JP2022159087A - 硬質表面の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液性が中性から弱アルカリの領域でも硬質表面に付着したタンパク質を含む汚れを効果的に洗浄できる硬質表面の洗浄方法を提供する。【解決手段】タンパク質を含む汚れが付着した硬質表面に、タンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率が20%以上100%以下となるように、pH6以上11以下の洗浄液を接触させる、硬質表面の洗浄方法。【選択図】なし
Description
本発明は、硬質表面の洗浄方法に関する。
食器洗浄機は、家庭やレストラン、喫茶店などの厨房における汚れた皿、グラス、料理器具等の食器類の洗浄、食品飲料工場で使用される食材及び製品用のプラスチックコンテナの洗浄に使用されている。主な対象汚れとして、食品由来のタンパク質、デンプン、油脂等があり、これらの汚れが複合して、皿、グラス、料理器具等の食器、プラスチックコンテナに付着している。また、加熱調理の際にこれらの汚れが熱変性し、強固な汚れとなり固着している場合もある。
通常、食器洗浄機による洗浄は、洗浄工程、濯ぎ工程の順で行われている。これら工程の所要時間は、業務用途では、工程設計上では、洗浄工程が40~180秒程度、濯ぎ工程が5~20秒程度と、非常に短時間である。しかしながら、強固な汚れの場合にはこのような設計時間では洗浄が不充分になることがあり、充分な洗浄のためには洗浄工程に設計の数倍の時間をかけることは珍しくない。
特許文献1には、生地から蛋白質含有の汚れを除く方法であって、有効量のプロテアーゼと有効量のジスルフィド結合を開裂できる試薬(ジスルフィド開裂試薬、DCR)とを含む洗浄液で、前記生地を処理することを含有する方法が開示されている。
特許文献2には、チオシアン酸塩と還元剤とを含有する洗浄液に、汚れたコンタクトレンズを浸漬して、加熱することにより、かかるコンタクトレンズの洗浄を行なうことを特徴とするコンタクトレンズの洗浄方法が開示されている。
特許文献3には、洗浄剤組成物に、プロテアーゼの1種であるケラチナーゼと、毛髪を構成するケラチンのS-S結合を還元切断する非硫黄系還元剤なかでもリン系還元剤とを含有させて、毛髪や皮膚老廃物などの汚染物質の存在する被洗浄物の汚染表面の洗浄する方法が開示されている。
特許文献4には、特定のスルホコハク酸アルキルエステル(A)及びプロテアーゼ(B)を含有することで、大きな機械力をかけずに食器又は調理器具の汚れを洗浄することができる液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、チオシアン酸塩と還元剤とを含有する洗浄液に、汚れたコンタクトレンズを浸漬して、加熱することにより、かかるコンタクトレンズの洗浄を行なうことを特徴とするコンタクトレンズの洗浄方法が開示されている。
特許文献3には、洗浄剤組成物に、プロテアーゼの1種であるケラチナーゼと、毛髪を構成するケラチンのS-S結合を還元切断する非硫黄系還元剤なかでもリン系還元剤とを含有させて、毛髪や皮膚老廃物などの汚染物質の存在する被洗浄物の汚染表面の洗浄する方法が開示されている。
特許文献4には、特定のスルホコハク酸アルキルエステル(A)及びプロテアーゼ(B)を含有することで、大きな機械力をかけずに食器又は調理器具の汚れを洗浄することができる液体洗浄剤組成物が開示されている。
硬質表面、特に食器に付着する汚れは様々であるが、なかでもタンパク質を含む汚れは、変質、固化しやすく、業務用の食器洗浄機による短時間の洗浄では落としにくい汚れである。特に卵黄などは、汚れ付着後に経時の乾燥、変性等による汚れの変質の状態によっては、汚れが強固に固着し短時間での洗浄をより難しくしている。短時間の洗浄でタンパク質を含む汚れを効果的に洗浄するために、現状では強アルカリ条件での洗浄を余儀なくされるが、作業者や環境への影響を踏まえると、液性は中性から弱アルカリの領域での実施が望まれる。
本発明は、液性が中性から弱アルカリの領域でも硬質表面に付着したタンパク質を含む汚れを効果的に洗浄できる硬質表面の洗浄方法を提供する。
本発明は、タンパク質を含む汚れが付着した硬質表面に、タンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率が20%以上100%以下となるように、pH6以上11以下の洗浄液(以下、本発明の洗浄液という)を接触させる、硬質表面の洗浄方法に関する。
本発明によれば、液性が中性から弱アルカリの領域でも硬質表面に付着したタンパク質を含む汚れを効果的に洗浄できる硬質表面の洗浄方法が提供される。
本発明の硬質表面の洗浄方法が、液性が中性から弱アルカリの領域でも硬質表面に付着したタンパク質を含む汚れを効果的に洗浄できる理由は必ずしも定かではないが以下のように推定される。
本発明者らは、乾燥した卵黄汚れ等の難洗浄性タンパク汚れを解析した結果、タンパク質構造体中のタンパク質分子内、或いは分子間でジスルフィド結合(-SS-結合)が構造を安定化していることにより、洗浄過程を中性から弱アルカリ性の領域で行う場合、界面活性剤を基本組成とする既存の洗浄剤では膨潤や分散を起こしにくいことが解った。本発明において、難洗浄性タンパク汚れを構成するタンパク質中のジスルフィド結合を20%以上切断した場合、洗浄液の液性が中性から弱アルカリ性の領域であっても、洗浄液によるタンパク質の膨潤が起こり洗浄液の衝突等の物理的な力が加わることで容易に洗浄が可能となったと考えられる。洗浄液の液性が中性から弱アルカリ性の領域でタンパク質中のジスルフィド結合を切る方法としては、特に制限はなく、例えば、還元剤や酵素による還元反応が考えられるが、特に、ジスルフィド結合の酸化還元電位である+71mV以下の還元剤を用いる場合、タンパク質中のジスルフィド結合の切断が容易に進行する。更に、本発明の検討過程でタンパク質構造は、タンパク質中の陰イオン基とカルシウムイオンとからなる架橋構造、例えば、タンパク分子のリン酸基がCaイオンを介してタンパク分子内、或いは分子間でリン酸Ca架橋構造を作り構造を安定化していることも解り、ジスルフィド結合の切断のためにリン酸/Caの解離定数以上のキレート剤を用いてリン酸Ca架橋構造を切断することによって、よりジスルフィド結合の切断が容易にできると考えられる。
尚、本発明の効果発現はここに示す作用機作に限定されるものではない。
本発明者らは、乾燥した卵黄汚れ等の難洗浄性タンパク汚れを解析した結果、タンパク質構造体中のタンパク質分子内、或いは分子間でジスルフィド結合(-SS-結合)が構造を安定化していることにより、洗浄過程を中性から弱アルカリ性の領域で行う場合、界面活性剤を基本組成とする既存の洗浄剤では膨潤や分散を起こしにくいことが解った。本発明において、難洗浄性タンパク汚れを構成するタンパク質中のジスルフィド結合を20%以上切断した場合、洗浄液の液性が中性から弱アルカリ性の領域であっても、洗浄液によるタンパク質の膨潤が起こり洗浄液の衝突等の物理的な力が加わることで容易に洗浄が可能となったと考えられる。洗浄液の液性が中性から弱アルカリ性の領域でタンパク質中のジスルフィド結合を切る方法としては、特に制限はなく、例えば、還元剤や酵素による還元反応が考えられるが、特に、ジスルフィド結合の酸化還元電位である+71mV以下の還元剤を用いる場合、タンパク質中のジスルフィド結合の切断が容易に進行する。更に、本発明の検討過程でタンパク質構造は、タンパク質中の陰イオン基とカルシウムイオンとからなる架橋構造、例えば、タンパク分子のリン酸基がCaイオンを介してタンパク分子内、或いは分子間でリン酸Ca架橋構造を作り構造を安定化していることも解り、ジスルフィド結合の切断のためにリン酸/Caの解離定数以上のキレート剤を用いてリン酸Ca架橋構造を切断することによって、よりジスルフィド結合の切断が容易にできると考えられる。
尚、本発明の効果発現はここに示す作用機作に限定されるものではない。
<硬質表面の洗浄方法>
