JP2022159228A - オレフィン系重合体の重合触媒 - Google Patents

オレフィン系重合体の重合触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い活性、分子量、コモノマーの取り込み効率でオレフィンとビニルモノマーの共重合ができる、オレフィン重合触媒と、それを用いたオレフィン重合体の製造方法を提供する。【解決手段】 一般式(A)または(B)で表される化合物と、下記一般式(C)で表される遷移金属化合物を含む触媒組成物または一般式(D)で表される金属錯体の存在下でオレフィンを重合することを特徴とする、オレフィン系重合体の製造方法。(各一般式における定義は、明細書にて示されるとおりである)。【選択図】 なし

Description

本発明は、オレフィン系重合体の製造用の重合触媒に関する。特に、本発明は、特定の配位子を含む重合触媒に関する。また、本発明は、該触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法にも関する。
非極性モノマーであるエチレンやプロピレンなどのオレフィンと極性基を有するビニルモノマーとの共重合体は、無極性であるポリエチレンやポリプロピレンにはない機能や特性を有する。このような観点からエチレンやプロピレンと極性ビニルモノマーの共重合により、ポリエチレンやポリプロピレンに機能性を付与する研究が盛んに行われている。
エチレン、プロピレンと極性基含有ビニルモノマーを共重合することができる遷移金属触媒としては、α-ジイミン配位子を用いたパラジウム錯体を含む触媒が報告されている(非特許文献1)。エチレンとアクリル酸エステルとを共重合する遷移金属触媒としては、リン原子と酸素原子を配位原子とする配位子を用いたニッケル錯体を含む、いわゆるSHOP系触媒(特許文献1、特許文献2、非特許文献2、非特許文献3)や、ホスフィノスルホン酸配位子を有するパラジウム錯体を含む触媒(非特許文献4、非特許文献5)などが報告されている。
特許文献4、非特許文献6では、リン原子と酸素原子を配位原子とする配位子と遷移金属化合物としてビス-1,5-シクロオクタジエンニッケル(Ni(cod))とを反応させたニッケル触媒を用いることにより、分岐が少ない直鎖状のエチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体が得られることが報告されている。また、特許文献5では、非芳香族の骨格としてアルキレンを配位子骨格としてもち、リン原子と酸素原子を配位原子とする1価アニオン性2座配位子とニッケル塩化アリル二量体とを反応させたニッケル錯体を含む触媒によるエチレンと極性基含有モノマーとの共重合が報告されている。
非特許文献7では非芳香族の骨格としてアルキレンを配位子骨格として有し、リン原子と酸素原子を配位原子とする1価アニオン性2座配位子とビス-1,5-シクロオクタジエンニッケルとを反応させたニッケル触媒を用いることによる、エチレンのオリゴメリゼーションが報告されている。
非特許文献8では非芳香族の骨格を有し、リン原子と硫黄原子を配位原子とする1価アニオン性2座配位子とニッケル錯体とを反応させたニッケル触媒を用いることによる、エチレンのオリゴメリゼーションが報告されている。
米国特許4,698,403号明細書 特開昭64-14217号公報 米国特許出願公開第2007/0049712号明細書 国際公開第2010/050256号 国際公開第2001/092342号
Mecking,S.;Johnson,L.K.;Wang,L.;Brookhart,M.J.,Am.Chem.Soc.1998,120,888-899. Ittel,S.D.;Johnson,L.K.;Brookhart,M.,Chem.Rev.2000,100,1169-1203. Gibson,V.C.;Tomov,A.;White,A.J.P.;Williams,D.J.,Chem.Commun.2001,719-720. Drent,E.;van Dijk,R.;van Ginkel,R.;van Oort,B.;Pugh,R.I.,Chem.Commun.2002,744-745. Kochi,T.;Yoshimura,K.;Nozaki,K.,DaltonTrans.2006, 25-27. Xin.B.S.;Sato,N.;Tanna,A.;Oishi,Y.;Konishi,Y.;Shimizu,F.J.,Am.Chem.Soc.2017,139,3611-3614. Mueller, U.; Keim, W.; Krueger, C.; Betz, P. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1989, 28, 1011-1013. H.-F. Klein et al.,Inorganica Chimica Acta 358 (2005) 4394-4402
上記のように、オレフィン系の重合触媒が多数知られている。しかし、特許文献4、非特許文献6で用いられている配位子の骨格は芳香族であり、アクリル酸エステルとの共重合において、共重合体の分子量には改良の余地があった。また、特許文献5の触媒は、活性、分子量などの触媒性能が低い水準にとどまっており、さらにトリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランといった高価な活性化剤を必要とするといった問題もある。また、非特許文献7ではオリゴマーが得られているのみで重合活性は不明である。錯体の単離が行われているが、単離した錯体は重合性能を示さないことが開示されている。非特許文献8の触媒では、低密度ポリエチレンができることがあるとわかる程度であり、触媒の性能としては未知数である。
かかる状況において、本発明で解決しようとする課題は、高い活性、分子量、コモノマーの取り込み効率でオレフィンと(極性基含有)ビニルモノマーの共重合ができる、オレフィン重合触媒と、それを用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、特定の構造を有するアルキレンを配位子骨格として有し、15族および16族元素、特に窒素原子またはリン原子と酸素原子を配位原子とする1価アニオン性2座配位子と、特定のニッケル化合物および/またはパラジウム化合物とを組み合わせることにより、活性、分子量、極性モノマーの取り込み効率のいずれも高い水準にあるオレフィン系重合用触媒を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物とを含む、オレフィン重合用触媒組成物が提供される。
Figure 2022159228000001
[式(A)中、
は、酸素原子または硫黄原子を表し、
は、窒素原子、リン原子、砒素原子またはアンチモン原子を表し、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し(但しメチル基を除く)、
は、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~5の二価の飽和炭化水素基であり、
mは、1以上Zの価数以下の整数であり、
Zは、水素原子、脱離基または1以上4以下の価数を有するカチオンである。]
〔式(B)中、
は、ニッケル原子またはパラジウム原子を表し、
、L、LおよびLは、Mに配位したリガンドを表し、
qは0、1または2であり、
およびLまたは、LおよびLは互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5環員~10環員である。]
[式(C)中、
およびMは、それぞれ独立に、ニッケル原子またはパラジウム原子を表し、
、L、L、L、LおよびL10は、MまたはMに配位したリガンドを表し、
およびLは、互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5環員~10環員であり、LおよびL10は、互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5環員~10環員である。]
また、第2の発明によれば、下記一般式(D)で表される金属錯体が提供される。
Figure 2022159228000002

[式(D)中、R、R、X、Y、E、M、LおよびLは、前記定義のとおりである]
第3の発明によれば、前記一般式(A)が、下記一般式(E)で表されることを特徴とする、第1の発明に記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
Figure 2022159228000003

[式(E)中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、下記(i)~(iv):
(i)水素原子
(ii)ハロゲン原子
(iii)ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~30の炭化水素基
(iv)OR、CO、COM′、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2-y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3-x(R、OSi(OR3-x(R、NO、SOM′、POM′、P(O)(ORM′またはエポキシ含有基(ここで、Rは水素または炭素数1~20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1~20の炭化水素基を表し、M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスホニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す)からなる群より選ばれる原子または基を表し、R、R、RおよびRは、隣接する複数の基が互いに連結し、5~8員の、脂環式環、芳香族環、または酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ含有する複素環を形成していてもよく、
nは、0~4の整数であり、
、E、mおよびZは、前記定義のとおりである。]
第4の発明によれば、前記一般式(D)が、下記一般式(F)で表されることを特徴とする、第2の発明に記載の金属錯体が提供される。
Figure 2022159228000004

[式(F)中、R、R、R、R、R、R、n、X、E、M、LおよびLは、前記定義のとおりである。]
第5の発明によれば、前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)および(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、第3の発明に記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第6の発明によれば、前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)および(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、第4の発明に記載の金属錯体が提供される。
第7の発明によれば、前記Rが、前記(i)または(iii)からなる群より選ばれる原子または基である時、前記Rが(i)、(iii)およびCO、C(O)N(R、C(O)R、SOおよびP(O)(OR2-y(Rからなる群より選ばれる原子または基である(ここで、R、R、yは、前記定義のとおりである。)ことを特徴とする、前記第3または5に記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第8の発明によれば、前記Rが、前記(i)または(iii)からなる群より選ばれる原子または基である時、前記Rが(i)、(iii)およびCO、C(O)N(R、C(O)R、SOおよびP(O)(OR2-y(Rからなる群より選ばれる原子または基である(ここで、R 、yは、前記定義のとおりである。)ことを特徴とする、前記4または6に記載の金属錯体が提供される。
第9の発明によれば、前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)、(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、前記第3、5、7の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第10の発明によれば、前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)、(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、前記第4、6、8の発明のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
第11の発明によれば、前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、水素原子であることを特徴とする、前記第3、5、7、9の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第12の発明によれば、前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、水素原子であることを特徴とする、前記第4、6、8、10の発明のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
第13の発明によれば、前記Xが、酸素原子であることを特徴とする、前記第3、5、7、9、11の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第14の発明によれば、前記Xが、酸素原子であることを特徴とする、前記第4、6、8、10、12の発明のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
第15の発明によれば、前記Eが、窒素原子またはリン原子であることを特徴とする、前記第3、5、7、9、11、13の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第16の発明によれば、前記Eが窒素原子またはリン原子であることを特徴とする、前記第4、6、8、10、12、14の発明のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
第17の発明によれば、前記nが0~2の整数であることを特徴とする、前記第3、5、7、9、11、13、15の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第18の発明によれば、前記nが0~2の整数であることを特徴とする、前記第4、6、8、10、12、14、16のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
第19の発明によれば、前記nが1であることを特徴とする、前記第3、5、7、9、11、13、15、17の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第20の発明によれば、前記nが1であることを特徴とする、前記第4、6、8、10、12、14、16、18の発明のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
第21の発明によれば、前記M、MおよびMがニッケル原子である、前記第3、5、7、9、11、13、15、17、19の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物が提供される。
第22の発明によれば、前記Mがニッケル原子である、前記第2、4、6、8、10、12、14、16、18、20の発明のいずれかに記載の金属錯体が提供される。
さらに、第23の発明によれば、前記第1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21の発明のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒組成物を含む、オレフィン重合用触媒が提供される。
さらに、第24の発明によれば、前記第2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22の発明のいずれかに記載の金属錯体を含む、オレフィン重合用触媒が提供される。
第25の発明によれば、前記第23または24の発明のオレフィン重合用触媒の存在下、オレフィンを重合することを特徴とする、オレフィン系重合体の製造方法が提供される。
第26の発明によれば、オレフィンと極性基含有モノマーおよび非極性環状オレフィンから選ばれる少なくとも1種類のモノマーとを共重合することを特徴とする、前記第25の発明記載のオレフィン系重合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、高い活性、分子量、コモノマーの取り込み効率でオレフィンと(極性基含有)ビニルモノマーの共重合ができる、オレフィン重合触媒と、それを用いたオレフィン系重合体の製造方法を提供することができる。
本発明の1つの態様は、下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物とを含む、オレフィン重合用の組成物である。
Figure 2022159228000005

[上記式中の置換基、添え字等は、先に定義したとおりである]
以下、重合体の構成モノマー、触媒成分、製造方法等について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「重合」とは、モノマーが20量体以上のポリマーを形成する反応のことをいう。「重合」という用語は、1種類のモノマーの単独重合と複数種のモノマーの共重合を総称するものであり、本明細書においては共重合を単に「重合」と記載することがある。また、本発明はポリマーの製造方法にも関連するものであるが、ポリマーそのものは、一般に化学式などによってその構造を一義的に決定することができない。よって、本明細書において、ポリマーに関する記載を行うにあたっては、必要に応じ、ポリマーをその製造方法を用いることで記載する。
1.金属触媒
本発明においてオレフィン重合用触媒として用いられるものは、第一には、下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物とを含む、組成物である。
Figure 2022159228000006

