JP2022157887A - 歯科用重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性を低下させずに、高いX線造影性を有する歯科用重合性組成物を提供する。【解決手段】歯科用重合性組成物は、(メタ)アクリレート化合物、及びガラスを含有する歯科用重合性組成物であって、前記ガラスは、ガドリニウムを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、歯科用重合性組成物に関する。
歯科用重合性組成物の一例として、(メタ)アクリレートと、チオ尿素誘導体と、バナジウム化合物を含む第一剤と、(メタ)アクリレートと、有機過酸化物を含む第二剤を有する歯科用重合性組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-51856号公報
しかしながら、よりX線造影性(X線不透過性)の高い歯科用重合性組成物が望まれている。X線造影性を高める方法としては、バリウムガラスを含有させる方法もあるが、バリウムガラスを多量に配合すると組成物が硬くなる等、操作性が低下する。
本発明の課題は、操作性を低下させずに、高いX線造影性を有する歯科用重合性組成物を提供することである。
本発明の一態様に係る歯科用重合性組成物は、(メタ)アクリレート化合物、及びガラスを含有する歯科用重合性組成物であって、前記ガラスは、ガドリニウムを含有する。
本発明の一態様によれば、操作性を低下させずに、高いX線造影性を有する歯科用重合性組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る歯科用重合性組成物は、(メタ)アクリレート化合物、及びガラスを含有する。本明細書において、重合性組成物とは、重合する機能を有する組成物を示す。
歯科用重合性組成物に含まれる(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有するモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーを示す。本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を示す。
(メタ)アクリレートは、特に限定されず、例えば、酸基を有する(メタ)アクリレートでもよく、酸基を有さない(メタ)アクリレートでもよく、この両方であってもよい。
なお、酸基を有する(メタ)アクリレートは、複数個の酸基を有していてもよい。
また、酸基を有する(メタ)アクリレートの代わりに、酸基を有する(メタ)アクリレートの酸塩化物、アルカリ金属塩及びアミン塩を用いてもよい。
酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、リン酸基を有する(メタ)アクリレート、ピロリン酸基を有する(メタ)アクリレート、チオリン酸基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、スルホン酸基を有する(メタ)アクリレート、ホスホン酸基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニルハイドロジェンホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、1,3-ジ(メタ)アクリロイルプロパン-2-ジハイドロジェンホスフェート、1,3-ジ(メタ)アクリロイルプロパン-2-フェニルハイドロジェンホスフェート、ビス[5-{2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル}ヘプチル]ハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、歯科用重合性組成物の接着性を向上させる点で、10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートが好ましい。
ピロリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ピロリン酸ビス[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]、ピロリン酸ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシブチル]、ピロリン酸ビス[6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル]、ピロリン酸ビス[8-(メタ)アクリロイルオキシオクチル]、ピロリン酸ビス[10-(メタ)アクリロイルオキシデシル]等が挙げられる。
チオリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンチオホスフェート、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンチオホスフェート、4-(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンチオホスフェート、5-(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンチオホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンチオホスフェート、7-(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンチオホスフェート、8-(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンチオホスフェート、9-(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンチオホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート、11-(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンチオホスフェート、12-(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンチオホスフェート、13-(メタ)アクリロイルオキシトリデシルジハイドロジェンチオホスフェート、14-(メタ)アクリロイルオキシテトラデシルジハイドロジェンチオホスフェート、15-(メタ)アクリロイルオキシペンタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、16-(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンチオホスフェート、17-(メタ)アクリロイルオキシヘプタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、18-(メタ)アクリロイルオキシオクタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、19-(メタ)アクリロイルオキシノナデシルジハイドロジェンチオホスフェート、20-(メタ)アクリロイルオキシイコシルジハイドロジェンチオホスフェート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物、4-(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸、4-(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸無水物、11-(メタ)アクリロイルオキシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸、1,4-ジ(メタ)アクリロイルオキシピロメリット酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。