JP2022178043A - アセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法 - Google Patents

アセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長時間、安定的にアセトンを生産することが可能となるアセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法を提供とすることを目的とする。【解決手段】マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)、鉄、並びにアルミニウムを含む、アセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法に関する。
従来、エタノールと水からのアセトン合成反応について、いくつかの報告がなされている。非特許文献1には、酸化亜鉛に酸化カルシウムを添加した触媒を用いた検討がなされている。非特許文献2には、鉄と各種金属成分からなる酸化物触媒を用いた検討がなされている。鉄と亜鉛を組み合わせた触媒での連続反応では、24時間後のアセトン収率が86%から57%へ変化することが開示されている。特許文献1には、鉄と、亜鉛と、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とを含有し、亜鉛に対するアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のモル比が0.2~2である触媒を用いた検討がなされている。
Journal of the Chemical Society、Chemical Communications、394~395ページ(1987年) Journal of Materials Chemistry、第4巻、853~858ページ(1994年)
特開2012-240913
上記の通り、エタノールと水からアセトンを製造する方法はいくつか知られているが、十分な触媒性能を有するものではなく、安定的にアセトンを製造するには改善の余地があった。
本発明は、これら事情を鑑みてなされたものであり、エタノールと水からのアセトン製造において、長時間安定的にアセトンを生産することが出来るアセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成する為に種々検討を行ない、本発明に想到した。すなわち、本開示は、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)、鉄、並びにアルミニウムを含む、アセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法である。
本開示は、高収率でかつ長時間安定的にアセトンを製造するアセトン製造用触媒及びアセトンの製造方法を提供することにある。
以下、本開示を詳細に説明する。なお、以下において記載する本開示の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本開示の好ましい形態である。
[本開示のアセトン製造用触媒]
<触媒>
本開示の触媒には、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)、鉄、並びにアルミニウムの元素を含む。
本開示の触媒は特に限定されず、他の金属元素を含んでいてもよい。
本開示の触媒に含まれる金属元素の状態は特に限定されず、例えば、前記金属元素を含む金属酸化物、前記金属元素を含む担体、前記金属元素を担持した担体などが挙げられる。金属酸化物を担体に担持してもよい。
金属酸化物は、複合金属酸化物であってもよい。
複合金属酸化物として、例えば、スピネル型、ペロブスカイト型、マグネトプランバイト型、ガーネット型などが挙げられるが、好ましくは、スピネル型である。
複合金属酸化物として、一般式、MeO・nFe(Meは、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属を表し、nは1~6の整数を表す)で表される、鉄複合酸化物(フェライトという場合がある)が好ましい。具体的には、例えば、MgO・Fe2、ZnO・Fe2などが挙げられる。
担体としては、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、シリカ-カルシア、ジルコニア、セリア、マグネシア、珪藻土等が挙げられる。
担体の形状は特に限定されないが、球状、ペレット状、ハニカム状のものが挙げられる。
担体のBET比表面積は、20~200m2/gが好ましく、より好ましくは40~200m2/gである。高い比表面積を有する担体を用いることで触媒成分が分散した状態で担持されやすくなり、触媒活性が高くなるため好ましい。
