JP2022168453A - ガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原料供給配管とタンクとの切り離し作業を効率化させることができるガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法を提供する。【解決手段】ガラス原料供給装置は、液体ガラス原料を収容するタンクと、タンクと切り離し可能に接続されて液体ガラス原料をタンクから所定設備へ供給する配管部と、配管部内を減圧する減圧部と、液体ガラス原料をパージするためにタンク及び配管部にパージガスを供給するガス供給部と、を備えている。ガス供給部は、パージガスを加熱する加熱部と、配管部の一部を構成し、タンクの原料取出配管と切り離し可能に接続される原料供給配管内をパージガスでパージする第一のパージラインと、第一のパージラインを介して原料供給配管内に導入されるパージガスの最大流量よりも小さい最大流量のパージガスで原料供給配管内をパージ可能な、第二のパージラインと、を有する。【選択図】図1
Description
本開示は、ガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法に関する。
気体や液体等の流体が原料物質として使用される各種の工場において、流体がタンク等の容器により工場まで搬送されて、容器から使用箇所まで配管により移送されることが多い。特許文献1には、流体移送用の配管から残留物を取り除く方法として、不活性ガスなどのキャリアガスにより配管内の残留物を除去する(パージする)方法、配管を加熱して残留物をガス化し配管終端よりポンプで吸い出す方法、あるいは配管を加熱して不活性ガスなどのガスを一度配管内に封入し、封入した不活性ガスとガス化した残留物の希釈ガスとして配管終端よりポンプで吸い出すということを数回以上繰り返す方法(回分パージ)等の手法があることが開示されている。
特許文献2は、化学物質供給源から供給された液状化学物質が充填され、化学物質消費装置が装備されている位置まで搬送されて化学物質消費装置に液状化学物質を供給するために用いられるタンクに関する発明であって、化学物質消費装置とタンクとの接続部の構造や、化学物質消費装置とタンクと接続/切り離し作業の手順が開示されている。具体的には、接続作業の際にタンク側接続部に設けた連結管を使ってシールガスを流し、化学物質接続流路や気体接続流路内をパージすることが記載されている。
特許文献1または2に開示のような発明では、タンク切り離しの際、配管内部に残留している流体を除去するために不活性ガス等を流してパージを行っている。しかしながら、残留流体を完全に除去して切り離しが可能となるまでに長時間を要しているため、パージガスを大量に消費してしまう。特に、冬場は気温が低くなるため、配管内の流体が気化しにくく、液体を完全に除去するまでにさらに時間がかかってしまう場合がある。
本開示は、上記事実に鑑みてなされたものであり、原料供給配管とタンクとの切り離し作業を効率化させることができるガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置が備えるタンクの切り離し方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るガラス原料供給装置は、
液体ガラス原料を供給するためのガラス原料供給装置であって、
前記液体ガラス原料を内部に収容するタンクと、
前記タンクと切り離し可能に接続されて前記液体ガラス原料を前記タンクから所定設備へ供給する配管部と、
前記配管部内を減圧する減圧部と、
前記液体ガラス原料をパージするために前記タンクおよび前記配管部にパージガスを供給するガス供給部と、
を備え、
前記タンクは、
前記配管部と接続され、前記タンク内から前記液体ガラス原料を取り出して前記配管部へ供給する原料取出配管と、
前記タンク内に前記パージガスを導入するガス導入配管と、
を有し、
前記ガス供給部は、
前記パージガスを加熱する加熱部と、
前記配管部の一部を構成し、前記原料取出配管と切り離し可能に接続される原料供給配管内を前記パージガスでパージする第一のパージラインと、
前記第一のパージラインを介して前記原料供給配管内に導入される前記パージガスの最大流量よりも小さい最大流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージ可能な、第二のパージラインと、
を有する。
液体ガラス原料を供給するためのガラス原料供給装置であって、
前記液体ガラス原料を内部に収容するタンクと、
前記タンクと切り離し可能に接続されて前記液体ガラス原料を前記タンクから所定設備へ供給する配管部と、
前記配管部内を減圧する減圧部と、
前記液体ガラス原料をパージするために前記タンクおよび前記配管部にパージガスを供給するガス供給部と、
を備え、
前記タンクは、
前記配管部と接続され、前記タンク内から前記液体ガラス原料を取り出して前記配管部へ供給する原料取出配管と、
前記タンク内に前記パージガスを導入するガス導入配管と、
を有し、
前記ガス供給部は、
前記パージガスを加熱する加熱部と、
前記配管部の一部を構成し、前記原料取出配管と切り離し可能に接続される原料供給配管内を前記パージガスでパージする第一のパージラインと、
前記第一のパージラインを介して前記原料供給配管内に導入される前記パージガスの最大流量よりも小さい最大流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージ可能な、第二のパージラインと、
を有する。
本開示の一態様に係るガラス原料タンクの切り離し方法は、
上記のガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法であって、
前記第一のパージラインを介して第一の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージする第1工程と、
