JP2022175243A - 表皮一体発泡成形品及びその製造方法 - Google Patents

表皮一体発泡成形品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022175243000001
【課題】発泡途中で、発泡樹脂が表皮シートの継ぎ合わせ部から漏れ出てしまうことを防ぐことが求められている。
【解決手段】本開示のヘッドレスト10では、ヘッドレスト本体10Hのうち、上下方向の途中位置(例えば、ヘッドレスト本体10Hの下端から1/4~1/5の高さの位置)から下側の継ぎ合わせ部22は、継ぎ合わせ縫製部23となっていて、上下方向の途中位置から上側の継ぎ合わせ部22は、継ぎ合わせ溶着部24となっている。継ぎ合わせ縫製部23では、表皮シート21同士が縫糸23Aにより縫い合わされ、継ぎ合わせ溶着部24では、表皮シート21の合皮層31同士が結合している。
【選択図】図5

Description

本開示は、袋形表皮材の内部で発泡成形されて袋形表皮材と一体になった発泡樹脂品を有する表皮一体発泡成形品及びその製造方法に関する。
従来、この種の表皮一体発泡成形品として、表皮シートを袋状に継ぎ合わせてなる袋形表皮材との一体発泡成形品が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-193104号公報(段落[0032]、図11)
上述した従来の表皮一体発泡成形品においては、袋形表皮材が表皮シートを縫製により継ぎ合わせて構成されていたが、発泡途中で、発泡樹脂が表皮シートの継ぎ合わせ部(縫い目)から漏れ出てしまうことがあり、それを防ぐことが求められている。
本開示の表皮一体発泡成形品は、表皮シートを袋状に継ぎ合わせた袋形表皮材と、前記袋形表皮材の内部で発泡成形されて前記袋形表皮材と一体になった発泡樹脂品と、前記袋形表皮材に形成された開口部と、を有する表皮一体発泡成形品において、前記開口部を上に向けた状態での前記袋形表皮材の上下方向の途中位置から下側の前記表皮シート同士の継ぎ合わせ部には、溶着により前記表皮シートが継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部が含まれ、前記袋形表皮材の上下方向の途中位置より上側の前記継ぎ合わせ部には、前記表皮シートが縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部が含まれている表皮一体発泡成形品である。
本開示に係るヘッドレストの斜視図 ヘッドレストの断面図 袋形表皮材の分解斜視図 (A)継ぎ合わせ縫製部の拡大断面図、(B)継ぎ合わせ溶着部の拡大断面図 ヘッドレスト本体における継ぎ合わせ縫製部と継ぎ合わせ溶着部との範囲を示すための図 表皮シートを溶着するための治具の斜視図 表皮シートの溶着を説明するための図 表皮シートの溶着を説明するための図 表皮シートの溶着を説明するための図 袋形表皮材内に発泡ウレタン原料を注入しているときの発泡成形金型の断面図 発泡硬化前の発泡成形金型の断面図 発泡硬化後の発泡成形金型の断面図 変形例に係る継ぎ合わせ溶着部の拡大断面図
以下、図1から図12を参照して本開示のヘッドレスト10(特許請求の範囲中の「表皮一体発泡成形品」に相当する)について説明する。図1に示すように、ヘッドレスト10は、車両用シート90の上部に固定されるヘッドレストステー12(以下、単に、ステー12と呼ぶ。)にヘッドレスト本体10Hが支持された構造となっている。なお、本実施形態では、ヘッドレスト本体10Hが、前後方向に扁平な四角錐台状に形成されているが、この形状に限られるものではない。
図2に示すように、ヘッドレスト本体10Hは、発泡ウレタンで構成されたパッド15(特許請求の範囲中の「発泡樹脂品」に相当する)の外側が、袋形表皮材20で覆われてなる。上述したステー12の頂部は、パッド15内に埋設されている。
袋形表皮材20は、複数の表皮シート21が袋状に継ぎ合わされてなる。図3には、袋形表皮材20を構成する複数の表皮シート21が示されている。複数の表皮シート21は、ヘッドレスト本体10H(図1参照)の前面と上面とを構成する前部表皮シート21Aと、ヘッドレスト本体10Hの後面と両側面とを構成する後部表皮シート21Bと、ヘッドレスト本体10Hの下面の前側部分を構成する下部前側表皮シート21Cと、ヘッドレスト本体10Hの下面の後側部分を構成する下部後側表皮シート21Dと、を備える。そして、これら複数の表皮シート21の外縁部が互いに重ねられて継ぎ合わされることで、袋形表皮材20が形成されている。
