JP2022162355A - 伸縮軸、ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】雄軸と雌軸の嵌合長さを延長することなく大きな伸縮ストロークを確保した伸縮軸及びステアリング装置を提供する。【解決手段】雄軸15と、雌軸16と、雄軸15に形成された第1雄軸側溝15a内に設けられた雄軸側転動面と雌軸16に形成された第1雌軸側溝16a内に設けられた雌軸側転動面との間に転動自在に配置された複数の転動体17とを有し、転動体17の雄軸側転動面への接触点B、Bから転動体17の転動軸線Pまでの距離と、転動体17の雌軸側転動面への接触点Aから転動軸線Pまでの距離とが異なる。【選択図】図2

Description

本発明は、軸方向に伸縮可能でトルクを伝達可能な伸縮軸、該伸縮軸を備えたステアリング装置に関する。
従来、自動車等に搭載されるステアリング装置の中間シャフトやステアリングシャフトとして用いられる伸縮軸が知られている。伸縮軸は車両への組付け等の要件によって大きな伸縮ストロークが求められる場合、転動体を介して嵌合する円柱状の雄軸と円筒状の雌軸について、各々の転動溝を延長して嵌合部分の長さ(嵌合長さ)を長くすることで大きな伸縮ストロークを確保していた(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2009-275897号公報
しかしながら、上述のような従来の伸縮軸は、雄軸と雌軸の嵌合長さが長いため、二次衝突時のコラプスストロークを確保することが困難になってしまう場合があった。また、雄軸と雌軸は嵌合長さが長いことにより、重量が大きく燃費やコストの悪化を招いてしまうという問題もあった。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、雄軸と雌軸の嵌合長さを延長することなく大きな伸縮ストロークを確保した伸縮軸及びステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、
柱形状の雄軸と、
前記雄軸に外嵌された筒形状の雌軸と、
前記雄軸の外周面に形成された軸方向へ延びる第1雄軸側溝内に設けられた雄軸側転動面と前記雌軸の内周面に形成された軸方向へ延びる第1雌軸側溝内に設けられた雌軸側転動面との間に転動自在に配置された複数の転動体とを有し、
軸方向から見て、前記転動体の前記雄軸側転動面への接触点から前記転動体の転動軸線までの最短距離と、前記転動体の前記雌軸側転動面への接触点から前記転動軸線までの最短距離とが異なることを特徴とする伸縮軸を提供する。
また本発明は、
前記伸縮軸を備えたことを特徴とするステアリング装置を提供する。
本発明によれば、雄軸と雌軸の嵌合長さを延長することなく大きな伸縮ストロークを確保した伸縮軸及びステアリング装置を提供することができる。
図1は本願の実施形態に係る伸縮軸を備えたステアリング装置を斜め前方から見た斜視図(一部断面図)である。 図2は本願の実施形態に係る伸縮軸の構成を示す断面図である。 図3は本願の実施形態に係る伸縮軸の雄軸と雌軸の嵌合部分の拡大断面図である。 図4(a)は図3の3A-3A断面図であり、図4(b)は図3の3B-3B断面図である。 図5は本願の実施形態に係る伸縮軸の板バネを斜め前方から見た斜視図である。 図6は図4(a)の部分拡大図である。 図7(a)、図7(b)は本願の実施形態に係る伸縮軸の転動体の第1、第2変形例を示す側面図である。 図8(a)、図8(b)は従来の伸縮軸の構成を示す拡大断面図(図6に相当)であり、図8(b)は図8(a)と異なる従来の伸縮軸の構成を示す断面図(図3に相当)である。
本願の実施形態に係る伸縮軸を中間シャフト、ステアリングシャフトとして備えたステアリング装置を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す本願の実施形態に係るステアリング装置1は、車両用であって、電動のアシスト機構がステアリングコラムに取り付けられたコラムアシスト型のラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置である。ステアリング装置1は、車体後方側即ち図1右方側から順に、ステアリングホイール2、伸縮軸(ステアリングシャフト)3を内包するコラム4、モータを含む電動アシスト機構5、伸縮軸(中間シャフト)6、及びステアリングギヤ部7を備えている。
