JP2022174104A - パワーコンディショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】美観を維持でき、かつ、配線接続作業が容易であるパワーコンディショナを提供する。【解決手段】複数の配線(4)が底面から引き込まれる本体(11)の底面に下側筐体(20)が取り付け可能である。下側筐体(20)は、上面から背面にわたって開口する開口部を備え、該開口部は、複数の配線(4)が内部から本体(11)に通る上面開口(28)と、複数の配線(4)の少なくとも一部が背面側の外部から内部に通る背面壁開口(22)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電システムに用いられるパワーコンディショナに関する。
従来の太陽光発電システムでは、太陽電池にて発電された直流電力が、パワーコンディショナ(Power Conditioning System)にて適当な直流電力および/または適当な交流電
力に変換される。変換された電力は、配電盤に出力されたり、外部の電力系統に出力されたりする。このため、パワーコンディショナの筐体内では、太陽電池からの電力を入力するための配線と、外部装置に電力を出力するための配線とが引き込まれて各種端子と接続されている。
特開2017-099161号公報(2017年6月1日公開)
上記配線は、上記筐体の背面の開口部から引き込む場合と、上記筐体の底面の開口部から引き込む場合とがある(例えば特許文献1を参照)。前者の場合は、後者の場合に比べて、上記配線が確実に隠蔽されるので、美観を維持できるという利点がある。一方、後者の場合は、前者の場合に比べて、上記配線を各種の接続端子と接続する作業(配線接続作業)が容易であるという利点がある。
本開示の一態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、美観を維持でき、かつ、配線接続作業が容易であるパワーコンディショナを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るパワーコンディショナは、複数の配線が底面から引き込まれる本体と、該本体の底面に取り付け可能な下側筐体とを備え、該下側筐体は、上面から背面にわたって開口する開口部を備え、該開口部は、前記複数の配線が内部から前記本体に通る上面開口と、前記複数の配線の少なくとも一部が背面側の外部から内部に通る背面開口とを備える。
上記の構成によると、下側筐体における上面開口と背面開口との間も開口している。従って、背面側の外部からの配線を本体の底面から引き込んで前記本体の内部で配線接続作業をした後に、前記下側筐体を前記本体に取り付けると共に、前記下側筐体に当該配線を収容することができる。その結果、前記配線接続作業を容易に行うことができる。また、前記背面側の外部から前記本体に引き込まれた配線は、前記下側筐体によって隠蔽されるので、美観を維持することができる。
前記パワーコンディショナでは、前記下側筐体を前記本体に一時的に取り付けるための仮止め手段と、前記下側筐体を前記本体に固定するための固定手段とを備えてもよい。ここで、仮止め手段の例としては、前記本体に対し前記下側筐体を或る方向に移動させることにより取り付けられ、当該方向とは反対向きに移動させることにより取り外せるような機構などが挙げられる。その他の例としては、前記本体に前記下側筐体を貼り付ける粘着テープなどが挙げられる。また、固定手段による固定の例としては、ねじで止める、かし
めるなどが挙げられる。
上記の場合、前記下側筐体を前記本体に取り付ける場合、仮止め手段を用いて仮止めしてから、固定手段を用いて固定することができるので、取付けの作業効率が向上する。なお、前記仮止め手段は、前記下側筐体を前記本体に固定する固定位置を決める位置決め手段として機能することが望ましい。この場合、前記取付けの作業効率がさらに向上する。
前記パワーコンディショナでは、前記下側筐体は、内部に侵入した液体を外部に排出するための水抜き孔を底面に備えることが好ましい。この場合、雨水等の液体が内部に侵入しても、当該液体を外部に排出することができる。その結果、前記下側筐体内の前記配線が前記液体に浸かることを防止することができる。
ところで、前記背面側の外部からの配線は、通常、壁面に形成した開口からの配線である。この壁面の開口の位置は、当該壁面の施工状況によって様々である。
