JP2004311854A - 洗浄方法および半導体装置の洗浄方法および半導体装置の洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被洗浄物の洗浄を確実に行うことができ、かつ、被洗浄物の構造に不具合を生じることのない洗浄方法を得る。
【解決手段】表面上に異物1が存在する被洗浄物2上にドライアイス層3を形成し、被洗浄物2のドライアイス層3上にドライアイス層3が気化可能な洗浄液体4を供給してドライアイス層3を二酸化炭素ガス5として洗浄液体4中に気化させ、洗浄液体4中への二酸化炭素ガス5の発泡により被洗浄物2の異物1を洗浄液体4中にリフトオフして除去するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】表面上に異物1が存在する被洗浄物2上にドライアイス層3を形成し、被洗浄物2のドライアイス層3上にドライアイス層3が気化可能な洗浄液体4を供給してドライアイス層3を二酸化炭素ガス5として洗浄液体4中に気化させ、洗浄液体4中への二酸化炭素ガス5の発泡により被洗浄物2の異物1を洗浄液体4中にリフトオフして除去するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被洗浄物の洗浄方法および半導体装置の洗浄方法および半導体装置の洗浄装置に関するものであり、特に微細な構造を有する構造物に対して構造に不具合が生じることなく洗浄を行うことができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の洗浄方法は、ドライアイスの単体を被洗浄物に噴射して、被洗浄物上の付着物を物理的に剥離して洗浄するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の洗浄方法としては、超臨界流体中に被洗浄物を保持することにより被洗浄物の洗浄を行うものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−1209号公報(請求項1、図2)
【特許文献2】
特開2002−1242号公報(段落0013)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の洗浄方法は以上のように行われているので、ドライアイスを用いた洗浄方法については、ドライアイスの物理的衝撃力により異物を除去するというものであり、微細な構造を有する凹部での洗浄性は著しく減少し、また、その物理的衝撃力により微細な構造が破壊される可能性があるという問題点があった。
【0006】
また、超臨界流体を用いた洗浄については、被洗浄物表面に残留する物質が超臨界流体の物質に溶解することを前提としており、超臨界流体状態でも溶解しない例えば半導体装置の製造工程に頻繁に使用されるCMPの研磨液中の砥粒などは、洗浄することができないという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、被洗浄物の表面上を確実にかつ構造物に不具合を生じることが無く洗浄することができる洗浄方法および半導体装置の洗浄方法および半導体装置の洗浄装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る洗浄方法は、表面上に異物が存在する被洗浄物上にドライアイス層を形成し、ドライアイス層上にドライアイス層が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体を供給してドライアイス層を二酸化炭素ガスとして洗浄液体中に気化させ、洗浄液体中への二酸化炭素ガスの発泡により異物を洗浄液体中にリフトオフして除去するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の洗浄方法を示す図、図2は二酸化炭素の状態図である。図において、表面上に異物1を有する被洗浄物2、被洗浄物2の表面上に形成されたドライアイス層3、ドライアイス層3上に供給された洗浄液体4、洗浄液体4中に発生した二酸化炭素ガス5を示す。
【0010】
洗浄液体4とは、ドライアイス層3が気化可能な圧力および温度領域で液体であるものを使用する。具体的には、水、メタノール、エタノール、イソプロピレンアルコール、エチレングリコールなどが利用可能と成る。また、洗浄液体4の熱はドライアイス層3の気化にともない奪われるため、ドライアイス層3の気化完了時に洗浄液体4が液体状態を保持する条件でなければならない。例えば、洗浄液体4は気化中において凝固しない熱量を有する必要がある。よって、比熱の大きい水は最適であると考えられる。また当然のことながら、洗浄液体4は被洗浄物2に対して腐食などを起こすようなものを用いることはなく、被洗浄物2に応じて適宜選択する必要がある。
【0011】
次に図1および図2に基づいて実施の形態1の洗浄方法について説明する。まず、表面上に異物1が存在する被洗浄物2(図1(a))上にドライアイス層3を形成する(図1(b))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が固体と成る温度および圧力の条件であればよい。次に、被洗浄物2のドライアイス層3上にドライアイス層3が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体4を供給してドライアイス層3を二酸化炭素ガス5として洗浄液体4中に気化させ、洗浄液体4中への二酸化炭素ガス5の発泡により被洗浄物2の異物1を洗浄液体4中にリフトオフして除去する(図1(c))。
【0012】
このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が気体となる温度および圧力の条件であればよい。通常の洗浄工程を大気圧(0.1013MPa)で行うのが、コストなどの面から考えても適当である。よって、洗浄雰囲気の温度は、洗浄液体として水を用いる場合には、10℃〜30℃、それ以外のものを用いる場合には、0℃〜30℃程度が適当である。次に、洗浄液体4を異物1と共に被洗浄物2上から除去する(図1(d))。
【0013】
上記のように行われた実施の形態1の洗浄方法は、被洗浄物上の異物を二酸化炭素ガスの発泡により洗浄液中にリフトオフして除去することができるため、被洗浄物の構造に不具合を生じることなく異物の洗浄を確実に行うことができる。
【0014】
尚、上記実施の形態1ではドライアイス層の形成方法について特に示していないが、どのような形成方法でも同様に行うことができる。以下にドライアイス層の形成方法について説明する。
【0015】
まず、被洗浄物2上に液状二酸化炭素を供給して、液状二酸化炭素層6を形成する(図3(a))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が液体となる温度および圧力の条件であればよい。次に、液状二酸化炭素層6を固化してドライアイス層7を形成する(図3(b))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が液体から固体と成る温度および圧力の条件に設定して行うものであればよい。
【0016】
このように、被洗浄物2上に液状二酸化炭素層6を形成した後にドライアイス層7を形成しているため、被洗浄物2表面に確実にドライアイス層7を形成することができる。
【0017】
さらにこの液状二酸化炭素層6を形成する工程と、液状二酸化炭素層6を固化してドライアイス層7する工程との間に、液状二酸化炭素層6を図2に示すに二酸化炭素の臨界点を越える状態、すなわち超臨界流体状態と成るようにしてもよい。この臨界点を超える条件としては、7.38MPa以上の圧力、31.1℃以上の温度の条件が必要となる。
【0018】
このように、二酸化炭素を超臨界流体状態とすると、超臨界流体では図4に示すように、粘度が気体と近くなり、二酸化炭素自体の表面張力が下がり浸透性が、液体状態よりも向上する。このため、被洗浄物2表面の凹凸部、あるいは残留する異物1間、異物1と被洗浄物2間にも浸透していく。また、超臨界流体状態では無機物・有機物にて成る異物1の溶解性が高まる為、被洗浄物2表面上の異物1を溶解する。
【0019】
このようにすれば、液状二酸化炭素層が確実に異物に到達し、異物を溶解して除去を行うことができ、洗浄度合いを向上させることができる。
【0020】
また、液状二酸化炭素層として、液状二酸化炭素に界面活性剤を、液状二酸化炭素に対して例えば100ppmから1%重量程度を添加したものを用いる場合が考えられる。このように界面活性剤を添加することにより、液状二酸化炭素の表面張力が減少するため、被洗浄物の表面の凹凸部、異物間、異物と被洗浄物との間に二酸化炭素が浸透しやすくなる。尚、界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種別により様々であり、種別により適量を検討する必要がある。また、界面活性剤の添加量は、その添加により図2に示した二酸化炭素の状態図に影響が出ない程度であることが望ましい。
【0021】
次に他のドライアイス層の形成方法について示す。まず、被洗浄物2上にドライアイス粒8を複数吹き付けて供給し、ドライアイス層9を形成する(図5)。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が固体となる温度および圧力の条件であればよい。
【0022】
このように、複数のドライアイス粒8を吹き付けてドライアイス層9を形成しているため、被洗浄物2表面に薄くドライアイス層9を形成することができるため、ドライアイス層9を気化する際、少ない熱量の洗浄液体にて対応することができる。
【0023】
実際、ドライアイス粒8を微細に形成する場合、例えば、被洗浄物2を洗浄雰囲気内に配設し、この洗浄雰囲気内を二酸化炭素の固体状態保持雰囲気とし、液状二酸化炭素を被洗浄物2上に噴射して吹き付け、液状二酸化炭素の断熱膨張により、被洗浄物2上にドライアイス粒8を付着させドライアイス層9を形成する。このように形成すれば、微細なドライアイス粒8を形成することができ、均一なドライアイス層9を形成することができる。
【0024】
次に他のドライアイス層の形成方法について示す。まず、被洗浄物2を二酸化炭素ガス10雰囲気に戴置し、被洗浄物2上に二酸化炭素ガス10が接する状態とする(図6(a))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が気体となる温度および圧力の条件であればよい。次に、洗浄雰囲気を二酸化炭素の固化する条件に変更して、被洗浄物2上の二酸化炭素ガス10を固化してドライアイス層11を形成する(図6(b))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が気体から固体と成る温度および圧力の条件に設定して行うものであればよい。また、このような形成されるドライアイス層11の厚みは0.2μmから2mmの厚みにて形成することができる。
【0025】
このように、二酸化炭素ガス10雰囲気に被洗浄物2を戴置した後にドライアイス層11を形成しているため、被洗浄物2表面に確実にかつ薄くドライアイス層11を形成することができる。よって、ドライアイス層11を気化する際、少ない熱量の洗浄液体にて対応することができる。
【0026】
実施の形態2.