ステアリングギヤ部7は、中間シャフト6に自在継手8を介して接続されたピニオン軸9、車体左右方向へ延在しピニオン軸9に噛合した不図示のラック軸、及びこれらを収納するハウジング11を有する。ラック軸の両端には、タイロッド12、12等を介して不図示の車輪が取り付けられる。
斯かる構成の下、車両の運転者がステアリングホイール2を回転操作することにより、ステアリングシャフト3や中間シャフト6を介してピニオン軸9が回転し、これに応じてラック軸が車体左右方向へ移動して車輪の操舵角を変えることができる。なおこのとき、電動アシスト機構5のモータによって操舵補助力がステアリングシャフト3に付与されるため、運転者がステアリングホイール2の操作に要する力を軽減することができる。
ここで、コラム4及びステアリングシャフト3は軸方向へ伸縮可能であり、コラム4及び電動アシスト機構5は車体13に対してチルト調整可能に取り付けられている。このため、ステアリングホイール2の高さ及び車体前後方向位置の調整(チルト・テレスコピック調整)が可能である。
中間シャフト6は、図2に示すように円柱形状の雄軸15、雄軸15に外嵌された円筒形状の雌軸16、これらの間に介装された複数のボール17、板バネ18及びローラー19を有する。なお、中間シャフト6の軸方向、径方向及び周方向は、以下単に軸方向、径方向及び周方向という。
雄軸15は、金属製であり、車体後方側即ち図2右方側から順に、径が大きく中実の大径軸部21と、大径軸部21に一体的に形成されており大径軸部21よりも径が小さく中空の小径軸部22とからなる。
図3及び図4(a)に示すように、大径軸部21の車体前方側部分の外周面には、第1雄軸側溝として軸方向へ延びる3つの雄軸側台形溝15aと第2雄軸側溝として軸方向へ延びる3つの雄軸側円形溝15bとが周方向に沿って等間隔、即ち60度間隔で交互に形成されている。
雄軸側台形溝15aは、断面が底幅の狭い台形状であって、中間シャフト6の中心軸に対して平行に延在している。詳細には、雄軸側台形溝15aは図4(a)に示すように底壁15cと、底壁15cの両端から径方向外側へV字形に延びる側壁15d、15dとによって左右対称に構成されている。なお、図3に示すように雄軸側台形溝15aの車体後方端には、後述するボール17の軸方向への転動を規制するために、軸方向に垂直な垂直壁15eが形成されている。
雄軸側円形溝15bは、断面が半円形状であって、中間シャフト6の中心軸に対して平行に延在している。なお、図3に示すように雄軸側円形溝15bの車体後方端には、後述するローラー19を支持するために、軸方向に垂直な垂直壁15fが形成されている。
雌軸16は、金属製であり、図3及び図4(a)に示すように車体後方側部分の内周面に、第1雌軸側溝として軸方向へ延びる3つの雌軸側円形溝16aと第2雌軸側溝として軸方向へ延びる3つの雌軸側円形溝16bとが周方向に沿って等間隔、即ち60度間隔で交互に形成されている。
雌軸側円形溝16aは、断面が半円形状であって、雄軸側台形溝15aに対向するように、中間シャフト6の中心軸に対して平行に延在している。雌軸側円形溝16aの溝の半径は、ボール17の半径よりも大きく設計されている。この構成により、ボール17は雌軸側円形溝16aに対して溝底の頂点において1点(A)で接触することとなる(図6参照)。このようにして雌軸側円形溝16aの溝面はボール17が転動する際の雌軸側転動面を構成している。
雌軸側円形溝16bは、断面が半円形状であって、雄軸側円形溝15bに対向するように、中間シャフト6の中心軸に対して平行に延在している。
なお、雄軸側台形溝15a及び後述する板バネ18、雄軸側円形溝15bの軸方向長さは、雌軸側円形溝16a、雌軸側円形溝16bの軸方向長さよりも短く設計されている。
