JP2022170013A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法および基板処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022170013A
JP2022170013A JP2021075835A JP2021075835A JP2022170013A JP 2022170013 A JP2022170013 A JP 2022170013A JP 2021075835 A JP2021075835 A JP 2021075835A JP 2021075835 A JP2021075835 A JP 2021075835A JP 2022170013 A JP2022170013 A JP 2022170013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
gas
pressure
housing
substrate processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021075835A
Other languages
English (en)
Inventor
昭平 中村
Shohei Nakamura
敦 谷出
Atsushi Tanide
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2021075835A priority Critical patent/JP2022170013A/ja
Priority to PCT/JP2022/017689 priority patent/WO2022230669A1/ja
Publication of JP2022170013A publication Critical patent/JP2022170013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/304Mechanical treatment, e.g. grinding, polishing, cutting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】基板を適切に処理できる基板処理方法および基板処理装置を提供する。【解決手段】本発明は、基板処理方法および基板処理装置に関する。基板を処理する基板処理方法は、載置工程と第1供給工程と凝華工程と融解工程を備える。載置工程は、筐体内において基板を略水平姿勢で載置する。第1供給工程は、筐体に第1処理ガスを供給する。凝華工程は、第1処理ガスを凝華させて、基板の上面を覆う第1固体膜を形成する。融解工程は、第1固体膜を融解させて、基板の上面を覆う液膜を形成する。【選択図】図4

Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。基板は、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
特許文献1は、基板処理方法および基板処理装置を開示する。基板処理装置は、スピンベースと電動モータとノズルを備える。スピンベースは、基板を略水平姿勢で保持する。電動モータは、スピンベースを回転する。ノズルは、スピンベースに保持される基板に処理液を吐出する。処理液は、例えば、SC1である。SC1は、アンモニア水と過酸化水素水と脱イオン水の混合液である。
基板処理方法は、SC1供給工程を備える。SC1供給工程では、電動モータはスピンベースに保持される基板を回転させ、ノズルは基板にSC1を吐出する。これにより、SC1は基板に供給される。
特開2002-329696公報
従来の基板処理方法および基板処理装置であっても、基板を適切に処理できない場合があった。例えば、基板が基板の上面に形成されるパターンを有する場合、従来の基板処理方法および基板処理装置であっても、パターンが倒壊する場合があった。例えば、パターンが微細であるとき、従来の基板処理方法および基板処理装置であっても、パターンの倒壊を十分に抑制できない場合があった。
また、従来の基板処理方法および基板処理装置は、基板を回転させ、ノズルから基板に処理液を吐出する。このとき、基板に吐出された処理液の一部は、基板上からあふれてしまう。そのため、基板を処理するために多量の処理液を基板に供給する必要があった。その結果、従来方法および従来装置では、処理液の使用量は比較的に多かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板を適切に処理できる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、これらの知見に基づいて、さらに鋭意検討することによって得られたものであり、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、基板を処理する基板処理方法であって、筐体内において基板を略水平姿勢で載置する載置工程と、前記筐体に第1処理ガスを供給する第1供給工程と、前記第1処理ガスを凝華させて、基板の上面を覆う第1固体膜を形成する凝華工程と、前記第1固体膜を融解させて、基板の前記上面を覆う液膜を形成する融解工程と、を備える基板処理方法である。
基板処理方法は、載置工程と第1供給工程を備える。載置工程では、筐体内において、基板は略水平姿勢で載置される。第1供給工程は、第1処理ガスを筐体に供給する。このため、載置工程および第1供給工程では、基板の上面は、気体と液体の間に形成される界面と接しない。以下では、気体と液体の間に形成される界面を、適宜に「気液界面」と呼ぶ。
基板処理方法は、凝華工程を備える。凝華工程では、第1処理ガスは筐体内において凝華する。凝華工程では、第1処理ガスは、液体を経ずに、第1固体膜に変わる。第1固体膜は、基板の上面を覆う。したがって、凝華工程では、基板の上面は気液界面と接しない。
基板処理方法は、融解工程を備える。融解工程では、第1固体膜は融解する。融解工程では、第1固体膜は液膜に変わる。液膜は、基板の上面を覆う。上述の通り、第1固体膜は、基板の上面を覆う。したがって、融解工程では、基板の上面は気液界面と接しない。
まとめると、載置工程と第1供給工程と凝華工程と融解工程では、基板の上面は気液界面と接しない。よって、基板処理方法は、基板の上面を保護しつつ、基板の上面に液膜を形成できる。したがって、基板処理方法は、基板を適切に処理できる。
さらに、基板処理方法は、第1処理ガスを凝華させて基板の上面を覆う第1固体膜を形成した後、第1固体膜を融解させて基板の上面を覆う液膜を形成する。このため、基板上から処理液があふれることを好適に抑制できる。すなわち、処理液のロスを好適に抑えることができる。よって、基板処理方法は、より少ない処理液で、液膜を効率良く形成できる。すなわち、基板処理方法は、基板を少量の処理液で処理できる。その結果、基板処理方法では、処理液の使用量は比較的に少ない。例えば、基板処理方法における処理液の使用量は、従来方法における処理液の使用量よりも少ない。
上述の基板処理方法において、前記凝華工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記第1処理ガスが凝華可能な圧力に保った状態で、前記第1処理ガスを冷却し、前記融解工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記第1固体膜が融解可能な圧力に保った状態で、前記第1固体膜を加熱することが好ましい。凝華工程は、筐体内の気体の圧力を第1処理ガスが凝華可能な圧力に保つ。このため、第1処理ガスが凝縮することを、凝華工程は好適に抑制できる。凝華工程は、第1処理ガスを冷却する。このため、凝華工程では、第1処理ガスは好適に凝華する。融解工程は、筐体内の気体の圧力を第1固体膜が融解可能な圧力に保つ。このため、第1固体膜が昇華することを、融解工程は好適に抑制できる。融解工程は、第1固体膜を加熱する。このため、融解工程では、第1固体膜は好適に融解する。
上述の基板処理方法において、前記凝華工程は、前記第1処理ガスが基板の前記上面上に凝華する温度まで、基板を冷却し、前記融解工程は、前記第1固体膜が融解する温度まで、前記基板を加熱することが好ましい。凝華工程は、基板を介して第1処理ガスを冷却する。凝華工程では、基板の上面は第1処理ガスと接する。よって、凝華工程は、第1固体膜を基板の上面上に効率良く形成できる。凝華工程は、第1処理ガスが基板の上面上に凝華する温度まで、基板を冷却する。よって、凝華工程は、第1処理ガスを第1固体膜に好適に凝華できる。融解工程は、基板を介して第1固体膜を加熱する。融解工程では、基板の上面は第1固体膜と接する。よって、融解工程は、液膜を効率良く形成できる。融解工程は、第1固体膜が融解する温度まで、基板を加熱する。よって、融解工程は、第1固体膜を液膜に好適に融解できる。
上述の基板処理方法において、前記第1処理ガスは、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかを含むことが好ましい。上述の通り、液膜は、第1処理ガスに由来する。よって、液膜は、水、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、および、過酸化水素の少なくともいずれかを含む。したがって、液膜は基板を適切に処理できる。
上述の基板処理方法において、前記第1処理ガスは、水蒸気であり、前記凝華工程では、前記筐体内の気体の圧力は水の三重点の圧力よりも小さく、前記融解工程では、前記筐体内の前記気体の圧力は前記水の三重点の圧力よりも大きいことが好ましい。凝華工程では、筐体内の気体の圧力が水の三重点の圧力よりも小さい。よって、凝華工程では、水蒸気が凝縮することを好適に抑制できる。融解工程では、筐体内の気体の圧力は水の三重点の圧力よりも大きい。よって、融解工程では、第1固体膜が昇華することを好適に抑制できる。
上述の基板処理方法において、前記液膜を凝固させて、基板の前記上面上に第2固体膜を形成する凝固工程と、前記第2固体膜を昇華させる昇華工程と、を備えることが好ましい。
基板処理方法は、凝固工程を備える。凝固工程では、液膜は凝固する。凝固工程では、液膜は第2固体膜に変わる。第2固体膜は基板の上面上に形成される。上述の通り、融解工程で形成される液膜は、基板の上面を覆う。したがって、凝固工程では、基板の上面は気液界面と接しない。
基板処理方法は、昇華工程を備える。昇華工程では、第2固体膜は昇華する。昇華工程では、第2固体膜は、液体を経ずに、基板から去る。したがって、昇華工程では、基板の上面は気液界面と接しない。第2固体膜が昇華することによって、基板Wは乾燥される。
まとめると、凝固工程と昇華工程では、基板の上面は気液界面と接しない。よって、基板処理方法によれば、基板の上面を好適に保護しつつ、基板を乾燥できる。したがって、基板処理方法は、基板を一層適切に処理できる。
上述の基板処理方法において、前記凝固工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記液膜が凝固可能な圧力に保った状態で、前記液膜を冷却し、前記昇華工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記第2固体膜が昇華可能な圧力に保った状態で、前記第2固体膜を加熱することが好ましい。凝固工程は、筐体内の気体の圧力を液膜が凝固可能な圧力に保つ。このため、液膜が蒸発することを、凝固工程は好適に抑制できる。凝固工程は、液膜を冷却する。このため、凝固工程では、液膜は好適に凝固する。昇華工程は、筐体内の気体の圧力を第2固体膜が昇華可能な圧力に保つ。このため、第2固体膜が融解することを、昇華工程は好適に抑制できる。昇華工程は、第2固体膜を加熱する。このため、昇華工程では、第2固体膜は好適に昇華する。
上述の基板処理方法において、前記凝固工程は、前記液膜が凝固する温度まで、基板を冷却し、前記昇華工程は、前記第2固体膜が昇華する温度まで、基板を加熱することが好ましい。凝固工程は、基板を介して液膜を冷却する。凝固工程では、基板の上面は液膜と接する。よって、凝固工程は、第2固体膜を効率良く形成できる。凝固工程は、液膜が凝固する温度まで、基板を冷却する。よって、凝固工程は、液膜を好適に凝固できる。昇華工程は、基板を介して第2固体膜は加熱する。昇華工程では、基板の上面は第2固体膜と接する。よって、昇華工程は、第2固体膜を効率良く昇華する。昇華工程は、第2固体膜が昇華する温度まで、基板を加熱する。よって、昇華工程は、第2固体膜を好適に昇華できる。
上述の基板処理方法において、前記昇華工程は、前記筐体内の気体を筐体の外部に排出することが好ましい。昇華工程では、第2固体膜は一層好適に昇華する。
上述の基板処理方法において、前記第1処理ガスは、水蒸気であり、前記凝固工程では、前記筐体内の気体の圧力は水の三重点の圧力よりも大きく、前記昇華工程では、前記筐体内の気体の圧力は前記水の三重点の圧力よりも小さいことが好ましい。凝固工程では、筐体内の気体の圧力が水の三重点の圧力よりも大きい。よって、凝固工程では、液膜が蒸発することを好適に抑制できる。昇華工程では、筐体内の気体の圧力は水の三重点の圧力よりも小さい。よって、昇華工程では、第2固体膜が融解することを好適に抑制できる。
上述の基板処理方法において、前記筐体に第2処理ガスを供給する第2供給工程と、を備え、前記液膜は、前記第2処理ガスを溶解することが好ましい。第2供給工程では、第2処理ガスを供給する。このため、第2供給工程では、基板の上面は気液界面と接しない。
液膜は、第2処理ガスを溶解する。よって、液膜は基板を一層適切に処理できる。
上述の基板処理方法において、前記第2処理ガスは、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかを含むことが好ましい。液膜が第2処理ガスを溶解した後、液膜は、水、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、および、過酸化水素の少なくともいずれかを含む。よって、液膜は基板を一層適切に処理できる。
上述の基板処理方法において、前記第2固体膜を帯電させる帯電工程と、を備えることが好ましい。第2固体膜を帯電させることによって、第2固体膜に含まれるパーティクルも容易に帯電させることができる。よって、第2固体膜に含まれるパーティクルを好適に除去できる。
