JP2022179400A - 光学用粘着シート、光学積層体、及び画像表示装置 - Google Patents

光学用粘着シート、光学積層体、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シート、光学積層体を提供すること。【解決手段】本発明の光学用粘着シートは、第1面1aおよび第2面1bを有する基材1と、前記基材1の第1面1aに粘着剤層2が積層された積層構造を有する。粘着剤層2は、帯電防止剤と、アクリル系ポリマー(A)、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物とを含有する粘着剤組成物により形成される。前記帯電防止剤が、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光学用粘着シート、光学積層体、及び画像表示装置に関する。より詳細には、帯電防止性に優れる粘着剤層を積層構造に有する光学用粘着シート、該光学用粘着シートと光学部材とが積層された光学積層体、及び該光学用粘着シートと画像表示パネルとが積層された画像表示装置に関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置や、タッチパネル等の入力装置が広く用いられている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合わせる用途に粘着シートが使用されている。例えば、タッチパネル等の各種表示装置における光学部材の貼り合わせには、透明な粘着シートが使用されている。近年、生産効率の向上のため、偏光フィルム、位相差フィルム、カバーガラス等の透明カバー部材、その他種々の光学部材に粘着剤層を積層させた光学用粘着シートとして移送することが広く行われている。
これらの表示装置や入力装置の製造において、上記の光学用粘着シートを表示装置に貼り付ける際には、粘着剤層を保護している剥離シートが剥がされるが、その際に粘着剤層に静電気が発生する。発生した静電気は、表示装置の表示セルの配向性などに影響を与え、表示不良を起こす原因となる。このような静電気の発生を抑制する手段として、粘着剤層の表面抵抗率を低減するために帯電防止剤が配合されている(例えば、特許文献1~3)。
特開2020-187365号公報 特開2019-56115号公報 WO2018/008712号公報
近年、高画質化により、高密度化された表示セルを有する表示装置が受ける静電気の影響が大きくなっており、静電気を効率的に除去するため、粘着シートの表面抵抗率をさらに低減すること(例えば、1010Ω/□程度)が求められている。また、表示装置の薄型化、軽量化の要請から、粘着シートの薄型化も要求されており、表面抵抗率が低い薄型の粘着シートを実現するために多量の帯電防止剤を配合することが求められている。
しかしながら、粘着剤層に多量の帯電防止剤を配合すると、粘着剤層との相溶性が低下したり、粘着剤層表面で帯電防止剤が析出して、特に湿熱環境下で白濁などの透明性や外観に不良が生じることがある。また、湿熱環境下で発泡や剥がれなどが発生して、耐久性に問題が生じる場合がある。
従って、本発明の目的は、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートと、光学部材とが積層された光学積層体を提供することである。
また、本発明の他の目的は、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートと、画像表示パネルとが積層された画像表示装置を提供することである。
そこで、本発明者等が、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、光学用粘着シートが積層構造に有する粘着剤層を構成するベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを用い、且つ帯電防止剤として、前記アクリル系ポリマーと共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物を用いることにより、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する粘着剤層を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の側面は、第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有し、前記粘着剤層が、帯電防止剤と、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物とを含有する粘着剤組成物により形成される光学用粘着シートを提供する。
また、本発明の第2の側面は、第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有し、前記粘着剤層が、帯電防止剤とアクリル系ポリマー(A)とを含有する粘着剤組成物により形成される光学用粘着シートを提供する。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記帯電防止剤は、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物である。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記帯電防止剤は、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物であるという構成は、帯電防止剤を構成するイオン性化合物がアクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成し得るため、帯電防止剤を多く配合しても、粘着剤層との相溶性が低下したり、粘着剤層表面で帯電防止剤が析出することによる透明性や外観の不良が生じにくく、また、湿熱環境下で帯電防止剤に起因する発泡や剥がれなどが発生しにくく、耐久性に優れる点でも好ましい。従って、本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートは、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記帯電防止剤が分子内に有する官能基は、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの官能基は、前記アクリル系ポリマー(A)との共有結合を形成しやすい点で好ましい。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記アクリル系ポリマー(A)が構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを含有せず又は実質的に含有しないことが好ましい。この構成は、本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートが、優れた金属配線の腐食防止効果を得ることができる点で好ましい。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記粘着剤組成物は、有機溶剤を含有しない又は実質的に含有しないことが好ましい。この構成は、ゆず肌等の外観の不具合が発生しにくい点で、好ましい。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記粘着剤層のヘイズ(JIS K7136に準じる)は1.0%以下であることが好ましい。また、前鬼粘着剤層の全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は90%以上であることが好ましい。これらの構成は、優れた透明性や優れた外観が得られる点で好ましい。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートのガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力は4N/20mm以上であることが好ましい。この構成は、ガラスへの接着性、段差における浮きの抑止性に一層優れる点で好ましい。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートの厚みは12~350μmであることが好ましい。厚みが一定以上であるという構成は、段差部位での剥がれが生じにくくなる点で、好ましい。また、厚みが一定以下であるという構成は、製造時に優れた外観を保持しやすくなる点で、好ましい。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートにおいて、前記基材の第2面は、反射防止処理、アンチグレア処理、ハードコート処理、及び/又は帯電防止処理されていることが好ましい。前記基材の第2面が反射防止処理及び/又はアンチグレア処理されているという構成は、外光の反射や像の映り込み等による視認性の低下を防止する、光沢度などの見栄えを調整するといった観点で好ましい。また、前記基材の第2面がハードコート処理されているという構成は、表面硬度、耐擦傷性が向上する点で好ましい。また、前記基材の第2面が帯電防止処理されているという構成は、本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートに静電気が帯電するのを抑制し、光学用粘着シートを画像表示装置に用いた場合に、静電気に起因する表示不良を抑制できる点で好ましい。
本発明の第3の側面は、本発明の第1又は第2の側面の光学用粘着シートと、光学部材とが積層された光学積層体を提供する。また、本発明の第4の側面は、本発明の第1又は第2の側面の光学用粘着シートと、画像表示パネルとが積層された画像表示装置を提供する。本発明の第3の側面の光学積層体及び本発明の第4の側面の画像表示装置は、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する本発明の第1又は第2の側面の光学用粘着シートを積層構造に有するため、静電気による表示不良が生じにくく、好ましい。
本発明の光学用粘着シートは、透明性、外観、耐久性に不良が生じにくく、且つ低い表面抵抗率を示し、優れた帯電防止性能を有する。このため、本発明の光学用粘着シートを画像表示装置の製造に用いることにより、優れた透明性、外観、耐久性が維持された上、静電気による表示不良を抑制することができる。また、本発明の光学用粘着シートを積層構造に有する光学積層体、画像表示装置は、優れた透明性、外観、耐久性が維持された上、静電気による表示不良を抑制することができる。
図1は、本発明の光学用粘着シートの一実施形態を示す模式図(断面図)である。 図2は、本発明の光学積層体の一実施形態を示す模式図(断面図)である。 図3は、本発明の画像表示装置の一実施形態を示す模式図(断面図)である。
本発明の第1の側面の光学用粘着シートは、第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有し、前記粘着剤層が、帯電防止剤と、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物とを含有する粘着剤組成物により形成される光学用粘着シートである。
また、本発明の第2の側面の光学用粘着シートは、第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有し、前記粘着剤層が、帯電防止剤とアクリル系ポリマー(A)とを含有する粘着剤組成物により形成される光学用粘着シートである。
本発明の第1及び第2の側面光学用粘着シートにおいて、前記帯電防止剤は、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物である。
なお、本明細書において、上記の「モノマー成分の混合物」は、単一モノマー成分で構成される場合と2以上のモノマー成分で構成される場合を含むものとする。また、上記の「モノマー成分の混合物の部分重合物」とは、上記の「モノマー成分の混合物」の構成モノマー成分のうち1又は2以上のモノマー成分が部分的に重合している組成物を意味する。
本明細書において、単に「アクリル系ポリマー(A)」というときは、特に言及しない限り、「アクリル系ポリマー(A)」、「アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物」、及び「アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物」をも包含するものとする。
本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートを、本明細書において、まとめて「本発明の光学用粘着シート」と称する場合がある。また、本発明の光学用粘着シートを構成する前記基材、粘着剤層、粘着剤組成物を、本明細書において、それぞれ、「本発明の基材」、「本発明の粘着剤層」、及び「本発明の粘着剤組成物」と称する場合がある。また、本発明の粘着剤組成物が含有する帯電防止剤である「アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物」を「本発明の帯電防止剤」又は「本発明のイオン性化合物」を称する場合がある。
また、本発明の第3の側面の光学積層体は、本発明の光学用粘着シートと、光学部材とが積層された光学積層体である。本発明の第3の側面の光学積層体を、本明細書において、「本発明の光学積層体」と称する場合がある。
さらに、本発明の第4の側面の画像表示装置は、本発明の光学用粘着シートと、画像表示パネルとが積層された画像表示装置である。本発明の第4の側面の画像表示装置を、本明細書において、「本発明の画像表示装置」と称する場合がある。
以下、本発明の光学用粘着シートの実施形態を図に関連して説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例示に過ぎない。
図1は、本発明の光学用粘着シートの一実施態様を示す模式図(断面図)である。
図1において、光学用粘着シート10は、基材1と、粘着剤層2とが積層された積層構造を有する。基材1は、第1面1aおよび第2面1bを有し、基材1の第1面1aに粘着剤層2が積層されている。基材1の第2面1bは、反射防止処理、アンチグレア処理、ハードコート処理、及び/又は帯電防止処理3が施されている。粘着剤層2の基材1の第1面1aに積層されていない面(粘着面)は、セパレータ4により保護されている。
図2は、本発明の光学積層体の一実施態様を示す模式図(断面図)である。
図2において、光学積層体20は、基材1と、粘着剤層2と、光学部材5とが、この順に積層された積層構造を有する。基材1は、第1面1aおよび第2面1bを有し、基材1の第1面1aに粘着剤層2が積層されている。粘着剤層2の基材1の第1面1aに積層されていない面は、光学部材5が積層されている。基材1の第2面1bは、反射防止処理、アンチグレア処理、ハードコート処理、及び/又は帯電防止処理3が施されている。
図3は、本発明の画像表示装置の一実施態様を示す模式図(断面図)である。図3において、画像表示装置30は、光学用粘着シート10の粘着剤層2において、画像表示パネル6が積層されている。
以下、各構成について説明する。
[1.光学用粘着シート]
本発明の光学用粘着シートにおける「光学」とは、光学用途に用いられることを意味し、より具体的には、光学部材が用いられた製品(光学製品)の製造などに用いられることを意味する。光学製品としては、例えば、画像表示装置、タッチパネルなどの入力装置などが挙げられるが、液晶画像表示装置、自発光型画像表示装置(例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)画像表示装置、LED画像表示装置)などの製造に好適に使用することができる。
本発明の光学用粘着シートは、本発明の基材の第1面に本発明の粘着剤層が積層されている限り、その形態は特に限定されない。例えば、片面のみが粘着面である片面粘着シートであってもよいし、両面が粘着面である両面粘着シートであってもよい。また、本発明の光学用粘着シートが両面粘着シートである場合、本発明の光学用粘着シートは、両方の粘着面が本発明の粘着剤層により提供される形態を有していてもよいし、一方の粘着面が本発明の粘着剤層により提供され、他方の粘着面が本発明の粘着剤層以外の粘着剤層(その他の粘着剤層)により提供される形態を有していてもよい。本発明の光学用粘着シートが光学製品の最表面を構成する場合は片面粘着シートが好ましく、被着体(光学部材)同士を貼り合わせる場合は、両面粘着シートが好ましい。なお、「粘着シート」には、「粘着テープ」の意味を含むものとする。すなわち、本発明の光学用粘着シートは、テープ状の形態を有する粘着テープであってもよい。また、本明細書においては、粘着剤層表面を「粘着面」と称する場合がある。
[1-1.光学用粘着シートの各種物性]
本発明の光学用粘着シートのガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力(特に、上記粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)により提供される粘着面のガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力)は、特に限定されないが、接着力が高ければ、十分な密着が得られるという観点から、4N/20mm以上であることが好ましく、より好ましくは6N/20mm以上、さらに好ましくは8N/20mm以上、さらにより好ましくは10N/20mm以上である。本発明の光学用粘着シートの、ガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力が一定の値以上であれば、ガラスへの接着性、段差における浮きの抑止性に一層優れる。なお、本発明の光学用粘着シートのガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力の上限値は、特に限定されないが、例えば、28N/20mm、27N/20mm、26N/20mmが好ましく、より好ましくは、25N/20mm、24N/20mm、23N/20mm、22N/20mm、21N/20mm、20N/20mmである。
本発明の光学用粘着シートのガラス板に対する80℃での180°引き剥がし接着力(特に、上記粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)により提供される粘着面のガラス板に対する80℃での180°引き剥がし接着力)は、特に限定されないが、接着力が高ければ、十分な密着が得られるという観点から、4N/20mm以上であることが好ましく、より好ましくは6N/20mm以上、さらに好ましくは8N/20mm以上、さらにより好ましくは10N/20mm以上である。本発明の光学用粘着シートの、ガラス板に対する80℃での180°引き剥がし接着力が一定の値以上であれば、ガラスへの接着性、段差における浮きの抑止性に一層優れる。なお、本発明の光学用粘着シートのガラス板に対する80℃での180°引き剥がし接着力の上限値は、特に限定されないが、例えば、18N/20mmが好ましく、より好ましくは16N/20mmである。ガラス板に対する23℃又は80℃での180°引き剥がし接着力は、下記の180°引き剥がし接着力の測定方法により求められる。
上記ガラス板としては、特に限定されないが、例えば、商品名「ソーダライムガラス ♯0050」(松浪硝子工業株式会社製)が挙げられる。また、無アルカリガラスや化学強化ガラス等も挙げられる。
(A-1.180°引き剥がし接着力の測定方法)
光学用粘着シートの粘着面を被着体に貼り合わせ、2kgローラー、1往復の圧着条件で圧着し、23℃、50%RHの雰囲気下で30分間又は240時間エージングする。エージング後、JIS Z 0237に準拠して、23℃又は80℃、50%RHの雰囲気下、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、被着体から光学用粘着シートを引きはがし、180°引き剥がし接着力(N/20mm)を測定する。
(B.厚み)
本発明の粘着シートの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、12~350μmが好ましく、より好ましくは15~330μm、18~325μm、18~320μm、20~300μm、23~300μm、25~275μm、又は30~250μmであってもよい。厚みが一定以上であると、段差部位での剥がれが生じにくくなり、好ましい。また、厚みが一定以下であると、製造時に優れた外観を保持しやすくなり、好ましい。なお、本発明の粘着シートの厚みには、基材付き粘着シートの場合は基材の厚さは含まれるが、セパレータの厚みは含めないものとする。
(C.ヘイズ)
本発明の光学用粘着シートのヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.8%以下、0.7%以下、又は0.6%以下であってもよい。ヘイズが1.0%以下であると、優れた透明性や優れた外観が得られ、好ましい。なお、上記ヘイズは、例えば、光学用粘着シートを常態(23℃、50%RH)に少なくとも24時間静置した後、セパレータを有する場合にはこれを剥離し、スライドガラス(例えば、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%のもの)に貼り合わせたものを試料とし、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、商品名「HM-150N」)を用いて測定することができる。
(D.全光線透過率)
本発明の光学用粘着シートの可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は、特に限定されないが、90%以上が好ましく、より好ましくは91%以上、又は92%以上であってもよい。全光線透過率が90%以上であると、優れた透明性や優れた外観が得られ、好ましい。なお、上記全光線透過率は、例えば、光学用粘着シートを常態(23℃、50%RH)に少なくとも24時間静置した後、セパレータを有する場合にはこれを剥離し、スライドガラス(例えば、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%のもの)に貼り合わせたものを試料とし、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、商品名「HM-150N」)を用いて測定することができる。
本発明の光学用粘着シートの上記接着力、全光線透過率及びヘイズは、後掲の実施例に記載の方法により、測定できる。本発明の光学用粘着シートの上記接着力、全光線透過率及びヘイズは、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー組成、架橋剤の量、本発明のイオン性化合物、その他添加剤の種類や量、硬化条件などを調整することによって、調整することができる。
<基材>
本発明の基材を構成する素材としては、ガラスやプラスチックフィルム等があげられる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、環状オレフィン系ポリマー(COP)(例えば、商品名「アートン」(JSR(株)製)、商品名「ゼオノア」(本ゼオン(株)製)等)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、透明ポリイミド(CPI)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などのプラスチック材料が挙げられ、寸法安定性に優れ、収縮しにくいポリエステル系樹脂、環状オレフィン系ポリマー(COP)が好ましい。なお、これらのプラスチック材料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の基材は、本発明の光学用粘着シートを被着体(光学部材、画像表示パネル等)に貼付する際に、粘着剤層とともに被着体に貼付される部分である。本発明の光学用粘着シートの使用時(貼付時)に剥離されるセパレータ(剥離ライナー)は「基材」には含まない。
本発明の基材は、第1面と第2面を有するフィルム状(基板状)の形態を有するものである。本発明の基材は、前記光学製品を構成する光学部材であれば、特に限定されず、カバー部材、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられ、好ましくはカバー部材として用いられる。本発明の基材がカバー部材である場合には、第2面が、例えば、上記光学製品の最表面となる。
本発明の基材のガラス転移点(Tg)は、特に限定されないが、60℃以上160℃以下であることが好ましい。本発明の基材のガラス転移点が60℃以上であるという構成は、使用環境下での本発明の画像表示装置の機械的物性が安定する点で好ましい。本発明の画像表示装置の機械的物性の安定性の観点から前記基材のガラス転移点は63℃以上、又は65℃以上であってもよい。また、前記基材のガラス転移点が160℃以下であるという構成は、基材の成形プロセスが簡便化できる点で好ましい。基材の成形プロセスが簡便化できる点で、前記基材のガラス転移点は140℃以下以下が好ましく、135℃以下、130℃、又は125℃以下であってもよい。
本発明の基材のガラス転移点(Tg)は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。本発明の基材のガラス転移点(Tg)は、本発明の基材を構成する樹脂の種類などにより調整することができる。
本発明の基材の湿度膨張係数は、特に限定されないが、5×10-5/%RH以下であることが好ましい。本発明の基材の湿度膨張係数が5×10-5/%RH以下であるという構成は、本発明の基材の温度変化における寸法安定性が向上し、良好な外観を維持する点で好適である。本発明の基材の寸法安定性の点から、本発明の基材の湿度膨張係数は3×10-5/%RH以下が好ましく、2×10-5/%RH以下であってもよい。
本発明の基材の湿度膨張係数は、具体的には、後掲の実施例に記載の方法で測定することができる。本発明の基材の湿度膨張係数は、本発明の基材を構成する樹脂の種類や基材製造時の条件(温度、押出速度など)などにより調整することができる。
本発明の基材のヘイズは、特に限定されないが、5%以上が好ましい。本発明の基材のヘイズが5%以上であるという構成は、本発明の画像表示装置における画像表示パネルの基板上に配置された金属配線やITO配線などによる反射を防止できる点で好ましく、より好ましくは6%以上であり、7%以上であってもよい。本発明の基材のヘイズの上限は、特に限定されないが、本発明の画像表示装置の視認性の観点から、50%以下が好ましく、40%以下、又は30%以下であってもよい。
本発明の基材のヘイズは、JIS K 7136に準拠して測定することができる。本発明の基材のヘイズは、本発明の基材を構成する樹脂の種類や厚さ、基材表面に反射防止処理及び/又はアンチグレア処理を施すことなどにより調整することができる。
本発明の基材の反射率は、特に限定されないが、5%以下が好ましい。本発明の基材の反射率が5%以下であるという構成は、本発明の画像表示装置における画像表示パネルの基板上に配置された金属配線やITO配線などによる反射を防止できる点で好ましく、より好ましくは3%以下であり、1.5%以下であってもよい。本発明の基材の反射率の下限は、特に限定されないが、0.1%以上、又は0.3%以上であってもよい。
本発明の基材の反射率は、JIS K7361-1に準拠して測定することができる。本発明の基材の反射率は、本発明の基材を構成する樹脂の種類や厚さ、基材表面に反射防止処理及び/又はアンチグレア処理を施すことなどにより調整することができる。
本発明の基材の厚みは、特に制限されないが、例えば、寸法安定性、強度、取り扱い性などの作業性、薄層性などの点を考慮すると、10~500μmの範囲が好ましく、より好ましくは20~300μm、さらに好ましくは25~250μmの範囲であり、最適には、30~200μmの範囲である。本発明の基材の屈折率は、特に制限されないが、例えば、1.30~1.80の範囲であり、好ましくは、1.40~1.70の範囲である。
本発明の基材の第2面は、反射表面処理及び/又はアンチグレア処理が施されていることが好ましい。本発明の基材の第2面に反射表面処理及び/又はアンチグレア処理が施されているという構成は、外光の反射や像の映り込み等による視認性の低下を防止する、光沢度などの見栄えを調整するといった観点で好ましい。また、本発明の画像表示装置の基板上に配置された金属配線やITO配線などによる反射を防止できる点で好ましい。また、本発明の基材の第2面は、ハードコート処理が施されていることが好ましい。本発明の基材の第2面にハードコート処理が施されているという構成は、表面硬度、耐擦傷性が向上する点で好ましい。