これらの中でも、歯科用重合性組成物の接着性を向上させる点で、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましい。
スルホン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-スルホエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ホスホン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、5-(メタ)アクリロイルオキシペンチル-3-ホスホノプロピオネート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル-3-ホスホノプロピオネート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシル-3-ホスホノプロピオネート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル-3-ホスホノアセテート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシル-3-ホスホノアセテート等が挙げられる。
これら酸基を有する(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、これらの中でも、歯科用重合性組成物の歯面のスメアー層の溶解性や歯質脱灰性、特に、エナメル質に対する接着性の点で、リン酸基又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
歯科用重合性組成物中の酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されず、例えば、0.1質量%以上20質量%以下にすることができ、好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。歯科用重合性組成物中の酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量が0.1質量%以上であると、歯科用重合性組成物の歯質に対する接着性がさらに向上し、20質量%以下であると、歯科用重合性組成物の硬化性が向上する。
酸基を有さない(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ジ-2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5-トリス[1,3-ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}-2-プロポキシカルボニルアミノヘキサン]-1,3,5-(1H,3H,5H)トリアジン-2,4,6-トリオン、2,2-ビス[4-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、N,N'-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール〕テトラメタクリレート等が挙げられる。
これらの酸基を有さない(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
酸基を有さない(メタ)アクリレートとしては、これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化体の機械的強度を向上させる点で、ジ-2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパンが好ましい。
歯科用重合性組成物中の酸基を有さない(メタ)アクリレートの含有量は、10質量%以上95質量%以下にすることができ、好ましくは13質量%以上90質量%以下、より好ましくは15質量%以上80質量%以下である。
歯科用重合性組成物中の酸基を有さない(メタ)アクリレートの含有量が10質量%以上であると、歯科用重合性組成物の操作性を向上させることができる。また、歯科用重合性組成物中の酸基を有さない(メタ)アクリレートの含有量が95質量%以下であると、歯科用重合性粗生成物の機械的強度を向上させることができる。
歯科用重合性組成物に含まれるガラスは、ガドリニウムを含有する。ガドリニウムは、最大14個の電子が入る4f軌道が占有可能な電子数の半分にあたる7個の電子で占有され、占有する全ての電子が不対電子となる希土類元素である。ガドリニウムは、このように4f軌道が7個の不対電子で占有されることから、4f元素として磁気モーメントが最大となる。
本実施形態では、(メタ)アクリレート化合物を含有する歯科用重合性組成物に含まれるガラスがガドリニウムを含有することで、X線不透過性(X線を照写した際にX線を透過することなく遮断する性質)が高くなる。これにより、本実施形態では、歯科用重合性組成物のX線による造影性(以下、X線造影性という)を高くすることができる。
また、歯科用重合性組成物がこのようなガドリニウムを含有するガラスを含むことで、別個にバリウムガラスを含有する必要がなくなり、又は含有してもバリウムガラスの含有量を低くすることができる。これにより、本実施形態では、歯科用重合性組成物が硬くなるのを抑制することができるので、X線造影性が高くなっても操作性の低下を防ぐことができる。
ガラス中のガドリニウムの含有量は、特に限定されないが、例えば、酸化物換算で酸化ガドリニウム(Gd)の含有量が1質量%以上50質量%以下であり、好ましくは3質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
ガラス中のGdの含有量を1質量%以上とすることで、X線不透過性を高めることができ、X線造影性を高めることができる。また、ガラス中のGdの含有量を50質量%以下とすることで、硬化後の歯科用重合性組成物が着色するのを抑制することができ、歯科用重合性組成物の透明性を向上させることができる。