上述の基板処理方法において、帯電したパーティクルを収集する収集工程と、を備えることが好ましい。収集工程は、帯電したパーティクルを基板から好適に除去できる。
上述の基板処理方法において、基板は、基板の前記上面に形成されるパターンを有することが好ましい。基板処理方法は、パターンを保護しつつ、基板を適切に処理できる。
本発明は、基板処理装置であって、密閉可能な筐体と、前記筐体内に設置され、基板を略水平姿勢で載置する基板載置部と、前記筐体内に第1処理ガスを供給する第1供給部と、前記筐体内の気体の圧力を調整する圧力調整部と、前記基板載置部に載置される基板の温度を調整する温度調整部と、前記第1供給部と前記圧力調整部と前記温度調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1供給部から前記筐体に前記第1処理ガスを供給させ、前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、第1処理ガスを凝華させて、前記基板載置部に載置される基板の上面を覆う第1固体膜を形成し、前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、前記第1固体膜を融解させて、前記基板載置部に載置される基板の前記上面を覆う液膜を形成する基板処理装置である。
筐体は、密閉可能である。このため、圧力調整部は、筐体内の気体の圧力を好適に調整できる。
制御部は、第1供給部を制御する。第1供給部は、第1処理ガスを筐体に供給する。第1供給部が第1処理ガスを筐体に供給するとき、基板の上面は気液界面と接しない。
制御部は、圧力調整部と温度調整部を制御する。具体的には、圧力調整部は筐体内の気体の圧力を調整し、かつ、温度調整部は基板載置部に載置される基板の温度を調整する。これにより、第1処理ガスは凝華し、第1固体膜が形成される。すなわち、第1処理ガスは、液体を経ずに、第1固体膜に変わる。第1固体膜は、基板載置部に載置される基板の上面を覆う。よって、第1処理ガスが第1固体膜に変わるとき、基板の上面は気液界面と接しない。
制御部は、圧力調整部と温度調整部を制御する。これにより、第1固体膜は融解し、液膜が形成される。すなわち、第1固体膜は液膜に変わる。液膜は、基板載置部に載置される基板の上面を覆う。よって、第1固体膜が液膜に変わるとき、基板の上面は気液界面と接しない。
まとめると、第1処理ガスを筐体に供給し、第1処理ガスを凝華させ、かつ、第1固体膜を融解させるように、制御部は第1供給部と圧力調整部と温度調整部を制御する。このため、基板処理装置は、基板の上面が気液界面と接することなく、基板の上面上に液膜を形成できる。よって、基板処理装置は、基板の上面を保護しつつ、基板の上面に処理液を供給できる。したがって、基板処理装置は、基板を適切に処理できる。
さらに、基板処理装置は、第1処理ガスを凝華させて基板の上面を覆う第1固体膜を形成し、第1固体膜を融解させて基板の上面を覆う液膜を形成する。このため、基板上から処理液があふれることを好適に抑制できる。すなわち、処理液のロスを好適に抑えることができる。よって、基板処理装置は、より少ない処理液で、液膜を効率良く形成できる。すなわち、基板処理装置は、基板を少量の処理液で処理できる。その結果、基板処理装置では、処理液の使用量は比較的に少ない。例えば、基板処理装置における処理液の使用量は、従来装置における処理液の使用量よりも少ない。
上述した基板処理装置において、前記制御部は、前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、前記液膜を凝固させて、前記基板載置部に載置される基板の前記上面上に第2固体膜を形成し、前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、前記第2固体膜を昇華させることが好ましい。
制御部は、圧力調整部と温度調整部を制御する。これにより、液膜は凝固し、第2固体膜が形成される。すなわち、液膜は第2固体膜に変わる。第2固体膜は、基板載置部に載置される基板の上面上に形成される。上述の通り、液膜は、基板載置部に載置される基板の上面を覆う。よって、液膜が第2固体膜に変わるとき、基板の上面は気液界面と接しない。
制御部は、圧力調整部と温度調整部を制御する。これにより、第2固体膜は昇華する。すなわち、第2固体膜は、液体を経ずに、気体に変わる。よって、第2固体膜が昇華するとき、基板の上面は気液界面と接しない。
まとめると、液膜を凝固させ、かつ、第2固体膜を昇華させるように、制御部は圧力調整部と温度調整部を制御する。このため、基板処理装置は、基板の上面が気液界面と接することなく、基板の上面から第2固体膜を除去できる。よって、基板処理装置は、基板の上面を保護しつつ、基板を乾燥できる。したがって、基板処理装置は、基板を一層適切に処理できる。
上述した基板処理装置において、前記筐体に第2処理ガスを供給する第2供給部と、を備え、前記制御部は、前記第2供給部を制御することによって、前記筐体内に前記第2処理ガスを供給し、前記液膜に前記第2処理ガスを溶解させることが好ましい。制御部は、第2供給部を制御する。第2供給部は、第2処理ガスを筐体に供給する。第2処理ガスは液膜に溶解される。このように、基板処理装置は、基板の上面が気液界面と接することなく、液膜の成分を調整できる。よって、基板処理装置は、基板の上面を保護しつつ、基板を一層適切に処理できる。
上述した基板処理装置において、前記筐体内に電子を放射する電子放射部と、を備えることが好ましい。電子放射部は、第2固体膜を好適に帯電させることができる。
上述した基板処理装置において、前記筐体内に設置され、正電圧が印加される電極と、を備えることが好ましい。電極は、負に帯電したパーティクルを好適に収集できる。
本発明の基板処理方法および基板処理装置によれば、基板を適切に処理できる。
第1実施形態の基板処理装置の内部を示す平面図である。 基板処理装置の制御ブロック図である。 実施形態の処理ユニットの構成を示す図である。 実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 載置工程および第1供給工程における基板の上面を模式的に示す図である。 凝華工程における基板の上面を模式的に示す図である。 凝華工程における基板の上面を模式的に示す図である。 融解工程における基板の上面を模式的に示す図である。 融解工程における基板の上面を模式的に示す図である。 第2供給工程における基板の上面を模式的に示す図である。 凝固工程における基板の上面を模式的に示す図である。 凝固工程における基板の上面を模式的に示す図である。 帯電工程における基板の上面を模式的に示す図である。 昇華工程における基板の上面を模式的に示す図である。 昇華工程における基板の上面を模式的に示す図である。 変形実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 変形実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 凝固工程における基板Wの上面を模式的に示す図である。 凝固工程における基板Wの上面を模式的に示す図である。 変形実施形態にかかる処理ユニットの構成を示す図である。 変形実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の基板処理方法および基板処理装置を説明する。
<1.基板処理装置の概要>
図1は、実施形態の基板処理装置の内部を示す平面図である。基板処理装置1は、基板Wに処理を行う。基板処理装置1が基板に行う処理は、例えば、液処理である。液処理は、基板Wに処理液を供給する。
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。基板Wは、薄い平板形状を有する。基板Wは、平面視で略円形状を有する。
基板処理装置1は、インデクサ部3と処理ブロック7を備える。処理ブロック7はインデクサ部3に接続される。インデクサ部3は、処理ブロック7に基板Wを供給する。処理ブロック7は、基板Wに処理を行う。インデクサ部3は、処理ブロック7から基板Wを回収する。
本明細書では、便宜上、インデクサ部3と処理ブロック7が並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、処理ブロック7からインデクサ部3に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を、「幅方向Y」と呼ぶ。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
インデクサ部3は、複数(例えば、4つ)のキャリア載置部4を備える。各キャリア載置部4はそれぞれ、1つのキャリアCを載置する。キャリアCは、複数枚の基板Wを収容する。キャリアCは、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Interface)、OC(Open Cassette)である。
インデクサ部3は、搬送機構5を備える。搬送機構5は、キャリア載置部4の後方に配置される。搬送機構5は、基板Wを搬送する。搬送機構5は、キャリア載置部4に載置されるキャリアCにアクセス可能である。搬送機構5はハンド5aとハンド駆動部5bを備える。ハンド5aは、基板Wを支持する。ハンド駆動部5bは、ハンド5aに連結される。ハンド駆動部5bは、ハンド5aを移動させる。ハンド駆動部5bは、例えば、前後方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zにハンド5aを移動させる。ハンド駆動部5bは、例えば、水平面内においてハンド5aを回転させる。
処理ブロック7は、搬送機構8を備える。搬送機構8は、基板Wを搬送する。搬送機構8と搬送機構5は、相互に、基板Wを受け渡し可能である。搬送機構8は、ハンド8aとハンド駆動部8bを備える。ハンド8aは、基板Wを支持する。ハンド駆動部8bは、ハンド8aに連結される。ハンド駆動部8bは、ハンド8aを移動させる。ハンド駆動部8bは、例えば、前後方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zにハンド8aを移動させる。ハンド駆動部8bは、例えば、水平面内においてハンド8aを回転させる。
処理ブロック7は、複数の処理ユニット11を備える。処理ユニット11は、搬送機構8の側方に配置される。各処理ユニット11は、基板Wに処理を行う。
処理ユニット11は、筐体12とステージ15を備える。ステージ15は、筐体12内に設置される。ステージ15は、基板Wを載置する。基板Wは、筐体12内において、処理される。
筐体12は、基板搬送口12aを有する。基板搬送口12aは、例えば、筐体12の側部に設けられる。基板Wは、基板搬送口12aを通過可能である。
処理ユニット11は、シャッタ14を備える。シャッタ14は、基板搬送口12aを開閉する。シャッタ14は、筐体12に取り付けられる。シャッタ14は、筐体12に対して移動可能である。シャッタ14が基板搬送口12aを開放するとき、搬送機構8は、基板搬送口12aを通じて、筐体12の内部と筐体12の外部の間で、基板Wを移動できる。
図2は、基板処理装置1の制御ブロック図である。基板処理装置1は、制御部10を備える。制御部10は、搬送機構5、8と処理ユニット11を制御する。制御部10は、搬送機構5、8および処理ユニット11と、通信可能に電気的に接続される。
制御部10は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)、固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。制御部10は、記憶媒体に予め格納される各種の情報を有する。制御部10が有する情報は、例えば、搬送機構5、8を制御するための搬送情報である。制御部10が有する情報は、例えば、処理ユニット11を制御するための処理情報である。処理情報は、処理レシピとも呼ばれる。
基板処理装置1の動作例を簡単に説明する。
インデクサ部3は、処理ブロック7に基板Wを供給する。具体的には、搬送機構5は、キャリアCから処理ブロック7の搬送機構8に基板Wを渡す。
処理ブロック7は、インデクサ部3から、処理ユニット11に基板Wを分配する。具体的には、シャッタ14は基板搬送口12aを開放する。搬送機構8は、搬送機構5から、各処理ユニット11のステージ15に基板Wを搬送する。
シャッタ14は基板搬送口12aを閉塞する。処理ユニット11は、ステージ15に載置された基板Wを処理する。処理ユニット11は、例えば、基板Wに液処理を行う。
処理ユニット11が基板Wを処理した後、処理ブロック7は、処理ユニット11からインデクサ部3に基板Wを戻す。具体的には、シャッタ14が基板搬送口12aを開放する。搬送機構8は、ステージ15から搬送機構5に基板Wを搬送する。
インデクサ部3は、処理ブロック7から基板Wを回収する。具体的には、搬送機構5は、搬送機構8からキャリアCに基板Wを搬送する。
<2.処理ユニット11の構成>
図3は、処理ユニット11の構成を示す図である。図3では、基板搬送口12aとシャッタ14の図示を省略する。各処理ユニット11は、同一の構造を有する。処理ユニット11は、枚葉式に分類される。すなわち、各処理ユニット11は、一度に1枚の基板Wのみを処理する。
筐体12は、密閉可能である。具体的には、筐体12は、筐体12内に処理空間13を有する。筐体12は、処理空間13を区画する。ステージ15は、処理空間13に設置される。基板Wは、処理空間13内において、処理される。筐体12は、処理空間13を実質的に密閉可能である。例えば、シャッタ14が基板搬送口12aを閉塞するとき、処理空間13は実質的に密閉される。
ステージ15は、1枚の基板Wを載置する。ステージ15は、基板Wを略水平姿勢で載置する。ステージ15は、基板Wを支持する。基板Wがステージ15に載置されるとき、基板Wは静止する。
ステージ15は、略水平な板形状を有する。ステージ15は、上面15aを有する。上面15aは、基板Wの下面と接触する。ステージ15は、例えば、処理空間13の下部に配置される。
基板処理装置1は、ステージ15に載置される基板Wを回転させる機構を備えない。基板Wがステージ15に載置されるとき、基板Wは回転しない。
