JP2022177727A - リバーシブル燃料電池 - Google Patents

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Kenji Miyatake
研一 小柳津
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Abstract

【課題】外部の水素供給源が不要なリバーシブル燃料電池を提供する。【解決手段】本発明によれば、アノード、電解質膜、及びカソードを備える燃料電池であって、前記電解質膜の前記アノード側には有機レドックス分子を含むプロトン貯蔵層が設けられており、前記有機レドックス分子は、レドックス反応によって水素ガスを介さずにプロトン化と脱プロトン化を可逆的に行うことが可能な有機分子である、リバーシブル燃料電池が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、より詳しくは、アノードとカソードの間に電圧を印加することによって充電が可能なリバーシブル(「リチャージャブル」ともいう。)燃料電池に関する。
燃料電池は、アノードに燃料(水素)、カソードに空気(酸素)を供給し、電気化学反応によって発電することができる。特許文献1では、燃料電池の外部に設けた水素供給源から燃料電池に水素を供給することによって発電することが想定されている。なお、本明細書では、特に明記しない限り、水素及び酸素は、それぞれ、水素ガス及び酸素ガスを意味する。
特開2017-16942号公報
しかし、特許文献1の構成では、燃料電池を動作させるには、水素タンクなどの外部の水素供給源が必要であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外部の水素供給源が不要なリバーシブル燃料電池を提供するものである。
本発明によれば、アノード、電解質膜、及びカソードを備える燃料電池であって、前記電解質膜の前記アノード側には有機レドックス分子を含むプロトン貯蔵層が設けられており、前記有機レドックス分子は、レドックス反応によって水素ガスを介さずにプロトン化と脱プロトン化を可逆的に行うことが可能な有機分子である、リバーシブル燃料電池が提供される。
本発明の燃料電池は、有機レドックス分子の脱プロトン化によって放出されるプロトンを用いた発電が可能であるので、外部の水素供給源からの水素の供給が不要なため小型軽量化が可能であり、配管も不要であるので装置構成が単純になる。また、本発明の燃料電池は、アノードとカソードの間に電圧を印加することによって充電(つまり、有機レドックス分子のプロトン化)が可能であるので、外部の水素供給源が不要なため小型軽量化が可能であり、配管も不要であるので装置構成が単純になる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載のリバーシブル燃料電池であって、前記プロトン貯蔵層は、導電性粒子と、高分子電解質を含む、リバーシブル燃料電池である。
好ましくは、前記記載のリバーシブル燃料電池であって、(前記有機レドックス分子/前記導電性粒子)の質量比は、10以下である、リバーシブル燃料電池である。
好ましくは、前記記載のリバーシブル燃料電池であって、前記有機レドックス分子は、重量平均分子量が5000以上である、リバーシブル燃料電池である。
好ましくは、前記記載のリバーシブル燃料電池であって、前記プロトン貯蔵層は、貴金属触媒を含まない、リバーシブル燃料電池である。
好ましくは、前記記載のリバーシブル燃料電池であって、前記プロトン貯蔵層は、前記電解質膜に塗布されている、リバーシブル燃料電池である。
本発明の一実施形態のリバーシブル燃料電池1の斜視図である。 図2Aは、図1中の触媒塗布膜2及び支持フレーム3の断面図であり、図2Bは、図2A中の領域Bの拡大図である。 リバーシブル燃料電池1の発電動作の説明図である。 リバーシブル燃料電池1の充電動作の説明図である。 実施例1のリバーシブル燃料電池1の発電試験の結果を示すグラフである。 実施例2のリバーシブル燃料電池1の発電試験の結果を示すグラフである。 実施例3のリバーシブル燃料電池1の発電試験の結果を示すグラフである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.リバーシブル燃料電池1の構成
図1に示すように、本発明の一実施形態のリバーシブル燃料電池1は、触媒塗布膜2と、支持フレーム3と、アノードユニット10と、カソードユニット20を備える。本明細書では、リバーシブル燃料電池1の発電動作時に、外部回路に電子が流れ出す電極をアノードと称し、外部回路から電子が流れ込む電極をカソードと称する。リバーシブル燃料電池1の充電動作時には、電子が流れる方向は逆になるが、部材の名称は、発電時に電子が流れる方向を基準に設定している。