[上記式中の置換基、添え字等は、先に定義したとおりである]
上記一般式(A)において、Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。即ち、本発明の方法では、16族元素を1価のアニオン性の配位原子として1つ有している配位子が用いられる。配位子として用いられる化合物の種類が豊富であることから、Xは、好ましくは、酸素原子である。
上記一般式(A)において、Eは、窒素原子、リン原子、砒素原子またはアンチモン原子を表す。即ち、本発明では、15族元素を中性の配位原子として1つ有している配位子が用いられる。配位子として用いられる化合物の種類が豊富であり、ニッケルまたはパラジウムなどの後周期遷移金属元素との配位性が良好であることから、Eは、窒素原子またはリン原子であることが好ましい。
上記一般式(A)において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表す(ただしメチル基を除く)。ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭化水素基とは、水素原子が1つ以上任意の置換基で置換された基および炭素骨格の一部がヘテロ原子に置換された炭化水素基をいう。ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいる炭素数1~20の炭化水素基の例としては、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含む炭化水素基が挙げられる。ここで、本明細書において、ある基が「置換もしくは非置換」であるときは、当該基が有する1つ以上の水素原子が、何等かの置換基で置き換えられていてもよいことを意味する。置換基の例としては、ハロゲン、アルキル基(好ましくは炭素数1~12、より好ましくはエチル、イソプロピル、t-ブチル、3-ペンチル、2,6-ジメチル-4-へプチル基)、ハロアルキル基(好ましくは炭素数2~10、アルケニル基(好ましくは炭素数2~10)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~10、より好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、1-アダマンチル、(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-イル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数2~9)、アリール基(好ましくは炭素数6~14、より好ましくはフェニル、2-メトキシフェニル、2,6-ジメトキシフェニル基)、アリーロキシ基(好ましくは炭素数6~14)、エーテル基(好ましくは炭素数1~14)、チオール基(好ましくは炭素数1~14)、スルフィド基(好ましくは炭素数1~14)、ハロゲン化アリール基(好ましくは炭素数6~14)、ヘテロ環(好ましくは炭素数5~14)、アミノ基(好ましくは炭素数1~14)、アミド基(好ましくは炭素数1~14)、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数1~14)、アリールカルボニル基(好ましくは炭素数6~14)、ケトカルボニル基(好ましくは炭素数2~14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~14)、カルボキシ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1~14)、スルホン酸基などが挙げられる。置換される位置は特に制限されず、任意の箇所で任意の個数が置換されていてもよい。
およびRの具体的な例としては、ヒドリド基(水素原子)、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、3-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、2,6-ジメチル-4-へプチル基、トリフルオロメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-イル基(メンチル基)、メトキシ基、エトキシ基、t-ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェニル基、p-メチルフェニル基、ベンジル基、フェノキシ基、ピリジニル基、ピロリル基、2-メトキシフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基(DEP)、2,6-ジメトキシフェニル基(DMP)、2’,6’-ジメトキシ[1,1’-ビフェニル]-2-イル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
好ましいRおよびRとしては、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、3-ペンチル基、2,6-ジメチル-4-へプチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-イル基(メンチル基)、フェニル基、2-メトキシフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基(DEP)、2,6-ジメトキシフェニル基(DMP)、2’,6’-ジメトキシ[1,1’-ビフェニル]-2-イル基、(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-イル基が挙げられ,より好ましくはt-ブチル基、3-ペンチル基、2,6-ジメチル-4-へプチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、メンチル基、フェニル基、2-メトキシフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基(DEP)、2,6-ジメトキシフェニル基(DMP)、2’,6’-ジメトキシ[1,1’-ビフェニル]-2-イル基が挙げられ、さらに好ましくはフェニル基、イソプロピル基、t-ブチル基、アダマンチル基、メンチル基、2,6-ジエチルフェニル基(DEP)、2,6-ジメトキシフェニル基(DMP)が挙げられる。なお、RおよびRがフェニル基かつYがエチレン基の場合、Eに直結する炭素原子が2つの基-CFを有していなくてもよい。
上記一般式(A)において、Yは、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~5の二価の飽和炭化水素基である。Yの例としては、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CHCH-)、n-プロピレン基(-CHCHCH-)、n-ブチレン基(-CHCHCHCH-)、n-ペンテン基(-CHCHCHCHCH-)のような直鎖状炭化水素基、またはこれらの水素原子が1つ以上任意の置換基で置換された、ジフルオロメチレン基(-CF-)、テトラフルオロエチレン基(-CFCF-)、ヘキサフルオロ-n-プロピレン基(-CFCFCF-)が挙げられる。置換基の種類としては上記例示のとおりであるが、2か所以上の置換基がそれぞれ連結して、脂環式構造、ヘテロ環構造、芳香環などの環を形成していてもよい。また、Yは少なくとも1つの置換基を有していることが好ましく、置換基が電子吸引性の置換基であることがより好ましく、Xに隣接する炭素原子が電子吸引性の置換基を有していることがさらに好ましい。電子吸引性の置換基が存在することで、置換基自体のかさ高さによる立体制御性に加えて、Xの電子状態を電子不足の方向に制御することができる。これにより、重合触媒としたときの性能が向上する傾向にある。ニッケルまたはパラジウム錯体としたときに安定な環構造を形成するという点から、EとXを連結する部分(Y)の炭素数は、2(エチレン基)または3(n-プロピレン基)であることが好ましい。
上記一般式(A)において、Zは、水素原子、脱離基、1以上4以下の価数を有するカチオンであり、mは、1以上Zの価数以下の整数である。mが1のとき、Zとしては、水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが例示される。mが2のとき、Zとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンなどが例示される。脱離基としては、水素原子、RSO基(ここでRは、炭素数1~20の炭化水素基を表す)、CFSO基、RSO、TiOR基などを挙げることができる。カチオンとしては、具体的には、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスホニウム、周期表1族~14族の金属イオンを挙げることができる。これらのうち好ましくは、水素原子、NH4+、(R(ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい。以下同様である。)、(R、Li、Na、K、Cu、Ag、Au,Mg2+、Ca2+、Al3+であり、さらに好ましくは、水素原子、(R、Li、Na、K、Agである。
上記一般式(B)または(C)におけるM、MおよびMは、それぞれ独立に、周期表の10族に属するニッケル原子またはパラジウム原子である。ここで、金属Mの価数とは、有機金属化学で用いられる形式酸化数(formal oxidation number)を意味する。すなわち、ある元素が関与する結合中の電子対を電気陰性度の大きい元素に割り当てたとき、その元素の原子上に残る電荷の数を指す。安価に入手が可能であることから、ニッケル原子であることが好ましい。
上記一般式(B)または(C)におけるL~L、L、L10は、金属原子M~Mのいずれかに配位したリガンドを表し、-1価の電子供与性配位子または中性の電子供与性配位子を表す。-1価の電子供与性配位子は、電気的に陰性であり中心金属Mにσ結合するか、または3以上の炭素原子に非極在化したπ電子を供与する配位子である。中性の電子供与性配位子は、一つの例としては電気的に中性であり不対電子を中心金属Mに配位させることで配位結合を形成しうる配位子であり、不対電子を有する窒素原子、リン原子、ヒ素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子などを有する分子である。また別の例として、π電子を供与することによってπ供与結合を形成するエチレン、シクロオクタジエン(cod)のような分子、金属に配位するオレフィンとヘテロ原子をともに有するジベンジリデンアセトン(dba)のような分子が挙げられる。L~L、L、L10として用いることができるものとしては、アセトニトリル、イソニトリル、一酸化炭素、エチレン、テトラヒドロフランなど、金属錯体の中性配位子として公知のもの、アリルやシクロペンタジエニルなどπ電子を供与する配位子を用いることができる。また、ER’R’’R’’’またはXR’R’’で示される分子を配位子とすることもできる。ここで、EはN、PまたはAsを表し、XはO、SまたはSeを示し、R’、R’’およびR’’’はそれぞれ独立して、水素原子;置換されていてもよい炭素数1~30のアルキル基、脂環式基、アルコキシ基、アリール基もしくはアリールオキシ基;またはそれぞれ独立して炭素数1~30の炭化水素で1つ以上の水素原子が置換されたアミノ基もしくはシリル基を表し、R’とR’’は連結してヘテロ環構造を形成していてもよく、R’、R’’およびR’’’は、Eを含んで結合し芳香族ヘテロ環構造を形成してもよい。さらに、LとL、LとL、LとL、LとL10は、互いに結合してMまたはMを含む環を形成してもよく、これらの基が環を形成するとき、当該環の最小の環員数はMを含めて5員環から10員環である。
~L、L、L10は、-1価の電子供与性配位子を有していてもよいが、金属錯体を生成する反応を容易とするために、金属錯体の価数が1または2となるように選択されることが好ましい。したがって、L~L、L、L10のうち-1価の電子供与性配位子の数は、0または1であることが好ましい。
~L、L、L10としては、水素原子、ハロゲン原子又は1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基が挙げられ、炭化水素部分の構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含む環を形成していてもよい。好ましい炭素数は1~16であり、更に好ましくは1~10である。
~L、L、L10の具体的な例としては、それぞれ独立にヒドリド基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、トリメチルシリルメチル基、フェニル基、p-メチルフェニル基、p-フルオロフェニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、フルオライド基、クロライド基、ブロマイド基、ヨード基等が挙げられる。好ましい例として、ヒドリド基、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリメチルシリルメチル基、フェニル基、p-フルオロフェニル基、クロライド基、ブロマイド基、ヨード基が挙げられる。
その他に好ましいものとして、ホスフィン類、ピリジン類、ピペリジン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル誘導体、アリールニトリル誘導体、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、アミン類、環状不飽和炭化水素類等を挙げることができる。更に好ましいものとしては、ホスフィン類、ピリジン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、環状オレフィン類が挙げられ、特に好ましいものとして、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ピリジン、ルチジン(ジメチルピリジン)、ピコリン(メチルピリジン)、RCO (ここでR及びRは、先に定義したとおりである)を挙げることができる。なお、LとL、LとL、LとL、LとL10は、互いに結合してMまたはMを含む環を形成してもよい例として、シクロオクタ-1-エニル基、アセチルアセナート基、テトラメチルエチレンジアミン基、1,2-ジメトキシエタン基を挙げることができ、これもまた好ましい態様である。
およびLは、金属原子MおよびMに配位したリガンドを表すが、各々、MおよびMと3中心4電子結合と呼ばれる様式で結合している。LまたはLの配位子の例としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4の炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のチオアルコキシ基、炭素巣1~6の炭化水素基置換アミノ基、アセチル基が挙げられる。好ましいものとして、フルオライド基、クロライド基、ブロマイド基、ヨード基、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、フェノキシ基、ジメチルアミド基、ヒドリド基、チオメトキシ基、チオフェノキシ基、アセチル基が挙げられ、より好ましいものとしてフルオライド基、クロライド基、ブロマイド基、ヨード基、メチル基、メトキシ基、フェノキシ基、ヒドリド基、チオメトキシ基、チオフェノキシ基、アセチル基が挙げられ、さらに好ましいものとしてクロライド基、ブロマイド基、ヨード基、メトキシ基、フェノキシ基、アセチル基が挙げられる。
上記一般式(B)において、qは、0、1、または2の値である。
ここで、本発明における一般式(B)、(C)、(D)、(F)における最小の環員数は、次のように定義する。環員数は、配位部位のハプト数と、その他の環を構成している原子の和で環員数を定義する。この時、最小の環員数は以下のように定義する。
(i)環が単環のときは、遷移金属原子Mと遷移金属原子に配位するリガンドLおよびLを含む単環の環員数を最小の環員数とする。
Figure 2022159228000007

例えば、上記の化合物においてアリル基のハプト数は3であり、アリル基のほかに環を構成している原子はニッケルが1つあるため、環員数は4である。
(ii)環が多環のとき、遷移金属原子Mと遷移金属原子に配位するリガンドLおよびLを含む全ての環の環員数を計算し、その中で最も小さい値を最小の環員数とする。
Figure 2022159228000008

例えば、上記の化合物において、Niを含む環は太線で表された(A)と(B)の2つがある。(A)においてはニッケル原子と配位しているのはハプト数が1の1価アニオンの炭素原子とハプト数が2のアルケンであり、他に環を構成している原子は炭素原子が2つとニッケル原子が1つである。したがって、(A)の環員数は6である。一方、(B)においてはニッケルと配位しているのはハプト数が1の1価アニオンの炭素原子とハプト数が2のアルケンであり、他に環を構成している原子は炭素原子が3つとニッケル原子が1つである。したがって、(B)の環員数は7である。(A)の環員数の値のほうが小さいので、上記の化合物の最小の環員数は6である。
式(B)または式(C)で表される化合物の具体的な例としては、以下のような化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、一般式(A)で表される化合物と錯体を形成すると考えられる。
Figure 2022159228000009

Figure 2022159228000010
好ましい一態様において、前記一般式(A)で表される化合物は、下記一般式(E)で表される。
Figure 2022159228000011

[式(E)中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、下記(i)~(iv):
(i)水素原子
(ii)ハロゲン原子
(iii)ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~30の炭化水素基
(iv)OR、CO、COM′、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2-y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3-x(R、OSi(OR3-x(R、NO、SOM′、POM′、P(O)(ORM′またはエポキシ含有基(ここで、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1~20の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20の炭化水素基を表し、M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスホニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す)からなる群より選ばれる原子または基を表し、R、R、R、およびRは、隣接する複数の基が互いに連結し、5~8員の、脂環式環、芳香族環、または酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ含有する複素環を形成していてもよく、
nは、0~4の整数であり、
は、酸素原子または硫黄原子を表し、
は、リン原子、砒素原子またはアンチモン原子を表し、
mは、1以上Zの価数以下の整数であり、
Zは、水素原子、脱離基または1以上4以下の価数を有するカチオンである。]
~Rは、炭素鎖に結合した置換基に相当する。前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)および(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることが、立体制御によりオレフィンが反応する方向を制御することや連鎖移動の防止ができるため、好ましい。特に、RまたはRが、電子吸引性基であると、オレフィン重合触媒としての性能がより向上するため好ましい。
~Rにおける(ii)ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素,ヨウ素が挙げられる。
(iii)ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~30の炭化水素基としては、上記のRと同様のものが挙げられる他、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、2,4,6-トリフェニルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル、9-アントラセニル、ペンタフルオロエチル等が挙げられる。さらに、隣接する複数の基が互いに連結し、5~8員の、脂環式環、芳香族環、または酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ含有する複素環を形成してもよいとしては、1,2-シクロペンチレン、1,2-シクロヘキシレン、1-オキソ-2,3-シクロペンチレン、1-オキソ-2,3-シクロヘキシレン、1,2-ジヒドロアセナフチレン、9,10-ジヒドロアントラセニレン等が挙げられる。
上記(iv)としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、Tert-ブトキシ、メトキシカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル、メシル、トシル等が挙げられる。
nの値は、EとXとを連結する炭素鎖の炭素数と関連する。5員環となり錯体の構造が安定するため、nが1であることが好ましい。
一般式(A)で表される化合物の具体的な例としては、以下のような化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、一般式(B)または(C)で表される化合物と錯体を形成し、ニッケル原子またはパラジウム原子の配位子として機能する。特に、Xが酸素原子でありEがリン原子であるような一般式(A)で表される化合物は、アルキレン基を介してリンと酸素が結合した構造を有するので、以下、このような化合物群を、Alkylene Linked Phosphine Alkoxide(ALPHA)配位子ということがある。下記化合物のうち,結合が波線で記されている化合物(*で記した化合物)はフェニル基の結合を直線ではなく波線で記載していて、これは2種類のジアステレオマーを含んでいることを示している。
Figure 2022159228000012

Figure 2022159228000013
上記一般式(A)で表される化合物は、上記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物との組成物の状態で、または該遷移金属化合物との反応生成物である金属錯体の状態で、オレフィンの重合反応の触媒として用いることができる。オレフィンの重合反応において、触媒として用いられる当該生成物は、上記一般式(A)で表される化合物と、上記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物とを反応させた後で生成物を単離して用いてもよいが、当該生成物を反応系から単離や洗浄を行わずに、重合反応に直接用いてもよい。これら化合物を反応させる方法は、金属錯体の合成において公知の方法を用いることができる。操作はすべて不活性ガス下で行うことが好ましい。反応は均一な溶媒中で行うが、溶媒としては一般的な炭化水素系反応溶媒を用いることができ、好ましくはトルエンである。反応溶媒中の遷移金属化合物の濃度は、飽和濃度を上限として自由に設定することができるが、好ましくは10mM~40mMの範囲である。配位子と遷移金属化合物の混合順序は制限されない。固体の配位子と固体の遷移金属化合物との混合物に溶媒を加えることもできるし、固体の配位子に溶解させた遷移金属化合物を加えることもできる。配位子と遷移金属化合物の混合比は配位子:金属=1:1~1:10の範囲とすることが好ましい。混合温度は溶媒の沸点を上限として20℃以上で適宜設定することができる。好ましくは35℃~45℃の範囲である。混合に要する時間は好ましくは1分~24時間の範囲とすることができるが、好ましくは10~30分である。本発明の1つの態様は、上記一般式(A)で表される化合物と、上記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物とを反応させる工程を含む、オレフィン重合用触媒の製造方法である。
別の一態様において、本発明の方法で用いられる触媒は、下記一般式(D)で表される金属錯体である。
Figure 2022159228000014

[式(D)中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、
は、酸素原子または硫黄原子を表し、
は、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~5の飽和炭化水素基を表し、
は、窒素原子、リン原子、砒素原子またはアンチモン原子を表し、
Mは、ニッケル原子またはパラジウム原子を表し、
およびLは、Mに配位したリガンドを表し、互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5~10である。]
、R、X、Y、E、M、Lの具体例、好ましい態様などは、一般式(A)、(B)または(C)における説明と共通する。したがって、好ましい一態様において、前記一般式(D)で表される化合物は、下記一般式(F)で表される。
Figure 2022159228000015
[式(F)中、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、下記(i)~(iv):
(i)水素原子
(ii)ハロゲン原子
(iii)ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~30の炭化水素基
(iv)OR、CO、COM′、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2-y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3-x(R、OSi(OR3-x(R、NO、SOM′、POM′、P(O)(ORM′またはエポキシ含有基(ここで、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1~20の炭化水素基を表し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1~20の炭化水素基を表し、M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスホニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す)からなる群より選ばれる原子または基を表し、R、R、R、およびRは、隣接する複数の基が互いに連結し、5~8員の、脂環式環、芳香族環、または酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ含有する複素環を形成していてもよく、
nは、0~4の整数であり、
Mは、ニッケル原子またはパラジウム原子を表し、
およびLは、Mに配位したリガンドを表し、RおよびLは互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の環員数はMを含めて5~10員環であり、
は、酸素原子または硫黄原子を表し、
は、リン原子、砒素原子またはアンチモン原子を表す。]
上記一般式(D)で示される金属錯体の具体的な例としては、以下のような錯体を挙げることができる。ただし、これらは例示であり本発明の方法における錯体がこれら具体例に限定されるものではない。
Figure 2022159228000016
さらに、以下のような錯体も挙げることができる。ただし、これらは例示であり本発明の方法における錯体がこれら具体例に限定されるものではない。なお、下記構造において、リン原子上の置換基である2,6-ジメトキシフェニル基をt-ブチル基に置き換えた化合物も具体的に挙げることができる。
Figure 2022159228000017
本発明の方法で用いる、上記一般式(D)で表される金属錯体は、公知の方法により調製することができる。公知の錯体調製法に基づいて当業者が原料の変更など適宜改変を加えることで、本発明の方法で用いる金属錯体を調製することができる。
3.助触媒
本発明の方法においては、上記一般式(A)で表される化合物と、上記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物との生成物である金属錯体、または上記一般式(D)で示される金属錯体(以下、これらをまとめて単に「金属錯体触媒」ということがある)に加え、さらに助触媒を加えてもよい。助触媒としては、例えば周期表第1、2または13族元素を含有する有機金属化合物が挙げられる。特に、下記一般式(2)で示される化合物、一般式(3)で示される化合物または有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。これらの化合物は、複数種類が触媒組成物に含まれていてもよい。
Figure 2022159228000018