本発明の硬質表面の洗浄方法では、タンパク質を含む汚れが付着した硬質表面に、タンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率が、タンパク質洗浄の観点から、20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、そして、100%以下となるように、本発明の洗浄液を接触させる。
本発明の硬質表面の洗浄方法では、タンパク質を含む汚れが付着した硬質表面に、タンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率が、タンパク質洗浄の観点から、20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、そして、100%以下となるように、本発明の洗浄液を接触させる。
タンパク質を含む汚れ中のタンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率は、以下の方法により測定する。
pH8 0.1Mホウ酸バッファーに4-(Aminosulfonyl)-7-fluoro-2,1,3-benzoxadiazole(ABD-F、例えば、東京化成工業(株)製)を添加して、100μM ABD-F溶液(以下、(A)液とする)を作成する。pH8 0.1Mホウ酸バッファーにエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA2Na)を添加して、1mM EDTA2Na溶液を作成し、その中に、対象とするジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れ(例えば、卵黄)を1000ppm、対象とする本発明の洗浄液に含まれるジスルフィド結合を切断する剤を、洗浄液中の濃度の2倍量となるように添加し、(B)液を調製する。(A)液と(B)液を500μLずつ、エッペンチューブに入れ、混和させる。混合液をブロックヒーター(例えば、アトー(株)製、WSC-2620)にて50℃で5分加熱後、氷水で10分冷却する。冷却後、混合液に0.1M塩酸を300μL添加する。96wellプレートに混合液を200μL入れて、蛍光測定器(例えば、コロナ電気(株)製 SH-9000)で蛍光測定を行う(励起波長/測定波長=389/513nm、測定感度×100)。
次にpH11に調整したNaOH水溶液に、対象とするジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れを1000ppm添加して、(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行う。
次に(B)液の調製で、対象とするジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れの代わりに、ジスルフィド結合を有するシンプルな化合物であるグルタチオン(例えば、富士フイルム和光純薬(株)製)を、濃度を変化させて添加し、ジスルフィド結合を切断する剤として亜硫酸ナトリウムを1000ppm添加する以外は、上記と同様に(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、グルタチオン濃度を変化させた各混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行い、グルタチオン濃度と蛍光強度の検量線を作成する。
この検量線と、ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れの蛍光測定結果から、ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合の切断量を見積もり、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた場合の蛍光測定結果を、ジスルフィド結合開裂率100%として、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合開裂率を算出する。
pH8 0.1Mホウ酸バッファーに4-(Aminosulfonyl)-7-fluoro-2,1,3-benzoxadiazole(ABD-F、例えば、東京化成工業(株)製)を添加して、100μM ABD-F溶液(以下、(A)液とする)を作成する。pH8 0.1Mホウ酸バッファーにエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA2Na)を添加して、1mM EDTA2Na溶液を作成し、その中に、対象とするジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れ(例えば、卵黄)を1000ppm、対象とする本発明の洗浄液に含まれるジスルフィド結合を切断する剤を、洗浄液中の濃度の2倍量となるように添加し、(B)液を調製する。(A)液と(B)液を500μLずつ、エッペンチューブに入れ、混和させる。混合液をブロックヒーター(例えば、アトー(株)製、WSC-2620)にて50℃で5分加熱後、氷水で10分冷却する。冷却後、混合液に0.1M塩酸を300μL添加する。96wellプレートに混合液を200μL入れて、蛍光測定器(例えば、コロナ電気(株)製 SH-9000)で蛍光測定を行う(励起波長/測定波長=389/513nm、測定感度×100)。
次にpH11に調整したNaOH水溶液に、対象とするジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れを1000ppm添加して、(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行う。
次に(B)液の調製で、対象とするジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れの代わりに、ジスルフィド結合を有するシンプルな化合物であるグルタチオン(例えば、富士フイルム和光純薬(株)製)を、濃度を変化させて添加し、ジスルフィド結合を切断する剤として亜硫酸ナトリウムを1000ppm添加する以外は、上記と同様に(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、グルタチオン濃度を変化させた各混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行い、グルタチオン濃度と蛍光強度の検量線を作成する。
この検量線と、ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れの蛍光測定結果から、ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合の切断量を見積もり、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた場合の蛍光測定結果を、ジスルフィド結合開裂率100%として、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合開裂率を算出する。
タンパク質を含む汚れ中のタンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率を20%以上100%以下とする方法としては、特に限定するものではないが、還元剤やジスルフィド酸化還元酵素を用いた酸化還元反応、低分子チオール化合物との反応によるチオール-ジスルフィド交換反応、低分子ジスルフィド化合物とのジスルフィド-ジスルフィド交換反応等の反応を起こすことなどが挙げられるが、洗浄過程での短い時間、温度領域、作業性及び用いる薬剤の入手容易性等の観点から、還元剤及び/又はジスルフィド酸化還元酵素を含む洗浄液を用いる方法が好ましく、還元剤を含む洗浄液を用いる方法がより好ましい。
本発明の洗浄液は、タンパク質洗浄性の観点から、下記(a)成分を含有することができる。
(a)成分:酸化還元電位が+71mV以下の還元剤