そこで、前記パワーコンディショナでは、前記下側筐体の開口部は、複数の前記背面開口を備えており、前記下側筐体は、前記背面開口のそれぞれを閉塞する着脱可能な閉塞部材を少なくとも1つ備えてもよい。この場合、壁面の様々な開口の位置に、前記下側筐体の前記背面開口の1つを対応させ、残りの前記背面開口を閉塞部材により閉塞することができる。その結果、パワーコンディショナを壁面の様々な位置に取り付けることができる。
前記パワーコンディショナでは、前記下側筐体は、さらに、前記閉塞部材を所定位置に取り付けるための位置決め孔を底部に備えていてもよい。この場合、位置決め孔により前記閉塞部材を所定位置に取り付けることができる。さらに、前記位置決め孔は、前記下側筐体の底部に設けられた貫通孔であるため、前記閉塞部材が前記下側筐体に取り付けられない前記位置決め孔は、前述の水抜き孔として機能することができる。
前記パワーコンディショナでは、前記本体は金属製であり、前記下側筐体はプラスチック製であってもよい。この場合、前記本体内部の電気回路を外部の電磁波から保護することができる。また、前記下側筐体を種々の形状で製造することができるので、例えば、前記仮止め手段、前記水抜き孔、前記位置決め孔などを前記下側筐体に容易に形成することができる。さらに、前記固定手段での固定が容易になるような形状に前記下側筐体を形成することができる。なお、前記本体は、プラスチック製の筐体の内面または外面に金属製のシールド部材を設けたものであってもよい。この場合でも、前記電気回路を外部の電磁波から保護することができる。
ところで、本開示では、前記本体内の下部における配線接続作業用の空間を狭くすることができる。これにより、前記本体を小型化できると共に、前記本体の下部の強度を向上することができる。
そこで、前記パワーコンディショナでは、前記本体は、前記本体を運搬するための把持部を、本体の上面および底面に備えてもよい。この場合、前記本体の側面に把持部を設ける必要がなくなり、前記本体の幅を狭くすることができる。
前記パワーコンディショナでは、前記本体は、前記配線を収容して保護する電線管を前記底面にて取り付け可能となっており、前記下側筐体の開口部は、前記電線管が通る底面開口をさらに備えており、前記下側筐体は、前記底面開口を切断するように、前後に分離可能であってもよい。この場合、前記本体の底面に取り付けられた電線管内の配線を前記本体内に引き込むことができる。従って、前記電線管で隠蔽された配線と、前記下側筐体
で隠蔽された配線とを前記本体内に引き込むことができる。さらに、例え前記電線管が前記本体に取り付けられていても、まず、前記下側筐体の後部を前記本体に取り付け、次いで、前記下側筐体の前部を前記本体に取り付けることにより、前記本体に前記下側筐体を容易に取り付けることができる。
本開示の一態様によれば、美観を維持でき、かつ、配線接続作業が容易であるという効果を奏する。
(a)は本開示の実施形態におけるパワーコンディショナの構成を示すものであって、壁面に取り付けた、正面カバーを外したパワーコンディショナの構成を示す正面図であり、(b)は前記パワーコンディショナを下側から見上げた斜視図である。 前記パワーコンディショナの構成を示す斜視図である。 (a)は前記パワーコンディショナの構成を示す正面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその底面図であり、(d)は(b)における一点鎖線αで囲んだ部分の断面図であり、(e)は(b)における一点鎖線βで囲んだ部分の断面図である。 正面カバーを外した状態のパワーコンディショナの構成を、前面側を上にして示す分解斜視図である。 (a)は前記パワーコンディショナの下側筐体の構成を示す斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はその側面図であり、(d)は(b)のA-A線断面図であり、(e)は下側筐体の底面に設けられた水抜き孔を拡大して示す断面図である。 (a)は前記パワーコンディショナにおける下側筐体の背面の両側に存在するうちの一方の背面側開口においてスライド蓋を施蓋し始めた状態を示す斜視図であり、(b)はスライド蓋の施蓋を終えた状態を示す斜視図である。 前記パワーコンディショナの壁面への取り付け手順を示す斜視図である。 (a)(b)(c)(d)は、前記下側筐体をパワーコンディショナ本体の底面部に取り付ける手順を示す断面図である。 前記パワーコンディショナの変形例の構成を示すものであって、壁面に取り付けた、正面カバーを外したパワーコンディショナの構成を示す正面図である。 変形例のパワーコンディショナにおける下側筐体の構成を、前面側を上にして示す分解斜視図である。