Figure 2022159228000019
前記一般式(2)で示される化合物は、QR131415で表される、ホウ素またはアルミニウム化合物である。(式中、Qはホウ素(B)またはアルミニウム(Al)を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立して、水素原子;置換されていてもよい炭素数1~30のアルキル基、脂環式基、アルコキシ基、アリール基もしくはアリールオキシ基;またはそれぞれ独立して炭素数1~30の炭化水素で1つ以上の水素原子が置換されたアミノ基もしくはシリル基を表す。)
13~R15としては、先にRなどの説明において記載した例示等があてはまるが、化合物の調製や入手の容易さなどから、アルキル基、アリール基など、炭化水素に属する基、またはトリフルオロメチル基、パーフルオロフェニル基などハロゲン(特にフッ素)で置換されたアルキル基またはアリール基であることが好ましい。
前記一般式(2)で示される化合物の例は、トリメチルボラン、トリメトキシボラン、パーフルオロメチルボラン、トリフェニルボラン、トリス(パーフルオロフェニル)ボラン、トリフェノキシボラン、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(ジフェニルアミノ)ボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ(n-プロピル)アルミニウム、トリ(n-ブチル)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ(n-ヘキシル)アルミニウム、トリ(n-オクチル)アルミニウム、トリ(n-デシル)アルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどであるが、これらに限定されない。
前記一般式(3)で示される化合物は、[CR161718][QR19202122]で表される、ホウ素またはアルミニウムのカルボカチオンとの塩である。(式中、Qは前記一般式(2)に定義されたとおりであり、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立して、R13と同義である。)
16~R22としては、先にRなどの説明において記載した例示等があてはまるが、化合物の調製や入手の容易さなどから、アルキル基、アリール基など、炭化水素に属する基であることが好ましく、カルボカチオンを得やすいことから、t-ブチル基やアリール基など嵩高い炭化水素基がより好ましい。
前記一般式(3)で示される化合物の例は、トリチルテトラメチルボレート、トリチルテトラキス(パーフルオロメチル)ボレート、トリチルテトラフェニルボレート、トリチルテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートなどであるが、これらに限定されない。
前記一般式(2)または(3)で示される化合物は、市販されているものを用いることができるほか、当該化合物が有する置換基に応じて、公知の方法を適宜改変することによっても得ることができる。
前記一般式(2)または(3)で示される化合物のほか、本発明の方法における触媒組成物には、有機アルミニウムオキシ化合物を加えることもできる。有機アルミニウム化合物を用いる場合の例としては、メチルアルミノキサン(MAO)や修飾メチルアルミノキサン(MMAO)が挙げられ、市販のものを用いることができる。容易に入手でき、取扱い性もよいことからMMAOが好ましい。MAO、MMAOは市販のものを用いることができ、グレード等による制限はない。
先に例示した13族元素を有する化合物のほか、メチルリチウムやn-ブチルリチウムなどのアルキルリチウムをはじめとする1族金属含有化合物、グリニャール試薬などの2族金属含有化合物のような、助触媒として従来公知の有機金属化合物もまた、助触媒として用いることもできる。これらの化合物も市販のものを用いることができ、グレード等による制限はない。
これらの助触媒は、上記金属錯体触媒と同じ条件で用いることができるが、不活性ガス雰囲気下、酸素や水分を避けて使用することが好ましい。加える場合の使用量についても、当業者であれば適宜設定することができる。
3.重合体の構成モノマー
本発明において重合反応に付されるモノマーは、オレフィンモノマーであり、炭素-炭素二重結合を有する直鎖状、分岐鎖状または脂環式炭化水素である。特に、エチレン、プロピレンおよびα-オレフィンが例示される。α-オレフィンは炭素鎖末端に炭素-炭素二重結合を有する分子である。α-オレフィンの構造としては炭素数4~20のものが好ましく、分岐、環および/または末端以外に不飽和結合を有していてもよい。炭素数が20より大きいと、十分な重合活性が発現しないことがある。このため、炭素数4~10のα-オレフィンがより好ましい。さらに好ましいオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキセンが挙げられ、特に好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ヘキセン、1-デセンが挙げられる。オレフィンとしては、1種類のみを用いてもよく、2種類以上のオレフィンを同時に用いてもよい。
本発明において重合反応に付されるモノマーは、上記オレフィン以外の例として、末端以外に炭素-炭素二重結合を有するアルケン、極性基含有モノマーもしくは非極性環状オレフィンが挙げられる。本発明の方法では、上記オレフィンを単独で用いてもよく、または、上記オレフィンと極性基含有モノマーもしくは非極性環状オレフィンとを同時に用いてもよい。
末端以外に炭素-炭素二重結合を有するアルケンの例としては、2-ブテン、2-ペンテン、2-ヘキセンなどが挙げられる。これらモノマーは単一の成分を使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
非極性環状オレフィンの例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。これらモノマーは単一の成分を使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
極性基含有モノマーとしては、オレフィン、末端以外に炭素-炭素二重結合を有するアルケン、非極性環状オレフィンに極性を有する官能基を導入したモノマーが挙げられる。オレフィンに極性を有する官能基を導入したモノマーの例としては、一般式:CH=C(R10)(R11)で表される極性基含有モノマーが挙げられる。極性基含有モノマーの好ましい例は、(メタ)アクリル酸エステルである。ここで、R10は、水素原子または炭素数1~10の炭化水素基を表し、R11は、-COOR12(ここでR12は炭素原子数1~20の炭化水素基を表す)、-CON(-R12’(ここでR12’は各々独立して水素原子または炭素原子数1~20の炭化水素基を表す)、シアノ基、または置換されていてもよいアリール基を表す。より十分な重合活性を発現させることができるため、R10は、好ましくは水素原子または炭素数1~3の炭化水素基である。より好ましくは、R10は水素原子またはメチル基である。R11としては、前記置換基であれば特に制限はないが、共重合体としたときの用途が広く存在することから、-COOR12またはアリール基であることが好ましい。このとき、R12の炭素数が20を超えると、重合活性が低下する傾向がある。よって、R12は、好ましくは炭素数1~12の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1~8の炭化水素基である。
また、R12としては炭素原子および水素原子で構成されるものが好ましいが、R12内には、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子、窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、ホウ素原子等のヘテロ原子が含まれていてもよい。これらのヘテロ原子のうち、酸素原子、ケイ素原子、フッ素原子が好ましく、酸素原子がさらに好ましい。水素原子でない場合のR12’の好ましい範囲・例示についても、R12と同様である。
末端以外に炭素-炭素二重結合を有するアルケン、非極性環状オレフィンに極性を有する官能基を導入したモノマーとしては、これらアルケンまたは環状オレフィンの例示化合物に、前記R11で表される置換基を任意の箇所に導入した化合物が挙げられる。
極性基含有モノマーとしてさらに好ましい例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸-3,3,3-トリフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジメチルアミド、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリロニトリル、10-ウンデセン酸メチル、スチレン、4-メチルスチレン、4-アセトキシスチレン、ビニルアニソール、ノルボルネン、5-ノルボルネン-2-カルボン酸メチル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸t-ブチル、5-ノルボルネン-2-メタノール、5-ノルボルネン-2-メチルアミン、5-ノルボルネン-2-メチルピバルアミド、酢酸5-ノルボルネン-2イル等が挙げられる。より好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸t-ブチル、アクリロニトリル、10-ウンデセン酸メチル、スチレン、4-メチルスチレン、4-アセトキシスチレン、4-ニトロスチレン、ビニルアニソール、ノルボルネン、5-ノルボルネン-2-カルボン酸メチル、5-ノルボルネン-2-カルボン酸t-ブチル、5-ノルボルネン-2-メチルピバルアミド、酢酸5-ノルボルネン-2イルから選ばれる少なくとも1種である。
さらに好ましい例としては、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸メチル、10-ウンデセン酸メチル、4-メチルスチレン、4-アセトキシスチレン、ノルボルネン、5-ノルボルネン-2-カルボン酸t-ブチル、酢酸9-デセニル、1,2-エポキシ-9-デセンから選ばれる少なくとも1種である。
これらモノマーは単一の種類を使用してもよいし、複数種類を併用してもよい。
以上のモノマーの種類は、得られる重合体に要求される物性に合わせて適宜選択することができる。また、場合により、2種類以上のモノマーの組成物を共重合させることも可能であり、2種類以上の極性基含有モノマーからなる組成物を共重合させることも可能である。配合されるモノマーの量、各モノマー間の量比は、得られる共重合体に要求される物性に合わせて適宜設定することができる。
4.重合反応
本発明の方法において、上記金属錯体触媒を含む触媒組成物を、共重合の触媒成分として使用することができる。各金属錯体触媒は、単離したものを用いてもよいし、担体に担持したものを用いてもよい。こうした担持をオレフィンの重合やオレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器中で、これらのモノマーの存在下または非存在下で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。
使用可能な担体としては、本発明の主旨をそこなわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。一般に、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO-Al、SiO-V、SiO-TiO、SiO-MgO、SiO-Cr等の混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
無機ケイ酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土等が使用可能である。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。
これら具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロサイト、ハロサイト等のハロサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられる。
これらの担体は、そのまま用いてもよいが、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理および/または、LiCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、LiSO、MgSO、ZnSO、Ti(SO、Zr(SO、Al(SO等の塩類処理を行ってもよい。該処理において、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。また、粉砕や造粒等の形状制御や乾燥処理を行ってもよい。
本発明の方法では、前記助触媒のほか、公知の添加剤の存在下または非存在下で重合反応を行うことができる。添加剤としては、生成共重合体を安定化する作用を有する添加剤が好ましい。例えば、キノン誘導体やヒンダードフェノール誘導体などが好ましい添加剤の例として挙げられる。
具体的には、モノメチルエーテルハイドロキノンや、2,6-ジ-t-ブチル4-メチルフェノール(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。
また、添加剤として、無機および/または有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で、またはイオン液体を添加して重合を行ってもよい。
本発明における好ましい添加剤として、ルイス塩基が挙げられる。適切なルイス塩基を選択することにより、活性、分子量、アクリル酸エステルの共重合性を改良することができる。ルイス塩基の量としては、重合系内に存在する触媒成分中の遷移金属Mに対して、0.0001当量~1000当量、好ましくは0.1当量~100当量、さらに好ましくは0.3当量~30当量である。ルイス塩基を重合系に添加する方法については、特に制限はなく、任意の手法を用いることができる。例えば、本発明の触媒成分と混合して添加してもよいし、モノマーと混合して添加してもよいし、触媒成分やモノマーとは独立に重合系に添加してもよい。また、複数のルイス塩基を併用してもよい。
ルイス塩基としては、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル類、アリールニトリル類、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、フォスフェート類、フォスファイト類、チオフェン類、チアンスレン類、チアゾール類、オキサゾール類、モルフォリン類、環状不飽和炭化水素類などを挙げることができる。
これらのうち、特に好ましいルイス塩基は、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類であり、なかでも好ましいルイス塩基は、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピペリジン誘導体、イミダゾール誘導体、アニリン誘導体、ピペリジン誘導体、トリアジン誘導体、ピロール誘導体、フラン誘導体である。
具体的なルイス塩基化合物としては、ピリジン、ペンタフルオロピリジン、2,6-ルチジン、2,4-ルチジン、3,5-ルチジン、ピリミジン、N、N-ジメチルアミノピリジン、N-メチルイミダゾール、2,2′-ビピリジン、アニリン、ピペリジン、1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ピリジル)-s-トリアジン、キノリン、8-メチルキノリン、フェナジン、1,10-フェナンスロリン、N-メチルピロール、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ-[2,2,2]-オクタン、トリエチルアミン、ベンゾニトリル、ピコリン、トリフェニルアミン、N-メチル-2-ピロリドン、4-メチルモルフォリン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、フラン、2,5-ジメチルフラン、ジベンゾフラン、キサンテン、1,4-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、ジベンゾチオフェン、チアンスレン、トリフェニルフォスフォニウムシクロペンタジエニド、トリフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスフェート、トリピロリジノフォスフィンなどを挙げることができる。
本発明において、重合形式に特に制限はない。媒体中に全ての生成重合体が溶解する溶液重合、媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、または、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが好ましく用いられる。また、バッチ重合、セミバッチ重合のいずれの形式でもよい。重合反応を行う環境としては、窒素雰囲気下などの不活性ガス雰囲気下で使用することが好ましい。金属錯体触媒は、一般的な重合条件下であればその使用条件に特段の制限はない。金属錯体触媒の使用量は、触媒として用いるのに適切な範囲であれば特に制限されず、当業者であれば適宜設定することができる。
本発明における重合反応は、液相での重合が好ましいモノマーを用いる場合においては、n-ブタン、イソブタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶媒や液化オレフィン等の液体、クロロベンゼンや1,2-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、また、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のような極性溶媒の存在下あるいは非存在下に行われる。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。液化オレフィンは、バルク重合に付すモノマーとして使用することもできる。さらに、イオン液体も、溶媒として使用可能である。なお、高い重合活性や高い分子量を得るうえでは、上述の炭化水素溶媒やイオン液体がより好ましい。
未反応モノマーや媒体は、生成共重合体から分離し、リサイクルして使用してもよい。リサイクルの際、これらのモノマーや媒体は、精製して再使用してもよいし、精製せずに再使用してもよい。生成共重合体と未反応モノマーおよび媒体との分離には、従来公知の方法が使用できる。例えば、濾過、遠心分離、溶媒抽出、貧溶媒を使用した再沈などの方法が使用できる。
重合温度、重合圧力および重合時間に、特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行うことができる。すなわち、重合温度は、通常-20℃~290℃、好ましくは0℃~250℃、より好ましくは0℃~200℃、さらに好ましくは10℃~150℃、特に好ましくは20℃~100℃である。共重合圧力は、0.1MPa~300MPa、好ましくは0.3MPa~200MPa、より好ましくは0.5MPa~150MPa、さらに好ましくは1.0MPa~100MPa、特に好ましくは1.3MPa~50MPaである。重合時間は、0.1分~100時間、好ましくは0.5分~70時間、さらに好ましくは1分~60時間の範囲から選ぶことができる。
本発明において、重合は、一般に不活性ガス雰囲気下で行われる。例えば、窒素、アルゴン雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。ただし、例えばエチレンのような常温で気体のモノマーを用いる場合には、反応系をエチレンで充填したうえで重合を行うことができる。
重合反応器への触媒とモノマーの供給に関しても、特に制限はなく、目的に応じて、さまざまな供給法をとることができる。たとえばバッチ重合の場合、あらかじめ所定量のモノマーを重合反応器に供給しておき、そこに触媒を供給する手法をとることが可能である。この場合、追加のモノマーや追加の触媒を重合反応器に供給してもよい。
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して共重合組成を制御する方法が挙げられる。本発明の方法においては、特に非極性モノマー(エチレン)の含有率が極性モノマーに対して高いブロック共重合体を得ることができる。非極性モノマー種全体の、共重合体全体における量比(モル比)としては、下限が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。上限は共重合体に与えようとする物性によっても変動し適宜調整することが可能であるが、99.99%以下であることが好ましく、99.95%以下であることがより好ましく、99.9%以下であることが特に好ましい。この範囲とすることで、耐熱性などポリオレフィンが元来有する性質を大きく損なうことなく、塗料との親和性や接着性などを付与することができ、かつ物性の制御が可能である。
重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。すなわち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中のリガンド構造の制御により分子量を制御する方法等が挙げられる。連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。
本発明の方法は、高い活性、分子量、コモノマーの取り込み効率でオレフィンと(極性基含有)ビニルモノマーの共重合体を提供することができるため、様々な特性を備えた重合体を提供する方法として利用可能である。また、本発明の方法で用いる触媒は、触媒性能のバランスが良く、高活性、高分子量の(共)重合体が得られるだけでなく、触媒として単離しなくてもよいため、効率のよいオレフィン系重合体の合成に利用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。以下の合成例、実施例における配位子、金属錯体の合成および重合反応は、特に断りのない限り全て窒素雰囲気下で行った。
実施例で使用される以下の略語について説明する。
tBA:アクリル酸tert-ブチル
4-MeSt:4-メチルスチレン
MMA:メタクリル酸メチル
NB:ノルボルネン
tBNC:5-ノルボルネン-2-カルボン酸 tert-ブチル
MU:10-ウンデセン酸メチル
4-OAcSt:4-アセトキシスチレン
NbocNBMA:N-(tert-ブトキシカルボニル)-5-ノルボルネン-2-メチルアミン
DA:酢酸9-デセニル
EPD:1,2-エポキシ-9-デセン
[合成例における構造の解析方法]
実施例の合成例で開示する化合物の構造は、JEOL日本電子社製JNM-ECS400型NMR装置を用いH-NMR、13C-NMR19F-NMRおよび31P{H}-NMR解析から行った。具体的な測定方法は以下の通りである。
[試料調製]
試料の5~20mgを、テトラメチルシランを0.03%(v/v)含んだ重クロロホルム0.6mL、またはテトラメチルシランを0.03%(v/v)含んだ重トルエン0.6mLに溶解させて内径5mmφのNMR試料管に入れた。
H-NMR測定条件]
プローブ:5mmφのプローブ
試料温度:室温
パルス角:45°
パルス間隔:2.8秒
積算回数:8回
化学シフト:重クロロホルムを溶媒として用いた際は、化学シフトはテトラメチルシランのプロトンシグナルを0ppmに設定し、他のプロトンによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。重トルエンを溶媒として用いた際は、化学シフトはテトラメチルシランのプロトンシグナルを0ppmに設定し、他のプロトンによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
19F-NMR]
プローブ:5mmφのプローブ
試料温度:室温
パルス角:45°
パルス間隔:1.8秒
積算回数:8回
化学シフト:化学シフトはCFClを外部標準として0ppmに設定し、他のフッ素によるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
31P{H}-NMR]
プローブ:5mmφのプローブ
試料温度:室温
パルス角:30°
パルス間隔:0.5秒
積算回数:64~256回
化学シフト:化学シフトは85%リン酸水溶液を外部標準として0ppmに設定し、他のリンによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
[重合体の構造の解析方法]
実施例で得た重合体の構造は、ブルカー・バイオスピンAV400型NMR装置を用いたH-NMRおよび13C-NMR解析により決定した。具体的な測定方法は以下の通りである。
[試料調製]
試料200~300mgをo-ジクロロベンゼン(ODCB)/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=3/1(体積比)2.4mlおよび化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ、150℃のブロックヒーターで均一に溶解した。
H-NMR測定条件]
プローブ:10mmφのクライオプローブ
試料温度:120℃
パルス角:4.5°
パルス間隔:2秒
積算回数:512回
化学シフト:化学シフトはヘキサメチルジシロキサンのプロトンシグナルを0.09ppmに設定し、他のプロトンによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
13C-NMR測定条件]
<エチレン/4-MeSt、エチレン/ノルボルネン、プロピレン/ノルボルネン、プロピレン/4-MeSt>
プローブ:10mmφのクライオプローブ
試料温度:120℃
パルス角:45°
パルス間隔:38.5秒
積算回数:512回
デカップリング条件:ブロードバンドデカップリング法
化学シフト:化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
<エチレン/1-デセン>
プローブ:10mmφのクライオプローブ
試料温度:120℃
パルス角:45°
パルス間隔:27.5秒
積算回数:1024回
デカップリング条件:ブロードバンドデカップリング法
化学シフト:化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
<エチレン/tBA,エチレン/MMA,エチレン/MU、エチレン/tBNC、エチレン/4-OAcSt、プロピレン/MU、プロピレン/N-bocNBMA、プロピレン/DA、プロピレン/EPD>
プローブ:10mmφのクライオプローブ
試料温度:120℃
パルス角:90°
パルス間隔:51.5秒
積算回数:512回~768回
デカップリング条件:逆ゲートデカップリング法
化学シフト:化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
NMRスペクトル測定によって同定することができるポリマー中の構造の代表的な例を、以下の図に示す。
Figure 2022159228000020
以下において、Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI80.0~2.0は80.0ppmと20.0ppmの間に検出したシグナルの積分強度を示す。
分岐構造は、13C-NMRの3級炭素原子のスペクトルにより判断することができる。例えば、炭素数2以上アルキル基分岐構造に由来する3級炭素原子(上記図中のzに相当)のケミカルシフト値は、38.2~39.0ppmの範囲内に現れる(参考文献:Macromolecules 1999,32,1620.)。また、メチル分岐は、13C-NMRスペクトルの20.0~19.8ppmのメチル炭素(上記図中のvに相当)と37.6~37.3メチレン炭素(上記図中のxに相当)による信号の積分強度の総和を3で割った値IB1を用い、炭素原子1,000個あたりのメチル分岐数を以下の式を用いて算出した。
メチル分岐数(個/炭素原子1000個)=IB1×1000/Itotal
ここで、IB1、Itotalはそれぞれ、以下の式で示される量である。
B1=(I20.0~19.8+I37.6~37.3)/3
total=I180.0~136.0+I120.0~100.0+I80.0~2.0
末端構造についても同様に、13C-NMRまたはH-NMRで構造を解析することができる。例えば、炭素―炭素二重結合構造の場合、13C-NMRスペクトルで114ppm(上記図中のfに相当)および139ppm(上記図中のeに相当)にスペクトルが現れ、13.6ppm(上記図中のcに相当)に現れる炭素―炭素単結合構造と区別することができる(参考文献:Chem.Commun.,53,2630(2017)(非特許文献4))。
ポリプロピレンの立体規則性についても同様に、定量13C-NMRで構造を解析することができる。例えば、13C-NMRスペクトルで21.2ppm~22.0ppmの3本のピークがmm、20.3ppm~21.2ppmの3本のピークがmr、19.7ppm~20.3ppmの3本のピークがrrに相当し、これらの積分比を計算することでmm、mr、rrの比率を求めることができる。
[コモノマー算出方法]
以下において、Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。
<エチレン(E)/tBA共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からtBAの含有量を算出した。
tBA含有量(mol%)=I(tBA)×100/(I(E)+I(tBA)
ここで、I(tBA)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(tBA)=I79.5~79.0
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I80.0~2.0-I(tBA)×7)/2
<エチレン/1-デセン(1-decene)共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式から1-deceneの含有量を算出した。
1-decene含有量(mol%)
=I(1-decene)×100/(I(E)+I(1-decene)
ここで、I(1-decene)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(1-decene)=I27.4~27.3+I34.6~34.4)/4
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I50.0~2.0-I(1-decene)×10)/2
<エチレン/NB共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からNBの含有量を算出した。
NB含有量(mol%)=I(NB)×100/(I(E)+I(NB)
ここで、I(NB)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(NB)=I48.3~41.3/4
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I50.0~2.0-I(NB)×7)/2
<エチレン/4-MeSt共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式から4-MeStの含有量を算出した。
4-MeSt含有量(mol%)=I(4-MeSt)×100/(I(E)+I(4-MeSt)
ここで、I(4-MeSt)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(4-MeSt)=I21.3~20.5
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I50.0~2.0(4-MeSt)×5)/2
<エチレン/MU共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からMUの含有量を算出した。
MU含有量(mol%)=I(MU)×100/(I(E)+I(MU)
ここで、I(MU)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(MU)=I50.9~50.5
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I55.0~2.0-I(MU)×12)/2
<エチレン/tBNC共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からtBNCの含有量を算出した。
tBNC含有量(mol%)=I(tBNC)×100/(I(E)+I(tBNC)
ここで、I(tBNC))、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(tBNC)=I79.5~79.0
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I80.0~2.0-I(tBNC)×12)/2
<エチレン/4-OAcSt共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式から4-OAcStの含有量を算出した。
4-OAcSt含有量(mol%)
=I(4-OAcSt)×100/(I(E)+I(4-OAcSt)
ここで、I(4-OAcSt)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(4-OAcSt)=I21.0~20.4
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I50.0~2.0-I(4-OAcSt)×5)/2
<エチレン/MMA共重合体>
13C-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からMMAの含有量を算出した。
MMA含有量(mol%)=I(MMA)×100/(I(E)+I(MMA)
ここで、I(MMA)、I(E)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(MMA)=I51.5~50.5
(E)=(I180.0~136.0+I120.0~100.0+I55.0~2.0-I(MMA)×5)/2
<プロピレン(P)/NB共重合体>
H-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からNBの含有量を算出した。
NB含有量(mol%)=I(NB)×100/(I(NB)+I(P)
ここで、I(NB)、I(P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(NB)=(I2.3~2.0
(P)=(I0.1~6.0-I(NB)×10)/6
<プロピレン/4-MeSt共重合体>
H-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式から4-MeStの含有量を算出した。
4-MeSt含有量(mol%)=I(4-MeSt)×100/(I(4-MeSt-total)+I(P)
ここで、I(4-MeSt)、I(4-MeSt-total)、I(4-MeSt-monomer)、I(P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(4-MeSt)=(I2.0~2.4-I(4-MeSt-monomer)×3)/3
(4-MeSt-total)=I2.0~2.4/3
(4-MeSt-monomer)=(I5.0~5.2+I5.5~5.7)/2
(P)=(I0.1~6.0-I(4-MeSt)×6-I(4-MeSt-monomer)×5)/6
<プロピレン/NbocNBMA共重合体>
H-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からNbocNBMAの含有量を算出した。
NbocNBMA含有量(mol%)
=I(NbocNBMA)×100/(I(NbocNBMA)+I(P)
ここで、I(NbocNBMA)、I(P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(NbocNBMA)=(I2.8~3.2)/2
(P)=(I0.1~6.0-I(NbocNBMA)×21)/6
<プロピレン/MU共重合体>
H-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からMUの含有量を算出した。
MU含有量(mol%)=I(MU)×100/(I(MU)+I(P)
ここで、I(MU)、I(P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(MU)=(I3.3~3.8)/3
(P)=(I0.1~6.0-I(MU)×22)/6
<プロピレン/DA共重合体>
H-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からDAの含有量を算出した。
DA含有量(mol%)=I(DA)×100/(I(DA)+I(P)
ここで、I(DA)、I(P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(DA)=(I3.9~4.1)/2
(P)=(I0.1~6.0-I(DA)×22)/6
<プロピレン/EPD共重合体>
H-NMRスペクトルのシグナルを用いて以下の式からEPDの含有量を算出した。
EPD含有量(mol%)=I(EPD)×100/(I(EPD)+I(P)
ここで、I(EPD)、I(P)はそれぞれ、以下の式で示される量である。
(EPD)=(I2.6~2.9
(P)=(I0.1~6.0-I(EPD)×18)/6
数平均分子量および重量平均分子量は、ポリスチレンを分子量の標準物質とするサイズ排除クロマトグラフィーにより算出した。GPCの具体的な測定手法は以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工(株)製AD806M/S(3本直列)
移動相溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0ml/min
注入量:0.2ml
[試料の調製]
エチレン(共)重合体試料には0.32mg/mLのTMP(2,3,6-トリメチルフェノール)を含むODCBを用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
プロピレン(共)重合体試料には0.5mg/mLのBHT(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)を含むODCBを用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレン(PS)による検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の次の銘柄である。F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。各々が0.5mg/mLとなるようにエチレン(共)重合体用には0.32mg/mLのTMPを含むODCB,プロピレン共重合体用には0.5mg/mLのBHTを含むODCBに溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。なお、分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10-4、α=0.7
PP:K=1.03×10-4、α=0.78
触媒活性は次の式により計算した。
Figure 2022159228000021
なお、表に記載した「トルエン(mL)」は、オートクレーブ内に加えたトルエンの総量を表している。
(合成例1:AL-1の合成)
Figure 2022159228000022

