JP2018133544A - 電気設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外に適した構造を有する電気設備を提供する。
【解決手段】本体ケース100は、電気機器を収納する。前面カバーは本体ケース100の前方に配置され、後面カバーは本体ケースの後方に配置される。後面カバーには、配線を通させる後面開口部が設けられる。本体ケース100における前記後面カバーに対向した面には、後面開口部からの配線を本体ケース100の内部に挿入する本体開口部130が、電気機器を収納すべき部分の下方に設けられる。本体ケース100には、電気機器を収納すべき部分と本体開口部130とを分離する内壁154であって、かつ前面カバー側の一端よりも後面カバー側の一端の方が下方になるように傾斜した内壁154が設けられる。内壁154の本体開口部130側には、配線を接続する端子部156が設けられる。
【選択図】図15

Description

本発明は、電気設備に関し、特に電気機器を収納する電気設備に関する。
屋外に設置される電子機器は、雨天時において雨にさらされる。そのため、そのような電子機器の筐体は防水構造にされる(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−12140号公報
屋外に設置される機器には防水性が必要とされるが、防水性だけではなく、さらに屋外に適した構造が求められる。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、屋外に適した構造を有する電気設備を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電気設備は、電気機器を収納する本体ケースと、本体ケースの前方に配置される前面カバーと、本体ケースの後方に配置される後面カバーとを備える。後面カバーには、配線を通させる後面開口部が設けられ、本体ケースにおける後面カバーに対向した面には、後面開口部からの配線を本体ケースの内部に挿入する本体開口部が、電気機器を収納すべき部分の下方に設けられ、本体ケースには、電気機器を収納すべき部分と本体開口部とを分離する内壁であって、かつ前面カバー側の一端よりも後面カバー側の一端の方が下方になるように傾斜した内壁が設けられ、内壁の本体開口部側には、配線を接続する端子部が設けられる。
本発明によれば、屋外に適した構造を有する電気設備を提供できる。
本発明の実施例1に係る電気設備の構造を示す斜視図である。 図1の電気設備の構造を示す別の斜視図である。 図1の電気設備の構造を示す分解斜視図である。 図1の電気設備の構造を示す側面図である。 図1の電気設備の構造を示す分解側面図である。 図1の電気設備の構造を示す正面図である。 図1の電気設備の構造を示す別の分解斜視図である。 図8(a)−(b)は、図1の電気設備における本体ケース、配管カバー、配線カバーの構造を示す斜視図である。 図8(a)−(b)の配管カバーの構造を示す斜視図である。 図1の電気設備における本体ケースの構造を示す斜視図である。 図8(a)−(b)の第1ヒートシンクの構造を示す斜視図である。 図8(a)−(b)の第1ヒートシンクの構造を示す別の斜視図である。 図8(a)−(b)の第1ヒートシンクの構造を示すさらに別の斜視図である。 図8(a)−(b)の第2ヒートシンクの構造を示す斜視図である。 図15(a)−(b)は、本発明の実施例2に係る電気設備の構造を示す図である。 図16(a)−(b)は、図15(a)−(b)の電気設備の構造を示す別の図である。 本発明の実施例3に係る電気設備の構造を示す斜視図である。 図18(a)−(b)は、図17の電気設備の構造を示す分解斜視図である。 図17の後面カバーと着脱カバーとの構造を示す分解斜視図である。
(実施例1)
本発明の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。実施例1は、屋外に設置される電気設備に関する。電気設備の一例は電力変換装置である。屋外に設置される電気設備では、雨天の影響を抑制するために防水性が要求される。さらに、このような電気設備は、次のような状況におかれる。
(i)屋外では、水蒸気を含んだ暖かい空気が電気設備によって冷やされやすくなる。その結果、電気設備の内部で結露が発生するおそれがある。結露による水分が、電気設備に収納された電気機器に付着すると、電気機器が故障する原因になる。
(ii)屋外では、日射により電気設備内の温度が上昇しやすくなる。電気設備に収納された電気機器にとって、温度の上昇しすぎは好ましくない。
(iii)屋外に設置されることによって、電気設備が人目につくようになる。電気設備の機械的な構造が露出していれば、外観を損なうことになる。
(iv)防水性を高めるためには電気設備を密封構造にすることが有効であるが、密封構造により電気設備の放熱性が低下する。一方、電気設備に収納された電気機器は動作により発熱するので放熱が必要とされる。
(v)配管あるいは配線が外部から電気設備に挿入される。挿入部分は、他の部分に比べて露出に近い状態になり、雨が直接当たらなくても水が侵入しやすくなる。挿入部分から電気設備内に水が侵入すると、電気設備に収納された電気機器が故障する原因になる。
(vi)屋外では、塵埃が空中をまっている場合がある。電気設備内に塵埃が入ると、電気設備に収納された電気機器が故障する原因になる。
(vii)屋外では、温度、天候の変化が大きいので、電気設備における防水性が劣化しやすくなる。防水性の劣化が大きければ、電気設備に対するメンテナンスの負担が大きくなる。
(viii)設置作業が屋外になるので、設置の容易さが作業性に影響を及ぼす。
(ix)防水性を向上させるような電気設備は製造コストの増加につながりやすい。
これらの状況を改善するような構造が、屋外に適した構造であるといえる。本実施例では、屋外に適した構造を有する電気設備を説明する。
なお、以下の説明において、「平行」、「垂直」は、完全な平行、垂直だけではなく、誤差の範囲で平行、垂直からずれている場合も含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。以下では、説明を明確にするために、(1)全体構造、(2)配管構造および配線構造、(3)本体ケース構造、(4)電気機器構造の順に説明する。
(1)全体構造
図1から図6を使用しながら、電気設備1000の全体構造を説明する。図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系が規定される。x軸、y軸は、電気設備1000の底面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、電気設備1000の高さ(垂直)方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、x軸の正方向側を「前側」あるいは「正面側」、x軸の負方向側を「後側」あるいは「背面側」、z軸の正方向側を「上側」あるいは「天面側」、z軸の負方向側を「下側」あるいは「底面側」ということもある。さらに、y軸方向を「側面側」ということもある。
図1、図2は、本発明の実施例1に係る電気設備1000の構造を示す斜視図であり、図1は電気設備1000を正面側から見た構造であり、図2は電気設備1000を背面側から見た構造である。図3は、電気設備1000の構造を示す分解斜視図であり、図1と同一方向における分解斜視図である。図4は、電気設備1000の構造を示す側面図であり、図5は、図4と同一方向における電気設備1000の構造を示す分解側面図である。なお、図6は後述する。ここでは、電気設備1000を屋外に設置する場合を例示する。
電気設備1000は、本体ケース100、前面カバー200、後面カバー300、配管カバー400、配線カバー500を含む。本体ケース100は、本体ケース天面110、本体フランジ112、本体ケース側面116、取手部118、本体ケース背面122、ボトムカバー124、本体ケース底面126、収納空間150、開口空間152、内壁154、内側ケース160、内側ケース天面162、内側ケース側面168、電気機器蓋180を含む。前面カバー200は、前面カバー天面210、放熱口212、前面カバー側面216、前面カバー正面220を含む。後面カバー300は、後面カバー天面310、後面フランジ312、切り欠き部314、後面カバー側面316、後面カバー背面322、背面カバー底面326、後面開口部328、遮蔽板350、スリット360を含む。
なお、本体ケース100、前面カバー200、後面カバー300、配線カバー500の各構成要素は、ネジ、溶接、接着材等で接続されているが、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。本体ケース100、前面カバー200、後面カバー300、配管カバー400、配線カバー500間の接続についても同様である。また、複数の構成要素が一体的に形成されてもよい。
本体ケース100は、x軸の正方向側に開口した箱形状に形成される。ここで、z軸の正方向側には本体ケース天面110が配置され、y軸方向の両側には本体ケース側面116が配置され、x軸の負方向側には本体ケース背面122が配置され、z軸の負方向側には本体ケース底面126が配置される。また、本体ケース底面126のz軸の負方向側にはボトムカバー124が配置され、ボトムカバー124は、本体ケース100をz軸の負方向側から支持する。各本体ケース側面116には、ユーザが把持可能な取手部118が設けられる。箱形状で形成された本体ケース100の内部には、y軸方向に延びる板形状を有した内壁154が配置される。内壁154によって、本体ケース100の内部は、z軸の正方向側の収納空間150と、z軸の負方向側の開口空間152に分離される。