前記反射防止処理としては、公知の反射防止処理を特に限定なく使用することができ、例えば、アンチリフレクション(AR)処理が挙げられる。
前記アンチリフレクション(AR)処理としては、公知のAR処理を特に制限なく適用することができ、具体的には、本発明の基材の第2面上に厚みおよび屈折率を厳密に制御した光学薄膜若しくは前記光学薄膜を二層以上積層した反射防止層(AR層)を形成することにより実施することができる。前記AR層は、光の干渉効果を利用して入射光と反射光の逆転した位相を互いに打ち消し合わせることで反射防止機能を発現する。反射防止機能を発現させる可視光線の波長領域は、例えば、380~780nmであり、特に視感度が高い波長領域は450~650nmの範囲であり、その中心波長である550nmの反射率を最小にするようにAR層を設計することが好ましい。
前記AR層としては、一般的に、二ないし五層の光学薄層(厚みおよび屈折率を厳密に制御した薄膜)を積層した構造の多層反射防止層が挙げられ、屈折率の異なる成分を所定の厚さだけ複数層形成することで、AR層の光学設計の自由度が上がり、より反射防止効果を向上させることができ、分光反射特性も可視光領域で均一(フラット)にすることが可能になる。前記光学薄膜において、高い厚み精度が要求されるため、一般的に、各層の形成は、ドライ方式である真空蒸着、スパッタリング、CVD等で実施される。
また、前記AR層は、反射防止層形成用塗工液により形成することもできる。前記反射防止層形成用塗工液は、例えば、樹脂、フッ素元素含有添加剤、中空粒子、中実粒子および希釈溶媒等を含んでいてもよく、例えば、これらを混合して製造できる。
前記樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線や光で硬化する電離放射線硬化性樹脂があげられる。前記樹脂として、市販の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を用いることも可能である。
前記熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂としては、例えば、熱、光(紫外線等)または電子線等により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化型化合物が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等があげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記樹脂には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。前記反応性希釈剤は、例えば、特開2008-88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。前記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。これは、本発明の基材の第2面の硬度を、優れたものにできるからである。前記反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等もあげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。前記樹脂は、硬化前の重量平均分子量が、例えば、100以上、300以上、500以上、1,000以上、または2,000以上であってもよく、100,000以下、70,000以下、50,000以下、30,000以下、または10,000以下であってもよい。前記硬化前の重量平均分子量が高ければ、硬度は低下するが、屈曲させた際に割れが起こり難くなる傾向がある。一方、前記硬化前の重量平均分子量が低ければ、分子間架橋密度が向上し、硬度が高くなる傾向がある。
前記樹脂としては、多官能アクリレート(例えば、ペンタスリトールトリアクリレート)を含むことが好ましい。
前記硬化型樹脂の硬化のために、例えば、硬化剤を添加してもよい。前記硬化剤は、特に限定されず、例えば、公知の重合開始剤(例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤等)を適宜用いることができる。前記硬化剤の添加量は特に限定されないが、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、例えば、0.5重量部以上、1.0重量部以上、1.5重量部以上、2.0重量部以上、または2.5重量部以上であってもよく、15重量部以下、13重量部以下、10重量部以下、7重量部以下、または5重量部以下であってもよい。
前記フッ素元素含有添加剤は、特に限定されないが、例えば、分子中にフッ素を含む有機化合物または無機化合物であってもよい。前記有機化合物は、特に限定されないが、例えば、フッ素含有防汚コーティング剤、フッ素含有アクリル化合物、フッ素およびケイ素含有アクリル化合物等があげられる。前記有機化合物は、具体的には、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KY-1203」、DIC株式会社製の商品名「メガファック」等があげられる。前記無機化合物も、特に限定されない。前記フッ素元素含有添加剤の添加量は、特に限定されないが、例えば、前記反射防止層形成用塗工液中の固形分全体の重量に対し、前記固形分中のフッ素元素の重量が、例えば、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.15重量%以上、0.20重量%以上、または0.25重量%以上であってもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下であってもよい。また、例えば、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、前記フッ素元素含有添加剤の重量が、例えば、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.15重量%以上、0.20重量%以上、または0.25重量%以上であってもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下であってもよい。
前記中空粒子は、特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、アクリル粒子、アクリル-スチレン共重合粒子等であってもよい。前記シリカ粒子は、例えば、日揮触媒化成工業株式会社製の商品名「スルーリア5320」、「スルーリア4320」等があげられる。前記中空粒子の重量平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上、または70nm以上であってもよく、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、または110nm以下であってもよい。前記中空粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。前記中空粒子を添加することで、例えば、前記反射防止層の低屈折率、良好な反射防止特性等を実現できる。前記中空粒子の添加量は特に限定されないが、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、例えば、30重量部以上、50重量部以上、70重量部以上、90重量部以上、または100重量部以上であってもよく、300重量部以下、270重量部以下、250重量部以下、200重量部以下、または180重量部以下であってもよい。反射防止層の低屈折率化の観点からは、前記中空粒子の添加量が少なすぎないことが好ましく、反射防止層の機械特性確保の観点からは、前記中空粒子の添加量が多すぎないことが好ましい。
前記中実粒子は、特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、酸化ジルコニウム粒子、チタン含有粒子(例えば、酸化チタン粒子)等であってもよい。前記シリカ粒子は、例えば、日産化学工業株式会社製の商品名「MEK-2140Z-AC」、「MIBK-ST」、「IPA-ST」等があげられる。前記中実粒子の重量平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、または25nm以上であってもよく、3300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、または100nm以下であってもよい。前記中実粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。前記中実粒子を添加することで、例えば、前記フッ素元素含有添加剤が、塗工した前記反射防止層形成用塗工液の表面に偏在しやすくなり、反射防止層の耐擦傷性に優れ、低屈折率、良好な反射防止特性等を実現できる。前記中実粒子の添加量は特に限定されないが、前記反射防止層形成用塗工液中の前記樹脂100重量部に対し、例えば、5重量部以上、10重量部以上、15重量部以上、20重量部以上、または25重量部以上であってもよく、150重量部以下、120重量部以下、重量部以下、100重量部以下、または80重量部以下であってもよい。
前記希釈溶媒は、例えば、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含む混合溶媒でもよい。この場合の混合比率は特に限定されないが、MIBKの重量を100重量%とした場合、PMAの重量が、例えば、20重量%以上、50重量%以上、100重量%以上、150重量%以上、または200重量%以上であってもよく、400重量%以下、350重量%以下、300重量%以下、または250重量%以下であってもよい。
前記希釈溶媒は、例えば、MIBKおよびPMAに加え、さらにTBA(ターシャリーブチルアルコール)を含む混合溶媒でもよい。この場合の混合比率は特に限定されないが、MIBKの重量を100重量%とした場合、PMAの重量が、例えば、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上、または100重量%以上であってもよく、200重量%以下、180重量%以下、150重量%以下、130重量%以下、または110重量%以下であってもよい。また、MIBKの重量を100重量%とした場合、TBAの重量が、例えば、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、80重量%以上、または100重量%以上であってもよく、200重量%以下、180重量%以下、150重量%以下、130重量%以下、または110重量%以下であってもよい。
前記希釈溶媒の添加量も特に限定されないが、例えば、反射防止層形成用塗工液全体の重量に対する固形分の重量が、例えば、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、または1.5重量%以上となるようにしてもよく、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下となるようにしてもよい。塗工性確保(ヌレ、レベリング)の観点からは、前記固形分の含有率が高すぎないことが好ましく、風乾ムラ、白化など乾燥起因の外観不良防止の観点からは、前記固形分の含有率が低すぎないことが好ましい。
つぎに、本発明の基材の第2面の上に、前記反射防止層形成用塗工液を塗工する(前記塗工工程)。塗工方法は特に限定されず、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の公知の塗工方法を適宜用いることができる。前記反射防止層形成用塗工液の塗工量も特に限定されないが、形成される前記反射防止層の厚みが、例えば、0.1μm以上、0.3μm以上、0.5μm以上、1.0μm以上、または2.0μm以上となるようにしてもよく、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、または10μm以下となるようにしてもよい。
つぎに、塗工した前記反射防止層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する(前記塗膜形成工程)。乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、30~200℃の範囲であってもよい。前記乾燥温度は、例えば、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、または100℃以上であってもよく、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、120℃以下、または110℃以下であってもよい。乾燥時間は特に限定されないが、例えば、30秒以上、40秒以上、50秒以上、または60秒以上であってもよく、150秒以下、130秒以下、110秒以下、または90秒以下であってもよい。
さらに、前記塗膜を硬化させてもよい(硬化工程)。前記硬化は、例えば、加熱、光照射等により行うことができる。前記光は、特に限定されないが、例えば、紫外線等であってもよい。前記光照射の光源も特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ等であってもよい。前記紫外線硬化におけるエネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50~500mJ/cm2が好ましい。照射量が、50mJ/cm2以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、形成される反射防止層の硬度が高くなりやすい。また、500mJ/cm2以下であれば、形成される反射防止層の着色を防止することができる。
前記アンチグレア(AG)処理としては、公知のAG処理を特に制限なく適用することができ、例えば、本発明の基材の第2面上にアンチグレア層を形成することにより実施することができる。前記アンチグレア層としては、公知のものを制限なく採用することができ、一般的に、樹脂中にアンチグレア剤として無機又は有機の粒子を分散した層として形成される。また、前記アンチグレア層は、防眩性ハードコート層であってもよい。
前記アンチグレア層としては、特に限定されないが、例えば、樹脂、粒子およびチキソトロピー付与剤を含むアンチグレア層形成材料を用いて形成されており、前記粒子および前記チキソトロピー付与剤が凝集することによって、前記アンチグレア層の表面に凸状部が形成される。当該構成により、アンチグレア層は、アンチグレア性と、白ボケの防止とを両立した優れた表示特性を有するとともに、粒子の凝集を利用してアンチグレア層を形成しているにもかかわらず、外観欠点となるアンチグレア層表面の突起状物の発生を防止して製品の歩留まりを向上させることができる。
前記樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線や光で硬化する電離放射線硬化性樹脂があげられる。前記樹脂として、市販の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を用いることも可能である。
前記熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂としては、例えば、熱、光(紫外線等)または電子線等により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化型化合物が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等があげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記樹脂には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。前記反応性希釈剤は、例えば、特開2008-88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。前記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。これは、前記アンチグレア層の硬度を、優れたものにできるからである。前記反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等もあげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記樹脂としては、ウレタンアクリレート樹脂を含むことが好ましく、硬化型ウレタンアクリレート樹脂および多官能アクリレート(例えば、ペンタスリトールトリアクリレート)の共重合物であることがより好ましい。
前記アンチグレア層を形成するための粒子は、形成されるアンチグレア層の表面を凹凸形状にしてアンチグレア性を付与し、また、アンチグレア層のヘイズ値を制御することを主な機能とする。アンチグレア層のヘイズ値は、前記粒子と前記樹脂との屈折率差を制御することで、設計することができる。前記粒子としては、例えば、無機粒子と有機粒子とがある。前記無機粒子は、特に制限されず、例えば、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、酸化ジルコニウム粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子、硫酸カルシウム粒子等があげられる。また、前記有機粒子は、特に制限されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末(PMMA微粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末等があげられる。これらの無機粒子および有機粒子は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記粒子の重量平均粒径(D)は、2.5~10μmの範囲内にあることが好ましい。前記粒子の重量平均粒径を、前記範囲とすることで、例えば、よりアンチグレア性に優れ、かつ白ボケが防止できる。前記粒子の重量平均粒径は、より好ましくは、3~7μmの範囲内である。なお、前記粒子の重量平均粒径は、例えば、コールターカウント法により測定できる。例えば、細孔電気抵抗法を利用した粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザー、ベックマン・コールター社製)を用い、粒子が前記細孔を通過する際の粒子の体積に相当する電解液の電気抵抗を測定することにより、前記粒子の数と体積を測定し、重量平均粒径を算出する。
前記粒子の形状は、特に制限されず、例えば、ビーズ状の略球形であってもよく、粉末等の不定形のものであってもよいが、略球形のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が1.5以下の略球形の粒子であり、最も好ましくは球形の粒子である。
前記アンチグレア層における前記粒子の割合は、前記樹脂100重量部に対し、0.2~12重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.5~12重量部の範囲であり、さらに好ましくは1~7重量部の範囲である。前記範囲とすることで、例えば、よりアンチグレア性に優れ、かつ白ボケが防止できる。
前記アンチグレア層は、チキソトロピー付与剤を含んでいてもよい。前記チキソトロピー付与剤を含むことで、前記粒子の凝集状態の制御を容易に行うことができる。前記アンチグレア層を形成するためのチキソトロピー付与剤としては、例えば、有機粘土、酸化ポリオレフィン、変性ウレア等があげられる。
前記有機粘土は、前記樹脂との親和性を改善するために、有機化処理した粘土であることが好ましい。有機粘土としては、例えば、層状有機粘土をあげることができる。前記有機粘土は、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN、ソマシフME-100、ソマシフMAE、ソマシフMTE、ソマシフMEE、ソマシフMPE(商品名、いずれもコープケミカル(株)製);エスベン、エスベンC、エスベンE、エスベンW、エスベンP、エスベンWX、エスベンN-400、エスベンNX、エスベンNX80、エスベンNO12S、エスベンNEZ、エスベンNO12、エスベンNE、エスベンNZ、エスベンNZ70、オルガナイト、オルガナイトD、オルガナイトT(商品名、いずれも(株)ホージュン製);クニピアF、クニピアG、クニピアG4(商品名、いずれもクニミネ工業(株)製);チクソゲルVZ、クレイトンHT、クレイトン40(商品名、いずれもロックウッド アディティブズ社製)等があげられる。
前記酸化ポリオレフィンは、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ディスパロン4200-20(商品名、楠本化成(株)製)、フローノンSA300(商品名、共栄社化学(株)製)等があげられる。
前記変性ウレアは、イソシアネート単量体あるいはそのアダクト体と有機アミンとの反応物である。前記変性ウレアは、自家調製してもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、BYK410(ビッグケミー社製)等があげられる。
前記チキソトロピー付与剤は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記凸状部の前記アンチグレア層の粗さ平均線からの高さが、アンチグレア層の厚みの0.4倍未満であることが好ましい。より好ましくは、0.01倍以上0.4倍未満の範囲であり、さらに好ましくは、0.01倍以上0.3倍未満の範囲である。この範囲であれば、前記凸状部に外観欠点となる突起物が形成されることを好適に防止できる。前記アンチグレア層は、このような高さの凸状部を有することで、外観欠点を生じにくくすることができる。ここで、前記平均線からの高さは、例えば、特開2017-138620号公報に記載の方法により測定することができる。
前記アンチグレア層における前記チキソトロピー付与剤の割合は、前記樹脂100重量部に対し、0.1~5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、0.2~4重量部の範囲である。
前記アンチグレア層の厚み(d)は、特に制限されないが、3~12μmの範囲内にあることが好ましい。アンチグレア層の厚み(d)を、前記範囲とすることで、例えば、本発明の光学用粘着シートのカールの発生を防ぐことができ、搬送性不良等の生産性の低下の問題を回避できる。また、前記厚み(d)が前記範囲にある場合、前記粒子の重量平均粒径(D)は、前述のように、2.5~10μmの範囲内にあることが好ましい。前記アンチグレア層の厚み(d)と、前記粒子の重量平均粒径(D)とが、前述の組み合わせであることで、さらにアンチグレア性に優れるものとすることができる。前記アンチグレア層の厚み(d)は、より好ましくは、3~8μmの範囲内である。
前記アンチグレア層の厚み(d)と前記粒子の重量平均粒径(D)との関係は、0.3≦D/d≦0.9の範囲内にあることが好ましい。このような関係にあることにより、よりアンチグレア性に優れ、かつ白ボケが防止でき、さらに、外観欠点のないアンチグレア層とすることができる。
本発明の光学用粘着シートでは、前述のように、前記アンチグレア層は、前記粒子および前記チキソトロピー付与剤が凝集することによって、前記アンチグレア層の表面に凸状部を形成する。前記凸状部を形成する凝集部においては、前記粒子が、前記アンチグレア層の面方向に、複数集まった状態で存在する。これにより、前記凸状部が、なだらかな形状となっている。前記アンチグレア層は、このような形状の凸状部を有することで、アンチグレア性を維持しつつ、かつ、白ボケを防止することができ、さらに、外観欠点を生じにくくすることができる。
前記アンチグレア層の表面形状は、アンチグレア層形成材料に含まれる粒子の凝集状態を制御することで、任意に設計することができる。前記粒子の凝集状態は、例えば、前記粒子の材質(例えば、粒子表面の化学的修飾状態、溶媒や樹脂に対する親和性等)、樹脂(バインダー)または溶媒の種類、組合せ等により制御できる。ここで、前記アンチグレア層形成材料に含まれるチキソトロピー付与剤により、前記粒子の凝集状態をコントロールすることができる。この結果、前記粒子の凝集状態を前述のようにすることができ、前記凸状部を、なだらかな形状とすることができる。
本発明の光学用粘着シートにおいて、本発明の基材が樹脂等から形成されている場合、本発明の基材と前記アンチグレア層との界面において、浸透層を有していることが好ましい。前記浸透層は、前記アンチグレア層の形成材料に含まれる樹脂成分が、本発明の基材に浸透して形成される。浸透層が形成されると、本発明の基材と前記アンチグレア層との密着性を向上させることができ、好ましい。前記浸透層は、厚みが0.2~3μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5~2μmの範囲である。例えば、本発明の基材がポリエステル系樹脂であり、前記アンチグレア層に含まれる樹脂がアクリル樹脂である場合には、前記浸透層を形成させることができる。前記浸透層は、例えば、本発明の光学用粘着シートの断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することで、確認することができ、厚みを測定することができる。
このような浸透層を有する本発明の光学用粘着シートに適用した場合であっても、アンチグレア性と、白ボケの防止とを両立した所望するなだらかな表面凹凸形状を容易に形成することができる。前記浸透層は、前記アンチグレア層との密着性が乏しい基材であるほど、密着性の向上のため、厚く形成することが好ましい。
前記アンチグレア層において、最大径が200μm以上の外観欠点がアンチグレア層の1m2あたり1個以下であることが好ましい。より好ましくは、前記外観欠点が無いことである。
前記アンチグレア層表面の凹凸形状において、平均傾斜角θa(°)が.1~5.0の範囲であることが好ましく、0.3~4.5の範囲であることがより好ましく、1.0~4.0の範囲であることがさらに好ましく、1.6~4.0であることが特に好ましい。ここで、前記平均傾斜角θaは、下記数式(1)で定義される値である。前記平均傾斜角θaは、例えば、特開2017-138620に記載の方法により測定される値である。
平均傾斜角θa=tan-1Δa (1)
前記数式(1)において、Δaは、下記数式(2)に示すように、JIS B 0601(1994年度版)に規定される粗さ曲線の基準長さLにおいて、隣り合う山の頂点と谷の最下点との差(高さh)の合計(h1+h2+h3・・・+hn)を前記基準長さLで割った値である。前記粗さ曲線は、断面曲線から、所定の波長より長い表面うねり成分を位相差補償形高域フィルタで除去した曲線である。また、前記断面曲線とは、対象面に直角な平面で対象面を切断したときに、その切り口に現れる輪郭である。
Δa=(h1+h2+h3・・・+hn)/L (2)
θaが、上記範囲にあると、よりアンチグレア性に優れ、かつ白ボケが防止できる。
前記アンチグレア層を形成するにあたり、調製したアンチグレア層形成材料(塗工液)がチキソ性を示していることが好ましく、下記で規定されるTi値が、1.3~3.5の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.3~2.8の範囲である。
Ti値=β1/β2
ここで、β1はHAAKE社製レオストレス6000を用いてずり速度20(1/s)の条件で測定される粘度、β2はHAAKE社製レオストレス6000を用いてずり速度200(1/s)の条件で測定される粘度である。
Ti値が、1.3未満であると、外観欠点が生じやすくなり、アンチグレア性、白ボケについての特性が悪化する。また、Ti値が、3.5を超えると、前記粒子が凝集しにくく分散状態となりやすくなる。
前記アンチグレア層の製造方法は、特に制限されず、いかなる方法で製造されてもよいが、例えば、前記樹脂、前記粒子、前記チキソトロピー付与剤および溶媒を含むアンチグレア層形成材料(塗工液)を準備し、前記アンチグレア層形成材料(塗工液)を本発明の基材の第2面に塗工して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させてアンチグレア層を形成することにより、製造できる。金型による転写方式や、サンドブラスト、エンボスロールなどの適宜な方式で凹凸形状を付与する方法などを、併せて用いることもできる。