斯かる構成の下、雄軸側台形溝15aとこれに対向する雌軸側円形溝16aは複数のボール17が転動する3組のボール転動路23を構成し、雄軸側円形溝15bとこれに対向する雌軸側円形溝16bはローラー19が摺動する3組のローラー摺動路24を構成している。したがって、雄軸15及び雌軸16には、3組のボール転動路23と3組のローラー摺動路24とが周方向に沿って等間隔、即ち60度間隔で交互に設けられている。
3組のボール転動路23には、それぞれ転動体として金属製の複数のボール17が転動自在に配置されている。また、各ボール転動路23において雄軸側台形溝15aと複数のボール17との間には、付勢部材として金属性の板バネ18が配置されている。
板バネ18は、図4(a)及び図5に示すように、雄軸側台形溝15aの底壁15cに接触する底板18aと、底板18aの両端から径方向外側へV字形に延在して雄軸側台形溝15aの側壁15d、15dに略平行な内側板18b、18bと、内側板18b、18bの端部から周方向外側へ折り返して雄軸側台形溝15aの側壁15d、15dに略平行に延びて接触する外側板18c、18cとで構成されており、左右対称形となっている。板バネ18の軸方向長さは、図3に示すように雄軸側台形溝15aの軸方向長さと略同じである。
斯かる構成の板バネ18は、雄軸側台形溝15aと複数のボール17との間に配置されることにより、弾性変形して外側板18c、18cが雄軸側台形溝15aの側壁15d、15dに当接するとともに内側板18b、18bがボール17に当接する。詳細には、ボール17は板バネ18の内側板18b、18bに対して1点ずつ、計2点(B、B)で接触する(図6参照)。これにより、ボール17は雄軸15の径方向外側へ付勢されて雌軸側円形溝16aの溝底の頂点に所定の付勢力で常に押し付けられ、ボール17と雄軸側台形溝15a及び雌軸側円形溝16aとの間のガタを解消することができる。このようにして板バネ18の作用面はボール17が転動する際の雄軸側転動面を構成している。ここで、作用面とはボール17に付勢力を加える面、具体的には内側板18b、18bの径方向外側表面をいう。
なお、図4(b)及び図5に示すように、各ボール転動路23に配置された3つの板バネ18は、それぞれの底板18aの車体前方側端部が、径方向に延在する円環形状の連結板25の外縁端に、周方向に沿って等間隔、即ち120度間隔で一体的に連結されている。
3組のローラー摺動路24には、それぞれ軸方向へ延在する略円柱形状の金属製のローラー(柱状体)19が摺動可能に配置されている。
ローラー19は、図3に示すようにトルク伝達部19aと、トルク伝達部19aの両端に備えられたテーパー部19b、19bとを一体成形してなる。
トルク伝達部19aは、雄軸側円形溝15bとこれに対向する雌軸側円形溝16bに当接して雄軸15から雌軸16或いは雌軸16から雄軸15へトルクを伝達するローラー部分である。このトルク伝達部19aは円柱形状をしており、その外径はローラー摺動路24即ち雄軸側円形溝15bと雌軸側円形溝16bとで形成される円柱形状の空間の内径よりも若干小さく設計されている。
テーパー部19b、19bは、軸方向両端側へ向かって外径が小さくなっており、中間シャフト6の製造に際してローラー19をローラー摺動路24にスムーズに挿入することが可能である。
なお、本実施形態においてトルク伝達部19a及びテーパー部19b、19bは円柱形状であるがこれに限られず、例えば断面が楕円の柱形状等としてもよい。
斯かる構成のローラー19は、雄軸15の小径軸部22に備えられたストッパー26により車体後方側へ付勢され軸方向の移動が規制されている。
ストッパー26は、付勢部材として金属製で円環形状の板バネからなるリング状板バネ27と、これを挟持する一対の金属製で円環形状の平板28a、28bとからなる。
小径軸部22には、車体後方側即ち図3右方側から順に、板バネ18の連結板25、ストッパー26が外嵌されている。小径軸部22の車体前方側端部は加締められており、小径軸部22に外嵌されたストッパー26が車体前方側へ脱落することがない。なお、加締めに限られず、止め輪、ナット、プッシュナット等でストッパー26を固定してもよい。
