらに、後側第一フック51を軸部51jの周方向に回転させ、床板3fの厚さ方向から見て、一方の後側固縛治具60rが備える治具本体部61と、後側第一フック51が有する抜け止め部51sとが重なった状態とする。
その後、タイヤ外周面Tsrの上側に後側カバー部32cを載せる。そして、他方の後側固縛治具60rに形成されている三箇所のフック挿入孔65のうち、選択した一箇所のフック挿入孔65に、後側第二フック52が有する抜け止め部52sを挿入し、保持孔64aの内部に円板部52cを配置する。なお、他方の後側固縛治具60rに対しても、一方の後側固縛治具60rと同様に、一箇所のフック挿入孔65を選択する際には、例えば、後輪タイヤTrを固縛する状態に応じて、適切な位置に配置されているフック挿入孔65を選択する。
さらに、後側第二フック52を軸部52jの周方向に回転させ、床板3fの厚さ方向から見て、他方の後側固縛治具60rが備える治具本体部61と、後側第二フック52が有する抜け止め部52sとが重なった状態とする。
次に、連結フック53を緊締用環11に取り付けた後、ハンドル31hを回転させて、後側固縛ベルト32を緊締する。
後側固縛ベルト32を緊締すると、後側カバー部32cが外周面Tsrと接触した状態で、左右の後輪タイヤTrを、それぞれ、床板3fに締め付けて固定することが可能となる。
これにより、後側第一フック51は、後側固縛ベルト32が発生させる緊締力により、後側固縛ベルト32の姿勢が床板3fに対して垂直になる位置で、一方の後側固縛治具60rに保持される。
これに加え、後側第二フック52は、後側固縛ベルト32が発生させる緊締力により、後側固縛ベルト32の姿勢が床板3fに対して垂直になる位置で、他方の後側固縛治具60rに保持される。
したがって、後側固縛ベルト32は、一方の端部が一方の後側固縛治具60rに接続されるとともに、両端部間の一部が外周面Tsrと接触した状態で、他方の端部が他方の後側固縛治具60rを介して後側緊締具31へ接続される。
次に、後側タイヤ固縛装置30による後輪タイヤTrの固縛を解除する手順について説明する。
後輪タイヤTrの固縛を解除する際は、まず、ハンドル31hを回転させて、後側固縛ベルト32を緩める。
さらに、後側第二フック52を軸部52jの周方向に回転させ、抜け止め部52sを、他方の後側固縛治具60rに形成されているフック挿入孔65から抜き出す。また、後側第一フック51を軸部51jの周方向に回転させ、抜け止め部51sを、一方の後側固縛治具60rに形成されているフック挿入孔65から抜き出す。
その後、後側固縛ベルト32を後輪タイヤTrから取り外す。後輪タイヤTrから取り外した後側固縛ベルト32は、例えば、助手席等に収納する。
次に、二つの後側固縛治具60rに対し、それぞれ、例えば、親指を第三板部91cに当てた状態で、親指以外の指でグリップ部68dを引っ張ってコイルスプリング69を収縮させる操作を行うことで、シリンダ小径部67bとロッド部68を上方へ移動させる。
そして、二つの後側固縛治具60rを、それぞれ、中心線CLから離れる方向へ移動させ、治具フック部62を、フック基部62aからフック掛部62bの順番で、後側固定孔70rから抜き出して、後輪タイヤTrの固縛を解除する。後側固定孔70rから取り外した二つの後側固縛治具60rは、治具ブラケット9に装着する。
<実施形態の作用及び効果>
実施形態のタイヤ固縛装置(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)であれば、以下の作用及び効果を奏することが可能である。
(1)床板3fのうちタイヤ(前輪タイヤTf、後輪タイヤTr)が配置される領域に、タイヤの幅方向に沿った方向と、幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列された複数の固定孔が形成されている。これに加え、タイヤの幅方向と直交する方向に沿った方向に離隔して配置された二つの固定孔(前側固定孔70f、後側固定孔70r)のそれぞれに取り付けられ、且つ固縛ベルト(前側固縛ベルト22、後側固縛ベルト32)と共にタイヤを固縛する二つ一組の固縛治具(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)のそれぞれには、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に、固縛ベルトを取り付けるための構造が設けられている。
このため、床板3fに配置された複数の固定孔から、タイヤの幅方向に沿った方向と、タイヤの幅方向と直交する方向に沿った方向において、タイヤの固縛に適した位置の固定孔を選択することが可能となる。これに加え、固縛ベルトを取り付けるための構造の一例である複数のフック挿入孔65のうち、タイヤの幅方向において、タイヤの固縛に適した位置のフック挿入孔65を選択することが可能となる。