歯科用重合性組成物に含まれるガラスは、さらにバリウムを含有することが好ましい。本実施形態では、歯科用重合性組成物に含まれるガラスに、ガドリニウムだけでなくバリウムを含有することで、ガドリニウムの含有量を低減しながら、高いX線造影性を維持することができる。
また、本実施形態では、歯科用重合性組成物に含まれるガラスがバリウムを含有すること、ガドリニウムの含有量を低減することができる。そのため、本実施形態では、硬化後の歯科用重合性組成物が着色するのを抑制することができ歯科用重合性組成物の透明性を向上させることができる。
ガラス中のバリウムの含有量は、特に限定されないが、例えば、酸化物換算で酸化バリウム(BaO)の含有量が1質量%以上50質量%以下であり、好ましくは3質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
ガラス中のBaOの含有量を1質量%以上とすることで、X線不透過性を高めることができ、X線造影性を高めることができる。また、ガラス中のBaOの含有量を50質量%以下とすることで、硬化後の歯科用重合性組成物が着色するのを抑制することができ、歯科用重合性組成物の透明性を向上させることができる。
また、ガラス中のガドリニウムの含有量とバリウムの含有量との合計は、特に限定されないが、例えば、酸化物換算で酸化ガドリニウム(Gd)の含有量と酸化バリウム(BaO)の含有量との合計が2質量%以上70質量%以下であり、好ましくは5質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
ガラス中のGdの含有量とBaOの含有量との合計を2質量%以上とすることで、X線不透過性がさら向上し、X線造影性をさらに高めることができる。また、ガラス中のGdの含有量とBaOの含有量との合計を70質量%以下とすることで、硬化後の歯科用重合性組成物が着色するのをさらに抑制することができ、歯科用重合性組成物の透明性をさらに向上させることができる。
歯科用重合性組成物に含まれるガラスには、その他のガラス成分として、アルカリ金属、アルミニウム、ホウ素、ケイ素、フッ素が含まれていてもよい。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を含有してもよい。
ガラス中のアルカリ金属の含有量は、特に限定されないが、例えば、酸化物換算で酸化リチウム(LiO)及び/又は酸化ナトリウム(NaO)及び/又は酸化カリウム(KO)の含有量の合計が0.001質量%以上10質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
ガラス中のアルカリ金属の含有量の合計を0.001質量%以上10質量%以下とすることで、該ガラスの化学的耐久性、耐水性の低下を防ぐことができる。
ガラス中のアルミニウムの含有量は、特に限定されないが、例えば、酸化物換算で酸化アルミニウム(Al)の含有量が0.1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0.3質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
ガラス中のAlの含有量を0.1質量%以上とすることで、該ガラスの化学的耐久性及び機械的強度が向上し、歯科用重合性組成物中でガラスの安定性を高めることができる。また、ガラス中のAlの含有量を30質量%以下とすることで、該ガラスの失透傾向及び耐酸性の低下を防ぐことができる。
ガラス中のホウ素の含有量は、特に限定されないが、例えば、酸化物換算で酸化ホウ素(B)の含有量が1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは5質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上15質量%以下である。
ガラス中のBの含有量を1質量%以上とすることで、該ガラスの結晶化の安定性を向上させることができる。また、ガラス中のBの含有量を30質量%以下とすることで、該ガラスの化学的耐久性の低下、屈折率の不均一化を防ぐことができる。
また、ガラスに含まれるケイ素(Si)の含有量は、特に限定されず、例えば、酸化物換算で酸化ケイ素(SiO)の含有量が好ましくは1質量%以上65質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上55質量%以下である。
ガラス中のSiOの含有量を1質量%以上とすることで、該ガラスを含む歯科用重合性組成物の粘性の調整が可能になり、また、歯科用重合性組成物の機械的強度を高めることができる。また、ガラス中のSiOの含有量を65質量%以下とすることで、該ガラスを含む歯科用重合性組成物のX線不透過性の低下を防ぐことができる。
ガラスに含まれるフッ素(F)の含有量は、特に限定されない。ガラス中のフッ素の含有量が0.1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0.3質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
ガラス中のFの含有量を30質量%以下とすることで、該ガラスを含む歯科用重合性組成物の粘性の調整が容易になる。
歯科用重合性組成物中のガラスの配合量は、例えば、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上70質量%以下である。
歯科用重合性組成物中のガラスの配合量が40質量%以上であると、該ガラスを含む歯科用重合性組成物に高いX線造影性を付与することができ、機械的強度を向上させることができる。また、歯科用重合性組成物中のガラスの配合量が90質量%以下であると、該ガラスを含む歯科用重合性組成物の粘性が低くなり、歯科用重合性組成物の操作性を向上させることができる。
本実施形態の歯科用重合性組成物では、歯科用重合性組成物に含まれるガラスの屈折率ndが1.4以上1.7以下であり、好ましくは1.45以上1.65以下、より好ましくは1.5以上1.6以下である。本明細書において、屈折率ndは、D線(波長589nmの光線)における屈折率を意味する。
歯科用重合性組成物に含まれるガラスの屈折率ndが1.4以上1.6以下であると、歯科用重合性組成物中のマトリックス成分の屈折率との差が小さくなり、得られる歯科用重合性組成物の硬化体の透明性が高くなる。
ガラスの形態は、粉末(又は粉体)であることが好ましい。ガラスの形態が粉末であることにより、ガラスが歯科用重合性組成物に配合しやすくなる。
ガラスの粒度は、メジアン径で0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上10μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上1μm以下である。ここで、粒度は、メジアン径で定義される平均粒径を意味する。
ガラスの粒度が0.01μm以上であると、ガラスの粉末を歯科用重合性組成物用のガラス粉末として使用した際に、歯科用重合性組成物の操作性が改善される。また、ガラスの粒度が20μm以下であると、歯科用重合性組成物の硬化体の耐摩耗性が向上する。
