JP2022165513A - 車両の床下構造 - Google Patents

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慎治 長野
Shinji Nagano
道友 松岡
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Abstract

【課題】車幅方向における中央部のジャッキアップポイントの製作コストを低減させる。【解決手段】車両床下の車幅方向における中央部にジャッキアップポイントを備える車両の床下構造であって、車両のフロアパネル110の下面における車幅方向両側で車両前後方向に延びる左右の縦骨格部材と、フロアパネル110の下面における車幅方向中央部に設けられた中央骨格部材20と、左右の縦骨格部材と中央骨格部材20とをそれぞれつなぐ左右のブレース30とを備えており、ジャッキアップポイントは、左右のブレース30の端部と中央骨格部材20との連結部34,40に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両床下の車幅方向における中央部にジャッキアップポイントを備える車両の床下構造に関する。
車両の床下構造に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の車両の床下構造100は、図5に示すように、車幅方向両側で車両前後方向に延びる車体フレーム102を備えている。左右の車体フレーム102には、左右の車輪103を支持するサスペンションメンバ105の左右端部が支持されている。サスペンションメンバ105は、上方に凸形状となるように湾曲していおり、そのサスペンションメンバ105の左右端部間が直線状のブレース106によって連結されている。そして、ブレース106の車幅方向における中央部にジャッキアップポイント106pが設けられている。また、サスペンションメンバ105とブレース106間にはブラケット状のジャッキ受け部108が渡されている。
特開2004-130936号公報
上記した車両の床下構造100では、車幅方向における中央部のジャッキアップポイント106pを設けるために、サスペンションメンバ105の左右端部間をつなぐブレース106と、ブラケット状のジャッキ受け部108とが必要になる。このため、機構が大掛かりになり、コストアップとなる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車幅方向における中央部のジャッキアップポイントの製作コストを低減させることである。
上記した課題は、各発明によって解決される。第1の発明は、車両床下の車幅方向における中央部にジャッキアップポイントを備える車両の床下構造であって、車両のフロアパネルの下面における車幅方向両側で車両前後方向に延びる左右の縦骨格部材と、前記フロアパネルの下面における車幅方向中央部に設けられた中央骨格部材と、前記左右の縦骨格部材と前記中央骨格部材とをそれぞれつなぐ左右のブレースとを備えており、前記ジャッキアップポイントは、前記左右のブレースの端部と前記中央骨格部材との連結部に設けられている。
本発明によると、ジャッキアップポイントは、左右のブレースの端部と中央骨格部材との連結部に設けられている。このように、左右のブレースと中央骨格部材との連結部をジャッキアップポイントとして利用できるため、ジャッキアップポイントのための専用の機構を新たに設ける必要がない。即ち、左右のブレースと中央骨格部材との連結部を加工してジャッキアップポイントにできるため、ジャッキアップポイントを設けるための機構が大掛かりにならず、製作コストを低減できる。
第2の発明によると、連結部は、左右のブレースの端部に形成された連結プレートと、前記連結プレートを中央骨格部材に固定する締結機構と、前記連結プレートと前記締結機構とを下方から覆うカバープレートとを備えており、前記カバープレートの下面が前記ジャッキアップポイントとして使用される。このように、カバープレートの下面をジャッキアップポイントとして使用できるため、ジャッキアップポイントを設けるための機構がコンパクトになる。
第3の発明によると、連結プレートは、締結機構により中央骨格部材に固定されるプレート本体部と、前記プレート本体部の端縁で下方に向けて折り曲げられた下フランジ部とを備えており、カバープレートは、ジャッキアップポイントとなるカバープレート本体部と、前記カバープレート本体部の端縁で上方に向けて折り曲げられた上フランジ部とを備えており、前記連結プレートと前記カバープレートとは、前記下フランジ部と前記上フランジ部とが互いに嵌合した状態で互いに溶接されている。このように、連結プレートとカバープレートとは、下フランジ部と上フランジ部とが互いに嵌合した状態で互いに溶接されているため、ジャッキアップポイントに対して大きな荷重が加わっても、カバープレート、及び連結プレートが変形し難くなる。