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
(適用例)
まず、図1に基づいて、本開示が適用される場面の一例について説明する。図1の(a)は、本開示の一態様におけるパワーコンディショナ10の構成を示すものであって、壁面に取り付けた、正面カバー13を外したパワーコンディショナ10の構成を示す正面図である。図1の(b)は、壁面に取り付けた、正面カバー13を外したパワーコンディショナ10を下側から見上げた斜視図である。なお、図1の(a)では、一部の部材を切り欠いて示している。
図1に示すように、パワーコンディショナ10は、複数の配線4が底面から引き込まれる本体11と、該本体11の底面に取り付け可能な下側筐体20とを備え、該下側筐体20は、上面から背面にわたって開口する開口部を備え、該開口部は、複数の配線4が内部から本体11に通る上面開口28と、複数の配線4の少なくとも一部が背面側の外部から
内部に通る背面壁開口22(背面開口)とを備える。
上記の構成によると、下側筐体20における上面開口28と背面壁開口22との間も開口している。従って、背面側の外部からの配線4を本体11の底面から引き込んで本体11の内部で配線接続作業をした後に、下側筐体20を本体11に取り付けると共に、下側筐体20に当該配線4を収容することができる。その結果、配線接続作業を容易に行うことができる。また、背面側の外部から本体11に引き込まれた配線4は、下側筐体20によって隠蔽されるので、美観を維持することができる。
(構成例)
本開示の実施の形態について図1~図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(パワーコンディショナの構成)
本実施の形態のパワーコンディショナは、太陽光発電を利用した系統連系システムに用いられるパワーコンディショナ(Power Conditioning System)である。
系統連系システムは、住宅の屋根等に設置する複数の太陽電池と、各太陽電池により発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとで構成される。そして、この系統連系システムは、パワーコンディショナと商用電力系統との間に接続された負荷に対して、系統連系運転と自立運転との何れか一方に切り替えて交流電力を供給するものである。ここで、系統連系運転とは、パワーコンディショナと商用電力系統とを連系して運転することを示す。また、自立運転とは、例えば商用電力系統が停電している場合等に、パワーコンディショナのみを運転することを示す。
ところで、パワーコンディショナを壁面に設置する場合、壁面から露出させた配線4をパワーコンディショナ本体の底面から引き込んでパワーコンディショナ本体の入力側開閉器、出力側端子台等における各種接続端子に接続する場合がある。この場合、パワーコンディショナ本体に引き込まれる配線4が露出することになるので、配線4の保護および美観の観点から好ましくない。本実施の形態のパワーコンディショナは、これらの問題を解決すべく、案出されたものである。
図2、及び図3の(a)(b)(c)(d)(e)に基づいて、本実施の形態のパワーコンディショナ10の構成について説明する。図1の(a)は、パワーコンディショナ10の構成を示すものであって、壁面に取り付けた、正面カバー13を外したパワーコンディショナ10の構成を示す正面図である。
図2は、パワーコンディショナ10の構成を示す斜視図である。図3の(a)は、パワーコンディショナ10の構成を示す正面図である。図3の(b)は、パワーコンディショナ10の構成を示す正面図である。図3の(c)は、パワーコンディショナ10の構成を示す底面図である。図3の(d)は、図3の(b)における一点鎖線αで囲んだ部分の断面図である。図3の(e)は、図3の(b)における一点鎖線βで囲んだ部分の断面図である。尚、本明細書においては、正面側を前側と称し、背面側を後側と称する場合がある。
図2、及び図3の(a)(b)(c)(d)(e)に示すように、パワーコンディショナ10は、略長方形の本体11と、本体11の下側における前側半分に取り付けられた下側筐体20と、本体11の下側であって下側筐体20における右側の後側に設けられた隠蔽ダクト3とを備えている。
本実施の形態のパワーコンディショナ10は、前側に正面カバー13を備えており、正
面カバー13は、前側からビスにより本体11に取り付け可能となっている。