処理ユニット11は、1つ以上(例えば3つ)の供給部17a、17b、17cを備える。供給部17a-17cはそれぞれ、筐体12に連通接続される。供給部17a-17cはそれぞれ、筐体12にガスを供給する。供給部17a-17cはそれぞれ、処理空間13にガスを供給する。
供給部17aが供給するガスは、水蒸気である。供給部17bが供給するガスは、アンモニアガスである。供給部17cが供給するガスは、乾燥ガスである。水蒸気、アンモニアガスおよび乾燥ガスはそれぞれ、気相である。
水蒸気とアンモニアガスは、基板Wを処理するために使用される。水蒸気は、例えば、脱イオン水の蒸気である。
乾燥ガスは、筐体12内の気体の圧力を調整するために使用される。供給部17cは、筐体12内の気体の圧力を調整可能である。供給部17cは、筐体12内の気体の圧力を高めることができる。
乾燥ガスは、常温よりも低い露点を有する。露点は、例えば、約-76℃である。乾燥ガスは、例えば、空気である。乾燥ガスは、例えば、圧縮エアである。乾燥ガスは、例えば、不活性ガスである。乾燥ガスは、例えば、窒素ガスである。
なお、供給部17aは、筐体12に液体を供給しない。供給部17bも、筐体12に液体を供給しない。供給部17cも、筐体12に液体を供給しない。
供給部17aは、供給源21aに連通接続される。供給源21aは、水蒸気を供給部17aに送る。供給部17bは、供給源21bに連通接続される。供給源21bは、アンモニアガスを供給部17bに送る。供給部17cは、供給源21cに連通接続される。供給源21cは、乾燥ガスを供給部17cに送る。
供給源21aは、基板処理装置1の要素であってもよい。あるいは、供給源21aは、基板処理装置1の要素でなくてもよい。例えば、供給源21aは、基板処理装置1の外部に設置されるユーティリティ設備であってもよい。同様に、供給源21b、供給源21cはそれぞれ、基板処理装置1の要素であってもよいし、基板処理装置1の要素でなくてもよい。
処理ユニット11は、1つの吹出部23を備える。吹出部23は、供給部17a-17cに連通接続される。供給部17a-17cはそれぞれ、吹出部23を通じて、筐体12にガスを供給する。
吹出部23は、例えば、ステージ15よりも高い位置に配置される。吹出部23は、例えば、筐体12の側部に取り付けられている。あるいは、吹出部23は、筐体12の上部に取り付けられてもよい。あるいは、吹出部23は、筐体12の内部に設置されてもよい。吹出部23は、例えば、ステージ15の上方に配置されてもよい。
吹出部23は、例えば、ステージ15に支持される基板Wから外れた方向にガスを吹き出す。吹出部23は、例えば、略水平方向にガスを吹き出す。
供給部17aの配置と構成を説明する。供給部17aの少なくとも一部は、筐体12の外部に配置される。供給部17b、17cも、供給部17aと同様に配置される。
供給部17aは、配管18aと弁19aを備える。弁19aは、配管18aに設けられる。配管18aは、供給源21aに連通接続される第1端を有する。配管18aは、吹出部23に連通接続される第2端を有する。弁19aが開くとき、供給部17aは、吹出部23を通じて筐体12に水蒸気を供給する。弁19aが閉じるとき、供給部17aは、水蒸気を筐体12に供給しない。
同様に、供給部17bは、配管18bと弁19bを備える。弁19bは、配管18bに設けられる。配管18bは、供給源21bに連通接続される第1端を有する。配管18bは、吹出部23に連通接続される第2端を有する。弁19bが開くとき、供給部17bは、吹出部23を通じて筐体12にアンモニアガスを供給する。弁19bが閉じるとき、供給部17bは、アンモニアガスを筐体12に供給しない。
供給部17cは、配管18cと弁19cを備える。弁19cは、配管18cに設けられる。配管18cは、供給源21cに連通接続される第1端を有する。配管18cは、吹出部23に連通接続される第2端を有する。弁19cが開くとき、供給部17cは、吹出部23を通じて筐体12に乾燥ガスを供給する。弁19cが閉じるとき、供給部17cは、乾燥ガスを筐体12に供給しない。
処理ユニット11は、排気部25を備える。排気部25は、筐体12に連通接続される。排気部25は、筐体12内の気体を筐体12の外部に排出する。排気部25は、処理空間13の気体を筐体12の外部に排出する。
排気部25は、筐体12内の気体の圧力を調整可能である。排気部25は、筐体12内の気体の圧力を低下させることができる。
処理ユニット11は、1つの吸込部28を備える。吸込部28は、排気部25に連通接続される。排気部25は、吸込部28を通じて、筐体12内の気体を吸い込む。
吸込部28は、例えば、吹出部23よりも低い位置に配置される。吸込部28は、例えば、筐体12の側部に取り付けられている。あるいは、吸込部28は、筐体12の底部に取り付けられてもよい。
排気部25は、不図示のガス処理設備に連通接続される。処理設備は、気体を処理する。処理設備は、例えば、気体に含まれるアンモニアガスを分解し、気体からアンモニアガスを除外する。処理設備は、基板処理装置1の要素ではない。処理設備は、例えば、基板処理装置1の外部に設置されるユーティリティ設備である。
排気部25の配置と構成を説明する。排気部25の少なくとも一部は、筐体12の外部に配置される。
排気部25は、配管26と真空ポンプ27を備える。真空ポンプ27は、配管26に設けられる。配管26は、筐体12に連通接続される第1端を有する。配管26は、処理設備に連通接続される第2端を有する。真空ポンプ27が作動するとき、排気部25は、筐体21から気体を排出する。
処理ユニット11は、温度調整部31を備える。温度調整部31は、ステージ15に載置される基板Wの温度を調整する。温度調整部31は、ステージ15に支持される基板Wを、冷却し、かつ、加熱する。
温度調整部31の少なくとも一部は、筐体12内に配置されることが好ましい。
温度調整部31は、冷却部32を備える。冷却部32は、ステージ15に載置される基板Wを冷却する。
冷却部32の構成例を説明する。冷却部32は、冷却管33を備える。冷却管33の少なくとも一部は、筐体12内に設置される。冷却管33は、ステージ15に取り付けられている。冷却管33は、ステージ15に取り付けられている。冷却管33は、例えば、ステージ15の内部に配置される。冷却管33は、さらに、筐体12の外部に延びている。冷却管33は、冷媒供給部34に連通接続される。冷媒供給部34は、筐体12の外部に設けられる。冷媒供給部34は、冷却管33に冷媒を冷却管33に送る。冷媒供給部34は、例えば、不図示のポンプを含む。冷媒は、冷却管33を流れる。さらに、冷媒供給部34は、冷却管33から冷媒を受けてもよい。言い換えれば、冷媒は、冷媒供給部34と冷却管33の間で循環してもよい。冷媒が冷却管33を流れるとき、冷媒はステージ15に支持される基板Wから熱を奪う。冷媒が冷却管33を流れるとき、冷却部32はステージ15に載置される基板Wを冷却する。冷媒は、例えば、液体窒素である。
温度調整部31は、加熱部36を備える。加熱部36は、ステージ15に載置される基板Wを加熱する。
加熱部36の構成例を説明する。加熱部36は、電気ヒータ37と電源38を備える。電気ヒータ37は、筐体12内に設置される。電気ヒータ37は、ステージ15に取り付けられる。電気ヒータ37は、例えば、ステージ15の内部に配置される。電気ヒータ37は、例えば、電熱線を含む。電源38は、電気ヒータ37に電気的に接続される。電源38は、筐体12の外部に設けられる。電源38は、電気ヒータ37に電力を供給する。電源38が電気ヒータ37に電力を供給するとき、電気ヒータ37はステージ15に支持される基板Wに熱を与える。電源38が電気ヒータ37に電力を供給するとき、加熱部36はステージ15に支持される基板Wを加熱する。
処理ユニット11は、電子放射部41を備える。電子放射部41は、筐体12内に電子を放射する。電子放射部41は、ステージ15に載置される基板Wに電子を放射する。
電子放射部41の少なくとも一部は、例えば、筐体12内に配置されてもよい。あるいは、電子放射部41の全部は、筐体12の外部に配置されてもよい。
電子放射部41の構成例を説明する。電子放射部41は、電子線源42と電源43を備える。電子線源42は、例えば、電子銃である。電子線源42は、例えば、不図示のフィラメントを含む。フィラメントの材質は、例えば、タングステンである。電子線源42の少なくとも一部は、筐体12内に設置されてもよい。電子線源42は、例えば、筐体12を貫通するように設けられてもよい。あるいは、電子線源42の全部は、筐体12の外部に設置されてもよい。電子線源42は、例えば、ステージ15よりも高い位置に配置される。電源43は、電子線源42に電気的に接続される。電源43は、筐体12の外部に設けられる。電源43は、電子線源42に電力を供給する。電源43が電子線源42に電力を供給するとき、電子線源42は電子を処理空間13に放射する。
処理ユニット11は、収集部45を備える。収集部45は、筐体12内において負に帯電されたパーティクルを収集する。
収集部45の少なくとも一部は、筐体12内に配置されることが好ましい。
収集部45の構成例を説明する。収集部45は、電極46と電源47を備える。電極46は、例えば、筐体12の内部に設置されることが好ましい。電極46は、例えば、ステージ15の上方に配置される。電極46は、例えば、絶縁体で被覆された金属である。電源47は、電極46に電気的に接続される。電源47は、筐体12の外部に設けられる。電源47は、電極46に電圧を印加する。電源47は、電極46に正の電圧を印加する。電源47が電極46に正の電圧を印加するとき、電極46は、負に帯電したパーティクルを引き寄せる。
処理ユニット11は、圧力センサ51を備える。圧力センサ51は、筐体12内の気体の圧力を検出する。圧力センサ51は、筐体12内に設置される。
処理ユニット11は、温度センサ52を備える。温度センサ52は、基板Wの温度を検出する。温度センサ52は、筐体12内に設置される。温度センサ52は、例えば、ステージ15に取り付けられる。温度センサ52は、例えば、ステージ15を直接的に検出することによって、ステージ15上の基板Wの温度を間接的に検出してもよい。
ステージ15は、本発明の基板載置部の例である。
供給部17aは、本発明の第1供給部の例である。水蒸気は、本発明における第1処理ガスの例である。供給部17bは、本発明の第2供給部の例である。アンモニアガスは、本発明における第2処理ガスの例である。
供給部17cと排気部25は、本発明の圧力調整部の例である。
以下では、供給部17cと排気部25を区別しない場合には、適宜に「圧力調整部20」と呼ぶ。
図2を参照する。制御部10は、供給部17a、17bを制御する。制御部10は、弁19a、19bを制御する。
制御部10は、圧力調整部20を制御する。制御部10は、供給部17cと排気部25を制御する。制御部10は、弁19cと真空ポンプ27を制御する。
制御部10は、温度調整部31を制御する。制御部10は、冷却部32と加熱部36を制御する。制御部10は、冷媒供給部34と電源38を制御する。
制御部10は、電子放射部41を制御する。制御部10は、電源43を制御する。
制御部10は、収集部45を制御する。制御部10は、電源47を制御する。
制御部10は、圧力センサ51の検出結果を取得する。制御部10は、温度センサ52の検出結果を取得する。
<3.処理ユニット11の動作例>
図4は、基板処理方法の手順を示すフローチャートである。基板を処理する基板処理方法は、ステップS1-S11を備える。ステップS1-11は、実質的に処理ユニット11によって実行される。制御部10の制御にしたがって、処理ユニット11は、動作する。
ステップS1:載置工程
上述の通り、搬送機構8によって、基板Wはステージ15に載置される。基板Wは、筐体12内において略水平姿勢で載置される。
図5は、載置工程における基板Wの上面を模式的に示す図である。基板Wは、パターンRを有する。パターンRは、基板Wの上面W1に形成される。基板Wがステージ15に載置されるとき、パターンRは基板Wの上面W1に位置する。基板Wがステージ15に載置されるとき、パターンRは上方を向く。
パターンRは、凸部W2と凹部Aを有する。凸部W2は、基板Wの一部である。凸部W2は、構造体である。凸部W2は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)やシリコン窒化膜(SiN)やポリシリコン膜で構成される。凸部W2は、上方に隆起する。凹部Aは、空間である。凹部Aは、上方に開放されている。凹部Aは、凸部W2の側方に配置される。凹部Aは、凸部W2に接する。凸部W2は、凹部Aを区画する壁に相当する。
さらに、図5では、パーティクル(異物)Bを示す。パーティクルBは、基板Wの上面W1に付着する。
基板Wの上面W1は、筐体12内の気体Gと接する。
載置工程では、基板Wは液体と接触しない。載置工程では、基板Wは、濡れていない。
ここで、気体Gと液体の界面を適宜に気液界面と呼ぶ。載置工程では、基板Wは、気液界面と接しない。そもそも、載置工程では、気液界面は生じない。
圧力センサ51は、筐体12内の気体Gの圧力を検出する。制御部10は、圧力センサ51の検出結果を監視する。
載置工程では、筐体12内の気体Gの圧力は、常圧である。ここで、常圧は、標準大気圧(1気圧、1013hPa)を含む。常圧は、例えば、0.7気圧以上で、1.3気圧以下の範囲内の気圧である。本明細書では、絶対真空を基準とした絶対圧力で、圧力を示す。
温度センサ52は、ステージ15に載置される基板Wの温度を検出する。制御部10は、温度センサ52の検出結果を監視する。
載置工程では、ステージ15上の基板Wは、例えば、常温である。ここで、常温は、室温を含む。常温は、例えば、5℃以上で35℃以下の範囲内の温度である。常温は、例えば、10℃以上で30℃以下の範囲内の温度である。
基板Wは、ステージ15上で静止する。基板Wは、回転しない。ステップS2-S9は、基板Wが静止した状態で、実行される。
ステップS2:密閉工程
筐体12が基板Wを収容した状態で、筐体12は密閉される。例えば、シャッタ14は、基板搬送口12aを閉じる。
便宜上、図5を参照する。密閉工程でも、基板Wは、気液界面と接しない。
ステップS3:調整工程
筐体12の気体Gの圧力は、第1圧力P1に調整される。第1圧力P1は、水蒸気が凝華可能な圧力である。