1-1.触媒塗布膜2と支持フレーム3
図2に示すように、触媒塗布膜2は、電解質膜2aのアノード側面にプロトン貯蔵層2bが塗布され、電解質膜2aのカソード側の面にカソード触媒層2cが塗布されて構成される。触媒塗布膜2の周縁部2dが支持フレーム3によって支持されている。電解質膜2aは、イオン伝導性を有する高分子膜であり、電解質膜2aを通じてプロトン貯蔵層2b側からカソード触媒層2c側に向かってプロトンの移動が可能になっている。
プロトン貯蔵層2bは、プロトンを貯蔵可能な層であり、その構成は、後述する。カソード触媒層2cは、プロトンを酸素で酸化して水にする反応と、水を電気分解して酸素とプロトンを生成する反応を促進する触媒を含むものであり、このような触媒としては、白金などの貴金属が挙げられる。
燃料電池1の発電動作時には、プロトン貯蔵層2bがアノードとなり、カソード触媒層2cがカソードとなる。
1-2.アノードユニット10
図1に示すように、アノードユニット10は、電解質膜2aのアノード側に配置され、アノード拡散部材12と、アノードガスケット13、アノードセパレータ14、アノード集電板15を備える。
アノード拡散部材12は、プロトン貯蔵層2bに隣接するように配置される。アノード拡散部材12は、ガスを拡散させる部材であり、例えば多孔質材料で構成される。アノード拡散部材12を設けることによって、プロトン貯蔵層2bの加湿を促進することができるが、アノード拡散部材12は必須ではなく省略してもよい。
アノードガスケット13は、アノード拡散部材12を取り囲むように配置される。アノードガスケット13は、例えばゴムシートで構成されており、プロトン貯蔵層2bに外気が触れることを防ぐ機能を有する。
アノードセパレータ14は、アノード拡散部材12及びアノードガスケット13に隣接して配置される。金属やカーボンなどの導電材料で形成される。
アノード集電板15は、アノードセパレータ14に隣接して配置され、金属やカーボンなどの導電材料で形成される。アノード集電板15とカソード集電板25に外部端子を接続して、リバーシブル燃料電池1の充電と、リバーシブル燃料電池1が放電した電流を取り出し可能になっている。
1-3.カソードユニット20
図4に示すように、カソードユニット20は、電解質膜2aのカソード側に配置され、カソード拡散部材22と、カソードガスケット23と、カソードセパレータ24、カソード集電板25を備える。
カソード拡散部材22は、カソード触媒層2cに隣接するように配置される。カソード拡散部材22は、酸素を含むカソードガスを拡散させる部材であり、例えば多孔質材料で構成される。カソード拡散部材22を設けることによって、カソードガスの効率的な拡散が可能になる。
カソードガスケット23は、カソード拡散部材22を取り囲むように配置される。カソードガスケット23は、例えばゴムシートで構成されており、カソードガスのリークを防ぐ機能を有する。
カソードセパレータ24は、カソード拡散部材22及びカソードガスケット23に隣接して配置される。カソードセパレータ24は、導電材料で形成される。カソードセパレータ24をカーボンで形成すると、リバーシブル燃料電池1を充電するための電気分解の際に腐食される虞があるので、カソードセパレータ24は、チタンのような耐腐食性に優れた金属で形成することが好ましく、さらに、その表面を白金でメッキすることが好ましい。
カソード集電板25は、金属やカーボンなどの導電材料で形成される。カソード集電板25には、補充口25aが設けられている。本実施形態のリバーシブル燃料電池1は閉鎖系で動作可能であるが、ガスリークに伴う性能低下を抑制するためにレドックス反応に必要な物質(水、酸素、水素の少なくとも1つ)の補充が好ましい場合がある。その場合に、このような物質を補充口25aを通じて補充することができる。
2.プロトン貯蔵層2bの構成
プロトン貯蔵層2bは、有機レドックス分子を含み、リバーシブル燃料電池1が発電動作するためのプロトンの供給源となる。プロトン貯蔵層2bは、本実施形態では、電解質膜2aに塗布されているが、プロトン貯蔵層2bは、プロトンや電子の移動抵抗が小さくなるように電解質膜2aとアノード集電板15の間に存在していればよく、例えば、アノード拡散部材12、アノードセパレータ14、又はアノード集電板15に塗布したり、プロトン貯蔵層2bを構成するフィルムを別途形成し、このフィルムを電解質膜2aとアノード集電板15の間に配置したりしてもよい。
有機レドックス分子は、直接レドックス反応(水素ガスを介さないレドックス反応)によって、水素ガスを介さずにプロトン化と脱プロトン化を可逆的に行うことが可能な有機分子である。有機レドックス分子は、白金やイリジウムなどの貴金属による触媒作用がなくてもレドックス反応が進行するものが好ましい。この場合、プロトン貯蔵層2bは、貴金属を含まないことが好ましい。これによって、リバーシブル燃料電池1の製造コストの低減が可能である。なお、レドックス反応を促進する触媒を添加してもよい。
