JP2005207220A - 津波防波堤 - Google Patents

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Abstract

【課題】費用や時間を削減でき、船舶の航行や、自然環境や漁業に深刻な影響を与えず、景観も損なわない津波防波堤を提供する。
【解決手段】波受け板1に気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持つ気室2を設け、波受け板を海底3から起立させた際に下側となる辺の端部付近に、波受け板を揺動させる波受け板側の支点4と、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近に、波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6取り付け支点7を配置するとともに、波受け板側の波受け板を揺動させる支点4に対応する位置に支点8を持つ堅固な波受け板支持基盤9と波受けを揺動自在に組み合わせ、波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6で波受け板支持基盤9の沖側10に寄った地点に置く支点11と波受け板側の取り付け支点7とを結び、海中に沈設する。
【選択図】図1

Description

本発明は津波防波堤に関するものである。
津波の多くは地震による海底のズレや火山活動により発生すると考えられており、沿岸地域では、常々津波に対する備えが必要であることは一般に理解されることであるが、従来の津波防波堤は、防波堤を大きく、重く、堅固にすることで津波の衝撃に耐えるという考えで設計されていることから、きわめて多量の資材を用いて建設しなければならず、建設には長い期間が必要となり、多額の建設費用がかかるという問題点があった。
一般に、沿岸の人口や社会資本の多くは、入り江や湾岸、港湾を持つ都市に集中する傾向があり、津波防波堤の建設が望まれる地域もこれらに重なっている。このような事情から、沿岸の人々や社会資本の多くを津波による被害から効果的に守るには、入り江や湾、港の入り口の狭まった場所を締め切る形で津波防波堤を建設すれば都合がよい。しかし、従来の津波防波堤を入り江や湾、港の入り口の狭まった場所に建設すると、船舶の航行ができなくなり港湾の機能は失われ、津波防波堤が潮流を塞ぎ止めることから自然環境や漁業に与える影響が深刻になる。
このため従来の津波防波堤の多くは、これらの悪影響を配慮して、入り江や湾口、港口の沖合いに、防波堤の一部を開放する形で建設されるが、一般に沖合いは水深が大きくなるので、津波防波堤を建設できる場所が限られるという問題点があり、同様に水深が大きいことから到達する津波の速度が大きく、防波堤の受ける衝撃が大きくなることや、沖合いになるに従って、防災上に必要な防波堤の長さが長くなることから、大規模な津波防波堤が必要となるという問題点があった。また、防波堤の一部を開放する形で津波防波堤を建設しなければならないことから、津波の進入を阻止するという津波防波堤本来の目的が充分に達成されず、従来の海中に建設される津波防波堤の防災効果は、陸上に到達する津波の波高を半減できる程度のもでしかなく、景観上も好ましいものではなかった。
さらにまた、従来型の津波防波堤は質量が大きく、形状が長大であることから、津波の原因となる地震が近くで発生した場合には、地震そのものによる衝撃や、地盤の変動によって津波防波堤が損傷を受けたり、沈下したりすることが考えられ、津波防波堤の損傷や沈下によって、津波防波堤が津波に襲われた際に本来の機能を発揮できなくなるとうい問題点もあった。
これらを解決すべく近年、沿岸の海中に建設されるコンクリート等から成る津波防波堤の開口部を、浮力体や膜状部材等を使用し、上下に可動できる津波防波堤が提唱されているが、津波の持つ運動エネルギーを考慮すると、津波の衝撃を左右の津波防波堤に設けられた垂直溝で受け止めるという構造的な制約から、広い開口幅を確保することが困難であり、複雑な構成のものは海生生物の付着や津波に先立つ地震の衝撃による地盤の変化のために必要時に十分機能しないのではないかという懸念もあった。
特開2000−282434 大矢雅彦ほか著「自然災害を知る・防ぐ」古今書院 1996
発明が解決しようとする課題は、建設に長い期間や多額の費用がかからず、津波防波堤を入り江や湾口、港口に建設したい場合、入り江や湾口、港口の広さや水深等の地形的な制約や海底の地質的な制約を受けにくく、船舶の航行や、自然環境や漁業に深刻な影響を与えることなく、入り江や湾口、港口を閉鎖できる津波防波堤を提供することであり、地震による衝撃や地盤の変動による影響が少なく、また、景観も損なうことのない津波防波堤を提供することである。