上記実施の形態1では被洗浄物について特に示さなかったが、上記に示した洗浄方法を、半導体装置の洗浄方法として用いることは有効的である。以下に、上記洗浄方法を用いる半導体装置の洗浄方法について説明する。
【0027】
近年、半導体装置の高集積化・高性能化のために、CMP(化学機械研磨)を用いた半導体ウエハの平坦化が、半導体プロセス中に取り入れられている。それには、層間絶縁膜の平坦化のためのCMPや、配線形成の為のCu、W膜のCMPなど、各種の新しい材料の平坦化が必要とされ、それに対応した新しい研磨液が必要とされている。
【0028】
これらの様々な研磨液は、物理的な研削力を得る為に、シリカ・アルミナ・セリアといった、砥粒(研磨粒子)が添加されることが多い。従って、研磨直後の半導体ウエハ表面には、これら砥粒が多量に残留している。砥粒は大きさがl0nm〜300nm程度と小さく、また、研磨時に半導体ウエハ表面にこすりつけられる為、半導体ウエハ表面へ強固に付着しており、清浄な半導体ウエハ表面を得るには、強い物理洗浄が必要である。
【0029】
このため洗浄方法としては、薬液によるエッチング作用を用いた化学的な洗浄と、超音波洗浄やブラシスクラブといった物理的な洗浄とを組み合わせて、除去しなければならない。しかし、半導体ウエハ表面にフォトリソグラフィのアライメントマークなど凹部がある場合には、そこに溜まった砥粒・研磨カス等は、物理的な洗浄効果が弱まり、洗浄しきれず、砥粒残として残る可能性が大きい。
【0030】
また、半導体ウエハ表面に配線材料としてのCu、W膜などが存在する場合には、化学エッチングによるリフトオフが実行されにくい場合がほとんどである。また、半導体ウエハの表面が撥水性になっている場合も存在する。その場合には、半導体ウエハに洗浄水を散布した時、半導体ウエハ表面にて洗浄水が広がりにくく、洗浄水が液滴状態にてウエハ表面を流れる状態となる。そのため、ブラシスクラブ等により一旦除去した異物が再び半導体ウエハ表面に最付着しやすくなる。
【0031】
以上に示したように、半導体ウエハの洗浄には、薬液による化学エッチングと、超音波洗浄・ブラシスクラブ洗浄などの物理洗浄とを組み合わせて行われているが、微細孔などの凹部に入り込んだ異物、CMP(化学機械研磨)で研磨した後の砥粒が残留する半導体ウエハ表面、特に撥水性の半導体ウエハ表面などの場合には、異物除去が困難であった。
【0032】
以下、この発明についての実施の形態2の半導体装置の洗浄方法について説明する。まず、被洗浄物としての半導体ウエハ(半導体装置)にCMP法を実施した場合を、その研磨装置は図7に示すように、ノズル20から各種研磨に適合する研磨液(スラリー)21を滴下できる構成とし、その研磨液21存在下で研磨定盤22に貼り付けた研磨布23と半導体ウエハ(図示せず)とを接触させ研磨ヘッド24にて当接させることにより相互に移動させ研磨が行なわれる。
【0033】
次に、研磨後の砥粒が残留する半導体ウエハを、半導体ウエハを研磨定盤22から離反させる。次に、半導体ウエハ30を図8に示すように洗浄雰囲気を形成することができるチャンバ31内ヘ搬送して戴置台32上に配設する。このチャンバ31には、先にも示したように半導体ウエハ30を戴置することができ、かつ、戴置した半導体ウエハ30を回転させることができる戴置台32を備える。
【0034】
さらに、チャンバ31内の洗浄雰囲気を所定の温度に調整することができる温度調整手段33と、チャンバ31内の洗浄雰囲気を所定の圧力に調整することができる圧力調整手段34と、チャンバ31内に配設された半導体ウエハ30上に二酸化炭素を供給することができる二酸化炭素供給手段35とを備える。二酸化炭素供給手段35は液体状および気体状の二酸化炭素を供給することができる。そして、チャンバ31内に配設された半導体ウエハ30上に、洗浄液体としての純水を供給することができる洗浄液体供給手段36とを備えている。
【0035】
そして、上記実施の形態1の条件に合うように、温度調整手段33および圧力調整手段34にて所定の温度および圧力にチャンバ31内の洗浄雰囲気が調整され、半導体ウエハ30上に二酸化炭素供給手段35より二酸化炭素が供給されドライアイス層が形成される。次に、半導体ウエハ30上に洗浄液体供給手段36より純水が供給され洗浄が行われる。
【0036】
上記実施の形態1の条件内の具体的な利用例について以下に説明する。まず、半導体ウエハ30を戴置台32上に戴置する。次に、二酸化炭素が液体状態を保つことができる温度および圧力にチャンバ31内の洗浄雰囲気が成るように温度調整手段33および圧力調整手段34にて調整する。次に、戴置台32を例えば毎分200回転と成るように回転させ、半導体ウエハ30を回転させる。
【0037】
次に、半導体ウエハ30を回転させながら、二酸化炭素供給手段35からチャンバ31内の半導体ウエハ30上に液状二酸化炭素を供給し、半導体ウエハ30上に液状二酸化炭素層を形成する。次に、回転を停止して、チャンバ31内の洗浄雰囲気内の温度を31.1℃以上、圧力を7.38MPa以上となるように、温度調整手段33および圧力調整手段34にて調整し、液状二酸化炭素層を超臨界流体状態とする。
【0038】
よって、超臨界流体状態と成った二酸化炭素は、粘度が気体と近くなり、二酸化炭素自体の表面張力が下がり浸透性が、液体状態よりも向上する。このため、半導体ウエハ30表面の凹凸部、あるいは残留する砥粒間、砥粒と半導体ウエハと間にも浸透していく。また、超臨界流体状態では無機物・有機物にて成る異物(砥粒)の溶解性が高まる為、半導体ウエハ表面上の異物を溶解する。
