JP2022173880A - Ldモジュール、光学デバイス及び熱加工機 - Google Patents

Ldモジュール、光学デバイス及び熱加工機 Download PDF

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Abstract

【課題】LDチップに生じた熱を効率的に放熱できるようにすること。【解決手段】LDモジュール1は、光を出射するLDチップ4と、第1電極11と、第2電極12と、を備える。第1電極11は、LDチップ4の第1面41と電気的に接続される。第2電極12は、LDチップ4の第1面41と対向する第2面42と電気的に接続される。第2電極12のLDチップ4の第2面42と電気的に接続される面と反対側の面が、筐体に配置される配置面121となる。第2電極12の少なくとも一部は、第1面41を含む面411を基準として、第2面42と反対方向の領域に位置する。【選択図】図1

Description

本開示はLD(Laser Diode)モジュール、光学デバイス及び熱加工機に関し、より詳細には、LDチップを含むLDモジュールと、このLDモジュールを有する光学デバイスと、この光学デバイスを有する熱加工機とに関する。
特許文献1は、半導体レーザの電極面と直接又はサブマウントを介して接触する引出し電極を有する半導体レーザ装置を開示している。半導体レーザ装置において、表面積が拡大された電極面が、引き出し電極又はサブマウントと接触する。
特開2003-086883号公報
特許文献1に記載されているような半導体レーザ装置では、引出し電極と接触する半導体レーザ(LDチップ)の電極面と反対側の電極面に生じた熱の放熱が不十分となる可能性があった。
本開示は上記事由に鑑みてなされ、LDチップに生じた熱を効率的に放熱することができるLDモジュール、光学デバイス及び熱加工機を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るLDモジュールは、光を出射するLDチップと、第1電極と、第2電極と、を備える。前記第1電極は、前記LDチップの第1面と電気的に接続される。前記第2電極は、第2面と電気的に接続される。前記第2面は、前記第1面と対向する前記LDチップの面である。前記第2電極の前記LDチップの前記第2面と電気的に接続される面と反対側の面が、筐体に配置される配置面となる。前記第2電極の少なくとも一部は、前記第1面を含む面を基準として、前記第2面と反対方向の領域に位置する。
本開示の一態様に係る光学デバイスは、前記LDモジュールと、前記筐体と、コリメートレンズと、ツイストレンズと、を備える。前記筐体には、前記LDモジュールが配置される。前記コリメートレンズは、光の一方向における広がりを抑制する。前記ツイストレンズは、光の偏光方向を回転させる。
本開示の一態様に係る熱加工機は、前記光学デバイスを備える。
本開示によれば、LDチップに生じた熱を効率的に放熱することができる、という利点がある。
図1Aは、実施形態に係るLDモジュールを模式的に示す側断面図である。図1Bは、図1Aの領域A1を拡大した模式図である。 図2は、同上のLDモジュールの概要を示す斜視図である。 図3は、同上のLDモジュールを有する光学デバイスを模式的に示す側面図である。 図4は、同上の光学デバイスを有する熱加工機の概要を示す説明図である。 図5は、同上の光学デバイスの機能を説明するための説明図である。 図6は、変形例1のLDモジュールを模式的に示す側断面図である。 図7は、変形例2のLDモジュールを模式的に示す側断面図である。
本開示の実施形態に係るLDモジュール1、光学デバイス2及び熱加工機3について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
(1)概要
まず、本実施形態に係るLDモジュール1、光学デバイス2及び熱加工機3の概要について、図1A~図4を参照して説明する。
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態のLDモジュール1は、光を出射するLDチップ4を備える。LDチップ4は例えば矩形板状であり、矩形板状の厚み方向に対向する第1面41及び第2面42を有する。
LDモジュール1は、第1面41と電気的に接続される第1電極11と、第2面42と電気的に接続される第2電極12と、を備える。
LDモジュール1においては、第2電極12においてLDチップ4の第2面42と電気的に接続される面(後述する第2接続面122)と反対側の面が、後述する筐体5に配置される配置面121となる。
