JP2023123215A - 環境制御システム、及び環境制御方法 - Google Patents

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Kazuki Harada
早織 上野
Saori Ueno
剛 坂井
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Abstract

Figure 2023123215000001
【課題】会話の音声をマスキングしつつ、ユーザが集中しやすい作業空間を提供すること。
【解決手段】環境制御システム100は、作業空間4に設けられた音響装置7を制御する音響制御部12を備える。音響制御部12は、作業空間4に特定音を再生するように音響装置7を制御する。特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域の音圧レベルが、第1周波数帯域よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域の音圧レベルよりも大きくなる特性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境制御システム、及び環境制御方法に関する。
特許文献1には、音響照明装置が開示されている。この音響照明装置は、照明部と、音響出力部と、設定部と、制御部と、を備えている。設定部は、周囲に存在する認識されたユーザに応じて、照明部の照明および音響出力部の音響出力の少なくともいずれかのパラメータを設定する。制御部は、設定部により設定されたパラメータに従って、照明部の照明及び音響出力部の音響出力の少なくともいずれかを制御する。
特開2014-093204号公報
本発明は、会話の音声をマスキングしつつ、ユーザが集中しやすい作業空間を提供することができる環境制御システム、及び環境制御方法を提供する。
本発明の一態様に係る環境制御システムは、作業空間に設けられた音響装置を制御する音響制御部を備える。前記音響制御部は、前記作業空間に特定音を再生するように前記音響装置を制御する。前記特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域の音圧レベルが、前記第1周波数帯域よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域の前記音圧レベルよりも大きくなる特性を有する。
本発明の一態様に係る環境制御方法は、作業空間に特定音を再生するように、前記作業空間に設けられた音響装置を制御する。前記特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域の音圧レベルが、前記第1周波数帯域よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域の前記音圧レベルよりも大きくなる特性を有する。
本発明の環境制御システム、及び環境制御方法は、会話の音声をマスキングしつつ、ユーザが集中しやすい作業空間を提供することができる、という利点がある。
図1は、実施の形態に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態に係る環境制御システムが使用される作業空間の一例を示す概要図である。 図3は、特定音としての流水音の周波数特性の説明図である。 図4は、特定音としてのブラウンノイズの周波数特性の説明図である。 図5は、実施の形態に係る環境制御システムの表示装置の一例を示す概要図である。 図6は、第1実験の結果を示す図である。 図7は、第2実験の結果を示す図である。 図8は、第3実験の結果を示す図である。 図9は、第4実験の結果を示す図である。 図10は、第5実験の結果を示す図である。 図11は、実施の形態に係る環境制御システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[作業空間]
まず、実施の形態に係る環境制御システム100が使用される作業空間4について説明する。図1は、実施の形態に係る環境制御システム100の機能構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態に係る環境制御システム100が使用される作業空間4の一例を示す概要図である。
実施の形態に係る環境制御システム100は、例えばオフィス等のユーザU1が作業を行う作業空間4で使用され、このような作業空間4での環境を制御するためのシステムである。実施の形態では、環境制御システム100は、例えば自身の行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得るABW(Activity Based Working)型のオフィス3に使用される、と仮定する。ここで、「ABW」とは、仕事内容に合わせて働く場所又はデスク等をユーザU1(従業員等)が選択する働き方をいう。ABW型のオフィスにおいては、ユーザU1は、集中力を要する作業を行う場合には比較的静音性の高い場所を選択し、打ち合わせを行う場合にはソファ等のリラックス可能な場所を選択することが可能である。
なお、環境制御システム100は、ABW型のオフィスに限らず、フリーアドレス型のオフィスで使用されてもよいし、ユーザU1が行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得る空間であれば、他の空間で使用されてもよい。例えば、環境制御システム100は、小学校、中学校、高校、又は大学等の教育施設で使用されてもよいし、公民館、又は図書館等の公共施設で使用されてもよいし、店舗又は商業施設で使用されてもよい。
また、環境制御システム100が使用される作業空間4は、上述のようにユーザU1が自由に作業場所を選択し得る空間に限らず、例えばユーザU1の作業場所が固定されたオフィスで使用されてもよい。
図2に示す例では、オフィス3は、複数(ここでは、6つ)の作業空間4を有している。各作業空間4には、1以上のユーザU1が作業を行うための什器5が設置されている。図2に示す例では、ユーザU1が行う作業は、例えばラップトップ型のパーソナルコンピュータ等のユーザU1が所持する情報端末8を用いた作業である。なお、情報端末8は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォン又はタブレット端末等であってもよい。また、図2に示す例では、什器5は、デスク51と、1以上の椅子52と、を含んでいる。
図2に示す例では、隣り合う作業空間4の間は仕切られていないが、例えば壁又は什器等によって仕切られていてもよい。一例として、オフィス3は、壁又は什器等によって仕切られた複数の部屋で構成されていてもよい。この場合、作業空間4は、複数の部屋の各々であってもよいし、複数の部屋のうちの一部であってもよい。
作業空間4には、照明負荷6が設置されている。実施の形態では、照明負荷6は、作業空間4の天井に設置されている。もちろん、照明負荷6は、作業空間4の天井のみならず、壁、床、又はデスク等の什器に設置されていてもよい。照明負荷6は、作業空間4を照明光で照らすことにより、作業空間4に照明環境を提供する。照明環境のパラメータは、一例として、照明光の照度、色温度(光色)、又は配光分布等を含み得る。
作業空間4に設置される照明負荷6は、第1負荷61と、第2負荷62と、を有している。図2に示す例では、オフィス3の天井に複数(ここでは、9つ)の第1負荷61が設置されている。また、図2に示す例では、オフィス3の天井に複数(ここでは、6つ)の第2負荷62が設置されている。ここで、オフィス3は、均等に6つの作業空間4に区分けされており、各作業空間4には、複数(ここでは、2つ)の第1負荷61と、1つの第2負荷62と、が設置されている。なお、第1負荷61の中には、複数の作業空間4で兼用されている照明負荷も存在する。一例として、図2に示すオフィス3の天井の中央に位置する第1負荷61は、2つの作業空間4で兼用されている。
第1負荷61は、対象とする空間を均一に照らすアンビエント照明としてのベースライトであって、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子を有する光源を備えている。つまり、第1負荷61は、拡散形の配光特性を有している。なお、第1負荷61に用いられる固体発光素子は、LEDに限らず、有機EL(Electro-Luminescence)素子等であってもよい。また、第1負荷61は、固体発光素子を有する光源に限らず、蛍光ランプ等であってもよい。
第2負荷62は、タスクライトとしてのスポットライトであって、LED等の固体発光素子を有する光源を備えている。つまり、第2負荷62は、集光形の配光特性を有している。なお、第2負荷62は、スポットライトに限らず、例えばスタンドライト、ダウンライト、又はユニバーサルダウンライト等であってもよい。また、第2負荷62に用いられる固体発光素子は、LEDに限らず、有機EL素子等であってもよい。さらに、第2負荷62は、固体発光素子を有する光源に限らず、蛍光ランプ等であってもよい。