収納空間150には、内側ケース160が配置される。内側ケース160は、本体ケース100と同様にx軸の正方向側に開口した箱形状に形成される。内側ケース160の構造の詳細は後述するが、z軸の正方向側には内側ケース天面162が配置され、y軸方向の両側には内側ケース側面168が配置される。また、内側ケース160のx軸の負方向側は本体ケース背面122によって塞がれる。内側ケース160は電気機器を収納する。電気機器の一例は、直流電力を交流電力に変換する変換回路である。変換回路の詳細は後述するが、これは発熱素子を備えた回路であるともいえる。また、内側ケース160の開口部分は電気機器蓋180によって開閉可能に閉じられる。電気機器蓋180は、y−z平面に矩形状を有した板形状に形成される。開口空間152には、配管カバー400、配線カバー500が接続される。配管カバー400、配線カバー500については後述する。
前面カバー200は、本体ケース100における開口を覆うように、本体ケース100の前方、つまりx軸の正方向側に配置される。前面カバー200において、本体ケース100における開口を覆うための前面カバー正面220は、y−z平面に広がる板形状に形成されており、z軸の正方向側の前面カバー天面210、y軸の両方向側の前面カバー側面216によって囲まれる。前面カバー天面210のy軸方向の両端側には複数の放熱口212が設けられる。前面カバー200は、図1、図2、図4のように本体ケース100にx軸の正方向側から取り付けられる。ここでは、本体ケース100の構成を分かりやすくするために前面カバー200を透明で示しているが、実際には本体ケース100に着色がなされている。
後面カバー300は、本体ケース背面122を覆うように、本体ケース100の後方、つまりx軸の負方向側に配置される。後面カバー300において、本体ケース背面122を覆うための後面カバー背面322は、y−z平面に広がる板形状に形成されており、z軸の正方向側の後面カバー天面310、y軸の両方向側の後面カバー側面316、z軸の負方向側の背面カバー底面326によって囲まれる。後面カバー天面310、背面カバー底面326には、複数のスリット360が設けられる。スリット360は、本体ケース100での発熱に対する放熱に使用される。また、後面カバー背面322には、後面開口部328、遮蔽板350が設けられる。後面カバー300は、図1、図2、図4のように本体ケース100にx軸の負方向側から取り付けられるので、本体ケース100は前面カバー200、後面カバー300によって囲まれる。これにより本体ケース100が露出しなくなり、本体ケース100の構成に関係なく、外観を損なうことが抑制される。また、後面カバー背面322のx軸の負方向側の面が図示しない建物等の立壁に固定される。
前面カバー200、後面カバー300が本体ケース100に取り付けられた状態において、前面カバー天面210は、本体ケース天面110、後面カバー天面310よりも上方、つまりz軸の正方向側に配置される。ここでは、本体ケース天面110のx軸方向の幅よりも、前面カバー天面210のx軸方向の幅が広いので、本体ケース天面110は前面カバー天面210によって覆われる。つまり、z軸方向において、前面カバー天面210と本体ケース天面110との2重構造が形成される。2重構造により防水性が向上するとともに、前面カバー天面210と本体ケース天面110との間の空気層の存在によって、結露の発生が抑制されたり、日射による本体ケース100内部の温度上昇が抑制されたりする。なお、前面カバー天面210のx軸方向が、本体ケース天面110のx軸方向の幅よりも狭い場合、本体ケース天面110は、前面カバー天面210および後面カバー天面310によって覆われてもよい。
さらに、本体ケース天面110のx軸の正方向側の縁部には、前面カバー天面210に向かって突出する本体フランジ112が設けられる。本体フランジ112は、前面カバー天面210と本体ケース天面110との間の隙間を埋める。また、本体フランジ112は、本体ケース側面116にも設けられている。この本体フランジ112は、前面カバー側面216に向かって突出しており、本体ケース側面116と前面カバー側面216との間の隙間を埋める。これも防水性の向上につながる。
後面カバー天面310のx軸の正方向側の縁部には、前面カバー天面210に向かって突出する後面フランジ312が設けられる。後面フランジ312は、前面カバー天面210と後面カバー天面310との間の隙間を埋める。これも防水性の向上につながる。後面フランジ312には、凹んだ形状を有する切り欠き部314が複数設けられる。なお、切り欠き部314の代わりに、放熱口が設けられてもよい。これにより、本体ケース100の内部において発熱がなされても、放熱が促される。
図6は、電気設備1000の構造を示す正面図である。電気設備1000における本体ケース100は、端子部156をさらに含む。内壁154における開口空間152側には、複数の端子部156が設けられる。端子部156は、外部から電気設備1000内部に挿入された配管あるいは配線を接続するための端子である。ここで、配管、配線は電線に相当する。なお、以下において、配管および配線の図示は省略される。このような接続により、電気設備1000に収納された電気機器と外部の間で電力が入出力される。端子部156が開口空間152側に配置されるので、配管あるいは配線は収納空間150に挿入されない。これにより、配管あるいは配線を通すための孔を内壁154に設けることが不要になり、水あるいは塵埃が収納空間150に入ることが防止される。
前述のごとく、前面カバー天面210のy軸方向の両端側には放熱口212が設けられる。放熱口212は、本体ケース側面116と前面カバー側面216とに挟まれた空間のz軸の正方向側に配置される。これにより、本体ケース100の内部において発熱がなされても、当該空間に形成された空気経路800を通って放熱がなされる。
本体ケース側面116と前面カバー側面216とに挟まれた空間に配置されるように、取手部118が本体ケース側面116に設けられる。本体ケース側面116と前面カバー側面216は離間して設けられ、かつ前面カバー側面216はz軸方向にある程度の長さを有する。そのため、前面カバー側面216は本体ケース100に向かって撓みやすくなるが、取手部118が前面カバー側面216を支持することによって、撓みが抑制される。
(2)配管構造および配線構造
図7は、電気設備1000の構造を示す別の分解斜視図であり、図2と同一方向における分解斜視図である。図8(a)−(b)は、電気設備1000における本体ケース100、配管カバー400、配線カバー500の構造を示す斜視図であり、図7における本体ケース100をさらに分解した斜視図である。本体ケース100は、底面開口部128、本体開口部130、固定金具132、配管孔134をさらに含む。配管カバー400は、配管孔402を含む。配線カバー500は、第1フランジ510、第2フランジ512、第3フランジ514、カバー部520、密封溝部530を含む。また、本体ケース背面122には、第1ヒートシンク600、第2ヒートシンク700が配置される。
本体ケース底面126には、底面開口部128と複数の配管孔134とが設けられる。底面開口部128は、本体ケース底面126のy軸の正方向側において矩形状に開口する。底面開口部128は、本体ケース100の下方からの配管(図示せず)を本体ケース100の内部に挿入するために設けられる。また、本体ケース底面126において底面開口部128が設けられていない部分には、複数の配管孔134が設けられる。複数の配管孔134も、本体ケース100の下方からの配管を本体ケース100の内部に挿入するために設けられる。1つの配管孔134には1つの配管が通されるので、配管孔134の径は、配管の径に応じたサイズであり、かつ配管の径よりも大きなサイズにされる。
配管カバー400は、底面開口部128を下方から覆うように、本体ケース底面126に取り付けられる。配管カバー400は、x−y平面において広がる板形状に形成され、x−y平面において底面開口部128よりも大きなサイズを有する。配管カバー400には、複数の配管孔402が設けられる。配管孔402は、配管孔134と同様に形成される。配管孔402あるいは配管孔134を通った配管は、前述の端子部156に接続される。ここで、電気設備1000を設置する際、配管孔402に配管を通させてから、配管カバー400が本体ケース底面126に取り付けられる。そのため、設置時の作業性が向上する。また、配管カバー400が底面開口部128よりも大きなサイズを有するので、配管カバー400と底面開口部128との間からの水の侵入が抑制される。配管カバー400の詳細は後述する。
本体ケース背面122には、本体開口部130が設けられる。本体開口部130は、底面開口部128に近接するように配置されるとともに、後面カバー背面322に設けられた後面開口部328にx軸方向において対向するように配置される。本体開口部130は、後面開口部328に対して鏡像対象となる形状を有しており、例えば、上方の一角が欠けた矩形状を有する。後面開口部328には、電気設備1000の外部、例えば電気設備1000を固定する立壁からの配線が通される。当該配線は、後面開口部328につづいて本体開口部130も通って本体ケース100の内部に挿入される。本体開口部130を通った配線は、前述の端子部156に接続される。