また、第2電極12の少なくとも一部は、LDチップ4の第1面41を含む面411を基準として、第2面42と反対方向の領域に位置する。以下において詳細を説明する。
本実施形態では、図1A~図2に示すように、LDモジュール1は、第1電極11と第2電極12とが、LDチップ4を介して組み合されることで形成される。換言すると、組み合された第1電極11と第2電極12との間の空間である境界層6に、LDチップ4が配置される。
ここで、第1電極11において、第2電極12と対向する面は、LDチップ4が配置される第1接続面111と、第1接続面111と角度θ1をなして連続する第1境界面112とを含む。また第2電極12において、第1電極11と対向する面は、第1電極11の第1接続面111と例えば平行な第2接続面122と、第1電極11の第1境界面112と例えば平行な第2境界面125とを含む。つまり、第2接続面122と第2境界面125とは角度θ1をなして連続する。ここで、角度θ1は180度未満であることが好ましく、第1電極11の第1接続面111と第1境界面112とがなす角度θ1と、第2電極12の第2接続面122と第2境界面125とがなす角度θ1とはそれぞれ180度未満に設定されている。
境界層6は、2つの空間(第1境界層61及び第2境界層62)を含む。ここで、第1境界層61は第1接続面111と第2接続面122との間の空間である。また第2境界層62は、第1境界面112と第2境界面125との間の空間である。
LDチップ4は第1境界層61において、第1面41を第1電極11の第1接続面111、第2面42を第2電極12の第2接続面122にそれぞれ電気的に接続された状態で配置される。ここで、第1接続面111及び第2接続面122のそれぞれは、例えばLDチップ4の第1面41及び第2面42の面積以上の面積をもつ。
ここで、LDチップ4の第1面41を含む仮想面である面411は、図1Aに示すように、第2電極12を仮想的に分割することになる。換言すると、第2電極12は、第1面41を仮想的に拡大した面411を基準として、LDチップ4の第2面42の方向の領域に位置する第1部分123と、第2面と反対方向の領域に位置する第2部分124とに仮想的に分割される。なお、第1部分123と、第2部分124とは実際には継ぎ目なく連続しており、シームレスに一体化されている。これにより、本実施形態のLDモジュール1は、LDチップ4に生じた熱を第2電極12の第1部分123及び第2部分124の両方から放熱することができる。
また図3に示すように、LDモジュール1は、筐体5と、コリメートレンズ7と、ツイストレンズ8と共に光学デバイス2を構成する。換言すると、光学デバイス2は、LDモジュール1と、筐体5と、コリメートレンズ7と、ツイストレンズ8と、を備える。筐体5には、上述したようにLDモジュール1が配置される。コリメートレンズ7は、光の一方向における広がりを抑制する。つまりコリメートレンズ7は、光の平行化を行うレンズである。ツイストレンズ8は、光の偏光方向を例えば90度回転させる。また、光学デバイス2は、集束光学系23を更に備えてもよい。なお集束光学系23は光学デバイス2に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
本実施形態では、図4に示すように、1つの光学デバイス2は例えば1つの筐体5を有し、1つの筐体5上に例えば3つのLDモジュール1を備える。また1つの光学デバイス2は、例えば6つのコリメートレンズ7と、例えば3つのツイストレンズ8を備える。詳細には、3つのLDモジュール1のそれぞれには、例えば2つのコリメートレンズ7(第1コリメートレンズ71及び第2コリメートレンズ72)と1つのツイストレンズ8が対応する。ここで、1つのLDモジュール1から出射された光は、第1コリメートレンズ71、ツイストレンズ8、第2コリメートレンズ72を順に通り、光学的に制御される。なお、第1コリメートレンズ71と第2コリメートレンズ72とは、光学特性が異なっていてもよいし、同じであってもよい。またここで言う「光学的に制御される」とは、本実施形態では、例えば屈折による光の平行化、光の偏光方向の回転等であるが、光の屈折、反射、及び偏光方向の回転のうち少なくとも1つを制御すればよい。なお、光学デバイス2が備える筐体5、LDモジュール1、コリメートレンズ7、ツイストレンズ8の数は、上記の数に限定されず適宜変更が可能である。