第4の発明によると、カバープレート本体部には、締結機構を締付けるための作業穴が形成されている。
本発明によると、ジャッキアップポイントの製作コストを低減できる。
本発明の実施形態1に係る車両の床下構造を斜め下前方から見た全体斜視図である。 車両の床下構造におけるブレースと中央骨格部材との連結部を表す拡大斜視図(図1のII矢視拡大斜視図)である。 ブレースと中央骨格部材との連結部における車両前後方向における縦断面図(図2のIII-III矢視断面図)である。 ブレースと中央骨格部材との連結部における車幅方向における縦断面図(図2のIV-IV矢視断面図)である。 従来の車両の床下構造を表す正面図である。
[実施形態1]
以下、図1から図4に基づいて、本発明の実施形態1に係る車両の床下構造の説明を行う。本実施形態に係る車両の床下構造は、車両の後部床下の車幅方向における中央部にジャッキアップポイントを備える車両の後部床下構造である。ここで、図中における前後左右及び上下は、車両の前後左右、及び上下に対応している。
<車両10の後部床下の概要について>
車両10の後部床下には、図1に示すように、フロアパネル11の下面の左右両側に車両前後方向に延びるフロアサイドメンバ12が設けられている。フロアサイドメンバ12は、後輪(図示省略)が収納されるリヤホイールハウス13の後部位置で同じく車両前後方向に延びるリヤサイドメンバ14に接続されている。また、フロアパネル11の下面の左右端部には、フロントホイールハウス(図示省略)とリヤホイールハウス13間で車両前後方向に延びるロッカーレール16がフロアサイドメンバ12の車幅方向外側に設けられている。ここで、ロッカーレール16上には、フロントピラー、センターピラー、及びリヤピラー等、車両10のルーフパネル(図示省略)を支持する支柱(図示省略)が立設されている。
左右のフロアサイドメンバ12間には、図1に示すように、ロッカーレール16の後端部の位置で、車幅方向(左右方向)に延びるフロアクロスメンバ17が設けられている。そして、フロアクロスメンバ17の延長線上の位置に左右のフロアサイドメンバ12と左右のロッカーレール16とをそれぞれつなぐアウトリガー17rが設けられている。また、フロアクロスメンバ17の後側には、左右のフロアサイドメンバ12をつなぐ後部クロスメンバ18が車幅方向に延びるように設けられている。さらに、左側のフロアサイドメンバ12とリヤサイドメンバ14との接続部位と、右側のフロアサイドメンバ12とリヤサイドメンバ14との接続部位間には、車幅方向に延びるリヤフロア前クロスメンバ19が設けられている。
リヤフロア前クロスメンバ19と左右のリヤサイドメンバ14とにより囲まれた範囲には、図1等に示すように、フロアパネル11に対して一定寸法だけ下方に突出するように形成されたリヤフロアパネル110が設けられている。リヤフロアパネル110の端縁は、図3に示すように、外側(下面側)が凸となる湾曲面状に形成されており、リヤフロアパネル110の中央側(縁部以外)はほぼ平坦に形成されている。これにより、車室内では、フロアパネル11により形成される床面に対してリヤフロアパネル110により形成される床面が一定寸法だけ低くなることで、床面に窪み部が形成されている。そして、リヤフロアパネル110により形成される床面の窪み部に、例えば、スペアタイヤT等が収納されている。
リヤフロアパネル110の下面(表面)の車幅方向における中央部には、図1~図3に示すように、リヤフロア前クロスメンバ19の位置からリヤフロアパネル110の前端縁に沿って下降し、さらにリヤフロアパネル110の平坦部分に沿って後方に延びる中央フレーム20が設けられている。中央フレーム20は、リヤフロアパネル110を補強するフレームであり、リヤフロアパネル110の前端縁を覆う側面L形部20eと後方延長部20yとから構成されている。そして、図1に示すように、中央フレーム20における側面L形部20eの下面と左右のロッカーレール16の後端部間が左右の棒状のブレース30によって連結されている。このように、左右のブレース30を設けることで、車両ボディの後部における捻じれ剛性が向上する。
<中央フレーム20について>