また、本実施の形態のパワーコンディショナ10では、本体11の上面前側は、上方に伸び、さらに後方に伸びている。また、正面カバー13の上部は、後方に伸び、さらに下方に伸びている。これにより、パワーコンディショナ10の上面前側には、作業者の指を挿入できる空間が形成されることになる。一方、本体11の下面前側は、下方に伸び、さらに後方に伸びている。また、正面カバー13の下部は、後方に伸びている。これにより、パワーコンディショナ10の下面前側には、作業者の指を挿入できる空間が形成されることになる。
ところで、図1の(a)(b)を参照すると、本体11の底面から各種接続端子までの配線4は、シンプルに伸びている。従って、本体11内の下部における配線接続作業用の空間を狭くすることができる。これにより、本体11を小型化できると共に、本体11の下部の強度を向上することができる。
そこで、本実施の形態のパワーコンディショナ10では、上記上面前側および上記下面前側の空間を形成する部分は、それぞれ、本体11を運搬するための把持部50・51となる。この場合、本体11の側面に把持部を設ける必要がなくなり、本体11の幅を狭くすることができる。
図4は、正面カバー13を外した状態のパワーコンディショナ10の構成を、前面側を上にして示す分解斜視図である。図4に示すように、本体11は、正面カバー13を外すと、例えば、入力側開閉器15や出力側端子台16、その他表示部等が露出するようになっている。本体11の本体底面部11aには、外部からの配線4を通す本体配線孔14が複数個設けられている。したがって、外部から本体配線孔14を通して本体11に内部に引き込まれた配線4は、入力側開閉器15や出力側端子台16の各種接続端子に接続される。
本体11の上側における両側面には、側面から突出する突起部12・12が設けられている。これら突起部12・12を、後述する図7に示すように、図示しない壁面に固定された取付けベース板1のフック部1cに引っ掛けることにより、本体11が取付けベース板1に取り付けられるようになっている。
下側筐体20は、本実施の形態では、外部から本体配線孔14を通して本体11に内部に引き込まれる配線4を隠すために設けられている。下側筐体20は、プラスチック製であり、射出成形などによって製造される。従って、下側筐体20は、後述する図5に示すように、種々の形状で製造することができるので、例えば、後述する庇開口部24a、係止部27、水抜き孔25、位置決め孔29、背面管部31などを下側筐体20に容易に形成することができる。なお、本体11は、外部からの電磁波を遮断する、内部に設けた電気回路を保護するなどの観点から、金属製であるが、これに限定されるものではない。例えば、本体11は、プラスチック製の筐体の内面または外面に金属製のシールド部材を設けたものであってもよい。この場合でも、上記シールド部材が外部からの電磁波を遮断し、上記電気回路を保護することができる。
図5の(a)は下側筐体20の構成を示す斜視図であり、図5の(b)はその正面図であり、図5の(c)はその側面図であり、図5の(d)は図5の(b)のA-A線断面図であり、図5の(e)は下側筐体20の底面に設けられた水抜き孔25を拡大して示す断面図である。図6の(a)は、パワーコンディショナ10における下側筐体20の背面の両側に存在するうちの一方の背面壁開口22においてスライド蓋23(閉塞部材)を施蓋し始めた状態を示す斜視図である。図6の(b)は、スライド蓋23の施蓋を終えた状態
(閉塞状態)を示す斜視図である。
図5の(a)(b)(c)(d)(e)に示すように、下側筐体20は、有底の箱型形状を有しており、上面が上面開口28となっていると共に、背面側には2箇所の背面壁開口22・22が形成されている。
2箇所の背面壁開口22・22は、いずれか一方の背面壁開口22を通して配線4が隠蔽ダクト3を介して下側筐体20に引き込まれるために使用される。その場合、他方の背面壁開口22は、開けておくと雨水等が浸入するので、塞いでおく必要がある。このため、図6の(a)(b)に示すように、他方の背面壁開口22は、着脱可能なスライド蓋23によって施蓋される。すなわち、2箇所の背面壁開口22・22は、スライド蓋23がいずれの背面壁開口22・22に挿入されてもスライドできるように同じ大きさとなっている。このため、壁面から配線4を露出させる位置に応じて、隠蔽ダクト3が左右のいずれに存在しても対応できるようになっている。その結果、パワーコンディショナ10を壁面の様々な位置に取り付けることができる。
下側筐体20は、本実施の形態では、図5の(d)(e)に示すように、底部に水抜き孔25が形成されていると共に、水抜き孔25の周辺は傾斜部26が形成されている。これにより、下側筐体20に雨水(液体)が浸入しても、雨水はこの水抜き孔25から外部に排出されるようになっている。