その結果、床板3fに配置された複数の固定孔から選択した固定孔と、固縛治具に形成されているフック挿入孔65との組み合わせにより、タイヤを固縛する位置の自由度を向上させることが可能となる。
したがって、ホイールベースやタイヤの大きさが異なる多種多様な車両に対して適用するために、床板3fに多くの開口部を形成する必要が無くなり、床板3fを補強する構造を追加する必要が無い。
これにより、タイヤを固縛する位置の自由度を低下させることなく、重量の増加を抑制することが可能なタイヤ固縛装置を提供することが可能となる。
(2)複数の固定孔(前側固定孔70f、後側固定孔70r)が、床板3fのうちタイヤ(前輪タイヤTf、後輪タイヤTr)が配置される領域に配置され、且つタイヤの幅方向に沿った方向と、タイヤの幅方向と直交する方向に沿った方向とに配列されている。また、固縛ベルト(前側固縛ベルト22、後側固縛ベルト32)が、第一フック(前側第一フック25、後側第一フック51)と第二フック(前側第二フック26、後側第二フック52)を備える。これに加え、固縛治具(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)には、第一フック又は第二フックを取り付け可能な複数のフック挿入孔65が形成されている。そして、複数のフック挿入孔65は、固縛治具を固定孔に取り付けた状態で、タイヤの幅方向に沿って配列されている。
このため、床板3fに配置された複数の固定孔から、タイヤの幅方向に沿った方向と、タイヤの幅方向と直交する方向に沿った方向において、タイヤの固縛に適した位置の固定孔を選択することが可能となる。これに加え、固縛治具に形成されている複数のフック挿入孔65のうち、タイヤの幅方向において、タイヤの固縛に適した位置のフック挿入孔65を選択することが可能となる。
その結果、床板3fに配置された複数の固定孔から選択した固定孔と、固縛治具に形成されているフック挿入孔65との組み合わせにより、タイヤを固縛する位置の自由度を向上させることが可能となる。
したがって、ホイールベースやタイヤの大きさが異なる多種多様な車両に対して適用するために、床板3fに多くの開口部を形成する必要が無くなり、床板3fを補強する構造を追加する必要が無い。
これにより、タイヤを固縛する位置の自由度を低下させることなく、重量の増加を抑制することが可能なタイヤ固縛装置を提供することが可能となる。
(3)固縛治具は、表面にフック挿入孔65が形成され、且つ裏面が固縛治具を固定孔に取り付けた状態で床板3fの表面と対向する治具本体部61と、固縛治具を固定孔に取り付けた状態で床板3fの裏面3rと対向する治具フック部62を備える。これに加え、固縛治具は、治具フック部62を固定孔に挿入した状態でタイヤの幅方向に沿って移動させることで、固定状態と離脱状態とを変化可能である。
このため、固縛治具を固定孔に取り付けた状態では、治具本体部61が床板3fの表面と対向し、治具フック部62が裏面3rと対向した状態となるため、固縛治具によって床板3fを挟んだ状態となる。
その結果、治具本体部61と治具フック部62により、固縛治具を固定孔に取り付けた状態を安定させることが可能となる。
(4)固縛治具は、複数の治具フック部62を備える。また、複数の治具フック部62は、タイヤの幅方向に沿って配列された状態で、複数の固定孔のうちタイヤの幅方向に沿って配列された複数の固定孔に挿入される。
このため、固縛治具を固定孔に取り付けた状態において、床板3fの厚さ方向から見て、固縛治具を回転させる方向への力が加わった場合であっても、複数の治具フック部62によって固縛治具の変位を抑制することが可能となる。
その結果、タイヤの幅方向に沿って配列された複数の治具フック部62により、固縛治具を固定孔に取り付けた状態を安定させることが可能となる。
(5)固縛治具は、治具本体部61の表面に取り付けられた板状の保持板部64をさらに備える。また、保持板部64には、保持板部64の厚さ方向から見てフック挿入孔65と重なり、且つ保持板部64の厚さ方向から見てフック挿入孔65を包囲する円形の保持孔64aが形成されている。そして、第一フック及び第二フックのうち少なくとも一方のフックは、フック挿入孔65に取り付けた状態で保持孔64aの内部に配置される円形の円板部を備える。
その結果、フックをフック挿入孔65に取り付けた状態で、円板部の外周面が保持孔64aの内周面と対向するため、固縛治具に対してフックが変位した場合であっても、円板部が保持孔64aの内周面と接触することで、フックの変位を抑制することが可能となる。