中央フレーム20の側面L形部20eは、図2、図3に示すように、側面略L字形に湾曲した中央湾曲板部22と、図4に示すように、前記中央湾曲板部22の左右両側でその中央湾曲板部22に対して略直角に折り曲げられた左右の側板部23とを備えている。これにより、側面L形部20eは、断面略U字形をしたL形溝状に形成されている。そして、中央湾曲板部22の上端縁には、図2、図3に示すように、リヤフロア前クロスメンバ19のフランジ部19fと接合される上端前側フランジ部22fが形成されている。また、左右の側板部23の端縁には、リヤフロアパネル110の表面に合わせられるフランジ部23fが一定幅で前記側板部23に対して略直角外側に張り出すように折り曲げ形成されている。
中央フレーム20の後方延長部20yは、図2~図4に示すように、側面L形部20eの中央湾曲板部22に連続する底板部25と、側面L形部20eの左右の側板部23に連続する左右の側板部26とにより断面略U字形の溝状に形成されている。そして、左右の側板部26の端縁には、リヤフロアパネル110の表面に合わせられるフランジ部26fが一定幅で前記側板部26に対して略直角外側に張り出すように折り曲げ形成されている。
<左右のブレース30について>
左右のブレース30は、図1等に示すように、左右等しい構成で、左右対称に形成されている。ブレース30は、棒状のブレース本体部32と、ブレース本体部32の一端に形成されてロッカーレール16にボルトにより固定される連結端部33と、ブレース本体部32の他端に形成されて中央フレーム20にボルトBにより固定される連結プレート34とを備えている。
<連結プレート34について>
連結プレート34は、図2~図4に示すように、ブレース本体部32の端部を中央フレーム20の側面L形部20eにおける中央湾曲板部22の下面にボルトBにより固定するためのプレートである。連結プレート34の前部には、図2に示すように、ブレース本体部32の端部が溶接される被溶接部341が設けられている。そして、連結プレート34の被溶接部341がブレース本体部32の端部に溶接されることで、連結プレート34はブレース本体部32と一体化される。
連結プレート34の被溶接部341の後側には、図2等に示すように、被溶接部341に対して平面略へ字形に曲げられた状態でボルト孔(図番省略)を前後に備えるボルト固定部343が設けられている。連結プレート34の被溶接部341とボルト固定部343とは、一定幅寸法で帯板状に形成されている。そして、連結プレート34の被溶接部341からボルト固定部343にかけての端縁が一定寸法だけ下方に折り曲げられることで、下フランジ部34dが形成されている。これにより、連結プレート34の強度向上が図られている。また、左側のブレース30における連結プレート34のボルト固定部343には、下方からカバープレート40が嵌め込まれた状態で固定されている。
<カバープレート40について>
カバープレート40は、図3、図4に示すように、ジャッキアップポイントを形成するとともに、連結プレート34のボルト固定部343の補強、及びボルトBの頭部の保護を図る部材である。カバープレート40は、連結プレート34のボルト固定部343の下フランジ部34dの内側に嵌り込み可能なように、そのボルト固定部343と等しい形状で若干小さく形成されている。カバープレート40は、図2等に示すように、帯板状に形成されたカバープレート本体部43と、カバープレート本体部43の端縁で一定寸法だけ上方に折り曲げられた上フランジ部45とから構成されている。
カバープレート40は、図3、図4に示すように、連結プレート34のボルト固定部343に対して下方から嵌め込まれた状態で、ボルト固定部343の下フランジ部34dの下端とカバープレート40の上フランジ部45の側面間が、例えば、アーク溶接により固定される。ここで、カバープレート40のカバープレート本体部43には、ボルトBの締付け用の作業穴43hが形成されている。この状態で、カバープレート40の下面が、図3、図4に示すように、リヤガレージジャッキ50の押し上げ金具53が当接するジャッキアップポイントとなる。
即ち、リヤガレージジャッキ50の押し上げ金具53(図3、図4参照)を介して加わった車重による荷重は、カバープレート40、及び連結プレート34のボルト固定部343(連結部)を介して中央フレーム20の側面L形部20e、及び車両ボディで受けられるようになる。また、上記したように、連結プレート34の下フランジ部34dとカバープレート40の上フランジ部45間が溶接により固定される構成のため、ジャッキアップポイントに対して車重による荷重が加わっても、連結プレート34、及びカバープレート40が変形し難くなる。さらに、連結プレート34(ボルト固定部343)の下フランジ部34dの下端とカバープレート40の上フランジ部45の側面間を溶接するため、溶接作業の作業性が向上する。
<本実施形態で使用した用語と本発明における用語との対応>
