JP2022159356A - 環境制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】時間毎、日毎、月毎などのサイクルで生じるワーカーや組織の流動的なワークパフォーマンスや各スペースに対するニーズに対しても容易に対応するアクティブゾーニングを可能とする環境制御システムを提供すること。【解決手段】制御装置61は、記憶部61cに格納された情報を用いて、調光調色信号送信部61bから送信される信号により少なくとも1つのスポットライト5と複数のベースライト3の調光・調色制御を連動するように実行する1以上の群制御を実行可能である。1以上の群制御には、少なくとも1つのスポットライト5が点灯するとき、その近傍領域に設置されたベースライト3の光量が、スポットライト5が点灯していない領域のベースライト3の光量以下になるように、少なくとも1つのスポットライト5と複数のベースライト3を制御する制御が含まれる。【選択図】図3

Description

本開示は、環境制御システムに関する。
働き方改革に発端し、ABW(Activity Based Working)オフィスが台頭している。ABWオフィスは、例えば、ワーカーが1人で集中ワークをしたい時、複数人でグループワークをしたい時、休憩・リラックスをしたい時など、時々刻々変化するワークの種類・量、あるいはワーカー自身の情動・動機に基づく意思などに対応し、設計主旨の異なるスペースをワーカー自身が選択することで、ワーカーや組織のパフォーマンスを効率化させる形式のオフィスである。設計主旨の異なるスペースの作り方として、例えば、特許文献1に記されるような、什器や家具を用いて集中ワークの効率を高める主旨のスペースをつくり、ゾーニングを行う手段が知られている。
特開2017-131572号公報
ABWオフィスは、ワーカーや組織の流動的なワークパフォーマンスや各スペースに対するニーズ応じて、継続的にゾーニングの変更が行われることが理想である。例えば、前述のブース型什器・家具は、設置後も利用率の過不足に対応して、配置や個数を変化させることでゾーニングの変更が可能である。ところが、ワーカーや組織のワークパフォーマンスや各スペースに対するニーズは、時間毎、日毎、月毎などのサイクルでも生じうることに対し、什器・家具の運搬や再設置、倉庫への収納などの作業を前述のサイクルで継続的に実施することは、その手間や労力から鑑みれば困難であり、設計変更の柔軟性という側面においては、ABWオフィスの実現手段として課題があった。
そこで、本開示の目的は、時間毎、日毎、月毎などのサイクルで生じるワーカーや組織の流動的なワークパフォーマンスや各スペースに対するニーズに対しても容易に対応するアクティブゾーニングを可能とする環境制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本開示に係る環境制御システムは、室内の視対象領域を照明するための1つ以上のタスクライトと、室内において視対象領域よりも広範囲な領域を照明するための複数のベースライトと、制御装置と、を備え、制御装置は、タスクライト及びベースライトに対し調光・調色を制御する信号を送信する調光調色信号送信部と、事前に設定されたタスクライト及びベースライトの位置情報、及び機器識別情報を記憶する記憶部と、を有し、制御装置は、記憶部に格納された情報を用いて、調光調色信号送信部から送信される信号により少なくとも1つのタスクライトと複数のベースライトの調光・調色制御を連動するように実行する1以上の群制御を実行可能であり、1以上の群制御には、少なくとも1つのタスクライトが点灯するとき、その近傍領域に設置されたベースライトの光量が、タスクライトが点灯していない領域のベースライトの光量以下になるように、少なくとも1つのタスクライトと複数のベースライトを制御する制御が含まれる。
なお、上記近傍領域に設置されたベースライトの光量は、零でもよい。また、上記近傍領域に設置されたベースライトとは、点灯しているタスクライトに最も近いベースライトを含む、タスクライトが照射する視対象領域を支配的に照明しうる1以上のベースライトを指すものとする。また、上記タスクライトが点灯していない領域のベースライトとは、点灯しているタスクライトが照明する視対象領域を支配的に照明しえない1以上のベースライトを指す。
ここで、「支配的に照明する」との要件は、点灯しているタスクライトが照らしている視対象領域に対して、設置されている全てのベースライトのうちで、最も大きな光束量を到達せしめているベースライトの位置(以下、原点という)におけるベースライトから発せられた全光束量に対するその視対象領域に到達した光束量の割合を原点光束比と定義すると共に、原点光束比の半分の値を、有効光束比と定義したとき、発せられる全光束量に対するその視対象領域に到達する光束量の比率が、有効光束比以上かつ原点光束比以下になっているベースライトの場合に満たされる。
次に「支配的に照明する」との要件の充足の有無を、分かり易いように具体例で説明する。図13は、光線追跡シミュレーションのソフトウェアLightToolsにより定義したXYZ3次元のシミュレーションモデルを説明する斜視図である。図13に示すように、光源部として1218mm×78mmの板状のオブジェクトの底面、受光部として700mm×1200mmの板状のオブジェクトの上面を定義した。また、光源部と受光部の距離は1800mmとした。なお、これらは本明細書に記載する開示例で用いた光源と作業デスクのサイズや配光分布、デスク上面と光源部との距離を略反映したものである。
図14は、光源部と受光部の中心座標を図13のように一致させた状態および、その状態からX軸方向に光源部の位置座標をオフセットしていった際の受光部へのエネルギー到達量の割合を示すグラフである。なお、デスク面への縦軸の到達エネルギー率は、光源部より発せられた全光束量を100%としたときに視対象領域であるデスク面に到達した光束量の百分率を示す光束比を示す。本具体例では、図14に示すように、x=0mm、y=0mmの位置座標にベースライトが存在する場合における光束比を表す原点光束比が、7.1%になっている。これにより、有効光束比が、7.1×0.5=3.55%と認められる。これより、「支配的に照明する」という要件を満たすベースライトは、発せられる全光束量のうちでデスク面に到達する光束量の割合が、3.55%~7.1%と求められる。このシミュレーション結果から、例えば、下記のことを言及できる。
この具体例の場合、700mm×1200mmの視対象領域から1800mmの高さ位置に備えられた1218mm×78mmのベースライトにおいて、ベースライトから発せられる全光束量のうちある視対象領域に到達する光束量の比率が3.55%~7.1%の範囲にあるものは、ある視対象領域を支配的に照明するベースライトである。換言すれば、ベースライトから発せられる全光束量のうちある視対象領域に到達する光束量の比率が3.55%未満のものは、ある視対象領域を支配的に照明しえないベースライトである。なお、ベースライトの全光束量は、たとえば、積分球と分光光度計など公知の測定・分析手段を用いて測定可能であり、視対象領域へ到達する光束は、照度計など公知の測定・分析手段を用いて測定可能である。また、以上の導出手法は、光源のサイズ・配光分布、視対象領域のサイズ、光源との高さ距離などの変化に対しても普遍的に適用可能であることは自明であり、いかなる条件においても適用可能なものである。また、この具体例のように、実際の光源のサイズ・配光分布をシミュレーションの設定条件に反映し、シミュレーションを実行することで、あるベースライトがある視対象領域を支配的に照明するベースライトか否かを判定することが出来るし、公知の照度計などを用いて実物のサイズや照度を把握することでも、あるベースライトがある視対象領域を支配的に照明するベースライトか否かを判定することが出来る。
また、本開示に係る環境制御システムは、室内を照明する複数の照射部と、室内にサウンドを出力するスピーカと、人の室内の利用に関する情報を取得する情報取得部と、制御装置と、を備え、複数の照射部のうちの2以上は、照射領域が異なり、制御装置が、情報取得部からの情報に基づいて、調光・調色の制御、及び、スピーカが出力するサウンドの制御のうちの少なくとも1つを実行可能である。
