JP5592437B2 - 津波避難用シェルター - Google Patents

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Description

本発明は津波避難用シェルターに関し、より詳しくは、高い津波にも低い津波にも対応することができる安全性の高い津波避難用シェルターに関する。
我が国は世界でも有数の地震国であり、地震により多くの人命が失われている。
地震による被害者の中には、建物の倒壊など地震そのものに起因して生命をおとす者も多いが、地震により発生した津波にのまれて生命を失う被害者も多く、東日本大震災では津波により非常に多くの人命が失われた。
従来、我が国では、津波が発生したときには、自治体が予め指定した高台にある学校や公民館等の避難施設へと避難するのが一般的であった。
しかしながら、津波の進行速度は非常に早いため、避難施設が海岸から遠く離れている場合には、海岸近くの住民の避難が間に合わず、避難中に津波にまきこまれて生命をおとしてしまう。
このような実情に鑑みて、海岸近くに設置される津波避難のための設備が、下記特許文献1において提案されている。
この特許文献1の開示技術は、金属製の柱材を地中に打ち込んで橋脚状に構成された土台部分と、橋脚状の土台部分の上に金属パネルにより構成された高床の屋内部分を具備する高床式金属建造物であり、津波発生時において海岸近くの住民の迅速な避難を可能とする点では確かに優れている。
しかしながら、この開示技術の建造物は屋内部分の高さが固定されているため、想定されたよりも高い津波が発生し、津波の高さが屋内部分の高さを超えた場合には、避難している住民に甚大な被害が生じてしまうという大きな問題があった。
かかる問題を解決するためには、屋内部分の高さを考えられる限り高く設定しておくことも考えられるが、避難場所が高くなりすぎると避難に時間がかかるようになるため、迅速な避難が困難となり、避難中に津波にまきこまれてしまう危険性が高くなってしまう。特に、高齢者、女性、子供など足腰が弱い者の場合には、階段で高い位置にある屋内部分へと上るのは大変であり、避難中に津波にまきこまれてしまう危険性がある。
特開平9−184323号公報
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、津波の高さが想定高さを超えた場合でも安全性を確保することができる津波避難用シェルターを提供するものである。
請求項1に係る発明は、 避難者を収容可能であって水に浮くことが可能なシェルター本体を備え、前記シェルター本体は、地面上に構築された架構上に設けられ地面から一定高さに保持されているとともに、津波の水位が前記一定高さを超えた時に水位に応じて上昇し、前記架構が、制振機構を備えていることを特徴とする津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記架構が、地面に立設された支柱と、前記支柱間を水平方向に連結する梁と、前記支柱と前記梁とを斜め方向に連結するブレス材とからなり、前記ブレス材が、制振ダンパーからなることを特徴とする請求項記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記シェルター本体の周囲の全周又は一部分を囲うように地面に立設され、前記シェルター本体への漂流物の衝突を防止する衝突防止部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記衝突防止部材が、水位に応じて高さが変化することを特徴とする請求項記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記衝突防止部材が、互いに間隔をあけて地面に打ち込まれた複数本の杭からなることを特徴とする請求項3又は4記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記複数本の杭は、前記シェルター本体の位置又はその近傍位置を中心として、平面視略円弧状に並んで配置されていることを特徴とする請求項記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記シェルター本体は、避難者を収容可能な内部空間を有する複数のシェルターユニットを分離可能に組み合わせて構成されており