JP2022178228A - 車両用助手席エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インストルメントパネルの薄型化に伴い、上方チャンバと下方チャンバとを有する助手席用のエアバッグ本体が大型化されたとしても、そのエアバッグ本体の展開挙動が不安定になるのを抑制できる車両用助手席エアバッグ装置を得る。【解決手段】車両10の助手席12に着座した乗員Pの膝から脛の前方に位置するインストルメントパネル14の下部側に収納され、乗員Pの下肢を拘束する下方チャンバ32と、乗員Pの上体を拘束する上方チャンバ38と、に仕切られたエアバッグ本体30と、エアバッグ本体30の内部に設けられ、インフレータ24から噴出されたガスを下方チャンバ32と上方チャンバ38とに分配する整流筒40と、を備えた車両用助手席エアバッグ装置20であって、整流筒40は、ガスの噴出によって膨張展開したときに、インストルメントパネル14の後面14Aの外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用助手席エアバッグ装置に関する。
インストルメントパネルの下部側に、膝クッションと胴体クッションとを一体に備えた助手席用のエアバッグ装置が収納された構造は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。また、インストルメントパネルのロアカバーの内側に、助手席用のエアバッグとインフレータとを収納し、そのエアバッグの内側にガスを側方に逃がす筒状のバッフルと膝クッションとを備えた助手席用エアバッグ装置も、従来から知られている(例えば、特許文献2参照)。
特公昭52-005127号公報 特開平08-072661号公報
近年、インストルメントパネルの薄型化が意匠的にトレンドとなっている。しかしながら、その場合、車両の前面衝突時において、従来並の下肢拘束性能を得ようとすると、乗員から遠くなってしまったインストルメントパネルのロア面と乗員との間を埋めるような大型のニーエアバッグが必要となり、製造コスト及び重量の増加が問題となる。そのため、頭部を含む上体用のエアバッグ(上方チャンバ)とニーエアバッグ(下方チャンバ)とを一体化した助手席用エアバッグを平面パネルで簡素に構成することが考えられた。
しかしながら、頭部を含む上体と下肢とを拘束する一体の立体エアバッグ形状を、単に平面パネルで構成すると、乗員拘束面が後傾気味となり、乗員拘束面とは反対側(インストルメントパネル側)の面がフロントウインドシールドガラスに接触しなくなるため(フロントウインドシールドガラスから反力を得ることができなくなるため)、助手席用エアバッグの展開挙動が不安定になる。
そこで、本発明は、インストルメントパネルの薄型化に伴い、上方チャンバと下方チャンバとを有する助手席用のエアバッグ本体が大型化されたとしても、そのエアバッグ本体の展開挙動が不安定になるのを抑制できる車両用助手席エアバッグ装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の車両用助手席エアバッグ装置は、車両の助手席に着座した乗員の膝から脛の前方に位置するインストルメントパネルの下部側に収納され、乗員の下肢を拘束する下方チャンバと、乗員の上体を拘束する上方チャンバと、に仕切られたエアバッグ本体と、前記エアバッグ本体の内部に設けられ、インフレータから噴出されたガスを前記下方チャンバと前記上方チャンバとに分配する整流筒と、を備え、前記整流筒は、前記ガスの噴出によって膨張展開したときに、前記インストルメントパネルの後面の外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている。
請求項1に記載の発明によれば、インフレータから噴出されたガスをエアバッグ本体の下方チャンバと上方チャンバとに分配する整流筒は、そのガスの噴出によって膨張展開したときに、インストルメントパネルの後面の外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている。これにより、膨張展開されたエアバッグ本体のインストルメントパネル側は、そのインストルメントパネルの後面の外形状に沿うように配置されて、フロントウインドシールドガラスに接触する。したがって、インストルメントパネルの薄型化に伴い、上方チャンバと下方チャンバとを有する助手席用のエアバッグ本体が大型化されたとしても、そのエアバッグ本体の展開挙動が不安定になるのが抑制される。