シュレンク管にジフェニルホスフィンを1.84mL(10.7mmol)量り取り、テトラヒドロフランを10mL加えた溶液に、室温にてボラン-テトラヒドロフランコンプレックス (約0.9mol/L)を25.8mL(23.5mmol)加え、室温で1時間攪拌させた後、溶媒を完全に留去した。このシュレンク管にテトラヒドロフランを30mL加え、-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを7.5mL(11.8mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン10mLに溶解させたα-(トリフルオロメチル)スチレンオキシド2.013g(10.7mmol)をゆっくり加え、室温で1時間撹拌した後、溶媒を完全に留去し、残留物をヘキサン40mLと20mLで1回ずつ洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを30mL加え、0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を6.4mL(12.8mmol)ゆっくりと滴下した。室温で15分撹拌させた後、脱気した水30mLとエーテル40mLを加え、有機層を抽出した。水層にエーテルを40mL加えて有機層を抽出する操作を2回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去し、回収した有機層の溶媒を完全に留去した。
上記の残留物にトルエンを20mL加え、そこにトルエン10mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン1.200g(10.7mmol)を加え、60℃に昇温してから2時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからトルエンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2.54gの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は100%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.49~7.16(m、15H)、3.04(d、J=2.8Hz、1H)、3.02(d、J=2.2Hz、1H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-79.8(d、J=11.0Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-29.5(q、J=7.3Hz)
(合成例2:AL-2の合成)
Figure 2022159228000023

シュレンク管にジtert-ブチルホスフィンのヘキサン溶液(10wt%)を21.931g(15mmol)量り取り、テトラヒドロフランを100mL加えた溶液に、室温にてボラン-テトラヒドロフランコンプレックス (約0.9mol/L)を36.2mL(33mmol)加え、室温で1時間攪拌させた後、溶媒を完全に留去した。このシュレンク管にテトラヒドロフランを50mL加え、-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを10.5mL(16.5mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン15mLに溶解させたα-(トリフルオロメチル)スチレンオキシド2.822g(15.0mmol)をゆっくり加え、室温で1時間撹拌した後、溶媒を完全に留去し、残留物をヘキサン40mLと30mLで1回ずつ洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを50mL加え、0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を9.0mL(18.0mmol)ゆっくりと滴下した。室温で15分撹拌させた後、脱気した水30mLとエーテル40mLを加え、有機層を抽出した。水層にエーテルを40mL加えて有機層を抽出する操作を2回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去し、回収した有機層の溶媒を完全に留去した。
上記の残留物にトルエンを20mL加え、そこにトルエン10mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン1.682g(15.0mmol)を加え、60℃に昇温してから2時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからトルエンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3.16gの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は99%であった。
H~NMR(400MHz、CDCl)δ:7.61(d、J=7.7Hz、2H)、7.38~7.28(m、3H)、4.10(d、J=10.1Hz、1H)、2.51(dd、J=15.7,4.4Hz、1H)、2.21(dd、J=15.7,4.7Hz、1H)、1.22(d、J=12.0Hz、9H)、0.87(d、J=12.0Hz、9H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-78.6(d、J=11.0Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:6.7(q、J=8.0Hz)
(合成例3:AL-3の合成)
Figure 2022159228000024

シュレンク管にジ-1-アダマンチルホスフィンボランを969mg(3.0mmol)量り取り、テトラヒドロフランを38mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを2.1mL(3.3mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン10mLに溶解させたα-(トリフルオロメチル)スチレンオキシド598mg(3.0mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間30分撹拌した後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン20mLと10mLで1回ずつ洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを27mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を1.8mL(3.6mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを10mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、1.214g(2.4mmol)の残留物を得た。
上記の残留物にトルエンを24mL加えた。そこに、トルエン12mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン325mg(2.9mmol)を加え、60℃に昇温してから2時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからトルエンを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、テトラヒドロフラン4mLとヘキサン20mLで再結晶することで367mgの固体を得た。再結晶後の上澄み液を濃縮し、テトラヒドロフラン2mLとヘキサン10mLで再結晶することでさらに300mgの固体を得た。また上澄みをジクロロメタン1.8mLとヘキサン9mLで再結晶することでさらに80mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は96%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.61(d、J=7.8Hz、2H)、7.36(t、J=7.6Hz、2H)、7.29(t、J=7.3Hz、1H)、4.17(d、J=10.2Hz、1H)、2.51(dd、J=15.7,4.4Hz、1H)、2.26(dd、J=15.6,4.6Hz、1H)、2.04-1.44(m、30H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-78.4
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:2.4(q、J=6.7Hz)
(合成例4:AL-4の合成)
Figure 2022159228000025

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンボランを700mg(2.2mmol)量り取り、テトラヒドロフランを28mL加えた。―78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.5mL(2.4mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間10分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン7mLに溶解させたα―(トリフルオロメチル)スチレンオキシド437mg(2.2mmol)をゆっくり加えた。室温で4時間撹拌した後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン30mLと20mLで1回ずつ洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを21mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を1.3mL(2.6mmol)ゆっくりと滴下した。室温で50分撹拌させた後、脱気した水を21mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを28mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。さらに、水層にジクロロメタンを10mL加え有機層を抽出する操作を2回繰り返した。ジクロロメタンで抽出した有機層のみを集めて硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、614mg(1.2mmol)の残留物を得た。
上記の残留物にトルエンを14mL加えた。そこに、トルエン7mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン162mg(1.4mmol)を加え、60℃に昇温してから2時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=3:2の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、テトラヒドロフラン7mLとヘキサン28mLで再結晶することで398mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は90%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.48~7.46(m、2H)、7.21~7.19(m、3H)、7.17~7.11(m、2H)、6.46(dd、J=8.3,2.8Hz、2H)、6.37(dd、J=8.4,2.6Hz、2H)、5.02(d、J=3.7Hz、1H)、4.01(dd、J=15.3,2.3Hz、1H)、3.64(s、6H)、3.52(s、6H)、2.90(d、J=15.4Hz、1H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-80.4
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-57.9(q、J=5.5Hz)
(合成例5:AL-5の合成)
Figure 2022159228000026

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンを129mg(0.42mmol)量り取り、テトラヒドロフランを5.4mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを0.29mL(0.46mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、-78℃で30分撹拌させた。その後0℃に昇温してから、テトラヒドロフラン1.8mLに溶解させた1-トリフルオロメチル-1,2-エポキシアセナフテン100mg(0.42mmol)をゆっくり加えた。室温で2時間45分撹拌した後、0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を0.25mL(0.50mmol)ゆっくりと滴下した。0℃で30分撹拌させた後、脱気した水を4mL加え有機層を抽出した。水層にヘキサンを4mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。さらに、水層にジクロロメタンを4mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。ジクロロメタンで抽出した有機層のみを集めて硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、ジクロロメタン7mLとヘキサン28mLで再結晶することで91mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は100%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.77(d、J=8.2Hz、1H)、7.70(d、J=7.1Hz、1H)、7.56(d、J=7.1Hz、1H)、7.54(d、J=8.1Hz、1H)、7.30(t、J=8.4Hz、1H)、7.22(dd、J=8.8,8.2Hz、1H)、7.13(dd、J=8.1,7.5Hz、1H)、6.58(dd、J=8.5,2.3Hz、2H)、6.49(dd、J=8.4,2.6Hz、2H)、6.24(d、J=7.2Hz、1H)、6.15(brs、1H)、5.07(s、1H)、3.83(s、6H)、3.56(s、6H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-74.3(d、J=66.0Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-42.5(q、J=66.0Hz)
(合成例6:AL-6の合成)
Figure 2022159228000027

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンボランを528mg(1.65mmol)量り取り、テトラヒドロフランを21mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.26mL(1.98mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間10分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5.3mLに溶解させたα-メチルスチレンオキシド0.26mL(1.98mmol)をゆっくり加えた。室温で3時間撹拌した後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン20mLと15mLで1回ずつ洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを15mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.99mL(1.98mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを20mL加え有機層を抽出する操作を2回、10mL加え有機層を抽出する操作を1回行った。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してから大気下でヘキサン:アセトン=3:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し503mgの固体を得た。
上記の固体のうち450mgをトルエン10mLに溶解させた。そこに、トルエン5mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン135mg(1.20mmol)を加え、60℃に昇温してから1時間40分撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=3:2の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、テトラヒドロフラン4mLとヘキサン20mLで再結晶することで189mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は93%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.38(d、J=7.3Hz、2H)、7.18~7.13(m、3H)、7.07(t、J=8.5Hz、2H)、6.44(dd、J=8.4,2.6Hz、2H)、6.34(dd、J=8.4,2.6Hz、2H)、3.86(d、J=6.7Hz、1H)、3.65(s、6H)、3.56(s、6H)、3.42(dd、J=15.0,2.9Hz、1H)、3.04(d、J=15.2Hz、1H)、1.62(s、3H)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-56.6
(合成例7:AL-7の合成)
Figure 2022159228000028

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンを92mg(0.30mmol)量り取り、テトラヒドロフランを3.9mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを0.21mL(0.33mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、-78℃で30分撹拌させた。その後0℃に昇温してから、テトラヒドロフラン1.6mLに溶解させた1-ペンタフルオロフェニル-1,2-エポキシアセナフテン100mg(0.30mmol)をゆっくり加えた。室温で2時間15分撹拌した後、0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を0.18mL(0.36mmol)ゆっくりと滴下した。0℃で25分撹拌させた後、脱気した水を3mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを3mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、テトラヒドロフラン4mLとヘキサン20mLで再結晶することで75mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は100%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:8.14(d、J=8.2Hz、1H)、8.04(d、J=7.2Hz、1H)、7.86(d、J=8.4Hz、1H)、7.77(dd、J=8.0、7.4Hz、1H)、7.58(dd、J=8.5,7.0Hz、1H)、7.29(d、J=7.0Hz、1H)、7.26~7.20(m、2H)、6.49~6.45(m、4H)、5.29(s、1H)、3.60(s、6H)、3.57(s、6H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-132.9~-133.0(m、4F)、-147.8(brs、1F)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-65.2(t、J=35.5Hz)
(合成例8:AL-8の合成)
Figure 2022159228000029