(a)成分の酸化還元電位は、タンパク質洗浄性の観点から、+71mV以下、好ましくは+60mV以下、より好ましくは+55mV以下、更に好ましくは+50mV以下である。又、(a)成分の酸化還元電位の下限は、低ければ低いほど効果は期待でき、特に限定するものではないが、入手容易性の観点から、好ましくは0mV以上、より好ましくは3mV以上である。
(a)成分の酸化還元電位は、以下の方法に測定される値を用いる。
(a)成分に、0.016mol/Lの濃度となるように蒸留水を加え、1mol/Lの塩酸及び/又は水酸化ナトリウムを添加してpH7.5に調整して、調製液を調製する。調整液を60℃に調温し、酸化還元電位計(例えば、株式会社セムコーポレーション製ORP測定器(ORP5 ペン ORP計))を用いて、酸化還元電位を測定する。
(a)成分:酸化還元電位が+71mV以下の還元剤
(a)成分の酸化還元電位は、タンパク質洗浄性の観点から、+71mV以下、好ましくは+60mV以下、より好ましくは+55mV以下、更に好ましくは+50mV以下である。又、(a)成分の酸化還元電位の下限は、低ければ低いほど効果は期待でき、特に限定するものではないが、入手容易性の観点から、好ましくは0mV以上、より好ましくは3mV以上である。
(a)成分の酸化還元電位は、以下の方法に測定される値を用いる。
(a)成分に、0.016mol/Lの濃度となるように蒸留水を加え、1mol/Lの塩酸及び/又は水酸化ナトリウムを添加してpH7.5に調整して、調製液を調製する。調整液を60℃に調温し、酸化還元電位計(例えば、株式会社セムコーポレーション製ORP測定器(ORP5 ペン ORP計))を用いて、酸化還元電位を測定する。
(a)成分は、具体的には、亜硫酸塩、二硫酸塩、チオ硫酸塩、及びヨウ化物塩から選ばれる1種以上であり、具体的には、亜硫酸ナトリウム(+50mV)、亜硫酸カリウム(+50mV)、二硫酸ナトリウム(+17mV)、二硫酸カリウム(+17mV)、ヨウ化カリウム(+28mV)、ヨウ化ナトリウム(+28mV)、チオ硫酸ナトリウム(+5mV)、及びチオ硫酸カリウム(+5mV)から選ばれる1種以上が挙げられる。(a)成分は、酸化還元電位が、+71mV以下であれば特に限定するものではないが、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは亜硫酸ナトリウム、二硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、及びチオ硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上であり、より好ましくは亜硫酸ナトリウム、二硫酸ナトリウム、及びヨウ化カリウムから選ばれる1種以上である。但し( )内は、酸化還元電位の値を示す。
本発明の洗浄液は、タンパク質洗浄性の観点から、(a)成分を、例えば、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.002質量%以上、より更に好ましくは0.005質量%以上、そして、タンパク質洗浄性及び製剤としての性状安定性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下含有することができる。
本発明の洗浄液は、タンパク質洗浄性の観点から、下記(b)成分を含有することができる。
(b)成分:キレート剤
(b)成分:キレート剤
(b)成分は、タンパク質洗浄性の観点から、pH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caが2.6以上のキレート剤が好ましい。
(b)成分のpH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caは、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは2.6以上、より好ましくは2.7以上であり、タンパク質洗浄性の観点から、更に好ましくは3以上、より更に好ましくは3.2以上、そして、入手容易性の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは6以下である。
(b)成分のpH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caは、以下の方法に測定される値を用いる。
カルシウムイオン選択電極(例えば、HORIBA社製)を用いて、60℃、100mLの蒸留水中に25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を0.2mLずつ滴下し、その時の電位を測定し、各滴下量におけるカルシウムイオン濃度の対数を横軸に、電位を縦軸にとって、1次の近似式を算出する。続いて、(b)成分に蒸留水を加えて、1g/Lの濃度となるように調製し、1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸でpH7.5に調整して、キレート剤溶液を調製した。キレート剤溶液を100mL取り出し、60℃に加熱し、25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を3mL滴下して、カルシウムイオン選択電極(例えば、HORIBA社製)を用いて、電位を測定する。この時の電位を近似式に代入して、キレート剤溶液中の捕捉されていないカルシウム濃度A(mol/L)を計算し、下記式に、キレート剤の濃度B(mol/L)とともに代入して、K’Caを計算し、対数をとってpK’Caを算出する。
K’Ca=(5.4×10-5-A)/(A×(B-(5.4×10-5-A)
(b)成分のpH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caは、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは2.6以上、より好ましくは2.7以上であり、タンパク質洗浄性の観点から、更に好ましくは3以上、より更に好ましくは3.2以上、そして、入手容易性の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは6以下である。
(b)成分のpH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caは、以下の方法に測定される値を用いる。
カルシウムイオン選択電極(例えば、HORIBA社製)を用いて、60℃、100mLの蒸留水中に25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を0.2mLずつ滴下し、その時の電位を測定し、各滴下量におけるカルシウムイオン濃度の対数を横軸に、電位を縦軸にとって、1次の近似式を算出する。続いて、(b)成分に蒸留水を加えて、1g/Lの濃度となるように調製し、1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸でpH7.5に調整して、キレート剤溶液を調製した。キレート剤溶液を100mL取り出し、60℃に加熱し、25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を3mL滴下して、カルシウムイオン選択電極(例えば、HORIBA社製)を用いて、電位を測定する。この時の電位を近似式に代入して、キレート剤溶液中の捕捉されていないカルシウム濃度A(mol/L)を計算し、下記式に、キレート剤の濃度B(mol/L)とともに代入して、K’Caを計算し、対数をとってpK’Caを算出する。
K’Ca=(5.4×10-5-A)/(A×(B-(5.4×10-5-A)