また、本発明に係る請求項2に記載の車両用助手席エアバッグ装置は、車両の助手席に着座した乗員の膝から脛の前方に位置するインストルメントパネルの下部側に収納され、乗員の下肢を拘束する下方チャンバと、乗員の上体を拘束する上方チャンバと、に仕切られたエアバッグ本体と、前記インストルメントパネルの下部側に収納され、前記下方チャンバと前記上方チャンバとにガスを供給する単一のインフレータと、を備え、前記エアバッグ本体は、インストルメントパネル側に配置される第1平面パネルと、乗員側に配置される第2平面パネルと、で構成されるとともに、前記第1平面パネルの上下方向に沿った周長が前記第2平面パネルの上下方向に沿った周長よりも短く設定されている。
請求項2に記載の発明によれば、エアバッグ本体が、インストルメントパネル側に配置される第1平面パネルと、乗員側に配置される第2平面パネルと、で構成され、第1平面パネルの上下方向に沿った周長が、第2平面パネルの上下方向に沿った周長よりも短く設定されている。これにより、膨張展開されたエアバッグ本体のインストルメントパネル側は、そのインストルメントパネルの後面の外形状に沿うように配置されて、フロントウインドシールドガラスに接触する。したがって、インストルメントパネルの薄型化に伴い、上方チャンバと下方チャンバとを有する助手席用のエアバッグ本体が大型化されたとしても、そのエアバッグ本体の展開挙動が不安定になるのが抑制される。
また、請求項3に記載の車両用助手席エアバッグ装置は、請求項2に記載の車両用助手席エアバッグ装置であって、前記エアバッグ本体の内部に設けられ、前記インフレータから噴出されたガスを前記下方チャンバと前記上方チャンバとに分配する整流筒を備えている。
請求項3に記載の発明によれば、インフレータから噴出されたガスを下方チャンバと上方チャンバとに分配する整流筒が、エアバッグ本体の内部に設けられている。したがって、その整流筒が設けられていない場合に比べて、下方チャンバが、そのガスの高圧によって破断してしまうことが防止される。
また、請求項4に記載の車両用助手席エアバッグ装置は、請求項3に記載の車両用助手席エアバッグ装置であって、前記整流筒は、前記ガスの噴出によって膨張展開したときに、前記インストルメントパネルの後面の外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている。
請求項4に記載の発明によれば、整流筒が、ガスの噴出によって膨張展開したときに、インストルメントパネルの後面の外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている。そのため、膨張展開されたエアバッグ本体のインストルメントパネル側は、より確実にインストルメントパネルの後面の外形状に沿うように配置される。したがって、そのエアバッグ本体の展開挙動が不安定になるのが抑制される。
また、請求項5に記載の車両用助手席エアバッグ装置は、請求項2~請求項4の何れか1項に記載の車両用助手席エアバッグ装置であって、前記第1平面パネルは、タック縫製されることにより、上下方向に沿った周長が短く設定されている。
請求項5に記載の発明によれば、第1平面パネルが、タック縫製されることにより、上下方向に沿った周長が短く設定されている。したがって、上下方向に沿った周長が予め短く設定された第1平面パネルを用意する場合に比べて、エアバッグ本体の製造コストが低減される。
以上のように、本発明によれば、インストルメントパネルの薄型化に伴い、上方チャンバと下方チャンバとを有する助手席用のエアバッグが大型化されたとしても、そのエアバッグの展開挙動が不安定になるのを抑制することができる。