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンボランを224mg(0.7mmol)量り取り、テトラヒドロフランを10mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを0.5mL(0.77mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で3時間撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン3.5mLに溶解させたメチル-2-フェニルオキシラン2-カルボキシレート124.7mg(0.7mmol)をゆっくり加えた。室温で3時間撹拌、塩酸エーテル溶液を0.42mL(0.84mmol)ゆっくりと滴下した。攪拌後、脱気した水を10mL加え有機層を抽出した。水層にジクロロメタンを10mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。ジクロロメタンで抽出した有機層のみを集めて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した有機層の溶媒を完全に留去した。シリカゲルクロマトグラフィーを用い、ヘキサン:アセトン=5:2を展開溶媒として精製し、165mg(0.33mmol)の固体を得た。
上記の固体にトルエンを6mL加えた。そこに、トルエン4mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン44.6mg(0.4mmol)を加え、60℃に昇温してから3時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=3:4の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、ジクロロメタン5mLとヘキサン15mLで再結晶することで150mgの固体を得た。さらに得られた固体をジクロロメタン2mLとヘキサン8mLで再結晶することで78mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は91%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.62(d、J=8.4Hz、2H)、7.30~7.09(m、5H)、6.46(dd、J=8.4、2.8Hz、2H)、6.39(dd、J=8.4、2.8Hz、2H)、4.45(d、J=4.0Hz、1H)、3.77(d、J=15.1Hz、1H)、3.68(s、6H)、3.61(s、6H)、3.46(s、3H)、3.41(d、J=14.8Hz、1H)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-54.4
(合成例9:AL-11の合成)
Figure 2022159228000030

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンボランを560mg(1.75mmol)量り取り、テトラヒドロフランを23mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.2mL(1.93mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で30分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5.7mLに溶解させたメチル 2-(トリフルオロメチル)-2-オキシランカルボキシレート298mg(1.75mmol)をゆっくり加えた。室温で3時間撹拌した後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン10mLで2回洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを16mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.80mL(1.6mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを10mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固した後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して145mgの固体を得た。この操作は大気下で行い、溶媒はヘキサン:アセトン=200:1から50:1から3:1へ変更していった。
上記の固体のうち115mgをトルエン2.3mLに溶解させた。そこに、トルエン1.2mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン31mg(0.28mmol)を加え、60℃に昇温してから1時間45分撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=3:2の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、テトラヒドロフラン2mLとヘキサン8mLで再結晶することで69mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は97%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.19(t、J=8.4、1H)、7.14(t、J=8.0Hz、1H)、6.48~6.44(m、4H)、4.54(d、J=2.2Hz、1H)、3.67(s、6H)、3.66(s、6H)、3.58(s、3H)、3.13(d、J=14.9Hz、1H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-79.0
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-54.9(q、J=5.4Hz)
(合成例10:AL-14の合成)
Figure 2022159228000031

シュレンク管にジ-1-アダマンチルホスフィンボランを521mg(1.65mmol)量り取り、テトラヒドロフランを21mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.1mL(1.76mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間50分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5.2mLに溶解させたメチル 2-(トリフルオロメチル)―2-オキシランカルボキシレート300mg(1.60mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間撹拌した後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン10mLで2回洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを15mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.96mL(1.92mmol)ゆっくりと滴下した。室温で35分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固した後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して347mgの固体を得た。この操作は大気下で行い、溶媒はヘキサン:アセトン=25:1から10:1へ変更していった。
上記の固体347mgにトルエンを7mL加えた。そこに、トルエン3.5mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン94mg(0.84mmol)を加え、60℃に昇温してから6時間30分撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=2:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、テトラヒドロフラン2mLとヘキサン8mLで再結晶し、上澄みを抽出した。この上澄みを乾固させた後、再度テトラヒドロフラン1mLとヘキサン10mLで再結晶し、上澄みを抽出した。この上澄みを乾固することで152mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は90%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:3.93(s、1H)、3.77(s、3H)、2.11(dd、J=15.4,4.3Hz、1H)、2.00~1.64(m、31H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-78.1
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:13.5
(合成例11:AL-16の合成)
Figure 2022159228000032

シュレンク管にビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィンボランを535mg(1.67mmol)量り取り、テトラヒドロフランを21mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.2mL(1.84mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で2時間15分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5.4mLに溶解させた2,2-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン0.18mL(1.67mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間40分撹拌した後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン10mLで2回洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを16mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を1.0mL(2.00mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、722mg(1.44mmol)の残留物を得た。
上記の残留物にトルエンを14mL加えた。そこに、トルエン7mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン194mg(1.73mmol)を加え、60℃に昇温してから2時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=2:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、テトラヒドロフラン2mLとヘキサン8mLで再結晶することで471mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は97%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.22(t、J=8.4、2H)、6.49(dd、J=8.4、3.0Hz、4H)、5.25(d、J=5.8Hz、1H)、3.68(s、12H)、3.19(s、2H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-77.3(d、J=17.5Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-62.0(septet、J=20.0Hz)
[合成例12](AL-17)
Figure 2022159228000033

シュレンク管にジtert-ブチルホスフィンクロライドを1.0g(5.5mmol)量り取り、テトラヒドロフランを7.7mL加えた。その溶液を-78℃に冷やした後、メチルリチウムのエーテル溶液(約1.09mol/L)を5.6mL(6.1mmol)ゆっくりと加え、1時間撹拌させた後、室温で1時間攪拌させた。その後、室温にてボラン-テトラヒドロフランコンプレックス(約0.89mol/L)を7.4mL(6.6mmol)加え、室温で1晩放置させた後、大気下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液3.8mLをゆっくり加え発泡が収まるのを待った。有機層を抽出した後、水層にエーテルを4mL加え有機層を抽出する操作を2回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、834mg(4.8mmol)のジtert-ブチルメチルホスフィンボランを得た。
シュレンク管に上記のジtert-ブチルメチルホスフィンボラン381mg(2.19mmol)を量り取り、テトラヒドロフランを27mL加え、-78℃に冷やした後、sec-ブチルリチウムを1.8mL(2.42mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、-78℃で10分撹拌させた後、室温で2時間15分撹拌させた。その後-78℃に冷やした後、sec-ブチルリチウムを2.1mL(2.71mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、-78℃で10分撹拌させた後、室温で1時間15分撹拌させた。-78℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン6.9mLに溶解させた(トリフルオロメチル)オキシラン600mg(2.19mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間撹拌させた後、溶媒を完全に留去し残留物をヘキサン12mLで2回洗浄した。洗浄後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを23mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を1.62mL(3.23mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を21mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを12mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してからヘキサン:アセトン=25:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、404mgの固体を得た。この操作は大気下で行った。
上記の残留物151mgにトルエンを3.4mL加えた。そこに、トルエン1.7mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン46mg(0.41mmol)を加え、60℃に昇温してから3時間撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=2:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで111mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は93%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:9.24(d、J=10.5Hz、1H)、8.43(d、J=8.6Hz、1H)、8.41(s、1H)、7.97(dd、J=8.4、1.4Hz、1H)、7.93-7.90(m、1H)、7.45(ddd、J=9.2、6.5、1.6Hz、1H)、7.41-7.37(m、3H)、3.22(dd、J=15.8、5.2Hz、1H)、2.95(dd、J=15.6、3.8Hz、1H)、1.25(d、J=12.2Hz、9H)、0.52(d、J=12.2Hz、9H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-75.5
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:6.6(d、J=5.5Hz)
[合成例13](AL-18)
Figure 2022159228000034

シュレンク管にジtert-ブチルホスフィンボランを267mg(1.67mmol)量り取り、テトラヒドロフランを21mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.2mL(1.84mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で2時間15分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5.4mLに溶解させた2,2-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン0.18mL(1.67mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間撹拌した後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを16mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を1.0mL(2.00mmol)ゆっくりと滴下した。室温で50分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加え有機層を抽出する操作を2回、4mL加え有機層を抽出する操作を1回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してからヘキサン:アセトン=25:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、412mgの固体を得た。この操作は大気下で行った。
上記の固体にトルエンを12mL加えた。そこに、トルエン6mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン163mg(1.45mmol)を加え、60℃に昇温してから1時間30分撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=2:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで339mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は92%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:4.19(d、J=7.7Hz、1H)、2.17(d、J=3.8Hz、1H)、1.21(s、9H)、1.18(s、9H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-76.8(d、J=11.0Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:5.4
[合成例14](AL-19)
Figure 2022159228000035

シュレンク管にビス(2,6-ジエチルフェニル)ホスフィンボランを500mg(1.60mmol)量り取り、テトラヒドロフランを20mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.1mL(1.76mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で45分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5.4mLに溶解させた2,2-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン0.17mL(1.60mmol)をゆっくり加えた。室温で2時間30分撹拌した後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを15mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.96mL(1.92mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してからヘキサン:アセトン=20:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、406mgの固体を得た。この操作は大気下で行った。31P{H}-NMRから求めた純度は99%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.26(t、J=7.7Hz、2H)、7.09(dd、J=7.7、3.5Hz、4H)、4.84(brs、1H)、3.06(d、J=3.0Hz、2H)、2.75(q、J=7.5Hz、8H)、1.09(t、J=7.5Hz、12H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-77.3(d、J=10.6Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-47.7
[合成例15](AL-24)
Figure 2022159228000036

シュレンク管にジイソプロピルホスフィンクロライドを1.0g(6.6mmol)量り取り、テトラヒドロフランを9.2mL加えた。その溶液を-78℃に冷やした後、メチルリチウムのエーテル溶液(約1.09mol/L)を6.7mLゆっくりと加え、1時間撹拌させた後、室温で3時間攪拌させた。その後、室温にてボラン-テトラヒドロフランコンプレックス (約0.89mol/L)を8.9mL(7.9mmol)加え、室温で2時間放置させた後、大気下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5.2mLをゆっくり加え発泡が収まるのを待った。有機層を抽出した後、水層にエーテルを6mL加え有機層を抽出する操作を2回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固し、691mg(4.7mmol)のジイソプロピルメチルホスフィンボランを得た。
シュレンク管に上記のジイソプロピルメチルホスフィンボラン159mg(1.09mmol)を量り取り、テトラヒドロフランを13mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを0.92mL(1.20mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で2時間25分撹拌させた。その後-78℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン3.4mLに溶解させた1-(アントラセニル)-2,2,2-トリフルオロエタノン300mg(1.09mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間25分撹拌した後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを9mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.66mL(1.31mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を9mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを6mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してからシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、246mgの固体を得た。この操作は大気下で行い、溶媒はヘキサン:アセトン=25:1から10:1へ変更していった。
上記の固体101mgにトルエンを2.4mL加えた。そこに、トルエン1.2mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン33mg(0.29mmol)を加え、60℃に昇温してから3時間15分撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=2:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。精製後、メタノール2mLを加え上澄みを抽出し、ヘキサン2mL加えて溶媒を完全に留去する操作を3回行い、79mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は94%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:9.17(brs、1H)、8.43(s、1H)、8.40(brs、1H)、7.96(brs、2H)、7.46-7.37(m、4H)、4.55(d、J=12.6Hz、1H)、3.09(dd、J=15.2、5.3Hz、1H)、2.78(dd、J=15.2、4.3Hz、1H)、1.87-1.83(m、1H)、1.15-1.05(m、7H)、0.53-0.44(m、6H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-75.0
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-11.7(q、J=8.5Hz)
[合成例16](AL-26)
Figure 2022159228000037

シュレンク管にジtert-ブチルホスフィンボランを254mg(1.46mmol)量り取り、テトラヒドロフランを18mL加え、-78℃まで冷却した。ここにsec-ブチルリチウム(1.3M)2.7mLをゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌した。この反応溶液を再び-78℃まで冷却した。別のシュレンク管に2’,6’-ジイソプロピル-2,2,2-トリフルオロアセトフェノンを380mg(1.47mmol)量り取り、テトラヒドロフランを5mL加えてケトン溶液とした。このケトン溶液を冷却した反応溶液にゆっくりと加えた。その後、室温で2時間撹拌した。反応溶液を0℃まで冷却し、塩酸エーテル溶液2mL(4mmol)を加えた。これ以降は空気下で操作を行った。水(14mL)を加えて、有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加えて有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過により濾液を回収して40℃で真空乾燥することで、459mgの残留物を得た。
この残留物を最少量のアセトンに溶かし、ヘキサン:アセトン=100:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して151mgの固体を得た。これ以降は窒素雰囲気下で操作を行った。
得られた固体151mg(0.349mmol)を、トルエン3mLを使って別のシュレンク管に全量移した。ここに、トルエン2mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン47mg(0.419mmol)を加え、60℃で4時間撹拌した。これを乾固することで残留物を得た。残留物にジクロロメタン2mLを加えて溶解させた。ジクロロメタンを溶媒として用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を含む展開液を40℃で真空乾燥することで、119mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は97%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.26-7.16(m、3H)、5.06(d、J=14.8Hz、1H)、4.25(septet、J=6.8Hz、1H)、3.45(septet、J=6.8Hz、1H)、2.82(dd、J=15.2、3.2Hz、1H)、2.48(dd、J=5.6、15.6Hz、1H)、1.43(d、J=6.8Hz、3H)、1.27(d、J=7.2Hz、3H)、1.24(d、J=12.4Hz、9H)、1.11(d、J=6.4Hz、3H)、1.06(d、J=6.8Hz、3H)、0.94(d、J=11.2Hz、9H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-77.2(d、J=7.9Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:5.28(d、J=8.3Hz)
[合成例17](AL-27)
Figure 2022159228000038

シュレンク管にビス(2,6-ジエチルフェニル)ホスフィンボランを500mg(1.60mmol)量り取り、テトラヒドロフランを20mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.1mL(1.76mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン5mLに溶解させた2,2-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン0.17mL(1.60mmol)をゆっくり加えた。室温で2時間35分撹拌した後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフランを15mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.96mL(1.92mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を15mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してからヘキサン:アセトン=25:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、357mgの固体を得た。この操作は大気下で行った。31P{H}-NMRから求めた純度は97%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.33(d、J=7.6Hz、2H)、7.22(dd、J=7.4、2.6Hz、2H)、7.19(dd、J=11.3、7.8Hz、2H)、7.13(t、J=7.8Hz、1H)、7.05(dd、J=7.7、3.3Hz、2H)、6.89(dd、J=7.7、3.2Hz、2H)、3.48(brs、1H)、3.48(d、J=15.0Hz、1H)、3.33(d、J=14.4Hz、1H)、2.70(q、J=7.6Hz、4H)、2.61(quind、J=7.5、2.0Hz、2H)、1.05(t、J=7.5Hz、6H)、0.89(t、J=7.5Hz、6H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-80.8
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-43.9
[合成例18](AL-30)
Figure 2022159228000039

シュレンク管にジtert-ブチルメチルホスフィンボラン259mg(1.49mmol)を量り取り、テトラヒドロフランを18mL加え、-78℃に冷やした後、sec-ブチルリチウムを2.8mL(3.58mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、-78℃で10分撹拌させた後、室温で3時間撹拌させた。-78℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン4.6mLに溶解させた(2,4,6-トリフェニル)フェニル-2,2,2-フルオロエタノン600mg(2.19mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間35分撹拌させた後、0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を1.9mL(3.87mmol)ゆっくりと滴下した。室温で30分撹拌させた後、脱気した水を14mL加え有機層を抽出した。水層にエーテルを8mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固してからシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、257mgの固体を得た。この操作は大気下で行い、溶媒はヘキサン:アセトン=30:1から20:1、アセトンのみへと変更していった。
上記の残留物160mgにトルエンを2.8mL加えた。そこに、トルエン1.4mLに溶解させた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン38mg(0.34mmol)を加え、60℃に昇温してから1時間15分撹拌した。撹拌後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=2:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。回収した固体をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し固体を得た。溶媒はヘキサン:ジクロロメタン=5:1からヘキサン:アセトン=2:1へと変更していった。
最後に回収した固体をヘキサン:アセトン=100:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで32mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は99%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.58(d、J=1.4、1H)、7.56(d、J=1.2、1H)、7.47-7.20(m、15H)、3.70(d、J=8.6Hz、1H)、2.19(dd、J=16.1、5.5Hz、1H)、1.69(dd、J=16.0、2.8Hz、1H)、1.03(d、J=11.5Hz、9H)、0.82(d、J=11.7Hz、9H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-74.3(d、J=20.6Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:12.9(q、J=20.1Hz)
[合成例19](AL-37)
Figure 2022159228000040

シュレンク管にジメンチルホスフィンボランを269mg(0.83mmol)量り取り、テトラヒドロフランを10mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを0.58mL(0.91mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間25分撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン2.7mLに溶解させた2,2-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン91μL(0.83mmol)をゆっくり加えた。室温で2時間撹拌した後、溶媒を完全に留去してからシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで114mgの固体を得た。溶媒はヘキサン:アセトン=50:1から20:1へと変更していった。この操作は大気下で行った。
上記の固体106mgにテトラヒドロフランを3.2mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を0.13mL(0.25mmol)ゆっくりと滴下した。室温で1時間撹拌させた後、再び0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を0.65mL(1.30mmol)ゆっくりと滴下した。室温で6時間撹拌させた後、溶媒を完全に留去し、脱気した飽和酢酸ナトリウム水溶液を1.5mL加え有機層を抽出した。水層にジクロロメタンを2mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を完全に乾固してからシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで64mgの固体を得た。溶媒はヘキサン:アセトン=100:1から20:1、1:1へと変更していった。31P{H}-NMRから求めた純度は95%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:4.91(d、J=10.0、1H)、2.67-0.80(m、20H)、2.35(dd、J=16.1、2.1Hz、1H)、1.98(dd、J=16.3、3.0Hz、1H)、0.92(d、J=2.9Hz、3H)、0.91(d、J=3.4Hz、3H)、0.90(d、J=3.6Hz、3H)、0.89(d、J=2.8Hz、3H)、0.76(d、J=6.9Hz、3H)、0.69(d、J=6.9Hz、3H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-77.7(dt、J=49.4、11.0Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-47.6(septet、J=10.1Hz)
[合成例20](AL-38-1とAL-38-2)
Figure 2022159228000041