本開示の触媒に含まれるアルミニウム元素の状態は特に限定されない。金属としてアルミニウムを単一に含む化合物として含まれていてもよく、他の金属元素を含む複合金属酸化物の元素として含まれていてもよく、担体として含まれていてもよい。
金属としてアルミニウムを単一に含む化合物として、例えば、酸化アルミニウムが挙げられる。他の金属元素を含む複合金属酸化物としては、アルミニウムとSn、Pb、Zn、Fe、In等との複合金属酸化物が挙げられる。担体としては、アルミナ(Al)、シリカ-アルミナなどが挙げられる。触媒の性能の観点から、Alであることがより好ましい。
本開示の触媒は、鉄1モルに対し、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)は、0.4~0.7モルであることが好ましく、より好ましくは0.4~0.6モルであり、さらに好ましくは、0.45~0.55モルである。鉄1モルに対し、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)を上記モル範囲とすることで、良好な触媒活性が得られる。
本開示の触媒は、鉄1モルに対し、アルミニウムは、0.01~0.5モルであることが好ましく、より好ましくは0.05~0.5モルであり、さらに好ましくは、0.1~0.4モルである。鉄1モルに対し、アルミニウムを上記モル範囲とすることで、良好な耐久性を発現することができる。
本開示の触媒に含まれる、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)、鉄、並びにアルミニウムの合計量は、触媒100質量%に対し、50~100質量%が好ましく、より好ましくは、80~100質量%である。
<触媒の製造方法>
本開示の触媒について、その製法は特に制限はなく、例えば、含浸法、沈澱法、共沈法などによって製造することができる。より好ましくは、共沈法である。触媒構成成分である金属元素が均一に高分散された共沈物(触媒前駆体という場合もある)を取得することができ、結果、優れた性能を有する触媒の製造が可能となるため好ましい。製造した触媒中における各触媒成分の分散状態は、例えばエレクトロン・マイクロプローブアナライザー(EPMA)を用いて評価することができる。EPMAを用いる場合、触媒に含有される金属成分、例えばアルミニウムの分散性は、触媒表面におけるX軸・Y軸方向に各900μmの平面内でX線量を測定し、測定した任意の点から平均値(S)とその標準偏差(σ)を求める。平均値(S)に対する標準偏差(σ)の比率(σ/S)により、触媒に含有されるアルミニウムの分散性を評価することができる。比率(σ/S)の値は、0.25未満が好ましく、より好ましくは0.2未満であり、さらに好ましくは0.15未満である。
共沈法は、金属(Me)、鉄およびアルミニウムを含む溶液に、塩基性水溶液を加えて共沈物を得る工程、共沈物をろ過する工程、取得した共沈物を乾燥する工程、焼成する工程を含んでいてもよい。
溶液中の金属元素の量は適宜変更することができる。
[本開示のアセトン製造方法]
本開示の製造方法では、触媒存在下で、エタノールと水を反応させることでアセトン含有ガスを得る。
<エタノールと水との反応>
本開示のアセトン製造方法は、原料であるエタノールと水とを触媒と接触させることにより、アセトン、水素および二酸化炭素を含む反応生成物を得ることができる。
本開示のアセトン製造方法は、特に限定されず、バッチ式、連続式のいずれでもよいが、生産性の観点から連続式が好ましい。
本開示のアセトン製造方法は、気相反応が好ましい。気相反応による反応形式としては、固定床、移動床、流動床などが挙げられるが、より簡便な固定床形式が好ましい。
本開示のアセトン製造方法が、固定床形式である場合、原料ガスは、ガス状のエタノールとガス状の水(水蒸気という場合もある)を混合してから、反応器へ供給して触媒と接触させてもよく、ガス状のエタノールと水蒸気を別々に反応器へ供給して触媒と接触させてもよい。
ガス状のエタノールは、例えば、気化装置にて、液体のエタノールを加熱することにより得られる。ガス状の水は、例えば、気化装置にて、水を加熱することにより得られる。
原料ガスには、窒素やヘリウムなどの不活性ガスを含んでいてもよい。ここで原料ガスとは、反応器へ供給するガス全てを含む。
原料ガスに含まれるエタノール濃度は、3~66モル%であることが好ましく、より好ましくは5~50モル%である。
原料ガスに含まれるエタノールに対する水のモル比率は、0 . 5 ~ 1 0 であることが好ましく、1 ~ 5 であることがより好ましい。
原料ガスに用いるエタノールは、特に限定されない。エチレンの水和反応により得られるエタノールや、バイオマス原料、例えば、サトウキビ等の糖質系、穀物等のでんぷん系、草木などのセルロース系などを原料にしたバイオエタノールなどが挙げられる。