(6)固縛治具は、固縛治具を固定孔に取り付けた状態を保持する位置保持部63をさらに備える。また、位置保持部63は、固縛治具を固定孔に取り付けた状態で、固定孔へ配置される。
その結果、固縛治具を固定孔に取り付けた状態では、位置保持部63により、固縛治具を固定孔に取り付けた状態を保持することが可能となり、タイヤを固縛した状態の安定性を向上させることが可能となる。
(7)第一フック及び第二フックのうち少なくとも一方のフックは、固縛治具から離脱を防止する抜け止め部(抜け止め部25s、抜け止め部26s、抜け止め部51s、抜け止め部52s)を備える。
このため、床板3fの厚さ方向から見て、治具本体部61と抜け止め部とが重なった状態とすると、固縛ベルトを緊張させる力が発生し、フックを固縛治具から離脱させる力が発生した場合であっても、抜け止め部が治具本体部61と接触する。
その結果、タイヤを固縛した状態において、抜け止め部により、固縛治具からのフックの離脱を防止することが可能となる。
(8)タイヤ(前輪タイヤTf、後輪タイヤTr)の幅方向に沿って配列されている隣り合う固定孔(前側固定孔70f、後側固定孔70r)の間隔は、タイヤの幅方向に沿って配列されている隣り合うフック挿入孔65の間隔よりも広い。
このため、複数の固定孔から、タイヤの幅方向に沿った方向において、タイヤの固縛に適した位置の固定孔を選択した後、複数のフック挿入孔65から、タイヤの幅方向において、タイヤの固縛に適した詳細な位置のフック挿入孔65を選択することが可能となる。
その結果、複数の固定孔から選択した固定孔と、複数のフック挿入孔65から選択したフック挿入孔65との組み合わせにより、タイヤを固縛する位置を選択する自由度を向上させることが可能となる。
また、実施形態のタイヤ固縛装置(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)を備える車両運搬車であれば、以下の作用及び効果を奏することが可能である。
(9)車両運搬車1が、タイヤ固縛装置(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)を備える。
このため、床板3fに配置された複数の固定孔から選択した固定孔と、固縛治具に形成されているフック挿入孔65との組み合わせにより、タイヤを固縛する位置の自由度を向上させることが可能となる。
その結果、ホイールベースやタイヤの大きさが異なる多種多様な車両に対して適用するために、床板3fに多くの開口部を形成する必要が無くなり、床板3fを補強する構造を追加する必要が無い。
したがって、タイヤを固縛する位置の自由度を低下させることなく、重量の増加を抑制することが可能な車両運搬車1を提供することが可能となる。
<変形例>
(1)実施形態では、タイヤ固縛装置(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)を、車両運搬車1の荷台3に装備した構成を説明したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、タイヤ固縛装置は、固縛の対象となるタイヤを、緊締具を用いて床板に固縛する構成であれば、種々の乗り物に適用することが可能である。したがって、タイヤ固縛装置は、例えば、船や航空機等に適用することも可能である。
(2)実施形態では、床板3fに前側固定孔70f及び後側固定孔70rを形成した場合を説明したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、床板3fに、前側固定孔70fのみを形成、又は、後側固定孔70rのみを形成してもよい。
(3)実施形態では、腰板6に取り付けた治具ブラケット9に、前側固縛治具60fと後側固縛治具60rを取り付ける構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、腰板6に、フック保持孔95と同様の開口部を形成し、さらに、腰板6のうち前方を向く面に、保持パイプ部94を固定した構成としてもよい。なお、腰板6は、ボルトの取り外しによって交換が可能であるため、治具ブラケット9を取り付けた腰板6と、治具ブラケット9を取り付けていない腰板6とを、必要に応じて交換することが可能である。
(4)実施形態では、前側タイヤ固縛装置20の構成を、タイヤ止めブロック23を備える構成としたが、これに限定するものではなく、前側タイヤ固縛装置20の構成を、タイヤ止めブロック23を備えていない構成としてもよい。
(5)実施形態では、固縛治具に設けた、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に固縛ベルトを取り付けるための構造を、複数のフック挿入孔65としたが、これに限定するものではない。すなわち、固縛治具に設けた、タイヤの幅方向に沿った複数の位置に固縛ベルトを取り付けるための構造を、例えば、磁力を用いた構成により、第一フック及び第二フックを固縛治具に取り付けることが可能な構造としてもよい。