、各シェルターユニットは、それぞれ入口を有していることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記シェルター本体は、津波の水位が前記一定高さを超えた時に前記架構から離れて地面に打ち込まれた支柱に沿って浮上可能であることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項に係る発明は、前記シェルター本体は、前記架構と紐状部材により連結されており、津波の水位が前記一定高さを超えた時に前記架構から離れて前記紐状部材の長さ分だけ浮上可能であることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の津波避難用シェルターに関する。
請求項1に係る発明によれば、避難者を収容可能であって水に浮くことが可能なシェルター本体を備え、前記シェルター本体は、地面上に構築された架構上に設けられ地面から一定高さに保持されているとともに、津波の水位が前記一定高さを超えた時に水位に応じて上昇することから、津波の水位が想定内であるときにはシェルター本体を架構上において水位より高く保持でき、水位が想定を超えたときはシェルター本体を津波の水位に応じて浮上させることができるため、津波の水位の高低に関わらず安全性を確実に確保することが可能となる。
また、前記架構が制振機構を備えていることから、架構に津波による衝撃力や地震力が加わったときに、これら力を緩和することができるため、シェルター本体の揺れを低減することが可能となり、安全性が一層向上する。
請求項に係る発明によれば、前記架構が、地面に立設された支柱と、前記支柱間を水平方向に連結する梁と、前記支柱と前記梁とを斜め方向に連結するブレス材とからなり、前記ブレス材が、制振ダンパーからなることから、簡易な構造で高い制振効果を発揮することが可能となる。
請求項に係る発明によれば、シェルター本体の周囲の全周又は一部分を囲うように地面に立設され、前記シェルター本体への漂流物の衝突を防止する衝突防止部材を備えていることから、津波によって流されてきた船舶などの漂流物がシェルター本体に衝突することが防止される。また、衝突防止部材によって波の力を弱めることも可能となるため、シェルター本体に対して作用する波の力を軽減することができる。
請求項に係る発明によれば、衝突防止部材が、水位に応じて高さが変化することから、津波の水位が高くなった場合でも、漂流物が衝突防止部材を乗り越えてシェルター本体に衝突することが防止され、高い安全性を確保することが可能となる。
請求項に係る発明によれば、衝突防止部材が、互いに間隔をあけて地面に打ち込まれた複数本の杭からなることから、水流は杭の間から通過させて漂流物のみを受けることができる。そのため、衝突防止部材に水圧による大きな負荷が加わることがない。また、衝突防止部材が地面に対して打ち込まれて固定される杭であるため、漂流物の衝突に対して高い抵抗力を発揮することができる。
請求項に係る発明によれば、前記複数本の杭は、前記シェルター本体の位置又はその近傍位置を中心として平面視略円弧状に並んで配置されていることから、流れてきた漂流物を円弧に沿って移動させて逃がすことが可能となり、漂流物が杭に衝突した時に加わる力を低減することができる。
請求項に係る発明によれば、シェルター本体が、避難者を収容可能な内部空間を有する複数のシェルターユニットを分離可能に組み合わせて構成されているため、設置される地域の人口等に応じて組み合わせるシェルターユニットの個数を変更することで収容人数を簡単に調整することができる。また、各シェルターユニットは、それぞれ入口を有していることから、個々のシェルターユニットがそれぞれシェルター本体としての機能を果たすことができ、シェルターユニット単体での使用も可能となる。
請求項に係る発明によれば、前記シェルター本体は、津波の水位が前記一定高さを超えた時に前記架構から離れて地面に打ち込まれた支柱に沿って浮上可能であることから、シェルター本体が流されてしまうことが防がれるとともに、シェルター本体を円滑に水面まで浮上させることができる。
請求項に係る発明によれば、前記シェルター本体は、前記架構と紐状部材により連結されており、津波の水位が前記一定高さを超えた時に前記架構から離れて前記紐状部材の長さ分だけ浮上可能であることから、シェルター本体が流されてしまうことが防がれるとともに、津波が想定水位を超えたときにシェルター本体を水面まで浮上させることができる。