(b)成分は、具体的には、エチレンジアミン4酢酸(pK’Ca6.0)、ヘキサメタリン酸(pK’Ca5.7)、ポリアクリル酸(pK’Ca4.2)、アクリル酸-マレイン酸共重合体(pK’Ca約4.6(モノマー比率によって変動する可能性がある))、クエン酸(pK’Ca3.4)、トリポリリン酸(pK’Ca3.8)、ニトリロ三酢酸(pK’Ca2.9)、グルタミン二酢酸塩(pK’Ca2.7)、及びこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられ、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくはエチレンジアミン4酢酸、ヘキサメタリン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸-マレイン酸共重合体、クエン酸、トリポリリン酸、ニトリロ三酢酸、グルタミン二酢酸塩、及びこれらの塩から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエチレンジアミン4酢酸、ヘキサメタリン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸-マレイン酸共重合体、クエン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはポリアクリル酸、クエン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上である。塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられ、入手容易性の観点から、カリウム塩、又はナトリウム塩が好ましい。
(b)成分のポリアクリル酸又はその塩は、アクリル酸以外のモノマーであって、アクリル酸と共重合可能なモノマー(ただしマレイン酸を除く)を含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸と共重合可能なモノマー(ただしマレイン酸を除く)の全構成モノマー中のモル比は、タンパク質洗浄性の観点から、0モル%以上、そして、5モル%以下、好ましくは3モル%以下であり、より好ましくは0モル%である。また(b)成分のポリアクリル酸又はその塩の重量平均分子量は、タンパク質洗浄性及び作業性の観点から、1,000以上、好ましくは2,000以上、そして、20,000以下、好ましくは17,000以下である。この重量平均分子量は、アセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝溶液)を展開溶媒とし、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで分子量既知の一般に市販され入手可能なポリマー標準試薬であるポリアクリル酸(例えば、シグマアルドリッチ製分子量スタンダード試薬)を標準物質として求めたものである。
(b)成分のアクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩は、アクリル酸/マレイン酸のモル比が、タンパク質洗浄性の観点から、0.25以上、好ましくは0.4以上、そして、4以下、好ましくは2.5以下である。(b)成分のアクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩は、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーの全構成モノマー中のモル比は、タンパク質洗浄性の観点から、0モル%以上、そして、5モル%以下、好ましくは3モル%以下、より好ましくは0モル%である。また(b)成分のアクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩の重量平均分子量は、タンパク質洗浄性及び作業性の観点から、1,000以上、好ましくは2,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは90,000以下である。この重量平均分子量は、アセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝溶液)を展開溶媒とし、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで分子量既知の一般に市販され入手可能なポリマー標準試薬であるポリアクリル酸(例えば、シグマアルドリッチ製分子量スタンダード試薬)を標準物質として求めたものである。
本発明の洗浄液は、(b)成分を、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.002質量%以上、より更に好ましくは0.005質量%以上、より更に好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下、より更に好ましくは0.05質量%以下含有することができる。
本発明の洗浄液において、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上、より更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.3以上、そして、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1以下である。
本発明の洗浄液は、タンパク質洗浄性の観点から、下記(c)成分を含有することができる。
(c)成分:アニオン性界面活性剤
(c)成分:アニオン性界面活性剤
(c)成分としては、アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル、アルキル又はアルケニル硫酸エステル、アルカンスルホン酸、オレフィンスルホン酸、脂肪酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。これらのアニオン界面活性剤の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などであってよい。
(c)成分としては、タンパク質洗浄性及び抑泡性の観点から、炭素数6以上16以下のアルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
前記炭素数は、アルキル基又はアルケニル基の炭素数である。アルキル基又はアルケニル基は、タンパク質洗浄性の観点から、炭素数が、6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、抑泡性の観点から、16以下、好ましくは14以下、より好ましくは12以下であり、直鎖若しくは分岐鎖であり、好ましくは直鎖である。また、硫酸エステル基に結合するアルキル基又はアルケニル基の炭素は、タンパク質洗浄性の観点から、1級炭素であることが好ましい。炭素数6以上16以下のアルキル又はアルケニル硫酸エステルの塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などであってよい。(c)成分は、タンパク質洗浄性の観点から、例えば炭素数10のアルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
前記炭素数は、アルキル基又はアルケニル基の炭素数である。アルキル基又はアルケニル基は、タンパク質洗浄性の観点から、炭素数が、6以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、抑泡性の観点から、16以下、好ましくは14以下、より好ましくは12以下であり、直鎖若しくは分岐鎖であり、好ましくは直鎖である。また、硫酸エステル基に結合するアルキル基又はアルケニル基の炭素は、タンパク質洗浄性の観点から、1級炭素であることが好ましい。炭素数6以上16以下のアルキル又はアルケニル硫酸エステルの塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などであってよい。(c)成分は、タンパク質洗浄性の観点から、例えば炭素数10のアルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