ここで、作業空間4における照明負荷6の光の照射領域について説明する。第1負荷61は、作業空間4全体に光を照射するように設置されている。一方、第2負荷62は、作業空間4の一部であるデスク51の上面に光を照射するように設置されている。ここで、デスク51の上面は、例えばユーザU1が情報端末8を用いて作業を行う領域である。言い換えれば、デスク51の上面は、ユーザU1の作業領域41である。つまり、第2負荷62は、作業空間4におけるユーザU1の作業領域41に光を照射するように、作業空間4に設けられている。
ところで、実施の形態では、隣り合う2つの空間において、一方の空間に設置された照明負荷6は、厳密に一方の空間の照明環境のみに影響を与えていなくてもよく、他方の空間に影響を与えることが許容されている。つまり、任意の作業空間4においては、当該作業空間4に対応する照明負荷6により提供される照明環境が主たる照明環境となっていればよく、当該作業空間4とは異なる空間に対応する照明負荷6からの影響があっても、当該作業空間4の照明環境に殆ど影響を与えなければよい。なぜならば、このとき当該作業空間4に存在するユーザU1に対して、当該作業空間4とは異なる空間に対応する照明負荷6が及ぼす影響は限定的であると考えられるからである。
また、作業空間4には、音響装置7が設置されている。実施の形態では、音響装置7は、作業空間4の天井に設置されている。もちろん、音響装置7は、作業空間4の天井のみならず、壁、床、又はデスク等の什器に設置されていてもよい。図2に示す例では、オフィス3の天井に複数(ここでは、8つ)の音響装置7が設置されており、各作業空間4には、複数(ここでは、2つ)の音響装置7が設置されている。なお、音響装置7の中には、複数の作業空間4で兼用されている音響装置も存在する。一例として、図2に示すオフィス3の中央奥側に位置する2つの音響装置7は、いずれも2つの作業空間4で兼用されている。
音響装置7は、対象とする空間に音を出力することにより、当該空間に音響環境を提供する。音響環境のパラメータは、一例として、再生されるコンテンツ、又は音量等を含み得る。音響装置は、一例として、無指向性のスピーカであって、音響制御部12に制御されることにより、音響制御部12から送信されるコンテンツを再生する。なお、音響装置7は、例えばパラメトリック・スピーカ、超音波を用いたスピーカ、又は筐体をホーン構造にしたスピーカ等の指向性を有するスピーカであってもよい。指向性を有するスピーカを用いた場合、一部の音が他の空間へ漏れ出る割合を小さくしやすい、という効果が期待できる。
ところで、実施の形態では、隣り合う2つの空間において、一方の空間に設置された音響装置7から出力される音は、一方の空間のみに出力されなくてもよく、一部の音が他方の空間へと漏れ出ることが許容されている。つまり、任意の作業空間4においては、当該作業空間4に対応する音響装置7から出力される音が主たる音となっていればよく、当該作業空間4とは異なる空間からの音の一部が漏れてきても、当該作業空間4の音響に殆ど影響を与えなければよい。
[環境制御システム]
環境制御システム100は、図1に示すように、照明制御部11と、音響制御部12と、記憶部13と、表示装置2と、を備えている。なお、実施の形態において、環境制御システム100は、音響制御部12を少なくとも備えていればよく、照明制御部11、記憶部13、及び表示装置2は備えていなくてもよい。環境制御システム100が照明制御部11を備えていない場合、各作業空間4において照明負荷6による照明の態様は特に限定されない。また、この場合、照明負荷6は、例えば第1負荷61及び第2負荷62の両方を有していなくてもよい。また、環境制御システム100のうちの表示装置2を除く構成要素は、オフィス3に設置されていてもよいし、オフィス3から離れた遠隔地に設置されていてもよい。
照明制御部11は、各作業空間4に設置された照明負荷6と通信可能であって、各照明負荷6に照明制御信号を送信することにより、各照明負荷6を制御する。つまり、照明制御部11は、作業空間4ごとに照明負荷6を制御する。実施の形態では、照明制御部11は、各照明負荷6の調光及び調色の両方を制御する。照明制御部11と各照明負荷6との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。
実施の形態では、照明制御部11は、表示装置2とも通信可能であって、表示装置2と通信することにより、表示装置2で受け付けた照明制御入力を含む信号を受信することも可能である。この場合、照明制御部11は、受信した照明制御入力に応じて、各照明負荷6を制御する。照明制御部11と表示装置2との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。
音響制御部12は、各作業空間4に設置された音響装置7と通信可能であって、各音響装置7に音響制御信号(再生させたいコンテンツを含む)を送信することにより、各音響装置7にコンテンツを再生させるように制御する。つまり、音響制御部12は、作業空間4ごとに音響装置7を制御する。音響制御部12と各音響装置7との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格は特に限定されない。
また、コンテンツは、音響制御部12に保存されていてもよいし、各音響装置7に保存されていてもよいし、記憶部13に保存されていてもよい。コンテンツは、例えば、WAV形式、mp3形式などの電子データ媒体で保存されるが、これに限定されるものではなく、例えばコンパクトディスク(CD)など、公知のいかなる保存方法で保存されてもよい。
実施の形態では、音響制御部12は、表示装置2とも通信可能であって、表示装置2と通信することにより、表示装置2で受け付けた音響制御入力を含む信号を受信することも可能である。この場合、音響制御部12は、受信した音響制御入力に応じて、各音響装置7を制御する。音響制御部12と表示装置2との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。
このように、各作業空間4の照明環境及び音響環境を制御することにより、例えば作業空間4ごとに環境を異ならせることが可能であり、いわゆるゾーニング効果が期待できる。
ここで、ゾーニング効果とは、例えば、空間の認知上の区切れ感を意味し、外観上複数の空間が互いに異なる空間であるとユーザU1が認知しやすい効果を含み得る。また、ゾーニング効果は、ユーザU1による認知をもって、ゾーニングの意図通りにユーザU1の行動又は動線の変化を促しやすくする効果を含み得る。例えば、任意の空間について、ユーザU1が集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングをした、と仮定する。この場合、当該空間を見たユーザU1が、集中力を要する作業を行うことを主目的として当該空間を使用すれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
また、ゾーニング効果は、ユーザU1が実際にゾーニングされた空間を利用した場合に、ユーザU1の主観的な効果・実感、又は生理・心理・生体的作用がゾーニングの主旨に応じた傾向を示す効果を含み得る。例えば、任意の空間について、集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングを行い、当該空間をユーザU1が利用した、と仮定する。この場合、ユーザU1が当該空間を利用することで集中できたという実感を得たり、心理・生体作用としてユーザU1が集中していたことを示唆する指標・データが得られたりすれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
上述のように作業空間4に設置された照明負荷6及び音響装置7の制御を行うことで、什器又は家具を用いることなく作業空間4をゾーニングすることが可能である。このため、作業空間4の意匠性を高めやすく、かつ、照明負荷6及び音響装置7の制御により瞬時にオフィス3のレイアウトを変化させるようなゾーニングが可能となる。一例として、作業空間4における照明負荷6の発する光の色温度(光色)の制御パラメータの変更は、例えば数秒で完了する。この場合、結果としてオフィス3のレイアウトを数秒で変更することが可能である。ここで、什器又は家具を人力で移動させることでオフィス3のレイアウトを変更する場合であれば、60分、数時間、又は一日、場合によっては数日を要する。この点から、上記の照明負荷6の制御によるゾーニングは、極めて顕著な効果を奏し得る。
上記制御によるゾーニングにより、従来の什器又は家具の配置を変更することによるオフィスのレイアウトの変更と比較して、時間ごと、日ごと、又は月ごと等の短周期でオフィス3のレイアウトを変化させることが可能である。
実施の形態では、各作業空間4において、照明制御部11は、第2負荷62を点灯させた場合における作業空間4の最大照度が、第1負荷61を点灯させた場合における作業空間4の最大照度よりも大きくなるように照明負荷6を制御する。ここでいう「最大照度」は、例えば作業空間4における作業領域41の中心部で測定される照度で表される。作業領域41は、ユーザU1が作業を行う領域である。実施の形態では、作業領域41は、デスク51の上面である。照度の測定は、例えば作業空間4に設置された照度センサにより行われる。
特に、実施の形態では、各作業空間4において、照明制御部11は、第2負荷62を点灯させた場合における作業空間4の最大照度に対する、第1負荷61を点灯させた場合における作業空間4の最大照度の照度比(以下、「第1負荷61と第2負荷62との照度比」ともいう)が0.4以下となるように照明負荷6を制御する。