本発明に係る津波避難用シェルターの第一実施形態を示す正面図である。 第一実施形態の津波避難用シェルターが架構から離れて水面に浮上した状態を示す図である。 本発明に係る津波避難用シェルターの第二実施形態を示す正面図である。 第二実施形態の津波避難用シェルターが架構から離れて水面に浮上した状態を示す図である。 シェルター本体を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)はシェルター本体を単一のシェルターユニットから構成した例、(d)はシェルター本体を複数のシェルターユニットを幅方向及び長さ方向に連結して構成した例である。 シェルター本体の具体的構造を示す図であって、(a)はシェルターユニットの内部構造を示す縦断面図、(b)はシェルターユニットの平面図である。 衝突防止部材の配置例を示す平面図である。 第一実施形態の津波避難用シェルターについて、衝突防止部材を水位に応じて高さが変化する構造とした場合を示す図である。 第二実施形態の津波避難用シェルターについて、衝突防止部材を水位に応じて高さが変化する構造とした場合を示す図である。
以下、本発明に係る津波避難用シェルターの好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る津波避難用シェルターの第一実施形態を示す正面図である。
本発明に係る津波避難シェルター(後述する全ての実施形態を含む)は、避難者を収容可能であって水に浮くことが可能なシェルター本体(1)を備えている。
シェルター本体(1)は、地面上に構築された架構(7)上に設けられ地面(G)から一定高さに保持されているとともに、津波の水位が前記一定高さを超えた時に水位に応じて上昇することが可能となっている。
シェルター本体(1)は地面上に構築された架構(7)の上に載置されており、地面から高い位置に設けられた高床式となっている。シェルター本体(1)の地面からの高さは、例えば予め想定される標準的な津波の水位(例えば10m)より高く設定される。
また、シェルター本体(1)は、地面に打ち込まれた支柱(5)に沿って昇降可能とされており、支柱(5)の高さは予め想定される最大の津波の水位或いは水位の想定外の値(例えば30m)より高く設定される。
シェルター本体(1)の四隅には鋼管が取り付けられており、この鋼管の内部にそれぞれ支柱(5)が挿通されている。支柱(5)としては、シェルター本体(1)の四隅に取り付けられた鋼管よりも一回り小さい径の鋼管杭が使用されている。
これにより、シェルター本体(1)が支柱(5)に沿って昇降することが可能となり、またシェルター本体(1)が津波によって流されてしまうことが防がれる。
この津波避難用シェルターによれば、津波の水位が架構(7)より低い場合(想定内の場合)には、図1(α)に示すようにシェルター本体(1)が上昇せずとも安全性が確保できる。津波の水位が架構(7)より高い場合(想定を超えた場合)には、図2(β)に示すようにシェルター本体(1)が浮力により支柱(5)に沿って上昇するため安全性が確保できる。
従って、津波の高さが想定高さを超えた場合でも確実に安全性を確保することができる津波避難用シェルターとなる。
図3は本発明に係る津波避難用シェルターの第二実施形態を示す正面図である。
以下、第二実施形態の津波避難用シェルターが、上述した第一実施形態のものと異なる構成を中心に説明し、第一実施形態と共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。
シェルター本体(1)は、地面上に構築された架構(7)上に設けられ地面(G)から一定高さに保持されているとともに、津波の水位が前記一定高さを超えた時に水位に応じて上昇することが可能となっている。
シェルター本体(1)は地面上に構築された架構(7)の上に載置されており、地面から高い位置に設けられた高床式となっている。シェルター本体(1)の地面からの高さは、例えば予め想定される標準的な津波の水位(例えば10m)より高く設定される。
また、シェルター本体(1)は、架構(7)とチェーンやロープ等の紐状部材(3)により連結されている。図3において、紐状部材(3)は、架構(7)を支持する鋼管支柱(6)内に収容されている。紐状部材(3)の高さは予め想定される最大の津波の水位或いは水位の想定外の値(例えば30m)から架構(7)の高さ(例えば10m)を減算した値(例えば20m)より長く設定される。