また、図5の(a)に示すように、下側筐体20における上面開口28には、背面側に庇部24が形成されている。庇部24は、下側筐体20を本体11の本体底面部11aに取り付けるに際して、後述するローレットねじ17(仮止め手段)を通すための庇開口部24a(仮止め手段)を有している。庇開口部24aは、庇部24における前側が、ローレットねじ17を、ゆとりを持って挿入できるように大きく開口されている一方、庇部24における後側が、ローレットねじ17を固定できるように該ローレットねじ17のネジの幅よりも少し広い開口となっている。
隠蔽ダクト3は、図示しない壁面から露出された配線4を隠蔽するために設けられている。すなわち、図4に示すように、本体11には、通常、前側に各種の電気機器、接続端子等が設けられ、後側にファン、放熱板等が設けられている。そこで、下側筐体20は、パワーコンディショナ10の下側において、前側半分の位置に設けられている。このため、図示しない壁面と下側筐体20の背面壁開口22との間には距離があり、この間において配線4が露出することになる。そこで、本実施の形態では、図示しない壁面と下側筐体20の背面壁開口22との間に露出する配線4を隠蔽するために隠蔽ダクト3が設けられている。
隠蔽ダクト3は、図4に示すように、背面側にはダクト背面開口3aを有し、前側にはダクト前側開口3bを有し、底面側にもダクト底面開口3cを有している。ダクト背面開口3a及びダクト前側開口3bは、配線4が通る開口である。ダクト底面開口3cは、隠蔽ダクト3における配線4の設置作業を容易にするためのものであり、ダクトカバー3dにて施蓋されるようになっている。
さらに、ダクト底面開口3cは、新たな隠蔽ダクト(図示せず)を取り付けるためのものでもある。ダクトカバー3dをダクト底面開口3cから取り外し可能とすることにより、上記新たな隠蔽ダクトを通る配線4を隠蔽ダクト3へ設置したり、上記新たな隠蔽ダクトをダクト底面開口3cに取り付けたりする作業が容易となる。
(パワーコンンディショナの壁面への取り付け方法)
本実施の形態のパワーコンディショナ10の壁面への取り付け方法について、図7に基づいて説明する。図7は、パワーコンディショナ10の壁面への取り付け手順を示す斜視図である。
図7に示ように、本実施の形態のパワーコンディショナ10を図示しない壁面に取り付ける場合には、最初に、取付けベース板1をねじ1aにて図示しない壁面に取り付ける。尚、図7においては、1個のねじ1aしか記載していないが、実際には、ねじ1aは複数箇所に存在している。
壁面に取付けベース板1を取り付けた後、取付けベース板1における折曲下端板1bの例えば右端に隠蔽ダクト3をねじ3eにより取り付ける。その後、隠蔽ダクト3のダクト背面開口3aにおける壁面側縁と図示しない壁面との隙間を外側からコーキング(封止材で封止)する。
次いで、パワーコンディショナ10の本体11を取付けベース板1に取り付ける。
本体11を取付けベース板1に取り付けるときには、まず、本体11の上側において左右の両側面から突出して設けられた突起部12・12を、取付けベース板1に形成されたフック部1c・1cに引っ掛ける。このとき、本体11の本体底面部11aは、取付けベース板1の折曲下端板1bに載置されている。このため、本体11の下方からねじ1dにて該本体11の本体底面部11aを通して取付けベース板1の折曲下端板1bにねじ止めする。これにより、本体11を取付けベース板1に固定することができる。
次いで、この状態で、配線工事(配線接続作業)が行われる。配線工事は、本体11の正面カバー13を外した状態で行う。正面カバー13は、ねじ13aを外すことにより行うことができる。配線工事に際しては、図示しない壁面に形成した図示しない配線用開口から隠蔽ダクト3のダクト背面開口3aを通された複数の図示しない配線4が、図4に示すように、本体11の本体底面部11aに設けられた複数の本体配線孔14を通して、本体11に設けられた入力側開閉器15や出力側端子台16等の各種接続端子に接続される。
尚、隠蔽ダクト3から本体11までの配線4は、隠蔽ダクト3の底面よりも高い位置とすることが好ましい。これにより、隠蔽ダクト3から本体11までの配線4を下側筐体20の内部に確実に収容することができる。
配線工事が終了した後は、本体配線孔14を通した複数の配線4の隙間部分をパテ埋め(封止材で封止)しておく。これにより、本体11への虫等の侵入を防止することができる。