前記第1工程の後、前記パージガスを前記加熱部で加熱しつつ、前記第二のパージラインを介して前記第一の流量よりも小さい第二の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージするステップと、前記減圧部で前記原料供給配管内を減圧するステップと、を交互に繰り返す第2工程と、
前記第2工程の後、前記タンクと前記原料供給配管とを切り離す第3工程と、
を含む。
上記のガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法であって、
前記第一のパージラインを介して第一の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージする第1工程と、
前記第1工程の後、前記パージガスを前記加熱部で加熱しつつ、前記第二のパージラインを介して前記第一の流量よりも小さい第二の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージするステップと、前記減圧部で前記原料供給配管内を減圧するステップと、を交互に繰り返す第2工程と、
前記第2工程の後、前記タンクと前記原料供給配管とを切り離す第3工程と、
を含む。
上記開示によれば、原料供給配管とタンクとの切り離し作業を効率化させることができる。
(本開示の実施形態の説明)
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係るガラス原料供給装置は、
(1)液体ガラス原料を供給するためのガラス原料供給装置であって、
前記液体ガラス原料を内部に収容するタンクと、
前記タンクと切り離し可能に接続されて前記液体ガラス原料を前記タンクから所定設備へ供給する配管部と、
前記配管部内を減圧する減圧部と、
前記液体ガラス原料をパージするために前記タンクおよび前記配管部にパージガスを供給するガス供給部と、
を備え、
前記タンクは、
前記配管部と接続され、前記タンク内から前記液体ガラス原料を取り出して前記配管部へ供給する原料取出配管と、
前記タンク内に前記パージガスを導入するガス導入配管と、
を有し、
前記ガス供給部は、
前記パージガスを加熱する加熱部と、
前記配管部の一部を構成し、前記原料取出配管と切り離し可能に接続される原料供給配管内を前記パージガスでパージする第一のパージラインと、
前記第一のパージラインを介して前記原料供給配管内に導入される前記パージガスの最大流量よりも小さい最大流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージ可能な、第二のパージラインと、
を有する。
この構成によれば、第一のパージラインを用いて大流量のパージガスでまず当該原料供給配管内に残留する液体ガラス原料の大半を気化させておき、残りの液体ガラス原料については、タンクの原料取出配管と切り離し可能に接続された原料供給配管内を減圧するとともに、第一のパージライン及び第二のパージラインの少なくとも一方を介して加熱パージガスで原料供給配管内をパージする。これにより、当該原料供給配管内に残留する液体ガラス原料の気化を促進させて、当該液体ガラス原料を短時間で除去することができる。その結果、原料供給配管とタンクとの切り離し作業を効率化させることができる。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係るガラス原料供給装置は、
(1)液体ガラス原料を供給するためのガラス原料供給装置であって、
前記液体ガラス原料を内部に収容するタンクと、
前記タンクと切り離し可能に接続されて前記液体ガラス原料を前記タンクから所定設備へ供給する配管部と、
前記配管部内を減圧する減圧部と、
前記液体ガラス原料をパージするために前記タンクおよび前記配管部にパージガスを供給するガス供給部と、
を備え、
前記タンクは、
前記配管部と接続され、前記タンク内から前記液体ガラス原料を取り出して前記配管部へ供給する原料取出配管と、
前記タンク内に前記パージガスを導入するガス導入配管と、
を有し、
前記ガス供給部は、
前記パージガスを加熱する加熱部と、
前記配管部の一部を構成し、前記原料取出配管と切り離し可能に接続される原料供給配管内を前記パージガスでパージする第一のパージラインと、
前記第一のパージラインを介して前記原料供給配管内に導入される前記パージガスの最大流量よりも小さい最大流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージ可能な、第二のパージラインと、
を有する。
この構成によれば、第一のパージラインを用いて大流量のパージガスでまず当該原料供給配管内に残留する液体ガラス原料の大半を気化させておき、残りの液体ガラス原料については、タンクの原料取出配管と切り離し可能に接続された原料供給配管内を減圧するとともに、第一のパージライン及び第二のパージラインの少なくとも一方を介して加熱パージガスで原料供給配管内をパージする。これにより、当該原料供給配管内に残留する液体ガラス原料の気化を促進させて、当該液体ガラス原料を短時間で除去することができる。その結果、原料供給配管とタンクとの切り離し作業を効率化させることができる。
(2)前記原料供給配管内をパージした前記パージガスを除害装置へ排気する排気配管と、
前記排気配管において、前記パージガスの塩酸濃度を測定する塩酸濃度計と、
をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、液体ガラス原料が原料供給配管内から確実に除去できたかを適時に確認することができるため、ガスパージ時間を短縮できる。
前記排気配管において、前記パージガスの塩酸濃度を測定する塩酸濃度計と、
をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、液体ガラス原料が原料供給配管内から確実に除去できたかを適時に確認することができるため、ガスパージ時間を短縮できる。
本開示の一態様に係るガラス原料供給装置は、
(3)上記(1)又は(2)のガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法であって、
前記第一のパージラインを介して第一の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージする第1工程と、
