JP2022165003A - ロール式多段津波緩衝堰 - Google Patents
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- Y02A10/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
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Abstract
Description
又、軽質材の構造体の一端を固定し浸水中に入って浮力で他端を立ち上がらせて防波堤効果をもたらす概念は既知であるが、強度的な課題や適用場所が限られる課題があった。
以上のような状況の中で、多段防波立扉を安定して展開させる工夫をすることと、ガイドワイヤの設置などの付帯設備をできるだけ省くことが課題であった。
材料費を節減するために、木製材料を使い、固定式ではなく、必要に応じて防波堤として機能する津波自動対応の防波堤を考案した。 構造体を自動的に防波堤として機能させるために、必要なメカニズムとして、津波による浮力を採用し、高い信頼性で充分な作動力を与えるように工夫した。
軽質材の構造体の一端を固定し他端を立ち上がらせて防波堤効果をもたらす概念は既知となっているが、強度的な課題や適用する場所の課題があったので、当発明では、以下のように解決を図った。
(1) 構造体を主として木材で個別に(ユニット形式で)製作し、複数の構造体(ユニット)を、直列に、更にはその直列に並んだものを並列に並べて、海岸線などの大規模な津波防止に対応させる。
(2) 構造体内部に空間を持たせ、その空間部に浸水した水を取り込み、強度と重量を増す。「浸水の取り込むこと」と、「取り込んだ水分を併せた構造体の重量を津波に持ちあげさせること」によって、津波の強度を弱めさせる。副次効果として、構造体全部を材料で製作する必要がなく、材料費の低減が図れる。
(3) 浸水を完全に遮蔽する強度を木材を中心とした構造体が持つことは困難であるので、密閉形式とはせず、構造体の後方への津波の浸水を許しながら、浸水高さが構造体の持つ防止高さになるまでは構造体が立ち上がりながら津波の浸水強度を弱め、持つ防止高さ以降は水中に入ってほぼ直立しながら後続の津波の陸上への浸水を防止する方式とした。よって構造体は水中に屹立した状態で、後続の波の侵行を防止するのに十分な強度を持てば良い。
これらの点から、有効に動作し、防波堤として充分に機能する仕組みを考案した。
そして、前特許第5683056号で下記を行った。
津波対応高さを向上させるために、構造体を多段にして、津波浸水時にその津波高さに応じて多段部分が順次に立ち上がる工夫を考案した。 これにより、後続の津波の大部分の侵入を抑え、想定高さの高い津波の威力を低減する仕組みとして活用できるようになった。
更に、前特許第6118953号で下記を行った。
(1) 多段防波立扉の各段が、早い津波速度に押されて、折り畳まれたまま移動しないように、又、引き波の時に陸側に折り畳まれてしまって2度目の津波でうまく動作しなくなるのを避けるために、補助支柱の先端と防波立扉設置位置の海側の地点を動き代のあるガイドワイヤで繋ぎ、防波立扉最上点に設置したリングに通して置くことで、多段防波立扉が想定通りに動作できるようにさせる。
(2) 引き波の時に、多段防波立扉の下側になる段が先に倒れて上の段が陸側に倒れて折り畳まれ、2度目以降の津波でうまく動作しなくなるのを避けるために、防波立扉各段の接触面に凹凸を付け、陸側に折り畳まれないようにする。
しかしながら、多段防波立扉は、屏風形式で折り畳んで収納した場合、津波の進行方向と逆向きに移動する防波立扉が一段置きに存在し、その動作を補助する必要があって、安定して動作することが難しく、この点を改善することが望まれていた。 そこで、ロール式に折り畳んだ2段防波立扉の実験結果から、各段の防波立扉の動く方向と津波の進行方向を同一にしておけば、問題なく、つまり折り畳まれた箇所が開かなくなることなく、立ち上がって展開することが分かっていたので、これと同様に3段以上の多段防波立扉でも同様にできないかを検討した。この時の課題は、各段の防波立扉が少なくとも150mm程度の厚みがあるため、特に3段以上の防波立扉をロール式に巻くように折り畳むのと、どうしても各段の間にその厚みに応じた隙間ができてしまい、津波減災機能が低下すると考えていたことで、そのためにロール式の折り畳みを採用していなかった。
この問題を解決するために、2段以上の防波立扉をロール状に折り畳んだ時にできる防波立扉間の隙間に当たる部分にジョイントとなる接合用の同じ幅長さの構造体を繋ぎこむことを考案した。これによって、各段の防波立扉をロール状に巻いて畳み込み、多段防波立扉の各段が適正に動作するための前特許第6118953号で考案したガイドワイヤの設置を不要とした。
上記段落「0006」で述べたように、2段防波立扉の実験から、余裕を持たせたリングワイヤで接続することも可能で、その時に津波の進行高さによって、防波立扉はサポートに沿って浮きがって接合部に隙間ができたりするが、津波を押し返す面積は同じであり、逆に運動エネルギーの高い高所の津波の進行を抑えるので、津波減災性能は若干向上すると考えられることが分かっている。 このことから、3段以上の防波立扉であっても、接合部のリングワイヤに余裕を持たせることによって、多段防波立扉をロール式に折り畳んで収納し、多段防波立扉の接合部に隙間ができても当初の津波減災面積の低下はないし、この方が製作が容易であるので、この方式もロール式多段津波緩衝堰の一方式として採用した。但し、この場合は接合部に構造体が入らないので、津波を押し返す面積が接合構造体が入る場合より少なく、津波減災性能もその分少なくなる。
3.接合構造体2、 4.防波立扉‐2段目、
5.接合構造体3、 6.防波立扉‐3段目
7.接合構造体4、 8.防波立扉‐4段目
9.防波立扉‐5段目、 10.リングワイヤ
11.サポート(鋼鉄製)、 12.接合用の軸
Claims (3)
- 特許第5683056号の可動式多段津波緩衝堰として機能する機構において、2段以上になっている多段防波立扉の各段間の接合部及び最下部の防波立扉とその接合する軸との接合部を、ジョイントとなる防波立扉と同じ幅長さの構造体を入れて繋ぐことによって、ロール式に折り畳んで収納し、各段の構造体の展開時の動作方向を常に浸水方向と一致させることにより浸水時に円滑に展開して浸水を多段で緩衝するようにし、更に各段の接合部の構造体も水害減災に役立たせるように工夫された多段可動式津波緩衝堰。
- 特許第5683056号の可動式多段津波緩衝堰として機能する機構において、2段以上になっている多段防波立扉の各段間の接合部及び最下部の防波立扉とその接合する軸との接合部を、巻き込む各段の防波立扉の厚みに応じた長さのリングワイヤで接続することによりロール式に折り畳んで収納し、各段の展開時の構造体の動作方向を常に浸水方向と一致させることにより津波侵入時に円滑に展開して浸水を緩衝するように工夫された多段可動式津波緩衝堰。
- 特許第5683056号の可動式多段津波緩衝堰として機能する機構において、その設置場所、設置方向や接合部間の距離に応じて、2段以上になっている多段防波立扉の各段間の接合部及び最下部の防波立扉とその接合する軸との接合部を、ジョイントとなる防波立扉と同じ幅長さの構造体を入れて繋ぐか、巻き込む各段の防波立扉の厚みに応じた長さのリングワイヤで接続するかのどちらかを採用することによって、ロール式に折り畳んで収納し、各段の構造体の展開時の動作方向を常に浸水方向と一致させることにより浸水時に円滑に展開して浸水を緩衝するように工夫された多段可動式津波緩衝堰。
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