また光学デバイス2は、例えば溶接などの用途で使用される熱加工機3に搭載される。本実施形態では、熱加工機3は例えば4つの光学デバイス2を備える。なお、熱加工機3が備える光学デバイス2の数は4つに限定されず、3つ以下でもよいし、5つ以上でもよく、熱加工機3の光出力に応じて光学デバイス2の数は適宜変更が可能である。
(2)詳細
以下に、本実施形態の光学デバイス2の各部の構成を図1A~図5に基づいて説明する。
以下では説明のため、図5において矢印で示す通りに、互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向を規定する。なお、これらの方向は光学デバイス2の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図5中の方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
また、本開示でいう「光軸」は、系全体を通過する光束の代表となる仮想的な光線を意味する。例えば、図3及び図5に示すLDモジュール1から出射される光(出射光9)の光軸Ax1とは、出射光9がつくる形状の回転対称軸である。
また、本開示でいう「平行」とは、2者間が略平行、つまり2者が厳密に平行な場合に加えて、2者間の角度が数度(例えば5度未満)程度の範囲に収まる関係にあることをいう。
また、本開示でいう「直交」とは、2者間が略直交、つまり2者が厳密に直交する場合に加えて、2者間の角度が90度を基準に数度(例えば5度未満)程度の範囲に収まる関係にあることをいう。
(2.1)LDモジュール
図1A~図2に示すように、LDモジュール1は、光を出射するLDチップ4と、LDチップ4の第1面41に電気的に接続される第1電極11と、LDチップ4の第2面42に電気的に接続される第2電極12を備えている。
ここで、LDチップ4の厚み方向に対向して並ぶ一対の面の一方が例えばカソードである第1面41となり、もう一方がアノードである第2面42となる。第1面41と第2面42とは例えば平行である。本実施形態では、第1面41の面積と第2面42の面積とは等しい。なお第1面41の面積と第2面42の面積とは異なっていてもよい。
LDチップ4は、カソードとアノードとの間に電圧が印加されると、第1面41及び第2面42と直交する発光面43が発光し、例えば赤外線を含む波長域のレーザ光(出射光9)を出射する。またLDチップ4の発光面43と対向する面には例えば高反射膜44が設けられる。
ここでLDチップ4の発光面43は後述するLDモジュール1の出射面18から外部に露出している。よって図3及び図5に示すように、LDモジュール1は出射面18から出射光9を出射する。なお本実施形態では、図5に示すように、Z軸方向が、出射光9の速軸方向となり、X軸方向が出射光9の遅軸方向である。出射光9は速軸方向及び遅軸方向にそれぞれ広がりを持つ。
本実施形態では、出射光9が筐体5に干渉することを抑制するため、図1Aに示すように、LDチップ4は配置面121に対して、第1電極11側に角度θ2だけ傾いている。ここで、角度θ2は例えば5度に設定される。なお、角度θ2の値は5度に限定されず適宜変更が可能である。
第1電極11及び第2電極12は、例えば銅合金又はアルミ合金等の金属によって形成される。第1電極11と第2電極12とは、LDチップ4を介して組み合わされる。ここで、LDチップ4は、「(1)概要」にて述べたように、第1電極11の第1接続面111と第2電極12の第2接続面122との間の空間である第1境界層61に配置される。第1境界層61において、LDチップ4の第1面41は第1接続面111、第2面42は第2接続面122とそれぞれ電気的に接続される。
LDチップ4の第1面41と第1電極11の第1接続面111とは、図1Bに示すように、例えば金属箔10及び塑性変形するスタッドバンプ13を介して平行に接合される。また、LDチップ4の第2面42と第2電極12の第2接続面122とは、例えばヒートシンクである金属製のサブマウント14を介して平行に接合される。ここで、上述したようにLDチップ4は配置面121に対して、第1電極11側に角度θ2だけ傾いているため、互いに平行な第1接続面111と第2接続面122とは、配置面121に対して第1電極11側に角度θ2だけ傾いている。