原料ガスに用いるエタノールには、バイオエタノールが含まれていることが好ましい。エタノール100質量%に含まれるバイオエタノールの含有量は、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは75質量%以上であり、よりさらに好ましくは90質量%以上である。
本開示のアセトン製造方法における反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも実施できるが、0.07MPa~0.2MPaであることが好ましく、より好ましくは、0.1MPa~0.15MPaである。
本開示のアセトン製造方法における反応温度は、250~600℃が好ましく、より好ましくは300~550℃であり、さらに好ましくは330~500℃である。
本開示のアセトン製造方法では、空間速度は、300~10000(1/h)であることが好ましく、より好ましくは400~8000(1/h)であり、さらに好ましくは、500~6000(1/h)である。
<その他工程>
(精製工程)
エタノールと水とを触媒と接触させた後の反応生成物には、アセトン、水素、二酸化炭素だけでなく、原料であるエタノールや水を有してもよい。
反応生成物に含まれるアセトンは、反応生成物100モル%に対し、2モル%以上であることが好ましく、より好ましくは4モル%以上であり、さらに好ましくは8モル%以上である。
本開示のアセトン製造方法において、反応生成物から、公知の方法により、精製されたアセトン(精製アセトンという場合もある)を取得する工程を含んでいてもよい。例えば、気液分離や蒸留などが挙げられる。
気液分離は公知の方法により、例えば、反応生成物から、水素や二酸化炭素などの気体と、アセトンを主体とする液体混合物に分離することができる。蒸留は公知の方法により、アセトンを含む液体混合物から精製したアセトンを得ることができる。
精製アセトンに含まれるアセトンの含有量は、精製アセトン100質量%に対し、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、95質量%以上であり、さらに好ましくは98質量%以上である。
(触媒再生工程)
本開示のアセトン製造方法において、触媒の活性に変化が見られた場合は、触媒を再生する工程を含んでいてもよい。再生する方法は特に限定されないが、酸素などの酸化性ガスと高温で接触させることにより再生することができる。例えば、原料ガスを固定床形式の反応器に供給しておこなった場合、原料ガスを酸化性ガスに変更しておこなってもよく、反応器から触媒を抜き出しておこなってもよい。
[本開示のアセトンの製造装置]
製造装置として好ましくは、固定床型の反応器である。原料ガスを得るための気化装置を連結していてもよい。
製造装置の材質としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、ステンレス鋼が挙げられる。ステンレス鋼の代表例としては、オーテスナイト系ステンレス鋼、例えば日本工業規格(以下、JISと表す)のSUS304、SUS304L、SUS316およびSUS316L;フェライト系ステンレス鋼、例えばJISのSUS405、SUS401LおよびSUS430;マルテンサイト系ステンレス鋼、例えばJISのSUS403、SUS410、SUS416およびSUS431等を挙げることができる。
[本開示のアセトンの用途]
本開示のアセトンについて、使用する用途は特に限定されないが、イソプロピルアルコールの製造原料用途に好適に用いることができる。本開示のアセトンは、例えば公知の方法により水素化することにより、イソプロピルアルコールを製造することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
硝酸亜鉛六水和物(和光純薬工業製、純度99.0%以上)12.3g、硝酸アルミニウム六水和物(和光純薬工業製、純度97.0%以上)4.7g、硝酸鉄九水和物(ナカライテスク製、純度98.0%以上)33.4gを純水400mLに溶解し、硝酸亜鉛、硝酸鉄、および、硝酸アルミニウムからなる混合水溶液を調製した。マグネティックスターラーで当該混合水溶液を攪拌しながら、室温でアンモニア水(和光純薬工業製、純度28.0%)を滴下してpHを8とした。
得られた沈殿をろ過により回収し、120℃で10時間乾燥後、450℃で2時間焼成して触媒1を得た。得られた触媒1の元素分析を蛍光X線分析装置により行った。測定試料は、メノウ乳鉢で均一に粉砕した触媒1の粉末を塩化ビニルのディスクに充填し、圧縮成型機により30MPaGで圧縮してディスク化したものを用いた。結果、触媒1の鉄に対する亜鉛、アルミニウムのモル比は、それぞれ0.44、0.12であった。