前記第1工程の後、前記パージガスを前記加熱部で加熱しつつ、前記第二のパージラインを介して前記第一の流量よりも小さい第二の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージするステップと、前記減圧部で前記原料供給配管内を減圧するステップと、を交互に繰り返す第2工程と、
前記第2工程の後、前記タンクと前記原料供給配管とを切り離す第3工程と、
を含む。
この方法によれば、加熱パージガスによる原料供給配管内のパージと原料供給配管の減圧を繰り返すことにより、原料供給配管内に残留する液体ガラス原料を短時間で除去することができる。
(3)上記(1)又は(2)のガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法であって、
前記第一のパージラインを介して第一の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージする第1工程と、
前記第1工程の後、前記パージガスを前記加熱部で加熱しつつ、前記第二のパージラインを介して前記第一の流量よりも小さい第二の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージするステップと、前記減圧部で前記原料供給配管内を減圧するステップと、を交互に繰り返す第2工程と、
前記第2工程の後、前記タンクと前記原料供給配管とを切り離す第3工程と、
を含む。
この方法によれば、加熱パージガスによる原料供給配管内のパージと原料供給配管の減圧を繰り返すことにより、原料供給配管内に残留する液体ガラス原料を短時間で除去することができる。
(4)前記第一の流量が3m3/時以上30m3/時以下であり、前記第1工程の実施時間が30分以上3時間以下であってもよい。
この方法によれば、原料供給配管内に残留する液体ガラス原料をより短時間で除去することができる。
この方法によれば、原料供給配管内に残留する液体ガラス原料をより短時間で除去することができる。
(5)前記ガラス原料供給装置に設けられた塩酸濃度計で測定する塩酸濃度が所定の濃度以下になったときに前記第2工程を終了して前記第3工程に移行してもよい。
この構成によれば、液体ガラス原料が原料供給配管内から確実に除去できたかを適時に確認することができるため、ガスパージ時間を短縮できる。
この構成によれば、液体ガラス原料が原料供給配管内から確実に除去できたかを適時に確認することができるため、ガスパージ時間を短縮できる。
(本開示の実施形態の詳細)
本開示の実施形態に係るガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置が備えるタンクの切り離し方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示の実施形態に係るガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置が備えるタンクの切り離し方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
まず、図1を参照しながら、本開示の実施形態に係るガラス原料供給装置100を説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス原料供給装置100(以下、原料供給装置100と称する。)の全体を示す模式図である。図1に示すように、原料供給装置100は、タンク(コンテナ)1と、原料供給配管部2(配管部の一例)と、減圧部3と、貯槽部4と、ガス供給部5と、を備えている。
図1は、本実施形態に係るガラス原料供給装置100(以下、原料供給装置100と称する。)の全体を示す模式図である。図1に示すように、原料供給装置100は、タンク(コンテナ)1と、原料供給配管部2(配管部の一例)と、減圧部3と、貯槽部4と、ガス供給部5と、を備えている。
タンク1は、不図示の搬送手段(例えば、専用トラック)によって、原料供給装置100が設置されている領域に搬送される。タンク1は、タンク本体10と、タンク本体10に付設された接続ユニット12とから構成されている。タンク本体10は中空構造を有しており、図示は省略するが、その内部に液体ガラス原料が充填された状態で搬送される。液体ガラス原料は、主に光ファイバを製造するための原料であり、例えば、SiCl4、GeCl4等が用いられる。
タンク本体10の上面には接続ユニット12が付設されている。接続ユニット12は、原料取出配管14と、ガス導入配管16と、バイパス配管18と、を備えている。
原料取出配管14は、その一端(図1では下端)がタンク本体10内に充填された液体ガラス原料(図1では不図示)に浸漬されており、その他端(図1では上端)が原料供給配管部2に連結されている。原料取出配管14のタンク本体10から延出した部分には、2つの開閉バルブ140,142が設けられている。
ガス導入配管16は、その一端がタンク本体10内に挿通されている。ガス導入配管16のタンク本体10から延出した部分には、2つの開閉バルブ160,162が設けられている。
バイパス配管18は、原料取出配管14に設けられた開閉バルブ140と開閉バルブ142との間の部分と、ガス導入配管16に設けられた開閉バルブ160と開閉バルブ162との間の部分とを連結している。すなわち、バイパス配管18は、その一端(図1では右端)が原料取出配管14に連通され、その他端(図1では左端)はガス導入配管16に連通されている。バイパス配管18には、開閉バルブ180が設けられている。
原料供給配管部2は、タンク1から貯槽部4へと液体ガラス原料を供給するための配管である。原料供給配管部2は、原料供給配管20と、排気配管22と、真空配管24とを備えている。原料供給配管20は、その上流端がタンク1の原料取出配管14に切り離し可能に接続され、下流端が貯槽部4内に挿通される。これにより、タンク1のタンク本体10に充填された液体ガラス原料が原料取出配管14を介して、原料供給配管20へ供給され、さらに貯槽部4へと供給される。原料供給配管20の途中には開閉バルブ26が設けられている。開閉バルブ26は、例えばエアバルブである。