本体開口部130と後面開口部328を上方から囲みながら本体ケース100と後面カバー300とを接続するように、配線カバー500が取り付けられる。配線カバー500における第1フランジ510は、本体開口部130の少なくとも一部、具体的には上方および側方を囲む形状を有しており、本体開口部130の縁部に合わされながら本体ケース背面122に固定される。第2フランジ512は、後面開口部328の少なくとも一部、具体的には上方および側方を囲む形状を有しており、後面開口部328の縁部に合わされながら後面カバー背面322に固定される。第1フランジ510および第2フランジ512の間をx軸方向につなぐようにカバー部520が配置される。カバー部520は、配線をz軸の正方向側から覆う。なお、カバー部520においてz軸の負方向側は開口する。
さらに、第1フランジ510、第2フランジ512、カバー部520において、z軸の負方向側端は、第3フランジ514によってつながれる。ここで、第1フランジ510、第2フランジ512、第3フランジ514、カバー部520は一体的に形成される。このように本体ケース背面122と後面カバー背面322との間をまたぐ配線は配線カバー500によって覆われるので、仮に本体ケース背面122と後面カバー背面322との間にz軸の正方向側から水が侵入しても、配線がぬれることは防止されるので、防水性が向上する。
電気設備1000を立壁に設置する場合、後面カバー300が立壁に固定されてから、後面カバー300に本体ケース100が取り付けられる。その際、配線カバー500は、本体ケース背面122に固定された状態において、後面カバー背面322に接続される。そのため、第2フランジ512と後面カバー背面322のとの接続は、電気設備1000の設置現場でなされるので、接続状態にバラツキが生じ、防水性が劣化するおそれがある。この防水性の低下を抑制するために、第2フランジ512における後面カバー背面322側の表面には、当該表面の形状に沿った密封溝部530が形成される。密封溝部530には、パッキン等の密封部材が配置される。そのため、第2フランジ512と後面カバー背面322は、密封部材を挟みながら接続される。その結果、接続が強力になって、防水性の劣化が抑制される。なお、第2フランジ512と同様に第1フランジ510、第3フランジ514においても密封溝部530が形成されてもよい。その際、第1フランジ510、第3フランジ514の密封溝部530にも、密封部材が配置される。
なお、配線カバー500において、z軸の負方向側にはカバー部520が形成されておらず、当該方向に配線カバー500は開口する。ここで、第3フランジ514は、z軸の負方向側から配管カバー400によって覆われる。このような構成により、下方からの水の侵入が抑制される。ここで、配管カバー400は、y軸方向における2つの第3フランジ514の間隔に応じたサイズを有する。配管カバー400が大きすぎないので、放熱性の低下が抑制される。また、配管カバー400と配線カバー500とが接続されるので、配管の引込位置と配線の引込位置とがまとめられ、防水対策すべき位置が集約される。本体ケース底面126に配管カバー400が取り付けられた状態において、ボトムカバー124がz軸の負方向側から本体ケース底面126に接続される。
本体ケース背面122には、第1ヒートシンク600および第2ヒートシンク700がy軸方向に並べられる。第1ヒートシンク600、第2ヒートシンク700は、別々の構造であり、本体ケース100に収納された電気機器による発熱をそれぞれ放熱する。第2ヒートシンク700は、第1ヒートシンク600よりもz軸方向の長さが短くなるように形成される。そのため、第1ヒートシンク600のz軸の負方向側のスペースよりも、第2ヒートシンク700のz軸の負方向側のスペースの方が広くなる。このようなスペースを有効利用するために、底面開口部128、本体開口部130は、第2ヒートシンク700のz軸の負方向側に配置される。第1ヒートシンク600および第2ヒートシンク700を覆うように、固定金具132が、本体ケース背面122に接続される。固定金具132は後面カバー背面322にも接続される。
さらに、本体ケース背面122に固定された配線カバー500を後面カバー背面322に接続する際の水の侵入を抑制するために、後面カバー背面322には遮蔽板350が設けられる。遮蔽板350は、後面開口部328のz軸の正方向側においてx軸の正方向側、つまり本体ケース背面122側に向かって突出する。
図9は、配管カバー400の構造を示す斜視図である。配管カバー400は、配管孔402、カバー底面404、防水壁410、防水溝部420、排水孔430を含む。カバー底面404は略矩形状に形成される。カバー底面404には、複数の配管孔402が配置される。カバー底面404には、配管孔402を囲むように防水壁410がz軸の正方向に向かって立設される。また、カバー底面404には、防水壁410を囲むように防水溝部420が設けられる。防水溝部420においては、複数の壁と溝が並ぶ。また、防水溝部420には、カバー底面404をz軸方向に貫通する排水孔430が設けられる。配管カバー400が本体ケース100に取り付けられた場合、防水溝部420は、本体ケース底面126および第3フランジ514に接触する。防水溝部420に侵入した水は、防水壁410を越えて配管孔402側に流れ込まずに壁に沿って溝を流れるとともに、排水孔430から排出される。このような構成によって、配管カバー400から本体ケース100の内部への水の侵入が抑制され、防水性が向上される。
(3)本体ケース構造
図10は、電気設備1000における本体ケース100の構造を示す斜視図である。これは、図3の本体ケース100において電気機器蓋180を取り外した構成に相当する。本体ケース100は、排気ファン164、放熱フィン166、内側ケース底面170、内側ケース開口部172をさらに含む。載置面602には、複数のリアクトル素子610、複数のコイル612、トランス614が配置される。載置面702には、制御基板710、回路712が配置される。前述のごとく、本体ケース100の内部は、内壁154を境界として収納空間150と開口空間152とに分離されており、収納空間150は電気機器を収納し、開口空間152は底面開口部128、本体開口部130、端子部156を含む。
収納空間150には、本体ケース100から内側に離間した内側ケース160が配置される。つまり、本体ケース天面110に対向するように内側ケース天面162が配置され、本体ケース側面116に対向するように内側ケース側面168が配置される。また、z軸の負方向側において、内壁154から対向するように内側ケース底面170が配置される。さらに、内側ケース天面162、内側ケース側面168、内側ケース底面170が本体ケース背面122(図示せず)を囲むことによって、x軸の正方向側に開口した箱形形状の内側ケース160が形成される。なお、本体ケース100は内側ケース160を収納しているので、本体ケース100は「外側ケース」ともいえる。
内側ケース160の内部には、載置面602および載置面702が、x軸の正方向側を向きながらy軸方向に並べられる。ここで、載置面602は、図8に示した第1ヒートシンク600の反対側の面であり、載置面702は、図8に示した第2ヒートシンク700の反対側の面である。そのため、載置面702は、載置面602よりもz軸方向の長さが短くなるように形成される。載置面602および載置面702には、電気機器が搭載される。前述のごとく、電気機器は変換回路である。ここで、変換回路のうち、複数のリアクトル素子610、複数のコイル612、トランス614は載置面602に設置され、制御基板710、回路712は載置面702に設置される。複数のリアクトル素子610、複数のコイル612、トランス614、制御基板710、回路712(以下、それぞれを「回路部品」といったり、これらを「回路部品」と総称したりする)は互いに接続されるが、変換回路の構成には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。なお、回路712にはスイッチ素子が含まれる。
このように構成された電気機器は発熱するので、発熱による温度上昇を抑制するために放熱が必要になる。そのため、内側ケース天面162には、2つの排気ファン164が設けられる。特に、2つの排気ファン164は、電気機器が搭載される載置面602および載置面702のz軸の正方向側に配置される。このような2つの排気ファン164によって、内側ケース160内における電気機器での発熱によって暖められた空気は、本体ケース天面110と内側ケース天面162との間の空間に出力される。
排気ファン164が設けられる内側ケース天面162に対向した本体ケース天面110の外側には、放熱フィン166が設けられる。放熱フィン166によって、本体ケース天面110の外側の空気と、本体ケース天面110の内側の空気との間で熱交換がなされる。そのため、本体ケース天面110と内側ケース天面162との間の空間に出力された空気であって、かつ暖められた空気は、熱交換によって冷やされる。冷えた空気は、内側ケース側面168と本体ケース側面116とに挟まれた部分に形成された空気経路810を通って、収納空間150を内壁154まで進む。空気経路810を進んでいる間も本体ケース側面116を介して熱交換をしながら空気は冷えていく。その後、空気は、内側ケース底面170の内側ケース開口部172を経由したり、載置面702の下方を経由したりして、電気機器を冷却する。さらに、電気機器によって暖められた空気は排気ファン164の方に進むことによって、空気が循環される。
(4)電気機器構造