本開示に係る環境制御システムによれば、時間毎、日毎、月毎などのサイクルで生じるワーカーや組織の流動的なワークパフォーマンスや各スペースに対するニーズに対しても容易に対応するアクティブゾーニングが可能になる。
本開示の第1開示例に係る環境制御システムが設置された室の一例としてのABWオフィスにおいて可能な複数の作業机の配置のレイアウトの開示例を示す図面であり、上方から複数の作業机を見たときの配置とABWオフィスの天井部に取り付けられたベースライト、通電用のダクトレール、スポットライトの配置図を作業机の配置に重畳させる形で記載したレイアウト配置図である。 各照明グループ1~3の夫々に対して設定された4つのシーンにおける各照明機器の調光調色データを示す図である。 環境制御システムの主要構成を示すブロック図である。 環境制御システムが備えることができるスポットライトの1形態を示す図である。 環境制御システムが備えることができるスポットライトの他の形態を示す図である。 開示例1の変形例の環境制御システムにおける図3に対応するブロック図である。 開示例2の環境制御システムにおける図1に対応するレイアウト配置図である。 開示例2の環境制御システムにおける図3に対応するブロック図である。 開示例2で音を出力すると共にシーン1を再現しているときに各照明機器が照射している照射光の情報と、各スピーカが出力している音の情報とを説明する模式図である。 開示例2のABWオフィスにおいて、照明シーン1を再生し、更に、スピーカ群1から小川のせせらぎ音を再生すると共にスピーカ群2からジャズやボサノバ音楽を再生したときに、デスクD12からD03を横断するように配置した照度計および騒音計で空間の照度および音量を測定したときの一試験例の結果を示すグラフである。 全方位カメラの模式斜視図である。 (a)は、開示例1の変形例の環境制御システムにおける制御装置が実行可能な制御の一例を示すフローチャートであり、(b)は、開示例1の他の変形例の環境制御システムの制御装置が実行可能な制御の一例を示すフローチャートである。 光線追跡シミュレーションのソフトウェアLightToolsにより定義したXYZ3次元のシミュレーションモデルを説明する斜視図である。 光源部と受光部の中心座標を図13のように一致させた状態および、その状態からX軸方向に光源部の位置座標をオフセットしていった際の受光部へのエネルギー到達量の割合を示すグラフである。
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の開示例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。また、本明細書で、「略」という文言を用いた場合、「大雑把に言って」という文言と同じ意味合いで用いており、「略~」という要件は、人がだいたい~のように見えれば満たされる。例を挙げれば、略円形という要件は、人がだいたい円形に見えれば満たされる。
[開示例1]
図1は、本開示の第1開示例に係る環境制御システム10が設置された室の一例としてのABWオフィス20において可能な複数の作業机D01~D14の配置のレイアウトの開示例を示す図面であり、上方から複数の作業机D01~D14を見たときの配置とABWオフィス20の天井部に取り付けられたベースライト3、通電用のダクトレール4、スポットライト5の配置図を作業机D01~D14の配置に重畳させる形で記載したレイアウト配置図である。
図1に示すABWオフィス20の1形態においては、一般的な事務用机である計14台の作業机D01~D14をデスクグループ1およびデスクグループ2に分類し、その上方に、ABWオフィス20を照明するためのアンビエント照明としての28台のLED調光調色式ベースライト(例えば、NNLK41515+NNL4600EXDK9:パナソニック)を等間隔に設置し、その近傍に通電用のダクトレール4を3列分設置した。詳しくは、計14台の作業机D01~D14を4例に配置し、3つの通電用のダクトレール4を、4例の作業机D01~D14うちの3列の作業机D01~D14の近傍に列の延在方向に略平行な方向に延在するように配置した。
更には、各ダクトレール4には、タスクライトの一例としてのLED調光式スポットライト(例えば、NTS05121W:パナソニック)5を計14台設置した。併せて、各スポットライト5の開口部には波長変換フィルタを貼り付け、スポットライト5からの出力光の色温度を6000Kに調整した。そして、計14台の作業机D01~D14と、計14台のスポットライト5を、一対一に対応させ、各スポットライト5が対応する作業机D01~D14の中央部を照射するように、各スポットライト5の設置位置、及び設置方向を調整した。
また、28台のベースライト3および14台のスポットライト5は、制御装置の一例としてのマルチマネージャー(例えば、NQ51101:パナソニック) 、LS/PD信号変換インターフェース(例えば、NK51111:パナソニック)、PD/調光信号変換インターフェース(例えば、NK51012:パナソニック)、PiPit+セパレートセルコンAタイプ(例えば、NQ23171Z:パナソニック)に調光信号線を介して順次接続した。なお、スポットライト5は2台用意したPiPit+セパレートセルコンAタイプに対して7台ずつペアリングした。
次に、マルチマネージャーの操作アプリケーションを用いて、28台のベースライト3のマッピング作業により各ベースライト3の位置情報を記憶し、図1に示すように、12台のベースライト3と8台のスポットライト5を照明グループ1に所属する照明機器として設定し、4台のベースライト3を照明グループ2に所属する照明機器として設定し、12台のベースライト3と6台のスポットライト5を照明グループ3に所属する照明機器として設定した。さらに、図2に示すように、各照明グループ1~3の夫々に対して、4つのシーンを設定し、各シーンにおいて、各グルーブで色温度および調光率の値を設定した。
ここで、各シーンの設定は、既存のシーン設定のアプリケーションがインストールされた情報端末、例えば、スマートフォン、タブレット又はリモコン等を用いて容易に実行できる。そして、実際に各シーンを再現した。詳しくは、ABWオフィス20の窓のブラインドカーテンを閉め切ったうえで、操作部64(図3参照)を用いて、シーン1を再生したところ、外観上、デスクグループ1とデスクグループ2が分割された。続いて、操作部64(図3参照)を用いて、シーン3、シーン4など他のシーンを順次再生したところ、各シーンは数秒程度で切り替わった。
シーン1のデスクグループ1は、作業机D07~D014の中央部のみ照度が高く、中央部から離れるほど照度が低くなる、不均一な照度分布であった。また、作業机周辺の床や壁などの照度も低く、明るさ感が低い空間であった。一方、シーン1のデスクグループ2は、作業机D01~D06の照度はデスクグループ1と比較し均一性の高い照度分布であり、作業机周辺の床や壁などの照度も高く、明るさ感が高い空間であった。
このとき、デスクグループ1にワーカーが着席した場合、ワーカーがより注視すべき作業机D07~D014の中央部のみ照度が高いため、周辺視野の認知的なノイズ要因が低減されることから、ワーカーが作業に没頭しやすく、集中ワークの効率を高めやすい。更に、本手法では、ベースライト3の調光率を低く設定していることにより、壁や床などの周辺視野の視認性を低下させているため、より作業机D07~D014および作業への没頭効果を高めやすい。また、ベースライト3の調光率を低く設定していることにより、デスクグループ1で作業しているワーカーは、外部から他のワーカーが見たとき、顔の表情がよく見えなかったり、顔に陰がかかることで不機嫌な様子に見えたりするため、話しかけにくい。つまり、このデスクグループ1で作業しているワーカーは、他ワーカーから話しかけられ、作業が中断する確率が低下しやすいため、結果として、集中ワークの効率を高めやすい。以上より、シーン1が再現された場合、デスクグループ1は、集中スペースとして機能しやすい空間である。一方、シーン1では、デスクグループ2は、色温度が低く、リラックスや複数人でのコミュニケーション量を高めやすいため、共創スペースとして機能しやすい空間である。
