JP2022176231A - 車両 - Google Patents
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Abstract
Description
(b)駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力がよりも小さいことで、駆動輪と従動輪との間に力が発生し、サスペンションなどが撓む。
(c)サスペンションなどが撓んだ状態でエンジンのアイドリングがストップすると、その撓みが一気に開放される。
(d)撓みが開放されることで、駆動輪に制動力を付与しているブレーキ本体の摩擦材と相手材(ディスクロータやブレーキドラム)とが摺接する。
(1)駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力を上回る場合
(2)駆動輪の制動力がゼロになると共に、従動輪の制動力が従動輪の制動力のみで車両を停止させられる閾値を上回った場合
本発明はこれらの知見に基づくものである。
車両の停止時にエンジンの駆動力が作用する駆動輪を有する車両であって、
車両の停止時かつエンジンのアイドリング時に前記駆動輪のブレーキ液圧条件以外のアイドリングストップ条件が成立したとき、前記駆動輪のブレーキ液圧に基づいて前記駆動輪の制動力が前記駆動輪の駆動力を下回るか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記駆動輪の制動力が下回ると判定されたとき、前記駆動輪の制動力が前記駆動輪の駆動力以上となるように前記駆動輪のブレーキ液圧を昇圧する液圧制御部と、
前記駆動輪の制動力が前記駆動輪の駆動力以上になったとき、前記エンジンのアイドリングをストップする停止制御部とを備える。
車両の停止時にエンジンの駆動力が作用する駆動輪を有する車両であって、
車両の停止時かつエンジンのアイドリング時に前記駆動輪のブレーキ液圧条件以外のアイドリングストップ条件が成立したとき、前記駆動輪のブレーキ液圧に基づいて前記駆動輪の制動力が前記駆動輪の駆動力を下回るか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記駆動輪の制動力が下回ると判定されたとき、前記駆動輪の制動力がゼロとなるように前記駆動輪のブレーキ液圧を降圧すると共に、従動輪の制動力が前記従動輪の制動力のみで車両を停止させられる閾値以上となるように前記従動輪のブレーキ液圧を昇圧する液圧制御部と、
前記駆動輪の制動力がゼロになると共に、前記従動輪の制動力が前記閾値以上となったとき、前記エンジンのアイドリングをストップする停止制御部とを備える車両。
〔車両〕
図1~図3を参照して、実施形態1に係る車両1を説明する。実施形態1に係る車両1は、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時にエンジン80の駆動力が作用する駆動輪を有する(図1)。実施形態1に係る車両1の特徴の一つは、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時にアイドリングストップ(IDS)条件が成立したとき、駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力を下回れば、駆動輪の制動力を駆動輪の駆動力以上に高めた後、エンジン80のアイドリングをストップするアイドリングストップシステム(IDSS)20を備える点にある。以下、まず、車両1の概要を説明し、その後、IDSS20について説明する。
車両1は、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時にエンジン80の駆動力が作用する駆動輪を有する。上記駆動力とは、車両1のドライバーがアクセルペダルを踏まなくても車両1を前進させるクリープ現象に伴う力をいう。即ち、この車両1の変速システムは、図示は省略しているが、トルクコンバータを有するAT(自動変速機)やトルクコンバータを有するCVT(無段変速機)が挙げられる。上記駆動力の大きさは、車両1の停止する路面が平坦路か傾斜路(上り坂や下り坂)かに応じて異なる。具体的には、上記駆動力は、上り坂で停止したときの駆動力、平坦路で停止したときの駆動力、下り坂で停止したときの駆動力の順に大きくなる。
本例のIDSS20は、判定部30と液圧制御部40と停止制御部50とを備える。判定部30と液圧制御部40と停止制御部50とは、IDS-ECU(電子制御ユニット)21が利用できる。