一例として、照明制御部11が、第2負荷62のみを点灯させた場合における作業空間4の最大照度が750lxとなるように第2負荷62を制御している、と仮定する。この場合、照明制御部11は、第1負荷61のみを点灯させた場合における作業空間4の最大照度が300lx以下となるように、つまり第1負荷61と第2負荷62との照度比が0.4以下となるように第2負荷62を併せて制御する。
ここで、照明制御部11が第1負荷61のみを調光率が100%となるように制御した場合における作業空間4の最大照度が750lxである、と仮定する。この場合、実施の形態では、照明制御部11は、第1負荷61のみを点灯させた場合における作業空間4の最大照度が300lx以下となるように、つまり調光率が40%以下となるように第1負荷61を制御することになる。
実施の形態では、各作業空間4において、音響制御部12は、作業空間4に特定音を再生するように音響装置7を制御する。音響制御部12は、各作業空間4において、作業空間4に滞在するユーザU1が感知し得る程度の音量で特定音を再生するように、音響装置7を制御する。特定音は、照明光により期待できるゾーニング効果と同様のゾーニング効果が期待できるような音であるのが好ましい。なぜならば、そのようにすることで照明光により期待できるゾーニング効果と、特定音により期待できるゾーニング効果とを、単純に足し合わせた以上の効果を発現しやすくなり、予期せぬ好適な相乗効果を有しやすくなるからである。
特定音は、例えば人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域fb1(図3及び図4参照)の音圧レベルが、第1周波数帯域fb1よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域fb2(図3及び図4参照)の音圧レベルよりも大きくなる特性を有している。ここで、任意の周波数帯域での音圧レベルが他の周波数帯域の音圧レベルよりも大きいとは、任意の周波数帯域の全体にわたって音圧レベルが他の周波数帯域の音圧レベルよりも大きいことを含む他、任意の周波数帯域での音圧レベルの平均値が他の周波数帯域での音圧レベルの平均値よりも大きいことを含み得る。
特定音は、会話の音声をマスキングしつつ、ユーザU1が集中しやすい作業空間4をユーザU1に提供するための音である。特定音は、例えば流水音、又はブラウンノイズ等を含み得る。また、特定音は、例えば流水音に鳥の鳴き声等の自然環境音を組み合わせた音を含み得る。図3は、特定音としての流水音の周波数特性の説明図である。図4は、特定音としてのブラウンノイズの周波数特性の説明図である。図3及び図4の各々において、縦軸は音圧レベル、横軸は周波数を表している。なお、横軸では、周波数を対数により表している。
まず、特定音によるマスキングについて説明する。マスキングとは、第1音を人が聴いている状態において第2音を人に聴かせると、第2音が第1音によりかき消されることで、人が第2音を聴き取れなくなる現象をいう。そして、所定の周波数の第1音を人に聴かせている状態においては、所定の周波数の第2音のみならず、所定の周波数を含む所定幅の周波数帯域の第2音も第1音によりマスキングされることが知られている。そこで、特定音は、会話の音声をマスキングするためには、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域fb1にて音圧レベルが比較的高くなる特性を有している。
ここで、会話の内容を聴き取ることができない程度のマスキング効果を得るためには、特定音は、人の発する音声に含まれる母音をマスキングするような音であるのが好ましい。そして、このような特定音を実現するためには、第1周波数帯域fb1は、所定の言語(日本語)における母音の第1フォルマントの周波数帯域を含むのが好ましい。すなわち、母音の識別には、各フォルマントの周波数帯域が重要となる。例えば、録音した音声から第1フォルマントの周波数帯域、及び第2フォルマントの周波数帯域をフィルタリングすると、当該音声を聴いた人は、当該音声に含まれる母音が認識できなくなる、言い換えれば会話音が聴こえにくくなる。つまり、第1フォルマントの周波数帯域(更には第2フォルマントの周波数帯域)において音圧レベルが比較的高い特定音を再生すれば、特定音を聴いている人は、特定音以外の会話音が聴こえにくくなる。
実施の形態では、第1周波数帯域fb1は、250Hz~900Hzである。この周波数帯域は、成人の日本語における母音の第1フォルマントの周波数帯域に相当する。例えば、特定音が流水音である場合、図3に示すように、特定音は、第1周波数帯域fb1にて比較的大きい音圧レベルを有している。同様に、例えば、特定音がブラウンノイズである場合、図4に示すように、特定音は、第1周波数帯域fb1にて比較的大きい音圧レベルを有している。
日本語における母音の第1フォルマントの周波数帯域に関しては、非特許文献(粕谷、外2名、“年令,性別による日本語5母音のピッチ周波数とホルマント周波数の変化”、日本音響学会誌、昭和43年2月28日受理、第24巻、第6号、p.355-364)を参照し、当該文献のTable 2における“F”の最も周波数が低い“/i/MALE”の数値(263Hz)と、最も周波数が高い“/a/FEMALE”の数値(888Hz)と、から導出した。
なお、所定の言語は、日本語に限らず、他の国の言語であってもよい。そして、所定の言語における母音の第1フォルマントの周波数帯域は、言語の種類に応じて変化し得る。例えば、所定の言語が英語である場合、当該周波数帯域は、300Hz~950Hzとなる。また、例えば、所定の言語が中国語である場合、当該周波数帯域は、250Hz~850Hzとなる。
英語における母音の第1フォルマントの周波数帯域に関しては、非特許文献(Hillenbrand et al, “Acoustic characteristics of American English vowels”, J. Acoust. Soc. Am., Vol. 97, No.5, Pt 1, May 1995)を参照し、当該文献のTable Vにおける“F1”の最も周波数が低い“M/i/”の数値(342Hz)と、最も周波数が高い“W/a/”の数値(936Hz)と、から導出した。
また、中国語における母音の第1フォルマントの周波数帯域に関しては、非特許文献(楊、“日中単母音の音響音声学的分析-Vowel Formantsの比較を中心として-”、北海道文教短期大学研究紀要、2005年、第29号、p.55-64)を参照し、当該文献のTable 5の“F”のデータを採用し、最も周波数が低い“/y/”の数値(258Hz)と、最も周波数が高い“/a/”の数値(818Hz)と、から導出した。
また、特定音がブラウンノイズである場合、図4に示すように、特定音は、周波数が900Hz以下の帯域においては、周波数が小さくなる程、音圧レベルが大きくなる特性を有している。つまり、特定音は、第1周波数帯域fb1よりも低い周波数帯域である第3周波数帯域fb3において、周波数が低くなる程、音圧レベルが大きくなる特性を更に有していてもよい。この場合、第3周波数帯域fb3において上記の特性を有していない特定音と比較して、人の発する音声に対するマスキング効果を更に向上させることが期待できる。
次に、特定音によるユーザU1の集中力を向上させる効果について説明する。ユーザU1の集中力を向上させる音は、例えばユーザU1の副交感神経を高めやすい音を含み得る。また、ユーザU1の集中力を向上させる音は、例えばユーザU1が不快感を覚えにくい音を含む。すなわち、音を聴くことによりユーザU1が不快感を覚えるということは、ユーザU1の集中が乱れていることに相当する。したがって、ユーザU1が不快感を覚えにくい音をユーザU1に聴かせることにより、ユーザU1の集中が乱れにくい、つまりユーザU1の集中力を向上させる効果が期待できる。
ここで、人が不快感を覚えやすい音は、人の発する音声の周波数帯域よりも高い周波数での音圧レベルが比較的高い音を含む。例えば、2kHz~5kHzの周波数帯域の音は、人間の耳にとって他の周波数帯域よりも感度の高い音となる。このため、この周波数帯域での音圧レベルが大きくなると、人が不快感を覚えやすくなる。また、例えば、15kHz以上の周波数帯域の音は、いわゆるモスキート音であって、この周波数帯域での音圧レベルが大きくなると、人が不快感を覚えやすくなる。
そこで、特定音は、第1周波数帯域fb1の音圧レベルが第2周波数帯域fb2の音圧レベルよりも大きくなる、つまり上記のように人の発する音声の周波数帯域よりも高い周波数での音圧レベルが比較的小さくなるような特性を有している。例えば、特定音が流水音である場合、図3に示すように、第1周波数帯域fb1での音圧レベルの平均値は、第2周波数帯域fb2での音圧レベルの平均値よりも大きくなっている。同様に、例えば、特定音がブラウンノイズである場合、図4に示すように、第1周波数帯域fb1での音圧レベルの平均値は、第2周波数帯域fb2での音圧レベルの平均値よりも大きくなっている。