ここで、「凝華(deposition)」および「凝華する」とは、気体から、液体を経ずに、固体に変化することである。他方、「凝縮(condensation)」および「凝縮する」とは、気体から、液体に変化することである。筐体12の気体Gの圧力が第1圧力P1であるとき、水蒸気は凝縮し難い。
例えば、第1圧力P1は、水の三重点の圧力よりも小さい。水の三重点の圧力は、約611Paである。筐体12の気体Gの圧力が水の三重点の圧力よりも小さいとき、水蒸気(気相の水)は凝縮し難い。
第1圧力P1は常圧よりも小さい。このため、調整工程は、筐体12の気体Gの圧力を低下させる。調整工程は、筐体12の気体Gの圧力を、常圧から第1圧力P1に低下させる。
具体的には、制御部10は、圧力調整部20を制御することによって、筐体12の気体Gの圧力を調整する。例えば、排気部25が筐体12内の気体を排出することによって、筐体12の気体Gの圧力を低下させる。制御部10が筐体12の気体Gの圧力を調整するとき、制御部10は、圧力センサ51の検出結果を参照してもよい。
第1圧力P1は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第1圧力P1は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
さらに、調整工程では、ステージ15に載置される基板Wは、第1温度T1に調整される。第1温度T1は、第1圧力P1の下で、水蒸気が凝華する温度である。言い換えれば、第1温度T1は、第1圧力P1の下で、水が固相で存在する温度である。
例えば、第1温度T1は、水の三重点の温度よりも低い。水の三重点の温度は、0.01度である。
第1温度T1は、常温よりも低い。このため、調整工程は、ステージ15に載置される基板Wを冷却する。調整工程は、ステージ15に載置される基板Wを、常温から第1温度T1まで冷却する。
具体的には、制御部10は、温度調整部31を制御することによって、ステージ15に載置される基板Wの温度を調整する。例えば、冷却部32は、ステージ15に載置される基板Wを冷却する。制御部10が基板Wの温度を調整するとき、制御部10は、温度センサ52の検出結果を参照してもよい。
第1温度T1は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第1温度T1は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
ステップS4、S5は、筐体12の気体Gの圧力が第1圧力P1に保たれ、かつ、ステージ15に載置される基板Wの温度が第1温度T1に保たれた状態で、実行される。
ステップS4:第1供給工程
水蒸気が筐体12に供給される。
具体的には、制御部10は供給部17aを制御する。これにより、供給部17aは、筐体12に水蒸気を供給する。
便宜上、図5を参照する。基板Wの上面W1は、筐体12内の気体Gと接する。気体Gは、水蒸気を含む。このため、基板Wの上面W1は、水蒸気と接する。
水蒸気は、気相である。すなわち、水蒸気は液相ではない。このため、第1供給工程においても、気体Gは気相である。
第1供給工程は、基板Wに液体を供給しない。
第1供給工程では、基板Wの上面W1は、液体と接触しない。このため、第1供給工程では、基板Wの上面W1は、気液界面と接しない。そもそも、第1供給工程では、気液界面は生じない。
ステップS5:凝華工程
水蒸気は筐体12内において凝華する。
水蒸気が筐体12に供給された直後から、水蒸気は凝華し始める。このため、凝華工程が実行される期間は、第1供給工程が実行される期間の少なくとも一部と重なってもよい。
図6は、凝華工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。筐体12の気体Gの圧力が第1圧力P1に保たれた状態で、水蒸気は筐体12において冷却される。水蒸気は、基板Wによって冷却される。基板Wの近傍の水蒸気は、第1温度T1まで冷却される。
水蒸気は、液体を経ずに、第1固体膜Hに変わる。第1固体膜Hは、基板Wの上面W1に形成される。基板Wの上面W1は、第1固体膜Hと接する。
第1固体膜Hは、固相である。第1固体膜Hは、氷である。第1固体膜Hは、液相でない。
図6では、第1固体膜Hは、凸部W2の高さよりも薄い。このため、上面W1(凸部W2)は、第1固体膜Hおよび気体Gの両方と接する。
図6は、第1固体膜Hの厚みが基板Wの上面W1にわたって均一でない場合を例示する。すなわち、図6は、第1固化膜Hの形成速度が、基板Wの上面W1において、ばらつく場合を例示する。第1固化膜の形成速度のばらつきは、例えば、基板Wの温度が基板Wの上面W1にわたってばらつくことに起因する。なお、第1固化膜Hの形成速度は、基板Wの上面W1にわたって均一であってもよい。
第1固体膜Hは、徐々に厚くなる。
図7は、凝華工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。図7では、第1固体膜Hは、凸部W2の高さよりも厚い。
第1固体膜Hは、基板Wの上面W1を覆う。第1固体膜Hは、基板Wの上面W1の全体を覆う。基板Wの上面W1は、第1固体膜Hと接する。但し、基板Wの上面W1は、気体Gと接しない。
図6、7から明らかな通り、水蒸気が第1固体膜Hに変わるとき、基板Wの上面W1は、液体と接しない。基板Wの上面W1が気液界面と接することなく、水蒸気は第1固体膜Hに変わる。したがって、凝華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。そもそも、凝華工程では、気液界面は生じない。
第1固化膜Hの形成速度が基板Wの上面W1においてばらつく場合であっても、凝華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
ステップS6:融解工程
第1固体膜Hは融解する。
融解工程では、筐体12内の気体Gの圧力は、第2圧力P2に調整される。第2圧力P2は、第1固体膜Hが融解可能な圧力である。
ここで、「融解(melting)」および「融解する」とは、固体から、液体に変化することである。他方、「昇華(sublimation)」および「昇華する」とは、固体から、液体を経ずに、気体に変化することである。筐体12内の気体Gの圧力が第2圧力P2であるとき、第1固体膜Hは昇華し難い。
例えば、第2圧力P2は、水の三重点の圧力よりも大きい。筐体12の気体Gの圧力が水の三重点の圧力よりも大きいとき、氷(固相の水)は昇華し難い。
例えば、第2圧力P2は、常圧よりも低い。例えば、第2圧力P2は、標準大気圧よりも低い。
第2圧力P2は第1圧力P1よりも大きい。このため、融解工程は、筐体12の気体Gの圧力を高める。融解工程は、筐体12の気体Gの圧力を、第1圧力P1から第2圧力P2に高める。
具体的には、制御部10は、圧力調整部20を制御することによって、筐体12の気体Gの圧力を調整する。例えば、供給部17cが筐体12に乾燥ガスを供給することによって、筐体12の気体Gの圧力を高める。
第2圧力P2は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第2圧力P2は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
さらに、ステージ15に載置される基板Wは、第2温度T2に調整される。ここで、筐体12内の気体Gの圧力が第2圧力P2に調整された後、ステージ15に載置される基板Wは、第2温度T2に調整されることが好ましい。第2温度T2は、第2圧力P2の下で、第1固体膜Hが融解する温度である。言い換えれば、第2温度T2は、第2圧力P2の下で、第1固体膜Hが液相で存在する温度である。
例えば、第2温度T2は、水の三重点の温度よりも高い。例えば、第2温度T2は、常温と略等しい。
第2温度T2は、第1温度T1よりも高い。このため、融解工程は、ステージ15に載置される基板Wを加熱する。融解工程は、ステージ15に載置される基板Wを、第1温度T1から第2温度T2まで加熱する。
具体的には、制御部10は、温度調整部31を制御することによって、ステージ15に載置される基板Wの温度を調整する。例えば、加熱部36は、ステージ15に載置される基板Wを加熱する。
第2温度T2は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第2温度T2は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
図8は、融解工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。筐体12の気体Gの圧力が第2圧力P2に保たれた状態で、第1固体膜Hは加熱される。第1固体膜Hは、基板Wによって加熱される。第1固体膜Hは、第2温度T2まで加熱される。
第1固体膜Hは、液膜Jに変わる。液膜Jは、基板Wの上面W1に形成される。基板Wの上面W1は、液膜Jと接する。
液膜Jは、液相である。液膜Jは、処理液によって形成される。液膜Jを形成する処理液は、水である。
図8では、第1固体膜Hの一部が、液膜Jに変わる。基板Wの上面W1は、液膜Jおよび第1固体膜Hの両方と接する。但し、基板Wの上面W1は、気体Gと接しない。基板Wの上面W1は、液膜Jおよび第1固体膜Hによって覆われているからである。
図8は、液膜Jの厚みが基板Wの上面W1にわたって均一でない場合を例示する。すなわち、図8は、液膜Jの形成速度が、基板Wの上面W1において、ばらつく場合を例示する。液膜Jの形成速度のばらつきは、例えば、基板Wの温度が基板Wの上面W1にわたってばらつくことに起因する。なお、液膜Jの形成速度は、基板Wの上面W1にわたって均一であってもよい。
第1固体膜Hは徐々に減少する。液膜Jは徐々に増大する。
図9は、融解工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。図9では、第1固体膜Hの全部が、液膜Jに変わる。
液膜Jは、基板Wの上面W1を覆う。液膜Jは、基板Wの上面W1の全体を覆う。基板Wの上面W1は、液膜Jと接する。但し、基板Wの上面W1は、気体Gと接しない。
図8、9から明らかな通り、第1固体膜Hから液膜Jに変わるとき、気液界面Kが生じる。気液界面Kは、液膜Jと気体Gの間に位置する。しかし、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、第1固体膜Hは液膜Jに変わる。したがって、融解工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
液膜Jの形成速度が基板Wの上面W1においてばらつく場合であっても、融解工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
ステップS7:第2供給工程
アンモニアガスが筐体12に供給される。
具体的には、制御部10は供給部17bを制御する。これにより、供給部17bは、筐体12にアンモニアガスを供給する。
図10は、第2供給工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。気体Gは、アンモニアガスを含む。アンモニアガスは気相である。すなわち、アンモニアガスは液相でない。第2供給工程においても、気体Gは気相である。
第2供給工程は、基板Wに液体を供給しない。
基板Wの上面W1は、気体Gと接しない。基板Wの上面W1は、液膜Jに覆われているからである。第2供給工程においても、基板Wの上面W1は、液膜Jと気体Gの間の気液界面Kと接しない。
液膜Jは、気体Gと接する。液膜Jは、気体Gに含まれるアンモニアガスと接する。液膜Jは、気体Gに含まれるアンモニアガスを溶解する。その結果、液膜Jは、アンモニア水を含む。アンモニア水は、水酸化アンモニウムとも言う。
液膜Jがアンモニアガスを溶解した後、液膜Jはアルカリ性を有する。基板Wの上面W1はアルカリ性の液膜Jと接する。このため、基板Wの上面W1は、負のゼータ電位を有する。同様に、パーティクルBは、アルカリ性の液膜Jと接する。このため、パーティクルBは、負のゼータ電位を有する。パーティクルBが有するゼータ電位は、基板Wの上面W1が有するゼータ電位と同じ極性である。したがって、上面W1とパーティクルBは、互いに反発する。パーティクルBは上面W1から離れる。パーティクルBは液膜J中に遊離する。さらに、パーティクルBが上面W1から離れた後、パーティクルBは、上面W1に再付着し難い。このように、液膜Jは、上面W1からパーティクルBを離脱させる。
ステップS8:凝固工程
液膜Jは凝固する。
凝固工程では、筐体12の気体Gの圧力は、第3圧力P3に調整される。第3圧力P3は、液膜Jが凝固可能な圧力である。
ここで、「凝固(freezing)」および「凝固する」とは、液体から固体に変化することである。他方、「蒸発(vaporization)」および「蒸発する」とは、液体から気体に変化することである。筐体12内の気体Gの圧力が第3圧力P3であるとき、液膜Jは蒸発し難い。
例えば、第3圧力P3は、水の三重点の圧力よりも大きい。筐体12の気体Gの圧力が水の三重点の圧力よりも大きいとき、水(液相の水)は蒸発し難い。
例えば、第3圧力P3は、常圧よりも低い。例えば、第3圧力P3は、標準大気圧よりも低い。
例えば、第3圧力P3は、第2圧力P2と略等しい。
凝固工程は、筐体12内の気体Gの圧力を、第2圧力P2から第3圧力P3に調整する。
具体的には、制御部10は、圧力調整部20を制御することによって、筐体12の気体Gの圧力を調整する。
第3圧力P3は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第3圧力P3は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
さらに、ステージ15に載置される基板Wは、第3温度T3に調整される。第3温度T3は、第3圧力P3の下で、液膜Jが凝固する温度である。言い換えれば、第3温度T3は、第3圧力P3の下で、液膜Jが固相で存在する温度である。
例えば、第3温度T3は、水の三重点の温度よりも低い。例えば、第3温度T3は、第1温度T1と略等しい。
第3温度T3は、第2温度T2よりも低い。このため、凝固工程は、ステージ15に載置される基板Wを冷却する。凝固工程は、ステージ15に載置される基板Wを、第2温度T2から第3温度T3まで冷却する。
具体的には、制御部10は、温度調整部31を制御することによって、ステージ15に載置される基板Wの温度を、第3温度T3に調整する。例えば、冷却部32は、ステージ15に載置される基板Wを冷却する。