判定部30は、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時に駆動輪のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したとき、駆動輪のブレーキ液圧に基づいて駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力を下回る(駆動力未満)か否かを判定する。
液圧制御部40は、判定部30により駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力を下回ると判定されたとき、駆動輪の制動力が駆動力以上となるように駆動輪のブレーキ液圧を昇圧する。ブレーキ液圧の昇圧は、液圧制御部40によりブレーキアクチュエータ77の動作を制御することで行える。
停止制御部50は、液圧制御部40により駆動輪の制動力が駆動力以上となるように駆動輪のブレーキ液圧が昇圧されたとき、エンジン80のアイドリングをストップする。また、停止制御部50は、判定部30により駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力以上を満たすと判定されたとき、エンジン80のアイドリングをストップする。
図2のグラフと、図3のフローチャートに基づいて、実施形態1に係る車両1のIDSS20の制御手順を駆動方式ごとに説明する。図2のグラフは、車両1を停止するために必要な前輪61の制動力と後輪62の制動力との関係を示す。グラフの横軸は前輪61の制動力を示し、縦軸は後輪62の制動力を示す。車両1を停止させるのに必要な前輪61及び後輪62の合計の制動力の閾値を線分αで示す。線分αは車種によって決まる。ブレーキ液圧センサ75で測定した前輪61と後輪62のブレーキ液圧の合計値に基づく前輪61と後輪62の合計の制動力を線分βで示す。線分β(前輪61及び後輪62の合計の制動力)が、線分αの右側の領域にまで達すると車両1は停止する。線分βの傾きは、前輪61及び後輪62に対する制動力の配分に応じて決まる。一般的に、前輪61の制動力が後輪62の制動力よりも大きいため、線分βの傾きは1以下である。線分αは横軸と縦軸の両方に交差していて、線分αと横軸との交点は前輪61の制動力のみで車両1を停止させられる閾値x1であり、線分αと縦軸との交点は後輪62の制動力のみで車両1を停止させられる閾値y1である。閾値x1と閾値y1とは同一である。図3のフローチャートは、駆動方式が後輪駆動(4WD)のときのIDSS20の制御手順を示す。
ブレーキ液圧センサ75の測定結果により、判定部30が駆動輪である後輪62のブレーキ液圧に基づく制動力が後輪62の駆動力を下回るか否かを判定する。即ち、後輪62の制動力が閾値y1未満か否かを判定する(ステップS11)。
前輪駆動におけるIDSS20の制御手順は、後輪駆動におけるIDSS20の制御手順における後輪62を前輪61に読み替え、閾値y1を閾値x1に読み替え、ブレーキ本体72をブレーキ本体71に読み替えればよい。
4WDにおけるIDSS20の制御手順は、後輪駆動におけるIDSS20の制御手順と同じ制御手順を経る。後輪62の制動力が閾値y1以上を満たせば、前輪61の制動力がx1以上を満たすからである。そのため、前輪61の駆動力と後輪62の駆動力との大小関係によらず、駆動輪のブレーキ本体における摩擦材と相手材との摺接を防止できる。なお、4WDにおいて車両の停止時に前輪61にのみ駆動力が作用する場合には、前輪駆動におけるIDSS20の制御手順と同じ制御手順を経ればよい。
実施形態1に係る車両1は、エンジン80のアイドリングのストップ時に生じるブレーキ本体の異音の発生を抑制できる。エンジン80のアイドリングがストップする前に液圧制御部40により駆動輪の制動力を閾値以上に高められるため、アイドリングのストップ時に駆動輪のブレーキ本体における摩擦材と相手材との摺接を防止できるからである。
〔車両〕
図1、図2、図4を参照して、実施形態2に係る車両1を説明する。実施形態2に係る車両1の特徴の一つは、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時にIDS条件が成立したとき、駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力を下回れば、駆動輪の制動力をゼロとすると共に従動輪の制動力を特定の閾値以上に高めた後、エンジン80のアイドリングをストップするIDSS20を備える点にある。本例の車両1の駆動形式は、一例としては前輪駆動が挙げられる。本例の車両1の概要は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