リバーシブル燃料電池1のアノード電位は、有機レドックス分子の酸化還元電位に依存しており、リバーシブル燃料電池1のセル電圧(アノード電位とカソード電位の差)は、アノード電位に依存しているので、有機レドックス分子の選択によって、リバーシブル燃料電池1の出力電圧を変化させることができる。
有機レドックス分子は、低分子であっても高分子(繰り返し単位を有する分子)であってもよい。低分子の有機レドックス分子は、1分子当たり、例えば2つのプロトンを貯蔵・放出する。高分子の有機レドックス分子は、1繰り返し単位当たり、例えば2つのプロトンを貯蔵・放出する。
有機レドックス分子は、高分子であることが好ましい。この場合、プロトン貯蔵層2bに安定に存在しやすいからである。有機レドックス分子の重量平均分子量は、5000以上が好ましい。この場合、プロトン貯蔵層2bに特に安定に存在しやすいからである。この重量平均分子量は、30万以下が好ましい。有機レドックス分子は、溶剤に溶解させた状態で、カーボンなどの導電性粒子と混合することが好ましいが、有機レドックス分子の重量平均分子量が大きすぎると、有機レドックス分子が溶剤に溶解しにくくなったり混合しにくくなったりする場合がある。重量平均分子量は、具体的には例えば、5000、1万、2万、3万、4万、5万、6万、7万、8万、9万、10万、15万、20万、25万、30万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC法)によって測定可能である。
低分子の有機レドックス分子の例は、ジフェニルキノキサリンであり、高分子の有機レドックス分子の例は、ポリビニルフルオレノンである。これらの有機レドックス分子は、以下の式(1)~(2)に示すレドックス反応により、水素ガスを介さずにプロトン化と脱プロトン化を可逆的に行うことが可能になっている。
Figure 2022177727000002
Figure 2022177727000003
その他の低分子の有機レドックス分子の例は、以下の通りである。
Figure 2022177727000004
その他の高分子の有機レドックス分子の例は、以下の通りである。
Figure 2022177727000005
プロトン貯蔵層2bは、導電性粒子と高分子電解質を含むことが好ましい。導電性粒子によって電子伝導性が高められ、高分子電解質によってプロトン伝導性が高められるので、プロトン貯蔵層2bが導電性粒子と高分子電解質を含むことによって、レドックス反応が促進される。導電性粒子としては、カーボンが例示され。高分子電解質としては、ナフィオンが例示される。
導電性粒子がカーボンのような疎水性の物質である場合には、有機レドックス分子も疎水性であることが好ましい。この場合、導電性粒子と有機レドックス分子が均一に混ざりやすいからである。
(有機レドックス分子/導電性粒子)の質量比は、例えば15以下であり、10以下が好ましく、5以下がさらに好ましい。この質量比が大きすぎると、電子伝導性が不十分になって、レドックス反応が進行しにくいからである。この値は、例えば、0.1~15であり、0.5~5が好ましく、具体的には例えば、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
(高分子電解質/導電性粒子)の質量比は、例えば0.1~10であり、具体的には例えば、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この場合に、電子伝導性とプロトン伝導性の両方が良好になりやすい。
プロトン貯蔵層2bは、有機レドックス分子の担持量が0.1~50mg/cmとなるように形成することが好ましい。有機レドックス分子の担持量は、0.1~30mg/cmが好ましく、具体的には例えば、0.1、0.5、1、1.5、2、5、10、15、20、30、40、50mg/cmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
3.リバーシブル燃料電池1の動作
3-1.発電動作
図3に示すように、リバーシブル燃料電池1は、アノードとカソードの間に(より具体的には、アノード集電板15とカソード集電板25の間に)負荷4を接続することによって発電させることができる。
この際に、アノード集電板15側では、有機レドックス分子の酸化反応(脱プロトン化反応)が起こり、カソード集電板25側では、酸素の還元反応が起こる。この電気化学的なレドックス反応の反応式は、以下の通りである。還元状態及び酸化状態の有機レドックス分子をそれぞれ有機レドックス分子(Re)及び有機レドックス分子(Ox)と表記する。また、以下、2つのプロトンと2つの電子によって、1つの有機レドックス分子又は繰り返し単位が酸化又は還元される場合を例に挙げるが、プロトン及び電子の数は、これに限定されない。