また、実施の形態では、第2周波数帯域fb2は、上述の人が不快感を覚える周波数帯域(例えば、2kHz~5kHz、及び15kHz以上)を含んでいる。例えば、特定音が流水音である場合、図3に示すように、第2周波数帯域fb2は、上記の周波数帯域を含んでおり、当該周波数帯域において音圧レベルが比較的小さくなっている。同様に、例えば、特定音がブラウンノイズである場合、図4に示すように、第2周波数帯域fb2は、上記の周波数帯域を含んでおり、当該周波数帯域において音圧レベルが比較的小さくなっている。このため、実施の形態では、特に人が不快感を覚える周波数帯域での音圧レベルを比較的小さくすることにより、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる。
特に、実施の形態では、第2周波数帯域fb2は、周波数が2kHz以上の帯域である。例えば、特定音が流水音である場合、図3に示すように、第2周波数帯域fb2は、周波数が2kHz以上の帯域を含んでおり、当該周波数帯域において音圧レベルが比較的小さくなっている。同様に、例えば、特定音がブラウンノイズである場合、図4に示すように、第2周波数帯域fb2は、周波数が2kHz以上の帯域を含んでおり、当該周波数帯域において音圧レベルが比較的小さくなっている。このため、実施の形態では、特に人間の耳にとって他の周波数帯域よりも感度の高い周波数帯域での音圧レベルを比較的小さくすることにより、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる。
なお、第2周波数帯域fb2は、周波数が5kHz以下の帯域であるのが好ましい。すなわち、周波数が5kHzよりも高い周波数帯域においては、音圧レベルが第2周波数帯域fb2での音圧レベルよりも大きくなっていてもよい。この場合、特に人間の耳にとって他の周波数帯域よりも感度の高い周波数帯域での音圧レベルを比較的小さくすることにより、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる。
また、特定音が流水音及びブラウンノイズのいずれであっても、図3及び図4に示すように、特定音は、周波数が900Hz以上の帯域においては、周波数が大きくなる程、音圧レベルが小さくなる特性を有している。つまり、特定音は、第2周波数帯域fb2において、周波数が高くなる程、音圧レベルが小さくなる特性を更に有していてもよい。この場合、第2周波数帯域fb2において上記の特性を有していない特定音と比較して、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる。
特に、実施の形態では、特定音の第2周波数帯域fb2における特性は、音圧レベルが1オクターブごとに6dB以上減衰する特性を有している。例えば、特定音が流水音である場合、図3に示すように、第2周波数帯域fb2においては、周波数が1kHzでの音圧レベルに対して、周波数が10kHzでの音圧レベルは約35dB減衰している。つまり、周波数が10倍になると音圧レベルが約35dB減衰していることから、この減衰を1次近似により算出した近似直線の傾きで表すと、第2周波数帯域fb2においては、減衰傾度が約-10.5dB/Octとなっている。同様に、特定音がブラウンノイズである場合、図4に示すように、第2周波数帯域fb2においては、周波数が1kHzでの音圧レベルに対して、周波数が10kHzでの音圧レベルは約20dB減衰している。つまり、周波数が10倍になると音圧レベルが約20dB減衰していることから、この減衰を1次近似により算出した近似直線の傾きで表すと、第2周波数帯域fb2においては、減衰傾度が約-6dB/Octとなっている。このため、実施の形態では、第2周波数帯域fb2において上記特性を有していない特定音と比較して、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の更なる向上が期待できる。
実施の形態では、特定音は、複数であって、音響制御部12は、作業空間4に複数の特定音のうちのいずれかの特定音を再生するように音響装置7を制御する。具体的には、特定音は、例えば流水音、ブラウンノイズ、及び流水音と鳥の鳴き声との組み合わせの3種類である。そして、音響制御部12は、作業空間4ごとに、これら3種類の特定音のうちから1種類の特定音を再生するように音響装置7を制御する。この態様では、例えばユーザU1の置かれる状況に応じた特定音を再生することにより、マスキング効果及びユーザU1の集中力を向上させる効果の向上が期待できる。
音響制御部12が音響装置7に再生させる特定音は、例えば後述する権限者が表示装置2を操作する等して決定してもよいし、音響制御部12が所定のアルゴリズムに従って自動的に決定してもよい。後者の一例として、音響制御部12は、特定音を時間帯に応じて切り替えて再生するように音響装置7を制御してもよい。例えば、音響制御部12は、内蔵又は外部のタイマを参照し、午前においては流水音と鳥の鳴き声との組み合わせ、午後(~15時まで)においては流水音、午後(15時以降)においてはブラウンノイズを再生するように音響装置7を制御してもよい。この態様では、時間帯ごとに求められるユーザU1の気分に合わせて特定音を再生することにより、マスキング効果及びユーザU1の集中力を向上させる効果の向上が期待できる。
その他、音響制御部12は、例えばユーザU1の作業空間4での位置に応じて、作業空間4での騒音レベルを推定し、推定した騒音レベルに応じてマスキング効果の高い特定音を再生するように音響装置7を制御してもよい。ユーザU1の位置情報は、例えば作業空間4に設置された人感センサ、カメラ、赤外線センサ、感圧センサ、着座センサ、LPS(Local Positioning System)と呼ばれる屋内位置情報システムにおけるスキャナ、又はLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)と呼ばれるレーザーによる測距システムにおけるレーザーセンサ等のセンサの検知結果を取得することで、音響制御部12にて参照可能である。
また、音響制御部12は、例えば作業空間4での騒音レベルに応じて、マスキング効果の高い特定音を再生するように音響装置7を制御してもよい。騒音レベルは、例えば作業空間4に設置された騒音センサの検知結果を取得することで、音響制御部12にて参照可能である。
また、音響制御部12は、例えば季節に応じて冷涼感を覚えやすい特定音を再生するように音響装置7を制御してもよい。例えば、夏季であれば、音響制御部12は、川の流水音よりも冷涼感を覚えやすい滝の流水音又はブラウンノイズを再生するように音響装置7を制御する。季節は、例えば内蔵又は外部のタイマで計時された日時を取得することで、音響制御部12にて参照可能である。
なお、実施の形態において、照明制御部11は、各作業空間4において、第1負荷61及び第2負荷62が上記の照度比となるように照明負荷6を制御してもよいし、上記の照度比に限定せずに照明負荷6を制御してもよい。この場合、照明により期待できるゾーニング効果は発揮できないが、特定音により期待できるゾーニング効果は発揮することが可能である。つまり、実施の形態では、各作業空間4において、音響制御部12が上記の特定音が再生されるように音響装置7を制御するだけでも、十分にゾーニング効果が発揮される。
記憶部13は、照明制御部11及び音響制御部12の各々が制御を行うために必要な情報(コンピュータプログラム等)が記憶される記憶装置である。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよく、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いることができる。
照明制御部11、音響制御部12、及び記憶部13は、いずれも同一の基板に実装されるか、又は同一の筐体に納められていてもよい。上記基板又は筐体は、オフィス3の天井、壁、床、又はデスク等の什器・家具に備え付けられていてもよい。この場合、表示装置2を除いた環境制御システム100が小型化されるため好ましい。
表示装置2は、音響制御部12の制御パラメータを表示する表示部21を有する。また、表示装置2は、制御パラメータの設定入力を受け付ける入力受付部22を更に有している。実施の形態では、表示部21及び入力受付部22は、タッチパネルディスプレイにより実現されている。照明制御部11の制御パラメータは、例えば作業空間4の照度、又は照明負荷6の発する光の色温度、又は配光分布等を含み得る。また、音響制御部12の制御パラメータは、例えば再生するコンテンツ、又は音響装置7の音量等を含み得る。
実施の形態では、表示装置2は、環境制御システム100に専用のコントローラであって、オフィス3に設置されている。また、実施の形態では、表示装置2は、例えばユーザU1又は環境制御システム100の管理者等、環境制御システム100による制御の実行に関する権限を有する者(以下、「権限者」という)が認証を経て操作することができるように構成されている。
なお、表示装置2は、権限者が所持する情報端末により実現されてもよい。情報端末は、一例として、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等を含み得る。この場合、権限者は、表示装置2としての機能を実行するためのアプリケーションを情報端末にインストールし、当該アプリケーションを情報端末にて起動することで、情報端末を表示装置2として利用することが可能である。
また、実施の形態において、環境制御システム100が照明制御部11を備えていない場合であれば、表示部21は、照明制御部11の制御パラメータを表示する機能を有していなくてもよい。また、この場合であれば、入力受付部22は、照明制御部11の制御パラメータの設定入力を受け付ける機能を有していなくてもよい。