原料供給配管20の開閉バルブ26よりも上流側には排気配管22が連結されている。排気配管22の下流端は、除害装置200へとつながっている。排気配管22の途中には開閉バルブ28が設けられている。原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料が除去される際には、除去された液体ガラス原料がガスとともに排気配管22を通って除害装置200へ排気されて除害される。なお、排気配管22には塩酸濃度計80が設けられている。塩酸濃度計80は、排気配管22内を通過するガスの塩酸濃度を測定可能である。例えば、排気配管22の開閉バルブ28より下流側に大気導入口を設け、液体ガラス原料を含むガスと大気中の水分とが接触することで生成される塩化水素ガスの濃度を、塩酸濃度計80により測定する。そのため、塩酸濃度計80の測定値は、液体ガラス原料の濃度を反映したものとなる。また、塩酸濃度計80は、液体ガラス原料の濃度を直接測定できるものであってもよい。その場合は、排気配管22に大気導入口は設けなくてよい。
原料供給配管20の上流端の部分、すなわち、タンク1の接続ユニット12と切り離し可能に接続される部分(切り離し部)30には、後述のガス供給部5のパージライン58aが連結されている。
原料供給配管20の排気配管22が連結された部分と開閉バルブ26との間には、真空配管24が連結されている。真空配管24の下流端は排気配管22と連結されている。真空配管24には、開閉バルブ32と、真空排気装置(バキュームジェネレータ)34とが設けられている。この真空配管24、開閉バルブ32、及び真空排気装置34により減圧部3が構成されている。真空排気装置34は、原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料を吸引するために用いられる。開閉バルブ32が開放された状態で真空排気装置34を作動させると、原料供給配管20内の残留液が吸引され、真空配管24を介して除害装置200へと排出される。
貯槽部4は、貯槽タンク40と、配管42と、を備えている。貯槽タンク40は、その内部に原料供給配管20から供給された液体ガラス原料を貯槽可能である。
配管42は、貯槽タンク40内に貯槽された液体ガラス原料を取り出して処理設備300(例えば、光ファイバ製造装置)側に供給するための配管である。配管42は貯槽タンク40の下側に設けられており、その管路の途中に開閉バルブ44及びポンプ46が配置されている。配管42のポンプ46よりも下流側の端部は分岐しており、それぞれ下流端が液体ガラス原料の処理設備300,300に連結されている。図1において、配管42の分岐部42a,42bにそれぞれ開閉バルブ48a,48bが設けられている。各開閉バルブ44,48a,48bを開放させた状態でポンプ46を作動させることで、貯槽タンク40に貯槽された液体ガラス原料が各処理設備300,300に供給される。
ガス供給部5は、タンク1のタンク本体10内を加圧したり原料供給配管部2内をガス置換(パージ)するために用いられる。ガス供給部5は、ガス供給源50と、ガス配管部52と、を有している。ガス供給源50は、ガス配管部52を介してタンク本体10や原料供給配管部2の原料供給配管20に不活性ガスを供給する。以下、不活性ガスをパージガスと称する場合もある。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等が用いられるが、コストや安全性の面から特に窒素を用いることが好ましい。
ガス配管部52は、ガス供給源50から見て上流側のパージライン54と、加熱部56と、下流側のパージライン58と、を有している。ガス供給源50に連結された上流側パージライン54は、2つのパージライン54a,54bに分岐している。分岐した2つのパージライン54a,54bのうち一方のパージライン54a(第一のパージラインの一例)の途中には流量計60及び開閉バルブ62が設けられている。他方のパージライン54b(第二のパージラインの一例)の途中にも、同様に、流量計64及び開閉バルブ66が設けられている。パージライン54aは、パージライン54bよりもパージガスの最大ガス流量が大きくなるように構成されている。パージライン54aを通過するパージガスの最大ガス流量は、例えば、3m3/時以上30m3/時以下であり、パージライン54bを通過するパージガスの最大ガス流量は、例えば、1m3/時以上10m3/時以下である。
パージライン54aの下流端とパージライン54bの下流端とは下流側パージライン58により合流されている。下流側パージライン58の途中には、加熱部56が設けられている。加熱部56は、ガス供給源50から供給されたパージガスを加熱するための装置である。加熱部56には、例えば、ヒータが設けられており、ヒータを通過したパージガスが約25℃~90℃に加熱される。
下流側パージライン58の加熱部56よりも下流側には開閉バルブ68が設けられている。パージライン58は、開閉バルブ68よりもさらに下流側において、2つのパージライン58a,58bに分岐する。一方のパージライン58aの下流端は、タンク本体10に付設された接続ユニット12の原料取出配管14に切り離し可能に連結された原料供給配管部2の原料供給配管20に連結されている。すなわち、パージライン58aの下流端は、原料供給配管20の切り離し部30に連結されている。他方のパージライン58bの下流端は、接続ユニット12のガス導入配管16に連結されている。パージライン58aには開閉バルブ69が設けられている。
さらに、上流側パージライン54の途中から真空用パージライン70が分岐している。真空用パージライン70には開閉バルブ72が設けられている。真空用パージライン70の下流端は、真空配管24に設けられた真空排気装置34に連結されている。