これにより、津波の水位が架構(7)の高さを超えた時に、シェルター本体(1)が架構(7)から離れて紐状部材(3)の長さ分だけ浮上可能となり、またシェルター本体(1)が津波によって流されてしまうことが防がれる。
この津波避難用シェルターによれば、津波の水位が架構(7)より低い場合(想定内の場合)には、図3(α)に示すようにシェルター本体(1)が上昇せずとも安全性が確保できる。津波の水位が架構(7)より高い場合(想定を超えた場合)には、図4(β)に示すようにシェルター本体(1)が浮力により架構(7)から離れて浮上するため安全性が確保できる。
従って、津波の高さが想定高さを超えた場合でも確実に安全性を確保することができる津波避難用シェルターとなる。
次に、シェルター本体(1)の構成について説明する。尚、以下に説明するシェルター本体(1)の構成は、全ての実施形態に共通する構成である。
図5及び図6はシェルター本体(1)を示す図である。
シェルター本体(1)は、避難者を収容可能な内部空間を有する複数のシェルターユニット(11)を、平面方向(シェルターユニットの幅方向及び/又は長さ方向)に分離可能に組み合わせて構成することが好ましい。
図5(a)はシェルター本体(1)の一例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。
図5(a)(b)に示すシェルター本体(1)は、4つのシェルターユニット(11)を幅方向に連結することにより構成されている。連結方法は特に限定されないが、ボルト及びナットによる連結方法が好適に採用される。互いに連結された個々のシェルターユニット(11)は、それぞれ上面に入口(12)及び換気口(13)を有している。これにより、シェルターユニット(11)単体でも使用することが可能となる。
連結された複数のシェルターユニット(11)は、内部空間が連通可能(往来可能)となるように構成することが好ましいが、各シェルターユニット(11)の内部空間が隔絶されていてもよい。
このような構造のシェルター本体(1)は、収容人数に応じて組み合わせるシェルターユニット(11)の数を変更することが可能である。例えば、収容人数が少なくてよい場合には1つのシェルターユニット(11)を使用し(図5(c)参照)、収容人数を多くする場合はシェルターユニット(11)を幅方向及び長さ方向に組み合わせて使用すればよい(図5(d)参照)。
図6(a)はシェルターユニット(11)の内部構造を示す縦断面図、(b)はシェルターユニット(11)の平面図である。
シェルターユニット(11)は、避難者が収容される内部空間を有する本体部(111)と、本体部(111)の上面に設けられた甲板部(112)とを有し、甲板部(112)と内部空間は階段(113)により往来可能となっている。内部空間には照明(114)、倉庫(115)が設けられ、甲板部(112)には手摺(116)、トイレ(117)、バッテリー(118)、脱出用ハッチ(119)が設けられている。
シェルターユニット(11)の収容可能人数は特に限定されないが、20〜50人程度が好適である。
シェルターユニット(11)の前後端に配置された倉庫(115)となる2つの空間と、これら2つの空間に挟まれて配置された避難者が収容される空間は、隔壁により分離されている。これにより、倉庫(115)となる空間に浸水した場合でも、避難者が収容される空間に浸水することが防がれる。
架構(7)は、地面に立設された支柱(6)と、支柱(5)間を水平方向に連結する梁(8)と、支柱(6)と梁(8)とを斜め方向に連結するブレス材(9)とからなる。
ブレス材(9)としては、制振ダンパーが好適に使用される。制振ダンパーを使用することにより、架構(7)に津波による衝撃力や地震力が加わったときに、これら力を緩和することができるため、シェルター本体(1)の揺れを低減することが可能となり、安全性が一層向上する。
制振ダンパーとしては、芯となる中心鋼材と、その周囲に外嵌される鋼管と、鋼管の内部に充填されたコンクリートと、このコンクリートと中心鋼材との間に介在された緩衝材とからなるものが好適に使用される。中心鋼材には、建築構造用弾塑性履歴ダンパー用鋼板を使用することが好ましい。この制振ダンパーは、中心鋼材が鋼管とコンクリートで拘束されることにより座屈が防がれ、緩衝材により鋼管とコンクリートに軸力が加わることが防がれる。そのため、引張り・圧縮ともに同性状の安定した履歴特性をもつ優れた制振ダンパーとなる。