(6)実施形態では、治具ブラケット9の構成を、フレーム部93と、二つの保持パイプ部94を備える構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、治具ブラケット9の構成を、例えば、図17から図19に示すように、フレーム部93と、一つの保持プレート部95と、一つの保持パイプ部94を備える構成としてもよい。なお、図17(b)は、図17(a)のB線矢視図である。また、図18(b)は、図18(a)のB線矢視図である。
一つの保持プレート部95は、一組のフック保持孔95のうち上方に配列されているフック保持孔95よりも下方に配置されている。
また、保持プレート部95は、長方形の板材に対し、長辺と平行な二箇所を折り曲げた形状に形成されている。保持プレート部95を形成する板材の短辺は、それぞれ、二箇所のフランジ部93bのうち、互いに対向する面に固定されている。
また、保持プレート部95は、板材の二箇所を折り曲げることで形成された、第一保持部95aと、第二保持部95bと、傾斜端部95cを有する。
第一保持部95aは、固縛治具(前側タイヤ固縛装置20、後側タイヤ固縛装置30)を治具ブラケット9に装着した状態で、フック基部62aと対向する。
第二保持部95bは、第一保持部95aに対して約90°の角度で折り曲げられており、固縛治具を治具ブラケット9に装着した状態で、フック掛部62bと対向する。
傾斜端部95cは、第二保持部95bに対して90°よりも大きい角度で折り曲げられており、取り付け板部93aから腰板6へ近づくにつれて、下方へ近づくように傾斜している。
一つの保持パイプ部94は、一組のフック保持孔95のうち下方に配列されているフック保持孔95よりも下方に配置されている。
一つの保持パイプ部94をフランジ部93bに固定する位置は、保持パイプ部94と腰板6との間に、治具フック部62を配置することが可能な隙間が形成される位置である。
(7)実施形態では、治具ブラケット9の構成を、取り付け板部93aに三組のフック保持孔95が形成されている構成として、一つの治具ブラケット9に、一つの前側固縛治具60fと、二つの後側固縛治具60rが装着される構成とした。しかしながら、治具ブラケット9の構成は、これに限定するものではない。すなわち、治具ブラケット9の構成を、例えば、図17(a)に示すように、取り付け板部93aに四組のフック保持孔95が形成されている構成として、一つの治具ブラケット9に、二つの前側固縛治具60fと、二つの後側固縛治具60rが装着される構成としてもよい。
(8)実施形態では、治具ブラケット9の構成を、フレーム部93の一部が、溶接等を用いて腰板6に固定されている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、治具ブラケット9の構成を、例えば、図17及び図18に示すように、フレーム部93の一部が、ボルト(図示略)とナット96を用いて、腰板(図示略)に固定されている構成としてもよい。
具体的には、フレーム部93の構成を、取り付け板部93aと、二箇所のフランジ部93bと、二箇所のブラケット平板部93cを有する構成とする。
二箇所のブラケット平板部93cは、それぞれ、長方形の平板状に形成されている。また、ブラケット平板部93cの厚さ方向は、腰板6の厚さ方向と平行である。
ブラケット平板部93cが有する長辺のうち一方は、フランジ部93bのうち取り付け板部93aと連続する端部とは反対側の端部と連続している。フランジ部93bが有する長辺のうち他方は、溶接等を用いて、腰板6に固定されている。
また、ブラケット平板部93cには、ボルトを挿入する二箇所のボルト孔(図示略)が形成されている。
1 車両運搬車
2 シャシフレーム
3 荷台
3f 床板
4 後煽り
5 鳥居フレーム
6 腰板
7 鏡板
8 荷台昇降装置
9 治具ブラケット
10 クロスフレーム
11 緊締用環
20 前側タイヤ固縛装置(タイヤ固縛装置)
21 牽引装置
22 前側固縛ベルト
23 タイヤ止めブロック
25 前側第一フック
26 前側第二フック
27 前側緊締具
30 後側タイヤ固縛装置(タイヤ固縛装置)
31 後側緊締具
32 後側固縛ベルト
51 後側第一フック
52 後側第二フック
60f 前側固縛治具
60r 後側固縛治具
61 治具本体部
62 治具フック部
62a フック基部
62b フック掛部
63 位置保持部
64 保持板部
65 フック挿入孔
66 ブラケット部
67 シリンダ部
68 ロッド部
69 コイルスプリング
70f 前側固定孔
70r 後側固定孔