このように構成された原料供給装置100において、タンク1から原料供給配管20を介して貯槽部4の貯槽タンク40まで液体ガラス原料を供給する方法について、簡単に説明する。まず、パージライン58aの開閉バルブ69を閉じ、上流側パージライン54に設けられた開閉バルブ62及び開閉バルブ66のいずれか一方、下流側パージライン58に設けられた開閉バルブ68、接続ユニット12のガス導入配管16に設けられた開閉バルブ160及び開閉バルブ162を開き、ガス供給源50からパージガスをタンク本体10内に供給し、当該ガスによってタンク本体10内を加圧状態とする。次に、接続ユニット12の原料取出配管14に設けられた開閉バルブ140及び開閉バルブ142、原料供給配管20に設けられた開閉バルブ26を開き、タンク本体10から取り出される液体ガラス原料を原料取出配管14及び原料供給配管20を通して貯槽タンク40に供給する。貯槽タンク40に対する液体ガラス原料の供給量、換言するとタンク本体10内の液体ガラス原料の残留量は、例えばタンク1の全体をロードセル(不図示)上に載置し、タンク1の重量の変動を測定することによって認識することができる。タンク本体10内の液体ガラス原料が実質的に全て排出されて貯槽タンク40に供給されたと判断されると、バイパス配管18に設けられた開閉バルブ180を開き、パージガスを原料取出配管14内にも供給させて原料取出配管14内に残留している液体ガラス原料をタンク本体10内に戻す。その後、接続ユニット12のガス導入配管16に設けられた開閉バルブ160及び接続ユニット12の原料取出配管14に設けられた開閉バルブ140を閉じる。
なお、タンク本体10内の液体ガラス原料が実質的に全て排出されて貯槽タンク40に供給されたかどうかの判断は、タンク1の重量の変動を測定すること以外に、上流側パージライン54に設けられた開閉バルブ62を開く場合は流量計60の測定値、開閉バルブ66を開く場合は流量計64の測定値が急激に増加することを検知する方法でもよい。また、原料供給配管20に液体ガラス原料の流量計を設け、累積の流量または流量変動から判断する方法でもよい。
なお、タンク本体10内の液体ガラス原料が実質的に全て排出されて貯槽タンク40に供給されたかどうかの判断は、タンク1の重量の変動を測定すること以外に、上流側パージライン54に設けられた開閉バルブ62を開く場合は流量計60の測定値、開閉バルブ66を開く場合は流量計64の測定値が急激に増加することを検知する方法でもよい。また、原料供給配管20に液体ガラス原料の流量計を設け、累積の流量または流量変動から判断する方法でもよい。
次に、原料供給装置100において、タンク本体10から貯槽タンク40への液体ガラス原料の供給が完了した後で原料供給配管部2からタンク1を切り離す際の原料供給配管20内の液体ガラス原料の除去方法(タンク1の切り離し方法)について、図1及び図2を参照して以下に説明する。図2は、原料供給装置100におけるタンク1の切り離し作業工程を示すフローチャートである。
まず、図2に示すステップS1において、作業者は、原料供給配管20に設けられた開閉バルブ26、真空配管24に設けられた開閉バルブ32、パージライン54bに設けられた開閉バルブ66、及び真空用パージライン70に設けられた開閉バルブ72を閉じ、排気配管22に設けられた開閉バルブ28、パージライン54aに設けられた開閉バルブ62、及びパージライン58に設けられた開閉バルブ68を開放した状態で、ガス供給源50からパージガスをガス配管部52に向けて供給する。なお、タンク本体10から貯槽タンク40への液体ガラス原料の供給時に引き続き、パージライン58aの開閉バルブ69は閉じたままの状態とする。これにより、パージガスは、上流側パージライン54、パージライン54a、下流側パージライン58(パージライン58b)、開閉バルブ162、バイパス配管18、開閉バルブ142を通って原料供給配管20へ供給される。上述の通り、パージライン54aはパージライン54bよりも最大ガス流量が大きくなるように構成されている。そのため、パージライン54aを通過したパージガスは大流量(例えば、3m3/時以上30m3/時以下)で原料供給配管20内へ供給される。このとき、作業者は、パージライン54aに設けられた流量計60によりパージライン54aのガス流量を測定し、パージライン54aのガス流量を適宜調整する。原料供給配管20へ供給された大流量のパージガスは、開閉バルブ26よりも上流側の原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料をパージ(ガス置換)させて、パージされた液体ガラス原料とともに排気配管22を通って除害装置200側へ送出される。なお、ステップS1では、原料供給配管20の開閉バルブ26及び真空配管24の開閉バルブ32は閉じられているため、原料供給配管20へ供給されたパージガスが開閉バルブ26よりも下流側の原料供給配管20や開閉バルブ32よりも下流側の真空配管24内に到達することはない。ステップS1において、大流量のパージガスが原料供給配管20に供給されることにより、切り離し部30を含む上流側の原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料の大部分がガス置換される(フラッシング工程)。なお、当該フラッシング工程の実施時間は、例えば、30分以上3時間以下である。
次に、ステップS2において、作業者は、開放していた排気配管22の開閉バルブ28、及びパージライン54aの開閉バルブ62を閉じ、閉鎖していたパージライン54bに設けられた開閉バルブ66を開放して、ガス供給源50からパージガスをガス配管部52に向けて供給する。このとき、原料供給配管20の開閉バルブ26、真空配管24の開閉バルブ32、及び真空用パージライン70の開閉バルブ72はステップS1に引き続き閉じたままの状態としておき、パージライン58に設けられた開閉バルブ68はステップS1に引き続き開放させたままの状態としておく。これにより、ガス供給源50から供給されたパージガスは、パージライン54bを介して下流側パージライン58を通って原料供給配管20へ供給される。パージライン54bはパージライン54aよりも送出されるパージガスの最大ガス流量が小さいため、パージライン54bを通過したパージガスはパージライン54aを通過した場合のパージガスの流量よりも少ない流量で原料供給配管20内へ供給される。このとき、作業者は、パージライン54bに設けられた流量計64によりパージライン54bのガス流量を測定し、パージライン54bのガス流量を適宜調整する。ステップS2では、原料供給配管20の開閉バルブ26及び真空配管24の開閉バルブ32とともに排気配管22の開閉バルブ28も閉じられているため、パージライン54bを介して原料供給配管20へ供給された少流量のパージガスにより、切り離し部30から開閉バルブ26までの原料供給配管20内が加圧される(圧張り工程)。