前記溶媒は、特に制限されず、種々の溶媒を使用可能であり、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記樹脂の組成、前記粒子および前記チキソトロピー付与剤の種類、含有量等に応じて最適な溶媒種類や溶媒比率が存在する。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2-メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。
本発明の基材として、例えば、ポリエステル系樹脂を採用して浸透層を形成する場合は、ポリエステル系樹脂に対する良溶媒が好適に使用できる。その溶媒としては、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノンなどをあげることができる。
前記溶媒を適宜選択することによって、チキソトロピー付与剤によるアンチグレア層形成材料(塗工液)へのチキソ性を良好に発現させることができる。例えば、有機粘土を用いる場合には、トルエンおよびキシレンを好適に、単独使用または併用することができ、例えば、酸化ポリオレフィンを用いる場合には、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルを好適に、単独使用または併用することができ、例えば、変性ウレアを用いる場合には、酢酸ブチルおよびメチルイソブチルケトンを好適に、単独使用または併用することができる。
前記アンチグレア層形成材料には、各種レベリング剤を添加することができる。前記レベリング剤としては、塗工ムラ防止(塗工面の均一化)を目的に、例えば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤を用いることができる。前記アンチグレア層の表面に防汚性が求められる場合、または、反射防止層(低屈折率層)や層間充填剤を含む層がアンチグレア層上に形成される場合などに応じて、適宜レベリング剤を選定することができる。例えば、前記チキソトロピー付与剤を含ませることで塗工液にチキソ性を発現させることができるため、塗工ムラが発生しにくい。このため、例えば、前記レベリング剤の選択肢を広げられるという優位点を有している。
前記レベリング剤の配合量は、前記樹脂100重量部に対して、例えば、5重量部以下、好ましくは0.01~5重量部の範囲である。
前記アンチグレア層形成材料には、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防汚剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。これらの添加剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上併用してもよい。
前記アンチグレア層形成材料には、例えば、特開2008-88309号公報に記載されるような、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
前記アンチグレア層形成材料を本発明の基材の第2面上に塗工する方法としては、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗工法を用いることができる。
前記アンチグレア層形成材料を塗工して本発明の基材の上に塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させる。前記硬化に先立ち、前記塗膜を乾燥させることが好ましい。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でもよいし、風を吹きつけての風乾であってもよいし、加熱乾燥であってもよいし、これらを組み合わせた方法であってもよい。
前記アンチグレア層形成材料の塗膜の硬化手段は、特に制限されないが、紫外線硬化が好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50~500mJ/cm2が好ましい。照射量が、50mJ/cm2以上であれば、硬化がより十分となり、形成されるアンチグレア層の硬度もより十分なものとなる。また、500mJ/cm2以下であれば、形成されるアンチグレア層の着色を防止することができる。
以上のようにして、本発明の基材の第2面に、前記アンチグレア層を形成することができる。なお、前述の方法以外の製造方法でアンチグレア層を形成してもよい。前記アンチグレア層の硬度は、鉛筆硬度において、層の厚みにも影響されるが、2H以上の硬度を有することが好ましい。
前記アンチグレア層は、二層以上が積層された複数層構造であってもよい。
前記アンチグレア層の上に、上述のAR層(低屈折率層)を配置してもよい。例えば、画像表示装置に光学用粘着シートを装着した場合、画像の視認性を低下させる要因のひとつに空気とアンチグレア層界面での光の反射があげられる。AR層は、その表面反射を低減させるものである。なお、前記アンチグレア層および反射防止層は、それぞれ、二層以上が積層された複数層構造であってもよい。
また、汚染物の付着防止および付着した汚染物の除去容易性の向上のために、フッ素基含有のシラン系化合物若しくはフッ素基含有の有機化合物等から形成される汚染防止層を前記反射防止層及び/又はアンチグレア層上に積層することが好ましい。
本発明の基材および前記アンチグレア層の少なくとも一方に対し表面処理を行うことが好ましい。本発明の基材の表面を表面処理すれば、前記アンチグレア層との密着性がさらに向上する。また、前記アンチグレア層の表面を表面処理すれば、前記AR層との密着性がさらに向上する。
本発明の基材のカール発生を防止するために、前記アンチグレア層の他方の面に対し溶剤処理を行ってもよい。また、カール発生を防止するために、前記アンチグレア層の他方の面に透明樹脂層を形成してもよい。
本発明の基材の第2面は帯電防止処理が施されていてもよい。本発明の基材の第2面に帯電処理が施されているという構成は、本発明の第1及び第2の側面の光学用粘着シートに静電気が帯電するのを抑制し、光学用粘着シートを画像表示装置に用いた場合に、静電気に起因する表示不良を抑制できる点で好ましい。
前記ハードコート(HC)処理としては、公知のHC処理を特に制限なく適用することができ、例えば、本発明の基材の第2面上にハードコート層を形成することにより実施することができる。前記ハードコート層としては、公知のものを制限なく採用することができ、例えば、上記のアンチグレア層形成材料において、粒子およびチキソトロピー付与剤を含まず、樹脂のみを含むハードコート層形成材料を用いること以外は、上記のアンチグレア層と同様にして、防眩性を有しないハードコート層を形成することができる。
前記帯電防止処理としては、公知の帯電防止処理を特に限定なく使用することができ、例えば、本発明の基材の第2面上に帯電防止層を形成することにより実施することができる。
帯電防止層としては、帯電防止効果を奏することができる層であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な帯電防止層を採用し得る。このような帯電防止層としては、好ましくは、導電性ポリマーを含む導電コート液を任意の適切な基材層上にコーティングして形成される帯電防止層である。具体的には、例えば、導電性ポリマーを含む導電コート液を基材上にコーティングして形成される帯電防止層である。具体的なコーティングの方法としては、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法などが挙げられる。
導電性ポリマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な導電性ポリマーを採用し得る。このような導電性ポリマーとしては、例えば、π共役系導電性ポリマーにポリアニオンがドープされた導電性ポリマーなどが挙げられる。π共役系導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンなどの鎖状導電性ポリマーが挙げられる。ポリアニオンとしては、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリメタクリルカルボン酸などが挙げられる。
帯電防止層の表面抵抗率は、温度23℃、湿度50%RHにおいて、好ましくは1.0×104Ω/□~1.0×109Ω/□であり、より好ましくは1.0×104Ω/□~5.0×108Ω/□であり、さらに好ましくは5.0×104Ω/□~1.0×108Ω/□であり、特に好ましくは1.0×105Ω/□~5.0×107Ω/□である。帯電防止層の表面抵抗率が上記範囲内にあれば、本発明の効果がより発現されやすくなる。
帯電防止層の厚みとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、好ましくは1nm~1000nmであり、より好ましくは5nm~900nmであり、さらに好ましくは7.5nm~800nmであり、特に好ましくは10nm~700nmである。帯電防止層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
上記帯電防止層は、単独で本発明の基材の第2面に設けられていてもよく、帯電防止層の上に、さらにアンチグレア層及び/又はAR層を設けてもよい。或いは、トップコート層として、アンチグレア層及び/又はAR層の上に、帯電防止層を設けてもよい。
[2.粘着剤組成物及び粘着剤層]
本発明の粘着剤層は、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層である。
本発明の粘着剤組成物は、帯電防止剤と、アクリル系ポリマー(A)、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物とを含有し、前記帯電防止剤が、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物である粘着剤組成物である。
本発明の粘着剤組成物は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、エマルジョン型、熱溶融型(ホットメルト型)、無溶剤型(活性エネルギー線硬化型、例えば、モノマー混合物、又はモノマー混合物とその部分重合物など)等が挙げられる。特に、本発明の粘着剤組成物は、溶剤型ではないことが好ましい。溶剤型の粘着剤組成物により粘着剤層を得ようとする場合、ゆず肌等の外観の不具合が発生しやすいためである。なお、「ゆず肌」とは、柑橘類の一種である「ゆず」の皮のような凹凸が生じる現象をいう。また、本発明の粘着剤組成物は、外観性の優れた粘着剤層を得る点からは、活性エネルギー線硬化型であることが好ましい。本明細書において、粘着剤組成物は、粘着剤層を形成するために用いる組成物を意味し、粘着剤を形成するために用いる組成物の意味を含むものとする。
上記有機溶剤としては、溶媒として用いられる有機化合物である限り特に限定されないが、例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。なお、上記有機溶剤は、2種以上の有機溶剤を含む混合溶剤であってもよい。
本発明の粘着剤組成物において、有機溶剤を「実質的に含有しない」とは、有機溶剤が不可避的に混入する場合を除いて、有機溶剤を能動的に配合はしないことをいう。具体的には、粘着剤組成物中の有機溶剤の含有量が粘着剤組成物の全量(全重量、100重量%)に対して1.0重量%以下(好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下)であるものは、実質的に含有しないということができる。
本発明の粘着剤組成物が含有するベースポリマーは、アクリル系ポリマー(A)である。すなわち、本発明の粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤組成物である。アクリル系ポリマーは、透明性、耐候性、接着信頼性、及びモノマーの種類が豊富なことから粘着剤層の機能設計が行いやすい等の点より、好ましい。つまり、本発明の粘着剤組成物は、後述のアクリル系ポリマー(A)をベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤組成物であることが好ましい。なお、アクリル系ポリマー(A)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)における上記アクリル系ポリマー(A)の含有量は、特に限定されないが、75重量%以上(例えば75~99.9重量%)であることが好ましく、より好ましくは85重量%以上(例えば85~99.9重量%)である。
本発明の粘着剤組成物は、酸性基含有モノマー(例えば、カルボキシル基含有モノマー、スルホ基含有モノマー、リン酸基含有モノマーなど)を、含有しない又は実質的に含有しないことが好ましい。この構成は、優れた金属配線の腐食防止効果を得ることができる点で、好ましい。なお、酸性基含有モノマーの含有量は、本発明の粘着剤組成物全量に対して、0.05重量%以下(例えば、0~0.05重量%)が好ましく、より好ましくは0.01重量%以下(例えば、0~0.01重量%)、さらに好ましくは0.001重量%以下(例えば、0~0.001重量%)であるものは、実質的に含有しないということができる。
本発明の粘着剤組成物は、ベースポリマーとして含有するアクリル系ポリマーを構成するモノマー成分として、カルボキシル基含有モノマーなどの酸性基含有モノマーを、含有しない又は実質的に含有しないことが好ましい。本発明の粘着剤組成物は、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを含有しない又は実質的に含有しないことがより好ましい。このため、本発明の粘着剤組成物は、優れた腐食防止効果を得ることができる。カルボキシル基含有モノマーの意味、「実質的に含有しない」の意味、カルボキシル基以外の酸性基を有するモノマー等については、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分である場合と同様であるものとする。また、カルボキシル基含有モノマーの含有量は、本発明の粘着剤組成物全量に対して、0.05重量%以下(例えば、0~0.05重量%)が好ましく、より好ましくは0.01重量%以下(例えば、0~0.01重量%)、さらに好ましくは0.001重量%以下(例えば、0~0.001重量%)であるものは、実質的に含有しないということができる。
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)は、優れた帯電防止性能を有している。このため、本発明の粘着剤層を介して画像表示装置と光学部材を貼り合わせる際に、静電気による表示不良を抑制することができる。このように、本発明の粘着剤層は、画像表示装置の製造に好適に用いられる。
(表面抵抗率)
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)の表面抵抗率(JIS K 6271に準じる)は、優れた帯電防止性能の観点から、好ましくは1.0×1010Ω/□以下であり、より好ましくは0.5×1010Ω/□以下であり、さらに好ましくは1.0×109Ω/□以下であり、0.5×109Ω/□以下、又は1.0×108Ω/□以下である。本発明の粘着剤層の表面抵抗率の下限値は、特に限定されないが、1.0×105Ω/□以上、又は0.5×105Ω/□以上であってもよい。
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)は、湿熱環境でも、導電防止剤のブリードアウトを抑制して外観上の透明性を維持できるとともに、優れた帯電防止性能を安定付与し得る。このため、本発明の粘着剤層を介して画像表示装置と光学部材を貼り合わせた後の湿熱環境下でも、透明性を維持しつつ、静電気による表示不良を抑制することができる。このように、本発明の粘着剤層は、画像表示装置の製造に好適に用いられる。
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)を、60℃、95%RH環境下に240時間投入して取り出した後、23℃、50%RH環境下で24時間調温・調湿を行った後に、23℃、50%RHの雰囲気下での湿熱試験後の粘着剤層表面の表面抵抗率は、湿熱環境においても導電防止剤のブリードアウトを抑制して外観上の透明性を維持できるとともに、湿熱試験前後における抵抗値の安定性を担保することで、優れた帯電防止性能を安定付与できる観点から、好ましくは5.0×1010Ω/□以下であり、より好ましくは3.0×1010Ω/□以下であり、さらに好ましくは1.0×1010Ω/□以下であり、0.5×1010Ω/□以下、1.0×109Ω/□以下、0.5×109Ω/□以下、又は1.0×108Ω/□以下である。本発明の粘着剤層の上記加湿試験後の表面抵抗率の下限値は、特に限定されないが、1.0×105Ω/□以上、又は0.5×105Ω/□以上であってもよい。
上記湿熱試験前後の粘着剤層表面の表面抵抗率の割合(湿熱試験後の表面抵抗値/湿熱試験前の表面抵抗値)は、湿熱環境においても導電防止剤のブリードアウトを抑制して外観上の透明性を維持できるとともに、湿熱試験前後における抵抗値の安定性を担保することで、優れた帯電防止性能の安定性を付与できる観点から、好ましくは90以下であり、より好ましくは50以下であり、さらに好ましくは30以下であり、20以下、又は10以下である。
本発明の粘着剤層の表面抵抗率、加湿試験後の表面抵抗率は、後掲の実施例に記載の方法により、測定できる。本発明の粘着剤層の表面抵抗率、加湿試験後の表面抵抗率は、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー組成、架橋剤の量、本発明のイオン性化合物、その他添加剤の種類や量、硬化条件などを調整することによって、調整することができる。
(ヘイズ、全光線透過率)
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)は、透明であり、又は、透明性を有している。このため、本発明の粘着剤層を介しての視認性や外観性に優れる。このように、本発明の粘着剤層は、光学用に好適に用いられる。
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)のヘイズは、(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.8%以下、0.7%以下、又は0.6%以下であってもよい。ヘイズが1.0%以下であると、優れた透明性や優れた外観が得られ、好ましい。なお、上記ヘイズは、例えば、粘着剤層(厚み:100μm)とし、これを常態(23℃、50%RH)に少なくとも24時間静置した後、スライドガラス(例えば、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%のもの)に貼り合わせたものを試料とし、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、商品名「HM-150N」)を用いて測定することができる。
本発明の粘着剤層の可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は、特に限定されないが、90%以上が好ましく、より好ましくは91%以上、又は92%以上であってもよい。全光線透過率が90%以上であると、優れた透明性や優れた外観が得られ、好ましい。なお、上記全光線透過率は、例えば、粘着剤層(厚み:100μm)とし、これを常態(23℃、50%RH)に少なくとも24時間静置した後、セパレータを有する場合にはこれを剥離し、スライドガラス(例えば、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%のもの)に貼り合わせたものを試料とし、ヘイズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、商品名「HM-150N」)を用いて測定することができる。
本発明の粘着剤層の全光線透過率及びヘイズは、後掲の実施例に記載の方法により、測定できる。本発明の粘着剤層の全光線透過率及びヘイズは、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー組成、架橋剤の量、本発明のイオン性化合物、その他添加剤の種類や量、硬化条件などを調整することによって、調整することができる。
(ゲル分率)
本発明の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)のゲル分率(溶剤不溶成分の割合)は、特に限定されないが、40~95%が好ましく、より好ましくは50~92%、さらに好ましくは55~90%である。ゲル分率が40%以上であると、上記粘着剤層の凝集力が向上し、高温環境下での被着体との界面での発泡や剥がれ、取り扱いでの打痕や、加工時の端部の汚染が抑制され、優れた耐発泡剥がれ性が得やすくなり好ましい。なお、ゲル分率が95%以下であると、適度な柔軟性が得られ、より接着性、段差追従性が向上し、好ましい。
上記ゲル分率(溶剤不溶成分の割合)は、具体的には、例えば、以下の「ゲル分率の測定方法」により算出される値である。
粘着シートから粘着剤層:約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、粘着剤層(上記で採取した粘着剤層)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸との合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
次に、粘着剤層をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式からゲル分率を算出する。
ゲル分率[%(重量%)]=(X-Y)/(Z-Y)×100
なお、上記ゲル分率は、例えば、アクリル系ポリマー(A)のモノマー組成、重量平均分子量、架橋剤の使用量(添加量)等により制御することができる。
(貯蔵弾性率)
上記粘着剤層(特に、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)の25℃、1Hzでの貯蔵弾性率は、特に限定されないが、3×104Pa以上であることが好ましい。本発明の粘着剤層の25℃、1Hzでの貯蔵弾性率が3×104Pa以上であるという構成は、取り扱いでの打痕が生じにくい点で好ましい。本発明の粘着剤層の打痕を抑制できる点で、本発明の粘着剤層の25℃、1Hzでの貯蔵弾性率は5×104Pa以上がより好ましく、1×105Pa以上であってもよい。本発明の粘着剤層の25℃、1Hzでの貯蔵弾性率の上限値は特に限定されないが、本発明の粘着剤層の段差追従性の観点から、5×106Pa以下が好ましく、1×106Pa以下であってもよい。
本発明の光学用粘着シートの上記25℃、1Hzでの貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により測定でき具体的は、後掲の実施例に記載の方法により、測定できる。本発明の光学用粘着シートの上記25℃、1Hzでの貯蔵弾性率は、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー組成、架橋剤の量、本発明のイオン性化合物、その他添加剤の種類や量、硬化条件などを調整することによって、調整することができる。
(厚み)
上記粘着剤層(特に、本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)は、特に限定されないが、5~250μmが好ましく、より好ましくは7~240μm、10~230μm、12~220μm、15~210μm、20~200μm、23~175μm、又は25~150μmであってもよい。厚みが一定以上であると段差追従性や接着信頼性が向上し、好ましい。また、厚みが一定以下であると、取扱い性や製造性に特に優れ、好ましい。
本発明の粘着剤層の作製方法としては、特に限定されない。例えば、本発明の粘着剤組成物(前駆体組成物)を作製し、必要に応じて、活性エネルギー線の照射、加熱乾燥等を行うことにより作製できる。具体的には、モノマー成分の混合物又はその部分重合物に、本発明の帯電防止剤(アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物)と、必要に応じて、添加剤等を添加して、混合することを経て、作製されることなどが挙げられる。
[2-1.本発明のイオン性化合物]
本発明の粘着剤組成物は、少なくとも、帯電防止剤として、本発明のイオン性化合物(アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物)を必須成分として含有する。本発明のイオン性化合物とは、アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基(以下、本明細書において、「官能基(A)」と称する場合がある)を、イオン性化合物を構成するカチオン部、及び/又は、アニオン部(いずれか、又は両方)に有するイオン性化合物である。また、本発明のイオン性化合物は、0~150℃の範囲内のいずれかで液体(液状)であり、不揮発性の溶融塩で、透明性を有するもの(イオン液体)が好ましい。なお、本発明のイオン性化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着剤組成物が、本発明のイオン性化合物を含有することにより、アクリル系ポリマー(A)と、本発明のイオン性化合物が有する官能基(A)が反応して共有結合を形成して、イオン性化合物がアクリル系ポリマー(A)の分子中に組み込まれるため、本発明のイオン性化合物を大量に配合しても、本発明の粘着剤層中での相溶性が損なわれることはなく透明性が維持しやすくなる。また、湿熱環境のような過酷な条件でも帯電防止成分のブリードアウトを抑制することができるため、粘着剤層の表面での析出、発泡、剥がれが抑制され、外観や接着信頼性などの耐久性の不良が生じにくい。従って、本発明のイオン性化合物を含有する本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、優れた帯電防止性、透明性、耐湿熱性、及び低汚染性を満足でき、有用である。
本発明のイオン性化合物のカチオン部としては、特に制限なく使用できるが、第4級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピペリニジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、第4級ホスホニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、ピロールカチオン、ピラゾリウムカチオン、グアニジウムカチオン等があげられ、中でも、第4級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピペリニジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、第4級ホスホニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオンを使用することがより好ましい。
また、本発明のイオン性化合物を構成するアニオン部の内、前記アニオンとしては、SCN-、BF4 -、PF6 -、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(FSO22-、(CF3SO22-、(CF3SO23-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)n -、(CN)2-、C49SO3 -、(C25SO22-、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-、B(CN)4 -、C(CN)3 -、N(CN)2 -、CH3OSO3 -、C25OSO3 -、C49OSO3 -、C613OSO3 -、C817OSO3 -、p-トルエンスルホネートアニオン、2-(2-メトキシエチル)エチルサルフェートアニオン、(C253PF3 -などが挙げられ、特に、フッ素原子を含むアニオン成分(含フッ素系アニオン)は、低融点のイオン性化合物を得られ、帯電防止性に優れる点で好ましい。なお、アニオンとして、塩素イオン、臭素イオンなどは、腐食性を有する点で、使用しないことが好ましい。
本発明のイオン性化合物が有する官能基(A)(アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基)としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基等があげられる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、水酸基が好ましく、特に好ましくは、アクリル系ポリマー(A)と共重合可能な(メタ)アクリロイルオキシ基である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクロイル」及び「メタクリロイル」のうち、何れか一方又は両方を表し、他も同様である。また、アミノ基には、-NH2、及び-NHR(Rは、炭素数1~6のアルキル基)も含まれる。