斯かるストッパー26において、リング状板バネ27は、加締められた小径軸部22の車体前方側端部に固持された平板28aに当接することで、平板28aと反対側の平板28bに対して車体後方側への付勢力を加える。平板28bの車体後方側面はローラー19の車体前方側端面に当接してリング状板バネ27の付勢力がローラー19に加えられ、これによってローラー19の車体後方側端面は雄軸側円形溝15bの垂直壁15fに当接する。このようにしてローラー19はストッパー26によって車体後方側へ付勢されて常に垂直壁15fに押し付けられるため、ローラー19を平板28b及び垂直壁15fの間に軸方向のガタなく配置することができる。またストッパー26は、車体前方側へのボール17の転動を規制してボール17がボール転動路23から脱落してしまうことを防ぐ役割も果たしている。
なお、ストッパー26のリング状板バネ27の代わりにその他の弾性部材、例えば円盤形状の樹脂等を用いてもよい。円盤形状の樹脂を平板28a、28bで挟持した一体成形品とする場合部品点数が1個となるため、中間シャフト6の組立性が向上し組立時間の短縮、製造コストの低減を図ることができる。
ここで、小径軸部22の長さは、ストッパー26の平板28bの車体後方側面と板バネ18の連結板25の車体前方側面との間に隙間(軸方向の隙間)ができるように設計されている(図3参照)。また、連結板25の円形開口の直径は、小径軸部22の外径よりも大きく設計されており、当該円形開口と小径軸部22との間に隙間(径方向の隙間)ができている(図4(b)参照)。これら軸方向及び径方向の隙間により、連結板25は3つの板バネ18が後述するトルク伝達の際に変形してもそれぞれの板バネ18の動きを拘束することがない。また、3つの板バネ18を連結板25を介して一体化したことにより部品点数が1個となるため、中間シャフト6の組立性が向上して組立時間の短縮、製造コストの低減を図ることができる。
上記構成の中間シャフト6は、例えば雄軸15にトルクが加えられると、ローラー19、ボール17及び板バネ18を介して雌軸16にトルクが伝達されることにより、雄軸15と雌軸16が一体的にスムーズに回転することができる。
トルクの伝達について詳細には、雄軸15に加えられたトルクが小さいときには、板バネ18及びボール17を介して雄軸15から雌軸16へトルクが伝達される。なお、ボール17は、上述のように板バネ18によって径方向外側へ付勢され、雄軸側台形溝15a及び雌軸側円形溝16aとの間のガタが解消されているため、雌軸側円形溝16aに衝突して打音が発生することを防ぐことができる。
そして、雄軸15に加えられるトルクが大きくなるにつれて、板バネ18が弾性変形して、詳しくは板バネ18が円周方向(回転方向)及び径方向内側へ撓んで、ボール17に加わる力が増大する。板バネ18の弾性変形量が、ローラー19のトルク伝達部19aの外周面と雄軸側円形溝15b及び雌軸側円形溝16bとの間の円周方向の隙間量と同一になると、トルク伝達部19aの外周面が雄軸側円形溝15b及び雌軸側円形溝16bに当接し、トルク伝達部19aを介してトルクが雄軸15から雌軸16へ伝達される。また、このようにしてトルクの伝達がなされることにより、ローラー19が雄軸側円形溝15b及び雌軸側円形溝16bに衝突して打音が発生することを防ぐことができる。なお、板バネ18の弾性変形によって雌軸側円形溝16aに対するボール17の接触点は溝底の頂点からわずかに移動するものの、トルク無負荷時即ち雄軸15又は雌軸16にトルクが加えられていない時にはボール17は雌軸側円形溝16aの頂点に安定して接触することができる。
また、中間シャフト6は、ボール17がボール転動路23内で転動するとともにローラー19がローラー摺動路24内で軸方向へ摺動することにより、雄軸15と雌軸16が軸方向へ相対移動して伸縮することができる。
ボール転動路23内のボール17は、上述のように雌軸側円形溝16aに対して1点で転がり接触し、板バネ18の内側板18b、18bに対して1点ずつ計2点で転がり接触する。この構成により、中間シャフト6の伸縮時、雄軸15とボール17の相対移動距離に対して雌軸16とボール17の相対移動距離を大きくすることができる。