次に、ステップS3において、作業者は、開放していたパージライン54bの開閉バルブ66、及びパージライン58の開閉バルブ68を閉じ、閉鎖していた排気配管22の開閉バルブ28を開放する。このとき、原料供給配管20の開閉バルブ26、真空配管24の開閉バルブ32、パージライン54aの開閉バルブ62、及び真空用パージライン70の開閉バルブ72は、ステップS2に引き続き閉じたままの状態としておく。これにより、切り離し部30から開閉バルブ26までの原料供給配管20内に供給されていたパージガス(液体ガラス原料を含むガス)は、排気配管22から除害装置200に向かって排気される。すなわち、切り離し部30から開閉バルブ26までの原料供給配管20内の加圧(圧張り)状態が解放される(圧抜き工程)。
次に、ステップS4において、作業者は、開放していた排気配管22の開閉バルブ28を閉じ、閉鎖していた真空配管24の開閉バルブ32、及び真空用パージライン70の開閉バルブ72を開放する。このとき、原料供給配管20の開閉バルブ26、パージライン54aの開閉バルブ62、パージライン54bの開閉バルブ66、及びパージライン58の開閉バルブ68はステップS3に引き続き閉じたままの状態としておく。この状態で、作業者は、ガス供給源50からパージガスをガス配管部52に向けて供給するとともに、真空排気装置34を作動させる。これにより、原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料を真空排気装置34により吸引するとともに、原料供給配管20内を負圧(約-0.08MPaの圧力値)にする。すなわち、切り離し部30から開閉バルブ26までの原料供給配管20内が真空(負圧)状態となる(真空引き工程)。このように、原料供給配管20内を負圧にすることで、液体ガラス原料の沸点が下がり、蒸発が促進される。例えば、原料供給配管20内の圧力値を約-0.08MPaとすることによりSiCl4の沸点が約15℃まで下がる。なお、ガス供給源50から供給されたパージガスは、真空用パージライン70を通って真空排気装置34に到達し、真空排気装置34により吸引された原料供給配管20内のパージガス(液体ガラス原料を含むガス)とともに真空排気装置34よりも下流側の真空配管24を通って除害装置200へ送出される。
次に、ステップS5において、作業者は、開放していた真空配管24の開閉バルブ32、及び真空用パージライン70の開閉バルブ72を閉じ、閉鎖していた排気配管22の開閉バルブ28、パージライン54bの開閉バルブ66、及びパージライン58の開閉バルブ68を開放する。原料供給配管20の開閉バルブ26、及びパージライン54aの開閉バルブ62は、ステップS4に引き続き閉じたままの状態としておく。この状態で、ガス供給源50からパージガスをガス配管部52に向けて供給するとともに、パージライン58に設けられた加熱部56によるパージガスの加熱を開始する。これにより、パージライン54bを介して加熱部56に到達したパージガスが加熱部56により約25℃~90℃まで加熱された状態で原料供給配管20に供給される(加熱ガスパージ工程)。加熱部56により約25℃~90℃まで加熱されたパージガス(例えば、N2ガス)で原料供給配管20内をパージすることにより、原料供給配管20内の残留SiCl4液の蒸発を促進させることができる。このように、原料供給配管20に供給された加熱パージガスは、切り離し部30から開閉バルブ26までの原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料を気化させながら、ガラス原料ガスとともに排気配管22から除害装置200に向かって排気される。
次に、ステップS6において、作業者は、排気配管22の開閉バルブ28、パージライン54bの開閉バルブ66、及びパージライン58の開閉バルブ68を開放させたまま、加熱部56によるパージガスの加熱を停止して、ガス供給源50からパージガスをガス配管部52に向けて供給し続ける。このとき、原料供給配管20の開閉バルブ26、真空配管24の開閉バルブ32、パージライン54aの開閉バルブ62、及び真空用パージライン70の開閉バルブ72は、ステップS5に引き続き閉じたままの状態としておく。これにより、加熱部56により加熱されていないパージガスが原料供給配管20に供給される(非加熱ガスパージ工程)。原料供給配管20に供給された非加熱パージガスは、原料供給配管20内を冷却させつつ排気配管22から除害装置200に向かって排気される。
次に、ステップS7において、作業者は、排気配管22に設けられた塩酸濃度計80により、排気配管22内の塩酸濃度を測定する。次に、ステップS8において、作業者は、測定された塩酸濃度が所定のしきい値以下であるか否かを判定する。塩酸濃度が所定のしきい値以下ではないと判断された場合には(ステップS8のNo)、作業者は、ステップS2の圧張り工程に戻り、ステップS2以降の処理を繰り返す。
一方、塩酸濃度が所定のしきい値以下であると判断された場合には(ステップS8のYes)、ステップS9において、作業者は、原料供給配管部2とタンク1の接続ユニット12とを切り離す。具体的には、作業者は、排気配管22の開閉バルブ28、接続ユニット12の開閉バルブ162及び開閉バルブ142を閉じ、パージライン58aの開閉バルブ69を開放する。次に、図1に符号Aにて示した部分において、原料供給配管20の上流端(切り離し部30)と、接続ユニット12の原料取出配管14の下流端とを切り離し、パージライン58bの下流端と、接続ユニット12のガス導入配管16の上流端とを切り離す。その後、切り離されたタンク1は専用トラック等の搬送手段により、原料供給装置100が設置された領域から搬出される。これにより、本実施形態に係る原料供給装置100におけるタンク1の切り離し工程が終了する。