本発明のイオン性化合物が有する官能基(A)の数は、特に限定されないが、1~4個が好ましく、1~3個がより好ましく、1又は2個がさらに好ましく、1個が特に好ましい。官能基(A)の数が2個以上の場合、2個以上の官能基(A)は同一であっても、異なっていてもよい。なお、官能基(A)の数が2個以上の場合、本発明のイオン性化合物は、2つ以上のアクリル系ポリマー(A)を架橋する架橋剤としても機能し得る。
本発明のイオン性化合物としては、特に制限なく使用することができるが、下記一般式(A)で示されるイオン性化合物であることが好ましい。
Figure 2022179400000002
上記式(A)中、X+はカチオン部である。Y-はアニオンである。Z1及びZ2は、同一又は異なって、単結合、又は炭素数1~16のアルキレン基である。A1及びA2は、同一又は異なって、アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基である。n1は0又は1、n2は0又は1、但し、n1+n2は1又は2である。
一般式(A)で示されるイオン性化合物を構成するカチオン部(X+)としては、第4級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ピペリニジニウム基、ピロリジニウム基、ピロール基、第4級ホスホニウム基、トリアルキルスルホニウム基、ピラゾリウム基、グアニジウム基などが挙げられる。これらの中でも、特に、第4級アンモニウム基であることが、透明性に優れ、電子・光学用途に好ましい態様となる。また、第4級アンモニウム基は、紫外線(UV)硬化の際に、一般的なラジカル重合反応を阻害しにくく、硬化性が高いことが推測され、好適である。
前記第4級アンモニウム基としては、n1+n2が1である場合、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリプロピルアンモニウム基、メチルジエチルアンモニウム基、エチルジメチルアンモニウム基、メチルジプロピルアンモニウム基、ジメチルベンジルアンモニウム基、ジエチルベンジルアンモニウム基、メチルジベンジルアンモニウム基、エチルジベンジルアンモニウム基、ジメチルオクタデシルアンモニウム基、ジメチルオレイルアンモニウム基等が挙げられるが、中でも特に、トリメチルアンモニウム基、ジメチルベンジルアンモニウム基が安価な工業材料を入手し易い点で、好ましい態様となる。
前記第4級アンモニウム基としては、n1+n2が2である場合、ジメチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、ジプロピルアンモニウム基、メチルエチルアンモニウム基、メチルプロピルアンモニウム基、メチルベンジルアンモニウム基、エチルベンジルアンモニウム基、メチルオクタデシルアンモニウム基、エチルオクタデシルアンモニウム基、メチルオレイルアンモニウム、エチルオレイルアンモニウム基等が挙げられるが、中でも特に、ジメチルアンモニウム基、メチルオレイルアンモニウム基が安価な工業材料を入手し易い点で、好ましい態様となる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物を構成するアニオン(部位)(Y-)内、前記アニオンとしては、SCN-、BF4 -、PF6 -、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(FSO22-、(CF3SO22-、(CF3SO23-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)n -、(CN)2-、C49SO3 -、(C25SO22-、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-、B(CN)4 -、C(CN)3 -、N(CN)2 -、CH3OSO3 -、C25OSO3 -、C49OSO3 -、C613OSO3 -、C817OSO3 -、p-トルエンスルホネートアニオン、2-(2-メトキシエチル)エチルサルフェートアニオン、(C253PF3 -などが挙げられ、特に、フッ素原子を含むアニオン成分(含フッ素系アニオン)は、低融点のイオン性化合物を得られ、帯電防止性に優れる点で好ましい。なお、アニオンとして、塩素イオン、臭素イオンなどは、腐食性を有する点で、使用しないことが好ましい。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物を構成するZ1及びZ2は、単結合、又は炭素数1~16のアルキレン基である。炭素数1~16のアルキレン基としては、好ましくは炭素数1~12のアルキレン基、さらに好ましくは炭素数1~6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数1~3のアルキレン基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基など挙げられ、エチレン基、トリメチレン基が好ましい。n1+n2が2である場合、Z1及びZ2は、同一でもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物を構成するA1及びA2は、アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基であり、具体的には、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基等があげられる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、水酸基が好ましく、特に好ましくは、アクリル系ポリマー(A)と共重合可能な(メタ)アクリロイルオキシ基である。n1+n2が2である場合、A1及びA2は、同一でもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+が第4級アンモニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1がビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムトリフルオロアセテート、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムヘプタフルオロブチレート、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムペルフルオロブタンスルホネート、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムジシアンアミド、N,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムチオシアネート等のN,N,N-トリアルキル-N-ビニルアンモニウムカチオン含有イオン性化合物;N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムトリフルオロアセテート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムヘプタフルオロブチレート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムペルフルオロブタンスルホネート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムジシアンアミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムチオシアネート、等のN,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウムカチオン含有イオン性化合物;N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムトリフルオロアセテート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムヘプタフルオロブチレート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムペルフルオロブタンスルホネート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムジシアンアミド、N,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムチオシアネート、等のN,N,N-トリアルキル-N-(メタ)アクリロイルアミノアルキルアンモニウムカチオン含有イオン性化合物があげられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+が第4級アンモニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1が(メタ)アクリロイルオキシ基である態様の好ましい具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+が第4級アンモニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1が(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の好ましい具体例としては、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がイミダゾリウム基であり、n1が1であり、n2が0又は1であり、A1及びA2がビニル基である態様の具体例としては、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムジシアンアミド、1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムチオシアネート等の1-アルキル-3-ビニルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;1,2-ジアルキル-3-ビニルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,2-ジアルキル-3-ビニルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジアルキル-3-ビニルイミダゾリウムジシアンアミド、1,2-ジアルキル-3-ビニルイミダゾリウムチオシアネート等の1,2-ジアルキル-3-ビニルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;2-アルキル-1,3-ジビニルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、2-アルキル-1,3-ジビニルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、2-アルキル-1,3-ジビニルイミダゾリウムジシアンアミド、2-アルキル-1,3-ジビニルイミダゾリウムチオシアネート、等の2-アルキル-1,3-ジビニルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;1-ビニルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-ビニルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ビニルイミダゾリウムジシアンアミド、1-ビニルイミダゾリウムチオシアネート等の1-ビニルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物等が挙げられる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がイミダゾリウム基であり、n1が1であり、n2が0又は1であり、A1及びA2が(メタ)アクリロイルオキシ基である態様の具体例としては、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムチオシアネート等の1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムチオシアネート等の1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシイミダゾリウムチオシアネート等の2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムチオシアネート等の1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物等が挙げられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がイミダゾリウム基であり、n1が1であり、n2が0又は1であり、A1及びA2が(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムチオシアネート等の1-アルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムチオシアネート等の1,2-ジアルキル-3-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルアミノイミダゾリウムチオシアネート等の2-アルキル-1,3-ジ(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物;1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムジシアンアミド、1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムチオシアネート等の1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルイミダゾリウムカチオン含有イオン性化合物等が挙げられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がピリジニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1がビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、1-ビニルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-ビニルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ビニルピリジニウムジシアンアミド、1-ビニルピリジニウムチオシアネート、等の1-ビニルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムジシアンアミド、1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムチオシアネート、等の1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムジシアンアミド、1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムチオシアネート、等の1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;2-アルキル-1-ビニルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、2-アルキル-1-ビニルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、2-アルキル-1-ビニルピリジニウムジシアンアミド、2-アルキル-1-ビニルピリジニウムチオシアネート、等の2-アルキル-1-ビニルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムジシアンアミド、2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムチオシアネート、等の2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムジシアンアミド、2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムチオシアネート、等の2-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;3-アルキル-1-ビニルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、3-アルキル-1-ビニルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-アルキル-1-ビニルピリジニウムジシアンアミド、3-アルキル-1-ビニルピリジニウムチオシアネート、等の3-アルキル-1-ビニルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムジシアンアミド、3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムチオシアネート等の3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムジシアンアミド、3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムチオシアネート、等の3-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;4-アルキル-1-ビニルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、4-アルキル-1-ビニルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、4-アルキル-1-ビニルピリジニウムジシアンアミド、4-アルキル-1-ビニルピリジニウムチオシアネート等の4-アルキル-1-ビニルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムジシアンアミド、4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムチオシアネート、等の4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物;4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムジシアンアミド、4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムチオシアネート、等の4-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピリジニウムカチオン含有イオン性化合物等があげられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がピペリニジニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1がビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、1-アルキル-1-ビニルアルキルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アルキル-1-ビニルアルキルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-1-ビニルアルキルピペリジニウムジシアンアミド、1-アルキル-1-ビニルアルキルピペリジニウムチオシアネート等の1-アルキル-1-ビニルアルキルピペリジニウムカチオン含有イオン性化合物;1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピペリジニウムジシアンアミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピペリジニウムチオシアネート等の1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピペリジニウムカチオン含有イオン性化合物;1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピペリジニウムジシアンアミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピペリジニウムチオシアネート等の1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピペリジニウムカチオン含有イオン性化合物等があげられる。 なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がピロリジニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1がビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、1-アルキル-1-ビニルアルキルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アルキル-1-ビニルアルキルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-1-ビニルアルキルピロリジニウムジシアンアミド、1-アルキル-1-ビニルアルキルピロリジニウムチオシアネート、等の1-アルキル-1-ビニルアルキルピロリジニウムカチオン含有イオン性化合物;1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピロリジニウムジシアンアミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピロリジニウムチオシアネート、等の1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルオキシアルキルピロリジニウムカチオン含有イオン性化合物;1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピロリジニウムジシアンアミド、1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピロリジニウムチオシアネート等の1-アルキル-1-(メタ)アクリロイルアミノアルキルピロリジニウムカチオン含有イオン性化合物等があげられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がトリアルキルスルホニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1がビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、ジアルキル(ビニル)スルホニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ジアルキル(ビニル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアルキル(ビニル)スルホニウムジシアンアミド、ジアルキル(ビニル)スルホニウムチオシアネート、等のジアルキル(ビニル)スルホニウムカチオン含有イオン性化合物;ジアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)スルホニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ジアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)スルホニウムジシアンアミド、ジアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)スルホニウムチオシアネート等のジアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)スルホニウムカチオン含有イオン性化合物;ジアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)スルホニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ジアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)スルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)スルホニウムジシアンアミド、ジアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)スルホニウムチオシアネート等のジアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)スルホニウムカチオン含有イオン性化合物等があげられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+が第4級ホスホニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1がビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリロイルアミノ基である態様の具体例としては、トリアルキル(ビニル)ホスホニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリアルキル(ビニル)ホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリアルキル(ビニル)ホスホニウムジシアンアミド、トリアルキル(ビニル)ホスホニウムチオシアネート、等のトリアルキル(ビニル)ホスホニウムカチオン含有イオン性化合物;トリアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)ホスホニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)ホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)ホスホニウムジシアンアミド、トリアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)ホスホニウムチオシアネート等のトリアルキル((メタ)アクリロイルオキシアルキル)ホスホニウムカチオン含有イオン性化合物;トリアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)ホスホニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)ホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)ホスホニウムジシアンアミド、トリアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)ホスホニウムチオシアネート等のトリアルキル((メタ)アクリロイルアミノアルキル)ホスホニウムカチオン含有イオン性化合物等があげられる。なお、前記アルキル置換基としては、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1~12、更に好ましくは炭素数1~6である。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+が第4級アンモニウム基であり、n1が1であり、n2が1であり、A1及びA2が水酸基である態様の具体例としては、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-デシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-ドデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-テトラデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-ヘキサデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-オクタデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-メチル-(9-エン-オクタデシル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-デシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-ドデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-テトラデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-ヘキサデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-オクタデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、オレイル-エチル-ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がピリジニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1が水酸基である態様の具体例としては、N-ヒドロキシエチルピリジニウムビス(トリフルオロメタスルホニル)イミド等が挙げられる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がイミダゾリウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1が水酸基である態様の具体例としては、1-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