第3温度T3は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第3温度T3は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
図11は、凝固工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。筐体12の気体Gの圧力が第3圧力P3に保たれた状態で、液膜Jは冷却される。液膜Jは、基板Wによって冷却される。液膜Jは、第3温度T3まで冷却される。
液膜Jは、第2固体膜Lに変わる。第2固体膜Lは、基板Wの上面W1に形成される。基板Wの上面W1は、第2固体膜Lと接する。
第2固体膜Lは、固相である。
図11では、液膜Jの一部が、第2固体膜Lに変わる。基板Wの上面W1は、液膜Jおよび第2固体膜Lの両方と接する。但し、基板Wの上面W1は、気体Gと接しない。基板Wの上面W1は、液膜Jおよび第2固体膜Lによって覆われているからである。
図11は、第2固体膜Lの厚みが基板Wの上面W1にわたって均一でない場合を例示する。すなわち、図11は、第2固体膜Lの形成速度が、基板Wの上面W1において、ばらつく場合を例示する。第2固体膜Lの形成速度のばらつきは、例えば、基板Wの温度が基板Wの上面W1にわたってばらつくことに起因する。なお、第2固体膜Lの形成速度は、基板Wの上面W1にわたって均一であってもよい。
液膜Jは徐々に減少する。第2固体膜Lは徐々に増大する。
図12は、凝固工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。図12では、液膜Jの全部が、第2固体膜Lに変わる。
第2固体膜Lは、基板Wの上面W1を覆う。第2固体膜Lは、基板Wの上面W1の全体を覆う。基板Wの上面W1は、第2固体膜Lと接する。但し、基板Wの上面W1は、気体Gと接しない。
液膜Jは、消失する。これにより、基板Wの上面W1のゼータ電位は、消失する。パーティクルBのゼータ電位も、消失する。
図11、12から明らかな通り、液膜Jから第2固体膜Lに変わるとき、気液界面Kが生じる。気液界面Kは、液膜Jと気体Gの間に位置する。しかし、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、液膜Jは第2固体膜Lに変わる。したがって、凝固工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
第2固体膜Lの形成速度が基板Wの上面W1においてばらつく場合であっても、凝固工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
ステップS9:帯電工程
第2固体膜Lは帯電する。
具体的には、制御部10は、電子放射部41を制御する。これにより、電子放射部41は、第2固体膜Lに向けて、電子を放射する。
図13は、帯電工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。電子放射部41は、電子Mを放射する。第2固体膜Lは、電子Mを受ける。このため、第2固体膜Lは、負に帯電する。電子Mは、第2固体膜Lの上面L1に分布する。このため、第2固体膜Lの上面L1は、負に帯電する。
ステップS10:昇華工程
第2固体膜Lは昇華する。
昇華工程では、筐体12の気体Gの圧力を、第4圧力P4に調整する。第4圧力P4は、第2固体膜Lが昇華可能な圧力である。
上述のとおり、「昇華(sublimation)」および「昇華する」とは、固体から、液体を経ずに、気体に変化することである。他方、「融解(melting)」および「融解する」とは、固体から液体に変化することである。筐体12内の気体Gの圧力が第4圧力P4であるとき、第2固体膜Lは融解し難い。
例えば、第4圧力P4は、水の三重点の圧力よりも小さい。筐体12の気体Gの圧力が水の三重点の圧力よりも小さいとき、氷(固相の水)は融解し難い。
例えば、第4圧力P4は、第1圧力P1と略等しい。
第4圧力P4は、第3圧力P3よりも低い。このため、昇華工程は、筐体12の気体Gの圧力を低下させる。昇華工程は、筐体12の気体Gの圧力を、第3圧力P3から第4圧力P4に低下させる。
具体的には、制御部10は、圧力調整部20を制御することによって、筐体12の気体Gの圧力を調整する。例えば、排気部25は、筐体12の気体Gの圧力を低下させる。
第4圧力P4は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第4圧力P4は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
昇華工程では、筐体12内の気体を筐体12の外部に排出する。
具相的には、排気部25は、筐体12の気体Gの圧力を減圧するとともに、筐体12内の気体を筐体12の外部に排出する。
さらに、ステージ15に載置される基板Wは、第4温度T4に調整される。第4温度T4は、第4圧力P4の下で、第2固体膜Lが昇華する温度である。言い換えれば、第4温度T4は、第4圧力P4の下で、第2固体膜Lが気相で存在する温度である。
例えば、第4温度T4は、水の三重点の温度よりも高い。例えば、第4温度T4は、常温と略等しい。
例えば、第4温度T4は、第3温度T3よりも高い。この場合、昇華工程は、ステージ15に載置される基板Wを加熱する。昇華工程は、ステージ15に載置される基板Wを、第3温度T3から第4温度T4まで加熱する。
具体的には、制御部10は、温度調整部31を制御することによって、ステージ15に載置される基板Wの温度を、第4温度T4に調整する。例えば、加熱部36は、ステージ15に載置される基板Wを加熱する。
第4温度T4は、1つの値であってもよいし、2つの値の間の範囲であってもよい。第4温度T4は、制御部10が有する処理情報において予め設定されている。
図14は、昇華工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。筐体12の気体Gの圧力が第4圧力P4に保たれた状態で、第2固体膜Lは加熱される。第2固体膜Lは、基板Wによって加熱される。第2固体膜Lは、第4温度T4まで加熱される。
第2固体膜Lは、液体を経ずに、気体に変わる。第2固体膜Lから変化した気体は、気相である。気体Gは、第2固体膜Lから変化した気体を含む。排気部25は、気体Gを、筐体12の外部に排出する。
第2固体膜Lの上面L1は、低くなる。第2固体膜Lの上面L1が負に帯電したままで、第2固体膜Lの上面L1は低くなる。第2固体膜Lの上面L1がパーティクルBと同じ高さ位置まで低くなると、パーティクルBは負に帯電される。言い換えれば、パーティクルBが第2固体膜Lの上面L1に露出するとき、パーティクルBは負に帯電される。パーティクルBが負に帯電したとき、パーティクルBと第2固体膜Lの上面L1は、互いに反発する。よって、パーティクルBは、第2固体膜Lから容易に離れる。パーティクルBは、例えば、第2固体膜Lから、筐体12内の気体G中に飛ぶ。
図14では、第2固体膜Lの一部が、昇華する。基板Wの上面W1は、第2固体膜Lおよび気体Gの両方と接する。但し、基板Wの上面W1は、液体と接しない。
図14は、第2固体膜Lの厚みが基板Wの上面W1にわたって均一でない場合を例示する。すなわち、図14は、第2固体膜Lの昇華速度が、基板Wの上面W1において、ばらつく場合を例示する。第2固体膜Lの昇華速度のばらつきは、例えば、基板Wの温度が基板Wの上面W1にわたってばらつくことに起因する。なお、第2固体膜Lの昇華速度は、基板Wの上面W1にわたって均一であってもよい。
図15は、昇華工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。図15では、第2固体膜Lの全部が、昇華する。
第2固体膜Lが液体に変化することなく、第2固体膜Lは基板Wから除去される。第2固体膜Lが液体に変化することなく、基板Wは乾燥される。
基板Wの上面W1は、気体Gと接する。但し、基板Wの上面W1は、液体と接しない。
図14、15から明らかな通り、第2固体膜Lが気体に変わるとき、基板Wの上面W1は液体と接しない。基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、第2固体膜Lは昇華する。このため、昇華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。そもそも、昇華工程では、気液界面は生じない。
第2固体膜Lの昇華速度が基板Wの上面W1においてばらつく場合であっても、昇華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
ステップS11:収集工程
収集部45は、帯電したパーティクルBを収集する。
収集工程は、昇華工程と並行して実行されることが好ましい。収集工程が実行される期間は、昇華工程が実行される期間の少なくとも一部と重なることが好ましい。例えば、収集工程は、昇華工程と同時に始まる。
具体的には、制御部10は、収集部45を制御する。これにより、電極46は、正の電位を有する。
図14を参照する。電極46は、帯電したパーティクルBを引き寄せる。電極46は、第2固体膜Lから露出したパーティクルBを引き寄せる。パーティクルBは、電極Bに向かって移動する。パーティクルBは、例えば、上方に移動する。
図15を参照する。第2固体膜Lに含まれる全てのパーティクルBは、電極46に収集される。第2固体膜Lに含まれる全てのパーティクルBは、基板Wから除去される。
<4.実施形態の効果>
基板処理方法は、載置工程を備える。載置工程では、筐体12内において、基板Wは略水平姿勢で載置される。載置工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
基板処理方法は、第1供給工程を備える。第1供給工程は、水蒸気を筐体12に供給する。第1供給工程では、基板Wの上面W1は、水蒸気と接する。水蒸気は、気相である。すなわち、水蒸気は、液相でない。第1供給工程は、基板Wに液体を供給しない。このため、第1供給工程では、基板Wの上面W1は、液体と接しない。したがって、第1供給工程では、基板Wの上面W1は、気液界面と接しない。
基板処理方法は、凝華工程を備える。凝華工程では、水蒸気は筐体12内において凝華する。これにより、凝華工程は第1固体膜Hを形成する。第1固体膜Hは、基板Wの上面W1を覆う。凝華工程では、水蒸気は、液体を経ずに、第1固体膜Hに変わる。凝華工程では、基板Wの上面W1は、第1固体膜Hと接する。第1固体膜Hは、固相である。すなわち、第1固体膜Hは、液相でない。このため、水蒸気が第1固体膜Hに変わるとき、基板Wの上面W1は、液体と接しない。よって、基板Wの上面W1が気液界面と接することなく、水蒸気は第1固体膜Hに凝華(変化)する。したがって、凝華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
基板処理方法は、融解工程を備える。融解工程では、第1固体膜Hは融解する。これにより、融解工程は液膜Jを形成する。液膜Jは、基板Wの上面W1を覆う。融解工程では、第1固体膜Hは、液膜Jに変わる。融解工程では、基板Wの上面W1は、液膜Jと接する。液膜Jは、液相である。上述の通り、凝華工程で形成される第1固体膜Hは、基板Wの上面W1を覆う。このため、第1固体膜Hが液膜Jに変わるとき、基板Wの上面W1は気体Gと接しない。よって、基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、第1固体膜Hは液膜Jに融解する。したがって、融解工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
まとめると、載置工程と第1供給工程と凝華工程と融解工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。このため、液膜Jの表面張力は、基板Wの上面W1に実質的に作用しない。よって、基板Wの上面W1を保護しつつ、基板Wの上面W1に液膜Jを形成できる。言い換えれば、基板Wの上面W1を保護しつつ、基板Wの上面W1に処理液を供給できる。したがって、基板処理方法は、基板Wを適切に処理できる。
なお、仮に、ノズルが基板Wの上面W1に処理液を吐出する従来技術では、基板Wの上面W1が処理液と接触し始める時、基板Wは気液界面と接する。すなわち、従来技術では、基板Wが気液界面と接する瞬間が生じる。この瞬間、処理液の表面張力が基板Wの上面W1に作用する。よって、従来技術では、基板Wの上面W1は、比較的に大きな力を受ける。
基板処理方法は、水蒸気を凝華させて基板Wの上面W1を覆う第1固体膜Hを形成した後、第1固体膜Hを融解させて基板Wの上面W1を覆う液膜Jを形成する。このため、基板W上から処理液があふれることを好適に抑制できる。すなわち、処理液のロスを好適に抑えることができる。よって、基板処理方法は、より少ない処理液で、液膜Jを効率良く形成できる。すなわち、基板処理方法は、基板Wを少量の処理液で処理できる。その結果、基板処理方法では、処理液の使用量は比較的に少ない。例えば、基板処理方法における処理液の使用量は、従来方法における処理液の使用量よりも少ない。
凝華工程は、筐体12内の気体Gの圧力を、水蒸気が凝華可能な第1圧力P1に保つ。このため、水蒸気が凝縮することを、凝華工程は好適に抑制できる。
凝華工程は、水蒸気を冷却する。このため、凝華工程では、水蒸気は好適に凝華する。
融解工程は、筐体12内の気体Gの圧力を、第1固体膜Hが融解可能な第2圧力P2に保つ。このため、第1固体膜Hが昇華することを、融解工程は好適に抑制できる。
融解工程は、第1固体膜Hを加熱する。このため、融解工程では、第1固体膜Hは好適に融解する。
凝華工程は、基板Wを冷却する。このため、凝華工程は、基板Wを介して水蒸気を冷却する。凝華工程では、基板Wの上面W1は水蒸気と接する。よって、凝華工程は、第1固体膜Hを効率良く形成できる。
凝華工程は、水蒸気が基板Wの上面W1上に凝華する第1温度T1まで、基板Wを冷却する。よって、凝華工程は、水蒸気を第1固体膜Hに好適に凝華(変化)できる。
融解工程は、基板Wを加熱する。このため、融解工程は、基板Wを介して第1固体膜Hを加熱する。融解工程では、基板Wの上面W1は第1固体膜Hと接する。よって、融解工程は、液膜Jを効率良く形成できる。