デスクグループ1とデスクグループ2は、空間の照度分布が大きく異なる。とくに、デスクグループ1において、作業机周辺の床や壁などの照度がより低い点が特徴であり、それが要因となり2つのデスクグループの、外観上の空間の分割感が高い。さらに、デスクグループ1とデスクグループ2は、照明の色温度が大きく異なることから、外観上の空間の分割感が高い。以上より、什器や家具などを用いずとも、認知上、スペースを区切るゾーニング効果を有する。ゾーニング効果は、各グループの照度分布や、色温度の差が大きいほどその効果を高めやすい。
また、デスクグループ1とデスクグループ2は、それぞれワーカーに促す作業内容が異なり、例えば、本開示例のデスクグループ1では集中ワークを促し、デスクグループ2ではリラックスやコミュニケーションを促すことから、外観上のみならず、各空間の機能的な使われ方にも差がつくため、この効果もゾーニング効果に寄与するものである。
そして、この手法によりゾーニングを行う場合、各シーンの切り替えは数秒で完了するため、結果としてオフィスのレイアウトを数秒で変更することが可能である。例えば、オフィスの繁忙日など集中スペースのニーズが高い日には、シーン1からシーン3に切り替えれば、オフィスの集中スペース席数が8席から14席に増席し、ワーカーの集中スペースのニーズを満たすことで、結果としてワーカーや組織のワークパフォーマンスを高めやすくなる。あるいは、休閑日の場合は、シーン4に切り替えれば、集中スペースの席数が0席となり共創スペースが14席となるので、組織のストレス低減や、コミュニケーション量を高めやすい効果がある。さらに、ある日の午前中の集中スペースの利用率を参考に、午後の集中スペース席数を昼休み中に調整することも可能である。本手法によれば、上記のような、什器・家具を用いる手法では困難な、時間毎、日毎、月毎などのサイクルでレイアウトを変化させるアクティブゾーニングが可能である。従来のオフィスシーンにとって、作業机や通路などの領域は、色温度や照度分布の均一性の高い照明を行うことが一般的であった。これに対し、本願はかような照明手法と制御方法を用いているので、とくにABWオフィスシーンにおいて、従来の照明の知見では予見しえなかった顕著な効果を実現できるのである。
図3は、環境制御システム10の主要構成を示すブロック図である。図3に示すように、環境制御システム10は、ベースライト3、スポットライト5、及びマルチマネージャーで構成される制御装置61の他、操作部64を有し、制御装置61は、制御部61aと、調光調色信号送信部61bと、記憶部61cを含む。制御装置61は、コンピュータ、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、制御部61a、すなわち、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、記憶部61cは、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリや、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。CPUは、記憶部61cに予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、不揮発性メモリは、制御プログラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。記憶部61cには、事前に設定された1以上のスポットライト5及び複数のベースライト3の夫々に関する位置情報及び機器識別情報が記憶されている。また、記憶部61cには、上述のシーン1からシーン4を再現する調光調色のデータが記憶されている。なお、開示例1では、8つの作業机D07~D014がデスクグループ1に所属し、6つの作業机D01~D06がデスクグループ2に所属したが、デスクグループ1やデスクグループ2に所属する作業机の数は、開示例1の場合に限らない。また、照明グループの数も開示例1のように3つに限らず、2以上の如何なる数の照明グループが存在してもよい。次に、位置情報及び機器識別情報と、環境制御システム10が備える各構成について詳細に説明する。
(情報について)
<位置情報>
位置情報とは、空間における実際の位置など座標の絶対値に類するような情報であっても良いし、あるスポットライトやベースライト、あるいは空間に既設の柱などを基準にした相対的な位置関係の情報でも良い。また、記憶部61cに格納される位置情報は、実際に設置されたスポットライトやベースライトの位置や位置関係を完全に再現できる必要はなく、一部のみ再現(定義)できる情報でもよい。また、位置情報は、ユーザの入力によって記憶部に記録されても良いし、AIやコンピュータのアルゴリズムによって記録されても良い。また、位置情報は、別途記憶部などに保存された図面データを参照にしたり、関連付けられながら設定・記録されてもよい。また、位置情報は、環境制御システムに含まれる全ての機器に付与もしくは関連付けられている必要はなく、ユーザの事情に応じて適宜選択可能でもよい。
<機器識別情報>
機器識別情報とは、スポットライトやベースライトの機器が識別できる情報であり、例えば、製造ナンバー、MACアドレス、IPアドレス、品番等で構成される。機器識別情報は、前述の位置情報や、グループ、シーンを設定・記録する際、あるいは機器の出力パラメータ(調色率・調光率など)を個別に設定・記録する際など、各機器が環境制御システムの中で、異なる機器が意図せずに同一のものと判断されないように用いられる。機器識別情報は、環境制御システムに含まれる全ての機器に付与もしくは関連付けられている必要はなく、付与もしくは関連付けられる機器はユーザの事情に応じて適宜選択可能である。
(各構成の具体的な態様)
<タスクライト>
タスクライトの機器形態は特に限定されるものではなく、タスクライトとしては、上述のスポットライト5の他、デスクライト、ダウンライト等を採用可能であるが、タスクライトとして、スポットライトのように特定領域に光を集めるような配光制御がなされたものであると、作業机の照明範囲を制御しやすいため好ましい。より詳しくは、スポットライト5は、図4に斜視図を示す形式、すなわち、人が外力を付与することでスポットライト5の照射方向を調整する構造を有してもよく、図5(a),(b)に斜視図を示す形式、すなわち、リモコンで二つの回転軸をモータ等で自在に回転させることで、スポットライト5の照射方向を下方のいずれの方向にも自動で調整できる構造のものでもよい。少なくとも1つのスポットライト5が、図5(a),(b)に示すもので、設置位置において照明光の出射方向をいずれの方向にも変更可能であると、集中スペースにおける長手方向の作業机間の隙間の自由度を高くできると共に、集中スペースにおける幅方向の作業机間の隙間の自由度も高くでき、集中スペースのレイアウトの自由度を高くできる。また、少なくとも1つのスポットライト5が、スポットライト5の照射方向をリモコンで自在に調整できる図5(a),(b)に示す形式である場合、脚立等を用いずに地上から安全にスポットライト5の照射方向を調整できる。更に述べると、上述のように、タスクライトとして、調光調色式のスポットライトを採用すると好ましい。
タスクライトは、作業者の作業、例えばパソコン操作作業、筆記作業、読書作業などの作業効率を高めるための照明であり、作業机の視対象領域に選択的に照射される照明である。視対象領域とは、作業机で作業をする際、一般的に視野に入り得る領域であり、例えば作業机の中心の奥側にパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)を置いて操作をする場合は、作業机の中央部が視対象領域の中心である。このとき、生理的要因であったり偶発的に生じる体勢や目線変化による視対象の変化は勘案しない、つまり、一時的な考え事や背伸びのために天井を見上げたり、壁際に目線を移したり、くしゃみや咳で床に目線を移したり、誰かに話しかけられたため目線を移したり、といった事象は、作業机D01~D14における視対象領域の有意な変化として考慮しない。