上記の課題を達成するために、津波の衝撃に対して十分な強度を確保した波受け板1に、外部からの操作により気体の供給が受けられ、気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持つ気室2を設け、波受け板を海底3から起立させた際に下側となる辺の端部付近に、波受け板を揺動させる波受け板側の支点4と、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近に、後述する波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6取り付け支点7を配置するとともに、波受け板側の波受け板を揺動させる支点4に対応する位置に支点8を持つ堅固な波受け板支持基盤9から成り、波受け板支持基盤9上の支点8と波受け板1上の支点4を揺動自在に組み合わせ、ワイヤーロープ製、鎖、繊維ロープ製あるいは、金属棒製の波受け板姿勢保持索、もしくは、ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープから成る波受け板姿勢保持網6で波受け板支持基盤9の沖側10に寄った地点に置く支点11と波受け板側の取り付け支点7とを結び、波受け板の揺動軸を津波の進行方向12に対し鉛直もしくは、略鉛直、かつ水平に向け、波受け板面13を下方に傾斜させ、波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6のある側を沖に向けて海中に沈設し、平時には、波受け板1を波受け板支持基盤9上に畳んだ状態で格納する津波防波堤とする。
あるいは、津波の衝撃に対して十分な強度を確保した波受け板1に、外部からの操作により気体の供給が受けられ、気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持ち、気体の透過がない、もしくは、気体の透過の少ない強靭な膜を用いた気嚢14を取り付け、波受け板を海底3から起立させた際に下側となる辺の端部付近に、波受け板を揺動させる波受け板側の支点4と、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近に、後述する波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6取り付け支点7を配置するとともに、波受け板側の波受け板を揺動させる支点4に対応する位置に支点8を持つ堅固な波受け板支持基盤9から成り、波受け板支持基盤9上の支点8と波受け板1上の支点4を揺動自在に組み合わせ、ワイヤーロープ製、鎖、繊維ロープ製あるいは、金属棒製の波受け板姿勢保持索、もしくは、ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープから成る波受け板姿勢保持網6で波受け板支持基盤9の沖側10に寄った地点に置く支点11と波受け板側の取り付け支点7とを結び、波受け板の揺動軸を津波の進行方向12に対し鉛直もしくは、略鉛直、かつ水平に向け、波受け板面13を下方に傾斜させ、波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6のある側を沖に向けて海中に沈設し、平時には、波受け板1を波受け板支持基盤9上に畳んだ状態で格納する津波防波堤とする。
または、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近と格納時にこれに相対する波受け板支持基盤9上の位置とを操作により自在に固着、あるいは開放できる格納時波受け板固定装置29を設けるとともに、気室に排気口を兼ねた排水口30を備えた特許請求の範囲請求項1および請求項2記載の津波防波堤とする。
本発明の津波防波堤は、堤体を構成する部材の多くの部分を陸上の施設で高能率に組み立てることができ、部品の標準化や共通化による費用の削減効果も見込まれるので、建設費用を低くできる利点がある。また、堤体を海中に沈設し、平時には、波受け板を波受け板支持基盤上に畳んだ状態で格納するので、入り江や湾口、港口の広さや水深といった地形的な制約や、海底の地質的な制約を受けにくく、船舶の航行や自然環境や漁業に与える影響も小さくできるものであり、津波防波堤の建設によって景観を悪くすることもない。
さらに、本発明の津波防波堤は、従来の津波防波堤に比較して堤体が極めて軽量であり、また、実際の建設に際しては、製作や運搬設置に適した、図1においては奥行きに相当する幅に分割し、これを建設地点の状況に合わせて、一個もしくは、多数個並べて設置することになるので衝撃や地盤の変動に強く、仮に、津波の原因となる地震が近くで発生した場合にも、地震そのものによる衝撃や地盤の変動によって津波防波堤が損傷を受けたり、沈下したりすることが少ないと考えられ、津波防波堤の損傷や沈下によって津波防波堤が津波に襲われた際に本来の機能を発揮できなくなるとうい問題点も解決されるものである。