融解工程は、第1固体膜Hが融解する第2温度T2まで、基板Wを加熱する。よって、融解工程は、第1固体膜Hを液膜Jに好適に融解できる。
凝華工程では、筐体12内の気体Gの圧力は水の三重点の圧力よりも小さい。よって、凝華工程では、水蒸気が凝縮することを好適に抑制できる。
融解工程では、筐体12内の気体Gの圧力は水の三重点の圧力よりも大きい。よって、融解工程では、第1固体膜Hが昇華することを好適に抑制できる。
基板処理方法は、調整工程を備える。調整工程は、筐体12内の気体Gの圧力を、第1圧力P1に調整する。調整工程は、基板Wの温度を、第1温度T1に調整する。調整工程は、凝華工程の前に実行される。このため、凝華工程を円滑に開始できる。よって、基板処理方法に要する時間を短縮できる。
調整工程は、第1供給工程の前に実行される。このため、第1供給工程が開始した直後に、凝華工程を開始できる。よって、基板処理方法に要する時間を一層短縮できる。
基板処理方法は、凝固工程を備える。凝固工程では、液膜Jは凝固する。これにより、凝固工程は、第2固体膜Lを形成する。第2固体膜Lは基板Wの上面W1上に形成される。凝固工程では、液膜Jは第2固体膜Lに変わる。凝固工程では、基板Wの上面W1は、第2固体膜Lと接する。第2固体膜Lは、固相である。上述の通り、融解工程で形成される液膜Jは、基板Wの上面W1を覆う。このため、液膜Jが第2固体膜Lに変わるとき、基板Wの上面W1は気体Gと接しない。よって、基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、液膜Jは凝固する。したがって、凝固工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
基板処理方法は、昇華工程を備える。昇華工程では、第2固体膜Lは昇華する。昇華工程では、第2固体膜Lは、液体を経ずに、気相に変わる。このため、第2固体膜Lが昇華するとき、基板Wの上面W1は液体と接しない。よって、基板Wの上面W1が気液界面と接することなく、第1固体膜Lは昇華する。したがって、昇華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
第2固体膜Lが昇華することによって、第2固体膜は基板Wから去る。第2固体膜Lが昇華することによって、基板Wは乾燥される。
まとめると、凝固工程と昇華工程では、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。よって、基板処理方法によれば、基板Wの上面W1を好適に保護しつつ、基板を乾燥できる。したがって、基板処理方法は、基板Wを一層適切に処理できる。
凝固工程は、筐体12内の気体Gの圧力を、液膜Jが凝固可能な第3圧力P3に保つ。このため、液膜Jが蒸発することを、凝固工程は好適に抑制できる。
凝固工程は、液膜Jを冷却する。このため、凝固工程では、液膜Jは好適に凝固する。
昇華工程は、筐体12内の気体Gの圧力を、第2固体膜Lが昇華可能な第4圧力P4に保つ。このため、第2固体膜Lが融解することを、昇華工程は好適に抑制できる。
昇華工程は、第2固体膜Lを加熱する。このため、昇華工程では、第2固体膜Lは好適に昇華する。
凝固工程は、基板を冷却する。このため、凝固工程は、基板Wを介して液膜Jを冷却する。凝固工程では、基板Wの上面W1は液膜Jと接する。よって、凝固工程は、第2固体膜Lを効率良く形成できる。
凝固工程は、液膜Jが凝固する第3温度T3まで、基板Wを冷却する。よって、凝固工程は、液膜Jを好適に凝固できる。
昇華工程は、基板Wを加熱する。このため、昇華工程は、基板Wを介して第2固体膜Lを加熱する。昇華工程では、基板Wの上面W1は第2固体膜Lと接する。よって、昇華工程は、第2固体膜Lを効率良く昇華できる。
昇華工程は、第2固体膜Lが昇華する第4温度T4まで、基板Wを加熱する。よって、昇華工程は、第2固体膜Lを好適に昇華できる。
昇華工程は、筐体12内の気体Gを筐体12の外部に排出する。このため、昇華工程では、第2固体膜Lは一層好適に昇華する。昇華工程では、第2固体膜Lを基板Wから一層好適に除去できる。
凝固工程では、筐体12内の気体Gの圧力は水の三重点の圧力よりも大きい。よって、凝固工程では、液膜Jが蒸発することを好適に抑制できる。
昇華工程では、筐体12内の気体Gの圧力は水の三重点の圧力よりも小さい。よって、昇華工程では、第2固体膜Lが融解することを好適に抑制できる。
基板処理方法は、第2供給工程を備える。第2供給工程は、アンモニアガスを供給する。アンモニアガスは気相である。このため、第2供給工程では、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。よって、第2供給工程は、基板Wの上面W1を好適に保護しつつ、筐体12にアンモニアガスを供給できる。
液膜Jは、アンモニアガスを溶解する。このため、液膜Jは、水蒸気のみならずアンモニアガスにも由来する。よって、液膜Jは基板Wを一層適切に処理できる。
基板処理方法は、帯電工程を備える。帯電工程は、第2固体膜Lを帯電させる。このため、第2固体膜Lに含まれるパーティクルBを容易に帯電させることができる。具体的には、昇華工程においてパーティクルBが第2固体膜Lから露出するとき、パーティクルBを容易に帯電させることができる。
帯電工程では、第2固体膜Lは負に帯電する。このため、パーティクルBも負に帯電する。よって、静電反発が、負に帯電した第2固体膜Lと、負に帯電したパーティクルBの間に生じる。したがって、パーティクルBを好適に除去できる。
基板処理方法は、収集工程を備える。収集工程は、帯電したパーティクルBを収集する。このため、収集工程は、帯電したパーティクルBを基板Wから好適に除去できる。
基板Wは、パターンRを有する。パターンRは、基板Wの上面W1に形成される。上述の通り、基板処理方法は、基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、基板Wを処理する。よって、パターンRは気液界面Kと接しない。したがって、基板処理方法は、パターンRを保護しつつ、基板Wを適切に処理できる。例えば、基板処理方法は、パターンRが倒壊することを好適に抑制しつつ、パターンRに処理液を供給できる。例えば、基板処理方法は、凸部W2が倒壊することを好適に抑制しつつ、パターンRに処理液を供給できる。
基板処理装置1は、筐体12と圧力調整部20を備える。圧力調整部20は、筐体12内の気体Gの圧力を調整する。筐体12は密閉可能である。このため、圧力調整部20は、筐体12内の気体Gの圧力を好適に調整できる。
基板処理装置1は、ステージ15と供給部17aと温度調整部31と制御部10を備える。ステージ15は、筐体12内に設置される。ステージ15は基板Wを略水平姿勢で載置する。供給部17aは、筐体12内に水蒸気を供給する。温度調整部31はステージ15に載置される基板Wの温度を調整する。制御部10は、供給部17aと供給部17cと排気部25と温度調整部31を制御する。
制御部10は、供給部17aから筐体12に水蒸気を供給させる。供給部17aが水蒸気を筐体12に供給するとき、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
制御部10は、圧力調整部20と温度調整部31を制御することによって、水蒸気を凝華させて、ステージ15に載置される基板Wの上面W1を覆う第1固体膜Hを形成する。よって、水蒸気が第1固体膜Hに変わるとき、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
制御部10は、圧力調整部20と温度調整部31を制御することによって、前記第1固体膜を融解させて、ステージ15に載置される基板Wの上面W1を覆う液膜Jを形成する。よって、第1固体膜Hが液膜Jに変わるとき、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
まとめると、水蒸気を筐体12に供給し、水蒸気を凝華させ、かつ、第1固体膜Hを融解させるように、制御部10は供給部17aと圧力調整部20と温度調整部31を制御する。このため、基板処理装置1は、基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、基板Wの上面W1上に液膜Jを形成できる。したがって、基板処理装置1は、基板Wを適切に処理できる。
基板処理装置1は、水蒸気を凝華させて基板Wの上面W1を覆う第1固体膜Hを形成し、第1固体膜Hを融解させて基板Wの上面W1を覆う液膜Jを形成する。このため、基板W上から処理液があふれることを好適に抑制できる。すなわち、処理液のロスを好適に抑えることができる。よって、基板処理装置1は、より少ない処理液で、液膜Jを効率良く形成できる。すなわち、基板処理装置1は、基板Wを少量の処理液で処理できる。その結果、基板処理装置1では、処理液の使用量は比較的に少ない。例えば、基板処理装置1における処理液の使用量は、従来装置における処理液の使用量よりも少ない。
制御部10は、圧力調整部20と温度調整部31を制御することによって、液膜Jを凝固させて、ステージ15に載置される基板Wの上面W1上に第2固体膜Lを形成する。よって、液膜Jが第2固体膜Hに変わるとき、基板Wの上面W1は気液界面Kと接しない。
制御部10は、圧力調整部20と温度調整部31を制御することによって、第2固体膜Lを昇華させる。よって、第2固体膜Lが昇華するとき、基板Wの上面W1は気液界面と接しない。
まとめると、液膜Jを凝固させ、かつ、第2固体膜Lを昇華させるように、制御部10は圧力調整部20と温度調整部31を制御する。このため、基板処理装置1は、基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、基板Wの上面W1から第2固体膜Lを除去できる。よって、基板処理装置1は、基板Wの上面W1を保護しつつ、基板Wを乾燥できる。したがって、基板処理装置1は、基板Wを一層適切に処理できる。
基板処理装置1は、供給部17bを備える。供給部17bは、筐体12にアンモニアガスを供給する。制御部10は、供給部17bを制御することによって、筐体12内にアンモニアガスを供給し、液膜Jにアンモニアガスを溶解させる。このように、基板処理装置1は、基板Wの上面W1が気液界面Kと接することなく、液膜Jの成分を調整できる。よって、基板処理装置1は、基板Wの上面W1を保護しつつ、基板Wを一層適切に処理できる。
温度調整部31は、ステージ15に取り付けられる。よて、温度調整部31は、ステージ15に載置される基板Wの温度を好適に調整できる。
基板処理装置1は、電子放射部41を備える。電子放射部41は、筐体12内に電子を放射する。よって、第2固体膜Hを好適に帯電させることができる。
基板処理装置1は、電極46を備える。電極46は、筐体12内に設置される。電極46は、正電圧が印加される。よって、電極46は、負に帯電したパーティクルBを好適に収集できる。
本発明は、実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)実施形態では、凝華工程では、1つの種類のガス(水蒸気)が凝華した。但し、これに限られない。例えば、凝華工程では、複数種類のガスが凝華してもよい。例えば、凝華工程では、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかが、凝華してもよい。本変形実施形態によれば、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかに由来する液膜Jを形成できる。
例えば、水蒸気に由来する液膜Jによれば、基板Wにリンス処理を行うことができる。アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、および、トリメチルアミンガスの少なくともいずれかに由来する液膜Jによれば、基板Wに洗浄処理を行うことができる。例えば、液膜Jによって、基板Wの上面W1からパーティクルBを好適に除去できる。過酸化水素ガスに由来する液膜Jによれば、基板Wに酸化処理を行うことができる。例えば、液膜Jによって、基板Wの上面W1を酸化させることができる。
複数種類のガスが凝華する場合、複数種類のガスは同時に凝華してもよいし、同時に凝華しなくもよい。例えば、複数種類のガスが凝華する場合、複数種類のガスは、同じ凝華工程で凝華してもよい。あるいは、複数種類のガスはそれぞれ、互いに異なる凝華工程で、凝華してもよい。
2つの変形実施形態を説明する。
(1-1)図16は、変形実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。なお、実施形態と同じステップについては同符号を付すことで詳細な説明を省略する。変形実施形態の基板処理方法は、ステップS4-S6の点で、実施形態の基板処理方法と異なる。
第1供給工程(ステップS4)では、水蒸気とアンモニアガスが筐体12に供給される。例えば、水蒸気とアンモニアガスは、同時に筐体12に供給される。このため、筐体12内の気体Gは、水蒸気とアンモニアガスを含む。
具体的には、供給部17aと供給部17bがそれぞれ、水蒸気とアンモニアガスを筐体12に供給してもよい。あるいは、水蒸気とアンモニアガスの混合ガスを筐体12に供給するように、供給部17aの構成を変更してもよい。
凝華工程(ステップS5)では、水蒸気とアンモニアガスが凝華して、第1固体膜Hになる。
凝華工程では、筐体12の気体Gの圧力は、第1圧力P1に調整される。凝華工程では、ステージ15に載置される基板Wは、第1温度T1に調整される。ここで、凝華させるガスの種類に応じて、第1圧力P1と第1温度T1は、適宜に選択、変更される。例えば、第1圧力P1は、水蒸気およびアンモニアガスが凝華可能な圧力である。例えば、第1温度T1は、第1圧力P1の下で、水蒸気およびアンモニアガスが凝華する温度である。
融解工程(ステップS6)では、第1固体膜Hが融解して、液膜Jになる。液膜Jは、水蒸気とアンモニアガスに由来する処理液で形成される。すなわち、液膜Jは、アンモニア水を含む。このため、融解工程は、液膜Jを用いて、基板Wに洗浄処理を行うことができる。例えば、融解工程は、基板Wの上面W1からパーティクルBを離すことができる。
融解工程では、筐体12の気体Gの圧力は、第2圧力P2に調整される。融解工程では、ステージ15に載置される基板Wは、第2温度T2に調整される。ここで、第2圧力P2と第2温度T2は、第1固体膜Hの成分に応じて、適宜に選択、変更される。
