JP2014154483A - 執務環境調整システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】執務環境調整システム1は、執務室Rの全体を照らすアビエント照明部10と、複数の執務領域Tのそれぞれをアビエント照明部10よりも高い照度で照らす複数のタスク照明部20と、複数の執務領域Tのそれぞれに向けて音を流す複数のサウンドマスキング部30と、複数の執務領域Tのうち、現に執務が行われる現行執務領域を選択する選択部40と、現行執務領域に対してタスク照明部20を点灯すると共に、現行執務領域又はこれに隣接する隣接領域に対してサウンドマスキング部30を鳴らす制御部50と、を備える。
【選択図】図1
Description
このような場合には、ミーティング等の会話が周囲に聞こえてしまうため、周囲の執務者の集中力が阻害されて、執務の生産性・効率性が低下するおそれがある。また、会話の内容が第三者に漏れ聞こえてしまうことで、プライバシーが損なわたり、機密情報が漏洩したりするおそれもある。
サウンドマスキングシステムは、会話を伴う執務者らの周囲で、ホワイトノイズ等を鳴らことで、話し声は聞こえるが会話内容はわかりにくい状況をつくりだすものである。これにより、周囲の執務者の執務環境を保ちながら、会話内容の漏洩等を防止できる。
しかし、物理的にパーテーションを設置できない場合がある。例えば、一つの長机(ミーティングテーブル)で、会話を伴う執務と会話を伴わない執務が混在する場合である。また、オフィスデザイン等の都合からパーテーションを設置できない場合もある。
さらに、会話を伴う執務や行われるテーブル等が一定ではなく、任意のテーブル等で行われる場合には、衝立等を移動する手間がかかるため、衝立等を設置することなく執務が行われてしまう。このため、周囲の執務者の生産性が損なわれてしまう。
なお、以下の説明において、nは任意の自然数を意味する。
図1は、本発明の実施形態に係る執務環境調整システム1を示す図(ミーティングルームRの上面図)である。図1では、執務環境調整システム1によりミーティングルームRが基本環境に設定された状態である。
図2は、ミーティングルームRの側面図である。
各図面では、選択部40等を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
以下では、執務テーブルT1〜T8のいずれかを指す場合、執務テーブルTnと呼ぶ場合がある。nは、1〜8の自然数である。
執務テーブル(執務領域)Tには、それぞれ複数の椅子が付属する。例えば、1台の執務テーブルTに対して4脚の椅子が付属する。
執務環境調整システム1は、アビエント照明部10、タスク照明部20、サウンドマスキング部30、選択部40及び制御部50から構成される。
つまり、アビエント照明部10は、作業(タスク)が行われている場所の周囲(アンビエント)を照らす。アビエント照明部10は、天井、壁、床などを照明することで、ミーティングルームRの全体の安全性や快適性などを確保する。例えば、アビエント照明部10からの照明は、照度が200±50lx、色温度が4000±500Kである。
アビエント照明部10を構成する照明器具の型式、数、方式(直接照明、間接照明)等は、任意である。例えば、ミーティングルームRの天井に照明器具を設置してもよいし、執務テーブルT同士の間に照明器具を設置してもよし、これらを組み合わせてもよい。
アビエント照明部10は、ミーティングルームRが使用される場合(時間帯)には、常に点灯した状態に維持される。
タスク照明部20は、執務テーブルTの机上や対象物(書類等)を正確・十分に視認できるようにする。例えば、タスク照明部20からの照明は、照度が500±200lx、色温度が4000±1000Kである
初期状態では、タスク照明部20は消灯した状態である。
以下では、タスク照明21〜28のいずれかを指す場合、タスク照明2nと呼ぶ場合がある。nは、1〜8の任意の自然数である。
広範囲照明モードWは、各執務テーブルTとその執務テーブルTに向かっている執務者Hの着座範囲を含めた範囲を照らすモードである。狭範囲照明モードSは、各執務テーブルTと同一範囲を照らし、その執務テーブルTに向かっている執務者Hは照らさないモードである。
タスク照明21〜28を構成する照明器具の型式、数等は、任意である。例えば、ミーティングルームRの天井に照明器具を設置してもよいし、執務テーブルT1〜T8の机上にそれぞれデスクライトを設置してもよい。
例えば、サウンドマスキング部30からの音は、周波数が100〜2000Hzの広い音域を含み、音の強さが45〜55dBである。暗騒音(サウンドマスキング部30がOFFの場合)に比べて、音の強さが0〜5dB程度大きくなるように設定される。
サウンドマスキング部30は、ホワイトノイズの他、川のせせらぎ・鳥の声など自然の音(環境音)、楽器音(演出音)等を鳴らしてもよい。また、これらを組み合わせた音を鳴らしてもよい。
初期状態では、サウンドマスキング部30は停止した状態である。