次いで、下側筐体20を本体11の本体底面部11aに取り付ける。ここで、下側筐体20の下側筐体背面壁21には、図5の(a)(b)(c)(d)に示すように、左右2箇所の背面壁開口22・22が形成されている。このため、隠蔽ダクト3が存在しない側の背面壁開口22は、閉じておく必要がある。そこで、図6の(a)(b)に示すように、隠蔽ダクト3が存在しない側の背面壁開口22をスライド蓋23にて閉じる。本実施の形態では、パワーコンディショナ10を正面側から見たときに、右側に隠蔽ダクト3が存在するので、左側の背面壁開口22を閉じる。
下側筐体20における左側の背面壁開口22を閉じる場合には、図6の(a)に示すように、スライド蓋23の両側端に設けられたスライド溝23a・23aを下側筐体背面壁21の背面壁開口22への縁部に挿入し、スライド蓋23を下方にスライドさせる。これ
により、図6の(b)に示すように、スライド蓋23にて下側筐体20における左側の背面壁開口22を閉じることができる。
さらに、スライド蓋23の下端両側に設けられた突片23b・23bが、下側筐体20の底面に設けられた位置決め孔29・29に嵌合する。これにより、スライド蓋23が所定位置に取り付けられて、前後左右に動くことを防止でき、下側筐体20における左側の背面壁開口22を確実に閉じることができる。
なお、位置決め孔29・29は、図6の(a)に示すように、左側の背面壁開口22の付近だけでなく、右側の背面壁開口22の付近にも設けられている。右側の背面壁開口22の付近に設けられた位置決め孔29・29、すなわち、スライド蓋23にて閉じられていない背面壁開口22の付近に設けられた位置決め孔29・29は、水抜き孔25と同様に、下側筐体20に侵入した雨水等を外部に排出するように機能する。
次いで、下側筐体20を本体11の本体底面部11aに取り付ける。図8の(a)(b)(c)(d)は、下側筐体20を本体11の本体底面部11aに取り付ける手順を示す断面図である。
図8の(a)に示すように、まず、本体11の本体底面部11aの下面背面側に形成されたローレットねじ孔にローレットねじ17を螺合する。次いで、下側筐体20を持ち上げ、下側筐体20の庇部24に形成されている庇開口部24aにローレットねじ17を上側から通し、図8の(b)に示すように、庇部24の上面を本体11の本体底面部11aの下面に当接させる。
次いで、図8の(c)に示すように、下側筐体20を本体底面部11aに沿って前側にスライドさせる。これにより、図8の(d)に示すように、本体11の本体底面部11aに設けられたフランジ11bに下側筐体20の係止部27(仮止め手段)が挿入されて係止される。また、ローレットねじ17が庇開口部24aの後側に係止される。これにより、下側筐体20が本体11の本体底面部11aに一時的に固定(仮止め)される。
次いで、図4に示すように、下側筐体20を本体11にねじ止めして固定する。本実施の形態では、下側筐体20は、前側の隅部が丸みを帯びており、前側の隅部の上面には前側縁部30・30が設けられている。また、下側筐体20には、庇部24と背面壁開口22・22との間に背面管部31・31が設けられている。そして、下側筐体20の下方から4本のねじ32(固定手段)にて該下側筐体20の前側縁部30・30および背面管部31・31を通して、本体11の本体底面部11aにネジ止め(固定)する。
従って、下側筐体20を本体11に取り付ける場合、一時的に固定されてからネジ止めで固定されるので、取付けの作業効率が向上する。さらに、ローレットねじ17、庇開口部24a、および係止部27は、下側筐体20を本体11に固定位置を決める位置決め手段としても機能するので、取付けの作業効率がさらに向上する。
なお、本実施の形態では、背面管部31・31は、テーパ状となっており、底面から上面に向かうにつれて狭くなっている。これにより、背面管部31の底面から上面にねじ32を挿入し易くなり、その結果、作業効率が上昇する。
次いで、隠蔽ダクト3のダクト背面開口3aと図示しない壁面との隙間を隠蔽ダクト3の内部からコーキングする。その後、隠蔽ダクト3のダクト底面開口3cにダクトカバー3dをネジ止めする。
この結果、図1の(b)に示すように、壁面から本体11に引き込まれる配線4を隠蔽することができる。そして、最後に、本体11に正面カバー13を取り付けることにより、パワーコンディショナ10の取り付け工事が完了する。
(変形例)
図9は、パワーコンディショナの変形例の構成を示すものであって、壁面に取り付けた、正面カバー13を外したパワーコンディショナ10aの構成を示す正面図である。図10は、変形例のパワーコンディショナ10aにおける下側筐体20aの構成を、前面側を上にして示す分解斜視図である。