シュレンク管にジメンチルホスフィンボランを491mg(1.51mmol)量り取り、テトラヒドロフランを18mL加えた。-78℃に冷やした後、ノルマルブチルリチウムを1.2mL(1.81mmol)ゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌させた。その後0℃に冷やしてから、テトラヒドロフラン4.9mLに溶解させたα―(トリフルオロメチル)スチレンオキシド300mg(1.50mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間30分撹拌した後、溶媒を完全に留去してからヘキサン:アセトン=50:1の溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで558mgの固体を得た。この固体をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで158mgの固体1と265mgの固体2を得た。溶媒はヘキサン:ジクロロメタン=10:1から5:1へと変更していった。この操作は大気下で行った。以下、合成手順が異なるのでそれぞれ手順を示す。
(AL-38-1の合成手順)
上記の固体1のうち143mgにテトラヒドロフランを4.3mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を2.1mL(2.10mmol)ゆっくりと滴下した。室温で3時間50分撹拌させた後、再び0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を2.1mL(2.10mmol)ゆっくりと滴下した。室温で3時間撹拌させた後、再び0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を4.2mL(4.20mmol)ゆっくりと滴下した。室温で4時間15分撹拌させた後、上澄みを除去し、エーテルを1mL加えて洗浄する操作を2回繰り返した。残留物を完全に乾固し、脱気した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を1.5mL加え有機層を抽出した。水層にジクロロメタンを2mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固することで73mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は>99%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.60-7.58(m、2H)、7.36-7.31(m、3H)、4.23(d、J=11.5Hz、1H)、2.70-0.42(m、20H)、2.55(d、J=14.6Hz、1H)、2.21(d、J=14.7Hz、1H)、0.91(d、J=7.0Hz、3H)、0.90(d、J=6.6Hz、3H)、0.84(d、J=4.9Hz、3H)、0.76(d、J=7.0Hz、3H)、0.64(d、J=6.9Hz、3H)、0.32(d、J=6.8Hz、3H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-80.0
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-46.0
(AL-38-2の合成手順)
上記の固体2のうち140mgにテトラヒドロフランを4.1mL加えた。0℃に冷やした後、塩酸エーテル溶液を1.0mL(2.00mmol)ゆっくりと滴下した。室温で3時間30分撹拌させた後、再び0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を0.95mL(1.90mmol)ゆっくりと滴下した。室温で3時間50分撹拌させた後、再び0℃に冷やし、塩酸エーテル溶液を0.54mL(0.54mmol)ゆっくりと滴下した。室温で2時間撹拌させた後、上澄みを除去し、テトラヒドロフランを1mL加えて洗浄する操作を2回繰り返した。残留物を完全に乾固し、脱気した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を1.5mL加え有機層を抽出した。水層にジクロロメタンを2mL加え有機層を抽出する操作を3回繰り返した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ガラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムを除去した。回収した溶液を完全に乾固することで74mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は>99%であった。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.59(d、J=7.6Hz、2H)、7.40-7.31(m、3H)、4.34(d、J=11.2Hz、1H)、2.43-0.38(m、19H)、2.71(dd、J=14.9、2.0Hz、1H)、2.03(dd、J=14.9、3.0Hz、1H)、0.90(d、J=6.5Hz、3H)、0.87(d、J=7.0Hz、3H)、0.82(d、J=6.6Hz、3H)、0.77(d、J=6.8Hz、3H)、0.63(d、J=7.0Hz、3H)、0.53(d、J=7.0Hz、3H)、-0.26(dt、J=12.2、2.5Hz、1H)
19F-NMR(376MHz、CDCl)δ:-79.0(d、J=8.2Hz)
31P{H}-NMR(162MHz、CDCl)δ:-46.3(q、J=6.4Hz)
[合成例21](AL-16NiMePy)
Figure 2022159228000042

シュレンク管にジクロロテトラピリジンニッケル(II)を94mg(0.21mmol)量り取り、トルエンを1.8mLとテトラヒドロフランを0.2mL加えた。0℃に冷やした後、ピリジン89μL(1.10mmol)、メチルリチウム0.39mL(0.42mmol)をゆっくりと滴下した。そこにトルエン0.6mLを加えた100mgのAL-16(0.21mmol)を加え、さらにトルエン0.2mLで2回AL-16の入ったシュレンク管を洗浄した分も加えた。40℃で1時間25分撹拌させた後、溶媒を完全に留去し残留物にトルエン8mLを加えてセライトろ過を行った。ろ過後、溶媒を完全に留去してからテトラヒドロフラン0.4mLとヘキサン4mLで再結晶することで56mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は>99%であった。
H-NMR(400MHz、CCD)δ:8.88(brs、2H)、7.07(t、J=8.4、2H)、6.81(brs、1H)、6.51(brs、2H)、6.24(dd、J=8.4、3.5Hz、4H)、3.78(d、J=12.4Hz、2H)、3.36(s、12H)、-0.78(d、J=6.4Hz、3H)
19F-NMR(376MHz、CCD)δ:-77.3
31P{H}-NMR(162MHz、CCD)δ:4.9
[合成例22](AL-18NiMePy)
Figure 2022159228000043