図11、図12は、第1ヒートシンク600の構造を示す斜視図であり、図11はリアクトル素子610が設置されている場合を示し、図12は、リアクトル素子610が設置されていない場合を示す。また、図13は、第1ヒートシンク600の構造を示すさらに別の斜視図であり、これは、図11、図12の反対側の面を示す。第1ヒートシンク600は、載置面602、放熱フィン604を含む。また、載置面602は、第1格納溝620、第2格納溝622、第3格納溝624、第4格納溝626を含む。リアクトル素子610、コイル612、トランス614には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略するが、複数のリアクトル素子610のそれぞれは、非平面状の接続面616を有する。また、コイル612、トランス614も、非平面状の接続面を有する。非平面状とは、例えば、曲面を含んだ立体形状である。
第1ヒートシンク600において、1つの面には放熱フィン604が設けられる。一方、第1ヒートシンク600において、放熱フィン604が設けられる面とは反対側の載置面602には、複数の回路部品のそれぞれを格納するための第1格納溝620、第2格納溝622、第3格納溝624、第4格納溝626が設けられる。第1格納溝620は、3つのリアクトル素子610を一列に並べて格納するための溝であり、y軸方向よりもz軸方向に長い形状を有する。また、第2格納溝622は、第1格納溝620のy軸の正方向側に配置され、2つのリアクトル素子610を並べて格納するための溝である。
リアクトル素子610は、接続面616を第2格納溝622に向けて、第2格納溝622に格納される。つまり、第2格納溝622の底部の形状は、接続面616の形状に合わせるように形成される。第1格納溝620、第3格納溝624、第4格納溝626についても同様である。第1格納溝620から第4格納溝626に回路部品が格納された状態において、第1格納溝620から第4格納溝626のそれぞれにはポッティング樹脂が注入される。その結果、第1格納溝620から第4格納溝626に回路部品が固定される。第1格納溝620から第4格納溝626は回路部品の接続面の形状に応じて形成されるので、回路部品の接続面が非平面状であっても、第1格納溝620から第4格納溝626への回路部品の格納が容易になる。
放熱フィン604は、後面カバー背面322を向くように本体ケース背面122に固定される。そのため、第1格納溝620から第4格納溝626に固定された回路部品において発熱がなされても、放熱フィン604は、本体ケース100の外側への放熱を実行する。
図14は、第2ヒートシンク700の構造を示す斜視図である。第2ヒートシンク700は、載置面702、放熱フィン704を含む。図10に示した制御基板710、回路712には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略するが、制御基板710、回路712のそれぞれは、平面状の接続面を載置面702に向ける。
第2ヒートシンク700において、1つの面には放熱フィン704が設けられる。一方、第2ヒートシンク700において、放熱フィン704が設けられる面とは反対側の載置面702は、平面状に形成される。載置面702にはポッティング樹脂によって制御基板710、回路712が固定されるが、載置面702、制御基板710、回路712のいずれも平面状の面を有するので、固定が容易になされる。放熱フィン704は、後面カバー背面322を向くように本体ケース背面122に固定される。そのため、載置面702に固定された回路部品において発熱がなされても、放熱フィン704は、本体ケース100の外側への放熱を実行する。
載置面602に第1格納溝620等が形成された第1ヒートシンク600とは異なり、載置面702が平面である第2ヒートシンク700には汎用品を使用可能である。そのため、第2ヒートシンク700を使用することによって製造コストの増加が抑制される。また、接続面が非平面状である回路部品を第1ヒートシンク600に集め、接続面が平面状である回路部品を第2ヒートシンク700に集めるので、複数の回路部品の搭載が容易になされる。
本実施例によれば、前述の(i)〜(ix)の状況を改善するような、屋外に適した構造を有する電気設備1000を提供できる。
(i)前面カバー天面210と本体ケース天面110との2重構造が形成されるので、前面カバー天面210と本体ケース天面110との間の空気層の存在によって、結露の発生を抑制できる。また、前面カバー天面210と本体ケース天面110との2重構造が形成されるので、防水性を向上できる。
(ii)前面カバー天面210と本体ケース天面110との2重構造が形成されるので、前面カバー天面210と本体ケース天面110との間の空気層の存在によって、日射による本体ケース100内部の温度上昇を抑制できる。
(iii)本体ケース100が前面カバー200、後面カバー300によって囲まれるので、本体ケース100の露出を防止できる。また、本体ケース100の露出が防止されるので、本体ケース100の構成に関係なく、外観を損なうことが抑制できる。
(iv)凹んだ形状を有する切り欠き部314が後面フランジ312に複数設けられるので、本体ケース100の内部において発熱がなされても、放熱が促すことができる。また、前面カバー天面210に放熱口212を開口させるので、本体ケース側面116と前面カバー側面216とに挟まれた空間に空気経路800を形成できる。また、本体ケース側面116と前面カバー側面216とに挟まれた空間に空気経路800が形成されるので、本体ケース100の内部において発熱がなされても、空気経路800を通って放熱できる。また、排気ファン164が設けられる内側ケース160の一面に対向した面の外側に放熱フィン166を設けるので、排気ファン164から出力される暖かい空気を放熱フィン166で放熱できる。また、内側ケース側面168と本体ケース側面116とに挟まれた部分に空気経路810が形成されるので、空気を循環させることができる。また、空気が循環するので、電気機器を冷却できる。また、電気機器として変換回路が収納されるので、変換回路を冷却できる。
(v)配管カバー400が底面開口部128よりも大きなサイズを有するので、配管カバー400と底面開口部128との間からの水の侵入を抑制できる。また、配管カバー400は配管孔402を有するので、配管カバー400を本体ケース100に接続したまま、配管を通すことができる。また、配管カバー400において配管孔402を囲む防水壁410が立設されるので、防水溝部420に侵入した水を配管孔402側に流れ込みにくくできる。また、防水壁410を囲む防水溝部420が設けられ、防水溝部420に排水孔430が設けられるので、防水溝部420を流れる水を排水孔430から排出できる。また、防水溝部420を流れる水が排水孔430から排出されるので、配管カバー400から本体ケース100の内部への水の侵入を抑制できる。また、配管カバー400から本体ケース100の内部への水の侵入が抑制されるので、防水性を向上できる。
また、本体ケース背面122と後面カバー背面322との間をまたぐ配線は配線カバー500によって覆われるので、仮に本体ケース背面122と後面カバー背面322との間に水が侵入しても、配線がぬれることを防止できる。また、配線がぬれることが防止されるので、防水性を向上できる。また、壁面および露出配管により電線が引き込まれるが、この引込部分の水や埃の浸入リスクを低減できる。また、暴風雨や暴風時の埃などが引込部分から内部に侵入するリスクを低減できる。また、カバー部520において開放された下方部分が配管カバー400によって覆われるので、下方からの水の侵入を抑制できる。また、配管カバー400と配線カバー500とが接続されるので、配管の引込位置と配線の引込位置とがまとめられ、防水対策すべき位置を集約できる。
(vi)端子部156が開口空間152側に配置されるので、配管あるいは配線が収納空間150に挿入されなくできる。また、配管あるいは配線が収納空間150に挿入されないので、配管あるいは配線を通させるための孔を内壁154に設けることが不要になり、水あるいは塵埃が収納空間150に入ることを防止できる。また。内壁154が設けられるので、収納空間150の防水性を向上できる。
(vii)第2フランジ512と後面カバー背面322は、密封部材を挟みながら接続されるので、接続を強力にできる。また、接続が強力になるので、防水性の劣化を抑制できる。また、防水性の劣化が抑制されるので、電気設備1000に対するメンテナンスの負担を低減できる。
(viii)本体ケース側面116に取手部118が設けられるので、設置時に取手部118を持つことによって安全性を向上できる。また、取手部118が前面カバー側面216を支持するので、前面カバー側面216を薄型化できる。また、前面カバー側面216が薄型化されるので、電気設備1000を軽量化できる。また、取手部118が前面カバー側面216を支持することによって、前面カバー側面216の撓みを抑制できる。また、電気設備1000を設置する際、配管孔402に配管を通させてから、配管カバー400が本体ケース底面126に取り付けられるので、設置時の作業性を向上できる。また、後面カバー300において、後面開口部328の上方に遮蔽板350が設けられるので、設置時における水の侵入を抑制できる。