同様に、凝固工程における第3圧力P3および第3温度T3も、液膜Jの成分に応じて、適宜に選択、変更される。昇華工程における第4圧力P4および第4温度T4も、第2固体膜Lの成分に応じて、適宜に選択、変更される。
本変形実施形態では、第2供給工程(ステップS7)を省略してもよい。
本変形実施形態では、供給部17aおよび供給部17bは、本発明の第1供給部の例である。水蒸気およびアンモニアガスは、本発明における第1処理ガスの例である。
(1-2)図17は、変形実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。なお、実施形態と同じステップについては同符号を付すことで詳細な説明を省略する。変形実施形態の基板処理方法は、ステップS4-S6の点で、実施形態の基板処理方法と異なる。
変形実施形態の基板処理方法は、ステップS4に代えて、ステップS4a、S4bを備える。変形実施形態の基板処理方法は、ステップS5に代えて、ステップS5a、S5bを備える。
ステップS4aの第1供給工程では、水蒸気が筐体12に供給される。
ステップS5aの凝華工程では、水蒸気が凝華する。
図18は、ステップS5aの凝固工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。筐体12内の気体Gに含まれる水蒸気は、液体を経ずに、第1固体膜Haに変わる。
ステップS4bの第1供給工程では、アンモニアガスが筐体12に供給される。
ステップS5aの凝華工程の後に、ステップS5bの凝華工程が実行される。ステップS5bの凝華工程では、アンモニアガスが凝華する。
図19は、ステップS5bの凝固工程における基板Wの上面W1を模式的に示す図である。筐体12内の気体Gに含まれるアンモニアガスは、液体を経ずに、第1固体膜Hbに変わる。第1固体膜Hbは、第1固体膜Ha上に積層される。第1固体膜Haと第2固体膜Hbの全体は、基板Wの上面W1を覆う。
このように、水蒸気は先に凝華する。水蒸気が凝華した後に、アンモニアガスは凝華する。なお、アンモニアガスが先に凝華し、その後、水蒸気が凝華してもよい。
融解工程(ステップS6)では、第1固体膜Haおよび第1固体膜Hbの全体が融解して、液膜Jになる。液膜Jは、水蒸気とアンモニアガスに由来する処理液で形成される。すなわち、液膜Jは、アンモニア水を含む。このため、融解工程は、液膜Jを用いて、基板Wに洗浄処理を行うことができる。例えば、融解工程は、基板Wの上面W1からパーティクルBを離すことができる。
本変形実施形態では、第2供給工程(ステップS7)を省略してもよい。
本変形実施形態では、供給部17aおよび供給部17bは、本発明の第1供給部の例である。水蒸気およびアンモニアガスは、本発明における第1処理ガスの例である。
(2)実施形態では、第2供給工程では、1つの種類のガス(アンモニアガス)が液膜Jに溶解した。但し、これに限られない。例えば、第2供給工程では、複数種類のガスが凝華してもよい。例えば、第2供給工程では、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかが、液膜Jに溶解してもよい。本変形実施形態によれば、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかに由来する液膜Jを形成できる。
複数種類のガスが液膜Jに溶解する場合、複数種類のガスは同時に液膜Jに溶解してもよいし、同時に液膜Jに溶解しなくてもよい。例えば、複数種類のガスが液膜Jに溶解する場合、複数種類のガスは、同じ第2供給工程で、液膜Jに溶解してもよい。あるいは、複数種類のガスはそれぞれ、互いに異なる第2供給工程で、液膜Jに溶解してもよい。
2つの変形実施形態を説明する。
(2-1)図20は、変形実施形態にかかる処理ユニット11の構成を示す図である。なお、実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
処理ユニット11は、供給部17a-17cに加えて、供給部17dを備える。供給部17dも、筐体12に連通接続される。供給部17dは、筐体12にガスを供給する。供給部17dが供給するガスは、過酸化水素ガスである。過酸化水素ガスは、気相である。
供給部17dは、供給源21dに連通接続される。供給源21dは、過酸化水素ガスを供給部17dに送る。供給源21dは、基板処理装置1の要素であってもよいし、基板処理装置1の要素でなくてもよい。
供給部17dは、吹出部23に連通接続される。
供給部17dは、配管18dと弁19dを備える。弁19dは、配管18dに設けられる。配管18dは、供給源21dに連通接続される第1端を有する。配管18dは、吹出部23に連通接続される第2端を有する。弁19dが開くとき、供給部17dは、吹出部23を通じて筐体12に過酸化水素ガスを供給する。弁19dが閉じるとき、供給部17dは、過酸化水素ガスを筐体12に供給しない。
便宜上、図4を参照する。なお、実施形態と同じステップについては詳細な説明を省略する。本変形実施形態の基板処理方法は、ステップS7の点で、実施形態の基板処理方法と異なる。
第2供給工程(ステップS7)では、アンモニアガスと過酸化水素ガスが筐体12に供給される。例えば、アンモニアガスと過酸化水素ガスは、同時に筐体12に供給される。このため、筐体12内の気体Gは、アンモニアガスと過酸化水素ガスを含む。
具体的には、供給部17bと供給部17dがそれぞれ、アンモニアガスと過酸化水素ガスを筐体12に供給する。
第2供給工程(ステップS7)では、液膜Jは、アンモニアガスと過酸化水素ガスを溶解する。その結果、液膜Jは、アンモニア水と過酸化水素水を含む。液膜Jがアンモニア水を含むので、液膜Jは、基板Wに洗浄処理を行うことができる。例えば、液膜Jは、基板Wの上面W1からパーティクルBを好適に除去できる。液膜Jが過酸化水素水を含むので、液膜Jは、基板Wに酸化処理を行うことができる。例えば、液膜Jは、基板Wの上面W1を酸化させることができる。
本変形実施形態では、供給部17bおよび供給部17dは、本発明の第2供給部の例である。アンモニアガスおよび過酸化水素ガスは、本発明における第2処理ガスの例である。
(2-2)図21は、変形実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。なお、実施形態と同じステップについては同符号を付すことで詳細な説明を省略する。変形実施形態の基板処理方法は、ステップS7に代えて、ステップS7a、S7bを備える。
ステップS7aの第2供給工程では、過酸化水素ガスが筐体12に供給される。ステップS7aの第2供給工程では、液膜Jは、過酸化水素ガスを融解する。その結果、液膜Jは、過酸化水素水を含む。液膜Jが過酸化水素水を含むので、液膜Jは、基板Wに酸化処理を行うことができる。例えば、液膜Jは、基板Wの上面W1を酸化させることができる。
ステップS7aの第2供給工程の後に、ステップS7bの第2供給工程は実行される。ステップS7bの第2供給工程では、アンモニアガスが筐体12に供給される。ステップS7bの第2供給工程では、液膜Jは、アンモニアガスを融解する。その結果、液膜Jは、過酸化水素水に加えて、アンモニア水を含む。液膜Jがアンモニア水を含むので、液膜Jは、さらに、基板Wに洗浄処理を行うことができる。例えば、液膜Jは、基板Wの上面W1からパーティクルBを好適に除去できる。
このように、過酸化水素ガスは先に液膜Jに溶解される。過酸化水素ガスが液膜Jに溶解される後に、アンモニアガスは液膜Jに溶解される。なお、アンモニアガスが先に液膜Jに溶解され、その後、過酸化水素ガスが液膜Jに溶解されてもよい。
本変形実施形態では、供給部17bおよび供給部17dは、本発明の第2供給部の例である。アンモニアガスおよび過酸化水素ガスは、本発明における第2処理ガスの例である。
(3)実施形態では、第2供給工程を備えた。但し、これに限られない。第2供給工程を省略してもよい。例えば、図16または図17に示す変形実施形態のように、第2供給工程を省略してもよい。
(4)実施形態では、第1供給工程の前に調整工程は実行される。但し、これに限られない。例えば、第1供給工程の後に調整工程は実行されてもよい。例えば、第1供給工程の後で、かつ、凝華工程の前に調整工程は実行されてもよい。
(5)実施形態では、基板処理方法は調整工程を備えた。但し、これに限られない。調整工程を省略してもよい。例えば、第1供給工程および昇華工程のいずれかが、調整工程と同等の動作を実行してもよい。例えば、第1供給工程において、筐体12の気体Gの圧力とステージ15に載置される基板Wの温度を調整してもよい。例えば、昇華工程において、筐体12の気体Gの圧力とステージ15に載置される基板Wの温度を調整してもよい。
(6)実施形態では、凝固工程は、液膜Jの蒸発を抑制しつつ、液膜Jを凝固させる。ただし、これに限られない。例えば、凝固工程は、液膜Jの一部のみが蒸発することを許容してもよい。例えば、液膜Jが水とアンモニアを含む場合、アンモニアが蒸発することを許容し、かつ、水が蒸発することを抑制しつつ、液膜Jを凝固させてもよい。
(7)実施形態では、収集工程を備えた。但し、これに限られない。収集工程を省略してもよい。例えば、図17、21に示すように、基板処理方法は、収集工程を備えて無くてもよい。帯電工程のみでも、負に帯電した第2固体膜Lと、負に帯電したパーティクルBの間に斥力を発生させることができる。このため、パーティクルBを第2固体膜Lから飛散させることができる。このため、収集工程を省略しても、基板WからパーティクルBを好適に除去できる。
(8)実施形態では、帯電工程を備えた。但し、これに限られない。帯電工程を省略してもよい。例えば、図21に示すように、基板処理方法は、帯電工程を備えて無くてもよい。例えば、基板処理方法が基板Wに行う処理に応じて、帯電工程を適宜に省略してもよい。例えば、基板処理方法が基板Wに酸化処理を行う場合、帯電工程を省略してもよい。例えば、基板処理方法が基板Wに洗浄処理を行わない場合、帯電工程を省略してもよい。
(9)実施形態では、供給部17aは水蒸気を筐体12に供給した。但し、これに限られない。例えば、供給部17aは、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかを、筐体12に供給してもよい。供給部17bについても、供給部17aと同様に変更してもよい。
(10)実施形態では、供給部17aは1つの種類のガスを筐体12に供給した。但し、これに限られない。例えば、供給部17aは、2種以上のガスを含む混合ガスを、筐体12に供給してもよい。例えば、供給部17aは、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくとも2つ以上を含む混合ガスを、筐体12に供給してもよい。供給部17bについても、供給部17aと同様に変更してもよい。
(11)実施形態では、供給部17a、17b、17cはともに、共通の吹出部23に連通接続された。但し、これに限られない。供給部17a、17b、17cはそれぞれ、互いに異なる吹出部に連通接続されてもよい。
(12)実施形態では、温度調整部31の具体的な構成を例示した。例えば、温度調整部31は、冷却管33と電気ヒータ37と備えた。但し、これに限られない。温度調整部31の構成を適宜に変更してもよい。例えば、温度調整部31は、発熱および吸熱するペルチエ素子を備えてもよい。例えば、温度調整部31は、発熱および吸熱する熱電素子を備えてもよい。
(13)実施形態では、基板Wは、基板Wの上面W1に形成されるパターンRを有した。但し、これに限られない。例えば、基板Wは、パターンRを有しなくてもよい。例えば、パターンRは、基板Wの上面W1に形成されていなくてもよい。例えば、基板Wは、パターンRが形成されていない上面W1を有してもよい。これらの変形実施形態においても、上述した基板処理方法および基板処理装置1は、基板Wの上面W1を保護しつつ、基板Wの上面W1に液膜Jを形成できる。したがって、これらの変形実施形態においても、基板処理方法および基板処理装置1によって、基板Wを適切に処理できる。
(14)実施形態および上記(1)から(13)で説明した各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
1 … 基板処理装置
10 … 制御部
11 … 処理ユニット
12 … 筐体
13 … 処理空間
15 … ステージ(基板載置部)
17a … 供給部(第1供給部/第2供給部)
17b … 供給部(第2供給部)
17c … 供給部(圧力調整部)
20 … 圧力調整部
25 … 排気部(圧力調整部)
31 … 温度調整部
32 … 冷却部
36 … 加熱部
41 … 電子放射部
43 … 電子線源
45 … 収集部
46 … 電極
P1 … 第1圧力(第1処理ガスが凝華可能な圧力)
P2 … 第2圧力(第1固体膜が融解可能な圧力)
P3 … 第3圧力(液膜が凝固可能な圧力)
P4 … 第4圧力(第2固体膜が昇華可能な圧力)
T1 … 第1温度(第1圧力の下で、第1処理ガスが凝華する温度)
T2 … 第2温度(第2圧力の下で、第1固体膜Hが融解する温度)
T3 … 第3温度(第3圧力の下で、液膜が凝固する温度)
T4 … 第4温度(第4圧力の下で、第2固体膜が昇華する温度)
A … 凹部
B … パーティクル
G … 筐体内の気体
H … 第1固体膜
J … 液膜
K … 気液界面
L … 第2固体膜
R … パターン
W … 基板
W1 … 基板の上面
W2 … 凸部

Claims (20)

  1. 基板を処理する基板処理方法であって、
    筐体内において基板を略水平姿勢で載置する載置工程と、
    前記筐体に第1処理ガスを供給する第1供給工程と、
    前記第1処理ガスを凝華させて、基板の上面を覆う第1固体膜を形成する凝華工程と、
    前記第1固体膜を融解させて、基板の前記上面を覆う液膜を形成する融解工程と、
    を備える基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記凝華工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記第1処理ガスが凝華可能な圧力に保った状態で、前記第1処理ガスを冷却し、