本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置を助手席に着座した乗員と共に示す概略側面図である。 図1におけるX-X線矢視拡大概略断面図である。 本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置を拡大して示す概略側面図である。 (A)本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置のエアバッグ本体を構成する第1平面パネルを示す正面図である。(B)本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置のエアバッグ本体を構成する第2平面パネルを示す正面図である。 (A)本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置のエアバッグ本体を一部拡大して示す概略側断面図である。(B)本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置のエアバッグ本体の変形例を一部拡大して示す概略側断面図である。 本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置のエアバッグ本体が膨張展開したときの状態を拡大して示す概略側面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図において適宜示す矢印UPを車両上方向、矢印FRを車両前方向、矢印RHを車両右方向とする。したがって、以下の説明で、特記することなく上下、前後、左右の方向を記載した場合は、車両における上下、前後、左右を示すものとする。また、左右方向は、車幅方向と同義である。
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置(以下「エアバッグ装置」という)20は、一例として、右ハンドルの車両10に設けられている。すなわち、このエアバッグ装置20は、車両10の左前席である助手席12に着座した乗員Pの膝から脛の前方に位置する樹脂製のインストルメントパネル(以下「インパネ」という)14の下部側(後述するドア部16の内側)に収納されている。
エアバッグ装置20は、インパネ14の下部側(ドア部16の内側)に設けられている支持部材22に支持されて、折り畳まれた状態で収納される布製のエアバッグ本体30と、その支持部材22に支持されて、エアバッグ本体30の内部へガスを瞬時に噴出(供給)する単一のインフレータ24と、を備えている。なお、図1では、膨張展開したエアバッグ本体30の形状を示すために、助手席12に着座している乗員Pを、そのエアバッグ本体30から敢えて離して描いている。
インフレータ24は、車両10に設けられた加速度センサー等の検出装置(図示省略)と電気的に接続されており、その検出装置によって車両10の前面衝突が検出されることで作動してガスを瞬時に噴出するようになっている。また、インパネ14の下部側には、インフレータ24の作動で膨張展開するエアバッグ本体30によって破断して開放されるドア部16が一体に形成されており、図1では、その破断された状態のドア部16が示されている。
図1~図3に示されるように、エアバッグ本体30は、乗員Pの下肢を拘束する下方チャンバ32と、乗員Pの頭部を含む上体を拘束する上方チャンバ38と、に後述する布製の第2テザー37によって仕切られている。つまり、このエアバッグ本体30は、上体用のエアバッグ(上方チャンバ38)とニーエアバッグ(下方チャンバ32)とが一体化されて構成されている。なお、エアバッグ本体30の幅(左右方向に沿った長さ)は、乗員Pの両膝よりも左右方向外側へはみ出る程度の幅とされている(図2参照)。
また、下方チャンバ32は、後述する布製の第1テザー35によって更に上下に仕切られている。すなわち、下方チャンバ32は、第1テザー35により、下方側の第1下方チャンバ34と上方側の第2下方チャンバ36とに仕切られている。なお、第1下方チャンバ34は、図示しない小柄な乗員(例えば人体ダミーAF05に相当する乗員)のニーエアバッグとして機能し、第2下方チャンバ36は、大柄な乗員P(例えば人体ダミーAM50に相当する乗員)のニーエアバッグとして機能するようになっている。
換言すれば、第1テザー35よりも下方側の第1下方チャンバ34が、小柄な乗員の膝と略前後方向で対向し、第1テザー35と第2テザー37との間の第2下方チャンバ36が、大柄な乗員Pの膝と略前後方向で対向するようになっている。また、下方チャンバ32には、乗員Pの下肢を拘束した後にガスが排出されるベントホールが形成されていないが、上方チャンバ38の左右両側の壁面には、乗員Pの上体を拘束した後にガスが排出されるベントホール(図示省略)が形成されている。