発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。図1で示すように本発明の津波防波堤は、鋼材料やコンクリートまたは、これらを複合して、格納時の経年変化や津波の衝撃に対して十分な強度を確保するとともに、想定される津波の高さ、製作、運搬、設置上の容易さを考慮した寸法の波受け板1に、外部からの操作により気体の供給が受けられ、気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持つ気室2を設ける。この際、起立した時に気室のほぼ最上部にあたる部分に、手動で外部から操作できる排気弁15を取り付けて置くと、波受け板の設置や保守点検の際に便利であり、起立した時に気室のほぼ底にあたる部分に、重力もしくは、内部の圧力で自動開閉できる排水口16を取り付けて置くことで、魚類や海生生物が気室内に侵入して気室の機能が損なわれることを防止できる。また、波受け板を海底3から起立させた際に下側となる辺の端部付近に、波受け板を揺動させる波受け板側の支点4と、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近に、後述の波受け板姿勢保持索もしくは、波受け板姿勢保持網6取り付け支点7を配置する。
この波受け板に、鋼材料やコンクリート、または、これらを複合して、波受け板を揺動させる支点に対応する位置に支点8を持ち、格納時の経年変化や津波の衝撃に対して十分な強度を確保した堅固な波受け板支持基盤9を揺動自在に組み合わせる。この際に、波受け板を波受け板側の支点4より下方にやや延長17することで、津波の水流が波受け板下方の隙間から津波防波堤の背後に流入するのを防止することがでる。更に、波受け板支持基盤上の沖側10に寄った地点に置く支点11と波受け板側の波受け板姿勢保持索取り付け支点7とをワイヤーロープ製、鎖、繊維ロープ製あるいは、金属棒製の波受け板姿勢保持索、もしくは、ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープから成る波受け板姿勢保持網6で結び、波受け板の揺動軸を津波の進行方向12に対し鉛直もしくは、略鉛直かつ水平に向け、波受け板面13を下方に傾斜させ、波受け板姿勢保持索、あるいは、波受け板姿勢保持網6のある側を沖に向ける形に海中の所望の場所に一個もしくは多数個並べて沈設するが、沈設する際に波受け板側面にパッキング材を用いて封止すると、津波の水流が波受け板の間隙から漏れるのを防ぐことができる。
平時には、波受け板1を波受け板支持基盤9上に畳んだ状態で格納するが、格納時に膜状の覆いで波受け板とその周辺を覆うことで、海生生物などの付着が原因となる障害を回避することができる。
津波の襲来が予測される時には、外部からの操作により波受け板1の気室2に気体を供給することで、波受け板の支点4を軸として起立させ、堤体を展開し津波防波堤とする。気室1に気体を供給する方法として、蓄圧タンクに蓄えたガスを使用する方法、燃焼や爆発、化学変化によるガスの膨張を利用する方法などがある。気体は液体と異なり管路内の流速を大きく取れることから極めて迅速に堤体を展開することができ、津波の到達前に有効な津波防波堤が出現することになる。
本発明の津波防波堤の場合も通常の津波防波堤と同様に、設置にあたり海底を整えたり海中基礎18を設ける等して波受け板支持基盤9を確実に固定する必要があるが、通常、海中に津波防波堤を建設しようとする地点の水深が一様でないので、波受け板支持基盤9の高さに変化をつける方法や、波受け板支持基盤を支える海中基礎部分の厚みに変化をつける方法で、津波防波堤を建設する地点の水深の変化に対応することができる。
また、より大規模な津波の襲来が予想され、堤体が受ける衝撃が大きいと考えられる場合には、図7で示すように、波受け板支持基盤上の沖側10に寄った地点に置く支点11を補強するために、波受け板支持基盤のさらに沖側の海底部分に支点19を設け、ワイヤーロープ製、鎖、繊維ロープ製あるいは、金属棒製の波受け板姿勢保持補強索、もしくは、ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープから成る波受け板姿勢保持補強網20で結ぶと、堤体をさらに安定させる効果がある。ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープなどから成る波受け板姿勢保持網や波受け板姿勢保持補強網は、水中でワイヤーロープ、鎖、繊維ロープなどが相互に絡み合ったり、衝撃が一部のワイヤーロープ、鎖、繊維ロープなどに集中するのを防止でき、漂流物による波受け板の損傷を予防できる効果が期待できる。