上記一般式(A)で示されるイオン性化合物のうち、X+がイミダゾリウム基、又は第4級アンモニウム基であり、n1が1であり、n2が0であり、A1及びA2がアミノ基である態様の具体例としては、1-アミノプロピル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アミノプロピル-3-メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1-アミノプロピル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-アミノヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アミノヘキシル-3-メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1-アミノヘキシル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムジシアノアミド、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
本発明のイオン性化合物の含有量は、特に限定されないが、本発明の粘着剤層に十分な帯電防止性能を付与できる点から、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、さらに好ましくは0.1重量部以上、0.5重量部以上又は0.5重量部以上、1.0重量部以上、2.0重量部以上、3.0重量部以上、4.0重量部以上、又は5.0重量部以上含んでいてもよい。本発明のイオン性化合物の含有量は、特に限定されないが、本発明の粘着剤層に透明性、外観、接着信頼性等の耐久性を確保しやすくなる点から、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下、25重量部以下、20重量部以下、又は15重量部以下含んでいてもよい。
[2-2.アクリル系ポリマー(A)]
上記粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)は、アクリル系ポリマー(A)を主成分とするアクリル系粘着剤層である。アクリル系ポリマー(A)の具体的な含有量は、特に限定されないが、本発明の粘着剤層全量(全重量、100重量%)に対して75重量%以上(例えば75~99.9重量%)であることが好ましく、より好ましくは85重量%以上(例えば85~99.9重量%)である。
アクリル系ポリマー(A)を主成分として含有する粘着剤層を形成する粘着剤組成物としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー(A)を必須成分とする組成物;アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物(「モノマー混合物」と称する場合がある)又はその部分重合物を必須成分とする組成物等が挙げられる。特に限定されないが、前者としては、例えば、いわゆる水分散型組成物(エマルジョン型組成物)等が挙げられ、後者としては、例えば、いわゆる活性エネルギー線硬化型組成物等が挙げられる。なお、上記粘着剤組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を含んでいてもよい。
上記「モノマー混合物」とは、単一のモノマー成分で構成される場合、2以上のモノマー成分で構成される場合を含むものとする。また、上記「部分重合物」とは、上記モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。なかでも、上記粘着剤組成物は、モノマー混合物又はその部分重合物を必須成分とする組成物が好ましい。
アクリル系ポリマー(A)は、必須のモノマー単位(単量体単位、モノマー構成単位)としてアクリル系モノマー(アクリル系単量体)を含むポリマー(重合体)である。いいかえれば、アクリル系ポリマー(A)は、構成単位としてアクリル系モノマーに由来する構成単位を含むポリマーである。つまり、アクリル系ポリマー(A)は、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成(形成)された重合体である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のうち、何れか一方又は両方を表し、他も同様である。アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、100000~5000000であることが好ましい。
アクリル系ポリマー(A)は、必須のモノマー単位として、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、単に「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と称する場合がある)を含むポリマーであることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル((メタ)アクリル酸n-ブチル)、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等のアルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、強接着性を得る点、残存応力を調整する点より、アルキル基の炭素数が1~18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはメタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸イソステアリル(ISTA)である。
アクリル系ポリマー(A)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量)における上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量(割合)は、特に限定されないが、接着性信頼性、特に低温での接着信頼性の点で、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、30~95重量部が好ましく、より好ましくは35~90重量部、さらに好ましくは40~85重量部である。
アクリル系ポリマー(A)は、モノマー単位として上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他にも、共重合が可能なモノマー(共重合性モノマー)を含んでいてもよい。つまり、アクリル系ポリマー(A)は、構成するモノマー成分として、共重合性モノマーを含んでいてもよい。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられていてもよい。
上記共重合性モノマーとしては、水酸基含有モノマーが好ましく挙げられる。アクリル系ポリマー(A)がモノマー単位として水酸基含有モノマーを含んでいると、構成するモノマー成分を重合させる際に重合させやすくなり、また、良好な凝集力を得やすくなる。このため、強接着性を得やすくなり、また、ゲル分率を大きくして、優れた耐発泡剥がれ性を得やすくなる。さらに、高湿環境下で生じることのある粘着シートの白化を抑制しやすくなる。さらに、水酸基は、上記の本発明のイオン性化合物が有する官能基(A)との反応点にもなり得る。
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対する上記水酸基含有モノマーの含有量(割合)は、特に限定されない。水酸基含有モノマーの量が一定以上であると、高湿環境下で生じることのある粘着シートの白化をより抑制でき、加湿白濁耐性等の透明性が確保できる。上記水酸基含有モノマーの含有量の下限は、1重量部以上であることが好ましく、より好ましくは2重量部以上、3重量部以上、4重量部以上、5重量部以上、6重量部以上、7重量部以上、8重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上である。また、上記水酸基含有モノマーの含有量の上限は、凝集力の点、接着性、耐発泡剥がれ性等の接着信頼性の得やすさの点より、40重量部以下であること好ましく、35重量部以下、34重量部以下、33重量部以下、32重量部以下、又は31重量部以下であることがより好ましく、30重量部以下であることがさらに好ましい。
さらに、上記共重合性モノマーとしては、窒素原子含有モノマーが好ましく挙げられる。アクリル系ポリマー(A)がモノマー単位として窒素原子含有モノマーを含んでいると、適度な凝集力が得やすくなる。このため、ガラス板に対する180°(度)引き剥がし接着力及びアクリル板に対する180°引き剥がし接着力を大きくして、強接着性を得やすくなり、また、ゲル分率を大きくして、優れた耐発泡剥がれ性を得やすくなる。さらに、粘着剤層で適度な柔軟性を得やすくなり、300%引張残留応力を特定の範囲内に調整し、優れた応力緩和性及び優れた段差追従性を得やすくなる。
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対する上記窒素原子含有モノマーの含有量(割合)は、特に限定されないが、5重量部以上であることが好ましい。上記窒素原子含有モノマーの含有量の下限は、凝集力、接着性、耐発泡剥がれ性の点より、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、7重量部以上であることが好ましく、8重量部以上であることがより好ましく、9重量部以上、又は10重量部以上であることがさらに好ましい。また、上記窒素原子含有モノマーの含有量の上限は、粘着剤層で適度な柔軟性をより得やすくなり、優れた応力緩和性及び優れた段差追従性をより得やすくなる点より、40重量部以下であることが好ましく、35重量部以下であることがより好ましく、30重量部以下であることがさらに好ましい。
上記アクリル系ポリマー(A)は、上記モノマー単位(モノマー成分)を公知乃至慣用の重合方法により重合することにより、得ることができる。上記アクリル系ポリマー(A)の重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)等が挙げられる。なかでも、粘着剤層の透明性、耐水性、コスト等の点で、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましく、より好ましくは活性エネルギー線重合方法である。
上記活性エネルギー線重合(光重合)に際して照射される活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線や、紫外線等が挙げられ、特に紫外線が好ましい。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法等は特に限定されず、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
上記アクリル系ポリマー(A)の重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられてもよい。このような溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等の有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
また、上記アクリル系ポリマー(A)の重合に際しては、重合反応の種類に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)等の重合開始剤が用いられてもよい。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。なお、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノン等が挙げられる。上記α-ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン等が挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2-ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシム等が挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン等が挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジル等が挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が挙げられる。
上記光重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー(A)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量)100重量部に対して、0.001~1重量部が好ましく、より好ましくは0.01~0.50重量部である。
また、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルマレエート等)、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。なかでも、特開2002-69411号公報に開示されたアゾ系重合開始剤が好ましい。上記アゾ系重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と称する場合がある)、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(以下、「AMBN」と称する場合がある)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリアン酸等が挙げられる。
上記熱重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記アゾ系重合開始剤の場合、アクリル系ポリマー(A)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量)100重量部に対して、0.05~0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.1~0.3重量部である。
[2-3.カルボキシル基含有モノマー等]
上記粘着剤層は、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分として、カルボキシル基含有モノマーを実質的に含有しないことが好ましい。なお、「実質的に含有しない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的に配合はしないことをいう。また、カルボキシル基含有モノマーとは、分子内にカルボキシル基を少なくとも1つ有するモノマーを意味する。より優れた腐食防止効果が得られるという観点から、具体的には、カルボキシル基含有モノマーの含有量が、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.05重量部以下(例えば、0~0.05重量部)が好ましく、より好ましくは0.01重量部以下(例えば、0~0.01重量部)、さらに好ましくは0.001重量部以下(例えば、0~0.001重量部)であるものは、実質的に含有しないということができる。なお、上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる、また、上記カルボキシル基含有モノマーには、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマーも含まれるものとする。
さらに、上記粘着剤層がアクリル系粘着剤層である場合、より優れた腐食防止効果が得られるという観点から、上記粘着剤層は、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分として、カルボキシル基含有モノマーを実質的に含有しないのみならず、カルボキシル基以外の酸性基(スルホ基、リン酸基等)を有するモノマーについても、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分として、実質的に含有しないことが好ましい。すなわち、アクリル系ポリマー(A)は、好ましくは、構成するモノマー成分として、カルボキシル基含有モノマーとその他の酸性基を有するモノマーとを何れも実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてのカルボキシル基含有モノマー及びその他の酸性基を有するモノマーの総量が、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.05重量部以下(例えば、0~0.05重量部)が好ましく、より好ましくは0.01重量部以下(例えば、0~0.01重量部)、さらに好ましくは0.001重量部以下(例えば、0~0.001重量部)であるものは、実質的に含有しないということができる。
また、上記粘着剤層は、同様の観点から、アクリル系ポリマー(A)以外のポリマー(例えば、後述のアクリル系ポリマー(B)など)を構成するモノマー成分としても、酸性基含有モノマーを含有しない又は実質的に含有しないことが好ましい。例えば、カルボキシル基含有モノマーを実質的に含有しないことが好ましい。なお、「実質的に含有しない」の意味、好ましい程度、及びカルボキシル基以外の酸性基を有するモノマー等については、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分である場合と同様であるものとする。
[2-4.塩基性基含有モノマー]
なお、上記粘着剤層は、ベースポリマーを構成するモノマー成分として、塩基性基含有モノマーを含有しない又は実質的に含有しないことが好ましい。例えば、上記粘着剤層がベースポリマーとしてアクリル系ポリマー(A)を含有するアクリル系粘着剤層である場合、アクリル系ポリマー(A)以外のポリマーを構成するモノマー成分として、塩基性基含有モノマーを実質的に含有しないことが好ましく、各種ポリマーを構成するモノマー成分でない場合であっても、上記粘着剤層中に塩基性基含有モノマーを実質的に含有しないことが好ましい点は、カルボキシル基含有モノマーの場合と同様である。また、「実質的に含有しない」の意味、好ましい程度等についても、同様であるものとする。
[2-5.水酸基含有モノマー]
水酸基含有モノマーとは、分子内に水酸基を少なくとも1つ有するモノマーを意味する。また、分子内に水酸基を少なくとも1つ有し、且つ、分子内にカルボキシル基を少なくとも1つ有するモノマーはカルボキシル基含有モノマーであり、水酸基含有モノマーではないものとする。上記水酸基含有モノマーとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;ビニルアルコール、アリルアルコール等が挙げられる。なかでも、上記水酸基含有モノマーとしては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル(HPA)、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)である。なお、水酸基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられていてもよい。
[2-6.窒素原子含有モノマー]
窒素原子含有モノマーとは、分子内(1分子内)に窒素原子を少なくとも1つ有するモノマーを意味する。ただし、上記水酸基含有モノマーには、上記窒素原子含有モノマーは含まれないものとする。すなわち、本明細書において、分子内に水酸基及び窒素原子を有するモノマーは、窒素原子含有モノマーに含まれるものとする。また、分子内に窒素原子を少なくとも1つ有し、且つ、分子内にカルボキシル基を少なくとも1つ有するモノマーはカルボキシル基含有モノマーであり、窒素原子含有モノマーではないものとする。
上記窒素原子含有モノマーとしては、耐発泡剥がれ性を向上させる観点から、N-ビニル環状アミド、(メタ)アクリルアミド類等が好ましい。なお、窒素原子含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられていてもよい。
上記N-ビニル環状アミドとしては、下記式(1)で表されるN-ビニル環状アミドが好ましい。
Figure 2022179400000003
(式(1)中、R1は2価の有機基を示す)
上記式(1)におけるR1は2価の有機基であり、好ましくは2価の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、より好ましくは2価の飽和炭化水素基(例えば、炭素数3~5のアルキレン基等)である。
上記式(1)で表されるN-ビニル環状アミドとしては、さらに耐発泡剥がれ性を向上させる観点から、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、N-ビニル-3,5-モルホリンジオン等が好ましく、より好ましくはN-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-カプロラクタムであり、さらに好ましくはN-ビニル-2-ピロリドンである。
上記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。上記N-アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド等が挙げられる。さらに、上記N-アルキル(メタ)アクリルアミドには、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのようなアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドも含まれる。上記N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(t-ブチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリルアミド類には、例えば、各種のN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドも含まれる。上記N-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリルアミド類には、例えば、各種のN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドも含まれる。上記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、上記N-ビニル環状アミド、上記(メタ)アクリルアミド類以外の窒素原子含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルピラジン、N-ビニルモルホリン、N-ビニルピラゾール、ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルオキサゾール、ビニルイソオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルイソチアゾール、ビニルピリダジン、(メタ)アクリロイルピロリドン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルピペリジン、N-メチルビニルピロリドン等の複素環含有モノマー;N-シクロヘキシルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー、N-メチルイタコンイミド、N-エチルイタコンイミド、N-ブチルイタコンイミド、N-オクチルイタコンイミド、N-2-エチルヘキシルイタコンイミド、N-ラウリルイタコンイミド、N-シクロヘキシルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー、N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー等のイミド基含有モノマー;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。
[2-7.脂環構造含有モノマー]
窒素原子含有モノマー及び水酸基含有モノマー以外の共重合性モノマーとしては、さらに、脂環構造含有モノマーが挙げられる。上記脂環構造含有モノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造を有するものであれば特に限定されない。例えば、シクロアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、上記脂環構造含有モノマーに含まれる。なお、脂環構造含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記脂環構造含有モノマーにおける脂環構造は、環状の炭化水素構造であり、炭素数5以上であることが好ましく、炭素数6~24がより好ましく、炭素数6~15がさらに好ましく、炭素数6~10が特に好ましい。
上記脂環構造含有モノマーとしては、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、下記式(2)で表されるHPMPA、下記式(3)で表されるTMA-2、下記式(4)で表されるHCPAなどの(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。なお、下記式(4)において、線でつないだシクロヘキシル環と括弧内の構造式との結合場所は特に限定されない。これらの中でも、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2022179400000004
Figure 2022179400000005
Figure 2022179400000006
上記アクリル系ポリマーが、ポリマーを構成するモノマー成分として上記脂環構造含有モノマーを含有する場合、上記アクリル系ポリマー(A)を構成する全モノマー成分(100重量%)中の、上記脂環構造含有モノマーの割合は、特に限定されないが、耐久性向上、高い接着信頼性を得る点より、10重量%以上であることが好ましい。また、上記脂環構造含有モノマーの割合の上限は、適度な柔軟性を有する粘着剤層を得る点より、50重量%以下が好ましく、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
[2-8.その他の共重合性モノマー]