【0039】
次に、チャンバ31内の温度および圧力が二酸化炭素の液体状態を保もつことができる条件に変更し、液体二酸化炭素層に戻す。次に、チャンバ31内の温度および圧力を二酸化炭素が固体状態と成る条件に変更し、半導体ウエハ30の表面上にドライアイス層を形成する。次に、戴置台32を例えば毎分200回転させて半導体ウエハ30を回転させながら、洗浄液体供給手段36により純水を半導体ウエハ30上に、例えば8インチの半導体ウエハ30の場合で、毎分2リットル程度、スプレ(噴射)して供給する。その時チャンバ31内の温度および圧力は二酸化炭素が気体状態と成る条件に変更しておく。
【0040】
そして、半導体ウエハ30上のドライアイス層を二酸化炭素ガスとして純水中に気化し、半導体ウエハ30表面で気化した二酸化炭素ガスは、表面に固着する砥粒などの異物をもちあげ、半導体ウエハ30表面から引き離すとともに、純水とともに半導体ウエハ30上から流れ出る。次に、純水の供給を停止する。次に、戴置台32を例えば毎分3000回転させ、半導体ウエハ30を回転してスピンドライを行い、半導体ウエハ30上の純水を除去して乾燥する。
【0041】
また、上記の場合には洗浄液体をスプレして半導体ウエハ30上に供給する例を示したが、これに限られることは無く、例えば図9に示すように、純水37が貯留されている洗浄液体槽38に半導体ウエハ30を浸漬して行う方法も考えられる。図に示すように、複数の半導体ウエハ30をカセット39にて保持して浸漬を同時に行うことができるため、作業性を向上することができる。
【0042】
上記のように構成された実施の形態2の半導体装置の洗浄方法は、CMPによる研磨後に半導体ウエハ上に残留する砥粒などの異物を、半導体ウエハの表面の凹凸に関わりなく、効果的に除去することができる。また、超音波など物理的ダメージを半導体ウエハに与えることもない。尚ここでは、上記実施の形態1の内、液状二酸化炭素層を形成する例を示したがこれに限られることは無く、上記実施の形態1にて示した他の方法においても、上記実施の形態1と同様に実施することができることは言うまでもない。
【0043】
尚、上記各実施の形態では洗浄液体について純水を利用する例を示したが、これに限られることはなく、二酸化炭素が固体から気化可能条件で液状を維持できるものであればよく、被洗浄物の条件に応じて適宜選択(半導体装置においては純水の利用が一般的に考えられる)して利用することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、表面上に異物が存在する被洗浄物上にドライアイス層を形成し、ドライアイス層上にドライアイス層が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体を供給してドライアイス層を二酸化炭素ガスとして洗浄液体中に気化させ、洗浄液体中への二酸化炭素ガスの発泡により異物を洗浄液体中にリフトオフして除去するので、被洗浄物の洗浄を確実に行うことができ、かつ、被洗浄物の構造に不具合を生じることのない洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による洗浄方法を示す断面図である。
【図2】二酸化炭素の状態図である。
【図3】図1に示した洗浄方法のドライアイス層形成方法を示す断面図である。
【図4】二酸化炭素の特性を示した図である。
【図5】図1に示した洗浄方法のドライアイス層形成方法を示す断面図である。
【図6】図1に示した洗浄方法のドライアイス層形成方法を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2による半導体装置の製造装置を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2による半導体装置の洗浄装置を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2による半導体装置の洗浄装置を示す図である。
【符号の説明】
1 異物、2 被洗浄物、3,7,9,11 ドライアイス層、
4 洗浄液体、5 二酸化炭素ガス、6 液状二酸化炭素層、
8 ドライアイス粒、10 二酸化炭素ガス、30 半導体ウエハ、
31 チャンバ、33 温度調整手段、34 圧力調整手段、
35 二酸化炭素供給手段、36 洗浄液体供給手段、37 純水、
38 洗浄液体槽。
【発明の属する技術分野】
この発明は、被洗浄物の洗浄方法および半導体装置の洗浄方法および半導体装置の洗浄装置に関するものであり、特に微細な構造を有する構造物に対して構造に不具合が生じることなく洗浄を行うことができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の洗浄方法は、ドライアイスの単体を被洗浄物に噴射して、被洗浄物上の付着物を物理的に剥離して洗浄するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の洗浄方法としては、超臨界流体中に被洗浄物を保持することにより被洗浄物の洗浄を行うものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−1209号公報(請求項1、図2)
【特許文献2】
特開2002−1242号公報(段落0013)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の洗浄方法は以上のように行われているので、ドライアイスを用いた洗浄方法については、ドライアイスの物理的衝撃力により異物を除去するというものであり、微細な構造を有する凹部での洗浄性は著しく減少し、また、その物理的衝撃力により微細な構造が破壊される可能性があるという問題点があった。