本発明の洗浄液は、(c)成分を、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.002質量%以上、より更に好ましくは0.005質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下、より更に好ましくは0.05質量%以下含有することができる。
本発明の洗浄液において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(a)/(c)は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.08以上、より更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、より更に好ましくは2以下である。
本発明の洗浄液は、タンパク質洗浄性、油洗浄性及び洗浄物の仕上がり性の観点から、下記(d)成分を含有することができる。
(d)成分:ノニオン界面活性剤
(d)成分:ノニオン界面活性剤
(d)成分のノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリセリルエーテル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらのノニオン界面活性剤のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシドは、タンパク質洗浄性の観点から、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシドから選ばれるアルキレンオキシドを含むことが好ましく、アルキレンオキシドの平均付加モル数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは2以上、そして、好ましくは25以下である。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔以下、(d1)成分という〕が好ましい。(d1)成分におけるアルキル基の炭素数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。(d1)成分におけるアルキレンオキシドは、タンパク質洗浄性の観点から、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシドから選ばれるアルキレンオキシドを含むことが好ましい。また、(d1)成分におけるアルキレンオキシドの平均付加モル数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
(d1)成分としては、炭素数10以上24以下の第2級アルコールアルキレンオキシド付加物が挙げられる。前記第2級アルコールの炭素数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。アルキレンオキシドは、タンパク質洗浄性の観点から、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシドは、タンパク質洗浄性の観点から、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシドから選ばれるアルキレンオキシドを含むことが好ましい。アルキレンオキシドの平均付加モル数は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
本発明の洗浄液は、(d)成分を、タンパク質洗浄性、油洗浄性及び洗浄物の仕上がり性の観点から、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上、更に好ましくは0.0005質量%以上、より更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.005質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下、より更に好ましくは0.05質量%以下、より更に好ましくは0.01質量%以下含有することができる。
本発明の洗浄液において、(a)成分の含有量と(d)成分の含有量との質量比(a)/(d)は、タンパク質洗浄性、油洗浄性及び洗浄物の仕上がり性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.4以上、より更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1.2以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
本発明の洗浄液では、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分の含有量の範囲は、それぞれ、前述した数値を任意に選択して組み合わせて設定することができる。
本発明の洗浄液は、薬傷リスク低減の観点から、25℃におけるpHが、6以上、好ましくは6.2以上、より好ましくは6.5以上、そして、11以下、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。このpHは以下の測定法によるものである。
(1)pHの測定法
pHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、pH/イオンメーターF-23)にpH電極内部液を飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)としたpH測定用複合電極(例えば、株式会社堀場製作所製、ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となる自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を25℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し、1分後のpHを測定する。
(1)pHの測定法
pHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、pH/イオンメーターF-23)にpH電極内部液を飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)としたpH測定用複合電極(例えば、株式会社堀場製作所製、ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となる自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を25℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し、1分後のpHを測定する。
本発明の洗浄液は水を含有する。水は、特に限定するものではないが、水道水、井戸水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。本水は、洗浄液の残部の量(合計が100質量%となる量)で用いられることが好ましい。水の含有量は、例えば、洗浄液中、20質量%以上、更に30質量%以上、更に50質量%以上、更に55質量%以上、更に60質量%以上、更に65質量%以上、更に70質量%以上、更に80質量%以上、更に90質量%以上、更に95質量%以上、更に99質量%以上とすることができる。
本発明の洗浄液は、本発明の目的を損なわない範囲で、界面活性剤、酵素(タンパク質分解酵素、油脂分解酵素、糖質分解酵素等)、溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、抑泡剤、漂白剤、漂白活性化剤などの成分(ただし、(a)~(d)成分に該当するものを除く)を配合することができる。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、好ましくは食器及び/又は台所周りの硬質物品、好ましくは食器を洗浄対象とする。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)前記保存場所や前記調理場所の周辺の床や壁等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、