図5は、実施の形態に係る環境制御システム100の表示装置2の一例を示す概要図である。図5に示す例では、表示部21には、権限者により指定された作業空間4における特定音の再生についてのスケジュールが表示されている。ここでは、表示部21には、ウィンドウW1~W5が横方向に並ぶように表示されており、ウィンドウW10がウィンドウW2の下方に表示されている。権限者は、表示部21に指で触れることにより、時間帯ごとに再生する特定音を決定する入力を行うことが可能である。
ウィンドウW1には0時~8時において再生する特定音、ウィンドウW2には8時~12時において再生する特定音、ウィンドウW3には12時~15時において再生する特定音、ウィンドウW4には15時~18時において再生する特定音、そしてウィンドウW5には18時以降において再生する特定音が表示されている。なお、「サウンドなし」は、該当する時間帯においては特定音を再生しないことを表している。また、ウィンドウW10には、選択可能な特定音のリストが表示されている。ウィンドウW10は、権限者がウィンドウW1~W5のうちのいずれか1つのウィンドウを選択する操作を行うことで、表示部21に表示される。このウィンドウW10において、権限者が所望の特定音を選択する操作を行うと、選択されたウィンドウには、選択された特定音が表示される。つまり、選択した時間帯において再生する特定音が決定される。図5に示す例では、権限者は、ウィンドウW2を選択している。入力された情報は、音響制御入力として表示装置2から音響制御部12へと送信される。
[検証]
ここで、本願の発明者は、音響環境及び照明環境がユーザU1に及ぼす効果を検証すべく、以下に示す実験を行った。すなわち、実験対象の空間(ここでは、オフィスの一室)に複数(ここでは、数人~十数人)の被験者を集め、実験対象の空間の条件を変えながら各被験者に所定の作業(ここでは、パーソナルコンピュータでの1分間のタイピング作業)を行ってもらった。そして、各被験者に対して、実験対象の空間の条件ごとに、実験対象の空間に対する印象についてアンケートを実施した。
実験対象の空間には、複数のデスクが設置されている。そして、各被験者は、いずれかのデスクにてパーソナルコンピュータ(ここでは、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ)を用いてタイピング作業を行った。つまり、デスク上面は、作業領域41に相当する。実験で用いたデスクの寸法は、一例として、奥行き寸法が500~1000mm、幅寸法が1000~2000mmである。また、実験対象の空間の天井には、実験対象の空間全体を均一に照らすための複数のベースライト(第1負荷61に相当)が設置されている。また、各デスクには、対応するデスクを局所的に照らすためのスポットライト(第2負荷62に相当)が設置されている。さらに、実験対象の空間には、音響装置が設置されている。なお、音響装置からは音が再生されていなくても、実験対象の空間には他の被験者のタイピング音、又は会話音等の騒音が発生している。騒音は、上記音響装置とは別のスピーカで再生される。
以下に列挙する第1実験~第5実験のうち、第1実験、第2実験、第4実験、及び第5実験の各々においては、各被験者に対するアンケートでは、実験対象の空間に対する印象について回答を得た。具体的には、4個の項目の各々について、実験対象の空間に対する印象が、(a)非常に良い、(b)かなり良い、(c)やや良い、(d)どちらでもない、(e)やや悪い、(f)かなり悪い、(g)非常に悪い、の7段階評価のうちのいずれであるか、各被験者から回答を得た。
4個の項目のうち、第1項目は実験対象の空間において他人の会話内容が聞き取りにくいか否かであり、第2項目は実験対象の空間が作業に集中しやすいか否かである。また、第3項目は実験対象の空間が没入感を覚えやすいか否かであり、第4項目はタイピング作業に用いるパーソナルコンピュータのディスプレイの文字が見えやすいか否かである。
そして、本願の発明者は、各被験者に対するアンケートの結果に基づいて、実験対象の空間の条件を定量的に評価した。具体的には、4個の項目の各々について、アンケートで得られた7段階評価を等間隔尺度として取り扱い、上記(g)、(f)、…、(a)の評価にそれぞれ「-3」、「-2」、…、「+3」のスカラ値を割り当てた。そして、このスカラ値に基づいて、実験対象の空間の条件ごとにスコアを求めた。
例えば、第1項目についてのスコアとして、各被験者の第1項目についてのスカラ値の平均値を求めた、と仮定する。この場合、スコアが最大値の「+3」であれば、全ての被験者が実験対象の空間に対して、「他人の会話内容が聞き取りにくい」という印象を抱いていることを表す。一方、スコアが最小値の「-3」であれば、全ての被験者が実験対象の空間に対して「他人の会話内容が聞き取りやすい」という印象を抱いていることを表す。
また、第3実験においては、各被験者に対するアンケートでは、再生した複数の特定音の各々について、どの時間帯での再生に適しているかを各被験者から回答を得た。そして、本願の発明者は、各被験者に対するアンケートの結果に基づいて、実験対象の空間の条件を定量的に評価した。具体的には、特定音ごとに、各時間帯での獲得票数を百分率で表したスコアを求めた。
以下、第1実験~第5実験の結果について列挙する。
図6は、第1実験の結果を示す図である。図6において、縦軸は実験対象の空間に対するスコアを表しており、横軸は実験対象の空間の条件を表している。第1実験では、スコアは、第1項目についてのスカラ値の平均値である。したがって、第1実験では、スコアの最大値は「+3」であり、スコアの最小値は「-3」となる。また、第1実験では、実験対象の空間の条件は、実験対象の空間で再生する特定音である。なお、第1実験では、複数のベースライトにより実験対象の空間を均一に照らしている。
図6は、実験対象の空間に特定音を再生しない「サウンドなし」、実験対象の空間に流水音と鳥の鳴き声とを組み合わせた音を再生する「流水音+鳥の鳴き声」、実験対象の空間に流水音を再生する「流水音」、及び実験対象の空間にブラウンノイズを再生する「ブラウンノイズ」の各々でスコアを求めた結果を表している。また、図6における破線は、「サウンドなし」のスコアを表しており、3本の矢印は、それぞれ「サウンドなし」のスコアに対するスコアの上昇度合いを表している。
図6に示すように、「サウンドなし」は0よりも小さいスコアとなっており、各被験者は、実験対象の空間が他人の会話内容が聞き取りやすい空間である、という印象を抱いている。一方、「流水音+鳥の鳴き声」、「流水音」、及び「ブラウンノイズ」は、いずれも0よりも大きいスコアとなっており、「サウンドなし」のスコアに対しては「+2」以上のスコアとなっている。つまり、特定音が流水音又はブラウンノイズを含む場合において、各被験者は実験対象の空間が他人の会話内容を聞き取りにくい空間である、という印象を抱いている。したがって、本願の発明者は、第1実験の結果により、特定音が流水音又はブラウンノイズを含む場合において、特定音の再生によりマスキング効果が得られる、という知見を得た。
また、図6に示すように、「ブラウンノイズ」のスコアは「流水音」のスコアと比較して顕著に大きくなっている。したがって、本願の発明者は、第1実験の結果により、第3周波数帯域fb3において周波数が低くなる程音圧レベルが大きくなる特性を有するブラウンノイズが特定音である場合、上記特性を有していない流水音が特定音である場合と比較して、更なるマスキング効果が得られる、という知見を得た。
さらに、図6に示すように、「流水音+鳥の鳴き声」のスコアは、「流水音」のスコアと比較して顕著に大きくなっている。したがって、本願の発明者は、第1実験の結果により、流水音に他の自然環境音(ここでは、鳥の鳴き声)を組み合わせた特定音である場合、流水音のみが特定音である場合と比較して、更なるマスキング効果が得られる、という知見を得た。
図7は、第2実験の結果を示す図である。図7において、縦軸は実験対象の空間に対するスコアを表しており、横軸は実験対象の空間の条件を表している。第2実験では、スコアは、第2項目についてのスカラ値の平均値である。したがって、第2実験では、スコアの最大値は「+3」であり、スコアの最小値は「-3」となる。また、第2実験では、実験対象の空間の条件は、実験対象の空間で再生する特定音である。なお、第2実験では、複数のベースライトにより実験対象の空間を均一に照らしている。
図7は、第1実験と同様に、「サウンドなし」、「流水音+鳥の鳴き声」、「流水音」、及び「ブラウンノイズ」の各々でスコアを求めた結果を表している。また、図7における破線は、「サウンドなし」のスコアを表しており、3本の矢印は、それぞれ「サウンドなし」のスコアに対するスコアの上昇度合いを表している。
図7に示すように、「サウンドなし」は0よりも小さいスコアとなっており、各被験者は、実験対象の空間が作業に集中しにくい空間である、という印象を抱いている。一方、「流水音+鳥の鳴き声」、「流水音」、及び「ブラウンノイズ」は、いずれも0よりも大きいスコアとなっており、「サウンドなし」のスコアに対しては「+1」以上のスコアとなっている。つまり、特定音が流水音又はブラウンノイズを含む場合において、各被験者は実験対象の空間が作業に集中しやすい空間である、という印象を抱いている。したがって、本願の発明者は、第2実験の結果により、特定音が流水音又はブラウンノイズを含む場合において、特定音の再生によりユーザU1の集中力を向上させる効果が得られる、という知見を得た。