また、エアバッグ本体30の内部には、インフレータ24から噴出されたガスを下方チャンバ32(第1下方チャンバ34及び第2下方チャンバ36)と、上方チャンバ38と、に分配する布製の整流筒40が設けられている。整流筒40は、そのガスの噴出によって膨張展開したときに、略円筒状を成すように形成されており(図2参照)、車幅方向から見た側面視で、インパネ14の後面14Aの外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている。
図1、図3に示されるように、整流筒40の下端面42における中央部(軸心部)には、円形状の開口部42Aが形成されており、その開口部42Aは、第1下方チャンバ34の前壁34Aの内面へ臨んでいる。つまり、開口部42Aから噴出されたガスは、その第1下方チャンバ34の前壁34Aの内面へ向かって吹き付けられるようになっている。
また、整流筒40の後方側を向く壁面(以下「後面44」という)の一部には、円形状の開口部44Aが形成されており、その開口部44Aは、第2下方チャンバ36の後壁36Aの内面へ臨んでいる。つまり、開口部44Aから噴出されたガスは、その第2下方チャンバ36の後壁36Aの内面へ向かって吹き付けられるようになっている。
更に、整流筒40の上端面46における中央部(軸心部)には、円形状の開口部46Aが形成されており、その開口部46Aは、上方チャンバ38の前壁38A(後述する第1平面パネル26)の内面へ臨んでいる。つまり、開口部46Aから噴出されたガスは、その上方チャンバ38の前壁38Aの内面へ向かって吹き付けられるようになっている。
これにより、上方チャンバ38の前壁38Aの外面(乗員拘束面とは反対側の面)の一部が、フロントウインドシールドガラス18の内面に所定の圧力で接触し、そのフロントウインドシールドガラス18によって相対的に後方へ向かって押圧される(フロントウインドシールドガラス18から反力が得られる)構成になっている(図6も参照)。
なお、本実施形態では、一例として、整流筒40の上端面46の開口部46Aの内径が、整流筒40の後面44の開口部44Aの内径よりも大きく形成され、整流筒40の後面44の開口部44Aの内径が、整流筒40の下端面42の開口部42Aの内径よりも大きく形成されている。
しかしながら、各開口部42A、44A、46Aの内径は、これに限定されるものではなく、少なくとも上端面46の開口部46Aの内径が、下端面42の開口部42A及び後面44の開口部44Aの内径よりも大きく形成されていればよい。したがって、例えば下端面42の開口部42Aの内径と後面44の開口部44Aの内径とが同一とされていてもよい。
図4に示されるように、エアバッグ本体30は、インパネ14側に配置される第1平面パネル26と、乗員P側に配置される第2平面パネル28と、で構成されている。第1平面パネル26と第2平面パネル28とは同一サイズ及び同一形状とされており、互いの外周縁部が縫製されることによって(2枚の基布が縫い合わされる平面縫製によって)エアバッグ本体30が製造されている。
そして、第1平面パネル26の上下方向に沿った周長が、第2平面パネル28の上下方向に沿った周長よりも短く設定されている(図4(A)において、短く設定されたときを仮想線で示す)。具体的に言えば、第1平面パネル26は、タック(つまみ)縫製されることにより、上下方向に沿った周長が短く設定(形成)されている。
すなわち、図4(A)に示されるように、第1平面パネル26の上下方向略中央部には、車両10の前後方向から見た正面視で、左右方向の対角線が長辺となる菱形状の縫製領域SEが設定されている。そして、その縫製領域SEが上下につままれて縫われることにより、第1平面パネル26の上下方向に沿った周長が、第2平面パネル28の上下方向に沿った周長よりも短くなっている。
なお、図5に示されるように、その縫製領域SEがつままれて縫製された部位であるタック部26Aは、助手席12に着座している乗員Pと接触する面側(乗員拘束面側)に形成されるものではないため、図5(A)に示されるように、第1平面パネル26から前方側へ突出していてもよい。また、そのタック部26Aは、図5(B)に示されるように、第1平面パネル26から前方側へ突出しないように、エアバッグ本体30(上方チャンバ38)の内部へ折り込まれていてもよい。