タスクライトの照明範囲は、視対象領域の一部に限定されていることが好ましく、例えば、作業机の面積に対して30%~90%が照明範囲であることが好ましい。タスクライトの照明範囲は、特に限定されるものではないが、略円形もしくは略多角形であることが好ましい。このようにすることで、視対象領域の明るさが、視対象領域ではない領域の明るさに対して明るくなり、周辺視野の認知的なノイズが低減する。よって、ワーカーの意識が、作業机側に向き、作業効率を高め易い。
ここで、照明範囲とは、作業机に到達する単位面積あたりの光量の最大値が半減する位置として算出可能であり、一般的には半値幅とよばれる範囲である。照明範囲は、公知の照度計を用いることで測定及び算出が可能である。タスクライトの色温度は、特に限定されるものではないが、4000K~6500Kであれば、認知上集中力を高め易くて好ましい。
<ベースライト>
ベースライトは室内の明るさを高めるための照明であり、室内を均一的に照射される照明である。ベースライトの配光分布は、室内を均一に照射するためにスポットライトと比べて広範囲であることが好ましい。ベースライトの色温度はとくに限定されるものではない。ベースライトは調光調色式であることが好ましい。ベースライトの機器形態は特に限定されるものではなく、シーリングライト、ラインライト、ペンダントライト、スポットライト、ライトバーなど任意のものを使用可能である。
<制御装置>
制御装置61は、タスクライトや、ベースライトを制御するための装置である。ここで、制御には、ON・OFF制御や調光調色制御が含まれる。制御装置61の機器形態は特に限定されるものではないが、制御装置61の機器形態としては、例えば、開示例1記載の照明制御デバイスおよび照明制御デバイスの制御アプリケーションを好適に採用できる。デバイスの制御アプリケーションは、図3に例示するタブレットの他、パソコン、スマートフォン等の別端末にインストールされていてもよく、この場合、ユーザにとって照明制御デバイスの設定・管理・運用がしやすいため好ましい。
図3に示す例では、制御装置61が、タブレット60に内包されているが、制御装置は、必ずしもタブレット等の操作端末に内包されている必要はなく、図6に示すように、環境制御システム70の制御装置71は、タブレット72等の操作端末とは別の端末やデバイスであってもよい。ここで、制御装置71は、その筐体が天井や壁面に埋め込まれる態様であってもよいし、地面や収納棚などに据置きされていてもよい。また、制御装置71は、タブレット72等の情報端末と有線で信号通信をして制御されても良いし、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)など無線で信号通信をして制御されても良い。この場合、図6には特に図示することはないが制御装置71に通信用の信号線を結線するためのポートや無線LANのアクセスポイントを有する通信装置が含まれていても良い。さらに、このとき、タブレット72などがスポットライト5やベースライト3と直接通信を行なわなくても良い。このとき、タブレット72の操作部75を使って設定したマッピング、シーン、グループ、制御スケジュール等、環境制御システム70を構成する器具の位置や制御条件の情報を、制御装置71へ送信し、制御装置71の記憶部76へ記録してもよい。この場合、タブレット72の電源をオフにした状態であったり、タブレット72をスポットライト5やベースライト3との通信範囲外の場所へ保管した場合でも、意図した環境制御を行うことができる。また、制御装置71は、液晶ディスプレイのような操作用のユーザーインタフェースを有していなくても良い。この場合、制御装置71は、小型化しやすくなり、設置容易性や意匠性が高まるので好ましい。なお、図6には、特に図示することはないが、タブレット72等の操作端末は、記憶部を有していても良い。また、図6に示す環境制御システム70は、図3もしくは後述の図8に示す環境制御システム10,110の変形例であるが、図6に示す環境制御システム70以外で実現可能で着想容易な態様の環境制御システムが多数存在することは明らかである。
<調光調色信号送信部>
調光調色信号送信部61bとは、タスクライト、及びベースライトに調光調色信号を送信し、調光及び調色の少なくとも一方を実行させる部分であり、制御装置61に含まれるものである。信号形式は特に限定されるものではなく、公知の調光信号、Wi-Fi、BlueTooth(登録商標)など任意のものが使用可能である。なお、上述の調光調色制御では、デジタル制御方式の調光調色制御について説明し、ライトコントロールからデジタル信号(PDCL)を送信する制御方式について説明した。ここで、この制御方式では、電源線に加え、デジタル制御用の信号線の配線が必要となる。このデジタル制御では、詳細情報の通信が可能である為多くの情報を用いた制御を行うことが可能になり、無線信号による制御もこの方式に含まれる。
しかし、調光調色制御を行うに際し、位相制御方式を採用してもよく、照明機器への電力を直接調節することで調光制御を実行してもよい。この方式では、照明機器への電源電流を直接制御するため、電圧変動の影響を受けやすいものの、専用信号線を別途引く必要が無いため、施工性に優れる。又は、調光調色制御を行うに際し、信号線式方式を採用してもよく、ライトコントロールから調光信号(デューティ信号)を送り、機器側の電源ユニットでLED等の発光部の明るさを制御してもよい。この方式では、電源線に加え、調光信号線の配線が必要になるが、電線電圧の影響を受けにくい為、チラツキのないスムーズな調光制御が可能になる。なお、タスクライトやベースライトのON・OFFのみの制御も、調光制御に含まれる。
<記憶部>
記憶部を構成するデバイスは、公知の如何なるものが採用されてもよい。また、記憶部は、図3に示す構成と異なり制御装置の内部に組み込まれていなくてよく、例えば、制御装置を含む情報端末とは別の情報端末、例えば、スマートフォン、タブレット、又はパソコン等、若しくは、クラウド上のサーバーやワークステーション、若しくは、外付け記憶媒体等で構成されてもよい。記憶部は、ユーザが基本設定するが、クラウドやAIで機械が書き換えて設定してもいい。
<複数機器のグループ情報>
複数の照明機器のグループ情報は、例えばアプリで管理される。グループ化は、例えば、タブレット端末を操作することで、設定・保存されてもよい。グループ化された複数機器には、同じ命令が一斉に飛び、例えば、同様の調光調色制御が施される。なお、グループ化された複数機器の調光調色制御、すなわち群制御に関し、信号遅延は許容され、機器の動作のばらつきも許容される。たとえば、許容される機器の動作のばらつきは30分以内であり、より好ましくは10分以内であり、さらに好ましくは1分以内であり、最も好ましくは10秒以内であり、この範囲に収まる信号あるいは命令の遅延は、グループ化されている複数機器の挙動に含まれる。機器の動作ばらつきが上記時間以内である場合、一般的な什器や家具の運搬や再設置を伴うレイアウト変更に比較して十分早く、かつ省労力でレイアウト変更が達成し易いため好ましい。グループの設定は、制御装置を操作するアプリケーションの機能として含まれている場合もあるが、必ずしも「グループ」という名称で定義されるとは限らない。制御装置を操作するアプリケーションあるいは制御装置に含まれる記憶部に、グループの設定をしておくと、ユーザにとって照明やその制御パラメータの管理・変更がし易くなるため好ましい。
<制御シーン情報>