(実施例)
ところで、タンク1から液体ガラス原料(例えば、SiCl4液)を貯槽タンク40に送液した後、タンク1をガラス原料供給装置100から切り離す際、SiCl4液が原料供給配管20内に残留していると原料供給配管20が腐食してしまう。そのため、原料供給配管20内をパージガス(例えば、N2)によりパージしてからタンク1の切り離しをする必要があるが、従来はこのパージ処理に8時間ほどかかっていた。
ところで、タンク1から液体ガラス原料(例えば、SiCl4液)を貯槽タンク40に送液した後、タンク1をガラス原料供給装置100から切り離す際、SiCl4液が原料供給配管20内に残留していると原料供給配管20が腐食してしまう。そのため、原料供給配管20内をパージガス(例えば、N2)によりパージしてからタンク1の切り離しをする必要があるが、従来はこのパージ処理に8時間ほどかかっていた。
表1に示すように、本実施例では、図2のステップS1のフラッシング工程、ステップS2の圧張り工程、ステップS3の圧抜き工程、ステップS4の真空引き工程、ステップS5の加熱ガスパージ工程、及びステップS6の非加熱ガスパージ工程を実施した。その後、原料供給配管20の切り離し部30に検査用のテスト管を取り付け、SiCl4液が枯れているかを確認するため、原料供給配管20内の塩化水素(HCl)濃度を測定した。その結果、原料供給配管20内のHCl濃度は、0ppm(0%)であった。このように、ステップS1~ステップS6の工程を実施することで、SiCl4液のN2ガスによるガス置換処理を約2時間で完了できることが確認された。
ステップS4の真空引き工程では、上述の通り、原料供給配管20内の残留SiCl4液を吸引するとともに、原料供給配管20内を負圧にすることにより残留SiCl4液の沸点を下げて残留SiCl4液の蒸発を促進させる。続いて、ステップS5の加熱ガスパージ工程では、上述の通り、加熱部56で25℃~90℃に温めたN2ガスで原料供給配管20内をパージすることにより、残留SiCl4液の蒸発をさらに促進させる。このように、真空引き工程と加熱ガスパージ工程とを経ることにより、原料供給配管20内の残留SiCl4液の除去時間の大幅な短縮が達成されることが確認できた。なお、加熱ガスパージ工程の前に真空引き工程を実施することでN2ガスの使用量を減らすことができる。具体的には、N2ガスの使用量を約37m3から約25m3まで減らすことができる。
さらに、表1よりも各工程の時間を短縮して実験を行った結果、フラッシング工程を開始後、約1.5時間で原料供給配管20内のHClが検知されなくなることが確認できた。
以上説明したように、液体ガラス原料を供給するための原料供給装置100は、液体ガラス原料を内部に収容するタンク1と、タンク1と切り離し可能に接続されて液体ガラス原料をタンク1から貯槽部4へ供給する原料供給配管部2と、原料供給配管部2内を減圧する減圧部3と、液体ガラス原料をパージするためにタンク1及び原料供給配管部2にパージガスを供給するガス供給部5と、を備えている。タンク1は、原料供給配管部2と接続されてタンク1内から液体ガラス原料を取り出して原料供給配管部2へ供給する原料取出配管14と、タンク1内にパージガスを導入するガス導入配管16と、を少なくとも有している。ガス供給部5は、パージガスを加熱する加熱部56と、原料供給配管部2の一部であって原料取出配管14と切り離し可能に接続される原料供給配管20内をパージガスでパージするパージライン54a(第一のパージラインの一例)と、パージライン54aを介して原料供給配管20内に導入されるパージガスの最大流量よりも小さい最大流量のパージガスで原料供給配管20内をパージ可能なパージライン54b(第二のパージラインの一例)と、を有している。この構成によれば、タンク1と切り離し可能な原料供給配管20内を減圧するとともに、加熱されたパージガスをパージライン54a及びパージライン54bのいずれか一方を介して原料供給配管20に供給することで、原料供給配管20内、特に切り離し部30付近の配管内部と、タンク1の接続ユニット12が備える開閉バルブ142及び開閉バルブ162の切り離し部30側の内面に残留する液体ガラス原料の気化を促進させて、当該液体ガラス原料を短時間で除去することができる。これにより、タンク1と原料供給配管部2とを切り離す際の作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る原料供給装置100は、原料供給配管20内に供給されたパージガスを除害装置200へ排気する排気配管22と、排気配管22においてパージガスの塩酸濃度を測定する塩酸濃度計80と、をさらに備えている。この構成によれば、液体ガラス原料が原料供給配管20内、特に切り離し部30付近の配管内部と、開閉バルブ142及び開閉バルブ162の切り離し部30側の内面から除去できたかを適時に確認することができるため、ガスパージ時間を短縮できる。
また、本実施形態に係る原料供給装置100におけるタンク1の切り離し方法は、パージライン54aを介して原料供給配管20内を大流量(第一の流量の一例)でパージする第1工程と、当該第1工程の後にパージガスを加熱部56で加熱しつつ、パージライン54bを介して少流量(第二の流量の一例)で原料供給配管20内をパージするステップと、減圧部3の真空排気装置34を作動させて原料供給配管20内を減圧するステップと、を交互に繰り返す第2工程と、当該第2工程の後でタンク1と原料供給配管20とを切り離す第3工程と、を含む。このような工程を経ることで、原料供給配管20内に残留する液体ガラス原料を短時間で除去することができる。なお、パージライン54aを介してパージされるパージガスの最大流量は、例えば、3m3/時以上30m3/時以下であり、上記第1工程の実施時間は、例えば、30分以上3時間以下である。