(ix)第1格納溝620から第4格納溝626は回路部品の接続面の形状に応じて形成されるので、リアクトル素子610、コイル612、トランス614の接続面が非平面状であっても、これらを第1ヒートシンク600に格納することを容易にできる。また、リアクトル素子610、コイル612、トランス614を第1ヒートシンク600に格納することが容易になるので、製造コストの増加を抑制できる。また、載置面602に第1格納溝620等が形成された第1ヒートシンク600とは異なり、載置面702が平面である第2ヒートシンク700には汎用品を使用できる。また、汎用品の第2ヒートシンク700を使用することによって製造コストの増加を抑制できる。また、接続面が非平面状である回路部品を第1ヒートシンク600に集め、接続面が平面状である回路部品を第2ヒートシンク700に集めるので、複数の回路部品の搭載を容易にできる。また、複数の回路部品の搭載が容易になるので、製造コストの増加を抑制できる。
これまで説明した効果に加えて、本実施例によれば次のような効果も得ることができる。本体ケース天面110に本体フランジ112が設けられ、後面カバー天面310には後面フランジ312が設けられるので、暴風雨などにおいて風に巻き上げられた水を一時的に遮蔽できる。また、暴風雨などにおいて風に巻き上げられた水が一時的に遮蔽されるので、防水性をさらに向上できる。また、本体ケース天面110に本体フランジ112が設けられ、後面カバー天面310には後面フランジ312が設けられるので、前面カバー200を取り付ける際の位置合せに利用できる。前面カバー200を取り付ける際の位置合せに本体フランジ112、後面フランジ312が利用されるので、電気設備1000の設置を容易にできる。
また、第1ヒートシンク600と、第1ヒートシンク600よりも上下方向の長さが短い第2ヒートシンク700とを並べるので、第1ヒートシンク600の下方のスペースよりも、第2ヒートシンク700の下方のスペースの方を広くできる。また、第2ヒートシンク700の下方に底面開口部128、本体開口部130を配置するので、このようなスペースを有効利用できる。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。
[項目1−1]
電気機器を収納する本体ケース(100)と、
本体ケース(100)の前方に配置される前面カバー(200)と、
本体ケース(100)の後方に配置される後面カバー(300)とを備え、
本体ケース天面(110)は、前面カバー天面(210)および後面カバー天面(310)の少なくとも一方によって覆われることを特徴とする電気設備(1000)。
[項目1−2]
前面カバー天面(210)は、本体ケース天面(110)および後面カバー天面(310)よりも上方に配置され、
本体ケース天面(110)には、前面カバー(200)に向かって突出する本体フランジ(112)が設けられ、
後面カバー天面(310)には、前面カバー(200)に向かって突出する後面フランジ(312)が設けられることを特徴とする項目(1−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目1−3]
後面フランジ(312)には、切り欠き部(314)あるいは放熱口が設けられることを特徴とする項目(1−2)に記載の電気設備(1000)。
[項目1−4]
前面カバー天面(210)には、放熱口(212)が開口され、
放熱口(212)は、本体ケース側面(116)と前面カバー側面(216)とに挟まれた空気経路(800)の上方に配置されることを特徴とする項目(1−1)から(1−3)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目1−5]
本体ケース側面(116)には、取手部(118)が設けられ、
取手部(118)は、前面カバー側面(216)を支持することを特徴とする項目(1−1)から(1−4)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目1−6]
本体ケース底面(126)に設けられる底面開口部(128)であって、下方からの配管を本体ケース(100)の内部に挿入する底面開口部(128)を下方から覆う配管カバー(400)をさらに備え、
配管カバー(400)は、底面開口部(128)よりも大きなサイズを有するとともに、配管を通させる配管孔(402)を有することを特徴とする項目(1−1)から(1−5)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目1−7]
配管カバー(400)には、配管孔(402)を囲む防水壁(410)が立設されることを特徴とする項目(1−6)に記載の電気設備(1000)。
[項目1−8]
配管カバー(400)には、防水壁(410)を囲む防水溝部(420)が設けられ、
防水溝部(420)には、配管カバー(400)を貫通する排水孔(430)が設けられることを特徴とする項目(1−7)に記載の電気設備(1000)。
[項目1−9]
本体ケース(100)には、電気機器を収納すべき収納空間(150)と底面開口部(128)とを分離する内壁(154)が設けられ、
内壁(154)の底面開口部(128)側には、配管を接続する端子部(156)が設けられることを特徴とする項目(1−6)から(1−8)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目2−1]
電気機器を収納する本体ケース(100)と、
本体ケース(100)の後方に配置される後面カバー(300)と、
後面カバー(300)と本体ケース(100)との間に配置される配線カバー(500)とを備え、
後面カバー(300)には、配線を通させる後面開口部(328)が設けられ、
本体ケース(100)における後面カバー(300)に対向した面には、後面開口部(328)からの配線を本体ケース(100)の内部に挿入する本体開口部(130)が設けられ、
配線カバー(500)は、本体開口部(130)の少なくとも一部を囲みながら本体ケース(100)に接続される第1フランジ(510)と、後面開口部(328)の少なくとも一部を囲みながら後面カバー(300)に接続される第2フランジ(512)と、第1フランジ(510)と第2フランジ(512)とをつないで配線を覆うカバー部(520)とを備えることを特徴とする電気設備(1000)。
[項目2−2]
第2フランジ(512)には、密封部材を配置する密封溝部(530)が設けられ、
第2フランジ(512)と後面カバー(300)は、密封部材を挟みながら接続されることを特徴とする項目(2−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目2−3]
後面カバー(300)には、後面開口部(328)の上方において本体ケース(100)に向かって突出する遮蔽板(350)が設けられることを特徴とする項目(2−1)または(2−2)に記載の電気設備(1000)。
[項目2−4]
本体ケース(100)には、電気機器を収納すべき収納空間(150)と本体開口部(130)とを分離する内壁(154)が設けられ、
内壁(154)の本体開口部(130)側には、配線を接続する端子部(156)が設けられることを特徴とする項目(2−1)から(2−3)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目2−5]
本体ケース(100)には、第1ヒートシンク(600)と、第1ヒートシンク(600)よりも上下方向の長さが短い第2ヒートシンク(700)とが設けられ、
本体開口部(130)は、第2ヒートシンク(700)の下方に配置されることを特徴とする項目(2−1)から(2−4)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目2−6]
本体ケース底面(126)において、本体開口部(130)の近傍に設けられる底面開口部(128)であって、下方からの配管を本体ケース(100)の内部に挿入する底面開口部(128)を下方から覆う配管カバー(400)をさらに備え、
配管カバー(400)は、底面開口部(128)よりも大きなサイズを有するとともに、配管を通させる配管孔(402)を有し、
カバー部(520)において開放された下方部分は、配管カバー(400)によって覆われることを特徴とする項目(2−1)から(2−5)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目3−1]
電気機器を収納する内側ケース(160)と、
内側ケース(160)を収納する本体ケース(100)とを備え、
内側ケース(160)の一面には、排気ファン(164)が設けられ、
本体ケース(100)において、排気ファン(164)が設けられる内側ケース(160)の一面に対向した面の外側には、放熱フィン(166)が設けられることを特徴とする電気設備(1000)。
[項目3−2]
排気ファン(164)は、内側ケース天面(162)であって、かつ電気機器を収納すべき収納空間(150)の上方の内側ケース天面(162)に配置され、
内側ケース側面(168)と本体ケース側面(122)とに挟まれた部分に空気経路(810)が形成されることを特徴とする項目(3−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目3−3]
内側ケース(160)は、電気機器として、直流電力を交流電力に変換する変換回路を収納することを特徴とする項目(3−1)または(3−2)に記載の電気設備(1000)。
[項目3−4]
内側ケース(160)は、電気機器として、二次電池を収納することを特徴とする項目(3−1)から(3−3)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目4−1]
複数の回路部品と、
複数の回路部品を収納する本体ケース(100)とを備え、