複数の照明機器に対して、各機各様の調光率・調色率などの制御パラメータを設定し、再生することは、ユーザにとって大変煩雑な作業である。なぜなら、一般的なABWオフィスでは、照明機器を10台以上、ないしは30台以上、多い場合であれば100台以上使用するためである。そこで、複数の照明機器の制御パラメータを一括で記憶部に格納し、管理する手法が知られており、これを本願ではシーンと呼称する。このようにすることで、ユーザにとって、複数の照明機器に対する制御パラメータの条件の管理がしやすいだけでなく、所望のタイミングで、瞬時にそれらの条件を複数の照明機器へ反映させること(以下、再生と呼称する)も容易となるため、好ましい。さらに、ユーザは、複数種類のシーンをあらかじめ記憶部に格納しておくことによって、意図した2つ以上の設定条件を瞬時に切り替えることが可能である。各シーンの設定は、仕様ニーズによって、如何なるように設定されてもよく、例えば、図2に示す例とは異なり、例えば、シーン1に10台のベースライトの調光率を100%に設定し記憶部に保存し、さらにシーン2に前述の10台のベースライトの調光率を30%に設定し記憶部に保存してもよい。そして、シーン1を再生すれば、瞬時に10台のベースライトの調光率が100%に設定された状態に遷移するし、この状態からシーン2を再生すれば、瞬時に10台のベースライトの調光率が30%に設定された状態に遷移するようにしてもよい。このようにすると、毎回10台の照明機器の調光率を設定しなおす作業より、はるかに短時間かつ省労力で多数の照明機器の調光制御を実現できて好ましい。なお、シーンの設定は、制御装置を操作するアプリケーションの機能として含まれている場合もあるが、必ずしも「シーン」という名称で定義されるとは限らない。また、各シーンの設定は、次のようにグループ1、2のシーンを設定してもよい。例えば、シーン1では、グループ1:調光率0%、グループ2:調光率50%に設定されてもよく、シーン2では、グループ1:調光率50%、グループ2:調光率0%に設定されてもよい。このようにシーンを設定すれば、ワーカーが集中し易いゾーンと、ワーカーがリラックスし易くて他のワーカーとコミュニケーションをとり易いゾーンとを瞬時に交換させることができ、二つのゾーンの規模が異なる場合に、ニーズによって、各ゾーンの規模を瞬時に変更させることができる。なお、シーン化された複数機器の調光調色制御、すなわち群制御に関し、信号遅延は許容され、機器の動作のばらつきも許容される。たとえば、許容される機器の動作のばらつきは30分以内であり、より好ましくは10分以内であり、さらに好ましくは1分以内であり、最も好ましくは10秒以内であり、この範囲に収まる信号あるいは命令の遅延は、シーン化されている複数機器の挙動に含まれる。
以上、環境制御システム10における制御、及び各構成の具体的な態様について説明した。本項目では、上述の説明から明らかになった、環境制御システム10の作用効果について説明する。
環境制御システム10は、ABWオフィス(室)20内の視対象領域(作業机D01~D14の上面の中央部付近)を照明するための1つ以上のスポットライト(タスクライト)5と、ABWオフィス20内において視対象領域よりも広範囲な領域を照明するための複数のベースライト3と、制御装置61と、を備える。また、制御装置61は、スポットライト5及びベースライト3に対し調光・調色を制御する信号を送信する調光調色信号送信部61bと、事前に設定されたスポットライト5及びベースライト3の位置情報、及び機器識別情報を記憶する記憶部61cとを有する。また、制御装置61は、記憶部61cに格納された情報を用いて、調光調色信号送信部61bから送信される信号により少なくとも1つのスポットライト5と複数のベースライト3の調光・調色制御を連動するように実行する1以上の群制御を実行可能である。そして、1以上の群制御には、少なくとも1つのスポットライト5の一例としてのグループ1に所属する8個のスポットライト5が点灯するとき、その近傍領域に設置されたベースライト3の一例としての8個のスポットライト5の夫々に最も近い8個のベースライト3の光量が、タスクライトが点灯していない領域のベースライトの一例としての該8個のベースライト3以外の20個のベースライト3の光量以下になるように、8個のスポットライト5と28個のベースライト3を制御する制御が含まれる。
したがって、上で詳細に説明したように、点灯しているスポットライト5の近傍領域を、タスクライトが点灯していない領域と分断でき、点灯しているスポットライト5の近傍領域を人が集中し易い領域にできる。
また、記憶部61cに複数機器3,5の照明グループ1~3の情報(グループ情報)が格納されていてもよい。そして、複数機器3,5の照明グループ1~3の情報は、1つ以上のスポットライト5と1つ以上のベースライト3が混合する複数のグループ(照明グループ1,3)の情報を含んでもよい。また、図2のシーン1の制御のように、1つ以上のスポットライト5が点灯するとき、それと同一の照明グループ1に含まれる一部又は全部のベースライト3の光量が、スポットライト5が含まれない照明グループ2に含まれるベースライト3、もしくは1以上のスポットライト5を有しているが点灯しているスポットライト5が存在しない照明グループ3に含まれる一部又は全部のベースライトの光量以下になるよう制御されてもよい。
本構成によれば、スポットライト5が点灯するとき、それと同一の照明グループ1に含まれる複数の照明機器が照明する領域を、それ以外のグループに所属する照明機器が照明する領域に対して大局的に暗くできる。よって、外観上の空間の分割感を際立たせることができ、スポットライト5が点灯する照明グループ1に含まれる複数の照明機器が照明する領域を、より人が集中し易い空間にすることができる。
また、記憶部61cに制御シーン情報が格納されてもよい。また、その制御シーン情報には、スポットライト5が点灯する1以上の第1シーン(図2の第1~第3シーン)の情報と、スポットライト5が点灯しない1以上の第2シーン(図2の第4シーン)の情報が含まれてもよい。また、1つ以上のスポットライト5と複数のベースライト3が実現可能な複数のシーンには、第1シーン(図2の第1~第3シーン)におけるスポットライト5の近傍領域に設置されたベースライト3の光量が、第2シーン(図2の第4シーン)におけるスポットライト5の近傍領域に設置されたベースライト3の光量以下になるように制御される、第1シーン(図2の第1~第3シーン)と第2シーン(図2の第4シーン)が含まれてもよい。
本構成によれば、他のシーンを再現すべく、他の群制御を瞬時に実行できるので、各シーンの切り替えを瞬時に実行でき、ニーズに応じてオフィスのレイアウトを数秒で変更することができる。よって、時間毎、日毎、月毎などのサイクルで生じるワーカーや組織の流動的なワークパフォーマンスや各スペースに対するニーズに対しても容易に対応するアクティブゾーニングを実現できる。更には、休閑日の場合等、集中スペースの領域を小さくした方が、組織のストレス低減や、コミュニケーション量を高めやすい場合に、シーンを第2シーン(図2の第4シーン)に瞬時に切り替えできる。よって、ニーズに対する自由度が高いABWオフィス20を実現できる。
また、記憶部61cに複数機器3,5のグループ情報および制御シーン情報が格納されてもよい。また、制御シーン情報に、図2の第1シーンに示すように、グループ情報に関連づけられると共に、スポットライト5が点灯するグループ(図2の照明グループ1)とスポットライト5が点灯しないグループ(図2の照明グループ2)が隣接した状態になることで生じるシーンの情報が含まれてもよい。
本構成によれば、スポットライト5が点灯している領域に対してその周囲の領域をより薄暗くできる。よって、スポットライト5が点灯している領域におけるその周囲の領域に対する分断の度合を高くできる。
また、記憶部61cに複数機器3,5のグループ情報および制御シーン情報が格納されてもよい。また、制御シーン情報に、図2の第1シーンに示すように、グループ情報に関連づけられると共に、スポットライト5が点灯するグループ(図2の照明グループ1)の照明光とスポットライト5が点灯しないグループ(図2の照明グループ3)の照明光とを含むシーンの情報が含まれてもよい。また、スポットライト5が点灯するグループ(図2の照明グループ1)に含まれるベースライト3からそのスポットライト5の視対象領域へ到達する単位面積あたりの光量が、スポットライト5が点灯しないグループ(図2の照明グループ3)に含まれるベースライト3からそのスポットライト5の視対象領域へ到達する単位面積あたりの光量以下になるように制御されてもよい。
本構成によれば、集中スペースにおいて、視対象領域をスポットライト5からの光で重点的に照らすことができる。よって、人の集中をより効果的に喚起することができる。