得られた触媒1の結晶構造は、粉末X線回折により行った。得られた回折パターンは、ZnFeのパターン(JCPDF 00-022-1012)とほぼ一致し、ZnO、Alに由来する回折ピークは検出されなかった。
触媒1によるアセトン製造は、SUS316製管型反応器を用いて行った(外径10mm、内径8mm)。メノウ乳鉢で均一に粉砕した触媒1の粉末を塩化ビニルのディスクに充填し、圧縮成型機により30MPaGで圧縮してディスク化後、破砕して0.71~1.18mmに分級し、その顆粒状触媒1.4gをSUS製管型反応管に充填した。触媒1を充填した反応管を環状電気炉内に設置し、窒素を26.25mL/min.(0℃、1気圧換算)で供給し、電気炉加熱により400℃まで昇温し、30min.保持した。その後、窒素、エタノール、水を、それぞれ、26.25mL/min.(0℃、1気圧換算)、5.22mL/min.(0℃、1気圧換算)、20.89mL/min.(0℃、1気圧換算)で供給し、反応を行った。反応は142時間連続で実施し、反応時間の経過に伴うエタノール転化率、アセトン収率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2022178043000001
ここで、エタノール転化率、アセトン収率は、式(1)、(2)による算出した。
(式1)
Figure 2022178043000002
(式2)
Figure 2022178043000003
エタノールと水からのアセトン合成反応は、以下反応式(3)で表される。
(式3)
Figure 2022178043000004
式(2)でのアセトン収率は、反応器入口に供給されたエタノールに含まれる全炭素に対する生成アセトン中の炭素量で評価したものである。したがって、アセトン収率の最大値は75%となる。
反応器出口ガスは、氷水浴に配置した純水入りの吸収瓶に導入して水により捕集された成分をガスクロマトグラフで定量した。純水入りの吸収瓶で捕集されなかった成分については、吸収瓶出口ガスをガスクロマトグラフに導入して定量した。これら分析値から反応器出口ガスに含まれる各成分の流速を算出し、上記式(1)、(2)によりエタノール転化率およびアセトン収率を求めた。
(比較例1)
硝酸亜鉛六水和物(和光純薬工業製、純度99.0%以上)9.2g、硝酸鉄九水和物(ナカライテスク製、純度98.0%以上)25.1gを純水400mLに溶解し、硝酸亜鉛と硝酸鉄の混合水溶液を調製した。マグネティックスターラーで硝酸亜鉛と硝酸鉄の混合水溶液を攪拌しながら、室温でアンモニア水(和光純薬工業製、純度28.0%)を滴下してpHを8とした。得られた沈殿をろ過により回収し、120℃で10時間乾燥後、450℃で2時間焼成して触媒2を得た。
得られた触媒2の元素分析を実施例1と同様にして蛍光X線分析により行ったところ、鉄に対する亜鉛のモル比は、それぞれ0.44であった。
触媒2の結晶構造を実施例1と同様に粉末X回折により行ったところ、得られた回折パターンは、ZnFeのパターン(JCPDF 00-022-1012)とほぼ一致し、ZnOの回折ピークは検出されなかった。
触媒2によるアセトン製造を、実施例1記載と同様の方法で実施した。反応は137.5時間連続で実施し、反応時間の経過に伴うエタノール転化率、アセトン収率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2022178043000005
(比較例2)
硝酸亜鉛六水和物(和光純薬工業製、純度99.0%以上)3.74g、硝酸ストロンチウム(和光純薬工業製、純度98.0%以上)1.09gを純水4.0gに溶解し、亜鉛とストロンチウムを含有する水溶液を調製した。120℃で十分に乾燥した酸化水酸化鉄(関東化学製、純度95.0%以上)10.03gに、亜鉛とストロンチウムを含有する水溶液を加え、ガラス棒で5分間練ってスラリー状物質とした。このスラリー状物質を120℃で10時間乾燥後、600℃で3時間焼成して触媒3を得た。
得られた触媒3の元素分析を実施例1と同様にして蛍光X線分析により行ったところ、鉄に対する亜鉛、ストロンチウムのモル比は、それぞれ、0.12、0.05であった。
触媒3の結晶構造を実施例1と同様に粉末X回折により行ったところ、得られた回折パターンには、Fe(JCPDF 00-001-1053)とZnO(JCPDF 00-005-0593)の回折ピークが検出された。
触媒3によるアセトン製造を、実施例1記載と同様の方法で実施した。反応は137時間連続で実施し、反応時間の経過に伴うエタノール転化率、アセトン収率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2022178043000006
(比較例3)