また、図1Aに示すように、第1境界層61のLDチップ4が存在する部分以外の空間と、第2境界層62とには、例えばシート状の絶縁部材である絶縁層15が設置される。本実施形態では、絶縁層15は、例えば、第1境界層61のLDチップ4が存在する部分以外の空間と、第2境界層62とに渡って配置される1枚のシートである。また本実施形態では絶縁層15は例えば合成樹脂製のシートである。つまり、第1境界層61のLDチップ4が存在する部分以外の空間と、第2境界層62とにおいて、第1電極11と第2電極12とは絶縁層15により絶縁される。なお、絶縁層15は、第1電極11と第2電極12とを絶縁すればよく、絶縁層15の材料は合成樹脂に限定されない。例えば、絶縁層15は空気層等であってもよい。換言すると、第1電極11及び第2電極12は、絶縁層15を介して互いに対向する第1境界面112及び第2境界面125をそれぞれ有する。ここで、「(1)概要」にて述べたように、第1境界面112と第2境界面125との間の空間が第2境界層62である。
本実施形態では、第1境界面112及び第2境界面125は曲面を含む。具体的には、第1境界面112において第1接続面111との接続部分1121は曲面となっており、第1境界面112と第1接続面111とは角度θ1をなして滑らかに連続する。また同様に、第2境界面125において第2接続面122との接続部分1251は曲面となっており、第2境界面125と第2接続面122とは角度θ1をなして滑らかに連続する。これにより、第1境界層61と第2境界層62との接続部分において、絶縁層15に掛かる応力を低減できる。ここで、角度θ1は180度未満であり、例えば130度となる。なお角度θ1は130度に限定されず、適宜変更が可能である。
また、第1境界面112の平面部分1122(接続部分1121以外の部分)及び第2境界面125の平面部分1252(接続部分1251以外の部分)のそれぞれと、配置面121とがなす角度θ3は0度以上かつ90度以下であることが好ましい。ここで、本実施形態では、第1境界面112と第2境界面125とは互いに平行な面であるため、第1境界面112の平面部分1122及び第2境界面125の平面部分1252のそれぞれと、配置面121とがなす角度θ3は等しい。つまり、平面部分1122と平面部分1252とは、配置面121に対して第1電極11側に角度θ3だけ傾いている。これにより、絶縁層15の第2境界層62への配置作業の作業性が向上するという利点がある。なお、角度θ3は0度以上かつ90度未満であることがより好ましく、本実施形態では角度θ3は例えば45度に設定される。なお角度θ3は45度に限定されず、適宜変更が可能である。
以上述べたように、LDチップ4と第1境界層61を構成する第1接続面111及び第2接続面122は、配置面121に対して第1電極11側に角度θ2(本実施形態では5度)だけ傾いている。また、第1接続面111と角度θ1(本実施形態では130度)をなして連続する第1境界面112の平面部分1122は、配置面121に対して第1電極11側に角度θ3(本実施形態では45度)だけ傾いている。同様に、第2接続面122と角度θ1をなして連続する第2境界面125の平面部分1252は、配置面121に対して第1電極11側に角度θ3だけ傾いている。これにより、図1Aに示すように、第2電極12は、LDチップ4の第1面41を仮想的に拡大した面411を基準として、LDチップ4の第2面42の方向の領域に位置する第1部分123と、第2面42と反対方向の領域に位置する第2部分124とに仮想的に分割される。本実施形態のLDモジュール1は、LDチップ4に生じた熱を第2電極12の第1部分123及び第2部分124の両方から効率的に放熱することができる。
ここで、第1電極11の外部に露出する部分の表面である第1外表面及び第2電極12の外部に露出する部分の表面である第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、第2外表面の表面積の比率が、40%以上かつ60%以下であることが好ましく、45%以上かつ55%以下であることがさらに好ましい。なお、第1外表面は、第1電極11の外部に露出している部分であり、第1電極11の第1境界面112及び第1接続面111以外の表面部分である。また第2外表面は、第2電極12の外部に露出している部分であり、第2電極12の第2境界面125、第2接続面122及び配置面121以外の表面部分である。
本実施形態では、組み合された第1電極11と第2電極12とを含むLDモジュール1は、図1A及び図2に示すように、側面16と、配置面121と、配置面121と例えば平行に対向する天面17と、LDチップ4から光が出射される出射面18と、を有する。側面16は、配置面121及び出射面18の一部である第1前面181(後述する)に対して例えば垂直である。また出射面18の一部である第1前面181は、天面17及び配置面121に対して例えば直交する。