【0006】
また、超臨界流体を用いた洗浄については、被洗浄物表面に残留する物質が超臨界流体の物質に溶解することを前提としており、超臨界流体状態でも溶解しない例えば半導体装置の製造工程に頻繁に使用されるCMPの研磨液中の砥粒などは、洗浄することができないという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、被洗浄物の表面上を確実にかつ構造物に不具合を生じることが無く洗浄することができる洗浄方法および半導体装置の洗浄方法および半導体装置の洗浄装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る洗浄方法は、表面上に異物が存在する被洗浄物上にドライアイス層を形成し、ドライアイス層上にドライアイス層が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体を供給してドライアイス層を二酸化炭素ガスとして洗浄液体中に気化させ、洗浄液体中への二酸化炭素ガスの発泡により異物を洗浄液体中にリフトオフして除去するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の洗浄方法を示す図、図2は二酸化炭素の状態図である。図において、表面上に異物1を有する被洗浄物2、被洗浄物2の表面上に形成されたドライアイス層3、ドライアイス層3上に供給された洗浄液体4、洗浄液体4中に発生した二酸化炭素ガス5を示す。
【0010】
洗浄液体4とは、ドライアイス層3が気化可能な圧力および温度領域で液体であるものを使用する。具体的には、水、メタノール、エタノール、イソプロピレンアルコール、エチレングリコールなどが利用可能と成る。また、洗浄液体4の熱はドライアイス層3の気化にともない奪われるため、ドライアイス層3の気化完了時に洗浄液体4が液体状態を保持する条件でなければならない。例えば、洗浄液体4は気化中において凝固しない熱量を有する必要がある。よって、比熱の大きい水は最適であると考えられる。また当然のことながら、洗浄液体4は被洗浄物2に対して腐食などを起こすようなものを用いることはなく、被洗浄物2に応じて適宜選択する必要がある。
【0011】
次に図1および図2に基づいて実施の形態1の洗浄方法について説明する。まず、表面上に異物1が存在する被洗浄物2(図1(a))上にドライアイス層3を形成する(図1(b))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が固体と成る温度および圧力の条件であればよい。次に、被洗浄物2のドライアイス層3上にドライアイス層3が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体4を供給してドライアイス層3を二酸化炭素ガス5として洗浄液体4中に気化させ、洗浄液体4中への二酸化炭素ガス5の発泡により被洗浄物2の異物1を洗浄液体4中にリフトオフして除去する(図1(c))。
【0012】
このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が気体となる温度および圧力の条件であればよい。通常の洗浄工程を大気圧(0.1013MPa)で行うのが、コストなどの面から考えても適当である。よって、洗浄雰囲気の温度は、洗浄液体として水を用いる場合には、10℃〜30℃、それ以外のものを用いる場合には、0℃〜30℃程度が適当である。次に、洗浄液体4を異物1と共に被洗浄物2上から除去する(図1(d))。
【0013】
上記のように行われた実施の形態1の洗浄方法は、被洗浄物上の異物を二酸化炭素ガスの発泡により洗浄液中にリフトオフして除去することができるため、被洗浄物の構造に不具合を生じることなく異物の洗浄を確実に行うことができる。
【0014】
尚、上記実施の形態1ではドライアイス層の形成方法について特に示していないが、どのような形成方法でも同様に行うことができる。以下にドライアイス層の形成方法について説明する。
【0015】
まず、被洗浄物2上に液状二酸化炭素を供給して、液状二酸化炭素層6を形成する(図3(a))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が液体となる温度および圧力の条件であればよい。次に、液状二酸化炭素層6を固化してドライアイス層7を形成する(図3(b))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が液体から固体と成る温度および圧力の条件に設定して行うものであればよい。
【0016】
このように、被洗浄物2上に液状二酸化炭素層6を形成した後にドライアイス層7を形成しているため、被洗浄物2表面に確実にドライアイス層7を形成することができる。
【0017】
さらにこの液状二酸化炭素層6を形成する工程と、液状二酸化炭素層6を固化してドライアイス層7する工程との間に、液状二酸化炭素層6を図2に示すに二酸化炭素の臨界点を越える状態、すなわち超臨界流体状態と成るようにしてもよい。この臨界点を超える条件としては、7.38MPa以上の圧力、31.1℃以上の温度の条件が必要となる。
【0018】