アクリル系ポリマー(A)における共重合性モノマーとしては、上記の窒素原子含有モノマー、水酸基含有モノマーの他に、例えば、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4-エトキシブチル等];エポキシ基含有モノマー[例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等];スルホン酸基含有モノマー[例えば、ビニルスルホン酸ナトリウム等];リン酸基含有モノマー;芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル[例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル等];ビニルエステル類[例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等];芳香族ビニル化合物[例えば、スチレン、ビニルトルエン等];オレフィン類又はジエン類[例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等];ビニルエーテル類[例えば、ビニルアルキルエーテル等];塩化ビニル等が挙げられる。
さらに、上記アクリル系ポリマー(A)における共重合性モノマーとしては、多官能性モノマーも挙げられる。多官能性モノマーは、架橋成分として作用する。上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。なお、多官能性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられていてもよい。
アクリル系ポリマー(A)の全モノマー単位における上記多官能性モノマーの含有量(割合)は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.5重量部以下(例えば、0~0.5重量部)が好ましく、より好ましくは0~0.35重量部、さらに好ましくは0~0.3重量部である。多官能性モノマーの含有量が0.5重量部以下であると、粘着剤層が適度な凝集力を有し、粘着力や段差吸収性が向上しやすく、好ましい。なお、架橋剤を使用する場合には多官能性モノマーを使用しなくてもよいが、架橋剤を使用しない場合の多官能性モノマーの含有量は、0.001~0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.001~0.35重量部、さらに好ましくは0.002~0.3重量部である。
[2-9.アクリル系ポリマー(B)]
上記粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)がベースポリマーとしてアクリル系ポリマー(A)を含有する場合、上記粘着剤層は、上記アクリル系ポリマー(A)とともに、重量平均分子量が1000~30000であるアクリル系ポリマー(B)を含有することが好ましい。アクリル系ポリマー(B)を含有していると、粘着シートにおける界面における被着体への接着性が向上するので、強接着性を得やすくなり、また優れた耐発泡剥がれ性を得やすくなる。なお、本明細書では、「重量平均分子量が1000~30000であるアクリル系ポリマー(B)」を単に「アクリル系ポリマー(B)」と称する場合がある。
上記アクリル系ポリマー(B)としては、分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを必須のモノマー成分として構成されたアクリル系ポリマーが好ましく挙げられ、分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル及び直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須のモノマー成分として構成されたアクリル系ポリマーがより好ましく挙げられる。すなわち、上記アクリル系ポリマー(B)としては、モノマー単位として分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むアクリル系ポリマーが好ましく挙げられ、モノマー単位として分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル及び直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むアクリル系ポリマーがより好ましく挙げられる。
上記分子内(1分子内)に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「環含有(メタ)アクリル酸エステル」と称する場合がある)の環状構造(環)は、芳香族性環、非芳香族性環の何れであってもよく、特に限定されない。上記芳香族性環としては、例えば、芳香族性炭素環[例えば、ベンゼン環等の単環炭素環や、ナフタレン環等の縮合炭素環等]、各種の芳香族性複素環等が挙げられる。上記非芳香族性環としては、例えば、非芳香族性脂肪族環(非芳香族性脂環式環)[例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等のシクロアルカン環;シクロヘキセン環等のシクロアルケン環等]、非芳香族性橋かけ環[例えば、ピナン、ピネン、ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネン等における二環式炭化水素環;アダマンタン等における三環以上の脂肪族炭化水素環(橋かけ式炭化水素環)等]、非芳香族性複素環[例えば、エポキシ環、オキソラン環、オキセタン環等]等が挙げられる。
上記三環以上の脂肪族炭化水素環(三環以上の橋かけ式炭化水素環)としては、例えば、下記式(5a)で表されるジシクロペンタニル基、下記式(5b)で表されるジシクロペンテニル基、下記式(5c)で表されるアダマンチル基、下記式(5d)で表されるトリシクロペンタニル基、下記式(5e)で表されるトリシクロペンテニル基等が挙げられる。
Figure 2022179400000007
すなわち、上記環含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル等の二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等の三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル等の芳香族性環を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。なかでも、上記環含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に、非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸シクロヘキシル(CHA)、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)、アクリル酸ジシクロペンタニル(DCPA)、メタクリル酸ジシクロペンタニル(DCPMA)であり、さらに好ましくはアクリル酸ジシクロペンタニル(DCPA)、メタクリル酸ジシクロペンタニル(DCPMA)である。なお、環含有(メタ)アクリル酸エステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステルのなかでも、三環以上の脂肪族炭化水素環(特に、三環以上の橋かけ式炭化水素環)を有する(メタ)アクリル酸エステルを使用した場合、特に、重合阻害を起こしにくい点で好ましい。また、不飽和結合を有しない上記式(5a)で表されるジシクロペンタニル基、上記式(5c)で表されるアダマンチル基、上記式(5d)で表されるトリシクロペンタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを使用した場合には、耐発泡剥がれ性をより高めることができ、さらに、ポリエチレンやポリプロプレン等の低極性の被着体に対する接着性を顕著に向上させることができる。
アクリル系ポリマー(B)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量)における上記環含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量(割合)は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、10~90重量部が好ましく、より好ましくは20~80重量部である。上記環含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量を10重量部以上であると、耐発泡剥がれ性が向上しやすくなり、好ましい。また、含有量を90重量部以下であると、粘着剤層が適度な柔軟性を有し、粘着力や段差吸収性等が向上しやすくなり、好ましい。
また、アクリル系ポリマー(B)のモノマー単位としての上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等のアルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、アクリル系ポリマー(A)との相溶性が良好となる点で、メタクリル酸メチル(MMA)が好ましい。なお、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
アクリル系ポリマー(B)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量)における上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量(割合)は、特に限定されないが、耐発泡剥がれ性の点で、アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、10~90重量部が好ましく、より好ましくは20~80重量部、さらに好ましくは20~60重量部である。含有量が10重量部以上であると、特に、アクリル樹脂やポリカーボネート製の被着体に対する粘着力が向上しやすくなり、好ましい。
アクリル系ポリマー(B)のモノマー単位としては、上記環含有(メタ)アクリル酸エステル及び直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他にも、これらのモノマーと共重合が可能なモノマー(共重合性モノマー)が含まれていてもよい。なお、アクリル系ポリマー(B)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量)における上記共重合性モノマーの含有量(割合)は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、49.9重量部以下(例えば、0~49.9重量部)が好ましく、より好ましくは30重量部以下である。また、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
アクリル系ポリマー(B)のモノマー単位としての上記共重合性モノマー(アクリル系ポリマー(B)を構成する上記共重合性モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4-エトキシブチル等];ヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー[例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコール等];アミド基含有モノマー[例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等];アミノ基含有モノマー[例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチル等];シアノ基含有モノマー[例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等];スルホン酸基含有モノマー[例えば、ビニルスルホン酸ナトリウム等];リン酸基含有モノマー[例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等];イソシアネート基含有モノマー[例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等]、イミド基含有モノマー[シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等]等が挙げられる。
上記のように、アクリル系ポリマー(B)は、モノマー単位として分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル及び直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むアクリル系ポリマーであることが好ましい。なかでも、モノマー単位として、環含有(メタ)アクリル酸エステル、及び、上記の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むアクリル系ポリマーであることが好ましい。上記のモノマー単位として環含有(メタ)アクリル酸エステル及び直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むアクリル系ポリマーにおいて、アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対する環含有(メタ)アクリル酸エステルの量は、特に限定されないが、10~90重量部が好ましく、より好ましくは20~80重量部である。また、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、特に限定されないが、10~90重量部が好ましく、より好ましくは20~80重量部、さらに好ましくは20~60重量部である。
さらに、アクリル系ポリマー(B)の特に好ましい具体的構成としては、モノマー単位として(1)アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロヘキシル、及びメタクリル酸シクロヘキシルからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー、ならびに(2)メタクリル酸メチルを含むアクリル系ポリマーが挙げられる。上記の特に好ましい具体的構成のアクリル系ポリマー(B)における、アクリル系ポリマー(B)の全モノマー単位中の、(1)アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロヘキシル、及びメタクリル酸シクロヘキシルの含有量(2種以上を含む場合はこれらの合計量)は、アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、30~70重量部、(2)メタクリル酸メチルの含有量は30~70重量部であることが好ましい。ただし、上記アクリル系ポリマー(B)は、上記具体的構成に限定されるものではない。
アクリル系ポリマー(B)は、上記モノマー成分を公知乃至慣用の重合方法により重合することにより得ることができる。上記アクリル系ポリマー(B)の重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)等が挙げられる。なかでも、塊状重合方法、溶液重合方法が好ましく、より好ましくは溶液重合方法である。
アクリル系ポリマー(B)の重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられてもよい。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等の有機溶剤が挙げられる。なお、このような溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
さらに、アクリル系ポリマー(B)の重合に際しては、公知乃至慣用の重合開始剤(例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤等)が使用されてもよい。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリアン酸、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。なお、溶液重合を行う場合には、油溶性の重合開始剤を使用することが好ましい。また、熱重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記熱重合開始剤の使用量としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー(B)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量)100重量部に対して、0.1~15重量部である。
また、上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、上記で挙げられたアクリル系ポリマー(A)の重合に際して用いられる光重合開始剤と同じ光重合開始剤が挙げられる。上記光重合開始剤の使用量は、特に限定されず、適宜選択される。
上記アクリル系ポリマー(B)の重合に際しては、分子量を調整するため(具体的には、重量平均分子量を1000~30000に調整するため)に、連鎖移動剤が使用されてもよい。上記連鎖移動剤としては、例えば、2-メルカプトエタノール、α-チオグリセロール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、オクチルメルカプタン、t-ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン(ラウリルメルカプタン)、t-ドデシルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t-ブチル、チオグリコール酸2-エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル、α-メチルスチレンダイマー等が挙げられる。なかでも、加湿による粘着シートの白化を抑制する観点から、α-チオグリセロール、チオグリコール酸メチルが好ましく、α-チオグリセロールが特に好ましい。なお、連鎖移動剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記連鎖移動剤の含有量(使用量)は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(B)の全モノマー単位(アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分全量)100重量部に対して、0.1~20重量部が好ましく、より好ましくは0.2~15重量部、さらに好ましくは0.3~10重量部である。連鎖移動剤の含有量(使用量)を上記範囲とすることにより、重量平均分子量が1000~30000に制御されたアクリル系ポリマーを容易に得ることができる。
上記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)は、1000~30000であり、好ましくは1000~20000、より好ましくは1500~10000、さらに好ましくは2000~8000である。アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量が1000以上であるので、粘着力や保持特性が向上し、耐発泡剥がれ性が向上する。一方、アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量を30000以下であるので、粘着力を高くしやすく、耐発泡剥がれ性が向上する。
上記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)は、GPC法によりポリスチレン換算して求めることができる。例えば、東ソー株式会社製の高速GPC装置「HPLC-8120GPC」を用いて、下記の条件により測定することができる。
カラム:TSKgel SuperHZM-H/HZ4000/HZ3000/HZ2000
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
上記アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、20~300℃が好ましく、より好ましくは30~300℃、さらに好ましくは40~300℃である。アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度を20℃以上であると、耐発泡剥がれ性が向上しやすく、好ましい。また、アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度が300℃以下であると、粘着剤層が適度な柔軟性を有し、良好な粘着力や良好な段差吸収性が得やすくなり、優れた接着信頼性を得やすくなるので、好ましい。
上記アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度(Tg)は、下記式で表されるガラス転移温度(理論値)である。
1/Tg = W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
上記式中、Tgはアクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度(単位:K)、Tgiはモノマーiがホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(単位:K)、Wiはモノマーiのモノマー成分全量中の重量分率を表す(i=1、2、・・・・n)。
上記アクリル系ポリマー(B)を構成するモノマーのホモポリマーのTgとしては、下記の表1記載の値を採用できる。また、表1に記載のないモノマーのホモポリマーのTgとしては、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons,Inc、1989年)に記載の数値を採用できる。さらに、上記文献にも記載されていないモノマーのホモポリマーのTgとしては、上述の測定方法により得られる値(粘弾性試験によるtanδのピークトップ温度)を採用できる。
Figure 2022179400000008
なお、表1における「DCPMA/MMA=60/40」のコポリマーは、DCPMA60重量部とMMA40重量部のコポリマーを意味する。
上記粘着剤層がアクリル系ポリマー(A)及び(B)を含有する場合のアクリル系ポリマー(B)の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、1~30重量部が好ましく、より好ましくは2~20重量部であり、さらに好ましくは2~10重量部である。すなわち、上記粘着剤層におけるアクリル系ポリマー(B)の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマー(A)の全モノマー単位100重量部に対して、1~30重量部が好ましく、より好ましくは2~20重量部であり、さらに好ましくは2~10重量部である。粘着剤層におけるアクリル系ポリマー(B)の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー混合物100重量部に対して、1~30重量部が好ましく、より好ましくは2~20重量部であり、さらに好ましくは2~10重量部である。アクリル系ポリマー(B)の含有量が1重量部以上であると、優れた接着性及び優れた耐発泡剥がれ性が得やすくなり、好ましい。また、アクリル系ポリマー(B)の含有量が30重量部以下であると、優れた透明性と接着信頼性が得やすくなり、好ましい。
アクリル系ポリマー(A)及び(B)を含有する上記粘着剤層の作製方法としては、特に限定されない。例えば、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物(アクリル系ポリマー(A)を形成するモノマー混合物又はその部分重合物)に、アクリル系ポリマー(B)、添加剤等を必要に応じて添加して、混合することを経て、作製される。
[2-10.本発明のイオン性化合物以外の帯電防止剤]
本発明の粘着剤層には、必要に応じて、本発明のイオン性化合物以外の帯電防止剤(本明細書において、「その他の帯電防止剤」と称する場合がある)を含んでいてもよい。
その他の帯電防止剤としては、例えば、イオン性化合物、イオン性界面活性剤、導電性ポリマー、導電性微粒子等の帯電防止性を付与できる材料が挙げられる。これら中でも、アクリル系ポリマー(A)との相溶性、粘着剤層の透明性の点から、イオン性化合物が好ましい。
イオン性化合物としては、無機カチオンアニオン塩、及び/または、有機カチオンアニオン塩を好ましく用いることができ、特に無機カチオンアニオン塩を用いることが好ましい態様である。無機カチオンを含むイオン性化合物(無機カチオンアニオン塩)は、有機カチオンアニオン塩と比較して、使用した場合に、粘着剤層の密着性(投錨力)の低下が抑制でき、より好ましい。なお、本発明でいう、「無機カチオンアニオン塩」とは、一般的には、アルカリ金属カチオンとアニオンから形成されるアルカリ金属塩を示し、アルカリ金属塩は、アルカリ金属の有機塩および無機塩を用いることができる。また、本発明でいう、「有機カチオンアニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。「有機カチオンアニオン塩」は、イオン性液体、イオン性固体とも言われる。また、イオン性化合物を構成するアニオン成分としては、フッ素含有アニオンを使用するものが、帯電防止機能の点から好ましい。
アルカリ金属塩のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンのなかでもリチウムイオンが好ましい。
アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、例えば、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO23-、C49SO3 -、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N--3S(CF23SO3 -、PF6 -、CO3 2-、や下記一般式(1)乃至(4)、
(1):(Cn2n+1SO22- (但し、nは1~10の整数)、
(2):CF2(Cm2mSO22- (但し、mは1~10の整数)、
(3):-3S(CF2lSO3 - (但し、lは1~10の整数)、
(4):(Cp2p+1SO2)N-(Cq2q+1SO2)、(但し、p、qは1~10の整数)、及び、(FSO22-で表わされるもの等が用いられる。特に、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl-、Br-、I-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、NO3 -、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、(CN)2-、等が用いられる。フッ素原子を含むアニオンの中でも、フッ素含有イミドアニオンが好ましく、その中でも、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンであることが好ましい。特に、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンは、比較的少量添加で優れた帯電防止性を付与でき、粘着特性を維持して加湿や加熱環境下での耐久性に有利となり、好ましい。
アルカリ金属の有機塩としては、具体的には、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、Li(C49SO22N、Li(CF3SO23C、KO3S(CF23SO3K、LiO3S(CF23SO3K等が挙げられ、これらのうちLiCF3SO3、Li(FSO22N、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、Li(C49SO22N、Li(CF3SO23C等が好ましく、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、Li(C49SO22N等のフッ素含有リチウムイミド塩がより好ましく、特にビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムが好ましい。
また、アルカリ金属の無機塩としては、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられる。