側面16は、第1電極11が有する第1側面161と、第2電極12が有する第2側面162と、を含む。
天面17は、第1電極11が有する第1天面171と、第2電極12が有する第2天面172を含む。ここで、天面17は配置面121と対向する。すなわち、第1天面171及び第2天面172は配置面121と対向する。換言すると、第2電極12は、配置面121と対向する第2天面172を有する。これにより、LDモジュール1の天面17から、第1電極11及び第2電極12のそれぞれに対する電気的な接続を行うことができる。
出射面18は、第1電極11が有する第1前面181と、第2電極12が有する第2前面182と、を含む。ここで、第1前面181及び第2前面182の間から第1境界層61に配置されたLDチップ4の発光面43が露出する。なお本実施形態では、第2前面182は第1前面181に対して傾きを有しているが、第1前面181と第2前面182とは平行であってもよい。
(2.2)筐体
図3に示すように、筐体5は、LDモジュール1の配置面121に対向した取付面51を有し、例えばアルミナなどの高熱伝導性材料でできた熱伝導シート19を介して取付面51が配置面121に沿うようにLDモジュール1が設置される。また、筐体5にはLDモジュール1を冷却するための冷却システムが設けられていることが望ましい。LDモジュール1の冷却システムは、例えば筐体5内部に設けられた水冷システム52によって実現される。水冷システム52は、例えば筐体5の内部に設けられた流路に冷却水を流すことによって、LDモジュール1の冷却を行う。なお、冷却システムは筐体5の外部に設置されてもよい。また、冷却システムに用いられる冷却媒体は水に限らず、他の液体や、気体であってもよい。
(2.3)第1コリメートレンズ
図5に示すように、第1コリメートレンズ71は、例えば、入射面711が平面であり、出射面712がZ軸方向にのみ曲率を有する曲面である、ガラス若しくは透明性を有する合成樹脂(アクリル樹脂など)製のシリンドリカルレンズである。なお、LDモジュール1が備えるLDチップ4からの出射光9の光軸Ax1の方向をY軸方向とし、Y軸方向とそれぞれ直交する方向をX軸方向及びZ軸方向とする。本実施形態では、第1コリメートレンズ71の入射面711が出射光9の光軸Ax1と垂直となるように、第1コリメートレンズ71が設置される。
出射光9は、出射面18から露出するLDチップ4の発光面43から出射され、第1コリメートレンズ71の入射面711に入射する。このとき、「(2.1)LDモジュール」で述べたように、Z軸方向が、例えばレーザ光である出射光9の速軸方向AF1となり、X軸方向が出射光9の遅軸方向AS1となる。
第1コリメートレンズ71は、出射光9の速軸方向AF1において、出射光9を光軸Ax1に対して平行化し、速軸方向AF1における出射光9の広がりを抑制する。なお、第1コリメートレンズ71は、出射光9の遅軸方向AS1への広がりには影響をほとんど及ぼさない。このように、出射光9は第1コリメートレンズ71を通して、速軸方向AF1における広がりが抑制された第1の光20として出射面712から出射される。このとき本実施形態では、第1の光20の光軸は、例えば出射光9の光軸Ax1上にある。なお第1の光20の光軸は光軸Ax1と異なっていてもよい。つまり第1コリメートレンズ71が、例えば光の光軸方向の変更等の、光の平行化以外の機能を有していてもよい。
(2.4)ツイストレンズ
図3及び図5に示すように、ツイストレンズ8は、例えば、光軸Ax1方向に、第1コリメートレンズ71と並んで設置される。ツイストレンズ8は、例えば、入射面81及び出射面82を有する、ガラス若しくは透明性を有する合成樹脂(アクリル樹脂など)製のレンズである。ツイストレンズ8は、Z軸方向に対して45度傾いた状態の複数のシリンドリカルレンズの集合体である。ツイストレンズ8は、例えばX軸方向の寸法がZ軸方向及びY軸方向の寸法よりも長い四角柱状に形成されている。
図5に示すように、ツイストレンズ8は、第1コリメートレンズ71の出射面712から出射される第1の光20の偏光方向を例えば90度回転させる。具体的には、ツイストレンズ8は、入射面81から入射した第1の光20の速軸方向AF1の振幅と遅軸方向AS1の振幅とを入れ替えた第2の光21を出射面82から出射する。これにより、第1コリメートレンズ71によって速軸方向AF1において平行化された第1の光20は、ツイストレンズ8を通過することによって、速軸方向AF2において平行化された第2の光21となる。また第1の光20の遅軸方向AS1における広がりは、ツイストレンズ8を通過した後も、遅軸方向AS2における第2の光21の広がりとして残存する。つまり、ツイストレンズ8を通過した第2の光21は、遅軸方向AS2においては広がりを有し、速軸方向AF2においては平行化された光となる。このとき本実施形態では、第2の光21の光軸は、例えば出射光9の光軸Ax1上にある。なお第2の光21の光軸は光軸Ax1と異なっていてもよい。つまりツイストレンズ8が、例えば光の光軸方向の変更等の、光の偏光方向の回転以外の機能を有していてもよい。