シュレンク管にジクロロテトラピリジンニッケル(II)を67mg(0.15mmol)量り取り、トルエンを1.4mLとテトラヒドロフランを0.2mL加えた。0℃に冷やした後、ピリジン63μL(0.78mmol)、メチルリチウム0.30mL(0.28mmol)をゆっくりと滴下した。そこにトルエン0.5mLに溶解させた50mgのAL-18(0.15mmol)を加え、さらにトルエン0.2mLで2回AL-16の入ったシュレンク管を洗浄した分も加えた。40℃で1時間撹拌させた後、溶媒を完全に留去し残留物にトルエン8mLを加えてセライトろ過を行った。ろ過後、溶媒を完全に留去することで27mgの固体を得た。31P{H}-NMRから求めた純度は90%であった。
H-NMR(400MHz、CCD)δ:8.56(brs、2H)、6.72(t、J=7.5、1H)、6.40(t、J=6.1Hz、2H)、2.40(d、J=9.4Hz、2H)、1.31(s、9H)、1.28(s、9H)、-0.77(d、J=4.5Hz、3H)
19F-NMR(376MHz、CCD)δ:-75.8
31P{H}-NMR(162MHz、CCD)δ:-67.4
[合成例23](AA-1)
シュレンクにジフェニルアミンを203mg(1.2mmol)量り取り、THFを15mL加えた。シュレンクを-78℃のドライアイスバスに浸し、ノルマルブチルリチウム(1.59M in hexane、0.83mL、1.32mmol、1.1eq)を加え、ドライアイスバスを外して55分攪拌して薄黄色の溶液を得た。別のシュレンクにα―(トリフルオロメチル)スチレンオキシドを240mg(1.2mmol、1eq)量り取り、これに2.5mLのTHFを加えた。ジフェニルアミンを含んだシュレンクを0℃の氷浴に浸し、α―(トリフルオロメチル)スチレンオキシドのTHF溶液を加えた。さらに、2.5mLのTHFでα―(トリフルオロメチル)スチレンオキシドを含んだシュレンクを洗浄し、洗浄液もジフェニルアミンを含んだシュレンクへと加えた。この操作を2回繰り返した。生じた反応溶液を室温で21.5時間攪拌し、水を加えて反応を停止させた。ジクロロメタンで3回抽出して有機層を水で一回洗浄し、さらにブラインで有機層を一回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去して茶色の油状物質を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)で精製し、溶媒を留去して213.3mgの目的化合物を収率50%で得た。
H-NMR(400MHz、CDCl)δ:7.51(m、2H)、7.29(m、3H)、7.20(t、J=8.0、4H)、6.99(t、J=7.6Hz、2H)、6.86(d、J=7.8Hz、4H)、4.67(d、J=15.6Hz、9H)、4.30(d、J=15.6Hz、1H)、3.74(s、1H)
[合成例24](AL-2al)
国際公開第2001/092342号の51~52ページを参照して合成した。比較例1には31P{H}-NMRの純度が90%の錯体を、比較例2-5には31P{H}-NMRの純度が76%の錯体を用いた。
[合成例25](B27-DM)
国際公開第2010/050256号に記載された合成例4に従い、下記の2-ビス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスファノ-6-ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B-27DM)を使用した。
Figure 2022159228000044
[実施例1]
フラスコにNi(cod)を41mg(0.15mmol)量り取り、15mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに合成例1で得られたAL-1を37mg(0.10mmol)量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を10mL測り取り、この溶液をAL-1の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液(10mM/AL-1)を得た。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを1000mL加え、50℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに2.0mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。さらに反応開始10分後に8.0mLの上記触媒溶液をオートクレーブに加えた。10mLのトルエンで触媒溶液が入っていたフラスコと触媒を量り取ったシリンジを洗浄し、反応開始13分後にこの洗浄液を触媒シリンダーからオートクレーブに加えた。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、エキネン(登録商標)F-1(1000mL、日本アルコール販売社製)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をエキネン(登録商標)F-1で洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは6.0gであった。
[実施例2]
AL-1の代わりにAL-2を33mg(0.10mmol)用いた以外は、実施例1と同様に行って10mLの触媒溶液(10mM/AL-2)を調製した。
上記触媒溶液10mLを用いて、反応開始後に触媒の追加を行わず、反応開始後40分で反応を停止した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、得られたポリマーは9.0gであった。
[実施例3]
フラスコにNi(cod)を96.3mg(0.35mmol)量り取り、35mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに合成例2で得られたAL-2を10.0mg(0.03mmol)量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を30mL測り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。この溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液(1mM/AL-2)を得た。
上記触媒溶液を5mL用いて、反応開始後に触媒の追加を行わず、反応温度を90℃とした以外は、実施例1と同様に行った。その結果、得られたポリマーは14.3gであった。
[実施例4]
フラスコにNi(cod)を330.4mg(1.2mmol)量り取り、30mLのトルエンに溶解させて遷移金属化合物溶液を得た。また、別のフラスコに合成例2で得られたAL-2を40.2mg(0.12mmol)量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を6mL測り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液を得た(20mM/AL-2)。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを72mL、アクリル酸-tert-ブチル(tBA)を0.15mL(1mmol)、トリノルマルオクチルアルミニウム(TnOA)のトルエン溶液(0.1M)を100μL加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、3.3MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。続いて、10mLの上記遷移金属化合物溶液を触媒シリンダーからオートクレーブに加えた、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、エキネン(登録商標)F-1(100mL、日本アルコール販売社製)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をエキネン(登録商標)F-1で懸濁させ(100mL)、塩酸1mL(10wt%)を加えて1晩冷蔵庫で放置した。固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.80gであった。
[実施例5]
Ni(cod)を137.6mg(0.50mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを50mL、AL-2を13.7mg(0.04mmol)とした以外は、実施例3と同様に行って10mLの触媒溶液(1mM/AL-2)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを88mL、1-デセンを3.6mL(19mmol)加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに1.0mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始10分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは1.6gであった。
[実施例6]
フラスコにNi(cod)を22.4mg(0.08mmol)量り取り、8mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに合成例2で得られたAL-2を16.4mg(0.05mmol)量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5mL測り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。この溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌した。この溶液に5mLのトルエンを加え、触媒溶液を調製した(5mM/AL-2)。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを88mL、ノルボルネンのトルエン溶液(0.318g/g)を4.04g(13.6mmol)加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.2MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が1.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに1.0mLの上記触媒溶液と2mLのトルエンを加え、1.2MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に3mLの触媒溶液を追加した。反応開始10分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは1.8gであった。
[実施例7]
Ni(cod)を192.2mg(0.7mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを70mL、AL-2を20.1mg(0.06mmol)とした以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(2mM/AL-2)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを89mL、4-メチルスチレン(4-MeSt)を2.5mL(19mmol)加え、90℃に昇温した。続いて、2.5MPaのエチレンを加えた。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、3.0MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した(オートクレーブ内トルエン総量約95mL)。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは6.6gであった。
[実施例8]
実施例7と同様に行って30mLの触媒溶液(2mM/AL-2)を調製した。
上記触媒溶液を用いて、加えたエチレンを1.0MPaとした以外は、実施例7と同様に行った。その結果、得られたポリマーは2.3gであった。
[実施例9]
Ni(cod)を198.0mg(0.72mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを72mL、AL-2を20.1mg(0.06mmol)、AL-2に加えたNi(cod)のトルエン溶液を15mLとした以外は、実施例3と同様に行って15mLの触媒溶液(4mM/AL-2)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを82mL、10-ウンデセン酸メチル(MU)を8.4mL(38mmol)、TnOAのトルエン溶液(0.1M)を100μL加え、70℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.2MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が0.7MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに1.0mLの上記触媒溶液を加え、0.9MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加えた、この時点を反応開始時刻とした。反応開始4分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.64gであった。
[実施例10]
Ni(cod)を41mg(0.15mmol)、AL-1の代わりに合成例3で得られたAL-3を49mg(0.10mmol)用いた以外は、実施例1と同様に行って10mLの触媒溶液(10mM/AL-3)を調製した。
上記触媒溶液を10mL、反応開始後に触媒の追加は行わず、反応開始後25分で反応を停止した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、得られたポリマーは7.3gであった。
[実施例11]
AL-2の代わりにAL-3を14.8mg(0.03mmol)用いた以外は、実施例3と同様に行って10mLの触媒溶液(1mM/AL-3)を調製した。
上記触媒溶液を用いた以外は実施例3と同様に重合をおこなった。その結果、得られたポリマーは37.0gであった。
[実施例12]
実施例11と同様に行って10mLの触媒溶液(1mM/AL-3)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを940mL加えた。触媒シリンダーに1-デセンを12mL加え、0.5MPaの窒素で1-デセンをオートクレーブに加えることを3回繰り返した。その後、10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、オートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに5.0mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始6分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始30分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1000mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは5.0gであった。
[実施例13]
Ni(cod)を605mg(2.2mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを220mL、AL-2の代わりにAL-3を98.1mg(0.20mmol)、AL-3にNi(cod)のトルエン溶液を50mL加えた以外は、実施例3と同様にして50mLの触媒溶液(4mM/AL-3)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを1000mL加え、90℃に昇温した。触媒シリンダーにtBAを2.9mL(20mmol)加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。触媒シリンダーにTNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.0mL加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに10mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に10mLの触媒溶液を追加した。反応開始14分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1000mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは5.7gであった。
[実施例14]
Ni(cod)を41mg(0.15mmol)、AL-1の代わりにAL-4を49mg(0.10mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして10mLの触媒溶液(10 mM/AL-4)を調製した。
上記触媒溶液を2mL、反応開始後20分で反応を停止した以外は、実施例1と同様に行った。反応開始後に触媒の追加は行わなかった。その結果、得られたポリマーは2.2gであった。
[実施例15]
フラスコにNi(cod)を28mg(0.10mmol)量り取り、10mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコにAL-4を15mg(0.03mmol)量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を3mL測り取り、この溶液をAL-4の入ったフラスコに加えた。この溶液に27mLのトルエンを加え、40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液(1mM/AL-4)を得た。
上記触媒溶液を10mL用いて、反応開始後に触媒の追加は行わず、反応温度を90℃とした以外は、実施例1と同様に行った。その結果、得られたポリマーは10.0gであった。
[実施例16]
Ni(cod)2を96.4mg(0.35mmol)、AL-2の代わりにAL-4を14.8mg(0.03mmol)用いた以外は、実施例3と同様に行って10mLの触媒溶液を調製した。
上記触媒溶液を用いて実施例3同様に重合をおこなった。その結果、得られたポリマーは39.5gであった。
[実施例17]
Ni(cod)を303mg(1.1mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを110mL、AL-2の代わりにAL-4を49mg(0.10mmol)用いて、AL-4にNi(cod)のトルエン溶液を50mL加えた以外は、実施例3と同様に行って50mLの触媒溶液(2mM/AL-4)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを930mL加えた。触媒シリンダーにtBAを2.9mL(20mmol)加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。続いて、触媒シリンダーに1-ヘキセンを2.5mL(20mmol)加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。触媒シリンダーにTNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.0mL加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、オートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに10mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始3分後、6分後、9分後、12分後にそれぞれ10mLの上記触媒溶液を追加した。反応開始16分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、エキネン(登録商標)F-1(1000mL、日本アルコール販売社製)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をエキネン(登録商標)F-1で洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは9.6gであった。
[実施例18]
実施例17と同様に行って50mLの触媒溶液(2mM/AL-4)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを930mL加えた。触媒シリンダーに1-デセンを12mL加え、0.5MPaの窒素で1-デセンをオートクレーブに加えることを3回繰り返した。その後、10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、オートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに5mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始11分後に10mLの触媒溶液を追加した。反応開始20分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1000mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは65.4gであった。
[実施例19]
フラスコにNi(cod)を660mg(2.4mmol)量り取り、60mLのトルエンに溶解させて遷移金属化合物溶液(40mM/Ni)を作った。また、別のフラスコにAL-4を118.7mg(0.24mmol)量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を6mL測り取り、この溶液をAL-4の入ったフラスコに加え、さらに18mLのトルエンを加えた。この溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液1を調製した(10mM/AL-4)。触媒溶液1を3mL測り取り、これに12mLのトルエンを加えて触媒溶液2(2mM/AL-4)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを88mL、ノルボルネンのトルエン溶液(0.318g/g)を4.21g(14.2mmol)加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.2MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が1.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに0.45mLの上記遷移金属化合物溶液、1mLの上記触媒溶液2、2mLのトルエンを加え、1.2MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に0.45mLの上記遷移金属化合物溶液と1mLの上記触媒溶液2を追加した。反応開始7分後に0.9mLの上記遷移金属化合物溶液と2mLの上記触媒溶液2を追加した。反応開始16分後に1.8mLの上記遷移金属化合物溶液と0.8mLの上記触媒溶液1を追加した。反応開始20分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始40分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは1.5gであった。
[実施例20]
実施例19と同様に行って触媒溶液1を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを88mL、ノルボルネンのトルエン溶液(0.318g/g)を3.92g(13.2mmol)加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.2MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が1.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液1、2mLのトルエンを加え、1.2MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始7分後に3mLの上記触媒溶液1を追加した。反応開始10分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは2.4gであった。
[実施例21]
Ni(cod)を193.0mg(0.7 mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを70mL、AL-2の代わりにAL-4を29.9mg(0.06mmol)用い、AL-4にNi(cod)のトルエン溶液を30mL加えた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(2mM/AL-4)を調製した。
反応開始時に5.5mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始3分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄し、反応開始8分後に3mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始14分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した以外は、実施例7と同様に行った。その結果、得られたポリマーは1.9gであった。
[実施例22]
実施例21と同様に行って30mLの触媒溶液(2mM/AL-4)を調製した。
反応開始時に2.5mLの上記触媒溶液、反応開始5分後3mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始から7分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した以外は、実施例7と同様に行ったその結果、得られたポリマーは0.5gであった。
[実施例23]
Ni(cod)を275.1mg(1.0mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを100mL、AL-2の代わりにAL-4を39.6mg(0.08mmol)用いて、AL-4にNi(cod)のトルエン溶液を20mL加えた以外は、実施例3と同様にして20mLの触媒溶液(4mM/AL-4)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを78mL、5-ノルボルネン-2-カルボン酸-tert-ブチル(tBNC)を2.8mL(14mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を100μL加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.2MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が1.0MPaとなるようエチレンを加えた。触媒シリンダーに3.0mLの上記触媒溶液を加え、1.2MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始3分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始8分後に3.0mLの上記触媒溶液を追加した。反応開始9分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは1.9gであった。
[実施例24]
Ni(cod)を330.1mg(1.2mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを120mL、AL-2の代わりにAL-4を49.4mg(0.10mmol)用いて、AL-4にNi(cod)のトルエン溶液を25mL加えた以外は、実施例3と同様に行って25mLの触媒溶液(4mM/AL-4)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを87mL、4-アセトキシスチレン(4-OAcSt)を2.9mL(19mmol)加え、90℃に昇温した。続いて、エチレンを1.0MPa加えた。触媒シリンダーに3.5mLの上記触媒溶液を加え、1.2MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始7分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄した。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは2.5gであった。
[実施例25]
AL-2の代わりにAL-5を16.2mg(0.03mmol)を用いた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(1mM/AL-5)を調製した。
反応開始時に5mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始から10分後に5mLの上記触媒溶液10mLを加え、反応開始から12分後に触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄した以外は、実施例3と同様に行った。その結果、得られたポリマーは0.8gであった。
[実施例26]
AL-2の代わりにAL-6を13.2mg(0.03mmol)用いた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(1mM/AL-6)を調製した。
上記触媒溶液を用いた以外は、実施例3と同様に重合した。その結果、得られたポリマーは0.6gであった。
[実施例27]
AL-2の代わりにAL-7を19.2mg(0.03mmol)用いた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(1mM/AL-7)を調製した。
反応開始時に5mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始から5分後および10分後に10mLの上記触媒溶液を加え、反応開始から15分後に触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄した以外は、実施例3と同様に重合を行った。その結果、得られたポリマーは1.5gであった。
[実施例28]
AL-2の代わりにAL-8を14.5mg(0.03mmol)を用いた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(1mM/AL-8)を調製した。
反応開始時に5mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始から5分後に10mLの上記触媒溶液を加え、反応開始から10分後に触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄した以外は、実施例3と同様に重合を行った。その結果、得られたポリマーは3.2gであった。
[実施例29]
AL-2の代わりにAL-11を14.3mg(0.03mmol)用いた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(1mM/AL-11)を調製した。
上記触媒溶液を用いて、反応開始後16分で反応を停止した以外は、実施例3と同様に重合した。その結果、得られたポリマーは49.8gであった。
[実施例30]
Ni(cod)を141.3mg(0.55mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを55mL、AL-2の代わりにAL-11を23.8mg(0.05mmol)を用いて、AL-11にNi(cod)のトルエン溶液を50mL加えた以外は、実施例3と同様に行って50mLの触媒溶液(1mM/AL-11)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを930mL加えた。触媒シリンダーにtBAを2.9mL(20mmol)加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。触媒シリンダーにTNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.0mL加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、オートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに5mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後、10分後、13分後、15分後にそれぞれ10mLの上記触媒溶液を、反応開始から18分後に5mLの触媒溶液を追加した。反応開始23分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1000mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは18.4gであった。
[実施例31]
AL-2の代わりにAL-14を14.2mg(0.03mmol)用いた以外は、実施例3と同様に行って30mLの触媒溶液(1mM/AL-14)を調製した。
反応開始時に1mLの上記触媒溶液を用いて、反応開始から4分後に触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、反応開始から33分後に1mLの上記触媒溶液を追加し、40分後に触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄した以外は、実施例3と同様に重合を行った。その結果、得られたポリマーは7.5gであった。
[実施例32]
フラスコにNi(cod)を141.3mg(0.55mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを55mL、AL-2の代わりにAL-16を24.3mg(0.05mmol)用いて、AL-16にNi(cod)のトルエン溶液を50mL加えた以外は、実施例3と同様にして50mLの触媒溶液(1mM/AL-16)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを930mL加えた。触媒シリンダーにtBAを2.9mL(20mmol)加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。触媒シリンダーにTNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.0mL加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、オートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに5mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に5mLの上記触媒溶液、さらに反応開始10分後に10mLの上記触媒溶液を追加した。反応開始から37分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、エキネン(1000mL、日本アルコール販売社製)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは13.0gであった。
[実施例33]
AL-16を25.3mg(0.052mmol)を用いて、AL-16にNi(cod)のトルエン溶液を13mL加えた以外は、実施例32と同様に行って13mLの触媒溶液(4mM/AL-16)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを80mL、メタクリル酸メチル(MMA)を12mL(113mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を100μL加え、90℃に昇温した。続いて、エチレンを1.0MPa加えた。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液および2mLのトルエンを加え、1.2MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始8分後に2mLの上記触媒溶液を追加した。反応開始10分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトン(100mL)に懸濁させた。この懸濁液10wt%HClを1mL加え、一晩静置した。懸濁液をアセトン(100mL×2)で2回洗浄し、固体を濾過により回収し、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.54gであった。
[実施例34]
50mLフラスコに、Ni(cod)を96.1mg(0.35mmol)量り取り、35mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに14.4mg(0.030mmol)のAL-19を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を30mL量り取り、この溶液をAL-19の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを94mL、0.3mLのtBA(2.1mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)100μL(0.010mmol)を加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.5MPaにして、エチレンを2.5MPa加えた。触媒シリンダーに1mLの触媒溶液を加え、その上に2mLのトルエンを静置し、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始から7分、13分後も同様の操作で触媒溶液とトルエンを加えた。反応開始から22分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に、3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは5.3gであった。
[実施例35]
50mLフラスコに、Ni(cod)を164.5mg(0.60mmol)量り取り、15mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに23.4mg(0.050mmol)のAL-19を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を12.5mL量り取り、この溶液をAL-19の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを88mL、2-ノルボルネンのトルエン溶液(0.318g/g)を3.88g(13.1mmol)加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.2MPaにして、エチレンを0.8MPa加えた。触媒シリンダーに1mLの触媒溶液を加え、その上に2mLのトルエンを静置し、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。9分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始30分後に、3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは1.9gであった。
[実施例36]
50mLフラスコに、Ni(cod)を96.4mg(0.35mmol)量り取り、35mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに14.6mg(0.030mmol)のAL-27を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を30mL量り取り、この溶液をAL-27の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
2.4Lのオートクレーブにトルエン1000mLを加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.5MPaにして、エチレンを2.5MPa加えた。触媒シリンダーに5mLの触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。その後、10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に、10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1L)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1L×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは34.5gであった。
[実施例37]
50mLフラスコに、Ni(cod)を96.2mg(0.35mmol)量り取り、35mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに14.7mg(0.030mmol)のAL-16を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を30mL量り取り、この溶液をAL-16の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを88mL、ノルボルネンのトルエン溶液(0.318g/g)1.95g(6.6mmol)を加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.2MPaにして、エチレンを0.8MPa加えた。触媒シリンダーに2mLの触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。その後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始から5分、9分後にそれぞれ触媒溶液を3mL加えた。反応開始から12分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始30分後に、3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは2.3gであった。
[実施例38]
50mLフラスコに、AL-16NiMePyを15.5mg(0.024mmol)量り取り、12mLのトルエンに溶解させて触媒溶液を得た(20mM)。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを950mL加えた。触媒シリンダーに2.9mLのtBA(20mmol)加え、その上から9mLのトルエンを静置し、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーにTNOAのトルエン溶液(0.1M)1mL(0.1mmol)を加え、その上に10mLのトルエンを静置し、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、高圧窒素を加えて0.5MPaにして、エチレンを2.5MPa加えた。触媒シリンダーに2mLの触媒溶液を加え、その上に10mLのトルエンを静置した。高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始から10分後に、触媒シリンダーに4mLの触媒溶液を加え、その上に8mLのトルエンを静置し、オートクレーブに加えた。反応開始から26分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に、10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは6.4gであった。
[実施例39]
ニッケル(II)ビス(アセチルアセトナート)をNi(acac)と称する。
50mLフラスコに、Ni(acac)を10.2mg(0.040mmol)量り取り8mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに12.0mg(0.025mmol)のAL-16を量り取った。Ni(acac)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-16の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを96mL、0.3mLのtBA(2.1mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)0.25mL(25μmol)を加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.5MPaにして、エチレンを2.5MPa加えた。触媒シリンダーに1mLの触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。2分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に、3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは3.6gであった。
[実施例40]
トリス(トランス-1,2-ビス(4-tert-ブチルフェニル)エテン)ニッケル(0)をNi(4-tBuStb)と称する。
50mLフラスコに、Ni(4-tBuStb)を56.7mg(0.061mmol)量り取り、6mLのトルエンに溶解させて遷移金属化合物溶液を得た。また、別のフラスコに12.1mg(0.025mmol)のAL-16を量り取り、5mLのトルエンに溶解させて配位子溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを87mL、0.3mLのtBA(2.1mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)0.3mL(0.03mmol)を加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.5MPaにして、エチレンを2.5MPa加えた。触媒シリンダーに3mLの遷移金属化合物溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加えた。続けて、更に遷移金属化合物溶液2mLをオートクレーブに加えた。続けて、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。その後、1mLの配位子溶液をオートクレーブに加えた。この時点を反応開始時刻とした。反応開始から5分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に、3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは3.8gであった。
[実施例41]
100mLフラスコに、Ni(cod)を343.8mg(1.25mmol)量り取り、60mLのトルエンに溶解させて遷移金属化合物溶液(0.021M)を得た。また、別のフラスコに213.3mg(0.6mmol)のAA-1を量り取り、12mLのトルエンに溶解させて配位子溶液(0.05M)を得た。AA-1のトルエン溶液2mL(0.1mmol)とNi(cod)2のトルエン溶液48mL(1mmol)を混合し、生じた溶液を40℃で15分攪拌させて触媒溶液を調製した(0.02M/AA-1)。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを1000mL加え、90℃に昇温した。ここに高圧窒素を加えて0.5MPaにして、エチレンを2.5MPa加えた。触媒シリンダーに2.5mLの触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒溶液をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始から5分後、10分後、15分後、20分後にそれぞれ10mLの触媒溶液を、反応開始から25分後に7.5mLの触媒溶液を加えた。反応開始から30分後に触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、その洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に、10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1000mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは7.2gであった。
以上の実施例1~41での重合条件を表1に、得られた結果およびポリマーの分析結果を表2に、それぞれまとめた。
Figure 2022159228000045
Figure 2022159228000046
[実施例42]
フラスコにNi(cod)を165mg(0.6mmol)量り取り、30mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに167mg(0.5mmol)のAL-2を量り取った。AL-2の入ったフラスコに上記Ni(cod)のトルエン溶液25mLを加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液(20mM/AL-2)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにプロピレンを500g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに10mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始60分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、得られた油状のポリプロピレンは、ジクロロメタン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、70.6gのポリプロピレンを得た。
[実施例43]
フラスコにNi(cod)を33.0mg(0.12mmol)量り取り、12mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに33.4mg(0.10mmol)のAL-2を量り取った。AL-2の入ったフラスコに上記Ni(cod)のトルエン溶液10mLを加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分攪拌して触媒溶液(10mM/AL-2)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを50mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に2mLの上記触媒溶液を加え、さらに10分後に3mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始20分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、15.5gのポリプロピレンを得た。
[実施例44]
Ni(cod)を82.2mg(0.30mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを30mL、AL-2を80.2mg(0.24mmol)用いて、AL-2にNi(cod)のトルエン溶液を12mL加えた以外は、実施例34と同様に行って12mLの触媒溶液(20mM/AL-2)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを48mL、4-メチルスチレンを1.8mL(14mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に2.5mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始3分および8分後にそれぞれ3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.1gのポリプロピレンを得た。
[実施例45]
Ni(cod)を54.8mg(0.20mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを20mL、AL-2を56.4mg(0.17mmol)用いて、AL-2にNi(cod)のトルエン溶液を8.5mL加えた以外は、実施例34と同様にして8.5mLの触媒溶液(20mM/AL-2)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを50mL、ノルボルネンのトルエン溶液(0.318g/g)を3.92g(13.2mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。さらに反応開始7分後、13分後にそれぞれ2.5mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始3分後、10分後、15分後にそれぞれ3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.6gのポリプロピレンを得た。
[実施例46]
Ni(cod)を82.5mg(0.30mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを30mL、AL-3を122.6mg(0.25mmol)用いて、AL-3にNi(cod)のトルエン溶液を12.5mL加えた以外は、実施例34と同様に行って12.5mLの触媒溶液(20mM/AL-3)を調製した。
反応開始時に2mLの上記触媒溶液を用いた以外は、実施例34と同様に重合を行った。得られた油状のポリプロピレンはヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、2.3gのポリプロピレンを得た。
[実施例47]
Ni(cod)を55.0mg(0.20mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを20mL、AL-3を78.5mg(0.16mmol)用いて、AL-3にNi(cod)のトルエン溶液を8mL加えた以外は、実施例34と同様にして8mLの触媒溶液(20mM/AL-3)を調整した。
反応開始時に3mLの上記触媒溶液用いて、さらに反応開始から2分後および4分後にそれぞれ2mLの上記触媒溶液を加え、反応開始から8分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄し、反応時間を30分とした以外は、実施例35と同様に重合した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、12.3gのポリプロピレンを得た。
[実施例48]
フラスコにNi(cod)を165.3mg(0.6mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを60mL、AL-4を247.6mg(0.50mmol)用いて、AL-4にNi(cod)のトルエン溶液を25mL加えた以外は、実施例34と同様に行って25mLの触媒溶液(20mM/AL-4)を調整した。
反応開始時に10mLの上記触媒溶液を加え、反応開始から11分後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄したこと以外は実施例34と同様に重合を行った。得られた油状のポリプロピレンはヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、6.2gのポリプロピレンを得た。
以上の実施例34~40までの重合条件を表3に、得られた結果およびポリマーの分析結果を表4に、それぞれまとめた。
[実施例49]
50mLフラスコに、Ni(cod)を19.2mg(0.070mmol)量り取り、7mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに21.7mg(0.050mmol)のAL-17を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-17の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを50mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。6分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始12分後に3mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始16分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.5gのポリプロピレンを得た。
[実施例50]
50mLフラスコに、Ni(cod)を42.2mg(0.15mmol)量り取り、15mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに42.9mg(0.106mmol)のAL-24を量り取り、10.6mLのトルエンに溶解させた。更に別のフラスコに、Ni(cod)のトルエン溶液とAL-24のトルエン溶液をそれぞれ4mLずつ量り取り、生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを50mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。3分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始7分後および12分後にそれぞれ3mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始17分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.6gのポリプロピレンを得た。
[実施例51]
50mLフラスコに、Ni(cod)を42.2mg(0.15mmol)量り取り、15mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに16.9mg(0.051mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを50mL、プロピレンを25g加え、70℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。3分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始6分後に1mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始9分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.3gのポリプロピレンを得た。
[実施例52]
50mLフラスコに、Ni(cod)を16.2mg(0.059mmol)量り取った。また、別のフラスコに26.5mg(0.063mmol)のAL-26を量り取6mLのトルエンに溶解させた。AL-26のトルエン溶液を6mL量り取り、この溶液をNi(cod)の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを40mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。2分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始5分後、8分後に2mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始9分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.0gのポリプロピレンを得た。
[実施例53]
50mLフラスコに、Ni(cod)を27.1mg(0.099mmol)量り取り、10mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに29.8mg(0.053mmol)のAL-30を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5.3mL量り取り、この溶液をAL-30の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを40mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。その後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始7分後に3mL、10分後に1mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始14分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.19gのポリプロピレンを得た。
[実施例54]
50mLフラスコに、Ni(cod)を93.5mg(0.34mmol)量り取り、17mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに100.2mg(0.30mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を15mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを45mL、MUを1.1mL(4.9mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後に2mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。10分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始30分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、3.8gのポリプロピレンを得た。
[実施例55]
50mLフラスコに、Ni(cod)を16.8mg(0.061mmol)量り取り、6mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに13.2mg(0.039mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を4mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを45mL、MUを1.1mL(4.9mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を0.2mL(20μmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。5分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、2.7gのポリプロピレンを得た。
[実施例56]
50mLフラスコに、Ni(cod)を93.8mg(0.34mmol)量り取り、17mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに100.2mg(0.30mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を15mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを25mL、N-(tert-ブトキシカルボニル)-5-ノルボルネン-2-メチルアミン(NbocNBMA)のトルエン溶液(0.133g/g)を23.3mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに3mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後、9分後にそれぞれ3mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始11分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、2.1gのポリプロピレンを得た。
[実施例57]
50mLフラスコに、Ni(cod)を66.4mg(0.24mmol)量り取り、12mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに67.2mg(0.20mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を10mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを25mL、NbocNBMAのトルエン溶液(0.133g/g)を23.3mL、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.8mL(0.18mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに3mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始4分後および8分後にそれぞれ3mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始10分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.74gのポリプロピレンを得た。
[実施例58]
50mLフラスコに、AL-18/NiMePyを11.9mg(0.025mmol)量り取り、5mLのトルエンに溶解させて触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを45mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始7分後、13分後に1mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始1分後、9分後、15分後にそれぞれ3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。
反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、2.1gのポリプロピレンを得た。
[実施例59]
50mLフラスコに、Ni(4-tBuStb)を37.0mg(0.040mmol)量り取り、4mLのトルエンに溶解させて遷移金属化合物溶液とした。また、別のフラスコに13.1mg(0.039mmol)のAL-2を量り取り、4mLのトルエンに溶解させて配位子溶液とした。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを40mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記配位子溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え。続いて、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を圧加えた。次に、触媒シリンダーに2mLの遷移金属化合物溶液を加え、オートクレーブに加えた。この時点を反応開始時刻とした。続いて、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始56分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.8gのポリプロピレンを得た。
[実施例60]
50mLフラスコに、Ni(acac)を18.2mg(0.070mmol)量り取り、7mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに16.7mg(0.050mmol)のAL-2を量り取った。Ni(acac)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た(10mM)。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを40mL、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を1mL(0.1mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。その後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始6分後に2mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始8分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.17gのポリプロピレンを得た。
[実施例61]
50mLフラスコに、Ni(cod)を17.7mg(0.064mmol)量り取り、7mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに16.4mg(0.049mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを45mL、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を0.4mL(0.040mmol)、1.1mLの酢酸9-デセニル(DA)(4.9mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。2分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始7分後に2mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始8分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始25分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.8gのポリプロピレンを得た。
[実施例62]
50mLフラスコに、Ni(cod)を66.1mg(0.24mmol)量り取り、12mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに67.1mg(0.200mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を10mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、14分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを45mL、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を0.4mL(0.040mmol)、0.9mLの1,2-エポキシ-9-デセン(EPD)(5mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに1mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。4分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始10分後に1mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始12分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.57gのポリプロピレンを得た。
[実施例63]
50mLフラスコに、Ni(cod)を18.2mg(0.07mmol)量り取り、7mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに24.4mg(0.05mmol)のAL-37を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-37の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを45mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。4分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始10分後に2mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始14分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.1gのポリプロピレンを得た。
[実施例64]
50mLフラスコに、Ni(cod)を17.6mg(0.064mmol)量り取り、7mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに16.8mg(0.050mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を5mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを40mL、MUを4.5mL(20mmol)、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を0.4mL(0.04mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加えた、この時点を反応開始時刻とした。3分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始16分後に2mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから加えた。反応開始19分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.46gのポリプロピレンを得た。
[実施例65]
50mLフラスコに、Ni(cod)を164.8mg(0.60mmol)量り取り、15mLのトルエンに溶解させて遷移金属化合物溶液を得た。また、別のフラスコに29.7mg(0.060mmol)のAL-38-2を量り取り、6mLのトルエンで溶解させて配位子溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを35mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーから高圧窒素を用いて、合計12.5mLの遷移金属化合物溶液をオートクレーブに加えた。その後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。続いて、3mLの配位子溶液を触媒シリンダーから加えた、この時点を反応開始時刻とした。反応開始2分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始9分後に、2mLの配位子溶液を加えた。反応開始10分後に、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.2gのポリプロピレンを得た。
[実施例66]
50mLフラスコに、Ni(cod)を165.7mg(0.60mmol)量り取り、15mLのトルエンに溶解させて、遷移金属化合物溶液とした。また、別のフラスコに29.9mg(0.060mmol)のAL-38-1を量り取り、6mLのトルエンに溶解させて、配位子溶液とした。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを35mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーから高圧窒素を用いて、合計12.5mLの遷移金属化合物溶液を加えた。その後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。
続いて、3mLの配位子溶液を触媒シリンダーから加えて、この時点を反応開始時刻とした。反応開始4分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.73gのポリプロピレンを得た。
[実施例67]
50mLフラスコに、Ni(cod)を44.5mg(0.16mmol)量り取り、8mLのトルエンに溶解させた。また、別のフラスコに39.7mg(0.12mmol)のAL-2を量り取った。Ni(cod)のトルエン溶液を6mL量り取り、この溶液をAL-2の入ったフラスコに加えた。生じた溶液を40℃の水浴で温め、15分間撹拌して触媒溶液を得た。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを33mL、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.0mL(0.1mmol)、DAを4.5mL(20mmol)、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。2分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、その洗浄液を加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、1.6gのポリプロピレンを得た。
Figure 2022159228000047
Figure 2022159228000048
[比較例1]
2.4Lのオートクレーブにトルエンを1000mL加え、50℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを155mg(0.3mmol)フラスコに量り取り、12mLのトルエンを加えて溶解させた。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのトルエン溶液を10mL触媒シリンダーに加え、高圧窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーに10mLのトルエンを加えて洗浄し、洗浄液を高圧窒素でオートクレーブに加えた。続いて、合成例24で得られたAL-2alを22mg(0.05mmol)量り取り、10mLのトルエンを加えて溶解させた。触媒シリンダーに10mLのAL-2alの触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。10mLのトルエンで触媒溶液が入っていたフラスコと触媒を量り取ったシリンジを洗浄し、この洗浄液を触媒シリンダーからオートクレーブに加えた。反応開始60分後に10mLのエタノールを加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、エキネン(登録商標)F-1(1000mL、日本アルコール販売社製)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をエキネン(登録商標)F-1で洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.15gであった。
[比較例2]
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを154mg(0.3mmol)フラスコに量り取り、6mLのトルエンを加えて溶解させた。続いて、合成例24で得られたAL-2alを22mg(0.05mmol)量り取り、これにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのトルエン溶液を5mL加えた。この溶液を室温で30分間攪拌させ、触媒溶液を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを1000mL加え、50℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。上記触媒溶液5mLを触媒シリンダーに加えて、高圧窒素でオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。続いて、10mLのトルエンで触媒溶液が入っていたフラスコと触媒を量り取ったシリンジを洗浄し、この洗浄液を触媒シリンダーからオートクレーブに加えた。反応開始60分後に10mLのエタノールを加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、エキネン(登録商標)F-1(1000mL、日本アルコール販売社製)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をエキネン(登録商標)F-1で洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.53gであった。
[比較例3]
フラスコにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン92.6mg(0.18mmol)を量り取り、6mLのトルエンを加えて溶解させた。別のフラスコにAL-2alを13.0mg(0.03mmol)量り取り、これにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのトルエン溶液を5mL加えた。この溶液を室温で30分間攪拌させ、触媒溶液(6mM)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを92mL加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。上記触媒溶液0.5mLと2.5mLのトルエンを触媒シリンダーに加えて、3.3MPaの窒素でオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始5分後、12分後にそれぞれ1.0mL、2.5mLの触媒溶液を追加した。反応開始16分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.57gであった。
[比較例4]
フラスコにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン383.5mg(0.75mmol)を量り取り、15mLのトルエンを加えて溶解させた。別のフラスコにAL-2alを25.9mg(0.06mmol)量り取り、これにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのトルエン溶液を6mL加えた。この溶液を室温で30分間攪拌させ、触媒溶液(10mM)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを91mL、アクリル酸tertブチルを0.3mL(2mmol)、加え、TNOAのトルエン溶液(0.1M)を100μL加え、90℃に昇温した。このオートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。上記触媒溶液2.5mLを触媒シリンダーに加えて、3.3MPaの窒素でオートクレーブに加えた時点を反応開始時刻とした。反応開始3分後にそれぞれ2.5mLの触媒溶液を追加した。反応開始6分後に触媒シリンダーを3mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(100mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(100mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは0.016gであった。
[比較例5]
フラスコにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン384.0mg(0.75mmol)を量り取り、15mLのトルエンを加えて溶解させた。別のフラスコにAL-2alを26.0mg(0.06mmol)量り取り、これにトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのトルエン溶液を6mL加えた。この溶液を室温で30分間攪拌させ、触媒溶液(10mM)を調製した。
0.2Lのオートクレーブにトルエンを50mL、プロピレンを25g加え、50℃に昇温した。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、高圧窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始4分後、3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始8分後に2.5mLの上記触媒溶液を触媒シリンダーから追加した。反応開始10分後に3mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。反応開始60分後に3mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、プロピレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、トルエンを留去して油状のポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンは、ヘキサン100%を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状の物質を減圧乾燥し、0.021gのポリプロピレンを得た。
[比較例6]
Ni(cod)を41mg(0.15mmol)、Ni(cod)を溶解するトルエンを15mL、AL-2の代わりにB-27DMを56mg(0.10mmol)用いて、B-27DMにNi(cod)のトルエン溶液を5mL加えた以外は、実施例3と同様に行って5mLの触媒溶液(20mM/AL-4)を調製した。
2.4Lのオートクレーブにトルエンを1000mL加えた。触媒シリンダーにtBAを5.8mL(40mmol)加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。触媒シリンダーにTNOAのトルエン溶液(0.1M)を1.0mL加え、0.5MPaの窒素でオートクレーブに加えた。触媒シリンダーを10mLのトルエンで洗浄し、洗浄液をオートクレーブに加えた。90℃に昇温し、オートクレーブの内圧が0.5MPaになるように窒素を加えた。続いて、オートクレーブの内圧が3.0MPaになるようにエチレンを加えた。触媒シリンダーに2.5mLの上記触媒溶液を加え、3.5MPaの窒素で触媒をオートクレーブに加え、この時点を反応開始時刻とした。反応開始後に10mLのトルエンで触媒シリンダーを洗浄した。反応開始30分後に10mLの1,2-ブタンジオールのトルエン溶液(0.2M)を加えて反応を停止し、エチレンを脱圧した。当該オートクレーブを室温に戻し、アセトン(1000mL)を加えた。析出した固体を、濾過により回収し、固体をアセトンで洗浄し(1000mL×2)、減圧乾燥した。得られたポリマーは31.8gであった。
以上の比較例1~6での重合条件を表5に、得られた結果およびポリマーの分析結果を表6に、それぞれまとめた。
Figure 2022159228000049
Figure 2022159228000050