複数の回路部品のそれぞれは、非平面状の接続面(616)を有し、
本体ケース(100)には、複数の回路部品を接続する第1ヒートシンク(600)が配置され、
第1ヒートシンク(600)において放熱フィン(604)が設けられる面とは反対側の面には、複数の回路部品のそれぞれを接続面(616)側から格納する第1格納溝(620)、第2格納溝(622)、第3格納溝(624)、第4格納溝(626)が複数設けられることを特徴とする電気設備(1000)。
[項目4−2]
複数の回路部品は、リアクトル素子(610)を含むことを特徴とする項目(4−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目4−3]
本体ケース(100)は、平面状の接続面を有する別の種類の回路部品も収納し、
本体ケース(100)には、別の種類の回路部品を接続する第2ヒートシンク(700)も配置され、
第2ヒートシンク(700)において放熱フィン(704)が設けられる面とは反対側の面は、平面状に形成されることを特徴とする項目(4−1)または(4−2)に記載の電気設備(1000)。
[項目4−4]
別の種類の回路部品は、スイッチ素子を含むことを特徴とする項目(4−3)に記載の電気設備(1000)。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に屋外に設置される電気設備に関する。実施例2では、次のような状況を考慮する。本体ケース100の内壁154における開口空間152側には、複数の端子部156が配置される。内壁154における開口空間152側の面は下方を向いているので、各端子部156も下方を向く。端子部156が速結端子台である場合、配線は下方から端子部156に差し込まれる。しかしながら、端子部156が下を向いていると、配線の差込部分が見にくく、作業性が向上しない。一方、作業性を向上するように内壁154を配置させた場合であっても、本体ケース100における収納空間150の縮小を抑制するために、電気機器が効率よく収納されることが望まれる。実施例2は、実施例1との差異を中心に説明する。
図15(a)−(b)は、本発明の実施例2に係る電気設備1000の構造を示す。図15(a)は、電気設備1000の構造を示す正面図であり、図6と同様に示される。また、図15(b)は、電気設備1000の構造を示す斜視図であり、図3と同様に示される。なお、これらでは、電気設備1000のうちの本体ケース100が示され、本体ケース100の前方に配置される前面カバー200、本体ケース100の後方に配置される後面カバー300は省略される。
本体ケース100は、前述のごとく、本体ケース天面110、本体ケース側面116、本体ケース背面122、本体ケース底面126で囲まれた箱形状に形成され、前側に開口する。本体ケース100の内部の上側には収納空間150が配置され、収納空間150の下側には開口空間152が配置される。
収納空間150には、箱形状の内側ケース160が配置され、内側ケース160には、電気機器が収納される。ここで、内側ケース160の前側に形成された開口部分は電気機器蓋180によって覆われる。開口空間152には、本体開口部130が配置される。本体開口部130を介して、図示しない後面カバー300における後面開口部328からの配線が開口空間152に挿入される。
さらに、本体ケース100の内部には、収納空間150と開口空間152とを分離する内壁154がy軸方向に延びて配置される。実施例1において内壁154は略x−y平面に沿った板形状を有していたが、ここでの内壁154の形状は実施例1と異なる。内壁154の詳細は後述するが、内壁154では、前側に配置された傾斜面190と、後側に配置された水平面192が結合される。また、傾斜面190の最も前側の一端よりも、水平面192の最も後側の一端の方が下側になるように、内壁154は傾斜される。内壁154の開口空間152側には、図示しない配線を接続する端子部156が設けられる。特に、端子部156は、傾斜面190に配置される。前述のごとく、端子部156が開口空間152側に配置されるので、配管あるいは配線は収納空間150に挿入されない。これにより、配管あるいは配線を通すための孔を内壁154に設けることが不要になり、水あるいは塵埃が収納空間150に入ることが防止される。
図16(a)−(b)は、電気設備1000の構造を示す別の図である。図16(a)は、図15(b)において内壁154を取り外した本体ケース100の構造を示す斜視図であり、図16(b)は、本体ケース側面116を除外した本体ケース100の構造を示す側面図である。
内壁154は、前述のごとく、傾斜面190、水平面192を含むとともに、上側フランジ186、下側フランジ188を含む。ここで、上側フランジ186、下側フランジ188、傾斜面190、水平面192は一体的に形成される。上側フランジ186は、y軸方向に長く、かつy−z平面を向くように形成される。上側フランジ186の最も下側は、傾斜面190における前面カバー200(図示せず)側の一端に接続される。傾斜面190は、前面カバー200側の一端から、前面カバー200と後面カバー300との間の部分である中間部分194に向かって下がる。つまり、傾斜面190は、前側から後側に向かって下がるような傾斜を有する。
傾斜面190には、複数の開口部196が設けられ、各開口部196は端子部156等を貫通させる。そのため、内壁154が本体ケース100に取り付けられた場合、端子部156は傾斜面190に設けられる。また、傾斜面190の傾斜に合わせて、端子部156も前側を向くように傾く。端子部156は、例えば速結端子台であるが、傾斜面190の傾斜に合わせて前側を向くように傾くことによって、配線の差込部分が見えやすくなる。そのため、配線の接続が容易になり、作業性が向上する。なお、中間部分194は、傾斜面190に複数の端子部156が設けられるような位置に配置されればよい。
水平面192は、傾斜面190における中間部分194から後面カバー300側の一端に向かって、略x−y平面に沿う。そのため、水平面192は、傾斜面190よりも水平であるx−y平面に近い。内壁154を傾斜面190だけで形成するのではなく、水平面192と組み合わせることによって、収納空間150の縮小が抑制される。そのため、電気機器を効率よく収納することが可能になる。傾斜面190の後面カバー300側の一端から下側に向かって下側フランジ188が接続される。下側フランジ188は、y軸方向に長く、かつy−z平面を向くように形成される。
図16(a)−(b)に示されるように、内壁154は、本体ケース100に対して着脱可能に設けられる。着脱可能であるので、工場等において本体ケース100に電気機器を収納する作業を実行している間、内壁154は本体ケース100から取り外される。これにより、内壁154を取りつけるべき部分の空間が生まれ、作業性が向上する。以下では、内壁154を本体ケース100に取りつけるための構造を説明する。
傾斜面190におけるy軸方向の両端部分のそれぞれには、ネジ孔198が設けられる。ネジ孔198には、内壁154を本体ケース100に取りつける場合にネジが挿入される。ここで、ネジ孔198および本体ケース100のネジ孔は、傾斜面190に垂直な方向に形成されるので、ネジは傾斜面190に向かって挿入される。ネジ孔198および本体ケース100のネジ孔が、傾斜面190に垂直な方向に形成されるので、これらの方向を、傾斜面190に垂直な方向から変えるための構造が不要なる。また、下側フランジ188にも複数のネジ孔198が並べられる。これらにも、内壁154を本体ケース100に取りつける場合にネジが挿入される。
本実施例によれば、前面カバー200側の一端よりも後面カバー300側の一端の方が下方になるように傾斜して内壁154が配置されるので、端子部156を内壁154に合わせて傾けることができる。また、端子部156が内壁154に合わせて傾けられるので、配線の差込部分を見やすくできる。また、配線の差込部分が見やすくなるので、作業性を向上できる。また、作業性が向上するので、屋外に適した構造を有する電気設備1000を提供できる。また、内壁154は本体ケース100に対して着脱可能に設けられるので、作業中に内壁154を本体ケース100から外し、作業が終了した場合に内壁154を本体ケース100に取り付けることができる。また、作業中に内壁154を本体ケース100から外すので、作業性を向上できる。
また、内壁154は傾斜面190と水平面192との組合せで形成されるので、傾斜面190に端子部156を設けることによって、端子部156を傾斜面190に合わせて傾けることができる。また、水平面192を設けることによって、収納空間150の縮小を抑制できる。また、傾斜面190には、傾斜面190に向かってネジを挿入するためのネジ孔198が設けられるので、ネジを取りつけるための構造を簡易にできる。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。
[項目5−1]
電気機器を収納する本体ケース(100)と、
前記本体ケース(100)の前方に配置される前面カバー(200)と、
前記本体ケース(100)の後方に配置される後面カバー(300)とを備え、
前記後面カバー(300)には、配線を通させる後面開口部(328)が設けられ、
前記本体ケース(100)における前記後面カバー(300)に対向した面には、前記後面開口部(328)からの前記配線を前記本体ケース(100)の内部に挿入する本体開口部(130)が、前記電気機器を収納すべき部分の下方に設けられ、