具体的には、図6に示すように本実施形態ではトルク無負荷状態において、軸方向から見てボール17は雌軸16側において雌軸側円形溝16aの頂点に1点(A)で接触している。そして、雄軸15側においてボール17が板バネ18の内側板18b、18bに接触する2点(B、B)を結ぶ線とボール17の中心Oとの最短距離(L)が、ボール17の半径(2L)の1/2となるように設計されている。この設計により、ボール17の転動軸線Pから雌軸16側の接触点Aまでの最短距離(2L)は、転動軸線Pから雄軸15側の接触点B、Bまでの最短距離(L)の2倍となる。即ち、中間シャフト6の伸縮時、ボール17が雄軸側台形溝15aをLだけ転動する間に、雌軸側円形溝16aを2L転動することとなる。したがって、中間シャフト6の伸縮時、ボール17の1回転に対して雄軸15は2Lπ移動し、雌軸16は雄軸15と反対方向に4Lπ移動することができる。なお、転動軸線Pはボール17の中心Oを通る線であってボール転動路23内で転動するボール17の回転中心となる線(仮想線)である。そしてこれにより、図3に示すようにボール17が2点接触している軸の転動面(雄軸15の雄軸側転動面)の軸方向長さL15を、ボール17が1点接触している軸の転動面(雌軸16の雌軸側転動面)の軸方向長さL16の1/2程度に小さくすることができる。
ここで、図8(a)に示すようにボール転動路内のボールが、雌軸側円形溝に対して2点で接触し、板バネの内側板に対して2点で接触する構成の従来の中間シャフトでは、ボールが板バネの内側板に接触する2点を結ぶ線とボールの中心との最短距離(L)が、ボールが雌軸側円形溝に接触する2点を結ぶ線とボールの中心との最短距離(L)が同じとなるように設計されている場合、中間シャフトの伸縮時にはボール1回転に対して雄軸は2Lπ移動し、雌軸は雄軸と反対方向に2Lπ移動することとなる。
したがって、本実施形態における中間シャフト6は、前述のような従来の中間シャフトに比して、雄軸15及び雄軸側台形溝15aの長さを延長することなく伸縮時の雌軸16の移動距離を雄軸15の移動距離の2倍確保することができ、雄軸15と雌軸16が軸方向へ相対移動可能な範囲即ち中間シャフト6の伸縮ストロークを大きく確保することができる。
なお、上述のように本実施形態ではボール17の転動軸線Pから雌軸16側の接触点Aまでの最短距離と、転動軸線Pから雄軸15側の接触点B、Bまでの最短距離との比は1:2であるが、当該比はこれに限られるものではない。
ここで、図8(b)に示すように伸縮ストロークを大きくするために、雄軸の雄軸側台形溝と雌軸の雌軸側円形溝を共に延長し、ローラー摺動路にローラーとダミーローラーを配置した構成の従来の中間シャフトでは、雄軸と雌軸の嵌合長さ、言い換えれば雄軸側台形溝と雌軸側円形溝とが対向している部分の長さが大きい。また、斯かる従来の中間シャフトは嵌合長さが大きいことにより、重量が大きく燃費やコストの悪化を招いてしまう。
これに対して本実施形態における中間シャフト6は、上述のように雄軸15及び雄軸側台形溝15aを延長することなく大きな伸縮ストロークを確保することができる。したがって、雄軸と雌軸の嵌合長さを大きくする必要がないため、大きな嵌合長さが二次衝突時のコラプスストロークの確保に支障となることがない。また、中間シャフト6の重量が大きくなって燃費やコストの悪化を招いてしまうこともない。
中間シャフト6の伸縮時、ローラー19は、トルク伝達部19aの外周面が雄軸側円形溝15b及び雌軸側円形溝16bに接触する。ここで、前述のように本実施形態における中間シャフト6は、雄軸側台形溝15aを延長することなく中間シャフト6の伸縮ストロークを大きく確保することができるため、ローラー19を長軸化する必要もない。このため、ローラー19のトルク伝達部19aと雄軸側円形溝15b及び雌軸側円形溝16bとの接触面積が増えることがない。したがって、中間シャフト6の伸縮時の摺動荷重が大きくなってしまうこともなく、スムーズに安定して伸縮することができる。