Claims (26)

  1. 下記一般式(A)で表される化合物と、下記一般式(B)または(C)で表される遷移金属化合物とを含む、オレフィン重合用触媒組成物。
    Figure 2022159228000051

    [式(A)中、
    は、酸素原子または硫黄原子を表し、
    は、窒素原子、リン原子、砒素原子またはアンチモン原子を表し、
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し(但しメチル基を除く)、
    は、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~5の二価の飽和炭化水素基であり、
    mは、1以上Zの価数以下の整数であり、
    Zは、水素原子、脱離基または1以上4以下の価数を有するカチオンである。]
    〔式(B)中、
    は、ニッケル原子またはパラジウム原子を表し、
    、L、LおよびLは、Mに配位したリガンドを表し、
    qは0、1または2であり、
    およびLまたは、LおよびLは互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5環員~10環員である。]
    [式(C)中、
    およびMは、それぞれ独立に、ニッケル原子またはパラジウム原子を表し、
    、L、L、L、LおよびL10は、MまたはMに配位したリガンドを表し、
    およびLは、互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5環員~10環員であり、LおよびL10は、互いに結合してMを含む環を形成してもよく、当該環の最小の環員数はMを含めて5環員~10環員である。]
  2. 下記一般式(D)で表される金属錯体。
    Figure 2022159228000052

    [式(D)中、
    、R、X、Y、E、M、LおよびLは、請求項1に定義したとおりである。]
  3. 前記一般式(A)が、下記一般式(E)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
    Figure 2022159228000053

    [式(E)中、
    およびRは、それぞれ独立に、水素原子または、置換もしくは非置換の、ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数2~20の炭化水素基を表し、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立に、下記(i)~(iv):
    (i)水素原子
    (ii)ハロゲン原子
    (iii)ヘテロ原子を少なくとも1つ含んでいてもよい炭素数1~30の炭化水素基
    (iv)OR、CO、COM′、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2-y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3-x(R、OSi(OR3-x(R、NO、SOM′、POM′、P(O)(ORM′またはエポキシ含有基(ここで、Rはそれぞれ独立に、水素または炭素数1~20の炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立に、炭素数1~20の炭化水素基を表し、M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスホニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す)からなる群より選ばれる原子または基を表し、R、R、RおよびRは、隣接する複数の基が互いに連結し、5~8員の、脂環式環、芳香族環、または酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ含有する複素環を形成していてもよく、
    nは、0~4の整数であり、
    、E、mおよびZは、請求項1に定義したとおりである。]
  4. 前記一般式(D)が、下記一般式(F)で表されることを特徴とする、請求項2に記載の金属錯体。
    Figure 2022159228000054

    [式(F)中、
    、R、R、R、R、R、n、XおよびEは、請求項3で定義したとおりであり、
    、LおよびLは、請求項1で定義したとおりである。]
  5. 前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)および(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、請求項3に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  6. 前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)および(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、請求項4に記載の金属錯体。
  7. 前記Rが、前記(i)または(iii)からなる群より選ばれる原子または基である時、前記Rが(i)、(iii)およびCO、C(O)N(R、C(O)R、SOおよびP(O)(OR2-y(Rからなる群より選ばれる原子または基である(ここで、R、R、yは、請求項3で定義したとおりである。)ことを特徴とする、請求項3または5に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  8. 前記Rが、前記(i)または(iii)からなる群より選ばれる原子または基である時、前記Rが(i)、(iii)およびCO、C(O)N(R、C(O)R、SOおよびP(O)(OR2-y(Rからなる群より選ばれる原子または基である(ここで、R 、yは、請求項3で定義したとおりである。)ことを特徴とする、請求項4または6に記載の金属錯体。
  9. 前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)、(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、請求項3、5、7のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  10. 前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、前記(i)、(iii)、(iv)からなる群より選ばれる原子または基であることを特徴とする、請求項4、6、8のいずれか1項に記載の金属錯体。
  11. 前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、水素原子であることを特徴とする、請求項3、5、7、9のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  12. 前記Rおよび前記Rが、少なくともいずれか一方が、水素原子であることを特徴とする、請求項4、6、8、10のいずれか1項に記載の金属錯体。
  13. 前記Xが、酸素原子であることを特徴とする、請求項3、5、7、9、11のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  14. 前記Xが、酸素原子であることを特徴とする、請求項4、6、8、10、12のいずれか1項に記載の金属錯体。
  15. 前記Eが、窒素原子またはリン原子であることを特徴とする、請求項3、5、7、9、11、13のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  16. 前記Eが窒素原子またはリン原子であることを特徴とする、請求項4、6、8、10、12、14のいずれか1項の記載の金属錯体。
  17. 前記nが0~2の整数であることを特徴とする、請求項3、5、7、9、11、13、15のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  18. 前記nが0~2の整数であることを特徴とする、請求項4、6、8、10、12、14、16のいずれか1項に記載の金属錯体。
  19. 前記nが1であることを特徴とする、請求項3、5、7、9、11、13、15、17のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  20. 前記nが1であることを特徴とする、請求項4、6、8、10、12、14、16、18のいずれか1項に記載の金属錯体。
  21. 前記M、MおよびMがニッケル原子である、請求項1,3,5,7、9、11、13、15、17、19のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒組成物。
  22. 前記Mがニッケル原子である、請求項2,4,6,8、10、12、14、16、18、20のいずれか1項に記載の金属錯体。
  23. 請求項1,3,5,7,9、11、13、15、17、19、21のいずれか1項に記載のオレフィン系重合用触媒組成物を含む、オレフィン重合用触媒。
  24. 請求項2,4,6,8,10、12、14、16、18、20、22のいずれか1項に記載の金属錯体を含む、オレフィン重合用触媒。
  25. 請求項23または24に記載のオレフィン系重合用触媒の存在下、オレフィンを重合または共重合することを特徴とする、オレフィン系重合体の製造方法。
  26. オレフィンと極性基含有モノマーおよび非極性環状オレフィンから選ばれる少なくとも1種類のモノマーとを共重合することを特徴とする、請求項25に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
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