本発明に係る津波避難用シェルターは、シェルター本体(1)の周囲の全周又は一部分を囲うように地面に立設され、シェルター本体(1)への漂流物の衝突を防止する衝突防止部材(2)を備えていることが好ましい。(図7〜図9参照)
衝突防止部材(2)は、シェルター本体(1)の周囲の全周又は一部分を囲うように地面に立設される。(図7参照)
衝突防止部材(2)を、シェルター本体(1)の周囲の一部分を囲うように設ける場合、少なくとも津波が襲来してくると予想される側(海岸側)に設けるとよいが(図7(b)参照)、津波が襲来してくると予想される側(海岸側)とその反対側に設けることが好ましい(図7(a)参照)。これは、寄せ波により流れてきた漂流物だけでなく引き波によって戻ってきた漂流物がシェルター本体(1)に衝突することを防ぐことが可能となり、安全性が向上するためである。
衝突防止部材(2)を、シェルター本体(1)の周囲の一部分を囲うように設ける場合、衝突防止部材(2)は、少なくともシェルター本体(1)の幅(W)以上の幅にわたって設けられることが好ましい(図7(b)参照)。これにより、漂流物がシェルター本体に衝突することが確実に防止される。
津波発生時には、船舶や自動車等の大型重量物が津波と共に流されてくることがあり、このような大型重量物(漂流物)がシェルター本体(1)に衝突すると、シェルター本体(1)が破損するおそれがある。シェルター本体(1)が破損すると、内部に収容された避難者の生命に危険が及ぶことになる。
しかし、衝突防止部材(2)を設けることにより、津波によって流されてきた船舶などの漂流物は、衝突防止部材(2)によりシェルター本体(1)方向への移動が阻止される。これにより、漂流物がシェルター本体(1)に衝突することが防止され、内部に収容された避難者の安全性を確保することができる。また、衝突防止部材(2)によって波の力を弱めることが可能となるため、シェルター本体(1)が受ける波の力を軽減することができる。
衝突防止部材(2)は、互いに間隔をあけて地面に打ち込まれた複数本(図示例では7本又は10本)の鋼管杭から構成されている。
衝突防止部材(2)が地面に対して打ち込まれて固定される杭であることにより、漂流物の衝突に対して高い抵抗力を発揮することができる。また、衝突防止部材(2)を構成する杭が、互いに間隔をあけて配置されていることにより、水流は杭の間から通過させて漂流物のみを受けることができる。そのため、衝突防止部材に水圧による大きい負荷が加わることがない。
衝突防止部材(2)を構成する複数本の杭は、チェーン等の紐状部材により連結してもよい。このような構成とすると、水流を妨げることなく、衝突防止部材(2)の強度を全体として高めることが可能となる。また、杭の間の距離よりも小さい中型の漂流物がシェルター本体(1)に衝突することが防がれる。
衝突防止部材(2)を構成する複数本の杭の配置は特に限定されないが、図7に示すように、シェルター本体(1)の位置又はその近傍位置を中心として、平面視略円弧状(楕円弧状、曲率が一定でない円弧状等も含む)に並べて配置することが好ましい。
これにより、津波と共に流れてきた漂流物を、円弧に沿って向きを変化させて移動させて逃がすことが可能となる。
衝突防止部材(2)は、少なくとも架構(7)より高いものとされるが、水位に応じて高さが変化する構造とすることが好ましい。
このような構造としては、例えば図8,9に示すような構造が挙げられるが、これに限定はされない。
図8,9に示す構造は、衝突防止部材(2)を、外管(21)と内管(22)からなる二重管とし、外管(21)に対して内管(22)がスライド可能とすることにより、外管(22)の上端部から突出する内管(22)の長さが変更できるようにしたものである。内管(22)にはフロート(4)が取り付けられており、水位の上昇に伴うフロート(4)の浮上により、衝突防止部材(2)の高さ(外管(21)上端部からの内管(22)の突出長さ)が変化するようになっている。
尚、外管(21)にフロート(4)を取り付けて、内管(22)に対して外管(21)をスライド可能とし、内管(22)の上端部から突出する外管(21)の長さが変更できるようにしてもよい。