80f 前側補強部材
V 積載車両
Tf 前輪タイヤ
Tr 後輪タイヤ

Claims (9)

  1. 固縛の対象となるタイヤを、緊締具を用いて床板に固縛するためのタイヤ固縛装置であって、
    前記床板のうち前記タイヤが配置される領域に、前記タイヤの幅方向に沿った方向と、前記幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列された複数の固定孔が形成されているとともに、前記幅方向と直交する方向に沿った方向に離隔して配置された二つの前記固定孔のそれぞれに取り付けられ、且つ固縛ベルトと共に前記タイヤを固縛する二つ一組の固縛治具のそれぞれには、前記タイヤの幅方向に沿った複数の位置に、前記固縛ベルトを取り付けるための構造が設けられているタイヤ固縛装置。
  2. 固縛の対象となるタイヤを、緊締具を用いて床板に固縛するためのタイヤ固縛装置であって、
    前記床板に形成された複数の固定孔と、
    前記固定孔に取り付け可能な二つ一組の固縛治具と、
    一方の端部が前記一組の固縛治具のうち一方に接続されるとともに、両端部間の一部が前記タイヤの外周面と接触した状態で、他方の端部が前記一組の固縛治具のうち他方を介して前記緊締具へ接続される固縛ベルトと、を備え、
    前記複数の固定孔は、前記床板のうち前記タイヤが配置される領域に配置され、且つ前記タイヤの幅方向に沿った方向と、前記幅方向と直交する方向に沿った方向と、に配列され、
    前記固縛ベルトは、前記一方の端部へ取り付けられた第一フックと、前記両端部間を前記固縛ベルトの長さ方向に沿って移動可能に固縛ベルトへ取り付けられた第二フックと、を備え、
    前記固縛治具には、前記第一フック又は前記第二フックを取り付け可能な複数のフック挿入孔が形成され、
    前記複数のフック挿入孔は、前記固縛治具を前記固定孔に取り付けた状態で前記タイヤの幅方向に沿って配列されているタイヤ固縛装置。
  3. 前記固縛治具は、
    表面に前記フック挿入孔が形成され、且つ裏面が前記固縛治具を前記固定孔に取り付けた状態で前記床板の前記タイヤを配置する面と対向する治具本体部と、前記固縛治具を前記固定孔に取り付けた状態で前記床板の前記治具本体部と対向する面とは反対の面と対向する治具フック部と、を備え、
    前記治具フック部を前記固定孔に挿入した状態で前記タイヤの幅方向に沿って移動させることで、前記治具本体部と前記治具フック部との間に前記床板が配置された状態である固定状態と、前記治具本体部と前記治具フック部との間に前記床板が配置されていない状態である離脱状態と、を変化可能である請求項2に記載したタイヤ固縛装置。
  4. 前記固縛治具は、複数の前記治具フック部を備え、
    前記複数の治具フック部は、前記タイヤの幅方向に沿って配列された状態で、前記複数の固定孔のうち前記タイヤの幅方向に沿って配列された複数の固定孔に挿入される請求項3に記載したタイヤ固縛装置。
  5. 前記固縛治具は、前記表面に取り付けられた板状の保持板部をさらに備え、
    前記保持板部には、前記保持板部の厚さ方向から見て前記フック挿入孔と重なり、且つ前記保持板部の厚さ方向から見て前記フック挿入孔を包囲する円形の保持孔が形成され、
    前記第一フック及び前記第二フックのうち少なくとも一方のフックは、前記フック挿入孔に取り付けた状態で前記保持孔の内部に配置される円形の円板部を備える請求項3又は請求項4に記載したタイヤ固縛装置。
  6. 前記固縛治具は、前記固定状態を保持する位置保持部をさらに備え、
    前記位置保持部は、前記固定状態で前記固定孔へ配置される請求項3から請求項5のうちいずれか1項に記載したタイヤ固縛装置。
  7. 前記第一フック及び前記第二フックのうち少なくとも一方のフックは、前記少なくとも一方のフックを前記フック挿入孔に取り付け、且つ前記固縛ベルトの幅方向を前記タイヤの幅方向と平行に向けた状態で前記固縛治具からの前記少なくとも一方のフックの離脱を防止する抜け止め部を備える請求項2から請求項6のうちいずれか1項に記載したタイヤ固縛装置。
  8. 前記タイヤの幅方向に沿って配列されている隣り合う前記固定孔の間隔は、前記タイヤの幅方向に沿って配列されている隣り合う前記フック挿入孔の間隔よりも広い請求項2から請求項7のうちいずれか1項に記載したタイヤ固縛装置。
  9. 請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載したタイヤ固縛装置を備える車両運搬車。