本例のIDSS20は、判定部30と液圧制御部40と停止制御部50とを備える。判定部30と液圧制御部40と停止制御部50とは、実施形態1と同様、IDS-ECU21が利用できる。
判定部30は、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時に駆動輪のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したとき、駆動輪のブレーキ液圧に基づいて駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力を下回るか否かを判定する。IDS条件とは、上述した通りである。
液圧制御部40は、判定部30により駆動輪の制動力が下回ると判定されたとき、駆動輪の制動力をゼロにすると共に、従動輪の制動力が従動輪の制動力のみで車両1を停止させられる閾値以上となるように従動輪のブレーキ液圧を昇圧する。制動力がゼロとは、ブレーキ本体72の摩擦材と相手材(ディスクロータやブレーキドラム)とが離れた状態をいう。駆動輪の制動力をゼロにするには、駆動輪のブレーキ液圧をゼロとなるまで降圧することが挙げられる。駆動輪のブレーキ液圧の降圧と従動輪のブレーキ液圧の昇圧とは、液圧制御部40によりブレーキアクチュエータ77の動作を制御することで行える。
停止制御部50は、エンジン80のアイドリングをストップする。停止制御部50によるアイドリングのストップは、駆動輪の制動力がゼロになると共に従動輪の制動力が閾値以上となったときや、判定部30により駆動輪の制動力が駆動輪の駆動力以上を満たすと判定されたときに行う。
図2のグラフと図4のフローチャートとを参照して、実施形態2に係る車両1のIDSS20の制御手順を説明する。図4のフローチャートは、駆動方式が前輪駆動のときのIDSS20の制御手順を示す。車両1の停止時かつアイドリング時に駆動輪のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したら、IDSの制御を開始する。
実施形態2に係る車両1は、実施形態1と同様、エンジン80のアイドリングのストップ時に生じるブレーキ本体の異音の発生を抑制できる。エンジン80のアイドリングがストップする前に液圧制御部40により駆動輪である前輪61の制動力をゼロにできることで、前輪61のブレーキ本体71の摩擦材と相手材とが互いに離れた状態にできる。そのため、アイドリングのストップ時に前輪61のブレーキ本体71の摩擦材と相手材とが摺接しない。そして、エンジン80のアイドリングがストップする前に液圧制御部40により後輪62の制動力を閾値y1以上に高められることで、駆動輪の制動力をゼロとしてアイドリングがストップしても車両1の停止を維持し続けられる。
以上説明した本発明の実施形態に関連して、更に以下の付記を開示する。
車両の停止時にエンジンの駆動力が作用する後輪を有する車両であって、
車両の停止時かつエンジンのアイドリング時に前輪及び前記後輪のブレーキ液圧条件以外のアイドリングストップ条件が成立したとき、
前記後輪のブレーキ液圧に基づいて前記後輪の制動力が前記後輪の駆動力を下回るか否かを判定する第一判定部と、
前記前輪のブレーキ液圧に基づいて前記前輪の制動力が前記前輪の制動力のみで車両を停止させられる閾値を下回るか否かを判定する第二判定部と、
前記第一判定部により前記後輪の制動力が下回ると判定されたとき、前記後輪の制動力をゼロにする第一液圧制御部と、
前記第二判定部により前記前輪の制動力が下回ると判定されたとき、前記前輪の制動力が前記閾値以上となるように前記前輪のブレーキ液圧を昇圧する第二液圧制御部と、
前記後輪の制動力がゼロになると共に、前記前輪の制動力が前記閾値以上となったとき、前記エンジンのアイドリングをストップする停止制御部とを備える車両。
〔車両〕
図2、図5、図6を参照して、参考例1に係る車両1を説明する。参考例1に係る車両1は、車両1の停止時にエンジン80の駆動力が作用する後輪62を有する。本例の車両1の駆動形式は、後輪駆動又は4WDが挙げられる。参考例1に係る車両1の特徴の一つは、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時に前輪61及び後輪62のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したとき、後輪62の制動力が後輪62の駆動力を下回れば、後輪62の制動力をゼロとし、必要に応じて前輪61の制動力を特定の閾値以上に高めた後、エンジン80のアイドリングをストップするIDSS20を備える点にある。本例の車両1の概要は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