前記本体ケース(100)には、前記電気機器を収納すべき部分と前記本体開口部(130)とを分離する内壁(154)であって、かつ前記前面カバー(200)側の一端よりも前記後面カバー(300)側の一端の方が下方になるように傾斜した内壁(154)が設けられ、
前記内壁(154)の前記本体開口部(130)側には、前記配線を接続する端子部(156)が設けられることを特徴とする電気設備(1000)。
[項目5−2]
前記内壁(154)は、前記本体ケース(100)に対して着脱可能に設けられることを特徴とする項目(5−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目5−3]
前記内壁(154)は、前記前面カバー(200)側の一端から、前記前面カバー(200)と前記後面カバー(300)との間の部分に向かって下がる傾斜面(190)と、前記前面カバー(200)と前記後面カバー(300)との間の部分から前記後面カバー(300)側の一端に向かって、前記傾斜面(190)よりも水平に近い水平面(192)とを有し、
前記傾斜面(190)には前記端子部(156)が設けられることを特徴とする項目(5−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目5−4]
前記傾斜面(190)には、前記内壁(154)を前記本体ケース(100)に取りつけるためのネジ孔(198)であって、かつ前記傾斜面(190)に向かってネジを挿入するためのネジ孔(198)が設けられることを特徴とする項目(5−3)に記載の電気設備(1000)。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に屋外に設置される電気設備に関する。実施例3では、次のような状況を考慮する。本体ケース100の本体ケース背面122に配置された第1ヒートシンク600、第2ヒートシンク700は、本体ケース100に収納された電気機器による発熱を放熱する。そのため、第1ヒートシンク600、第2ヒートシンク700の上側に配置される後面カバー300の後面カバー天面310は、放熱によって熱くなる可能性がある。一方、後面カバー天面310をすべて開口させれば放熱の効率が向上するが、開口から異物が侵入するおそれがある。そのため、異物の侵入を防止しながら、熱くなることを抑制することが望まれる。実施例3は、これまでとの差異を中心に説明する。
図17は、本発明の実施例3に係る電気設備1000の構造を示す斜視図であり、図2と同様に示される。図18(a)−(b)は、電気設備1000の構造を示す分解斜視図であり、図3あるいは図7と同様に示される。ここで、図18(b)は、図18(a)の後面カバー300と着脱カバー900とを拡大した斜視図である。実施例1における電気設備1000は、本体ケース100、前面カバー200、後面カバー300を含んでいるが、実施例3における本体ケース100には、着脱カバー900がさらに追加される。本体ケース100は電気機器を収納し、前面カバー200は本体ケース100の前方に配置される。これらはこれまでと同様の形状を有する。
後面カバー300は、本体ケース背面122を覆うように、本体ケース100の後方に配置される。後面カバー300は、後面カバー天面310、後面カバー側面316、後面カバー背面322、背面カバー底面326で囲まれた箱形状に形成され、前側に開口する。また、後面カバー背面322には、配線を通させる後面開口部328が設けられるとともに、後面カバー背面322が図示しない建物等の立壁に固定される。
後面カバー天面310には、第1開口領域370、第2開口領域372、第3開口領域374がy軸方向に並べられる。第1開口領域370、第2開口領域372、第3開口領域374のそれぞれは、後面カバー天面310を矩形状に貫通する。第1開口領域370、第2開口領域372、第3開口領域374は開口領域と総称されてもよい。第1開口領域370と第2開口領域372との間には境界板376が配置されるとともに、第2開口領域372と第3開口領域374との間にも境界板376が配置される。これらの境界板376によって、第1開口領域370、第2開口領域372、第3開口領域374が形成されているともいえる。
着脱カバー900は、後面カバー300の後面カバー天面310に着脱可能に配置される。着脱カバー900は、着脱カバー天面910、着脱フランジ912、着脱カバー上面914を含み、これらは、後面カバー300よりも低い熱伝導性を有する材料、例えば樹脂素材によって一体的に形成される。着脱カバー天面910は、x軸方向よりもy軸方向に長い矩形状の面を有するように板状に形成される。着脱カバー天面910の最も前側の縁部から上側に向かって着脱フランジ912が立設されるとともに、着脱フランジ912の最も上側の縁部から前側に向かって着脱カバー上面914が延びる。
着脱カバー900の着脱カバー天面910には、第1領域920、第2領域922、第3領域924がy軸方向に並べられる。ここで、第1領域920と第1開口領域370は互いに対向し、第2領域922と第2開口領域372は互いに対向し、第3領域924と第3開口領域374は互いに対向する。第1領域920、第2領域922、第3領域924のそれぞれには、複数の孔930が配置される。各孔930は、着脱カバー天面910を貫通するように形成されるので、孔930は後面カバー300の開口領域と連通する。
第1領域920と第2領域922との間には境界領域926が配置されるとともに、第2領域922と第3領域924との間にも境界領域926が配置される。ここで、境界領域926と境界板376は互いに対向する。境界領域926には、孔930が形成されていない。一方、境界領域926におけるy軸方向の幅は、第1領域920等において隣接した2つの孔930の間隔よりも大きくされる。さらに、着脱カバー天面910におけるy軸方向の端部のそれぞれには、ネジ孔960が配置される。ネジ孔960には、着脱カバー900を後面カバー300に取りつける場合にネジが挿入される。
着脱フランジ912は、後面カバー300の後面フランジ312に沿って配置され、着脱カバー上面914は、本体ケース100の本体ケース天面110の一部を覆うように配置される。これによって、着脱カバー上面914は、前面カバー200の前面カバー天面210と、本体ケース100の本体ケース天面110との間に配置される。前面カバー天面210と本体ケース天面110との間に、熱伝導性の低い着脱カバー上面914が挟まれることによって、前面カバー天面210と本体ケース天面110との間の熱伝導が抑制される。
図19は、後面カバー300と着脱カバー900との構造を示す分解斜視図である。これは、図18(c)を逆方向から見た場合に相当する。着脱カバー天面910の第1領域920、第2領域922、第3領域924のそれぞれにおける後面カバー天面310側の面、つまり下側の面には、複数のリブ部950が配置される。リブ部950は、棒状の形状を有し、x軸方向あるいはy軸方向に延びる。ここで、リブ部950は、複数の孔930を回避するように配置される。リブ部950は、着脱カバー天面910の強度を増加するために形成される。着脱カバー900が後面カバー300に取りつけられた場合、リブ部950は、後面カバー300の後面カバー天面310における第1開口領域370、第2開口領域372、第3開口領域374のそれぞれに収納される。これにより、リブ部950による着脱カバー天面910の厚みの増加が抑制される。
着脱カバー天面910における後面カバー天面310側の面には、y軸の正方向側に向かって延びる爪部940が設けられる。具体的に説明すると、爪部940は、第1領域920から境界領域926に向かって延びるとともに、第2領域922から境界領域926に向かって延びる。爪部940は、後面カバー天面310の境界板376にかみ合わされる。そのため、後面カバー背面322が立壁に固定されている場合であっても、着脱カバー天面910を後面カバー天面310に合わせてから、着脱カバー900をy軸の正方向側にスライドさせることによって、爪部940を境界板376にかみ合わせることができる。
着脱カバー天面910の中央部分では、着脱カバー900と後面カバー300との固定が爪部940によってなされるので、ネジが不要になる。後面カバー天面310の中央部分は、放熱によって高温になっているので、ネジが不要になることによって作業性が向上する。爪部940による着脱カバー900と後面カバー300との固定がなされてから、前述のネジ孔960にネジが挿入される。ネジ孔960は、後面カバー天面310の中央部分から外れているので、この部分では放熱による温度上昇が抑制される。その後、前面カバー200が取りつけられる。
本実施例によれば、後面カバー300よりも低い熱伝導性を有する着脱カバー900を後面カバー天面310に配置するので、放熱によって熱くなることを抑制できる。また、放熱によって熱くなることが抑制されるので、作業性を向上できる。また、作業性が向上するので、屋外に適した構造を有する電気設備1000を提供できる。また、着脱カバー900を後面カバー天面310に配置するので、後面カバー天面310での開口を大きくする場合であっても、着脱カバー900によって異物の侵入を抑制できる。
また、着脱カバー900は着脱可能であるので、取り替えることができる。また、着脱カバー900には、後面カバー天面310の第1開口領域370から第3開口領域374と連通する複数の孔930が配置されるので、放熱の効率の低下を抑制できる。また、着脱カバー900には境界領域926で区切られた第1領域920から第3領域924が配置され、境界領域926には孔930が設けられないので、後面カバー300からの熱を伝導しにくい部分を形成できる。また、後面カバー300からの熱を伝導しにくい部分が形成されるので、表面が高温になることを抑制できる。