下部前側表皮シート21C及び下部後側表皮シート21Dには、互いに継ぎ合わされる外縁同士の中央部に、舌片21M,21Nが設けられている。下部前側表皮シート21C及び下部後側表皮シート21Dにおける舌片21M,21N同士の間は、継ぎ合わされておらず、袋形表皮材20の開口部20A(図2参照)となっている。図2に示すように、舌片21M,21Nは、ヘッドレスト本体10Hの内側に配置され、開口部20Aは、パッド15を構成する発泡ウレタンによってシールされている。なお、下部後側表皮シート21Dには、ステー12の脚部12Aを挿通するための開口(図示せず)が設けられている。
図4に示されるように、表皮シート21は、合皮層31と裏地層32とを張り合わせた構成になっている。合皮層31は、ヘッドレスト本体10Hの外側に露出する意匠面21Zを表面に有し、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分として含んでいる。裏地層32は、例えば、スラブ成形により成形された樹脂発泡体を備え、本実施形態では、スラブウレタンで構成される。
表皮シート21同士は、意匠面21Z同士が重ね合わされるようにして継ぎ合わされている。継ぎ合わされた表皮シート21同士は、その継ぎ合わせ部22で互いに反対側に折り曲げられ、各表皮シート21のうち継ぎ合わせ部22より表皮端部側の部分は、ヘッドレスト本体10Hの内側に配置されている。
ここで、本実施形態のヘッドレスト10では、表皮シート21同士の継ぎ合わせ部22として、縫製により表皮シート21同士が継ぎ合わされた継ぎ合わせ縫製部23と、溶着により表皮シート21同士が継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部24と、が存在する。図4(A)に示すように、継ぎ合わせ縫製部23では、表皮シート21同士が縫糸23Aにより縫い合わされ、図4(B)に示すように、継ぎ合わせ溶着部24では、表皮シート21の合皮層31同士が結合している。
図5に示すように、袋形表皮材20のうち、上下方向の途中位置(例えば、ヘッドレスト本体10Hの下端から1/4~1/5の高さの位置)から下側の継ぎ合わせ部22は、継ぎ合わせ縫製部23(図中のジグザグ線部分)となっていて、上下方向の途中位置から上側の継ぎ合わせ部22は、継ぎ合わせ溶着部24(図中のグレースケール部分)となっている。
詳細には、下部前側表皮シート21Cと下部後側表皮シート21Dとの継ぎ合わせ部22A、前部表皮シート21Aと下部前側表皮シート21Cとの継ぎ合わせ部22B、後部表皮シート21Bと下部前側表皮シート21Cとの継ぎ合わせ部22C、及び後部表皮シート21Bと下部後側表皮シート21Dとの継ぎ合わせ部22Dは、全て継ぎ合わせ縫製部23となっている。そして、前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bとの継ぎ合わせ部22Eは、上下方向の途中位置(例えば、ヘッドレスト本体10Hの下端から1/4~1/5の高さの位置)の継ぎ合わせ境界域25より下側が継ぎ合わせ縫製部23となっている一方、継ぎ合わせ境界域25より上側が継ぎ合わせ溶着部24となっている。継ぎ合わせ溶着部24は1本の線状に連続して延びている。
なお、継ぎ合わせ境界域25では、縫製と溶着との両方が行われている。つまり、継ぎ合わせ縫製部23と継ぎ合わせ溶着部24とは、継ぎ合わせ境界域25でラップしている。また、上記構成により、前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bと下部前側表皮シート21Cとが重なる部分や、後部表皮シート21Bと下部前側表皮シート21Cと下部後側表皮シート21Dとが重なる部分など、2本以上の継ぎ合わせ部22が交差する継ぎ合わせ交差部26では、全ての継ぎ合わせ部22が継ぎ合わせ縫製部23となっている。