有機カチオンアニオン塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
アニオン成分としては、例えば、Cl-、Br-、I-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO23-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、(CN)2-、C49SO3 -、C37COO-、((CF3SO2)(CF3CO)N--3S(CF23SO3 -、や下記一般式(1)乃至(4)、
(1):(Cn2n+1SO22- (但し、nは1~10の整数)、
(2):CF2(Cm2mSO22- (但し、mは1~10の整数)、
(3):-3S(CF2lSO3 - (但し、lは1~10の整数)、
(4):(Cp2p+1SO2)N-(Cq2q+1SO2)、(但し、p、qは1~10の整数)、及び、(FSO22-で表わされるもの等が用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン(フッ素含有アニオン)は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。フッ素原子を含むアニオンの中でも、フッ素含有イミドアニオンが好ましく、その中でも、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンであることが好ましい。特に、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンは、比較的少量添加で優れた帯電防止性を付与でき、粘着特性を維持して加湿や加熱環境下での耐久性に有利となり、好ましい。
また、イオン性化合物としては、前記無機カチオンアニオン塩(アルカリ金属塩)、有機カチオンアニオン塩の他に、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等の無機塩が挙げられる。これらイオン性化合物は単独でまたは複数を併用することができる。
イオン性界面活性剤としては、カチオン系(例えば、4級アンモニウム塩型、ホスホニウム塩型、スルホニウム塩型等)、アニオン系(カルボン酸型、スルホネート型、サルフェート型、ホスフェート型、ホスファイト型等)、両性イオン系(スルホベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリウムベタイン型等)またはノニオン系(多価アルコール誘導体、β-シクロデキストリン包接化合物、ソルビタン脂肪酸モノエステル・ジエステル、ポリアルキレンオキシド誘導体、アミンオキシド等)の各種界面活性剤が挙げられる。
導電性ポリマーとしては、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリキノキサリン系等のポリマーがあげられるが、これらのなかでも、ポリアニリン、ポリチオフェン等が好ましく使用される。特にポリチオフェンが好ましい。
導電性微粒子としては、酸化スズ系、酸化アンチモン系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系等の金属酸化物があげられる。これらのなかでも酸化スズ系が好ましい。酸化スズ系のものとしては、たとえば、酸化スズの他、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、酸化チタン-酸化セリウム-酸化スズの複合体、酸化チタン-酸化スズの複合体等があげられる。微粒子の平均粒径は1~100nm程度、好ましくは2~50nmである。
さらに前記以外の帯電防止剤として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然グラファイト、人造グラファイト、チタンブラックや、カチオン型(4級アンモニウム塩等)、両性イオン型(ベタイン化合物等)、アニオン型(スルホン酸塩等)またはノニオン型(グリセリン等)のイオン導電性基を有する単量体の単独重合体若しくは前記単量体と他の単量体との共重合体、4級アンモニウム塩基を有するアクリレートまたはメタクリレート由来の部位を有する重合体等のイオン導電性を有する重合体;ポリエチレンメタクリレート共重合体等の親水性ポリマーをアクリル系樹脂等にアロイ化させたタイプの永久帯電防止剤を例示できる。
本発明の粘着剤組成物がその他の帯電防止剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、本発明の粘着剤層の透明性、外観、接信頼性等の耐久性を確保する観点から、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、1重量部以下が好ましく、より好ましくは0.5重量部以下、0.4重量部以下、0.3重量部以下、又は0.2重量部以下である。本発明の粘着剤組成物がその他の帯電防止剤を含有する場合、含有量の下限値は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01重量部以上、又は0.05重量部以上であってもよい。
[2-11.添加剤]
上記粘着剤層には、必要に応じて、架橋剤、架橋促進剤、シランカップリング剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール等)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、防錆剤等の公知の添加剤が、本発明の特性を損なわない範囲で含まれていてもよい。なお、このような添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記粘着剤層に架橋剤が含まれていると、ベースポリマーを架橋してゲル分率を大きくし、耐発泡剥がれ性を向上させやすくなる。例えば、アクリル系ポリマー(特に、アクリル系ポリマー(A))を架橋して、ゲル分率のコントロールを容易に大きくすることができるので、耐発泡剥がれ性を向上させやすくなる。また、アクリル系ポリマー(A)と本発明のイオン性化合物が、架橋剤を介して共有結合を形成し得る。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層がベースポリマーとしてアクリル系ポリマー(A)を含有する粘着剤層である場合、耐発泡剥がれ性向上の点で、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましく、より好ましくはイソシアネート系架橋剤である。なお、架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記イソシアネート系架橋剤(多官能イソシアネート化合物)としては、例えば、1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類等が挙げられる。また、上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物[三井化学(株)製、商品名「タケネートD-110N」]等の市販品も挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂等が挙げられる。また、上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、三菱ガス化学(株)製、商品名「テトラッドC」等の市販品も挙げられる。
上記粘着剤層における架橋剤の含有量としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.001~10重量部が好ましく、より好ましくは0.01~5重量部である。架橋剤の含有量が0.001重量部以上であると、耐発泡剥がれ性が向上しやすくなり、好ましい。一方、架橋剤の含有量が10重量部以下であると、粘着剤層が適度な柔軟性を有し、粘着力が向上しやすくなるので、好ましい。
上記粘着剤層に、シランカップリング剤が含まれていると、ガラスに対する優れた接着性(特に、高温高湿でのガラスに対する優れた接着信頼性)が得やすくなり好ましい。上記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。さらに、上記シランカップリング剤としては、例えば、商品名「KBM-403」(信越化学工業(株)製)等の市販品も挙げられる。なお、シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記粘着剤層における上記シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記粘着剤層がベースポリマーとしてアクリル系ポリマー(A)を含有する粘着剤層である場合、ガラスに対する接着信頼性向上の点から、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01~1重量部が好ましく、より好ましくは0.03~0.5重量部である。
[2-12.共有結合]
アクリル系ポリマー(A)と本発明のイオン性化合物の官能基(A)が共有結合を形成する反応は、当該共有結合を形成し得る限り、その形態は特に限定されない。例えば、官能基(A)がアクリル系ポリマー(A)のモノマー単位として取り込まれる形態であってもよく、或いは、アクリル系ポリマー(A)が側鎖鎖に有する官能基と反応して共有結合を形成する形態であってもよい。さらには、アクリル系ポリマー(A)と本発明のイオン性化合物の官能基(A)が、上記の架橋剤を介して反応して、共有結合を形成する形態であってもよい。
例えば、本発明のイオン性化合物の官能基(A)が、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等の共重合性を有する官能基であり、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物に含まれる場合は、アクリル系ポリマー(A)を重合する過程でモノマー単位として取り込まれ、共有結合が形成される。
また、本発明のイオン性化合物の官能基(A)が、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等の共重合性を有する官能基であり、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物に含まれる場合は、部分重合物の重合末端ラジカルとリビングラジカル重合して、共有結合が形成される。
また、本発明のイオン性化合物の官能基(A)が、水酸基、アミノ基、メルカプト基 等であり、アクリル系ポリマー(A)が、側鎖に、イソシアネート基、チオイソシアネート基、エポキシ基等の官能基(A)と反応し得る官能基を有する場合、或いは、官能基(A)が、エポキシ基等であり、アクリル系ポリマー(A)が、側鎖に、水酸基、アミノ基、メルカプト基等の官能基(A)と反応し得る官能基を有する場合は、官能基(A)と反応して、共有結合が形成される。
さらに、本発明のイオン性化合物の官能基(A)が、水酸基、アミノ基、メルカプト基 等であり、アクリル系ポリマー(A)が、側鎖に、水酸基、アミノ基、メルカプト基 等を有する場合、上記の架橋剤を配合し、官能基(A)とアクリル系ポリマー(A)の側鎖官能基が、架橋剤のイソシアネート基、チオイソシアネート基、エポキシ基等と反応して、架橋剤を介して共有結合を形成し得る。
本発明の光学用粘着シートは、本発明の基材、本発明の粘着剤層以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層、例えば、本発明の基材以外の基材、本発明の粘着剤層以外の粘着剤層、中間層、下塗り層(アンカー層)、セパレータ、表面保護フィルムなどを、表面又は任意の層間に有していてもよい。
[3.下塗り層(アンカー層)]
本発明の基材の第1面と本発明の粘着剤層の間には、密着性の観点より、下塗り層(アンカー層)が設けられていてもよい。
前記アンカー層の厚さは、粘着剤層との密着性の観点から0.01~0.5μmであり、0.01~0.4μmであるのが好ましく、さらに0.02~0.3μmであるのが好ましい。
前記アンカー層の形成材料としては、本発明の基材への皮膜形成性、密着性の向上等を目的に、バインダー成分を添加することもできる。バインダーの例としては、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等があげられる。特にポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これらバインダーは1種または2種以上を適宜その用途に合わせて用いることができる。
前記アンカー層は導電性(帯電防止性)を有していてもよい。前記アンカー層は導電性(帯電防止性)することで、粘着剤層単独で帯電防止性を付与する場合に比べて、帯電防止機能が優れ、前記粘着剤層に使用する帯電防止剤の使用量を少量に抑えることも可能となり、帯電防止剤の析出・偏析や加湿環境下での白濁等の外観の不具合や、耐久性の観点で好ましい態様となる。前記アンカー層が帯電防止性を有する場合、その表面抵抗は、1.0×108~1.0×1010Ω/□であるのが好ましく、1.0×108~8.0×109Ω/□であるのがより好ましく、2.0×108~6.0×109Ω/□であるのがさらに好ましい。
前記アンカー層が帯電防止性を有する場合、上記バインダー成分に導電ポリマーを含有することで、帯電防止性を付与することができる。前記導電性ポリマーは、光学特性、外観、帯電防止効果および帯電防止効果の熱時、加湿時での安定性という観点から好ましく使用される。特に、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性ポリマーが好ましく使用される。導電性ポリマーは有機溶剤可溶性、水溶性、水分散性のものを適宜使用可能だが、水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーが好ましく使用される。水溶性導電性ポリマーや水分散性導電性ポリマーは帯電防止層を形成する際の塗布液を水溶液または水分散液として調製でき、前記塗布液は非水系の有機溶剤を用いる必要がなく、前記有機溶剤による光学フィルム基材の変質を抑えることができるためである。なお、水溶液または水分散液は、水のほかに水系の溶媒を含有できる。たとえば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、tert-アミルアルコール、1-エチル-1-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類があげられる。
また、前記ポリアニリン、ポリチオフェン等の水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーは、分子中に親水性官能基を有することが好ましい。親水性官能基としては、たとえばスルホン基、アミノ基、アミド基、イミノ基、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドラジノ基、カルボキシル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、またはそれらの塩等があげられる。分子内に親水性官能基を有することにより水に溶けやすくなったり、水に微粒子状で分散しやすくなり、前記水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーを容易に調製することができる。なお、ポリチオフェン系ポリマーを用いる際は、通常、ポリスチレンスルホン酸を併用する。
前記アンカー層としては、例えば、上記バインダー成分に、必要に応じて、導電性ポリマーを配合して得られる導電コート液を本発明の基材の第1面にコーティングして形成できる。具体的なコーティングの方法としては、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法などが挙げられる。
[4.セパレータ(剥離ライナー)]
本発明の光学用粘着シートにおいて、本発明の粘着剤層の表面(本発明の粘着剤層の粘着面)は、使用時まではセパレータにより保護されていてもよい。セパレータは粘着剤層の保護材として用いられるものであり、本発明の光学用粘着シートを被着体に貼付する際に剥がされる。なお、セパレータは必ずしも設けられなくてもよい。
上記セパレータとしては、慣用の剥離紙などを利用でき、具体的には、例えば、剥離処理剤による剥離処理層を少なくとも一方の表面に有する基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン-フッ化ビニリデン共重合体など)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などを用いることができる。
上記セパレータとしては、例えば、セパレータ用基材の少なくとも一方の面に剥離処理層が形成されているセパレータを好適に用いることができる。このようなセパレータ用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなど)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)や紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2~3層の複合体)などが挙げられる。
上記剥離処理層を構成する剥離処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤などを用いることができる。剥離処理剤は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記セパレータの厚さは、特に限定されず、5~100μmの範囲から適宜選択すればよい。
上記セパレータは、画像表示パネル等の被着体の破損を防止するため、セパレータ用基材の少なくとも一方の面に帯電防止層が形成されていてもよい。帯電防止層はセパレータの一方の面(剥離処理面または未処理面)に形成されていてもよく、セパレータの両面(剥離処理面及び未処理面)に形成されていてもよい。
前記帯電防止層としては、特に限定されないが、例えば、導電性ポリマーを含む導電コート液をセパレータ上にコーティングして形成される帯電防止層である。具体的には、例えば、導電性ポリマーを含む導電コート液をセパレータ上(剥離処理面及び/又は未処理面)にコーティングして形成される帯電防止層である。具体的なコーティングの方法としては、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法などが挙げられる。
前記導電性ポリマーとしては、上記の本発明の光学用粘着シートに含まれていてもよい帯電防止剤を構成する導電性ポリマーと同様のものを使用することができる。
前記帯電防止層の厚みとしては、好ましくは1nm~1000nmであり、より好ましくは5nm~900nmである。前記帯電防止層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
[5.光学用粘着シートの製造方法]
本発明の光学用粘着シートは、本発明の基材の第1面上に、本発明の粘着剤層を積層させることより調製することができる。
本発明の基材の第1面上に本発明の粘着剤層を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、上記粘着剤組成物をセパレータ上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層を乾燥硬化させることや、上記粘着剤組成物をセパレータ上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、セパレータ上にシート状の粘着剤層に成形し、本発明の基材の第1面上に前記粘着剤層を貼り合わせることにより行うことができる。また、必要に応じて、さらに、加熱乾燥してもよい。
活性エネルギー線の照射により硬化を行う際は、塗膜の表面にさらにセパレータを付設して、粘着剤組成物を2枚のセパレータ間に挟持した状態で活性エネルギー線を照射して、酸素による重合阻害を防止することが好ましい。
本発明の基材の第1面上に本発明の粘着剤層を積層させる別の方法は、例えば、上記粘着剤組成物を本発明の基材の第1面上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層を乾燥硬化させることや、上記粘着剤組成物を本発明の基材の第1面上に塗布(塗工)し、得られた粘着剤組成物層に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより行うこともできる。また、必要に応じて、さらに、加熱乾燥してもよい。
活性エネルギー線の照射により硬化を行う際は、塗膜の表面にセパレータを付設して、粘着剤組成物を本発明の基材とセパレータの間に挟持した状態で活性エネルギー線を照射して、酸素による重合阻害を防止することが好ましい。
活性エネルギー線照射の前に、溶媒の除去等を目的として、シート状の塗膜を加熱してもよい。加熱による溶媒等の除去を行う場合は、セパレータを付設する前に実施することが好ましい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好ましい。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは特に制限されない。
上記粘着剤組成物は、公知乃至慣用の方法で作製することができる。例えば、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系ポリマー(A)と本発明のイオン性化合物を含有する溶液に、必要に応じて、添加剤を混合することにより、作製することができる。例えば、活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物は、上記アクリル系モノマー(A)の混合物又はその部分重合物と本発明のイオン性化合物に、必要に応じて、添加剤を混合することにより、作製することができる。
なお、上記粘着剤組成物の塗布(塗工)には、公知のコーティング法が用いられてもよい。例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーター等のコーターが用いられてもよい。
特に、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物により粘着剤層を形成する場合、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。なお、活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物が紫外線吸収剤を含有する場合には、光重合開始剤として、広い波長範囲で吸光特性を有する光重合開始剤を少なくとも含むことが好ましい。例えば、紫外光に加え、可視光でも吸光特性を有する光重合開始剤を少なくとも含むことが好ましい。これは、紫外線吸収剤の作用により活性エネルギー線による硬化の阻害が懸念されるところ、広い波長範囲で吸光特性を有する光重合開始剤を含んでいると、粘着剤組成物において高い光硬化性が得やすくなるからである。
[6.光学用粘着シートの用途等]
本発明の光学用粘着シートは、上記粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)を有するので、帯電防止性能に優れる。このため、光学部材や画像表示装置との貼り合わせに用いる場合、静電気による表示不良が生じにくい。また、また、湿熱環境のような過酷な条件でも帯電防止成分のブリードアウトを抑制することができるため、粘着剤層の表面での析出、発泡、剥がれが抑制され、外観や接着信頼性などの耐久性の不良が生じにくい。従って、本発明の光学用粘着シートは、優れた帯電防止性、透明性、耐湿熱性、及び低汚染性を満足でき、画像表示装置の製造に有用である。
さらに、本発明の光学用粘着シートは、接着性、耐発泡剥がれ性、応力緩和性に優れ、段差追従性、接着信頼性、特に高温時の接着信頼性に優れる。また、外観性に優れる。このため、本発明の光学用粘着シートは、高温時に界面での発泡の生じやすい被着体に対して有用に用いられる。例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)は、未反応モノマーを含むことがあり、高温時に異物による発泡が生じやすい。また、ポリカーボネート(PC)は、高温時に水と二酸化炭素のアウトガスを生じやすい。本発明の粘着シートは、耐発泡剥がれ性に優れるので、このような樹脂を含むプラスチック被着体に対しても有用に用いられる。
また、本発明の光学用粘着シートは、線膨張係数の小さい被着体に加えて、線膨張係数の大きい被着体に対しても、有用に用いられる。なお、上記線膨張係数の小さい被着体としては、特に限定されないが、例えば、ガラス板(線膨張係数:0.3×10-5~0.8×10-5/℃)、ポリエチレンテレフタレート基材(PETフィルム、線膨張係数:1.5×10-5~2×10-5/℃)等が挙げられる。また、上記線膨張係数の大きい被着体としては、特に限定されないが、例えば、線膨張係数の大きい樹脂基材が挙げられ、より具体的には、ポリカーボネート樹脂基材(PC、線膨張係数:7×10-5~8×10-5/℃)、ポリメタクリル酸メチル樹脂基材(PMMA、線膨張係数:7×10-5~8×10-5/℃)、シクロオレフィンポリマー基材(COP、線膨張係数:6×10-5~7×10-5/℃)、商品名「ゼオノア」(日本ゼオン株式会社製)、商品名「アートン」(JSR株式会社製)等が挙げられる。
このように、本発明の光学用粘着シートは、様々な素材の被着体との貼り合わせに有用であり、特にガラス被着体とプラスチック被着体との貼り合わせに有用に用いられる。なお、プラスチック被着体は、表面にITO(インジウムとすずの酸化物)層を有するプラスチックフィルムのような光学フィルムであってもよい。
さらに、本発明の光学用粘着シートは、表面が平滑な被着体に加えて、表面に段差を有する被着体に対しても、有用に用いられる。特に、本発明の光学用粘着シートは、ガラス被着体及び上記の線膨張係数の大きい樹脂基材のうち少なくとも一方が表面に段差を有していても、ガラス被着体と上記の線膨張係数の大きい樹脂基材との貼り合わせに有用に用いられる。
本発明の光学用粘着シートは、携帯電子機器の製造用途に好ましく用いられる。上記携帯電子機器としては、例えば、携帯電話、PHS、スマートフォン、タブレット(タブレット型コンピューター)、モバイルコンピューター(モバイルPC)、携帯情報端末(PDA)、電子手帳、携帯型テレビや携帯型ラジオ等の携帯型放送受信機 、携帯型ゲーム機、ポータブルオーディオプレーヤー、ポータブルDVDプレーヤー、デジタルカメラ等のカメラ、カムコーダ型のビデオカメラ等が挙げられる。
[7.光学積層体]
本発明の光学積層体は、本発明の光学用粘着シートと、光学部材とが積層された積層構造を有する。図2において、光学積層体20は、光学用粘着シート10の粘着剤層2において、光学部材5が積層されている。
本発明の光学積層体は、上記粘着剤層(本発明の粘着剤組成物により形成される粘着剤層)を有するので、帯電防止性能に優れる。このため、さらに別の光学部材の貼り合わせに用いる場合、静電気が生じにくい。また、湿熱環境のような過酷な条件でも帯電防止成分のブリードアウトを抑制することができるため、粘着剤層の表面での析出、発泡、剥がれが抑制され、外観や接着信頼性などの耐久性の不良が生じにくい。従って、本発明の光学積層体は、優れた帯電防止性、透明性、耐湿熱性、及び低汚染性を満足できる。
光学部材とは、光学的特性(例えば、偏光性、光屈折性、光散乱性、光反射性、光透過性、光吸収性、光回折性、旋光性、視認性等)を有する部材をいう。上記光学部材を構成する基板としては、特に限定されないが、例えば、表示装置(画像表示装置)、入力装置等の機器(光学機器)を構成する基板又はこれらの機器に用いられる基板が挙げられ、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム(PETフィルム等のプラスチックフィルムの少なくとも片面にハードコート処理が施されたフィルム)、透明導電フィルム(例えば、表面にITO層を有するプラスチックフィルム(好ましくは、PET-ITO、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等のITOフィルム)等)、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護板、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板(ガラスセンサー、ガラス製表示パネル(LCD等)、透明電極付きガラス板等のガラス基板等)や、さらにはこれらが積層されている基板(これらを総称して「機能性フィルム」と称する場合がある)等が挙げられる。また、これらのフィルムは、金属ナノワイヤ層や導電性高分子層等を有していても良い。また、これらのフィルムには、金属細線がメッシュ印刷されていても良い。なお、上記の「板」及び「フィルム」は、それぞれ板状、フィルム状、シート状等の形態を含むものとし、例えば、「偏光フィルム」は、「偏光板」及び「偏光シート」等を含むものとする。また、「フィルム」はフィルムセンサー等を含むものとする。