以下では、スピーカー31〜38のいずれかを指す場合、スピーカー3nと呼ぶ場合がある。nは、1〜8の任意の自然数である。
ミーティングルームRで執務を行おうとする執務者Hが選択部40を操作して、8つの執務テーブルT1〜T8のいずれかを選択して、現行執務テーブル(現行執務領域)Jに設定する。
スイッチ部41〜48には、それぞれ3つの選択ボタン41A,41B,41C〜41A,41B,41Cが設けられる。
以下では、スイッチ部41〜48のいずれかを指す場合、スイッチ部4nと呼ぶ場合がある。また、選択ボタン41A,41B,41C〜41A,41B,41Cのいずれかを指す場合、選択ボタン4nA,4nB,4nCと呼ぶ場合がある。nは、1〜8の任意の自然数である。
各執務テーブルT1〜T8では、選択ボタン41A,41B,41C〜48A,48B,48Cのいずれか一つのみが選択される。初期状態では、選択ボタン41C〜48Cが押圧された状態となる。
選択ボタン(第一設定部)41A〜48Aは、執務テーブルT1〜T8を会話テーブルJAに設定するためのボタンである。会話テーブルJAに設定された状態を、ミーティングモードともいう。
会話テーブル(会話領域)JAは、会話を伴う執務が行われる現行執務テーブルJである。例えば、複数人の執務者Hがミーティングを行う場合が、会話を伴う執務に該当する。
事務テーブル(事務領域)JBは、会話を伴わない執務が行われる現行執務テーブルJである。例えば、一人の執務者Hが書類作成等の事務を行う場合が、会話を伴わない執務に該当する。
また、例えば、執務テーブルT8で書類作成を行おうとする執務者Hは、スイッチ部48の選択ボタン48Bを押圧して、執務テーブルT8を事務テーブルJBに設定する。
そして、これらの執務者Hらは、ミーティングや書類作成等の執務を止めて執務テーブルT1,T8を離れる際には、スイッチ部41,48の選択ボタン41C,48Cを押圧して、執務テーブルT1,T8の設定(会話テーブルJA,事務テーブルJB)を解除する。つまり、執務テーブルT1,T8を初期状態に戻す。
例えば、執務テーブルT3で簡単な手作業を行おうとする執務者Hは、スイッチ部43の選択ボタン43A,43Bを押圧することなく、執務テーブルT3を初期状態のままにする。仮に、執務テーブルT3が会話テーブルJAや事務テーブルJBに設定されていたら、選択ボタン43Cを押圧して、この設定を解除する。
高い照度を必要としない執務には、簡単な手作業の他、短時間の作業や一時休息を取る場合等が含まれる。
制御部50は、アビエント照明部10をON/OFFする壁面スイッチSWに内蔵される。壁面スイッチSWによりアビエント照明部10がON/OFFに設定されると、制御部50も自動的に始動/停止する。
これと同時に、制御部50は、この現行執務テーブルJ(執務テーブルTn)に対してスピーカー3nを鳴らす。または、この現行執務テーブルJ(執務テーブルTn)に隣接する執務テーブルT(隣接テーブルKと呼ぶ)に対してスピーカー3nを鳴らす。
まず、スイッチ部4nの選択ボタン4nAが押圧されて、執務テーブルTnが会話テーブルJAに設定された場合について説明する。
図3は、執務テーブルTが会話テーブルJAに設定された場合を示す図である。
この場合には、制御部50は、この会話テーブルJAに対応するタスク照明2nを点灯する。また、この会話テーブルJAに隣接する隣接テーブル(隣接領域)Kに対してスピーカー3nを鳴らす。さらに、制御部50は、タスク照明2nにより会話テーブルJAを照らす際には、広範囲照明モードWで照らす。
図4は、執務テーブルTが事務テーブルJBに設定された場合を示す図である。
この場合には、制御部50は、この事務テーブルJBに対応するタスク照明2nを点灯する。また、この会話テーブルJAに対してスピーカー3nを鳴らす。
さらに、制御部50は、タスク照明2nにより事務テーブルJBを照らす際には、狭範囲照明モードSで照らす。
図5は、隣接テーブルKと会話テーブルJAが重複して設定された場合を示す図である。
この場合には、制御部50は、この執務テーブルTを会話テーブルJAとして扱う(設定する)。
その後に、執務テーブルT6に向かっている執務者Hらにより、スイッチ部46の選択ボタン46Aが押圧されて、執務テーブルT6が会話テーブルJAに設定されると、執務テーブルT6は、隣接テーブルKと会話テーブルJAが重複して設定されたことになる。
同時に、執務テーブルT6が会話テーブルJAに設定されたことにより、執務テーブルT2,T5,T7が隣接テーブルKとなるため、執務テーブルT5も隣接テーブルKと会話テーブルJAが重複して設定されたことになる。
また、スピーカー36が鳴るのを止める一方で、執務テーブルT6に隣接する執務テーブルT2,T7に対してスピーカー32,37を鳴らす。執務テーブルT6に隣接する執務テーブルT5に対しては、会話テーブルJAなので、スピーカー35を鳴らさない。
図6は、隣接テーブルKと事務テーブルJBが重複して設定された場合を示す図である。