ヘッドレスト10の構造に関する説明は以上である。次に、ヘッドレスト10の製造方法について説明する。ヘッドレスト10を製造するには、まず、複数の表皮シート21(図3参照)を継ぎ合わせて袋形表皮材20を製造する。
具体的には、まず、前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bとを溶着により継ぎ合わせる。溶着には、図6に示される治具100が使用される。治具100は、外縁部にセットピン101Pを有する下治具101と、中押さえ102と、上押さえ103と、を備える。この治具100に、前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bとが以下のように固定される。即ち、一方の表皮シート21(例えば、前部表皮シート21A)をセットピン101Pに挿して下治具101に固定したのち、その表皮シート21を中押さえ102で押さえる。その後、中押さえ102の上から他方の表皮シート21(例えば、後部表皮シート21B)をセットピン101Pに挿し、上押さえ103で固定する(図7参照)。
そして、図7~図9に示すように、上押さえ103とセットピン101Pとの間の隙間に上方から高周波ブレード105を差し込み、前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bとに高周波を与える。高周波ブレード105は、上押さえ103とセットピン101Pとの間の隙間に沿って延びた異形状をなしている。これにより、前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bとの外縁同士が線状に連続して溶着され、継ぎ合わせ溶着部24が形成される。なお、高周波ブレード105により上側の表皮シート21を下治具101側に押し込む際には、上押さえ103を緩め、上側の表皮シート21が張力により破損しないようにする(図8参照)。また、小型の高周波ブレード105を上押さえ103とセットピン101Pとの間の隙間に沿って移動させていく構成であってもよい。
その後、各表皮シート21を縫製し、継ぎ合わせ縫製部23を形成する。これにより、複数の表皮シート21が袋状に継ぎ合わされた袋形表皮材20が完成する。
開口部20Aを返し口として、袋形表皮材20を裏返しにする。すると、各表皮シート21の意匠面21Z(合皮層31)が外側に配置され、図5に示される袋形表皮材20が得られる。
次いで、開いた発泡成形金型70に袋形表皮材20とステー12をセットする(図10参照。なお、同図では、ステー12が省略して示されている。)。このとき、袋形表皮材20は、開口部20Aが真上を向くように配置され、上下方向の途中位置から上側の継ぎ合わせ部22が継ぎ合わせ縫製部23となり、上下方向の途中位置から下側の継ぎ合わせ部22が継ぎ合わせ溶着部24となる。
そして、図10に示すように、開口部20Aにノズル75を挿通し、ノズル75から袋形表皮材20内に発泡ウレタン原料15Z(本発明の「発泡樹脂原料」に相当する。)を注入する。注入された発泡ウレタン原料15Zは、袋形表皮材20の下部(図10に示す姿勢での下部)に溜まる。
発泡ウレタン原料15Zの注入が終了すると、図11に示すように、開口部20Aからノズル75を退避させ、発泡成形金型70を閉じる。次いで、発泡ウレタン原料15Zを発泡硬化させる。すると、袋形表皮材20内に発泡ウレタンを含むパッド15が形成される(図12参照)。発泡成形金型70から成形品を脱型すると、袋形表皮材20とパッド15とが一体となったヘッドレスト10が得られる。
ところで、袋形表皮材における表皮シート同士の継ぎ合わせが全て縫製により行われていた従来のヘッドレストでは、発泡ウレタンの発泡時に、発泡ウレタンが袋形表皮材の縫い目(表皮シート同士の縫い目)から漏れ出ることがあった。すると、漏れ出た発泡ウレタンの除去作業や、廃棄が生じ、工数が多くなるという問題があった。
ここで、発泡ウレタンを発泡成形するときは、開口部から発泡ウレタンの原料が注入され、発泡硬化される。このとき、発泡ウレタンの原料から発泡が進むにつれて、発泡ウレタンが硬化し、袋形表皮材の縫い目(針穴)から漏れ出にくくなると考えられる。即ち、発泡ウレタンの原料の注入時及び発泡の初期段階が特に発泡ウレタンが漏れ出やすく、発泡完了に近付くと、発泡ウレタンが漏れ出にくくなる。