また、記憶部61cに複数機器3,5のグループ情報および制御シーン情報が格納されてもよい。また、制御シーン情報に、図2の第1シーンに示すように、グループ情報に関連づけられると共に、スポットライト5が点灯するグループ(図2の照明グループ1)の照明光とスポットライト5が点灯しないグループ(図2の照明グループ3)の照明光とを含むシーンの情報が含まれてもよい。
また、記憶部に複数機器のグループ情報および制御シーン情報が格納されてもよい。また、制御シーン情報に、グループ情報に関連づけられると共に、タスクライトが点灯するグループの照明光とタスクライトが点灯しないグループの照明光とを含むシーンが含まれてもよい。また、タスクライトが点灯するグループに含まれるタスクライトとベースライトからそのタスクライトの視対象領域へ到達する単位面積あたりの光量が、タスクライトが点灯しないグループに含まれるベースライトからそのタスクライトの視対象領域へ到達する単位面積あたりの光量以下になるように制御されてもよい。
本構成によれば、タスクライトが点灯している領域を、その周囲の領域より薄暗くできる。よって、タスクライトが点灯している領域におけるその周囲の領域に対する分断の度合を高くできる。
また、記憶部に複数機器のグループ情報および制御シーン情報が格納されてもよい。また、制御シーン情報に、グループ情報に関連づけられると共に、タスクライトが点灯するグループの照明光とタスクライトが点灯しないグループの照明光とを含むシーンの情報が含まれてもよい。また、タスクライトが点灯するグループに含まれるベースライトからそのタスクライトの視対象領域へ到達する単位面積あたりの光量、及びタスクライトが点灯しないグループに含まれるベースライトからそのタスクライトの視対象領域へ到達する単位面積あたりの光量の夫々が、視対象領域ではない領域へ到達する単位面積あたりの光量よりも大きくなるように制御されてもよい。
本構成によれば、集中空間と共創空間における作業領域を視対象領域ではない領域よりも明るくでき、集中空間及び共創空間のいずれの空間においても、効率的な作業を促進できる。
更には、前述のように、各シーンの切り替えを意図的に瞬時に行わなくても、顕著な作用効果を有する場合がある。詳しくは、所定時間以上の時間をかけて徐々にシーンを切り替えてもよく、例えば、30分間かけて、徐々にシーンを切り替えてもよい。
本構成によれば、所定時間以上の時間をかけて徐々にシーンを切り替えるので、例えば、ワーカーにその変化を認知させないまま、集中ゾーンに移行することが可能になる。したがって、ワーカーは自然に集中ワークに移行し易くなり、例えば、業務の終了定時刻2時間前程度にこの制御を行うことで、ワーカーの残業時間を低減しやすくなり、結果として心身ストレスを溜めにくいABWオフィスを実現し易くなる。あるいは、気づかぬうちに周辺視野が暗くなっているため、時計が発明される以前の時代の農作業者が日暮れのタイミングでその作業を終え本能的に帰宅をするかのごとく、心理的に帰宅に意識が向きやすい効果も期待でき、結果として、ワーカーの残業時間が低減し、心身ストレスを溜めにくいABWオフィスを実現し易くなる。
この変形例の場合において、各シーンの切り替えの時間は、その効果が発現しうる範囲において特に限定されるものではない。例えば、各シーンの切り替えの時間は、10分以上70分以下に含まれる如何なる時間でもよく、例えば、上述の30分、若しくは60分を好適に採用できる。また、シーン切り替え途中のシーン変遷は、変更前のシーンの調光調色条件と変更後のシーンの調光調色条件の経過時間に応じた割合の混合条件、すなわち、いわゆるクロスフェード様のシーン変遷であっても良い。又は、シーン切り替え途中に、切り替え途中用の1以上の別のシーンを再生しても良く、アニメーションの手法でシーンを徐々に切り替えるようにしてもよい。このように、ワーカーに認知されないほど徐々にレイアウトを変更することは、従来の什器や家具によるレイアウト変更では不可能であり、本発明の顕著な効果作用である。
なお、開示例1では、記憶部61cが、事前に設定された複数機器3,5のグループ情報、及び制御シーン情報を記憶する場合について説明した。しかし、記憶部は、事前に設定された1以上のタスクライト及び複数のベースライトの位置情報、及び機器識別情報を記憶していればよく、1以上のタスクライト及び複数のベースライトのグループ情報、及び制御シーン情報のうちの一方又は両方を記憶していなくてもよい。本開示の環境制御システムの制御装置は、1以上のタスクライト及び複数のベースライトの位置情報、及び機器識別情報と、点灯しているタスクライトの位置情報と機器識別情報とのうちの少なくとも一方の情報とに基づいて、少なくとも1つのタスクライトが点灯するとき、その近傍領域に設置されたベースライトの光量が、タスクライトが点灯していない領域のベースライトの光量以下になるように、少なくとも1つのタスクライトと複数のベースライトを制御できればよい。
[開示例2]
上記開示例1では、ゾーニングを、照明光を用いて実行する場合について説明したが、ゾーニングを、照明光のみならず、音(サウンド)の出力も用いて実行してもよい。開示例2では、照明光のならず、音響効果も用いたゾーニングについて説明する。
図7は、開示例2の環境制御システム110における図1に対応するレイアウト配置図である。また、図8は、開示例2の環境制御システム110における図3に対応するブロック図である。図7に示すように、環境制御システム110は、開示例1の環境制御システム10との比較において、ダクトレール104に複数のスピーカ109(例えば、LSPX-103E26:ソニー)を取り付けた点が異なる。また、図8に示すように、開示例2では、環境制御システム110の制御装置161は、調光調色信号送信部161bに加えて音信号送信部161cを有し、複数のスピーカ109に出力する音情報を含む信号を出力する。環境制御システム110の音制御部は、如何なる情報機器に内蔵されていてもよく、例えば、パソコン、タブレット、スマートフォン、シングルボードコンピュータ等に内蔵されていてもよい。
より詳しく、複数のスピーカ109の音響効果について説明すると、図7に示すように、環境制御システム110では、ダクトレール104に4つの第1~第4スピーカ109a~109dが取り付けられ、各スピーカ109a~109dを、無線でステレオ接続した。また、第1スピーカ109aと第2スピーカ109bがスピーカ群1を構成し、第3スピーカ109cと第4スピーカ109dがスピーカ群2を構成するようにした。そして、スピーカ群1に所属する第1及び第2スピーカ109a,109bが同一の第1音声コンテンツを出力し、スピーカ群2に所属する第3及び第4スピーカ109c,109dが同一の第2音声コンテンツを出力するようにした。スピーカ群1に所属する第1及び第2スピーカ109a,109bは、デスクグループ1の領域に存在する人に音を出力し、スピーカ群2に所属する第3及び第4スピーカ109c,109dは、デスクグループ2の領域に存在する人に音を出力する。なお、スピーカ群1に所属するスピーカの数は、如何なる数でもよく、スピーカ群2に所属するスピーカの数も、如何なる数でもよい。また、スピーカ109として、指向性スピーカ、例えば、パラメトリック・スピーカー等を採用してもよい。パラメトリック・スピーカーでは、超音波が使われるため、音の出力方向に顕著な指向性を持たせることができる。
係る構成で、例えば、デスクグループ1の上部にあるスピーカ群1から、小川のせせらぎの音を録音したサウンドコンテンツをスマートフォン経由で再生した。同時に、デスクグループ2の上部にあるスピーカ群2から、ジャズやボサノバの音楽を録音したサウンドコンテンツを前述とは別のスマートフォン経由で再生した。ここで、デスクグループ1に属するデスクに着席すると、小川のせせらぎ音が聞こえ、ジャズやボサノバ音楽は、わずかに聞こえるばかりであった。一方、デスクグループ2に属するデスクに着席すると、ジャズ・ボサノバ音楽が聞こえ、小川のせせらぎ音は、わずかに聞こえるばかりであった。以上より、例えば、かような構成にすると、異なるデスクグループ単位で、異なるコンテンツをある程度選択的に提供可能であることが確認できた。