この場合には、制御部50は、隣接テーブルKと事務テーブルJBが重複する執務テーブルTがある場合には、この執務テーブルTを事務テーブルJBとして扱う(設定する)。
例えば、執務テーブルT5に向かっている執務者Hらにより、スイッチ部45の選択ボタン45Aが押圧されて、執務テーブルT5が会話テーブルJAに設定されると、執務テーブルT5に対応するタスク照明25を点灯して、執務テーブルT5よりも広い範囲(25W)を照らす。また、執務テーブルT5に隣接する執務テーブルT1,T6が隣接テーブルKとなり、これに対してスピーカー31,36を鳴らす。
その後に、執務テーブルT6に向かっている執務者Hにより、スイッチ部46の選択ボタン46Bが押圧されて、執務テーブルT6が事務テーブルJBに設定されると、執務テーブルT6は、隣接テーブルKと事務テーブルJBが重複して設定されたことになる。
これと同時に、会話テーブルJAに隣接する隣接テーブルKに対するサウンドマスキング部30が鳴る。これにより、隣接テーブルKで執務を行う執務者Hは、会話テーブルJAからの会話内容が聞き取りづらくなり、集中力低下を招くことがない。
また、タスク照明部20が事務テーブルJBのみを照らすので、執務に集中することができる。
執務テーブルTに対して椅子が付属しない場合(スタンディングテーブル)であってもよい。
執務テーブルが1つの場合であってもよい。この場合には、例えば5,6人以上の執務者Hが着席できる一つのミーティングテーブルにおいて、2〜4人程度が着席できる領域を本発明の執務領域とする。つまり、一つのミーティングテーブルにおける複数の領域を、執務テーブルT1〜T8と同等に扱う。
オフィスルームの一部にミーティング等が可能な執務テーブルが配置される場合であってもよい。つまり、執務室は、区画された一つの部屋でなく、広い部屋の一画であってもよい。この場合には、周辺に配置された固定式の執務机を事務テーブルとして扱ってもよい。
また、サウンドマスキング部30からの音の周波数、大きさは、任意に変更可能であってもよい。
Claims (10)
- 複数の執務領域を有する執務室の執務環境を調整する執務環境調整システムであって、
前記執務室の全体を照らすアビエント照明部と、
前記複数の執務領域のそれぞれを前記アビエント照明よりも高い照度で照らす複数のタスク照明部と、
前記複数の執務領域のそれぞれに向けて音を流す複数のサウンドマスキング部と、
前記複数の執務領域のうち、現に執務が行われる現行執務領域を選択する選択部と、
前記現行執務領域に対して前記タスク照明部を点灯すると共に、前記現行執務領域又は前記現行執務領域に隣接する隣接領域に対して前記サウンドマスキング部を鳴らす制御部と、
を備えることを特徴とする執務環境調整システム。 - 前記選択部は、前記現行執務領域を、会話を伴う執務が行われる会話領域に設定する第一設定部を有し、
前記制御部は、前記第一設定部が設定されると、前記会話領域に対して前記タスク照明部を点灯すると共に、前記隣接領域に対して前記サウンドマスキング部を鳴らすことを特徴とする請求項1に記載の執務環境調整システム。 - 前記複数の執務領域のそれぞれにおける執務者の有無を検出する人感センサーを備え、
前記制御部は、前記人感センサーにより執務者が検出されない場合には、前記隣接領域に対して前記サウンドマスキング部を鳴らさないことを特徴とする請求項2に記載の執務環境調整システム。 - 前記制御部は、前記隣接領域と前記会話領域が重複する場合には、前記会話領域に設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の執務環境調整システム。
- 前記制御部は、前記会話領域同士が隣接する場合には、前記会話領域に対してそれぞれ前記サウンドマスキング部を鳴らすことを特徴とする請求項4に記載の執務環境調整システム。
- 前記制御部は、前記会話領域に対して前記タスク照明部を点灯するとき、前記会話領域よりも広い範囲を照らすことを特徴とする請求項2から5のうちいずれか一項に記載の執務環境調整システム。
- 前記選択部は、前記現行執務領域を、会話を伴わない執務が行われる事務領域に設定する第二設定部を有し、
前記制御部は、前記第二設定部が設定されると、前記事務領域に対して前記タスク照明部を点灯し、前記サウンドマスキング部を鳴らすことを特徴とする請求項1に記載の執務環境調整システム。 - 前記制御部は、前記隣接領域と前記事務領域とが重複する場合には、前記事務領域に設定することを特徴とする請求項7に記載の執務環境調整システム。
- 前記制御部は、前記事務領域に対して前記タスク照明部を点灯するとき、前記事務領域と同一の範囲を照らすことを特徴とする請求項7又は8に記載の執務環境調整システム。
- 前記選択部は、前記複数の執務領域のそれぞれに配置されることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか一項に記載の執務環境調整システム。
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