図1中の波受け板姿勢保持索には、衝撃吸収装置21が取り付けられ、波受け板姿勢保持索に過度の衝撃が集中することで、波受け板姿勢保持索が破断したり、波受け板や波受け板支持基盤が損傷するのを防いでいる。また、波受け板が沖側に傾斜するので、陸岸に向かう津波を受け止めるが、陸側からの衝撃に対しては柔軟に揺動できることから、もし仮に、津波の一部が本発明の津波防波堤を透過して津波防波堤の背後22に浸入した場合でも、津波の引き波時に沖に向かう流れを排出することが可能となり、浸水側の高水位を早期に解消させる効果もある。
図3および図4で示す特許請求の範囲請求項2のものは、特許請求の範囲請求項1のもの気室2に替えて、津波の衝撃に対して十分な強度を確保した波受け板1に、外部からの操作により気体の供給が受けられ、気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持ち、気体の透過がない、もしくは、気体の透過の少ない強靭な可撓性膜を用いた気嚢14を取り付けたものである。気嚢には収納時に海水が通じていないので、海生生物などの内部付着による影響を排除でき、高い信頼性が得られる。また、気嚢を取り付ける位置は波受け板の津波を受け止める側13と裏面のいずれでも差し支えないが、波受け板の津波を受け止める側にした場合には、格納時に波受け板によって保護される利点がある。
図5および図6で示す特許請求の範囲請求項3のものは、特許請求の範囲請求項1および請求項2記載の津波防波堤に波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近と格納時これに相対する波受け板支持基盤9上の位置とを操作により自在に固着、あるいは開放できる格納時波受け板固定装置29を設けるとともに、気室に排気口を兼ねた排水口30を備えるものである。波受け板の起立に気嚢を用いる場合には、気嚢の取り付け位置を波受け板の背面とする、あるいは気嚢の取り付け位置を波受け板の波受け面側とする場合には、格納時における波受け板と波受け板支持基盤の間に充分な空間を設けて気嚢の容積を確保する。
特許請求の範囲請求項3のものは、堤体を海中に沈設し、平時には、波受け板を波受け板支持基盤上に畳んだ状態で格納することでは特許請求の範囲請求項1および2のものと同様であるが、格納の際に格納時波受け板固定装置で波受け板を波受け板支持基盤に固定した後に気体で気室や気嚢を満たして置き、平時に気室や気嚢から失われる気体を補充して置くことで、津波来襲時などには格納時波受け板固定装置を操作し固定を開放するだけで、外部の蓄圧タンクに蓄えた気体、あるいは燃焼や爆発、化学変化による気体の膨張を利用することなく迅速に堤体を展開することができ、大型の蓄圧タンクや気体の膨脹にかかわる設備を省略できる。また、このものは蓄圧タンクから気室に流れ込む気体の移動時間や、気体の膨脹にかかわる時間が不要となることから堤体の展開時間が短縮でき、津波の到達時間が極めて早い津波に対しても有効であるとともに、外部の蓄圧タンクや気体の膨脹にかかわる設備の損傷により堤体が展開不能に陥る恐れがなくなり、津波防波堤の信頼性が向上する。
図8は、本発明津波防波堤の1実施例である。一般に、沿岸の人口や社会資本の多くは、入り江や湾岸、港湾を持つ都市に集中する傾向があり、津波防波堤の建設が望まれる地域もこれらに重なっている。このような事情から、沿岸の人々や社会資本の多くを津波による被害から効果的に守るには、入り江や湾、港の入り口の狭まった場所23を締め切る形で津波防波堤を建設すれば、汀線付近に長々と津波防波堤を建設する場合に比較して、はるかに少ない費用と時間で防災上の効果が得られることになる。
図8においては、陸上に置かれた蓄圧タンク24に蓄えられた気体によって外部から操作され、展開した後の津波防波堤25を示すが、平時は津波防波堤が海底付近に格納されているので、景観や、船舶の航行の障害となることがなく、漁業や自然環境に与える悪影響も少ないものである。
本発明の津波防波堤は、津波以外の高波や高潮に対しても適応できる。
特許請求の範囲請求項1に記載の津波防波堤の展開時における側面図である。 特許請求の範囲請求項1に記載の津波防波堤の格納時における側面図である。 特許請求の範囲請求項2に記載の津波防波堤の展開時における側面図である。 特許請求の範囲請求項2に記載の津波防波堤の格納時における側面図である。 特許請求の範囲請求項3に記載の津波防波堤の展開時における側面図である。 特許請求の範囲請求項3に記載の津波防波堤の格納時における側面図である。 本発明津波防波堤に波受け板姿勢保持補強索、もしくは、波受け板姿勢保持補強網を加えた実施例側面図である。 本発明津波防波堤の実施例鳥瞰図である。
符号の説明
1 波受け板
2 気室
3 海底
4 波受け板を揺動させる波受け板側の支点