そして、本実施形態のヘッドレスト10では、発泡ウレタン原料15Zを注入するときの姿勢(開口部20Aを上に向けた姿勢)での上下方向の途中位置から下側の継ぎ合わせ部22が縫い目(針穴)のない継ぎ合わせ溶着部24になっているので、発泡ウレタン原料15Zの注入時及び発泡の初期段階に、袋形表皮材20から発泡ウレタンが漏れ出にくくすることができる。これにより、作業工数を減らすことも可能となる。また、溶着を高周波溶着により行うことで、表皮シート21の継ぎ合わせを一本の線状に連続して行うことができるので、発泡ウレタンがより漏れ出にくくなっている。
また、袋形表皮材20の継ぎ合わせ部22を全て継ぎ合わせ溶着部24とすることも考えられるが、袋形表皮材20の継ぎ合わせ部22を全て継ぎ合わせ溶着部24とすると、発泡ウレタンの発泡時に発生するガスが袋形表皮材20内に溜まり、不良品となることが考えられる。これに対して、本実施形態では、袋形表皮材20の上下方向の途中位置から上側の継ぎ合わせ部22を、表皮シート同士が縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部23としているので、縫い目(針穴)からガスが抜け、不良品の発生が防がれる。なお、継ぎ合わせ縫製部23、即ち、縫い目(針穴)が、硬化が進んでから発泡ウレタンが当接する袋形表皮材20の上部に配されるので、発泡ウレタンが縫い目(針穴)から漏れ出にくくなっている。
さらに、2本以上の継ぎ合わせ部22が交差する継ぎ合わせ交差部26では、全ての継ぎ合わせ部22が継ぎ合わせ縫製部23となっている、つまり、表皮シートが3枚以上重なる部分の継ぎ合わせが縫製により行われているので、表皮シートが3枚以上重なる部分の継ぎ合わせを強固にすることができる。
また、継ぎ合わせ溶着部24の溶着を、ジグにはめて行うことにより、作業者によって出来上がりに差が出にくくなり、品質が安定する。また、継ぎ合わせ溶着部24を設け、継ぎ合わせ縫製部23を減らすことで、ヘッドレスト10、1つ当りの縫製作業時間が減るので、縫製作業者を減らすことができ、さらに、縫製作業者を育成するための時間を減らすことができる。
[他の実施形態]
(1)「表皮一体発泡成形品」は、車両用のヘッドレスト10に限られるものではなく、他の乗り物のヘッドレストであってもよい。また、ヘッドレストではなく、例えば、アームレストであってもよい。
(2)溶着は、高周波溶着ではなく、超音波溶着、振動溶着又は熱溶着により行われてもよい。
(3)前部表皮シート21Aと後部表皮シート21Bとの継ぎ合わせ部22を全て継ぎ合わせ溶着部24とし、下部前側表皮シート21Cと下部後側表皮シート21Dとの継ぎ合わせ部22、前部表皮シート21Aと下部前側表皮シート21Cとの継ぎ合わせ部22、後部表皮シート21Bと下部前側表皮シート21Cとの継ぎ合わせ部22、及び後部表皮シート21Bと下部後側表皮シート21Dとの継ぎ合わせ部22のみを継ぎ合わせ縫製部23としてもよい。すなわち、袋形表皮材20の開口部20Aを上に向けた姿勢での上面部の継ぎ合わせ部22のみを継ぎ合わせ縫製部23としてもよい。
(4)表皮シート21は、合皮層31ではなく、ポリエステル系樹脂を含むファブリックシート34と裏地層32とを張り合わせた構成であってもよい。この場合、図13に示すように、表皮シート21同士の間、つまり、ファブリックシート34同士の間に、ポリエステル系樹脂よりも極性の高い樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂)を主成分として含む帯体35を挟んで溶着することで、表皮シート21同士の継ぎ合わせを強固にすることができる。また、材質の異なる帯体35を袋形表皮材20の継ぎ合わせ部22に配することで、ヘッドレスト10に装飾を施すこともできる。なお、帯体35を挟まずにファブリックシート34同士を溶着してもよい。
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
<付記>
以下、上述した実施形態から抽出される発明の第1~第9の態様について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[第1態様]
表皮シートを袋状に継ぎ合わせた袋形表皮材と、