(2.5)第2コリメートレンズ
図3及び図5に示すように、第2コリメートレンズ72は、例えば、光軸Ax1方向に、ツイストレンズ8と並んで設置される。第2コリメートレンズ72は、例えば、入射面721が平面であり、出射面722がZ軸方向にのみ曲率を有する曲面である、ガラス若しくは透明性を有する合成樹脂(アクリル樹脂など)製のシリンドリカルレンズである。
図5に示すように、第2コリメートレンズ72の入射面721は、ツイストレンズ8の出射面82と対向しており、ツイストレンズ8を通過した第2の光21が第2コリメートレンズ72の入射面721に入射する。
第2コリメートレンズ72は、ツイストレンズ8の出射面82から出射される第2の光21を、遅軸方向AS2において、光軸Ax1に対して平行化し、第2の光21の遅軸方向AS2における広がりを抑制する。第2の光21は第2コリメートレンズ72を通過して、出射面722から第3の光22として出射される。すなわち、第3の光22は、速軸方向AF2及び遅軸方向AS2の広がりを抑制された平行光である。このとき本実施形態では、第3の光22の光軸は、例えば光軸Ax1上にある。なお第3の光22の光軸は光軸Ax1と異なっていてもよい。つまり第2コリメートレンズ72が、例えば光の光軸方向の変更等の、光の平行化以外の機能を有していてもよい。
(2.6)集束光学系
図3~図5に示すように、光学デバイス2が備える例えば3つのLDモジュール1のそれぞれが備える第2コリメートレンズ72から、第3の光22が出射される。3つの第2コリメートレンズ72からそれぞれ出射される第3の光22は、例えば集束光学系23によって集光される。そして、3つの第3の光22を集光した第4の光24が、光学デバイス2から出射される。なお、集束光学系23は、例えば、回折格子などを用いて第3の光22を集光するように構成されているが、集束光学系23の構成は回折格子に限定されず適宜変更が可能である。
(3)動作例
図3~図5に示すように、LDモジュール1からの出射光9は、第1コリメートレンズ71、ツイストレンズ8及び第2コリメートレンズ72を順に通過し、速軸方向AF2及び遅軸方向AS2において平行化された第3の光22として第2コリメートレンズ72から出射される。
図4に示すように、光学デバイス2が備える例えば3つの第2コリメートレンズ72のそれぞれから出射される第3の光22は集束光学系23によって集光される。そして、集束光学系23によって集光された第4の光24が、光学デバイス2から出射される。
熱加工機3には光学デバイス2が例えば4つ設けられており、4つの光学デバイス2のそれぞれから出射される第4の光24は、例えばコンバイナ25によって集光される。そして、第4の光24を集光した第5の光26がプロセスファイバ27を通過し、加工ヘッド28から対象物に対して出射され、対象物に対する熱加工に利用される。
(4)変形例
以下、上記実施形態の変形例について説明する。ただし上記実施形態と共通する構成要素については同じ参照符号を付して、適宜その説明を省略する。また、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)変形例1
上記実施形態のLDモジュール1では、第1境界面112の平面部分1122及び第2境界面125の平面部分1252のそれぞれと、配置面121とがなす角度θ3は0度以上かつ90度未満である。一方、変形例1のLDモジュール1では、図6に示すように、第1境界面112の平面部分1122及び第2境界面125の平面部分1252のそれぞれと、配置面121とがなす角度θ3が90度である点で、上記の実施形態と相違する。
変形例1のLDモジュール1では、上記実施形態のLDモジュール1と比較して、第1電極11の第1外表面及び第2電極12の第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、第2外表面の表面積の比率をより大きくすることができる。これにより、変形例1のLDモジュール1は、LDチップ4に生じた熱をより効率的に第2電極12から放熱することができる。