このように、二酸化炭素を超臨界流体状態とすると、超臨界流体では図4に示すように、粘度が気体と近くなり、二酸化炭素自体の表面張力が下がり浸透性が、液体状態よりも向上する。このため、被洗浄物2表面の凹凸部、あるいは残留する異物1間、異物1と被洗浄物2間にも浸透していく。また、超臨界流体状態では無機物・有機物にて成る異物1の溶解性が高まる為、被洗浄物2表面上の異物1を溶解する。
【0019】
このようにすれば、液状二酸化炭素層が確実に異物に到達し、異物を溶解して除去を行うことができ、洗浄度合いを向上させることができる。
【0020】
また、液状二酸化炭素層として、液状二酸化炭素に界面活性剤を、液状二酸化炭素に対して例えば100ppmから1%重量程度を添加したものを用いる場合が考えられる。このように界面活性剤を添加することにより、液状二酸化炭素の表面張力が減少するため、被洗浄物の表面の凹凸部、異物間、異物と被洗浄物との間に二酸化炭素が浸透しやすくなる。尚、界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種別により様々であり、種別により適量を検討する必要がある。また、界面活性剤の添加量は、その添加により図2に示した二酸化炭素の状態図に影響が出ない程度であることが望ましい。
【0021】
次に他のドライアイス層の形成方法について示す。まず、被洗浄物2上にドライアイス粒8を複数吹き付けて供給し、ドライアイス層9を形成する(図5)。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が固体となる温度および圧力の条件であればよい。
【0022】
このように、複数のドライアイス粒8を吹き付けてドライアイス層9を形成しているため、被洗浄物2表面に薄くドライアイス層9を形成することができるため、ドライアイス層9を気化する際、少ない熱量の洗浄液体にて対応することができる。
【0023】
実際、ドライアイス粒8を微細に形成する場合、例えば、被洗浄物2を洗浄雰囲気内に配設し、この洗浄雰囲気内を二酸化炭素の固体状態保持雰囲気とし、液状二酸化炭素を被洗浄物2上に噴射して吹き付け、液状二酸化炭素の断熱膨張により、被洗浄物2上にドライアイス粒8を付着させドライアイス層9を形成する。このように形成すれば、微細なドライアイス粒8を形成することができ、均一なドライアイス層9を形成することができる。
【0024】
次に他のドライアイス層の形成方法について示す。まず、被洗浄物2を二酸化炭素ガス10雰囲気に戴置し、被洗浄物2上に二酸化炭素ガス10が接する状態とする(図6(a))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が気体となる温度および圧力の条件であればよい。次に、洗浄雰囲気を二酸化炭素の固化する条件に変更して、被洗浄物2上の二酸化炭素ガス10を固化してドライアイス層11を形成する(図6(b))。このとき洗浄雰囲気の温度および圧力が図2に示す二酸化炭素の状態が気体から固体と成る温度および圧力の条件に設定して行うものであればよい。また、このような形成されるドライアイス層11の厚みは0.2μmから2mmの厚みにて形成することができる。
【0025】
このように、二酸化炭素ガス10雰囲気に被洗浄物2を戴置した後にドライアイス層11を形成しているため、被洗浄物2表面に確実にかつ薄くドライアイス層11を形成することができる。よって、ドライアイス層11を気化する際、少ない熱量の洗浄液体にて対応することができる。
【0026】
実施の形態2.
上記実施の形態1では被洗浄物について特に示さなかったが、上記に示した洗浄方法を、半導体装置の洗浄方法として用いることは有効的である。以下に、上記洗浄方法を用いる半導体装置の洗浄方法について説明する。
【0027】
近年、半導体装置の高集積化・高性能化のために、CMP(化学機械研磨)を用いた半導体ウエハの平坦化が、半導体プロセス中に取り入れられている。それには、層間絶縁膜の平坦化のためのCMPや、配線形成の為のCu、W膜のCMPなど、各種の新しい材料の平坦化が必要とされ、それに対応した新しい研磨液が必要とされている。
【0028】
これらの様々な研磨液は、物理的な研削力を得る為に、シリカ・アルミナ・セリアといった、砥粒(研磨粒子)が添加されることが多い。従って、研磨直後の半導体ウエハ表面には、これら砥粒が多量に残留している。砥粒は大きさがl0nm〜300nm程度と小さく、また、研磨時に半導体ウエハ表面にこすりつけられる為、半導体ウエハ表面へ強固に付着しており、清浄な半導体ウエハ表面を得るには、強い物理洗浄が必要である。
【0029】
このため洗浄方法としては、薬液によるエッチング作用を用いた化学的な洗浄と、超音波洗浄やブラシスクラブといった物理的な洗浄とを組み合わせて、除去しなければならない。しかし、半導体ウエハ表面にフォトリソグラフィのアライメントマークなど凹部がある場合には、そこに溜まった砥粒・研磨カス等は、物理的な洗浄効果が弱まり、洗浄しきれず、砥粒残として残る可能性が大きい。
【0030】
また、半導体ウエハ表面に配線材料としてのCu、W膜などが存在する場合には、化学エッチングによるリフトオフが実行されにくい場合がほとんどである。また、半導体ウエハの表面が撥水性になっている場合も存在する。その場合には、半導体ウエハに洗浄水を散布した時、半導体ウエハ表面にて洗浄水が広がりにくく、洗浄水が液滴状態にてウエハ表面を流れる状態となる。そのため、ブラシスクラブ等により一旦除去した異物が再び半導体ウエハ表面に最付着しやすくなる。
【0031】