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパー等が挙げられる。また、上記入力装置としては、タッチパネル等が挙げられる。
上記光学部材を構成する基板としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、金属薄膜等からなる基板(例えば、シート状やフィルム状、板状の基板等)等が挙げられる。なお、本発明における「光学部材」には、上記の通り、表示装置や入力装置の視認性を保ちながら加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護フィルム等)も含むものとする。
上記光学部材は、透明であることが好ましい。上記光学部材の可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは88%以上である。また、上記光学部材のヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.8%以下である。このような透明な基材としては、例えば、PETフィルムや、商品名「アートン」、商品名「ゼオノア」等の無配向フィルム等が挙げられる。
上記光学部材の厚みは、特に限定されないが、例えば、12~500μmが好ましい。なお、上記光学部材は単層及び複層のいずれの形態を有していてもよい。また、上記光学部材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理等の公知慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
本発明の光学積層体は、前記光学部材と、本発明の光学用粘着シートの粘着剤層を貼り合わせることのより製造するにより製造することができる。
具体的には、光学部材と本発明の光学用粘着シートの貼り付けは、加熱及び/又は加圧下で積層させるにより実施することができる。加熱及び/又は加圧下で積層させた後に活性エネルギー線を照射して硬化を行ってもよい。活性エネルギー線の照射は、本発明の粘着剤層の形成と同様に行うことができる。
[8.画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の光学用粘着シートと、画像表示パネルとが積層された積層構造を有する。図3において、画像表示装置30は、光学用粘着シート10の粘着剤層1において、画像表示パネル6が積層されている。
本発明の画像表示装置は、帯電防止性能に優れる本発明の光学用粘着シートを積層構造中に有するので、静電気による表示不良が生じにくい。また、また、湿熱環境のような過酷な条件でも帯電防止成分のブリードアウトを抑制することができるため、粘着剤層の表面での析出、発泡、剥がれが抑制され、外観や接着信頼性などの耐久性の不良が生じにくい。従って、本発明の画像表示装置は、優れた帯電防止性、透明性、耐湿熱性、及び低汚染性を満足できる。
また、本発明の粘着剤層は、画像表示装置の収縮又は膨張に十分に追従して、浮きや剥がれが生じにくい。さらに、画像表示パネルに配線などによる凹凸形状の段差がある場合、当該段差に本発明の粘着剤層が十分に追従し、気泡などを残すことなく、充填することができる。
前記画像表示パネルとしては、特に限定されないが、例えば、液晶画像表示パネル、自発光型画像表示パネル(例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)画像表示パネル、LED画像表示パネル)などが挙げられる。
前記画像表示パネルは、RGBの素子が交互に配列されて形成されており、コントラストを向上するために、RGBの素子間は、ブラックマトリックス(BM)で充填されていることが好ましい。
本発明の画像表示装置は、本発明の光学用粘着シート及び上記画像表示パネル以外の光学部材を、表面又は任意の層間に備えていてもよい。上記光学部材としては、特に限定されないが、偏光板、位相差板、反射防止フィルム、視野角調整フィルム、光学補償フィルムなどが挙げられる。なお、上記光学部材には、画像表示装置や入力装置の視認性を保ちながら加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護板等)も含むものとする。
本発明の画像表示装置は、前記画像表示パネルと、本発明の光学用粘着シートの粘着剤層を貼り合わせることのより製造するにより製造することができる。
具体的には、画像表示パネルと本発明の光学用粘着シートの貼り付けは、加熱及び/又は加圧下で積層させるにより実施することができる。加熱及び/又は加圧下で積層させた後に活性エネルギー線を照射して硬化を行ってもよい。活性エネルギー線の照射は、本発明の粘着剤層の形成と同様に行うことができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
製造例1
(防眩性フィルム1の調製)
〔防眩層1形成用塗工液の調製〕
防眩層形成材料に含まれる樹脂として、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(新中村化学社製、商品名「NKオリゴ UA-53H-80BK」40重量部と、ペンタエリスリトールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」)57.5重量部と、ジルコニア粒子と紫外線硬化性樹脂とを含有する光学調整層用組成物の希釈液(「オプスターZ7540」、JSR社製)2.5重量部と、シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社制、商品名「トスパール130ND」2.8重量部と、チキソトロピー付与剤として有機粘土である合成スメクタイト(クニミネ工業株式会社製、商品名「スメクトンSAN」)2.5重量部と、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、架橋アクリルスチレン共重合樹脂の微粒子(積水化成品工業社製 商品名「SSX-103DXE」)を6.5重量部、レベリング剤(共栄社化学株式会社製、商品名「LE-303」)0.1重量部とを混合した。なお、前記有機粘土は、トルエンで固形分が6重量%になるよう希釈して用いた。この混合物を、固形分濃度が38重量%となるように、トルエン/シクロペンタノン(CPN)混合溶媒(重量比64/36)で希釈して、超音波分散機を用いて、防眩層形成材料(塗工液)を調製した。
〔防眩層1の形成〕
基材として、透明プラスチックフィルム基材(PETフィルム、東レ株式会社製、商品名「38U413」、厚さ:38μm)を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、前記防眩層形成材料(塗工液)を、ワイヤーバーを用いて塗布して塗膜を形成した(塗工工程)。ついで、95℃で1分間加熱することにより前記塗膜を乾燥させた(乾燥工程)。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理して厚み6.5μmの防眩層を形成した。このようにして、前記光透過性基材と前記防眩層1との積層体を得た。
〔反射防止層1形成用塗工液の調製〕
ペンタエリスリトールトリアクリレートを主成分とする多官能アクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ビスコート#300」)100重量部と、中空ナノシリカ粒子(日揮触媒化成工業株式会社製、商品名「スルーリア5320」)100重量部と、中実ナノシリカ粒子(日産化学工業株式会社製、商品名「MIBK-ST」、固形分30重量%、重量平均粒子径10nm)40重量部と、フッ素元素含有添加剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KY-1203」)12重量部と、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)5重量部と、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD2959」)5重量部とを混合した。その混合物に、希釈溶媒としてMIBK(メチルイソブチルケトン)およびPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を70:30重量比で混合した混合溶媒を添加して全体の固形分が1.5重量%となるようにし、攪拌して反射防止層形成用塗工液を調製した。
〔反射防止層1の形成〕
前記光透過性基材と前記防眩層1との積層体の防眩層面に、前記反射防止層形成用塗工液をワイヤーバーで塗工した(塗工工程)。前記塗工した塗工液を80℃で1分間加熱し、乾燥させて塗膜を形成した(乾燥工程)。乾燥後の前記塗膜に、高圧水銀ランプで積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化処理した(硬化工程)。これにより、前記塗膜を硬化させ、厚み0.1μmの反射防止層を形成した(反射防止層形成工程)。以上のようにして、本製造例1の防眩性フィルム1を製造した。
製造例2:粘着剤シートAの作製
モノマー混合物として、アクリル酸ブチル(BA)58重量部、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)23重量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)7重量部、及びアクリル酸シクロヘキシル(CHA)12重量から構成されるモノマー混合物に、光重合開始剤(商品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製)0.05重量部、及び光重合開始剤(商品名「Omnirad651」、IGM Resins B.V.社製)0.05重量部を配合した後、粘度(計測条件:BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで紫外線を照射して、上記モノマー成分の一部が重合したプレポリマー組成物を得た。
次に、該プレポリマー組成物100重量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)0.025重量部、及び反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)10重量部を添加して混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。上記アクリル系粘着剤組成物を、剥離フィルム(商品名「MRF#38」、三菱樹脂株式会社製)の剥離処理された面上に、粘着剤層形成後の厚さが20μmとなるように塗布して、粘着剤組成物層を形成し、次いで、該粘着剤組成物層の表面に、剥離フィルム(商品名「MRN#38」、三菱樹脂株式会社製)を貼り合わせた。その後、照度:5mW/cm2、光量:1500mJ/cm2の条件で紫外線照射を行い、粘着剤組成物層を光硬化させて、粘着剤層のみからなり、粘着剤層の両面がセパレータで保護されている基材レス両面粘着剤シートAを形成した。
製造例3:粘着剤シートBの作製
反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)を15重量部添加し、粘着剤層形成後の厚さが50μmとなるように塗布したこと以外は、粘着剤シートAと同様にして、粘着剤シートBを形成した。
製造例4:粘着剤シートCの作製
反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)を20重量部添加し、粘着剤層形成後の厚さが50μmとなるように塗布したこと以外は、粘着剤シートAと同様にして、粘着剤シートCを形成した。
製造例5:粘着剤シートDの作製
反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)を15重量部添加し、粘着剤層形成後の厚さが100μmとなるように塗布したこと以外は、粘着剤シートAと同様にして、粘着剤シートDを形成した。
製造例6:粘着剤シートEの作製
反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)に代えて、反応性官能基としてメタクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-メタクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.676257-10-6)を15重量部添加し、粘着剤層形成後の厚さが50μmとなるように塗布したこと以外は、粘着剤シートAと同様にして、粘着剤シートEを形成した。
比較製造例1:粘着剤シートFの作製
反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)を添加しなかったこと以外は、粘着剤シートAと同様にして、粘着剤シートFを形成した。
比較製造例2:粘着剤シートGの作製
反応性官能基としてアクロイル基を有する4級アンモニウム塩(2-アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(富士フィルム和光純薬(株)製:CAS RN.827027-31-6)に代えて、1-エチル-1-メチルピロリジウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学(株)製:CAS RN.223436-99-5)を15重量部添加したこと以外は、粘着剤シートAと同様にして、粘着剤シートGを形成した。
上記の製造例2~6、比較製造例1~2で得られた粘着剤シートを用いて以下の評価を行った。
<全光線透過率及びヘイズの評価>
製造例2~6、比較製造例1~2で得られた粘着剤シートから一方のセパレータを剥離して、該両面粘着シートをスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、「白研磨 No.1」、厚さ0.8~1.0mm、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%)に貼り合わせ、さらに他方のセパレータを剥離して、両面粘着シート(粘着剤層)/スライドガラスの層構成を有する試験片を作製した。上記試験片の可視光領域における全光線透過率及びヘイズを、ヘイズメーター(装置名「HM-150N」、株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定した。測定結果は表2に記載した。
<対ガラス粘着力評価>
製造例2~6、比較製造例1~2で得られた粘着剤シートを幅100mm、長さ100mmにカットし、次いで、粘着剤層の一方の剥離フィルムを剥離して、PETフィルム(商品名:ルミラー S-10、厚さ:25μm、東レ(株)製)を貼付(裏打ち)した。次に、他方の剥離フィルムを剥離して、試験板としてガラス板(商品名:ソーダライムガラス♯0050、松浪硝子工業(株)製)に貼り合わせ、2kgローラー、1往復の圧着条件で貼り合わせ、試験板/粘着剤層/PETフィルムから構成されるサンプルを作製した。
(初期接着力)
サンプル作成後、23℃、50%RHの雰囲気下で30分間エージングした後、JIS Z0237に準拠して、23℃、50%RHの雰囲気下、引張試験機(装置名:オートグラフ AG-IS、(株)島津製作所製)を用いて引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、試験板から粘着シート(粘着剤層/PETフィルム)を引きはがし、180°引き剥がし接着力(初期接着力)(N/20mm)を測定した。
(貼り付け保存接着力)
サンプル作成後、23℃、50%RHの雰囲気下で240時間エージングした後、JIS Z0237に準拠して、23℃、50%RHの雰囲気下、引張試験機(装置名:オートグラフ AG-IS、(株)島津製作所製)を用いて引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、試験板から粘着シート(粘着剤層/PETフィルム)を引きはがし、180°引き剥がし接着力(貼り付け保存240時間後接着力)(N/20mm)を測定した。
測定は各条件について3つの試料を作製し、それらの数平均値をとった。測定結果は表2に記載した。
<表面抵抗率(Ω/□):帯電防止性>
製造例2~6、比較製造例1~2で得られた粘着剤シートの一方のセパレータフィルムを剥がした後、粘着剤層表面の表面抵抗率(R0)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下で、三菱化学アナリテック社製MCP-HT450を用いて行った。測定結果は表2に記載した。
<外観:常温保管、湿熱試験後>
製造例2~6、比較製造例1~2で得られた粘着剤シート(セパレータ/粘着剤/セパレータの構成)を15×15cmに切り出し、23℃50%RHの環境で7日間保管した後、粘着剤シートの外観を目視確認し、以下の評価基準で評価した。測定結果は表2に記載した。
(評価基準)
〇 白濁など、光学的欠陥が全く見られない
× 粘着剤に斑状の白化・ブリードアウトが見られる
次に、製造例2~6、比較製造例1~2で得られた粘着剤シートから一方のセパレータを剥離して、該両面粘着シートをスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、「白研磨 No.1」、厚さ0.8~1.0mm、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%)に貼り合わせ、セパレータ/両面粘着シート(粘着剤層)/スライドガラスの層構成を有する試験片を作製した。85℃、85%RHの雰囲気下に240時間投入し、室温に取り出して、23℃、50%RH環境下で24時間調温・調湿を行った後に、セパレータを剥がして、両面粘着シート(粘着剤層)/スライドガラスの層構成にて、ヘイズメーター(装置名「HM-150N」、株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定し、以下の評価基準で評価した。測定結果は表2に記載した。
(評価基準)
〇:ヘイズ1.0以下 特に良好
△:ヘイズ1.0超~2.0以下 良好
×:ヘイズ2.0超 実用上問題のあるレベル
Figure 2022179400000009
<表面抵抗率(Ω/□)の湿熱安定性評価>
製造例4及び6、比較製造例2で得られた粘着剤シート(セパレータフィルム/粘着剤層/セパレータフィルム)を100mm角に切り出し、片面のセパレータフィルムを剥がした後に、粘着剤層表面の表面抵抗率(R0)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下で、三菱化学アナリテック社製MCP-HT450を用いて行った。各条件について3つの試料を作成して測定し、それらの数平均値をとった。測定後、セパレータフィルムを貼り直してから60℃、95%RH環境下に240時間投入した。取り出した後、23℃、50%RH環境下で24時間調温・調湿を行った後、片面のセパレータフィルムを剥がして、湿熱試験後の粘着剤層表面の表面抵抗率(R1)を測定し、3つの試料の数平均値をとった。測定結果より、以下の評価基準で評価した。測定結果を表3に記載した。
(評価基準)
〇: 湿熱試験後の表面抵抗値(R1)/湿熱試験前の表面抵抗値(R0)≦20
△: 20<湿熱試験後の表面抵抗値(R1)/湿熱試験前の表面抵抗値(R0)≦100
×: 100<湿熱試験後の表面抵抗値(R1)/湿熱試験前の表面抵抗値(R0)
Figure 2022179400000010
実施例1:光学用粘着シートAの作製
上記製造例2で得られた粘着剤シートAから一方の剥離フィルムを剥離して露出させた粘着面を、製造例1で示した防眩性フィルム1の非防眩層面に貼り付けることにより、防眩性フィルム1/粘着剤層/剥離フィルムからなる光学用粘着シートAを得た。
実施例2:光学用粘着シートBの作製
上記製造例4で得られた粘着剤シートCから一方の剥離フィルムを剥離して露出させた粘着面を、反射防止フィルム(TACフィルム;大日本印刷(株)製;商品名「DSG-17V1」;基材厚さ:60μm;総厚さ:70μm)の非反射防止面に貼り付けることにより、反射防止フィルム/粘着剤層/剥離フィルムからなる光学用粘着シートBを得た。
上記の実施例1~2で得られた光学用粘着シートを用いて以下の評価を行った。
<ヘイズの評価>
実施例1~2で得られた光学用粘着シートを、ヘイズ測定装置(村上色彩研究所製HR-100)を用いて、室温(23℃)にて測定した。繰り返し回数3回測定し、その平均値を測定値とした。測定結果は表3に記載した。
<反射率の評価>
実施例1~2で得られた光学用粘着シートの粘着面を、黒色のアクリル板に貼り付けて、試験片とした。得られた試験片を、分光光度計U4100(日立ハイテクノロジー社製)へ粘着剤層側を光源側に設置し、5°正反射の可視光領域の反射率(%)を測定した。測定結果は表3に記載した。
<表面抵抗率(Ω/□):帯電防止性>
実施例1~2で得られた光学用粘着シートのセパレータフィルムを剥がした後、粘着剤層表面の表面抵抗率(R0)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下で、三菱化学アナリテック社製MCP-HT450を用いて行った。測定結果は表4に記載した。
Figure 2022179400000011
以下に、本発明のバリエーションを付記する。
〔付記1〕第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートであって、
前記粘着剤層が、帯電防止剤と、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー 成分の混合物の部分重合物とを含有する粘着剤組成物により形成され、
前記帯電防止剤が、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物であることを特徴とする光学用粘着シート。
〔付記2〕 第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートであって、
前記粘着剤層が、帯電防止剤とアクリル系ポリマー(A)とを含有する粘着剤組成物により形成され、
前記帯電防止剤が、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物であることを特徴とする光学用粘着シート。
〔付記3〕前記官能基が、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基 、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種である、付記1又は2に記載の光学用粘着シート。
〔付記4〕前記アクリル系ポリマー(A)が構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを含有せず又は実質的に含有しない、付記1~3の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記5〕前記粘着剤組成物が、有機溶剤を含有しない又は実質的に含有しない、付記1~4の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記6〕前記粘着剤層のヘイズ(JIS K7136に準じる)が1.0%以下である、付記1~5の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記7〕前記粘着剤層の全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)が90%以上である、付記1~6の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記8〕ガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力が4N/20mm以上である、付記1~7の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記9〕厚みが12~350μmである、付記1~8の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記10〕前記基材の第2面は、反射防止処理、アンチグレア処理、ハードコート処理及び/又は帯電防止処理 されている、付記1~9の何れか1つに記載の光学用粘着シート。
〔付記11〕付記1~10いずれか1つに記載の光学用粘着シートと、光学部材とが積層された光学積層体。
〔付記12〕付記1~10いずれか1つに記載の光学用粘着シートと、画像表示パネルとが積層された画像表示装置。
10 光学用粘着シート
1 基材
2 粘着剤層
3 反射防止処理、アンチグレア処理、及び/又は帯電防止処理
4 セパレータ
20 光学積層体
5 光学部材
30 画像表示装置
6 画像表示パネル

Claims (12)

  1. 第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートであって、
    前記粘着剤層が、帯電防止剤と、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物又はアクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の混合物の部分重合物とを含有する粘着剤組成物により形成され、
    前記帯電防止剤が、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物であることを特徴とする光学用粘着シート。
  2. 第1面および第2面を有する基材と、前記基材の第1面に粘着剤層が積層された積層構造を有する光学用粘着シートであって、
    前記粘着剤層が、帯電防止剤とアクリル系ポリマー(A)とを含有する粘着剤組成物により形成され、
    前記帯電防止剤が、前記アクリル系ポリマー(A)と共有結合を形成できる官能基を分子内に有するイオン性化合物であることを特徴とする光学用粘着シート。
  3. 前記官能基が、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、アリル基、スチリル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  4. 前記アクリル系ポリマー(A)が構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを含有せず又は実質的に含有しない、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  5. 前記粘着剤組成物が、有機溶剤を含有しない又は実質的に含有しない、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  6. 前記粘着剤層のヘイズ(JIS K7136に準じる)が1.0%以下である、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  7. 前記粘着剤層の全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)が90%以上である、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  8. ガラス板に対する23℃での180°引き剥がし接着力が4N/20mm以上である、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  9. 厚みが12~350μmである、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  10. 前記基材の第2面は、反射防止処理、アンチグレア処理、ハードコート処理及び/又は帯電防止処理されている、請求項1又は2に記載の光学用粘着シート。
  11. 請求項1又は2に記載の光学用粘着シートと、光学部材とが積層された光学積層体。
  12. 請求項1又は2に記載の光学用粘着シートと、画像表示パネルとが積層された画像表示装置。
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