(4.2)変形例2
本変形例2では、図7に示すように、LDチップ4が配置面121に対して平行である点で実施形態及び変形例1とは異なる。つまり、本変形例2では、LDチップ4の第1面41及び第2面は、配置面121に対して平行である。
(4.3)その他の変形例
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
第1電極11が有する第1境界面112は、接続部分1121以外が曲面であってもよい。また第2電極12が有する第2境界面125は、接続部分1251が曲面であってもよい。
第2電極12は、配置面121と対向する第2天面172を有さなくてもよい。この場合、第1電極11が有する第1天面171がLDモジュール1の天面17となる。
上記実施形態ではLDチップ4は赤外線を含む光を出射するが、可視光を出射するものでもよいし、紫外線を出射するものでもよい。
LDモジュール1は熱加工機3以外の用途に使用されてもよい。例えば、LDモジュール1は紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる装置、又は対象物に紫外線を照射して殺菌処理を行う装置等に使用されてもよい。
上記実施形態の光学デバイス2が備えるLDモジュール1、第1コリメートレンズ71、ツイストレンズ8、第2コリメートレンズ72及び集束光学系23の配置位置、順番などの構成は一例に過ぎず、適宜変更されてもよい。
(5)まとめ
以上述べたように、第1の態様に係るLDモジュール(1)は、光を出射するLDチップ(4)と、第1電極(11)と、第2電極(12)と、を備える。第1電極(11)は、LDチップ(4)の第1面(41)と電気的に接続される。第2電極(12)は、第2面(42)と電気的に接続される。第2面(42)は、第1面(41)と対向するLDチップ(4)の面である。第2電極(12)のLDチップ(4)の第2面(42)と電気的に接続される面と反対側の面が、筐体(5)に配置される配置面(121)となる。第2電極(12)の少なくとも一部は、第1面(41)を含む面(411)を基準として、第2面(42)と反対方向の領域に位置する。
この態様によれば、LDチップ(4)に生じた熱を第2電極(12)から効率的に放熱することができる。
第2の態様に係るLDモジュール(1)では、第1の態様において、第1電極(11)の外部に露出する部分の表面である第1外表面及び第2電極(12)の外部に露出する部分の表面である第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、第2外表面の表面積の比率が、40%以上かつ60%以下である。
この態様によれば、LDチップ(4)に生じた熱を第2電極(12)から効率的に放熱することができる。
第3の態様に係るLDモジュール(1)では、第1又は第2の態様において、第1電極(11)及び第2電極(12)は、絶縁層(15)を介して互いに対向する第1境界面(112)及び第2境界面(125)をそれぞれ有する。第1境界面(112)の少なくとも一部及び第2境界面(125)の少なくとも一部のそれぞれと、配置面(121)とがなす角度(θ3)は0度以上かつ90度以下である。
この態様によれば、第1電極(11)の表面である第1外表面及び第2電極(12)の表面である第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、第2外表面の表面積の比率を大きくすることができる。
第4の態様に係るLDモジュール(1)では、第3の態様において、第1境界面(112)及び第2境界面(125)の少なくとも一方は、曲面を含む。
この態様によれば、第1境界面(112)と第2境界面(125)との間に設置される絶縁層(15)に掛かる応力を低減することができる。
第5の態様に係るLDモジュール(1)では、第3又は第4の態様において、絶縁層(15)はシート状の絶縁部材である。
この態様によれば、第1境界面(112)と第2境界面(125)とを絶縁することができる。
第6の態様に係るLDモジュール(1)では、第3~第5のいずれかの態様において、第1境界面(112)の少なくとも一部及び第2境界面(125)の少なくとも一部のそれぞれと、配置面(121)とがなす角度(θ3)は0度以上かつ90度未満である。
この態様によれば、第1電極(11)の表面である第1外表面及び第2電極(12)の表面である第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、第2外表面の表面積の比率を大きくすることができる。