また、着脱カバー天面910における後面カバー天面310の面には、後面カバー天面310の境界板376にかみ合わされる爪部940が設けられるので、高温になる後面カバー天面310の中央部分への着脱カバー900の取付を容易にできる。また、着脱カバー天面910における後面カバー天面310の面には、後面カバー天面310の境界板376にかみ合わされる爪部940が設けられるので、高温になる後面カバー天面310の中央部分への着脱カバー900の取付にネジを不要にできる。また、着脱カバー天面910には、リブ部950が配置されるので、着脱カバー天面910の強度を向上できる。
また、着脱カバー900における端部には、着脱カバー900を後面カバー300に取りつけるためのネジ孔960が配置されるので、高温になりにくい部分において、後面カバー300に着脱カバー900をネジで固定できる。また、着脱カバー上面914は、前面カバー天面210と本体ケース天面110との間に配置されるので、前面カバー200と後面カバー300との間の熱伝導を抑制できる。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。
[項目6−1]
電気機器を収納する本体ケース(100)と、
前記本体ケース(100)の前方に配置される前面カバー(200)と、
前記本体ケース(100)の後方に配置される後面カバー(300)と、
前記後面カバー天面(310)に着脱可能に配置され、かつ前記後面カバー(300)よりも低い熱伝導性を有する着脱カバー(900)と、
を備えることを特徴とする電気設備(1000)。
[項目6−2]
前記後面カバー天面(310)には第1開口領域〜第3開口領域(370〜374)が配置され、
前記着脱カバー(900)には、前記第1開口領域〜第3開口領域(370〜374)の少なくとも一部と連通する複数の孔(930)が配置されることを特徴とする項目(6−1)に記載の電気設備(1000)。
[項目6−3]
前記着脱カバー(900)は、
第1領域(920)と、
第2領域(922)と、
前記第1領域(920)と前記第2領域(922)との間に配置される境界領域(926)とを備え、
前記第1領域(920)と前記第2領域(922)のそれぞれには、複数の孔(930)が配置され、
前記境界領域(926)には、孔(930)が非配置であり、
前記境界領域(926)における幅であって、かつ前記第1領域(920)と前記第2領域(922)との間の幅は、隣接した2つの孔(930)の間隔よりも大きいことを特徴とする項目(6−2)に記載の電気設備(1000)。
[項目6−4]
前記後面カバー天面(310)における前記第1開口領域〜第3開口領域(370〜374)は、前記着脱カバー(900)の前記第1領域(920)に対向する第1開口領域(370)と、前記着脱カバー(900)の前記第2領域(922)に対向する第2開口領域(372)を含み、
前記後面カバー天面(310)には、前記第1開口領域(370)と前記第2開口領域(372)との間に配置され、かつ前記着脱カバー(900)の前記境界領域(926)に対向する境界板(376)が配置され、
前記着脱カバー(900)における前記後面カバー天面(310)側の面には、前記後面カバー(300)の前記境界板(376)にかみ合わされる爪部(940)が設けられることを特徴とする項目(6−3)に記載の電気設備(1000)。
[項目6−5]
前記着脱カバー(900)の前記第1領域(920)と前記第2領域(922)とのそれぞれにおける前記後面カバー天面(310)側の面には、前記複数の孔(930)を回避するような形状のリブ部(950)が配置され、
前記リブ部(950)は、前記後面カバー(300)の前記第1開口領域(370)と前記第2開口領域(372)のそれぞれに収納されることを特徴とする項目(6−4)に記載の電気設備(1000)。
[項目6−6]
前記着脱カバー(900)における端部であって、かつ前記第1領域(920)と前記第2領域(922)とを結ぶ方向における端部には、前記着脱カバー(900)を前記後面カバー(300)に取りつけるためのネジ孔(960)が配置されることを特徴とする項目(6−3)から(6−5)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
[項目6−7]
前記前面カバー天面(210)は、前記本体ケース天面(110)を覆うように配置され、
前記着脱カバー(900)は、前記前面カバー天面(210)と、前記本体ケース天面(110)との間に配置されることを特徴とする項目(6−1)から(6−6)のいずれか1項に記載の電気設備(1000)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1乃至3において、内側ケース160には、電気機器として変換回路が収納されている。しかしながらこれに限らず例えば、内側ケース160には、電気機器として二次電池が収納されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施例1乃至3の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1乃至3の任意の組合せによる効果を得ることができる。
100 本体ケース(外側ケース)、 110 本体ケース天面(本体ケースの天面)、 112 本体フランジ、 116 本体ケース側面、 118 取手部、 122 本体ケース背面、 124 ボトムカバー、 126 本体ケース底面、 128 底面開口部、 130 本体開口部、 132 固定金具、 134 配管孔、 150 収納空間、 152 開口空間、 154 内壁、 156 端子部、 160 内側ケース、 162 内側ケース天面、 164 排気ファン、 166 放熱フィン、 168 内側ケース側面、 170 内側ケース底面、 172 内側ケース開口部、 180 電気機器蓋、 190 傾斜面、 192 水平面、 194 中間部分、 196 開口部、 198 ネジ孔、 200 前面カバー、 210 前面カバー天面(前面カバーの天面)、 212 放熱口、 216 前面カバー側面、 220 前面カバー正面、 300 後面カバー、 310 後面カバー天面(後面カバーの天面)、 312 後面フランジ、 314 切り欠き部、 316 後面カバー側面、 322 後面カバー背面、 326 背面カバー底面、 328 後面開口部、 350 遮蔽板、 360 スリット、 400 配管カバー、 402 配管孔、 404 カバー底面、 410 防水壁、 420 防水溝部、 430 排水孔、 500 配線カバー、 510 第1フランジ、 512 第2フランジ、 514 第3フランジ、 520 カバー部、 530 密封溝部、 600 第1ヒートシンク(ヒートシンク)、 602 載置面、 604 放熱フィン、 610 リアクトル素子(回路部品)、 612 コイル(回路部品)、 614 トランス(回路部品)、 616 接続面、 620 第1格納溝(格納溝)、 622 第2格納溝(格納溝)、 624 第3格納溝(格納溝)、 626 第4格納溝(格納溝)、 700 第2ヒートシンク(別のヒートシンク)、 702 載置面、 704 放熱フィン、 710 制御基板(回路部品)、 712 回路(回路部品)、 800,810 空気経路(空気の経路)、 900 着脱カバー、 910 着脱カバー天面、 912 着脱フランジ、 914 着脱カバー上面、 920 第1領域、 922 第2領域、 924 第3領域、 926 境界領域、 930 孔、 940 爪部、 950 リブ部、 960 ネジ孔、 1000 電気設備。

Claims (4)

  1. 電気機器を収納する本体ケースと、
    前記本体ケースの前方に配置される前面カバーと、
    前記本体ケースの後方に配置される後面カバーとを備え、
    前記後面カバーには、配線を通させる後面開口部が設けられ、
    前記本体ケースにおける前記後面カバーに対向した面には、前記後面開口部からの前記配線を前記本体ケースの内部に挿入する本体開口部が、前記電気機器を収納すべき部分の下方に設けられ、
    前記本体ケースには、前記電気機器を収納すべき部分と前記本体開口部とを分離する内壁であって、かつ前記前面カバー側の一端よりも前記後面カバー側の一端の方が下方になるように傾斜した内壁が設けられ、
    前記内壁の前記本体開口部側には、前記配線を接続する端子部が設けられることを特徴とする電気設備。
  2. 前記内壁は、前記本体ケースに対して着脱可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気設備。
  3. 前記内壁は、前記前面カバー側の一端から、前記前面カバーと前記後面カバーとの間の部分に向かって下がる傾斜面と、前記前面カバーと前記後面カバーとの間の部分から前記後面カバー側の一端に向かって、前記傾斜面よりも水平に近い水平面とを有し、
    前記傾斜面には前記端子部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気設備。
  4. 前記傾斜面には、前記内壁を前記本体ケースに取りつけるためのネジ孔であって、かつ前記傾斜面に向かってネジを挿入するためのネジ孔が設けられることを特徴とする請求項3に記載の電気設備。
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