図2、図3に示されるように、第2テザー37は、整流筒40を除き、エアバッグ本体30の下方チャンバ32(第2下方チャンバ36)と上方チャンバ38とを仕切るように構成されている。つまり、第2テザー37の外周縁部が、エアバッグ本体30の内面に縫製されて隙間なく取り付けられている。そして、整流筒40を通すために、第2テザー37に形成された平面視略円形状の開口部37Aの内径は、膨張展開した整流筒40の外径よりも若干小さく形成されている。
これにより、第2テザー37の開口部37Aの内周面と、膨張展開した整流筒40の外周面との間に隙間が形成されない構成(開口部37Aの内周面と整流筒40の外周面とが密着される構成)になっており、エアバッグ本体30の内部に整流筒40が設けられる構成であっても、下方チャンバ32(第2下方チャンバ36)と上方チャンバ38とがそれぞれ密閉される構成になっている。
なお、第1テザー35も同様である。すなわち、第1テザー35も、整流筒40を除き、下方チャンバ32の第1下方チャンバ34と第2下方チャンバ36とを仕切るように構成されている。つまり、第1テザー35の外周縁部が、エアバッグ本体30の内面に縫製されて隙間なく取り付けられている。そして、整流筒40を通すために、第1テザー35に形成された平面視略円形状の開口部35Aの内径が、膨張展開した整流筒40の外径よりも若干小さく形成されている。
これにより、第1テザー35の開口部35Aの内周面と、膨張展開した整流筒40の外周面との間に隙間が形成されない構成(開口部35Aの内周面と整流筒40の外周面とが密着される構成)になっており、エアバッグ本体30の内部に整流筒40が設けられる構成であっても、第1下方チャンバ34と第2下方チャンバ36とがそれぞれ密閉される構成になっている。
以上のような構成とされた本実施形態に係るエアバッグ装置20において、次にその作用について説明する。
車両10の前面衝突を検出装置が検出すると、インフレータ24が作動し、整流筒40の内部を介して、エアバッグ本体30の内部へ瞬時にガスを噴出(供給)する。具体的に説明すると、図3に示されるように、インフレータ24から噴出されたガスは、まず整流筒40内へ噴出(供給)される。
そして、整流筒40内へ噴出(供給)されたガスは、整流筒40の下端面42に形成されている開口部42Aから噴出されて、下方チャンバ32の第1下方チャンバ34へ供給されるとともに、整流筒40の後面44に形成されている開口部44Aから噴出されて、下方チャンバ32の第2下方チャンバ36へ供給される。
そして更に、整流筒40内へ噴出(供給)されたガスは、整流筒40の上端面46に形成されている開口部46Aから噴出されて、上方チャンバ38へ供給される。つまり、整流筒40内へ噴出されたガスは、その整流筒40により、下方チャンバ32(第1下方チャンバ34及び第2下方チャンバ36)と上方チャンバ38とに分配される。
ここで、整流筒40の後面44には、開口部44Aが形成されている。そのため、下端面42の開口部42A及び上端面46の開口部46Aしか形成されていない整流筒(図示省略)の場合に比べて、瞬時にガスが噴出(供給)されて膨張展開したときにおける整流筒40(特に上方チャンバ38の内部に配置されている部分)の展開挙動が不安定になるのを抑制することができる。
したがって、膨張展開された整流筒40は、側面視でインパネ14の後面14Aの外形状に沿った湾曲形状に速やかに配置される。よって、整流筒40の開口部42Aから噴出したガスは、第1下方チャンバ34の前壁34Aの内面へ吹き付けられ、整流筒40の開口部44Aから噴出したガスは、第2下方チャンバ36の後壁36Aの内面へ吹き付けられる。そして、整流筒40の開口部46Aから噴出したガスは、上方チャンバ38の前壁38Aの内面へ吹き付けられる。
これにより、エアバッグ本体30の全体が前方へ向けて押し出されるように膨張展開し、その膨張展開されたエアバッグ本体30のインパネ14側は、そのインパネ14の後面14Aの外形状に沿うように配置される。そして特に、上方チャンバ38の前壁38Aの外面の一部は、フロントウインドシールドガラス18の内面に所定の圧力で接触し、そのフロントウインドシールドガラス18によって相対的に後方へ向かって押圧される(フロントウインドシールドガラス18から反力を得る)。