左右のロッカーレール16が本発明の左右の縦骨格部材に相当し、リヤフロアパネル110が本発明のフロアパネルに相当する。また、中央フレーム20の側面L形部20eが本発明の中央骨格部材に相当する。さらに、ボルトBが本発明の締結機構に相当し、連結プレート34、及びカバープレート40が本発明の連結部に相当する。また、連結プレート34の被溶接部341とボルト固定部343が本発明の連結プレートのプレート本体部に相当する。
<本実施形態に係る車両の床下構造の長所について>
本実施形態に係る車両の床下構造によると、ジャッキアップポイントは、左右のブレース30の端部と中央フレーム20の側面L形部20e(中央骨格部材と)の連結部(連結プレート34、及びカバープレート40)に設けられている。このように、左右のブレース30と中央フレーム20の側面L形部20eとの連結部をジャッキアップポイントとして利用できるため、ジャッキアップポイントのための専用の機構を新たに設ける必要がない。即ち、左右のブレース30と中央フレーム20との連結部を加工することでジャッキアップポイントにできるため、ジャッキアップポイントを設けるための機構が大掛かりにならず、製作コストを低減できる。また、連結プレート34とカバープレート40とは、下フランジ部34dと上フランジ部45とが互いに嵌合した状態で互いに溶接されているため、ジャッキアップポイントに対して大きな荷重が加わっても、カバープレート40、及び連結プレート34が変形し難くなる。
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、左側のブレース30における連結プレート34のボルト固定部343にのみカバープレート40を嵌め込んで固定する例を示した。しかし、左右両側のブレース30における連結プレート34のボルト固定部343にカバープレート40を嵌め込んで固定することも可能である。また、左右の連結プレート34のボルト固定部343をカバープレート40により個々に覆う構成の代わりに、左右の連結プレート34のボルト固定部343を大型のカバープレートにより一括して覆う構成でも可能である。
10・・・・車両
11・・・・フロアパネル
110・・・リヤフロアパネル(フロアパネル)
16・・・・ロッカーレール(縦骨格部材)
20e・・・側面L形部(中央骨格部材)
20・・・・中央フレーム(中央骨格部材)
30・・・・ブレース
34・・・・連結プレート
341・・・被溶接部(プレート本体部)
343・・・ボルト固定部(プレート本体部)
34d・・・下フランジ部
40・・・・カバープレート
43・・・・カバープレート本体部
43h・・・作業穴
45・・・・上フランジ部
50・・・・リヤガレージジャッキ
53・・・・押し上げ金具

Claims (4)

  1. 車両床下の車幅方向における中央部にジャッキアップポイントを備える車両の床下構造であって、
    前記車両のフロアパネルの下面における車幅方向両側で車両前後方向に延びる左右の縦骨格部材と、
    前記フロアパネルの下面における車幅方向中央部に設けられた中央骨格部材と、
    前記左右の縦骨格部材と前記中央骨格部材とをそれぞれつなぐ左右のブレースとを備えており、
    前記ジャッキアップポイントは、前記左右のブレースの端部と前記中央骨格部材との連結部に設けられている車両の床下構造。
  2. 請求項1に記載の車両の床下構造であって、
    前記連結部は、前記左右のブレースの端部に形成された連結プレートと、前記連結プレートを前記中央骨格部材に固定する締結機構と、前記連結プレートと前記締結機構とを下方から覆うカバープレートとを備えており、
    前記カバープレートの下面が前記ジャッキアップポイントとして使用される車両の床下構造。
  3. 請求項2に記載の車両の床下構造であって、
    前記連結プレートは、前記締結機構により前記中央骨格部材に固定されるプレート本体部と、前記プレート本体部の端縁で下方に向けて折り曲げられた下フランジ部とを備えており、
    前記カバープレートは、前記ジャッキアップポイントとなるカバープレート本体部と、前記カバープレート本体部の端縁で上方に向けて折り曲げられた上フランジ部とを備えており、
    前記連結プレートと前記カバープレートとは、前記下フランジ部と前記上フランジ部とが互いに嵌合した状態で互いに溶接されている車両の床下構造。
  4. 請求項3に記載の車両の床下構造であって、
    前記カバープレート本体部には、前記締結機構を締付けるための作業穴が形成されている車両の床下構造。
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