図9に示すように、本変形例では、本体11の本体配線孔14には、1または複数の配線4を収容して保護する電線管40が取り付け可能である。また、下側筐体20aの底面部には、外部からの電線管40を通す電線管孔33(底面開口)が、本体配線孔14に対応して設けられている。
本変形例は、一部の配線4が、電線管40を通って本体11に引き込まれる一方、残りの配線4が、壁面から背面壁開口22、上面開口28、および本体配線孔14を通って本体11に引き込まれる場合にも対応することができる。従って、電線管40を利用して配線4を隠蔽すると共に、電線管40を利用しない配線4を、下側筐体20を用いて隠蔽することができる。なお、全部の配線4が、電線管40を通って本体11に引き込まれる場合にも対応することができる。
図10に示すように、本変形例では、電線管孔33を切断するように、下側筐体20aが前後に分離可能となっている。具体的には、下側筐体20aは、下側筐体前部34および下側筐体後部35を備える。下側筐体前部34は、各電線管孔33の一部を構成する前側凹部34aを備え、下側筐体後部35は、各電線管孔33の残りを構成する後側凹部35aを備えている。
上記構成の下側筐体20aを本体11に取り付ける場合、まず、下側筐体後部35を図8の(a)(b)(c)(d)に示すように仮止めし、その後、2本のねじ32にてネジ止めする。次いで、本体配線孔14に接続された電線管40を、下側筐体後部35の後側凹部35aに当接させる。次いで、下側筐体前部34を図8の(a)(b)(c)(d)に示すように仮止めし、その後、2本のねじ32にてネジ止めする。従って、本体11の本体配線孔14に電線管40が接続されている場合でも、下側筐体前部34および下側筐体後部35を備える下側筐体20aを本体11に容易に取り付けることができる。
尚、本開示は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 取付けベース板
1b 折曲下端板
1c フック部
3 隠蔽ダクト
3a ダクト背面開口
3b ダクト前側開口
3c ダクト底面開口
3d ダクトカバー
4 配線
10、10a パワーコンディショナ
11 本体
11a 本体底面部
11b フランジ
12 突起部
13 正面カバー
14 本体配線孔
15 入力側開閉器
16 出力側端子台
17 ローレットねじ(仮止め手段)
20、20a 下側筐体
21 下側筐体背面壁
22 背面壁開口(開口部、背面開口)
23 スライド蓋(閉塞部材)
23a スライド溝
23b 突片
24 庇部
24a 庇開口部(仮止め手段)
25 水抜き孔
26 傾斜部
27 係止部(仮止め手段)
28 上面開口(開口部)
29 位置決め孔(水抜き孔)
30 前側縁部
31 背面管部
32 ねじ(固定手段)
33 電線管孔(底面開口)
34 下側筐体前部
34a 前側凹部
35 下側筐体後部
35a 後側凹部
40 電線管
50、51 把持部

Claims (5)

  1. 電力を入力するための配線が接続される入力側接続端子と、電力を出力するための配線が接続される出力側接続端子とを有する本体を備え、
    該本体は、前記本体を運搬するための把持部を上面に備えるパワーコンディショナ。
  2. 電力を入力するための配線が接続される入力側接続端子と、電力を出力するための配線が接続される出力側接続端子とを有する本体と、
    該本体の前側に取り付けられる正面カバーとを備え、
    該本体の上面前側は、前記正面カバーの上部と対向するように上方に伸び、さらに後方に伸びた形状となっているパワーコンディショナ。
  3. 電力を入力するための配線が接続される入力側接続端子と、電力を出力するための配線が接続される出力側接続端子とを前側に有し、放熱板を後側に有する本体を備え、
    該本体は、上面前側に把持部を備えるパワーコンディショナ。
  4. 電力を入力するための配線が接続される入力側接続端子と、電力を出力するための配線が接続される出力側接続端子とを有する本体を備え、
    該本体は、作業者の指が挿入可能である空間部を上面前側に備えるパワーコンディショナ。
  5. 電力を入力するための配線が接続される入力側接続端子と、電力を出力するための配線が接続される出力側接続端子とを有する本体と、
    該本体の前側に取り付けられる正面カバーとを備え、
    該正面カバーは、ビスにより前記本体に取り付けられており、
    前記正面カバーは、上部に把持部を備えるパワーコンディショナ。
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