したがって、例えばインパネ14の薄型化に伴い、下方チャンバ32と上方チャンバ38とを有する助手席12用のエアバッグ本体30が大型化されたとしても、瞬時にガスが供給されて膨張展開したときにおけるエアバッグ本体30の展開挙動が不安定になるのを抑制することができる(展開挙動を安定化できる)。よって、助手席12に着座している乗員Pの下肢及び上体(頭部を含む)を適切に拘束することができる。
また、エアバッグ本体30は、インパネ14側に配置される第1平面パネル26と、乗員P側に配置される第2平面パネル28と、で構成されている。つまり、このエアバッグ本体30は、安価な平面縫製(2枚の基布を縫い合わせること)で製造されている。したがって、上方チャンバと下方チャンバとを立体縫製で一体化したエアバッグ本体(図示省略)に比べて、エアバッグ本体30の製造コスト及び重量を低減させることができる。
そして、第1平面パネル26の上下方向に沿った周長が、第2平面パネル28の上下方向に沿った周長よりも短く設定されている。したがって、第1平面パネル26の上下方向に沿った周長と第2平面パネル28の上下方向に沿った周長とが同じ長さに設定されている場合に比べて、膨張展開されたエアバッグ本体30のインパネ14側は、より確実にインパネ14の後面14Aの外形状に沿うように配置される。
換言すれば、第1平面パネル26の上下方向に沿った周長と第2平面パネル28の上下方向に沿った周長とが同じ長さに設定されている場合には、膨張展開したエアバッグ本体30の上方チャンバ38は、図6の仮想線で示されるように後傾気味となる。これに対し、第1平面パネル26の上下方向に沿った周長が、第2平面パネル28の上下方向に沿った周長よりも短く設定されている場合には、膨張展開したエアバッグ本体30の上方チャンバ38は、図6の実線で示されるように前傾気味となる(後傾が抑制される)。
これにより、上方チャンバ38の前壁38Aの外面の一部が、より確実にフロントウインドシールドガラス18の内面に所定の圧力で接触し、そのフロントウインドシールドガラス18によって相対的に後方へ向かって押圧される。したがって、瞬時にガスが供給されて膨張展開したときにおけるエアバッグ本体30の展開挙動が不安定になるのをより一層抑制することができ(展開挙動をより一層安定化でき)、助手席12に着座している乗員Pの下肢及び上体(頭部を含む)を適切に拘束することができる。
しかも、第1平面パネル26は、タック縫製されることによって、上下方向に沿った周長が短く設定(形成)されている。したがって、上下方向に沿った周長が、予め短く設定(形成)された第1平面パネル(図示省略)を用意する場合に比べて、エアバッグ本体30の製造コストをより一層低減させることができる。
また、上記したように、エアバッグ本体30の内部に設けられた整流筒40により、インフレータ24から噴出されたガスが、下方チャンバ32(第1下方チャンバ34及び第2下方チャンバ36)と上方チャンバ38とに分配される。したがって、その整流筒40が設けられていない(噴出されたガスが上方チャンバ38へ分配されない)場合に比べて、下方チャンバ32が、そのガスの高圧によって破断してしまうことを防止することができる。
また、第1下方チャンバ34の内部へガスを噴出する開口部42Aが、整流筒40の下端面42の中央部に形成され、上方チャンバ38の内部へガスを噴出する開口部46Aが、整流筒40の上端面46の中央部に形成されている。そして、その開口部46Aの内径が、開口部42Aの内径及び第2下方チャンバ36の内部へガスを噴出する開口部44Aの内径よりも大きく形成されている。
そのため、上方チャンバ38へ噴出させるガスの噴出量と、下方チャンバ32(第1下方チャンバ34及び第2下方チャンバ36)へ噴出させるガスの噴出量と、を適切にコントロールすることができ、下方チャンバ32(第1下方チャンバ34及び第2下方チャンバ36)が、瞬時に噴出されたガスの高圧によって破断してしまうことをより一層防止することができる。
また、このような整流筒40が設けられていることにより、上方チャンバ38の内圧を下方チャンバ32の内圧よりも低くする圧力調整が容易にできる。つまり、エアバッグ本体30においては、上方チャンバ38の内圧を下方チャンバ32の内圧よりも低く設定する必要があるが、それが整流筒40によって容易に実現可能となる。
しかも、整流筒40を通すために、第1テザー35に形成された開口部35Aの内径及び第2テザー37に形成された開口部37Aの内径は、それぞれ膨張展開した整流筒40の外径よりも若干小さく形成されており、第1テザー35の開口部35Aの内周面及び第2テザー37の開口部37Aの内周面と、膨張展開した整流筒40の外周面との間に隙間が形成されない構成になっている。