なお、ローラー19は、上述のようにストッパー26によって車体後方側へ付勢され、ストッパー26の平板28bと雄軸15の垂直壁15fの間に軸方向のガタなく配置されているため、平板28bや垂直壁15fに衝突して衝突音(打音)が発生することを防ぐことができる。
また、ローラー19は、ローラー摺動路24内で軸方向に対して傾斜することがない。このため、ローラー19が軸方向に対して傾斜しながら雄軸側円形溝15bや雌軸側円形溝16bに当接し摺動抵抗の増加を招いてしまうことを防止できる。また、雄軸側円形溝15bや雌軸側円形溝16bは傾斜したローラー19が押し当てられて磨耗することもないため、雄軸15、雌軸16及びローラー19、ひいては中間シャフト6の長寿命化を図ることができる。
本実施形態のステアリング装置1において、ステアリングシャフト3の構成は以上に述べた中間シャフト6の構成と同様である。
上記構成の中間シャフト6及びステアリングシャフト3を備えたステアリング装置1は、運転者がステアリングホイール2に加えたトルクを、ステアリングシャフト3及び中間シャフト6を介してスムーズにステアリングギヤ部7に伝達することができ、ステアリングホイール2の良好な操舵フィーリングを実現することができる。
また、ステアリング装置1は、ステアリングホイール2のチルト・テレスコピック調整時や二次衝突時にステアリングシャフト3をスムーズに伸縮させることができ、走行時には中間シャフト6をスムーズに伸縮させて軸方向の変位を効果的に吸収することができる。
本実施形態における中間シャフト6は、上述のように雄軸15の外周面に雄軸側台形溝15a、雌軸16の内周面に雌軸側円形溝16aを備える構成である。しかしながら溝の位置関係はこれに限られず、雄軸15の外周面に雌軸側円形溝16aと同様の円形溝、雌軸16の内周面に雄軸側台形溝15aと同様の台形溝を設け、当該台形溝に板バネ18を配置する構成としてもよい。即ち、ボール17が雄軸15側に1点で接触し、雌軸16側に2点で接触する構成としてもよい。これにより、中間シャフト6の伸縮時の雌軸16とボール17の相対移動距離に対して、雄軸15とボール17の相対移動距離を大きくすることができる。
また、本実施形態における中間シャフト6は、上述のように雄軸側台形溝15aとボール17との間に板バネ18を備える構成である。しかしこれに限られず、雄軸側台形溝15aを小型化して板バネ18を省略し、ボール17が雄軸側台形溝15aの側壁15d、15dに対して1点ずつ、計2点で接触する構成としてもよい。この場合、雌軸側円形溝16aの溝面がボール17の雌軸側転動面を構成し、雄軸側台形溝15aの溝面(側壁15d、15d)が雄軸側転動面を構成することとなる。
また、本実施形態における中間シャフト6は、上述のように転動体として球形のボール17が用いられているが、これに限られるものではない。
例えばボール17の代わりに、図7(a)に示すラグビーボール形状の転動体31を用いてもよい。この場合、転動体31の接触点Aで雌軸側円形溝16aに接触し、接触点B、Bで板バネ18の内側板18b、18bに接触するように、雌軸側円形溝16a、雄軸側台形溝15a及び板バネ18の形状をそれぞれ変更すればよい。
また、ボール17の代わりに、図7(b)に示す段付きコロ32を用いてもよい。段付きコロ32は円柱部材の軸方向両端部に同心で小径の円柱部を一体的に設けてなるものである。この場合、接触点(線)Aで雌軸側円形溝16aに接触し、接触点(線)B、Bで板バネ18の内側板18b、18bに接触するように、雌軸側円形溝16a、雄軸側台形溝15a及び板バネ18の形状をそれぞれ変更すればよい。
本実施形態における中間シャフト6では、上述のようにボール17はボール転動路23内において雄軸15側1点、雌軸16側2点で接触する構成である。しかしながら接触点の数はこれに限られず、軸方向から見てボール17の雄軸15側の接触点から転動軸線Pまでの最短距離と、雌軸16側の接触点から転動軸線Pまでの最短距離とが異なる構成とすればよい。例えば、ボール17が雄軸15側2点、雌軸16側2点で接触する構成とし、ボール17の雄軸15側の接触点B、Bから転動軸線Pまでの最短距離がL、雌軸16側の接触点A、Aから転動軸線Pまでの最短距離が1.5Lとなるように設計してもよい。