(アノード側での反応)有機レドックス分子(Re)→有機レドックス分子(Ox)+2H+2e
(カソード側の反応)1/2O+2H+2e→H
この反応によって、プロトン貯蔵層2bの有機レドックス分子から放出された電子は、アノード集電板15、負荷4、カソード集電板25をこの順で経由して、カソード触媒層2cに到達する。一方、有機レドックス分子から放出されたプロトンは、電解質膜2aを通じてカソード触媒層2cに到達する。カソード触媒層2cには、酸素が存在しており、カソード反応によって酸素が還元されて水が生成される。
なお、アノード側での反応では、有機レドックス分子からプロトンが直接生成されており、水素ガスを介していない。このため、アノード側での反応では、水素ガスが発生しない。
3-2.充電動作
図4に示すように、リバーシブル燃料電池1は、アノードとカソードの間に(より具体的には、アノード集電板15とカソード集電板25の間に)、カソード側(つまり、カソード集電板25側)の電位が高くなるように電源5を接続して電圧を印加することによって充電することができる。
この際に、アノード集電板15側では、還元反応(プロトン化反応)が起こり、カソード集電板25側では、水の電気分解(水の酸化反応)が起こる。この電気化学的なレドックス反応の反応式は、以下の通りである。
(アノード側での反応)有機レドックス分子(Ox)+2H+2e→有機レドックス分子(Re)
(カソード側の反応)HO→1/2O+2H+2e
この反応によって、水から放出された電子は、カソード集電板25、電源5、アノード集電板15をこの順で経由して、プロトン貯蔵層2bに到達する。一方、水から放出されたプロトンは、電解質膜2aを通じてプロトン貯蔵層2bに到達する。プロトン貯蔵層2bに存在する有機レドックス分子(Ox)は、到達したプロトン及び電子によって還元されて、有機レドックス分子(Re)となる。このように、充電によって、プロトン貯蔵層2bにプロトンが貯蔵される。
4.本発明の適用例
上述したように、本発明のリバーシブル燃料電池は、水素タンクなどの外部の水素供給源が不要なため小型軽量化が容易であり、例えば、ドローンに搭載してその飛行時間を伸ばす用途への適用が考えられる。また、定置型の発電装置に適用した場合、外部の水素供給源が不要なため、配管等が不要なため装置が単純になり、設置の自由度が増える。また、EVなどの電気自動車に適用した場合、従来のバッテリーに比べて軽量であるので、燃費の向上が期待できる。
以下の方法によって、リバーシブル燃料電池1の発電実験を行った。
1.実験用燃料電池の作製
図1~図2に示す構成の、実施例1~3のリバーシブル燃料電池1を以下の手順で作成した。
<プロトン貯蔵層の形成>
表1に示す有機レドックス分子0.25gと、水4.13g、エタノール8.09gと、5wt%Nafion溶液と、カーボンブラック(CB)を混合してアノードペーストを作製した。5wt%Nafion溶液とカーボンブラック(CB)は、Nafion/CBの質量比と、有機レドックス分子/CBの質量比が表1に示す値になるように混合した。得られたアノードペーストを厚さ50μmの固体高分子電解質膜の一方の面に塗布してプロトン貯蔵層を形成した。アノードペーストは、有機レドックス分子の担持量が表1に示す値になるように塗布した。
Figure 2022177727000006
<カソード触媒層の形成>
カーボン担持白金触媒0.5gと、水4.13g、エタノール8.09gと、5wt%Nafion溶液2.50gを混合して得られたカソード触媒ペーストと上述の固体高分子電解質膜の他方の面に塗布してカソード触媒層を形成した。カソード触媒ペーストは、白金の担持量が0.5mgPt/cmとなるように塗布した。
<ホットプレス>
上記工程によって、固体高分子電解質膜がカソード触媒層とプロトン貯蔵層で挟まれた触媒塗布膜が得られ、この触媒塗布膜を60℃12時間乾燥した後、140℃、10kgf/cmで3分間、ホットプレスした。カソード触媒層とプロトン貯蔵層が塗布されている幾何学的面積は、4.41cmであった。
<リバーシブル燃料電池1の製造>
上記触媒塗布膜をJARI標準セルに組み込んで、リバーシブル燃料電池1を製造した。カソード側及びアノード側にはそれぞれ、ガス拡散層として、厚さ約200μmの黒鉛繊維不織布を配置した。
上述の製造方法の説明及び表1中の各種部材の詳細は、以下の通りである。
・カーボン担持白金触媒:TEC10E50E、田中貴金属工業製
・5wt%Nafion溶液:DE521, E.I. Du Pont de Nemours & Co., Inc.