また、図7に示すように、「流水音」のスコアは「ブラウンノイズ」のスコアと比較して顕著に大きくなっている。したがって、本願の発明者は、第2実験の結果により、第2周波数帯域fb2において周波数が高くなる程音圧レベルが小さくなる特性が、ブラウンノイズと比較してより顕著である流水音が特定音である場合、ユーザU1の集中力を更に向上させる効果が得られる、という知見を得た。
さらに、図7に示すように、「流水音+鳥の鳴き声」のスコアは、「流水音」のスコアと比較して大きくなっている。したがって、本願の発明者は、第2実験の結果により、流水音に他の自然環境音(ここでは、鳥の鳴き声)を組み合わせた特定音である場合、流水音のみが特定音である場合と比較して、ユーザU1の集中力を更に向上させる効果が得られる、という知見を得た。
図8は、第3実験の結果を示す図である。図8において、縦軸は各時間帯での獲得票数を百分率で表したスコアを表しており、横軸は特定音の種類を表している。図8は、「流水音+鳥の鳴き声」、「流水音」、及び「ブラウンノイズ」の各々でスコアを求めた結果を表している。また、図8において、白色の棒グラフは午前中に対応するスコア、ドットハッチングを施した棒グラフは午後(15時まで)に対応するスコア、及び斜線ハッチングを施した棒グラフは午後(15時以降)に対応するスコアを表している。
図8に示すように、特定音が流水音と鳥の鳴き声との組み合わせである場合、午前中に対応するスコアが最も大きくなっている。また、特定音が流水音である場合、午後(15時まで)に対応するスコアが最も大きくなっている。また、特定音がブラウンノイズである場合、午後(15時以降)に対応するスコアが最も大きくなっている。したがって、本願の発明者は、第3実験の結果により、午前中においては流水音と鳥の鳴き声とを組み合わせた特定音を再生し、午後(15時まで)においては流水音を再生し、午後(15時以降)においてはブラウンノイズを再生することで、ユーザU1の気分に合わせた特定音を再生することができ、マスキング効果及びユーザU1の集中力を向上させる効果の向上が期待できる、という知見を得た。
図9は、第4実験の結果を示す図である。図9において、縦軸は実験対象の空間に対するスコアを表しており、横軸は実験対象の空間の条件を表している。第4実験では、スコアは、第2項目及び第3項目の計2つの項目についてのスカラ値の合計値である。したがって、第4実験では、スコアの最大値は「+6」であり、スコアの最小値は「-6」となる。また、第4実験では、実験対象の空間の条件は、実験対象の空間の環境である。具体的には、図9は、第1環境En1と、第2環境En2との各々でスコアを求めた結果を表している。第1環境En1では、ベースライトのみを実験対象の空間の平均照度が750lxとなるように点灯させており、かつ、音響装置から流水音を再生させている。第2環境En2では、ベースライトを最大照度が300lx、スポットライトを最大照度が1500lxとなるように点灯させており、かつ、音響装置から流水音を再生させている。つまり、第2環境En2では、ベースライト(第1負荷61に相当)とスポットライト(第2負荷62に相当)との照度比が0.4となるように、ベースライト及びスポットライトを制御している。
図9に示すひげA1は、全ての被験者のスコアの範囲を表している。また、図9に示すボックスA2は、全ての被験者のスコアの標準偏差の範囲を表している。また、図9に示す線分A3は、全ての被験者のスコアの代表値(ここでは、中央値)を表している。図9に示すように、第1環境En1ではスコアの代表値が「0」である一方、第2環境En2ではスコアの代表値が「+4」となっている。つまり、後者の場合、第2項目及び第3項目の各々のスカラ値の平均値が「+2」以上となっている。このため、各被験者は、ベースライトのみを点灯させた環境と比較して、ベースライトとスポットライトとの照度比を調節した(ここでは、照度比を0.4となるように調節した)環境の方が集中しやすい、という印象を抱いている。
第4実験の結果により、本願の発明者は、照明制御部11が、第1負荷61と第2負荷62との照度比が0.4となるように照明負荷6を制御することで、作業空間4で作業を行うユーザU1が集中しやすくなる効果が期待できる、という知見を得た。
図10は、第5実験の結果を示す図である。図10において、縦軸は実験対象の空間に対するスコアを表しており、横軸は実験対象の空間の条件を表している。第5実験では、スコアは、各被験者の第4項目についてのスカラ値である。したがって、第5実験では、スコアの最大値は「+3」であり、スコアの最小値は「-3」となる。また、第5実験では、実験対象の空間の条件は、実験対象の空間におけるベースライト及びスポットライトの各々が発する照明光の色温度(相関色温度)である。つまり、図10は、実験対象の空間における照明光の色温度を変化させ、色温度ごとにスコアを求めた結果を表している。なお、図10では、横軸の数値は、逆色温度の単位であるミレッド値により表されている。
図10に示す直線B1は、近似的に一次関数として求められたスコアとミレッド値との相関関係を表している。図10に示すように、スコアとミレッド値とは負の相関の関係にある。言い換えれば、図10は、色温度が低ければ低い程、タイピング作業に用いるパーソナルコンピュータのディスプレイの文字が見えにくくなる、という結果を示している。そして、図10に示すように、ミレッド値が約250以下の範囲(言い換えれば、実験対象の空間における照明光の色温度が約3500K以上の範囲)においては、スコアが「0」以上となっている。このため、実験対象の空間における照明光の色温度が3500K以上の範囲においては、各被験者は、タイピング作業に用いるパーソナルコンピュータのディスプレイの文字が見えやすい、という印象を抱いている。
第5実験の結果により、本願の発明者は、照明制御部11が、照明負荷6の発する光の色温度が3500K以上となるように照明負荷6を制御することで、作業空間4で作業を行うユーザU1の作業性を向上する効果が期待できる、という知見を得た。
[動作]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の動作の一例について説明する。図11は、実施の形態に係る環境制御システム100の動作例を示すフローチャートである。以下では、照明制御部11及び音響制御部12は、それぞれ照明制御入力及び音響制御入力を受け付ける以前においては、各作業空間4に設置された照明負荷6及び音響装置7を制御していないこととして説明する。
まず、照明制御部11及び音響制御部12は、それぞれ照明制御入力及び音響制御入力を受け付けるまで待機する(S1:No)。そして、照明制御入力及び音響制御入力を受け付けると(S1:Yes)、照明制御部11及び音響制御部12は、それぞれ受け付けた照明制御入力及び音響制御入力に従って、各作業空間4に設置された照明負荷6及び音響装置7を制御する(S2)。これにより、各作業空間4の照明環境及び音響環境が、照明制御入力及び音響制御入力に基づいて制御される。
照明制御入力は、例えば任意の日における就業時刻から終業時刻までの照明スケジュールである。また、音響制御入力は、例えば任意の日における就業時刻から終業時刻までの音響スケジュールである。この場合、各作業空間4の照明環境及び音響環境が、それぞれ照明スケジュール及び音響スケジュールに従って制御される。
その後、照明制御部11は、受け付けた照明制御入力に変化がない場合(S3:No)、上記制御を維持する(S4)。一方、照明制御部11は、受け付けた照明制御入力に変化がある場合(S3:Yes)、変化後の照明制御入力に基づいて各作業空間4の照明環境を変更するように制御する(S5)。これにより、各作業空間4の照明環境が更新される。
同様に、音響制御部12は、受け付けた音響制御入力に変化がない場合(S6:No)、上記制御を維持する(S7)。一方、音響制御部12は、受け付けた音響制御入力に変化がある場合(S6:Yes)、変化後の音響制御入力に基づいて各作業空間4の音響環境を変更するように制御する(S8)。これにより、各作業空間4の音響環境が更新される。
照明制御入力の変化は、例えば権限者が、表示装置2を用いて各作業空間4の照明環境を調整する場合に生じ得る。音響制御入力の変化は、例えば権限者が、表示装置2を用いて各作業空間4の音響環境を調整する場合に生じ得る。以下、上記の一連の処理を照明スケジュール及び音響スケジュールが終了するまで(S9:Yes)、繰り返す。
[利点]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の利点について説明する。まず、本願の発明者の着眼点について説明する。近年では、ユーザのワークスタイルが多様化しつつあり、例えばABW型のオフィス3等が台頭している。「ABW」とは、既に述べたように、仕事内容に合わせて働く場所又はデスク等をユーザU1が選択する働き方である。具体的には、「ABW」は、一人で集中して作業をするソロワーク、又は複数人でアイディアを出し合うグループワーク等、ユーザU1の活動内容に応じて、それらに適した空間又は環境を複数個所用意することで、ユーザU1の生産性を向上させることを狙うワークスタイルである。