第7の態様に係るLDモジュール(1)では、第3~第5のいずれかの態様において、第1境界面(112)の少なくとも一部及び第2境界面(125)の少なくとも一部のそれぞれと、配置面(121)とがなす角度は90度である。
この態様によれば、第1電極(11)の表面である第1外表面及び第2電極(12)の表面である第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、第2外表面の表面積の比率を大きくすることができる。
第8の態様に係るLDモジュール(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、第2電極(12)は、配置面(121)と対向する面を有する。
第9の態様に係る光学デバイス(2)は、第1~第8のいずれかの態様のLDモジュール(1)と、筐体(5)と、コリメートレンズ(7)と、ツイストレンズ(8)と、を備える。筐体(5)には、LDモジュール(1)が配置される。コリメートレンズ(7)は、光の一方向における広がりを抑制する。ツイストレンズ(8)は、光の偏光方向を回転させる。
この態様によれば、LDモジュール(1)から出射される出射光(9)の広がりを抑制することができる。
第10の態様に係る熱加工機(3)は、第9の態様の光学デバイス(2)を備える。
この態様によれば、溶接などの用途に使用される、光学デバイス(2)を有する熱加工機(3)の構成を実現できる。
なお、第2~第8の態様はLDモジュール(1)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
1 LDモジュール
2 光学デバイス
3 熱加工機
4 LDチップ
5 筐体
7 コリメートレンズ
8 ツイストレンズ
9 出射光
11 第1電極
12 第2電極
15 絶縁層
41 第1面
42 第2面
112 第1境界面
121 配置面
125 第2境界面
411 面
θ3 角度

Claims (10)

  1. 光を出射するLDチップと、
    前記LDチップの第1面と電気的に接続される第1電極と、
    前記LDチップの前記第1面と対向する第2面と電気的に接続される第2電極と、を備え、
    前記第2電極の前記LDチップの前記第2面と電気的に接続される面と反対側の面が、筐体に配置される配置面となり、
    前記第2電極の少なくとも一部は、前記第1面を含む面を基準として、前記第2面と反対方向の領域に位置する
    LDモジュール。
  2. 前記第1電極の外部に露出する部分の表面である第1外表面及び前記第2電極の外部に露出する部分の表面である第2外表面のそれぞれの表面積の和に対する、前記第2外表面の表面積の比率が、40%以上かつ60%以下である
    請求項1に記載のLDモジュール。
  3. 前記第1電極及び前記第2電極は、絶縁層を介して互いに対向する第1境界面及び第2境界面をそれぞれ有し、
    前記第1境界面の少なくとも一部及び前記第2境界面の少なくとも一部のそれぞれと、前記配置面とがなす角度は0度以上かつ90度以下である
    請求項1又は2に記載のLDモジュール。
  4. 前記第1境界面及び前記第2境界面の少なくとも一方は、曲面を含む、
    請求項3に記載のLDモジュール。
  5. 前記絶縁層はシート状の絶縁部材である
    請求項3又は4に記載のLDモジュール。
  6. 前記第1境界面の少なくとも一部及び前記第2境界面の少なくとも一部のそれぞれと、前記配置面とがなす角度は0度以上かつ90度未満である
    請求項3~5のいずれか1項に記載のLDモジュール。
  7. 前記第1境界面の少なくとも一部及び前記第2境界面の少なくとも一部のそれぞれと、前記配置面とがなす角度は90度である
    請求項3~5のいずれか1項に記載のLDモジュール。
  8. 前記第2電極は、前記配置面と対向する面を有する
    請求項1~7のいずれか1項に記載のLDモジュール。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のLDモジュールと、
    前記LDモジュールが配置される前記筐体と、
    光の一方向における広がりを抑制するコリメートレンズと、
    光の偏光方向を回転させるツイストレンズと、を備える
    光学デバイス。
  10. 請求項9に記載の光学デバイスを備える
    熱加工機。
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