    前記融解工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記第1固体膜が融解可能な圧力に保った状態で、前記第1固体膜を加熱する
    基板処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理方法において、
    前記凝華工程は、前記第1処理ガスが基板の前記上面上に凝華する温度まで、基板を冷却し、
    前記融解工程は、前記第1固体膜が融解する温度まで、前記基板を加熱する
    基板処理方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記第1処理ガスは、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかを含む
    基板処理方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記第1処理ガスは、水蒸気であり、
    前記凝華工程では、前記筐体内の気体の圧力は水の三重点の圧力よりも小さく、
    前記融解工程では、前記筐体内の前記気体の圧力は前記水の三重点の圧力よりも大きい
    基板処理方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記液膜を凝固させて、基板の前記上面上に第2固体膜を形成する凝固工程と、
    前記第2固体膜を昇華させる昇華工程と、
    を備える基板処理方法。
  7. 請求項6に記載の基板処理方法において、
    前記凝固工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記液膜が凝固可能な圧力に保った状態で、前記液膜を冷却し、
    前記昇華工程は、前記筐体内の気体の圧力を前記第2固体膜が昇華可能な圧力に保った状態で、前記第2固体膜を加熱する
    基板処理方法。
  8. 請求項6または7に記載の基板処理方法において、
    前記凝固工程は、前記液膜が凝固する温度まで、基板を冷却し、
    前記昇華工程は、前記第2固体膜が昇華する温度まで、基板を加熱する
    基板処理方法。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記昇華工程は、前記筐体内の気体を筐体の外部に排出する
    基板処理方法。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記第1処理ガスは、水蒸気であり、
    前記凝固工程では、前記筐体内の気体の圧力は水の三重点の圧力よりも大きく、
    前記昇華工程では、前記筐体内の気体の圧力は前記水の三重点の圧力よりも小さい
    基板処理方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記筐体に第2処理ガスを供給する第2供給工程と、
    を備え、
    前記液膜は、前記第2処理ガスを溶解する
    基板処理方法。
  12. 請求項11に記載の基板処理方法であって、
    前記第2処理ガスは、水蒸気、アンモニアガス、メチルアミンガス、ジメチルアミンガス、トリメチルアミンガス、および、過酸化水素ガスの少なくともいずれかを含む
    基板処理方法。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記第2固体膜を帯電させる帯電工程と、
    を備える
    基板処理方法。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    帯電したパーティクルを収集する収集工程と、
    を備える
    基板処理方法。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    基板は、基板の前記上面に形成されるパターンを有する
    基板処理方法。
  16. 基板処理装置であって、
    密閉可能な筐体と、
    前記筐体内に設置され、基板を略水平姿勢で載置する基板載置部と、
    前記筐体内に第1処理ガスを供給する第1供給部と、
    前記筐体内の気体の圧力を調整する圧力調整部と、
    前記基板載置部に載置される基板の温度を調整する温度調整部と、
    前記第1供給部と前記圧力調整部と前記温度調整部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1供給部から前記筐体に前記第1処理ガスを供給させ、
    前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、第1処理ガスを凝華させて、前記基板載置部に載置される基板の上面を覆う第1固体膜を形成し、
    前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、前記第1固体膜を融解させて、前記基板載置部に載置される基板の前記上面を覆う液膜を形成する
    基板処理装置。
  17. 請求項16に記載の基板処理装置において、
    前記制御部は、
    前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、前記液膜を凝固させて、前記基板載置部に載置される基板の前記上面上に第2固体膜を形成し、
    前記圧力調整部と前記温度調整部を制御することによって、前記第2固体膜を昇華させる
    基板処理装置。
  18. 請求項16または17に記載の基板処理装置において、
    前記筐体に第2処理ガスを供給する第2供給部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第2供給部から前記筐体に前記第2処理ガスを供給させ、前記液膜に前記第2処理ガスを溶解させる
    基板処理装置。
  19. 請求項16から18のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記筐体内に電子を放射する電子放射部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記電子放射部によって前記第2固体膜を負に帯電させる
    基板処理装置。
  20. 請求項19に記載の基板処理装置において、
    前記筐体内に設置され、正電圧が印加される電極と、
    を備える
    基板処理装置。
JP2021075835A 2021-04-28 2021-04-28 基板処理方法および基板処理装置 Pending JP2022170013A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021075835A JP2022170013A (ja) 2021-04-28 2021-04-28 基板処理方法および基板処理装置
PCT/JP2022/017689 WO2022230669A1 (ja) 2021-04-28 2022-04-13 基板処理方法および基板処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021075835A JP2022170013A (ja) 2021-04-28 2021-04-28 基板処理方法および基板処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022170013A true JP2022170013A (ja) 2022-11-10

Family

ID=83847503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021075835A Pending JP2022170013A (ja) 2021-04-28 2021-04-28 基板処理方法および基板処理装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2022170013A (ja)
WO (1) WO2022230669A1 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS649624A (en) * 1987-07-02 1989-01-12 Mitsubishi Electric Corp Method of drying semiconductor device
JP2002329700A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Sony Corp 表面処理方法
JP2004311854A (ja) * 2003-04-10 2004-11-04 Renesas Technology Corp 洗浄方法および半導体装置の洗浄方法および半導体装置の洗浄装置
JP2007273806A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体基板の洗浄方法および洗浄装置
JP2009231354A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Fujifilm Corp 半導体デバイス用洗浄液、および洗浄方法
JP2010056309A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Sokudo Co Ltd 基板処理装置とガス溶解液供給方法と基板処理方法
JP2013042094A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Central Glass Co Ltd ウェハの洗浄方法
JP6022829B2 (ja) * 2012-07-03 2016-11-09 株式会社Screenホールディングス 基板乾燥方法および基板乾燥装置
JP2014127640A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Toshiba Corp 異物除去装置、異物除去方法、および微細構造体の製造方法
JP2015133444A (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 株式会社東芝 半導体製造装置および半導体装置の製造方法
US20180240684A1 (en) * 2015-09-30 2018-08-23 Tokyo Electron Limited Substrate processing apparatus and substrate processing method
JP2020170808A (ja) * 2019-04-04 2020-10-15 株式会社Screenホールディングス 処理液生成装置、基板処理装置、処理液生成方法および基板処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022230669A1 (ja) 2022-11-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100580584B1 (ko) 리모트 플라즈마 발생 튜브의 표면 세정 방법과 이를이용하는 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
TW201719743A (zh) 基板處理裝置及基板處理方法
US9711324B2 (en) Inert atmospheric pressure pre-chill and post-heat
CN110800087A (zh) 基板处理方法、基板处理液及基板处理装置
JP2004503099A (ja) デュアル脱気/冷却装填ロッククラスタツール
US10720342B2 (en) Substrate treating apparatus and substrate treating method
KR102273984B1 (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
US20150200086A1 (en) Semiconductor manufacturing apparatus and manufacturing method of semiconductor device
US20180240684A1 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
TW201506550A (zh) 用於清理有機材料之方法及設備
JP2009021324A (ja) 洗浄方法及び洗浄装置
WO2022230669A1 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
US20200365425A1 (en) Drying apparatus, substrate processing system, and drying method
KR20080011903A (ko) 반도체 기판의 이송 장치, 기판 처리 장치 및 이를 이용한기판의 냉각 방법
KR20210045469A (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
JP2022170681A (ja) 基板処理方法および処理液
JP2003059894A (ja) 基板処理装置
WO2020105376A1 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
TWI829142B (zh) 基板處理方法及處理液
WO2023068133A1 (ja) 基板処理方法と基板処理装置
US20240290608A1 (en) Substrate processing method and sublimation drying processing agent
CN117242550A (zh) 衬底处理方法及处理液
JP2015185756A (ja) 基板処理方法および基板処理装置
WO2023047724A1 (ja) 基板処理方法と基板処理装置と処理液
WO2024176515A1 (ja) 基板処理方法と基板処理装置と処理液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231218