ところで、「ABW」におけるオープンな場所での打ち合わせ、又は個人の席でのインターネットを介した打ち合わせ等では、会話の音声が周囲に拡散し得る。このような会話の音声の拡散による会話内容の漏洩を防止したり、会話の音声が作業の妨げとなることを抑制したりすることを目的として、マスキング用の音をオフィス3にて再生することが考えられる。しかしながら、マスキング用の音自体がオフィス3で作業するユーザU1にとって作業の妨げとなり、ユーザU1の集中力の低下を招く、という問題が生じ得る。また、マスキング用の音により、リラックススペースでのユーザU1のリラクゼーションを阻害する、という問題も生じ得る。そこで、本願の発明者は、オフィス3において会話の音声をマスキングしつつ、ユーザU1が集中しやすい作業空間を提供することが可能なシステムを検討した。
上記の[検証]の結果を踏まえて、実施の形態に係る環境制御システム100では、音響制御部12は、作業空間4に特定音を再生するように音響装置7を制御する。そして、特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域fb1の音圧レベルが、第1周波数帯域fb1よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域fb2の音圧レベルよりも大きくなる特性を有する。これにより、実施の形態に係る環境制御システム100では、会話の音声をマスキングしつつ、ユーザU1が集中しやすい作業空間を提供することができる、という利点がある。具体的には、実施の形態に係る環境制御システム100では、第1周波数帯域fb1での音圧レベルが比較的高い特定音をオフィス3で再生することにより、人の発する音声に対するマスキング効果を得ることが可能である。また、第2周波数帯域fb2での音圧レベルを抑えた特定音をオフィス3で再生することにより、特定音を聴いたユーザU1が不快感を覚えにくい、つまり特定音がユーザU1にとっての作業の妨げになりにくく、ユーザU1の集中力を向上させる効果を得ることが可能である。
(変形例)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。以下、実施の形態の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせてもよい。
実施の形態において、作業空間4が複数である場合、照明制御部11及び音響制御部12は、それぞれ複数の作業空間4の環境を互いに異ならせるように、複数の作業空間4の各々に割り当てられた照明負荷6及び音響装置7を制御してもよい。これにより、作業空間4ごとに環境を異ならせることが可能であり、作業空間4ごとに異なるゾーニング効果が期待できる。
実施の形態では、環境制御システム100は、複数の作業空間4の各々の照明負荷6及び音響装置7を制御しているが、これに限られない。例えば、環境制御システム100は、1つの作業空間4の照明負荷6及び音響装置7のみを制御してもよい。
実施の形態では、環境制御システム100は、1つのオフィス3を対象としているが、これに限らない。例えば、環境制御システム100は、複数のオフィス3を対象とし、オフィス3ごとに各作業空間4の照明負荷6及び音響装置7を制御してもよい。
実施の形態において、環境制御システム100は、表示装置2を備えていなくてもよい。この場合、環境制御システム100は、例えば照明負荷6及び音響装置7の制御を実行するように、環境制御システム100の利用開始時点であらかじめ設定されていればよい。
実施の形態では、照明負荷6は環境制御システム100の構成要素に含まれていないが、照明負荷6が環境制御システム100の構成要素に含まれていてもよい。同様に、実施の形態では、音響装置7は環境制御システム100の構成要素に含まれていないが、音響装置7が環境制御システム100の構成要素に含まれていてもよい。
実施の形態では、オフィス3は複数の作業空間4を有しているが、これに限られない。例えば、オフィス3は、1つの作業空間4のみを有していてもよい。つまり、オフィス3全体が作業空間4であってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、環境制御システム100は、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、環境制御システム100は、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。環境制御システム100が複数の装置によって実現される場合、環境制御システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態でサーバ装置が備える構成要素は、閉空間に設置された情報端末に備えられてもよい。つまり、本発明は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
例えば、本発明は、環境制御システム100等のコンピュータが実行する環境制御方法として実現されてもよいし、このような環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
(まとめ)
以上述べたように、環境制御システム100は、作業空間4に設けられた音響装置7を制御する音響制御部12を備える。音響制御部12は、作業空間4に特定音を再生するように音響装置7を制御する。特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域fb1の音圧レベルが、第1周波数帯域fb1よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域fb2の音圧レベルよりも大きくなる特性を有する。
このような環境制御システム100によれば、会話の音声をマスキングしつつ、ユーザU1が集中しやすい作業空間を提供することができる、という利点がある。なお、特定音において、第1周波数帯域fb1の音圧レベルが、第2周波数帯域fb2の音圧レベルよりも大きいかどうかは、例えば騒音計等の測定機器の測定結果、又はマイク等の集音機器で取得した音をコンピュータ上のDAW(Digital Audio Workstation)若しくはマスタリングソフト等に含まれるアナライザ機能で読み込ませた結果等により判断される。
また、例えば、環境制御システム100では、第1周波数帯域fb1は、所定の言語における母音の第1フォルマントの周波数帯域を含む。
このような環境制御システム100によれば、人の発する音声に対するマスキング効果を更に向上させることが期待できる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、第2周波数帯域fb2は、人が不快感を覚える周波数帯域である。
このような環境制御システム100によれば、特に人が不快感を覚える周波数帯域での音圧レベルを比較的小さくすることにより、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、第2周波数帯域fb2は、周波数が2kHz以上の帯域である。
このような環境制御システム100によれば、特に人間の耳にとって他の周波数帯域よりも感度の高い周波数帯域での音圧レベルを比較的小さくすることにより、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、第2周波数帯域fb2は、周波数が5kHz以下の帯域である。
このような環境制御システム100によれば、特に人間の耳にとって他の周波数帯域よりも感度の高い周波数帯域での音圧レベルを比較的小さくすることにより、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、第1周波数帯域fb1よりも低い周波数帯域である第3周波数帯域fb3において、周波数が低くなる程、音圧レベルが大きくなる特性を更に有する。
このような環境制御システム100によれば、第3周波数帯域fb3において上記特性を有していない特定音と比較して、人の発する音声に対するマスキング効果を更に向上させることが期待できる、という利点がある。なお、特定音の第3周波数帯域fb3において、周波数が低くなる程、音圧レベルが大きくなっているかどうかは、上記と同様に、例えば騒音計等の測定機器の測定結果、又はマイク等の集音機器で取得した音をコンピュータ上のDAW若しくはマスタリングソフト等に含まれるアナライザ機能で読み込ませた結果等により判断される。
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、第2周波数帯域fb2において、周波数が高くなる程、音圧レベルが小さくなる特性を更に有する。
このような環境制御システム100によれば、第2周波数帯域fb2において上記特性を有していない特定音と比較して、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の向上が期待できる、という利点がある。なお、特定音の第2周波数帯域fb2において、周波数が高くなる程、音圧レベルが小さくなっているかどうかは、上記と同様に、例えば騒音計等の測定機器の測定結果、又はマイク等の集音機器で取得した音をコンピュータ上のDAW若しくはマスタリングソフト等に含まれるアナライザ機能で読み込ませた結果等により判断される。