本実施形態のステアリング装置1において、中間シャフト6は雄軸15と雌軸16のうち雄軸15が車体後方側に位置するように配置されているが、雌軸16が車体後方側に位置するように配置してもよい。
本実施形態のステアリング装置1において、中間シャフト6は雄軸15、雌軸16に雄軸側円形溝15b、雌軸側円形溝16bを設けてこれらの間にローラー19を配置した構成である。しなしながらこれに限られず、例えば雄軸15、雌軸16に軸方向へ延びる凹凸を設けてスプライン嵌合する構成としたり、雄軸15と雌軸16が転動体(ボール17)のみで噛み合う構成としてもよい。
なお、以上に述べた本実施形態における中間シャフト6の異なる態様はステアリングシャフト3においても同様である。
本実施形態ではコラムアシスト型電動パワーステアリング装置に本発明を適用した例を示しているが、本発明はその他のステアリング装置、例えばラックアシスト型電動パワーステアリング装置等に適用することもできる。
本実施形態によれば、雄軸と雌軸の嵌合長さを延長することなく大きな伸縮ストロークを確保した伸縮軸及びステアリング装置を実現することができる。
1 ステアリング装置
3 ステアリングシャフト
6 中間シャフト
15 雄軸
15a 雄軸側台形溝
15b 雄軸側円形溝
16 雌軸
16a 雌軸側円形溝
16b 雌軸側円形溝
17 ボール
18 板バネ
19 ローラー
19a ローラーのトルク伝達部
24 ローラー摺動路
23 ボール転動路
26 ストッパー

Claims (8)

  1. 柱形状の雄軸と、
    前記雄軸に外嵌された筒形状の雌軸と、
    前記雄軸の外周面に形成された軸方向へ延びる第1雄軸側溝内に設けられた雄軸側転動面と前記雌軸の内周面に形成された軸方向へ延びる第1雌軸側溝内に設けられた雌軸側転動面との間に転動自在に配置された複数の転動体とを有し、
    軸方向から見て、前記転動体の前記雄軸側転動面への接触点から前記転動体の転動軸線までの最短距離と、前記転動体の前記雌軸側転動面への接触点から前記転動軸線までの最短距離とが異なることを特徴とする伸縮軸。
  2. 前記転動体が前記雄軸側転動面に対して2点接触し前記雌軸側転動面に対して1点接触していることを特徴とする請求項1に記載の伸縮軸。
  3. 前記転動体と前記第1雄軸側溝との間に前記転動体を前記雄軸の径方向外側へ付勢するための板バネを有し、
    前記雄軸側転動面は前記板バネの作用面からなり、
    前記雌軸側転動面は前記第1雌軸側溝の溝面からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伸縮軸。
  4. 前記雄軸側転動面は前記第1雄軸側溝の溝面からなり、
    前記雌軸側転動面は前記第1雌軸側溝の溝面からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伸縮軸。
  5. 前記転動体がボールであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の伸縮軸。
  6. 前記第1雌軸側溝は断面が半円形状の円形溝であり、
    前記円形溝の半径は前記転動体の半径よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の伸縮軸。
  7. 前記雄軸の外周面に形成された軸方向へ延びる第2雄軸側溝と前記雌軸の内周面に形成された軸方向へ延びる第2雌軸側溝との間に摺動可能に配置された軸方向へ延在する柱状体を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の伸縮軸。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の前記伸縮軸を備えたことを特徴とするステアリング装置。
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