JP2021087083A 2021-05-24 2021-05-24 タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車 Pending JP2022180147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021087083A JP2022180147A (ja) 2021-05-24 2021-05-24 タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021087083A JP2022180147A (ja) 2021-05-24 2021-05-24 タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022180147A true JP2022180147A (ja) 2022-12-06

Family

ID=84327343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021087083A Pending JP2022180147A (ja) 2021-05-24 2021-05-24 タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022180147A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7428333B1 (ja) 2023-03-13 2024-02-06 株式会社Alfa 車輪固縛装置及び車輪固縛方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7428333B1 (ja) 2023-03-13 2024-02-06 株式会社Alfa 車輪固縛装置及び車輪固縛方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8998253B2 (en) Folding cab frame
US8475096B2 (en) Tonneau cover cargo containment track rail system
US10994664B2 (en) Holding apparatus and method of fixing mounting stand for use in vehicle test
US9016990B2 (en) Portable and removable anchor for truck bed slots
US10647243B2 (en) Under-floor truck deck tie-down device and truck deck and truck having the same
JP2022180147A (ja) タイヤ固縛装置、タイヤ固縛装置を備える車両運搬車
JPH0248250A (ja) シートベルト装置及び該装置を改良するキット
US20060017301A1 (en) Retention system for a spare tire
KR20180078137A (ko) 소형 픽업트럭의 적재함 시공방법 및 그에 따라 제조된 소형 픽업트럭의 적재함
US20220288984A1 (en) Displaceable tow hook
CN217396659U (zh) 汽车后备箱盖板、汽车后备箱及汽车
US6702317B2 (en) Apparatus for temporarily retaining a component within a vehicle passenger compartment
WO2018021157A1 (ja) 歩行型作業機のバンパ部ロープフック構造
US7845886B2 (en) Tiedown system
JP7337467B1 (ja) 転落防止補助具
US11897417B2 (en) Safety belt and safety harness separating and fastening system
KR20190141897A (ko) 탈착시트의 록킹 장치 및 탈착 방법
JP2006096235A (ja) 自動車の下部車体構造
JP4163601B2 (ja) 車両運搬車
JP2018020728A (ja) タイヤ固縛装置およびこれを備える車両運搬車
JP7264040B2 (ja) 車両用車椅子固定装置
JPH0724647U (ja) 組立式車両用ベッド
JP2006232202A (ja) 車両運搬船の車両固定構造および車両固定方法
JP4104929B2 (ja) ストライカーを備えたブレーキ装置
JPS60131378A (ja) 車両用タイダウンフツク

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20240403