(i)皿、椀等のいわゆる食器、
(ii)タッパー、瓶等の保存容器、
(iii)包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、
(iv)フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等
の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品を対象とすることが好ましく、更に皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品を対象とすることがより好ましい。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)前記保存場所や前記調理場所の周辺の床や壁等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、
(i)皿、椀等のいわゆる食器、
(ii)タッパー、瓶等の保存容器、
(iii)包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、
(iv)フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等
の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の硬質表面の洗浄方法は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品を対象とすることが好ましく、更に皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品を対象とすることがより好ましい。
本発明の硬質表面の洗浄方法が対象とする硬質物品の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。そして、本発明の硬質表面の洗浄方法は、これら食器及び/又は台所周りの硬質物品、好ましくは食器に付着したタンパク質を含む汚れ、特に卵黄に由来するタンパク質を含む汚れを効果的に洗浄することができる。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、硬質表面と本発明の洗浄液との接触が、自動食器洗浄機を用いて行うことが好ましい。
本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の洗浄液を硬質表面に、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは20秒以上、より好ましくは30秒以上、更に好ましくは40秒以上、より更に好ましくは60秒以上、そして、洗浄効率の観点から、好ましくは600秒以下、より好ましくは300秒以下、更に好ましくは180秒以下、より更に好ましくは100秒以下接触させる。
本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の洗浄液の温度は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上、より更に好ましくは50℃以上、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは65℃以下である。
本発明の硬質表面の洗浄方法では、洗浄液を前記食器に接触させる際の流速は、タンパク質洗浄性の観点から、好ましくは5m/min以上、より好ましくは10m/min以上、更に好ましくは50m/min以上、そして、好ましくは2000m/min以下、より好ましくは1000m/min以下、より好ましくは500m/min以下、更に好ましくは250m/min以下、より更に好ましくは150m/min以下とすることができる。
本発明の洗浄液を硬質表面に接触させた後は、水で硬質表面をすすぐ。硬質表面をすすぐ水の温度は、50℃以上、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上、そして、80℃以下である。
硬質表面のすすぎ時間は、4秒以上、好ましくは5秒以上、そして、10秒以下、好ましくは9秒以下である。
すすぎ水の流速は、好ましくは5m/min以上、より好ましくは10m/min以上、更に好ましくは100m/min以上、そして、好ましくは2500m/min以下、より好ましくは2000m/min以下、更に好ましくは1500m/min以下である。
硬質表面のすすぎ時間は、4秒以上、好ましくは5秒以上、そして、10秒以下、好ましくは9秒以下である。
すすぎ水の流速は、好ましくは5m/min以上、より好ましくは10m/min以上、更に好ましくは100m/min以上、そして、好ましくは2500m/min以下、より好ましくは2000m/min以下、更に好ましくは1500m/min以下である。
本発明において、自動食器洗浄機は、一般に市場で入手可能な食器洗浄機であればよく、家庭用自動食器洗浄機を用いることも可能であるが、好ましくは業務用自動食器洗浄機である。業務用食器洗浄機による洗浄の際には、一般的には、本発明の洗浄液を濃縮した組成物を、水と混合して本発明の洗浄液を調製して用いられる。その際、該濃縮組成物は、供給装置によって業務用食器洗浄機内部に一定量任意に移送され、適正な洗浄液の濃度が維持される。該濃縮組成物は、例えば、業務用食器洗浄機専用のチューブを該組成物が充填されたプラスチック等の容器の中に直接差し込み吸い上げられて供給される。その後、洗浄液は業務用食器洗浄機内部へ供給される。
実施例、比較例で用いた配合成分を以下にまとめて示す。
<(a)成分>
・亜硫酸ナトリウム:酸化還元電位50mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・二硫酸ナトリウム:酸化還元電位17mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・ヨウ化カリウム:酸化還元電位28mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・亜硫酸ナトリウム:酸化還元電位50mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・二硫酸ナトリウム:酸化還元電位17mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・ヨウ化カリウム:酸化還元電位28mV、富士フイルム和光純薬(株)製
<(a’)成分((a)成分の比較成分)>
・亜ジチオン酸ナトリウム:酸化還元電位76mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・二酸化チオ尿素:酸化還元電位147mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・亜ジチオン酸ナトリウム:酸化還元電位76mV、富士フイルム和光純薬(株)製
・二酸化チオ尿素:酸化還元電位147mV、富士フイルム和光純薬(株)製
(a)成分、(a’)成分の酸化還元電位は、以下の方法により測定した。 (a)成分又は(a’)成分に、0.016mol/Lの濃度となるように蒸留水を加え、1mol/Lの塩酸及び/又は水酸化ナトリウムを添加してpH7.5に調整して、調製液を調製した。調整液を60℃に調温し、株式会社セムコーポレーション製ORP測定器(ORP5 ペン ORP計)を用いて、酸化還元電位を測定した。
<(b)成分>
・クエン酸:pK’Ca3.4、昭和化工(株)製
・クエン酸:pK’Ca3.4、昭和化工(株)製