更には、開示例2では、スピーカ群1及び2からの音の出力に加えて開示例1で説明したシーンの再生も行った。各シーンにおいて各照明機器が出力する音の情報は、予め記憶部161dに格納しておいた。例えば、スピーカ群1及び2からの音の出力に加えて、照明制御として上述のシーン1を再生した場合、デスクグループ1には、開示例1で説明した照明による集中ワークの効率を高めやすい効果と、小川のせせらぎ音による集中ワークの効率を高めやすい効果が重畳することになる。よって、その重畳の相乗効果によって、デスクグループ1のゾーンを、集中ワークの効率を各段に高め易い領域に変えることができる。
小川のせせらぎ音は、全周波数領域に強度をもつ、いわゆるホワイトノイズ、ブラウンノイズと呼称される音の特性に近い。この特性は、周波数対強度のフーリエ変換スペクトルとしてグラフで表現した場合において、全周波数領域に強度をもたないフーリエ変換スペクトルのグラフ、例えば、ピアノの特定の音階音の周波数対強度のフーリエ変換スペクトルのグラフとの比較において、グラフ中の音の周波数特性がブロードであると言及することができる。この特性をもつ音は、周波数領域に強度をもたない傾向のある音と比較して、様々な周波数を持ってデスクグループ1以外の場所から外来する集中ワークの効率を低めうるノイズ、例えば、物音、話し声等を、キャンセルし易いという顕著な作用効果を有する。したがって、デスクグループ1で作業するワーカーは、外来のノイズを聞こえにくくなる。よって、デスクグループ1のゾーンをよりワーカーが作業に集中し易くて作業に没頭し易い領域にできる。
集中ワークの効率を高めうるサウンドのコンテンツとして、前述のホワイトノイズ、ブラウンノイズと呼称される特性に近いものが好適であるが、特にこの限りではない。例えば、小鳥のさえずり音、森の葉擦れ音、海の波音など自然環境音を主体とするものでも良いし、音楽用シンセサイザーなどで波形合成される電子音を主体に構成される音楽であっても良い。サウンドコンテンツは、自然音をそのまま録音したものでも良いし、人間が作曲したものでも良いし、コンピュータアルゴリズムやAIや人工知能が作曲したものでも良い。サウンドコンテンツは、以上の多種のサウンドがミックスされたものでも良い。
一方、デスクグループ2の存在領域には、ジャズやボサノバの音楽を録音したサウンドコンテンツの出力に加えて、シーン1が再生されることになるので、開示例1で説明したように、色温度が低い照明光の照射に基づく、リラックス感や複数人による円滑なコミュニケーションを促進させ易い効果と、ジャズやボサノバ音楽によるリラックス感や複数人での円滑なコミュニケーションを促進させ易い効果が重畳することになる。したがって、その重畳による相乗効果でデスクグループ2のゾーンを、ワーカーが各段にリラックスできて複数人での円滑なコミュニケーションも各段に図り易い領域にできる。
ジャズ・ボサノバ音楽は、前述のホワイトノイズやブラウンノイズと比べて、周波数対強度のフーリエ変換スペクトルのグラフにおける音の周波数特性がブロードでないという特性をもつ。これは、ジャズやボサノバを主体的に奏でるピアノ、サックス、ベースなどの楽器が、特定の単一音階、すなわちド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドおよびその半音階の音を出力するように厳密的にチューニングされた状態で使用されることに起因する。したがって、前述の外来ノイズに対するノイズキャンセルの機能は、乏しくなり易いが、そもそもリラックスや複数人でのコミュニケーションを行うことを意図とする共創スペースには、ノイズキャンセルの機能に対するニーズは希薄であるため、ノイズキャンセルの機能を乏しくしても大きな弊害が生じることはない。
更には、ジャズやボサノバなどは、カフェやリラクゼーション施設において好んで提供されているサウンドコンテンツであり、リラックスや複数人での円滑なコミュニケーションを促進させる場合に頻繁に用いられている。したがって、そのことからも明らかなように、これらのサウンドコンテンツを用いれば、ワーカーがリラックス感や安らぎ感を感じることができ、円滑なコミュニケーションを実現させることができる。
なお、リラックス感や複数人による円滑なコミュニケーションを促進できるサウンドのコンテンツとして、ジャズやボサノバと呼称される特性に近いものを採用すると好適であるが、特にこの限りではない。例えば、リラックス感や複数人による円滑なコミュニケーションを促進できるサウンドのコンテンツとして、クラシック音楽、ヒーリング音楽、自然環境音等を採用してもよい。そのようなサウンドコンテンツは、自然音をそのまま録音したものでも良いし、人間が作曲したものでも良いし、コンピュータアルゴリズムやAIや人工知能が作曲したものでも良い。サウンドコンテンツは、以上の多種のサウンドがミックスされたものでも良い。
以上の説明から明らかなように、照明制御とサウンド制御は連動することが好ましく、各デスクグループに支配的に提供されうる照明およびサウンドコンテンツの主旨が一致していることがより好ましい。このようにすることで、各デスクグループが意図する主旨の効果が重畳することで相乗効果を生み出し、各デスクグループが意図する主旨の効果を顕著なものにできる。
なお、照明制御とサウンド制御が連動する場合、厳密にその動作が同期している必要はなく、例えば照明のシーン切替えの開始時間もしくは終了時間と、サウンドコンテンツの切替えの開始時間もしくは終了時間が、多少ずれていても、前述の作用効果は失われない。また、そのようなずれが生じている場合において、照明のシーン切替えの開始時間もしくは終了時間と、サウンドコンテンツの切替えの開始時間もしくは終了時間においてずれた時間は、如何なる時間でもよいが、30分以内であると好ましく、10分以内であるより好ましく、1分以内であるとさらに好ましく、10秒以内であると最も好ましい。当該ずれた時間が30分以内である場合、一般的な什器や家具の運搬や再設置を伴うレイアウト変更に比較して十分早く、かつ省労力でレイアウト変更を達成できる。
<シーン1における空間の照度および音量の評価結果>
次にシーン1における空間の照度および音量の一試験結果について説明する。図9は、開示例2で音を出力すると共にシーン1を再現しているときに各照明機器103,105が照射している照射光の情報と、各スピーカ109a~109dが出力している音の情報とを説明する模式図である。また、図10は、開示例2のABWオフィス120において、照明シーン1を再生し、更に、スピーカ群1から小川のせせらぎ音を再生すると共にスピーカ群2からジャズやボサノバ音楽を再生したときに、デスクD12からD03を横断するように配置した照度計(CL-200:コニカミノルタ)および騒音計(SD-2200:FUSO)で空間の照度および音量を測定したときの一試験例の結果を示すグラフである。なお、図10において、y1は、照度に関する関数であり、y2は、音量に関する関数である。
図10に示すように、本試験例では、デスクグループ1とデスクグループ2との間に設けられる通路に関し、照度及び音量が最も小さくなっている。そして、その通路の両側で異なる照明光の照射と異なるサウンドコンテンツの再現が実行される。また、デスクグループ1では、デスク面で照度が局所的に急激に大きくなる照明光を実現できている。更には、デスクグループ1では、人の集中を促進するサウンドコンテンツが大音量で再現されており、デスクグループ2では、人にリラックス感や安らぎ感を与えるサウンドコンテンツがデスクグループ1で出力されている音量の半分程度の音量で出力されている。このことから、本試験例では、デスクグループ1の周辺領域と、デスクグループ2の周辺領域とを明確に分離(分断)でき、優れたゾーニングを実現できている。また、デスクグループ1の周辺領域と、デスクグループ2の周辺領域の夫々で再現されている照明光とサウンドコンテンツにより、デスクグループ1の周辺領域を、人が特に作業に集中し易い優れた集中スペースとでき、他方、デスクグループ2の周辺領域を、人が特にリラックス感を感じ易くて複数人がコミュニケーションを行うことにも長ける優れた共創スペースにできる。