本例のIDSS20は、第一判定部31と第二判定部32と第一液圧制御部41と第二液圧制御部42と停止制御部50とを有する。第一判定部31と第二判定部32と第一液圧制御部41と第二液圧制御部42と停止制御部50とは、実施形態1と同様、IDS-ECU21が利用できる。
第一判定部31は、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時に前輪61及び後輪62のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したとき、後輪62のブレーキ液圧に基づいて後輪62の制動力が後輪62の駆動力を下回るか否かを判定する。IDS条件とは、上述した通りである。
第二判定部32は、車両1の停止時かつエンジン80のアイドリング時に前輪61及び後輪62のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したとき、前輪61のブレーキ液圧に基づいて前輪61の制動力が前輪61の制動力のみで車両1を停止させられる閾値を下回るか否かを判定する。
第一液圧制御部41は、第一判定部31により後輪62の制動力が後輪62の駆動力を下回ると判定されたとき、後輪62の制動力をゼロにする。後輪62の制動力をゼロにするには、第一液圧制御部41によりブレーキアクチュエータ77の動作を制御することで後輪62のブレーキ液圧をゼロとなるまで降圧することが挙げられる。
第二液圧制御部42は、第二判定部32により前輪61の制動力が上記閾値を下回ると判定されたとき、前輪61の制動力が上記閾値を上回るように前輪61のブレーキ液圧を昇圧する。前輪61のブレーキ液圧の昇圧は、第二液圧制御部42によりブレーキアクチュエータ77の動作を制御することで行える。
停止制御部50は、後輪62の制動力がゼロになると共に、前輪61の制動力が上記閾値を上回ったとき、エンジン80のアイドリングをストップする。また、停止制御部50は、第一判定部31により後輪62の制動力が後輪62の駆動力以上を満たすと判定されたとき、エンジン80のアイドリングをストップする。
図2のグラフと、図6のフローチャートに基づいて、参考例1に係る車両1のIDSS20の制御手順を説明する。図6のフローチャートは、後輪駆動におけるIDSS20の制御手順を示す。車両1の停止時かつアイドリング時に駆動輪のブレーキ液圧条件以外のIDS条件が成立したら、IDSの制御を開始する。
参考例1に係る車両1は、実施形態1、2と同様、エンジン80のアイドリングのストップ時に生じるブレーキ本体の異音の発生を抑制できる。エンジン80のアイドリングがストップする前に第一液圧制御部41により駆動輪である後輪62の制動力をゼロにできることで、後輪62のブレーキ本体72の摩擦材と相手材とが互いに離れた状態とすることができる。そのため、アイドリングのストップ時に後輪62のブレーキ本体72の摩擦材と相手材とが摺接しない。そして、エンジン80のアイドリングがストップする前に第二液圧制御部42により前輪61の制動力を閾値x1以上に高められることで、駆動輪の制動力をゼロとしてアイドリングがストップしても車両1の停止を維持し続けられる。
20 IDSS
21 IDS-ECU
30 判定部
31 第一判定部
32 第二判定部
40 液圧制御部
41 第一液圧制御部
42 第二液圧制御部
50 停止制御部
61 前輪
62 後輪
71 ブレーキ本体
72 ブレーキ本体
73 ブレーキペダル
74 マスターシリンダ
75 ブレーキ液圧センサ
76 倍力装置
77 ブレーキアクチュエータ
80 エンジン
Claims (1)
- 車両の停止時にエンジンの駆動力が作用する駆動輪を有する車両であって、
車両の停止時かつエンジンのアイドリング時に前記駆動輪のブレーキ液圧条件以外のアイドリングストップ条件が成立したとき、前記駆動輪のブレーキ液圧に基づいて前記駆動輪の制動力が前記駆動輪の駆動力を下回るか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記駆動輪の制動力が下回ると判定されたとき、前記駆動輪の制動力がゼロとなるように前記駆動輪のブレーキ液圧を降圧すると共に、従動輪の制動力が前記従動輪の制動力のみで車両を停止させられる閾値以上となるように前記従動輪のブレーキ液圧を昇圧する液圧制御部と、
前記駆動輪の制動力がゼロになると共に、前記従動輪の制動力が前記閾値以上となったとき、前記エンジンのアイドリングをストップする停止制御部とを備える車両。
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