・固体高分子電解質膜:Nafion NRE-212、シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製
・カーボンブラック:高比表面積カーボン、田中貴金属社製
・DPQ:ジフェニルキノキサリン
・PVF:ポリビニルフルオレノン
・黒鉛繊維不織布:29BC、SGLカーボン社製
2.アノード粉体導電率の測定
実施例1~3のアノード粉体導電率は、アノードペーストを乾燥して得られた粉体を圧粉体として固めてパナソニック社製の粉体抵抗測定器を用いて四短針法により測定した。
3.リバーシブル燃料電池1の発電試験
まず、40℃でアノード側及びカソード側に窒素ガスを0.1L/分で流しながら、アノード集電板15とカソード集電板25の間に、カソード集電板25側の電位が高くなるように電源5を接続して1mA/cmの電流をセル電圧が2Vとなるまで通電することによって、リバーシブル燃料電池1を充電した。
次に、40℃でアノード集電板15とカソード集電板25の間に負荷4を接続して、リバーシブル燃料電池1の発電を開始した。負荷4の抵抗値は、電流値が1mA(=0.227mA/cm)となるように設定した。
リバーシブル燃料電池1の発電中の、標準水素電極に対するカソード電位及びアノード電位、及びセル抵抗を測定した。測定開始時点でのセル抵抗の値を表1に示す。実施例1~3のリバーシブル燃料電池1を発電させたときの、カソード電位、アノード電位、セル電圧(=カソード電位-アノード電位)及びセル抵抗の経時変化を図5~図7のグラフに示す。図5~図7において、横軸は、有機レドックス分子の単位質量(1mg)当たりの秒数を示す。表1の電流効率は、全ての有機レドックス分子からプロトンが放出されたと仮定したときに想定される発電時間に対する、実際の発電時間の割合(%)を示す。
図5~図7に示すように、実施例1~3の何れのリバーシブル燃料電池1でも、外部からの水素の供給なしで、有機レドックス分子からのプロトンを用いて発電することに成功したことが分かる。
表1及び図5~図6に示す実施例1と2を比較すると、実施例2では、実施例1に比べて、セル抵抗が1/30となり、発電時間が8倍、電流効率が約8.2倍になったことが分かる。実施例2は、有機レドックス分子/CBの質量比が実施例1よりも低い(つまり、CBの配合量が多い)点で実施例1とは異なっているので、試験結果の差は、有機レドックス分子/CBの質量比の違いに起因していると考えられる。
表1及び図6~図7に示す実施例2と3を比較すると、実施例3では、実施例2に比べて、セル抵抗が2/5となり、発電時間が2.4倍、電流効率が3.9倍になったことが分かる。実施例3は、有機レドックス分子が高分子である点で実施例2とは異なっている(実施例2は低分子)ので、試験結果の差は、実施例3の有機レドックス分子が高分子であることに起因していると考えられる。
1 :燃料電池
2 :触媒塗布膜
2a :電解質膜
2b :プロトン貯蔵層
2c :カソード触媒層
2d :周縁部
3 :支持フレーム
4 :負荷
5 :電源
10 :アノードユニット
12 :アノード拡散部材
13 :アノードガスケット
14 :アノードセパレータ
15 :アノード集電板
20 :カソードユニット
22 :カソード拡散部材
23 :カソードガスケット
24 :カソードセパレータ
25 :カソード集電板
25a :補充口

Claims (6)

  1. アノード、電解質膜、及びカソードを備える燃料電池であって、
    前記電解質膜の前記アノード側には有機レドックス分子を含むプロトン貯蔵層が設けられており、
    前記有機レドックス分子は、レドックス反応によって水素ガスを介さずにプロトン化と脱プロトン化を可逆的に行うことが可能な有機分子である、リバーシブル燃料電池。
  2. 請求項1に記載のリバーシブル燃料電池であって、
    前記プロトン貯蔵層は、導電性粒子と、高分子電解質を含む、リバーシブル燃料電池。
  3. 請求項2に記載のリバーシブル燃料電池であって、
    (前記有機レドックス分子/前記導電性粒子)の質量比は、10以下である、リバーシブル燃料電池。
  4. 請求項1~請求項3の何れか1つに記載のリバーシブル燃料電池であって、
    前記有機レドックス分子は、重量平均分子量が5000以上である、リバーシブル燃料電池。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1つに記載のリバーシブル燃料電池であって、
    前記プロトン貯蔵層は、貴金属触媒を含まない、リバーシブル燃料電池。
  6. 請求項1~請求項5の何れか1つに記載のリバーシブル燃料電池であって、
    前記プロトン貯蔵層は、前記電解質膜に塗布されている、リバーシブル燃料電池。
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