このように、衝突防止部材(2)が、水位に応じて高さが変化する構造を採用することによって、津波が大きくて水位が高くなった場合に、シェルター本体(1)が水位に応じて上昇(α位置→β位置)することに伴い、衝突防止部材(2)も高くなる。
そのため、漂流物が衝突防止部材(2)を乗り越えてシェルター本体(1)に衝突することが防止される。
また、衝突防止部材(2)にフロート(4)を取り付けて、水位の上昇に伴うフロート(4)の浮上により、衝突防止部材(2)の高さが変化するように構成すると、衝突防止部材(2)の高さを変化させるための装置(例えばモータ等)を設けることなく、水位の上昇に伴って自動的に衝突防止部材の高さを変化させることができる。
また、フロート(4)を衝突防止部材(2)の上端部に設けると、フロート(4)自体が衝突防止機能を発揮することとなる。例えば、フロート(4)がゴムチューブ等のクッション性を有するものであると、漂流物がフロート(4)に衝突した時の衝撃を緩和することもできる。
上記第二実施形態において、シェルター本体(1)の底部に、浮上を阻害しない範囲で、バラストの役割を果たすコンクリートや金属板等の重量物を取り付けて或いは収納してシェルター本体(1)の重心を底部近傍に配置することが好ましい。これにより、浮上したシェルター本体(1)が波を受けてひっくり返っても、底部が重くなっていることにより元の向き(上下正しい向き)に戻ることができる。
本発明は、地震に伴って発生する津波から避難するための避難シェルターとして利用される。
1 シェルター本体
2 衝突防止部材
3 紐状部材
4 フロート
5 支柱(シェルター本体浮上用)
6 支柱(架構)
7 架構
8 梁
9 ブレス材
11 シェルターユニット

Claims (9)

  1. 避難者を収容可能であって水に浮くことが可能なシェルター本体を備え、
    前記シェルター本体は、地面上に構築された架構上に設けられ地面から一定高さに保持されているとともに、津波の水位が前記一定高さを超えた時に水位に応じて上昇し、前記架構が、制振機構を備えていることを特徴とする津波避難用シェルター。
  2. 前記架構が、地面に立設された支柱と、前記支柱間を水平方向に連結する梁と、前記支柱と前記梁とを斜め方向に連結するブレス材とからなり、
    前記ブレス材が、制振ダンパーからなることを特徴とする請求項記載の津波避難用シェルター。
  3. 前記シェルター本体の周囲の全周又は一部分を囲うように地面に立設され、前記シェルター本体への漂流物の衝突を防止する衝突防止部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の津波避難用シェルター。
  4. 前記衝突防止部材が、水位に応じて高さが変化することを特徴とする請求項記載の津波避難用シェルター。
  5. 前記衝突防止部材が、互いに間隔をあけて地面に打ち込まれた複数本の杭からなることを特徴とする請求項3又は4記載の津波避難用シェルター。
  6. 前記複数本の杭は、前記シェルター本体の位置又はその近傍位置を中心として、平面視略円弧状に並んで配置されていることを特徴とする請求項記載の津波避難用シェルター。
  7. 前記シェルター本体は、避難者を収容可能な内部空間を有する複数のシェルターユニットを分離可能に組み合わせて構成されており、
    各シェルターユニットは、それぞれ入口を有していることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の津波避難用シェルター。
  8. 前記シェルター本体は、津波の水位が前記一定高さを超えた時に前記架構から離れて地面に打ち込まれた支柱に沿って浮上可能であることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の津波避難用シェルター。
  9. 前記シェルター本体は、前記架構と紐状部材により連結されており、津波の水位が前記一定高さを超えた時に前記架構から離れて前記紐状部材の長さ分だけ浮上可能であることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の津波避難用シェルター。
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