前記袋形表皮材の内部で発泡成形されて前記袋形表皮材と一体になった発泡樹脂品と、
前記袋形表皮材に形成された開口部と、を有する表皮一体発泡成形品において、
前記開口部を上に向けた状態での前記袋形表皮材の上下方向の途中位置から下側の前記表皮シート同士の継ぎ合わせ部には、溶着により前記表皮シートが継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部が含まれ、
前記袋形表皮材の上下方向の途中位置より上側の前記継ぎ合わせ部には、前記表皮シートが縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部が含まれている表皮一体発泡成形品。
発泡樹脂品を発泡成形するときは、開口部から発泡樹脂品の原料が注入され、発泡硬化される。このとき、発泡樹脂品の原料から発泡が進むにつれて、発泡樹脂が硬化し、袋形表皮材の縫い目(針穴)から漏れ出にくくなると考えられる。即ち、発泡樹脂品の原料の注入時及び発泡の初期段階が特に発泡樹脂が漏れ出やすく、発泡完了に近付くと、発泡樹脂が漏れ出にくくなる。
そして、発明の第1態様では、開口部を上に向けた状態での袋形表皮材の下部(即ち、注入された発泡樹脂品の原料が溜まる方)の継ぎ合わせ部に、溶着により表皮シート同士が継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部が含まれているので、発泡樹脂品の原料の注入時及び発泡の初期段階に、袋形表皮材から発泡樹脂が漏れ出にくくなる。
また、袋形表皮材の継ぎ合わせ部を全て継ぎ合わせ溶着部とすると、発泡樹脂の発泡時に発生するガスが袋形表皮材内に溜まり、不良品となることが考えられる。これに対して、発明の第1態様では、袋形表皮材の上部の継ぎ合わせ部に、表皮シート同士が縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部が含まれているので、縫い目(針穴)からガスが抜け、不良品の発生が防がれる。なお、継ぎ合わせ縫製部、即ち、縫い目(針穴)が、硬化が進んでから発泡樹脂が当接する袋形表皮材の上部に配されるので、発泡樹脂が縫い目(針穴)から漏れ出にくくなっている。
[第2態様]
前記開口部を上に向けた状態で上下方向に1本の連続した線状に延びる前記継ぎ合わせ部の途中位置に前記継ぎ合わせ溶着部から前記継ぎ合わせ縫製部に変わる継ぎ合わせ境界域が配置されている第1態様に記載の表皮一体発泡成形品。
[第3態様]
2本以上の前記継ぎ合わせ部が交差する継ぎ合わせ交差部では、全ての前記継ぎ合わせ部が前記継ぎ合わせ縫製部になっている第1態様又は第2態様に記載の表皮一体発泡成形品。
発明の第3態様によれば、表皮シートが3枚以上重なる部分の継ぎ合わせを強固にすることができる。
[第4態様]
前記継ぎ合わせ溶着部は、前記表皮シート同士の間に、前記表皮シートの材質よりも極性が高い材質の帯体が挟まれた状態で溶着されている第1態様から第3態様の何れか1の請求項に記載の表皮一体発泡成形品。
[第5態様]
前記表皮シートは表面にポリエステルを含み、前記帯体は表面にポリ塩化ビニルを含む第4態様に記載の表皮一体発泡成形品。
発明の第4態様及び第5態様によれば、高周波溶着により表皮シート同士を継ぎ合わせる際に、表皮シートに例えばポリエステル製のファブリックシートを用いる場合でも、極性の高い帯体を挟んで溶着することで、表皮シート同士の継ぎ合わせを強固にすることができる。
[第6態様]
表皮シートを袋状に継ぎ合わせた袋形表皮材の内部で開口部から注入された発泡樹脂を発泡させて成形する表皮一体発泡成形品の製造方法において、
前記袋形表皮材のうち前記開口部を上に向けた状態での前記袋形表皮材の上下方向の途中位置から下側の前記表皮シート同士の継ぎ合わせ部には、溶着により前記表皮シート同士が継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部が含まれるようにし、前記袋形表皮材の上下方向の途中位置より上側の前記継ぎ合わせ部には、前記表皮シート同士が縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部が含まれているようにしておくことを含む表皮一体発泡成形品の製造方法。