以上に示したように、半導体ウエハの洗浄には、薬液による化学エッチングと、超音波洗浄・ブラシスクラブ洗浄などの物理洗浄とを組み合わせて行われているが、微細孔などの凹部に入り込んだ異物、CMP(化学機械研磨)で研磨した後の砥粒が残留する半導体ウエハ表面、特に撥水性の半導体ウエハ表面などの場合には、異物除去が困難であった。
【0032】
以下、この発明についての実施の形態2の半導体装置の洗浄方法について説明する。まず、被洗浄物としての半導体ウエハ(半導体装置)にCMP法を実施した場合を、その研磨装置は図7に示すように、ノズル20から各種研磨に適合する研磨液(スラリー)21を滴下できる構成とし、その研磨液21存在下で研磨定盤22に貼り付けた研磨布23と半導体ウエハ(図示せず)とを接触させ研磨ヘッド24にて当接させることにより相互に移動させ研磨が行なわれる。
【0033】
次に、研磨後の砥粒が残留する半導体ウエハを、半導体ウエハを研磨定盤22から離反させる。次に、半導体ウエハ30を図8に示すように洗浄雰囲気を形成することができるチャンバ31内ヘ搬送して戴置台32上に配設する。このチャンバ31には、先にも示したように半導体ウエハ30を戴置することができ、かつ、戴置した半導体ウエハ30を回転させることができる戴置台32を備える。
【0034】
さらに、チャンバ31内の洗浄雰囲気を所定の温度に調整することができる温度調整手段33と、チャンバ31内の洗浄雰囲気を所定の圧力に調整することができる圧力調整手段34と、チャンバ31内に配設された半導体ウエハ30上に二酸化炭素を供給することができる二酸化炭素供給手段35とを備える。二酸化炭素供給手段35は液体状および気体状の二酸化炭素を供給することができる。そして、チャンバ31内に配設された半導体ウエハ30上に、洗浄液体としての純水を供給することができる洗浄液体供給手段36とを備えている。
【0035】
そして、上記実施の形態1の条件に合うように、温度調整手段33および圧力調整手段34にて所定の温度および圧力にチャンバ31内の洗浄雰囲気が調整され、半導体ウエハ30上に二酸化炭素供給手段35より二酸化炭素が供給されドライアイス層が形成される。次に、半導体ウエハ30上に洗浄液体供給手段36より純水が供給され洗浄が行われる。
【0036】
上記実施の形態1の条件内の具体的な利用例について以下に説明する。まず、半導体ウエハ30を戴置台32上に戴置する。次に、二酸化炭素が液体状態を保つことができる温度および圧力にチャンバ31内の洗浄雰囲気が成るように温度調整手段33および圧力調整手段34にて調整する。次に、戴置台32を例えば毎分200回転と成るように回転させ、半導体ウエハ30を回転させる。
【0037】
次に、半導体ウエハ30を回転させながら、二酸化炭素供給手段35からチャンバ31内の半導体ウエハ30上に液状二酸化炭素を供給し、半導体ウエハ30上に液状二酸化炭素層を形成する。次に、回転を停止して、チャンバ31内の洗浄雰囲気内の温度を31.1℃以上、圧力を7.38MPa以上となるように、温度調整手段33および圧力調整手段34にて調整し、液状二酸化炭素層を超臨界流体状態とする。
【0038】
よって、超臨界流体状態と成った二酸化炭素は、粘度が気体と近くなり、二酸化炭素自体の表面張力が下がり浸透性が、液体状態よりも向上する。このため、半導体ウエハ30表面の凹凸部、あるいは残留する砥粒間、砥粒と半導体ウエハと間にも浸透していく。また、超臨界流体状態では無機物・有機物にて成る異物(砥粒)の溶解性が高まる為、半導体ウエハ表面上の異物を溶解する。
【0039】
次に、チャンバ31内の温度および圧力が二酸化炭素の液体状態を保もつことができる条件に変更し、液体二酸化炭素層に戻す。次に、チャンバ31内の温度および圧力を二酸化炭素が固体状態と成る条件に変更し、半導体ウエハ30の表面上にドライアイス層を形成する。次に、戴置台32を例えば毎分200回転させて半導体ウエハ30を回転させながら、洗浄液体供給手段36により純水を半導体ウエハ30上に、例えば8インチの半導体ウエハ30の場合で、毎分2リットル程度、スプレ(噴射)して供給する。その時チャンバ31内の温度および圧力は二酸化炭素が気体状態と成る条件に変更しておく。
【0040】
そして、半導体ウエハ30上のドライアイス層を二酸化炭素ガスとして純水中に気化し、半導体ウエハ30表面で気化した二酸化炭素ガスは、表面に固着する砥粒などの異物をもちあげ、半導体ウエハ30表面から引き離すとともに、純水とともに半導体ウエハ30上から流れ出る。次に、純水の供給を停止する。次に、戴置台32を例えば毎分3000回転させ、半導体ウエハ30を回転してスピンドライを行い、半導体ウエハ30上の純水を除去して乾燥する。
【0041】
また、上記の場合には洗浄液体をスプレして半導体ウエハ30上に供給する例を示したが、これに限られることは無く、例えば図9に示すように、純水37が貯留されている洗浄液体槽38に半導体ウエハ30を浸漬して行う方法も考えられる。図に示すように、複数の半導体ウエハ30をカセット39にて保持して浸漬を同時に行うことができるため、作業性を向上することができる。
【0042】
上記のように構成された実施の形態2の半導体装置の洗浄方法は、CMPによる研磨後に半導体ウエハ上に残留する砥粒などの異物を、半導体ウエハの表面の凹凸に関わりなく、効果的に除去することができる。また、超音波など物理的ダメージを半導体ウエハに与えることもない。尚ここでは、上記実施の形態1の内、液状二酸化炭素層を形成する例を示したがこれに限られることは無く、上記実施の形態1にて示した他の方法においても、上記実施の形態1と同様に実施することができることは言うまでもない。