また、例えば、環境制御システム100では、特定音の第2周波数帯域fb2における特性は、音圧レベルが1オクターブごとに6dB以上減衰する特性である。
このような環境制御システム100によれば、第2周波数帯域fb2において上記特性を有していない特定音と比較して、ユーザU1が不快感を覚えにくい、つまりユーザU1が集中しやすいという効果の更なる向上が期待できる、という利点がある。なお、特定音の第2周波数帯域fb2において、音圧レベルが1オクターブごとに6dB以上減衰しているかどうかは、、上記と同様に、例えば騒音計等の測定機器の測定結果、又はマイク等の集音機器で取得した音をコンピュータ上のDAW若しくはマスタリングソフト等に含まれるアナライザ機能で読み込ませた結果等により判断される。
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、複数である。音響制御部12は、作業空間4に複数の特定音のうちのいずれかの特定音を再生するように音響装置7を制御する。
このような環境制御システム100によれば、例えばユーザU1の置かれる状況に応じた特定音を再生することにより、マスキング効果及びユーザU1の集中力を向上させる効果の向上が期待できる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、音響制御部12は、特定音を時間帯に応じて切り替えて再生するように音響装置7を制御する。
このような環境制御システム100によれば、時間帯ごとに求められるユーザU1の気分に合わせて特定音を再生することにより、マスキング効果及びユーザU1の集中力を向上させる効果の向上が期待できる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100は、作業空間4に設けられた照明負荷6を制御する照明制御部11を更に備える。照明負荷6は、拡散形の配光特性を有する第1負荷61と、集光形の配光特性を有する第2負荷62と、を有する。照明制御部11は、第2負荷62を点灯させた場合における作業空間4の最大照度が、第1負荷61を点灯させた場合における作業空間4の最大照度よりも大きくなるように照明負荷6を制御する。
このような環境制御システム100によれば、ユーザU1が比較的集中しやすい空間を提供することができる、という利点がある。なお、第2負荷62を点灯させた場合における作業空間4の最大照度が、第1負荷61を点灯させた場合における作業空間4の最大照度よりも大きくなっているかどうかは、例えば色彩照度計等の測定機器で測定した照度結果等により判断される。
また、例えば、環境制御システム100では、照明制御部11は、第2負荷62を点灯させた場合における作業空間4の最大照度に対する、第1負荷61を点灯させた場合における作業空間4の最大照度の照度比が0.4以下となるように照明負荷6を制御する。
このような環境制御システム100によれば、ユーザU1が更に集中しやすい空間を提供することができる、という利点がある。なお、第2負荷62を点灯させた場合における作業空間4の最大照度に対する、第1負荷61を点灯させた場合における作業空間4の最大照度の照度比が0.4以下となっているかどうかは、例えば色彩照度計等の測定機器で測定した照度結果等により判断される。
また、例えば、環境制御システム100では、照明制御部11は、照明負荷6の発する光の色温度が3500K以上となるように照明負荷6を制御する。
このような環境制御システム100によれば、作業空間4で作業を行うユーザU1の作業性の向上を図りやすい、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100は、音響制御部12の制御パラメータを表示する表示部21を有する表示装置2を更に備える。
このような環境制御システム100によれば、権限者が制御内容を視覚的に把握しやすい、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、表示装置2は、制御パラメータの設定入力を受け付ける入力受付部22を更に有している。
このような環境制御システム100によれば、権限者が作業空間4の環境を所望の環境に変更することができる、という利点がある。
また、例えば、環境制御方法は、作業空間4に特定音を再生するように、作業空間4に設けられた音響装置7を制御する。特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域fb1の音圧レベルが、第1周波数帯域fb1よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域fb2の音圧レベルよりも大きくなる特性を有する。
このような環境制御方法によれば、会話の音声をマスキングしつつ、ユーザU1が集中しやすい作業空間を提供することができる、という利点がある。
100 環境制御システム
11 照明制御部
12 音響制御部
2 表示装置
21 表示部
22 入力受付部
4 作業空間
6 照明負荷
61 第1負荷
62 第2負荷
7 音響装置
fb1 第1周波数帯域
fb2 第2周波数帯域
fb3 第3周波数帯域

Claims (16)

  1. 作業空間に設けられた音響装置を制御する音響制御部を備え、
    前記音響制御部は、前記作業空間に特定音を再生するように前記音響装置を制御し、
    前記特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域の音圧レベルが、前記第1周波数帯域よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域の前記音圧レベルよりも大きくなる特性を有する、
    環境制御システム。
  2. 前記第1周波数帯域は、所定の言語における母音の第1フォルマントの周波数帯域を含む、
    請求項1に記載の環境制御システム。
  3. 前記第2周波数帯域は、人が不快感を覚える周波数帯域である、
    請求項1又は2に記載の環境制御システム。
  4. 前記第2周波数帯域は、周波数が2kHz以上の帯域である、
    請求項3に記載の環境制御システム。
  5. 前記第2周波数帯域は、周波数が5kHz以下の帯域である、
    請求項4に記載の環境制御システム。
  6. 前記特定音は、前記第1周波数帯域よりも低い周波数帯域である第3周波数帯域において、周波数が低くなる程、前記音圧レベルが大きくなる特性を更に有する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  7. 前記特定音は、前記第2周波数帯域において、周波数が高くなる程、前記音圧レベルが小さくなる特性を更に有する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  8. 前記特定音の前記第2周波数帯域における特性は、前記音圧レベルが1オクターブごとに6dB以上減衰する特性である、
    請求項7に記載の環境制御システム。
  9. 前記特定音は、複数であって、
    前記音響制御部は、前記作業空間に複数の前記特定音のうちのいずれかの前記特定音を再生するように前記音響装置を制御する、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  10. 前記音響制御部は、前記特定音を時間帯に応じて切り替えて再生するように前記音響装置を制御する、
    請求項9に記載の環境制御システム。
  11. 作業空間に設けられた照明負荷を制御する照明制御部を更に備え、
    前記照明負荷は、拡散形の配光特性を有する第1負荷と、集光形の配光特性を有する第2負荷と、を有し、
    前記照明制御部は、前記第2負荷を点灯させた場合における前記作業空間の最大照度が、前記第1負荷を点灯させた場合における前記作業空間の最大照度よりも大きくなるように前記照明負荷を制御する、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  12. 前記照明制御部は、前記第2負荷を点灯させた場合における前記作業空間の最大照度に対する、前記第1負荷を点灯させた場合における前記作業空間の最大照度の照度比が0.4以下となるように前記照明負荷を制御する、
    請求項11に記載の環境制御システム。
  13. 前記照明制御部は、前記照明負荷の発する光の色温度が3500K以上となるように前記照明負荷を制御する、
    請求項11又は12に記載の環境制御システム。
  14. 前記音響制御部の制御パラメータを表示する表示部を有する表示装置を更に備える、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  15. 表示装置は、前記制御パラメータの設定入力を受け付ける入力受付部を更に有している、
    請求項14に記載の環境制御システム。
  16. 作業空間に特定音を再生するように、前記作業空間に設けられた音響装置を制御し、
    前記特定音は、人の発する音声の周波数帯域に相当する第1周波数帯域の音圧レベルが、前記第1周波数帯域よりも高い周波数帯域である第2周波数帯域の前記音圧レベルよりも大きくなる特性を有する、
    環境制御方法。
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