(b)成分のpH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caは、以下の方法により測定した。
HORIBA社製のカルシウムイオン選択電極を用いて、60℃、100mLの蒸留水中に25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を0.2mLずつ滴下し、その時の電位を測定し、各滴下量におけるカルシウムイオン濃度の対数を横軸に、電位を縦軸にとって、1次の近似式を算出した。続いて、(b)成分に蒸留水を加えて、1g/Lの濃度となるように調製し、1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸でpH7.5に調整して、キレート剤溶液を調製した。キレート剤溶液を100mL取り出し、60℃に加熱し、25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を3mL滴下して、HORIBA社製のカルシウムイオン選択電極を用いて、電位を測定した。この時の電位を近似式に代入して、キレート剤溶液中の捕捉されていないカルシウム濃度A(mol/L)を計算し、下記式に、キレート剤の濃度B(mol/L)とともに代入して、K’Caを計算し、対数をとってpK’Caを算出した。
K’Ca=(5.4×10-5-A)/(A×(B-(5.4×10-5-A)
HORIBA社製のカルシウムイオン選択電極を用いて、60℃、100mLの蒸留水中に25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を0.2mLずつ滴下し、その時の電位を測定し、各滴下量におけるカルシウムイオン濃度の対数を横軸に、電位を縦軸にとって、1次の近似式を算出した。続いて、(b)成分に蒸留水を加えて、1g/Lの濃度となるように調製し、1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸でpH7.5に調整して、キレート剤溶液を調製した。キレート剤溶液を100mL取り出し、60℃に加熱し、25℃、2g/Lの塩化カルシウム溶液を3mL滴下して、HORIBA社製のカルシウムイオン選択電極を用いて、電位を測定した。この時の電位を近似式に代入して、キレート剤溶液中の捕捉されていないカルシウム濃度A(mol/L)を計算し、下記式に、キレート剤の濃度B(mol/L)とともに代入して、K’Caを計算し、対数をとってpK’Caを算出した。
K’Ca=(5.4×10-5-A)/(A×(B-(5.4×10-5-A)
<(c)成分>
・C10AS:デシル硫酸ナトリウム、花王(株)製「エマール3F」
・C10AS:デシル硫酸ナトリウム、花王(株)製「エマール3F」
<(d)成分>
・secC12-14EO7PO8.5:日本触媒(株)製「ソフタノールEP7085」、炭素数12~14の第2級アルコールに、エチレンオキシドを平均7モル、プロピレンオキシドを平均8.5モル、この順で付加した非イオン界面活性剤
・secC12-14EO7PO8.5:日本触媒(株)製「ソフタノールEP7085」、炭素数12~14の第2級アルコールに、エチレンオキシドを平均7モル、プロピレンオキシドを平均8.5モル、この順で付加した非イオン界面活性剤
[ジスルフィド結合開裂率の測定]
以下の手順で、ジスルフィド結合を切断する剤の卵黄汚れに対するジスルフィド結合開裂率を測定した。
pH8 0.1Mホウ酸バッファーに東京化成工業(株)製の4-(Aminosulfonyl)-7-fluoro-2,1,3-benzoxadiazole(ABD-F)を添加して、100μM ABD-F溶液(以下、(A)液とする)を作成した。pH8 0.1Mホウ酸バッファーにエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA2Na)を添加して、1mM EDTA2Na溶液を作成し、その中に、ジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れである卵黄を1000ppm、ジスルフィド結合を切断する剤として(a)成分又は(a’)成分を下記洗浄力評価における本発明の洗浄液中の濃度の2倍量となるように添加し、(B)液を調製した。(A)液と(B)液を500μLずつ、エッペンチューブに入れ、混和させた。混合液をアトー(株)製のブロックヒーター(WSC-2620)にて50℃で5分加熱後、氷水で10分冷却した。冷却後、混合液に0.1M塩酸を300μL添加した。96wellプレートに混合液を200μL入れて、コロナ電気(株)製 SH-9000で蛍光測定を行った(励起波長/測定波長=389/513nm、測定感度×100)。
次にpH11に調整したNaOH水溶液にジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れである卵黄を1000ppm添加して、(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行った。
次に(B)液の調製で、卵黄の代わりに、ジスルフィド結合を有するシンプルな化合物であるグルタチオン(富士フイルム和光純薬(株)製)を、濃度を変化させて添加し、ジスルフィド結合を切断する剤として亜硫酸ナトリウムを1000ppm添加する以外は、上記と同様に(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、グルタチオン濃度を変化させた各混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行い、グルタチオン濃度と蛍光強度の検量線を作成した。
この検量線と、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れの蛍光測定結果から、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合の切断量を見積もり、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた場合の蛍光測定結果を、ジスルフィド結合開裂率100%として、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合開裂率を算出した。
以下の手順で、ジスルフィド結合を切断する剤の卵黄汚れに対するジスルフィド結合開裂率を測定した。
pH8 0.1Mホウ酸バッファーに東京化成工業(株)製の4-(Aminosulfonyl)-7-fluoro-2,1,3-benzoxadiazole(ABD-F)を添加して、100μM ABD-F溶液(以下、(A)液とする)を作成した。pH8 0.1Mホウ酸バッファーにエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA2Na)を添加して、1mM EDTA2Na溶液を作成し、その中に、ジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れである卵黄を1000ppm、ジスルフィド結合を切断する剤として(a)成分又は(a’)成分を下記洗浄力評価における本発明の洗浄液中の濃度の2倍量となるように添加し、(B)液を調製した。(A)液と(B)液を500μLずつ、エッペンチューブに入れ、混和させた。混合液をアトー(株)製のブロックヒーター(WSC-2620)にて50℃で5分加熱後、氷水で10分冷却した。冷却後、混合液に0.1M塩酸を300μL添加した。96wellプレートに混合液を200μL入れて、コロナ電気(株)製 SH-9000で蛍光測定を行った(励起波長/測定波長=389/513nm、測定感度×100)。
次にpH11に調整したNaOH水溶液にジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れである卵黄を1000ppm添加して、(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行った。