つまり、開口部35Aの内周面及び開口部37Aの内周面と、整流筒40の外周面とがそれぞれ密着されて、下方チャンバ32(第1下方チャンバ34及び第2下方チャンバ36)と上方チャンバ38とがそれぞれ密閉される構成になっている。したがって、下方チャンバ32及び上方チャンバ38の気密性を高めることができ、下方チャンバ32の高圧状態及び上方チャンバ38の低圧状態を容易に作り出すことができる。
以上、本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置20について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る車両用助手席エアバッグ装置20は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、第1平面パネル26は、上下方向に沿った周長が、タック縫製によって短くされるものに限定されるものではなく、予め短く設定(形成)されていてもよい。また、インフレータ24は、車両10の前面衝突を検出したときだけではなく、例えば衝突予知センサー等で車両10の前面衝突を予知したときに作動するように構成されていてもよい。
10 車両
12 助手席
14 インパネ(インストルメントパネル)
14A 後面
20 エアバッグ装置(車両用助手席エアバッグ装置)
24 インフレータ
26 第1平面パネル
28 第2平面パネル
30 エアバッグ本体
32 下方チャンバ
38 上方チャンバ
40 整流筒
P 乗員

Claims (5)

  1. 車両の助手席に着座した乗員の膝から脛の前方に位置するインストルメントパネルの下部側に収納され、乗員の下肢を拘束する下方チャンバと、乗員の上体を拘束する上方チャンバと、に仕切られたエアバッグ本体と、
    前記エアバッグ本体の内部に設けられ、インフレータから噴出されたガスを前記下方チャンバと前記上方チャンバとに分配する整流筒と、
    を備え、
    前記整流筒は、前記ガスの噴出によって膨張展開したときに、前記インストルメントパネルの後面の外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている車両用助手席エアバッグ装置。
  2. 車両の助手席に着座した乗員の膝から脛の前方に位置するインストルメントパネルの下部側に収納され、乗員の下肢を拘束する下方チャンバと、乗員の上体を拘束する上方チャンバと、に仕切られたエアバッグ本体と、
    前記インストルメントパネルの下部側に収納され、前記下方チャンバと前記上方チャンバとにガスを供給する単一のインフレータと、
    を備え、
    前記エアバッグ本体は、インストルメントパネル側に配置される第1平面パネルと、乗員側に配置される第2平面パネルと、で構成されるとともに、前記第1平面パネルの上下方向に沿った周長が前記第2平面パネルの上下方向に沿った周長よりも短く設定されている車両用助手席エアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグ本体の内部に設けられ、前記インフレータから噴出されたガスを前記下方チャンバと前記上方チャンバとに分配する整流筒を備えた請求項2に記載の車両用助手席エアバッグ装置。
  4. 前記整流筒は、前記ガスの噴出によって膨張展開したときに、前記インストルメントパネルの後面の外形状に沿った湾曲形状を成すように形成されている請求項3に記載の車両用助手席エアバッグ装置。
  5. 前記第1平面パネルは、タック縫製されることにより、上下方向に沿った周長が短く設定されている請求項2~請求項4の何れか1項に記載の車両用助手席エアバッグ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11970127B2 (en) * 2022-01-24 2024-04-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle passenger seat airbag device

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