【0043】
尚、上記各実施の形態では洗浄液体について純水を利用する例を示したが、これに限られることはなく、二酸化炭素が固体から気化可能条件で液状を維持できるものであればよく、被洗浄物の条件に応じて適宜選択(半導体装置においては純水の利用が一般的に考えられる)して利用することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、表面上に異物が存在する被洗浄物上にドライアイス層を形成し、ドライアイス層上にドライアイス層が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体を供給してドライアイス層を二酸化炭素ガスとして洗浄液体中に気化させ、洗浄液体中への二酸化炭素ガスの発泡により異物を洗浄液体中にリフトオフして除去するので、被洗浄物の洗浄を確実に行うことができ、かつ、被洗浄物の構造に不具合を生じることのない洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による洗浄方法を示す断面図である。
【図2】二酸化炭素の状態図である。
【図3】図1に示した洗浄方法のドライアイス層形成方法を示す断面図である。
【図4】二酸化炭素の特性を示した図である。
【図5】図1に示した洗浄方法のドライアイス層形成方法を示す断面図である。
【図6】図1に示した洗浄方法のドライアイス層形成方法を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2による半導体装置の製造装置を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2による半導体装置の洗浄装置を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2による半導体装置の洗浄装置を示す図である。
【符号の説明】
1 異物、2 被洗浄物、3,7,9,11 ドライアイス層、
4 洗浄液体、5 二酸化炭素ガス、6 液状二酸化炭素層、
8 ドライアイス粒、10 二酸化炭素ガス、30 半導体ウエハ、
31 チャンバ、33 温度調整手段、34 圧力調整手段、
35 二酸化炭素供給手段、36 洗浄液体供給手段、37 純水、
38 洗浄液体槽。
Claims (11)
- 表面上に異物が存在する被洗浄物上にドライアイス層を形成する工程と、上記ドライアイス層上に上記ドライアイス層が気化可能な圧力および温度領域で液体である洗浄液体を供給して上記ドライアイス層を二酸化炭素ガスとして上記洗浄液体中に気化させ、上記洗浄液体中への上記二酸化炭素ガスの発泡により上記異物を上記洗浄液体中にリフトオフして除去する工程とを備えたことを特徴とする洗浄方法。
- 上記リフトオフの後に上記洗浄液体を上記被洗浄物上から除去する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
- 上記ドライアイス層を形成する工程が、上記被洗浄物上に液状二酸化炭素層を形成する工程と、上記液状二酸化炭素層を固化して上記ドライアイス層を形成する工程とにて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。
- 上記液状二酸化炭素層を形成する工程と、上記液状二酸化炭素層を固化する工程との間に、上記液状二酸化炭素層を超臨界流体状態とする工程を備えたことを特徴とする請求項3に記載の洗浄方法。
- 上記液状二酸化炭素層として、液状二酸化炭素に界面活性剤を添加したものを用いることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の洗浄方法。
- 上記ドライアイス層を形成する工程を、上記被洗浄物上に複数のドライアイス粒を付着させて上記ドライアイス層を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。
- 上記被洗浄物を洗浄雰囲気内に配設し、上記洗浄雰囲気内を二酸化炭素の固体状態保持雰囲気とし、液状二酸化炭素を上記被洗浄物上に噴射して吹き付け上記液状二酸化炭素の断熱膨張により上記被洗浄物上に上記複数のドライアイス粒を付着させ上記ドライアイス層を形成することを特徴とする請求項6に記載の洗浄方法。
- 上記ドライアイス層を形成する工程を、上記被洗浄物を二酸化炭素ガス中に配設した状態で、上記二酸化炭素ガスを固化して上記ドライアイス層を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。
- 上記被洗浄物上の上記洗浄液体の供給を、上記被洗浄物上に上記洗浄液体を噴出して行うか、上記被洗浄物を上記洗浄液体内に浸漬して行うかにて成ることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の洗浄方法。
- 上記洗浄液体が純水にて成ることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の洗浄方法。
- 半導体装置の表面を洗浄する洗浄方法として、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の洗浄方法を用いたことを特徴とする半導体装置の洗浄方法。
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2003
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