[第7態様]
溶着を高周波溶着により行う第6態様に記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。
溶着は、例えば、超音波溶着であってもよいし、発明の第7態様のように高周波溶着であってもよい。後者の場合、溶着を1本の線状に連続して行うことができるので、発泡樹脂がより漏れ出にくくなっている。
[第8態様]
溶着を、前記表皮シートの意匠面同士を合わせて仮止めした状態でジグにはめて行う第6態様又は第7態様に記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。
発明の第8態様によれば、ジグにはめて溶着を行うことにより、縫製よりも、作業者によって出来上がりに差が出にくくなり、品質が安定する。また、縫製部分が減ることで、縫製作業者の表皮一体発泡成形品1つ当りの作業時間が減るので、縫製作業者を減らすことができ、縫製作業者を育成するための時間を減らすことができる。
10 ヘッドレスト
10H ヘッドレスト本体
15 パッド
15Z 発泡ウレタン原料
20 袋形表皮材
20A 開口部
21 表皮シート
21Z 意匠面
22 継ぎ合わせ部
23 継ぎ合わせ縫製部
24 継ぎ合わせ溶着部
25 継ぎ合わせ境界域
26 継ぎ合わせ交差部
31 合皮層
32 裏地層
34 ファブリックシート
35 帯体

Claims (8)

  1. 表皮シートを袋状に継ぎ合わせた袋形表皮材と、
    前記袋形表皮材の内部で発泡成形されて前記袋形表皮材と一体になった発泡樹脂品と、
    前記袋形表皮材に形成された開口部と、を有する表皮一体発泡成形品において、
    前記開口部を上に向けた状態での前記袋形表皮材の上下方向の途中位置から下側の前記表皮シート同士の継ぎ合わせ部には、溶着により前記表皮シートが継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部が含まれ、
    前記袋形表皮材の上下方向の途中位置より上側の前記継ぎ合わせ部には、前記表皮シートが縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部が含まれている表皮一体発泡成形品。
  2. 前記開口部を上に向けた状態で上下方向に1本の連続した線状に延びる前記継ぎ合わせ部の途中位置に前記継ぎ合わせ溶着部から前記継ぎ合わせ縫製部に変わる継ぎ合わせ境界域が配置されている請求項1に記載の表皮一体発泡成形品。
  3. 2本以上の前記継ぎ合わせ部が交差する継ぎ合わせ交差部では、全ての前記継ぎ合わせ部が前記継ぎ合わせ縫製部になっている請求項1又は2に記載の表皮一体発泡成形品。
  4. 前記継ぎ合わせ溶着部は、前記表皮シート同士の間に、前記表皮シートの材質よりも極性が高い材質の帯体が挟まれた状態で溶着されている請求項1から3の何れか1の請求項に記載の表皮一体発泡成形品。
  5. 前記表皮シートは表面にポリエステルを含み、前記帯体は表面にポリ塩化ビニルを含む請求項4に記載の表皮一体発泡成形品。
  6. 表皮シートを袋状に継ぎ合わせた袋形表皮材の内部で開口部から注入された発泡樹脂を発泡させて成形する表皮一体発泡成形品の製造方法において、
    前記袋形表皮材のうち前記開口部を上に向けた状態での前記袋形表皮材の上下方向の途中位置から下側の前記表皮シート同士の継ぎ合わせ部には、溶着により前記表皮シート同士が継ぎ合わされた継ぎ合わせ溶着部が含まれるようにし、前記袋形表皮材の上下方向の途中位置より上側の前記継ぎ合わせ部には、前記表皮シート同士が縫い合わされた継ぎ合わせ縫製部が含まれているようにしておくことを含む表皮一体発泡成形品の製造方法。
  7. 溶着を高周波溶着により行う請求項6に記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。
  8. 溶着を、前記表皮シートの意匠面同士を合わせて仮止めした状態でジグにはめて行う請求項6又は7に記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。
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