5 波受け板の上部に位置する辺の端部
6 波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網
7 波受け板側の波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網の支点
8 波受け板を揺動させる波受け板支持基盤上の支点
9 波受け板支持基盤
10 波受け板支持基盤の沖側
11 波受け板支持基盤の沖側に寄った地点に置く支点
12 津波の進行方向を表す矢印
13 波受け板面
14 気嚢
15 手動で操作する排気弁
16 重力もしくは内部の圧力で自動開閉できる排水口
17 波受け板側支点より下方に延長した部分
18 海中基礎
19 波受け板支持基盤のさらに沖側の海底に設けた支点
20 波受け板姿勢保持補強索、もしくは、波受け板姿勢保持補強網
21 衝撃吸収装置
22 津波防波堤の背後
23 入り江や湾、港の入り口の狭まった場所
24 陸上に置かれた蓄圧タンク
25 展開後の本発明津波防波堤
26 気体の管路
27 津波
28 通常の海面
29 格納時波受け板固定装置
30 排気口を兼ねた排水口

Claims (3)

  1. 津波の衝撃に対して十分な強度を確保した波受け板1に、外部からの操作により気体の供給が受けられ、気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持つ気室2を設け、波受け板を海底3から起立させた際に下側となる辺の端部付近に、波受け板を揺動させる波受け板側の支点4と、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近に、後述する波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6取り付け支点7を配置するとともに、波受け板側の波受け板を揺動させる支点4に対応する位置に支点8を持つ堅固な波受け板支持基盤9から成り、波受け板支持基盤9上の支点8と波受け板1上の支点4を揺動自在に組み合わせ、ワイヤーロープ製、鎖、繊維ロープ製あるいは、金属棒製の波受け板姿勢保持索、もしくは、ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープから成る波受け板姿勢保持網6で波受け板支持基盤9の沖側10に寄った地点に置く支点11と波受け板側の取り付け支点7とを結び、波受け板の揺動軸を津波の進行方向12に対し鉛直もしくは、略鉛直、かつ水平に向け、波受け板面13を下方に傾斜させ、波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6のある側を沖に向けて海中に沈設し、平時には、波受け板1を波受け板支持基盤9上に畳んだ状態で格納する津波防波堤。
  2. 津波の衝撃に対して十分な強度を確保した波受け板1に、外部からの操作により気体の供給が受けられ、気体の浮力により海中で波受け板の重量を支えて起立することのできる容積を持ち、気体の透過がない、もしくは、気体の透過の少ない強靭な可撓性膜を用いた気嚢14を取り付け、波受け板を海底3から起立させた際に下側となる辺の端部付近に、波受け板を揺動させる波受け板側の支点4と、波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近に、後述する波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6取り付け支点7を配置するとともに、波受け板側の波受け板を揺動させる支点4に対応する位置に支点8を持つ堅固な波受け板支持基盤9から成り、波受け板支持基盤9上の支点8と波受け板1上の支点4を揺動自在に組み合わせ、ワイヤーロープ製、鎖、繊維ロープ製あるいは、金属棒製の波受け板姿勢保持索、もしくは、ワイヤーロープ、鎖、繊維ロープから成る波受け板姿勢保持網6で波受け板支持基盤9の沖側10に寄った地点に置く支点11と波受け板側の取り付け支点7とを結び、波受け板の揺動軸を津波の進行方向12に対し鉛直もしくは、略鉛直、かつ水平に向け、波受け板面13を下方に傾斜させ、波受け板姿勢保持索、もしくは、波受け板姿勢保持網6のある側を沖に向けて海中に沈設し、平時には、波受け板1を波受け板支持基盤9上に畳んだ状態で格納する津波防波堤。
  3. 波受け板を海底から起立させた際に上側に位置する辺の端部5付近と格納時にこれに相対する波受け板支持基盤9上の位置とを操作により自在に固着、あるいは開放できる格納時波受け板固定装置29を設けるとともに、気室に排気口を兼ねた排水口30を備えた特許請求の範囲請求項1および請求項2記載の津波防波堤。
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