<第2開示例で採用されると好ましい構成及びその構成によって導かれる作用効果>
開示例2で説明したように、環境制御システム110において、記憶部161dに複数機器103,105のグループ情報および制御シーン情報が格納されていてもよい。また、制御シーン情報に、グループ情報に関連づけられると共に、スポットライト105が点灯するグループの照明光とスポットライト105が点灯しないグループの照明光とを含むシーンの情報が含まれてもよい。そして、視対象領域に向けてサウンドを伝達するためのスピーカ109を更に備え、制御装置161が、スピーカ109にサウンドコンテンツを送信するための音信号送信部161cと、サウンドコンテンツを記憶するための音記憶部と、サウンドコンテンツの制御スケジュール、及び音量のうちの少なくとも一方を制御するための音制御部と、を有してもよい。そして、スポットライト105が点灯するグループからそのスポットライト105の視対象領域へ到達するサウンドコンテンツの周波数特性が、スポットライト105が点灯しないグループからそのスポットライト105の視対象領域へ到達するサウンドコンテンツの周波数特性と異なってもよい。
本構成によれば、ゾーニングを顕著に実行でき、各ゾーンにおいて意図する主旨の効果を顕著なものにできる。より詳しくは、ゾーニングの効果、すなわち各ゾーンの有する機能、例えば集中しやすい領域、リラックスしやすい領域などをより顕著に分割しやすいため、好ましい。このとき、各ゾーンのサウンドコンテンツの周波数特性は、公知のマイクロフォン、収音機器で録音された音声の時系列データを高速フーリエ変換することで得られ、それらを比較することによって、各ゾーンのサウンドコンテンツが異なっているか、あるいはどの程度異なっているかを判別することができる。
また、スポットライト105が点灯するグループからそのスポットライト105の視対象領域へ到達するサウンドコンテンツにおける高速フーリエ変換におけるスペクトル幅が、スポットライト105が点灯しないグループからそのタスクライトの視対象領域へ到達するサウンドコンテンツにおける高速フーリエ変換におけるスペクトル幅よりも広くてもよい。
本構成によれば、スポットライト105が点灯する領域をより人が集中し易い領域にできる。
[変形例等]
環境制御システムは、室内の人の位置情報、人の入退室情報、日時に対する情報、室内の人のバイタル情報、人の動きを検知するための加速度計の加速度情報、ID情報、室内に含まれるスペースの利用状況情報、室内に含まれるスペースの予約情報、室の温度情報、室の湿度情報、室内を照らす照明光の照度情報、室内に出力された音の音響情報、及び室内に含まれるスペースの利用状況の学習に基づく利用評価情報のうちの1以上を検知するための検知部を備えてもよい。また、環境制御システムは、その検知部の情報を記憶する検知情報記憶部と、その情報を分析する検知情報分析部と、を更に備えてもよい。そして、検知部の情報及び検知情報分析部の情報のうちの少なくとも一方を用いて、調光・調色が制御されてもよい。
又は、環境制御システムは、室内の人の位置情報、人の入退室情報、日時に対する情報、室内の人のバイタル情報、人の動きを検知するための加速度計の加速度情報、ID情報、室内に含まれるスペースの利用状況情報、室内に含まれるスペースの予約情報、室の温度情報、室の湿度情報、室内を照らす照明光の照度情報、室内に出力された音の音響情報、及び室内に含まれるスペースの利用状況の学習に基づく利用評価情報のうちの1以上を検知するための検知部を備えてもよい。また、環境制御システムは、その検知部の情報を記憶する検知情報記憶部と、その情報を分析する検知情報分析部と、を更に備えてもよい。そして、検知部の情報及び検知情報分析部の情報のうちの少なくとも一方を用いて、サウンドコンテンツの制御スケジュール、及び音量のうちの少なくとも一方が制御されてもよい。
例として、このうちの2つの場合により詳しい説明を行うと、例えば、上述の開示例1において、更に、図11に斜視図を示す公知の全方位カメラ180がABWオフィス20における出入口付近の上方に設置されてもよい。そして、図12(a)に示す制御のフローチャートのように、制御装置61は、ABWオフィス20に環境制御システム10が設置されて駆動した時、ステップS1で全方位カメラ180からの無線又は有線による信号に基づいて、ABWオフィス20内の人の数が所定人数以上か否かを判定してもよい。
そして、ステップS1で否定判定すると、ステップS2に移行して、図2に示すシーン1を再現する一方、ステップS1で肯定判定すると、ステップS3に移行して、図2に示すシーン3を再現し、その後、制御がリターンとなって、ステップS1以下が繰り返されてもよい。
本制御によれば、例えば、オフィスの繁忙日など集中スペースのニーズが高い日に、シーン3を自動的に再現できて、オフィスの集中スペース席数を8席から14席に増席でき、ワーカーの集中スペースのニーズを満たすことで、結果としてワーカーや組織のワークパフォーマンスを高めやすくなる。
また、上述の開示例1において、更に、制御装置61の記憶部61cに、各スポットライト5及び各ベースライト3における所定期間(日時)の調光制御に関する光制御情報が記憶される記憶部を備えてもよい。そして、制御装置61が、その光制御情報に基づいて各スポットライト5及び各ベースライト3の調光制御を実行してもよい。
より具体的には、例えば、図12(b)に示す制御のフローチャートのように、制御装置61は、ABWオフィス20に環境制御システム10が設置されて駆動した時、ステップS11で、内蔵するタイマからの情報に基づいて、所定期間であるか否かを判定してもよい。ここで、例えば、所定期間は、休閑日に設定できる。
そして、ステップS11で否定判定すると、ステップS12に移行して、図2に示すシーン1を再現する一方、ステップS11で肯定判定すると、ステップS13に移行して、図2に示すシーン4を再現し、その後、制御がリターンとなって、ステップS11以下が繰り返されてもよい。
本変形例によれば、休閑日の場合に、自動的にシーン4が再現される。よって、休閑日の場合に、集中スペースの席数を0席にできると共に共創スペースを14席にできるので、組織のストレス低減を実現でき、コミュニケーションの量や質も高くできる。
3,103 ベースライト、 5,105 スポットライト、 10,70,110 環境制御システム、 20,120 ABWオフィス、 61,71,161 制御装置、 61a 制御部、 61b,161b 調光調色信号送信部、 61c,76,161d 記憶部、 109,109a,109b,109c,109d スピーカ、 161c 音信号送信部、 180 全方位カメラ。

Claims (4)

  1. 室内を照明する複数の照射部と、
    前記室内にサウンドを出力するスピーカと、
    人の前記室内の利用に関する情報を取得する情報取得部と、
    制御装置と、を備え、
    前記複数の照射部のうちの2以上は、照射領域が異なり、
    前記制御装置が、前記情報取得部からの情報に基づいて、調光・調色の制御、及び、前記スピーカが出力するサウンドの制御のうちの少なくとも1つを実行可能である、環境制御システム。
  2. 前記スピーカを複数有し、
    前記複数のスピーカのうちの2以上は、サウンド出力領域が少なくとも一部で異なり、
    前記制御装置が、前記情報取得部からの情報に基づいて、前記サウンドの制御を実行可能である、請求項1に記載の環境制御システム。
  3. 前記スピーカは、ダクトレールに取り付け可能であり、
    前記複数の照射部のうちの少なくとも1つは、前記ダクトレールに取り付け可能である、請求項1又は2に記載の環境制御システム。
  4. 前記情報取得部からの情報を記憶する情報記憶部と、
    前記情報取得部からの情報を分析する情報分析部と、を備え、
    前記制御装置が、前記情報分析部からの情報に基づいて、調光・調色の制御、及び、前記スピーカが出力するサウンドの制御のうちの少なくとも1つを実行可能である、請求項3に記載の環境制御システム。
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