次に(B)液の調製で、卵黄の代わりに、ジスルフィド結合を有するシンプルな化合物であるグルタチオン(富士フイルム和光純薬(株)製)を、濃度を変化させて添加し、ジスルフィド結合を切断する剤として亜硫酸ナトリウムを1000ppm添加する以外は、上記と同様に(B)液を調製し、前記(A)液と混合して、グルタチオン濃度を変化させた各混合液を調製し、上記と同様の方法で蛍光測定を行い、グルタチオン濃度と蛍光強度の検量線を作成した。
この検量線と、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合を有するタンパク質を含む汚れの蛍光測定結果から、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合の切断量を見積もり、ジスルフィド結合を切断する剤としてNaOHを用いた場合の蛍光測定結果を、ジスルフィド結合開裂率100%として、各ジスルフィド結合を切断する剤のジスルフィド結合開裂率を算出した。
表1、2に示す濃縮組成物を用いて、以下の手順で卵黄汚れに対する洗浄力を評価した。結果を表1、2に示す。なお、表1、2の組成物のpHは、必要に応じて水酸化ナトリウム及び/又は硫酸で調整した。
[洗浄力評価]
(1)SUSのステンレスバット(外寸法:幅258mm×奥行177mm×高さ18mm、底内寸法:235mm×155mm)の質量(質量A)を測定した。
(2)前記ステンレスバットに、卵黄を3g塗布して室温で3時間以上乾燥させた。
(3)乾燥後のステンレスバットの質量(質量B)を測定した。
(4)食器洗浄機としてホシザキ電機株式会社製JWE-400TAを用い、表1、2の濃縮組成物を0.2質量%になるように水で希釈して洗浄液とし、前記乾燥後のステンレスバットを、表1、2に記載の洗浄時間、洗浄液温度で、洗浄液の流速100m/minで洗浄し、その数秒後に80℃のすすぎ水にて7秒、すすぎ水の流速1000m/minですすぎを行った。なお洗浄液の一部を抜き取って25℃のpHを測定した。
(5)洗浄後のステンレスバットの質量(質量C)を測定し、質量変化率を卵黄汚れの洗浄率として評価した。質量変化率は、具体的には、下記の式で求められる。
質量変化率(%)=〔[B-C]/[B-A]〕×100
(1)SUSのステンレスバット(外寸法:幅258mm×奥行177mm×高さ18mm、底内寸法:235mm×155mm)の質量(質量A)を測定した。
(2)前記ステンレスバットに、卵黄を3g塗布して室温で3時間以上乾燥させた。
(3)乾燥後のステンレスバットの質量(質量B)を測定した。
(4)食器洗浄機としてホシザキ電機株式会社製JWE-400TAを用い、表1、2の濃縮組成物を0.2質量%になるように水で希釈して洗浄液とし、前記乾燥後のステンレスバットを、表1、2に記載の洗浄時間、洗浄液温度で、洗浄液の流速100m/minで洗浄し、その数秒後に80℃のすすぎ水にて7秒、すすぎ水の流速1000m/minですすぎを行った。なお洗浄液の一部を抜き取って25℃のpHを測定した。
(5)洗浄後のステンレスバットの質量(質量C)を測定し、質量変化率を卵黄汚れの洗浄率として評価した。質量変化率は、具体的には、下記の式で求められる。
質量変化率(%)=〔[B-C]/[B-A]〕×100
Claims (18)
- タンパク質を含む汚れが付着した硬質表面に、タンパク質分子中又はタンパク質間のジスルフィド結合の開裂率が20%以上100%以下となるように、pH6以上11以下の洗浄液を接触させる、硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液が、下記(a)成分を含有する、請求項1に記載の硬質表面の洗浄方法。
(a)成分:酸化還元電位が+71mV以下の還元剤 - (a)成分が、酸化還元電位が+0mV以上+71mV以下の還元剤である、請求項2に記載の硬質表面の洗浄方法。
- (a)成分が、亜硫酸塩、二硫酸塩、チオ硫酸塩、及びヨウ化物塩から選ばれる1種以上である、請求項2又は3に記載の硬質表面の洗浄方法。
- (a)成分が、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、二硫酸ナトリウム、二硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、ヨウ化ナトリウム、及びヨウ化カリウムから選ばれる1種以上である、請求項2~4の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液が、更に下記(b)成分を含有する、請求項2~5の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
(b)成分:キレート剤 - (b)成分が、pH7.5、60℃における条件付きカルシウム安定度定数pK’Caが2.6以上のキレート剤である、請求項6に記載の硬質表面の洗浄方法。
- (b)成分が、エチレンジアミン4酢酸、ヘキサメタリン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸-マレイン酸共重合体、クエン酸、トリポリリン酸、ニトリロ三酢酸、グルタミン二酢酸塩、及びこれらの塩から選ばれる1種以上である、請求項6又は7に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液中、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、0.05以上3以下である、請求項6~8の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液が、更に下記(c)成分を含有する、請求項2~9の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
(c)成分:アニオン性界面活性剤 - (c)成分が、アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル、アルキル又はアルケニル硫酸エステル、アルカンスルホン酸、オレフィンスルホン酸、脂肪酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上である、請求項10に記載の硬質表面の洗浄方法。
- (c)成分が、炭素数6以上16以下のアルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩である、請求項10又は11に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液中、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(a)/(c)が、0.01以上10以下である、請求項10~12の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液が、更に下記(d)成分を含有する、請求項2~13の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
(d)成分:ノニオン界面活性剤 - 前記硬質表面と前記洗浄液との接触が、自動食器洗浄機を用いて行う、請求項1~14の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液を前記硬質表面に20秒以上600秒以下接触させる、請求項1~15の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記洗浄液の温度が40℃以上80℃以下である、請求項1~16の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
- 前記タンパク質を含む汚れが、卵黄に由来するタンパク質を含む汚れである、請求項1~17の何れか1項に記載の硬質表面の洗浄方法。
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