本実施形態に係るタンク1の切り離し方法において、塩酸濃度計80で測定する塩酸濃度が所定の濃度以下になったときに上記第2工程を終了して上記第3工程に移行される。この方法によれば、液体ガラス原料が原料供給配管20内から除去できたかを適時に確認することができるため、パージ時間を短縮できる。また、塩酸濃度を測定せず、上記第2工程においてパージガスを加熱部56で加熱しつつ、パージライン54bを介して少流量(第二の流量の一例)で原料供給配管20内をパージするステップと、減圧部3の真空排気装置34を作動させて原料供給配管20内を減圧するステップと、を交互に繰り返す回数をあらかじめ決めておき、所定の回数実施した後に第3工程に移行する方法も可能である。
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
上記の実施形態では、タンク1から貯槽部4への液体ガラス原料の供給工程や、原料供給配管20内へのガスパージ工程において、作業者が各開閉バルブ26,28,32,44,48a,48b,62,66,68,69,72,140,142,160,162,180の開閉を手動で行う例を説明しているが、開閉バルブの開閉作業を自動化してもよい。
1 タンク(コンテナ)
2 原料供給配管部(配管部の一例)
3 減圧部
4 貯槽部
5 ガス供給部
10 タンク本体
12 接続ユニット
14 原料取出配管
16 ガス導入配管
18 バイパス配管
20 原料供給配管
22 排気配管
24 真空配管
26,28,32,44,48a,48b,62,66,68,69,72,140,142,160,162,180 開閉バルブ
30 切り離し部
34 真空排気装置(バキュームジェネレータ)
40 貯槽タンク
42 配管
42a 分岐部
42b 分岐部
46 ポンプ
50 ガス供給源
52 ガス配管部
54(54a,54b) 上流側パージライン
56 加熱部
58(58a,58b) 下流側パージライン
60,64 流量計
70 真空用パージライン
80 塩酸濃度計
100 ガラス原料供給装置(原料供給装置)
200 除害装置
300 処理設備
2 原料供給配管部(配管部の一例)
3 減圧部
4 貯槽部
5 ガス供給部
10 タンク本体
12 接続ユニット
14 原料取出配管
16 ガス導入配管
18 バイパス配管
20 原料供給配管
22 排気配管
24 真空配管
26,28,32,44,48a,48b,62,66,68,69,72,140,142,160,162,180 開閉バルブ
30 切り離し部
34 真空排気装置(バキュームジェネレータ)
40 貯槽タンク
42 配管
42a 分岐部
42b 分岐部
46 ポンプ
50 ガス供給源
52 ガス配管部
54(54a,54b) 上流側パージライン
56 加熱部
58(58a,58b) 下流側パージライン
60,64 流量計
70 真空用パージライン
80 塩酸濃度計
100 ガラス原料供給装置(原料供給装置)
200 除害装置
300 処理設備
Claims (5)
- 液体ガラス原料を供給するためのガラス原料供給装置であって、
前記液体ガラス原料を内部に収容するタンクと、
前記タンクと切り離し可能に接続されて前記液体ガラス原料を前記タンクから所定設備へ供給する配管部と、
前記配管部内を減圧する減圧部と、
前記液体ガラス原料をパージするために前記タンクおよび前記配管部にパージガスを供給するガス供給部と、
を備え、
前記タンクは、
前記配管部と接続され、前記タンク内から前記液体ガラス原料を取り出して前記配管部へ供給する原料取出配管と、
前記タンク内に前記パージガスを導入するガス導入配管と、
を有し、
前記ガス供給部は、
前記パージガスを加熱する加熱部と、
前記配管部の一部を構成し、前記原料取出配管と切り離し可能に接続される原料供給配管内を前記パージガスでパージする第一のパージラインと、
前記第一のパージラインを介して前記原料供給配管内に導入される前記パージガスの最大流量よりも小さい最大流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージ可能な、第二のパージラインと、
を有する、ガラス原料供給装置。 - 前記原料供給配管内をパージした前記パージガスを除害装置へ排気する排気配管と、
前記排気配管において、前記パージガスの塩酸濃度を測定する塩酸濃度計と、
をさらに備えている、請求項1に記載のガラス原料供給装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法であって、
前記第一のパージラインを介して第一の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージする第1工程と、
前記第1工程の後、前記パージガスを前記加熱部で加熱しつつ、前記第二のパージラインを介して前記第一の流量よりも小さい第二の流量の前記パージガスで前記原料供給配管内をパージするステップと、前記減圧部で前記原料供給配管内を減圧するステップと、を交互に繰り返す第2工程と、
前記第2工程の後、前記タンクと前記原料供給配管とを切り離す第3工程と、
を含む、タンクの切り離し方法。 - 前記第一の流量が3m3/時以上30m3/時以下であり、前記第1工程の実施時間が30分以上3時間以下である、請求項3に記載の切り離し方法。
- 前記ガラス原料供給装置に設けられた塩酸濃度計で測定する塩酸濃度が所定の濃度以下になったときに前記第2工程を終了して前記第3工程に移行する、請求項3または請求項4に記載の切り離し方法。
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JP2021073926A Pending JP2022168453A (ja) | 2021-04-26 | 2021-04-26 | ガラス原料供給装置及び当該ガラス原料供給装置におけるタンクの切り離し方法 |
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JP (1) | JP2022168453A (ja) |
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2021
- 2021-04-26 JP JP2021073926A patent/JP2022168453A/ja active Pending
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