硝酸亜鉛六水和物(和光純薬工業製、純度99.0%以上)3.00g、硝酸ストロンチウム(和光純薬工業製、純度98.0%以上)0.87g、硝酸アルミニウム六水和物(和光純薬工業製、純度97.0%以上)6.50gを純水6.0gに溶解し、亜鉛とストロンチウムを含有する水溶液を調製した。120℃で十分に乾燥した酸化水酸化鉄(関東化学製、純度95.0%以上)8.02gに、亜鉛とストロンチウムとアルミニウムを含有する水溶液を加え、ガラス棒で5分間練ってスラリー状物質とした。このスラリー状物質を120℃で10時間乾燥後、600℃で3時間焼成して触媒4を得た。
得られた触媒4の元素分析を実施例1と同様にして蛍光X線分析により行ったところ、鉄に対する亜鉛、ストロンチウム、アルミニウムのモル比は、それぞれ、0.12、0.05、0.2であった。
触媒4の結晶構造を実施例1と同様に粉末X回折により行ったところ、得られた回折パターンには、Fe(JCPDF 00-001-1053)とZnO(JCPDF 00-005-0593)の回折ピークが検出された。
触媒4によるアセトン製造を、実施例1記載と同様の方法で実施した。反応は112時間連続で実施し、反応時間の経過に伴うエタノール転化率、アセトン収率を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2022178043000007
(実施例2)
実施例1で調製した触媒1を圧縮、破砕、0.71~1.18mmに分級し、その顆粒状触媒0.7gをSUS製管型反応管に充填した。触媒1を充填した反応管を環状電気炉内に設置し、窒素を70mL/min.(0℃、1気圧換算)で供給し、電気炉加熱により400℃まで昇温し、30min.保持した。その後、所定の反応温度に変更し、窒素、エタノール、水を、それぞれ、70mL/min.(0℃、1気圧換算)、13.9mL/min.(0℃、1気圧換算)、55.7mL/min.(0℃、1気圧換算)で供給して反応を行った。400、425、450℃でのエタノール転化率、アセトン収率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2022178043000008
(比較例5)
硝酸亜鉛六水和物(和光純薬工業製、純度99.0%以上)30.12gを純水400mLに溶解し、硝酸亜鉛水溶液を調製した。マグネティックスターラーで硝酸亜鉛水溶液を攪拌しながら、室温でアンモニア水(和光純薬工業製、純度28.0%)を滴下してpHを7とした。得られた沈殿をろ過により回収し、120℃で10時間乾燥して水酸化亜鉛を調製した。得られた水酸化亜鉛4.0gに水酸化カルシウム(和光純薬工業製、純度99.0%以上)0.335gを加え、少量の水を加えて乳鉢で十分に練り合わせた。得られた練物を120℃で10時間乾燥後、500℃で2時間焼成して触媒5を得た。
触媒1を触媒5とした以外は実施例2と同様にしてアセトン製造試験を実施し、450、475℃でのエタノール転化率、アセトン収率を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2022178043000009

Claims (9)

  1. マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)、鉄、並びにアルミニウムを含む、アセトン製造用触媒。
  2. 鉄1モルに対するアルミニウムのモル数が0.01~0.5である、請求項1に記載のアセトン製造用触媒。
  3. 鉄1モルに対する前記金属(Me)のモル数が、0.4~0.7である請求項1または2に記載のアセトン製造用触媒。
  4. スピネル型フェライト(MeFe)およびAlを含む、請求項1~3のいずれかに記載のアセトン製造用触媒。
  5. エタノールと水を触媒存在下、アセトンを製造する方法であって、該触媒が、マグネシウム、カルシウム、マンガンおよび亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の金属(Me)、鉄、並びにアルミニウムを含む、アセトンの製造方法。
  6. 前記触媒において、含有する鉄1モルに対するアルミニウムのモル数が0.01~0.5である、請求項5に記載のアセトンの製造方法。
  7. 前記触媒において、含有する鉄1モルに対する前記金属(Me)のモル数が、0.4~0.7である請求項5または6に記載のアセトンの製造方法。
  8. 前記触媒が、スピネル型フェライト(MeFe)およびAlを含む、請求項5~7のいずれかに記載のアセトンの製造方法。
  9. エタノールが、バイオマスを由来とするものである、請求項5~8のいずれかに記載のアセトンの製造方法。
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