本実施形態の歯科用重合性組成物は、無機フィラーを含有することが好ましい。ここで、無機フィラーは、ガドリニウムを除く無機成分で構成されたフィラーである。
無機フィラーの成分は、特に限定されないが、例えば、コロイダルシリカ、表面が疎水化処理された微粒子シリカ、酸化アルミニウム(ガラス中の酸化アルミニウムを除く)、フルオロアルミノシリケートガラス、バリウムガラス等が挙げられる。これらの無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
歯科用重合性組成物中の無機フィラーの配合量は、例えば、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
歯科用重合性組成物中の無機フィラーの配合量が0.01質量%以上であると、該ガラスを含む歯科用重合性組成物の粘性が高くなり、歯科用重合性組成物の操作性を向上させることができる。また、歯科用重合性組成物中の無機フィラーの配合量が30質量%以下であると、該ガラスを含む歯科用重合性組成物の粘性が高くなりすぎず、歯科用重合性組成物の高い操作性を維持することができる。
本実施形態の歯科用重合性組成物は、本発明の目的を損なわない限り、その他の成分を含有してもよい。歯科用重合性組成物に含まれるその他の成分としては、例えば、化学重合開始剤、光重合開始剤、重合禁止剤が挙げられる。
化学重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、チオ尿素誘導体、バナジウム化合物、第3級アミン、有機過酸化物を用いることができる。
チオ尿素誘導体は、化学重合開始剤の中でも、還元剤として機能する。
チオ尿素誘導体としては、特に限定されず、例えば、エチレンチオ尿素、N-メチルチオ尿素、N-エチルチオ尿素、N-プロピルチオ尿素、N-ブチルチオ尿素、N-ラウリルチオ尿素、N-フェニルチオ尿素、N-シクロヘキシルチオ尿素、N,N-ジメチルチオ尿素、N,N-ジエチルチオ尿素、N,N-ジプロピルチオ尿素、N,N-ジブチルチオ尿素、N,N-ジラウリルチオ尿素、N,N-ジフェニルチオ尿素、N,N-ジシクロヘキシルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素、1-アリル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-チオ尿素、1-(2-テトラヒドロフルフリル)-2-チオ尿素、N-tert-ブチル-N'-イソプロピルチオ尿素、2-ピリジルチオ尿素等が挙げられる。
これらのチオ尿素誘導体、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性を向上させる点で、N-ベンゾイルチオ尿素が好ましい。
歯科用重合性組成物中のチオ尿素誘導体の含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。歯科用重合性組成物中のチオ尿素誘導体の含有量が0.1質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、5質量%以下であると、歯科用重合性組成物におけるチオ尿素誘導体の(メタ)アクリレートに対する溶解性が向上する。
バナジウム化合物は、化学重合開始剤の中でも還元剤として機能する。
バナジウム化合物としては、特に限定されず、例えば、シュウ酸オキソバナジウム、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性の点で、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
歯科用重合性組成物中のバナジウム化合物の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.0015質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下である。歯科用重合性組成物中のバナジウム化合物の含有量が0.001質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、5質量%以下であると、歯科用重合性組成物の保存安定性がさらに向上する。
第3級アミンは、化学重合開始剤の中でも、還元剤として機能する。
第3級アミンは、特に限定されず、例えば、第3級脂肪族アミン、第3級芳香族アミンが挙げられる。
第3級脂肪族アミンとしては、例えば、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン等が挙げられる。
第3級芳香族アミンとしては、例えば、p-ジアルキルアミノ安息香酸アルキル、7-ジメチルアミノ-4-メチルクマリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジベンジルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N,2,4,6-ペンタメチルアニリン、N,N,2,4-テトラメチルアニリン、N,N-ジエチル-2,4,6-トリメチルアニリン等が挙げられる。
第3級アミンは、これらの中でも、第3級芳香族アミンが好ましく、より好ましくはp-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルである。
p-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルとしては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p-ジエチルアミノ安息香酸エチル、p-ジエチルアミノ安息香酸プロピル等が挙げられる。
これらの第3級アミンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機過酸化物は、化学重合開始剤の中でも、酸化剤として機能する。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-アミルヒドロペルオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、p-ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、p-メタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド等が挙げられる。
これらの有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性の点で、クメンヒドロペルオキシドが好ましい。
歯科用重合性組成物中の有機過酸化物の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。歯科用重合性組成物中の有機過酸化物の含有量が0.01質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、10質量%以下であると、歯科用重合性組成物の操作余裕時間が長くなる。
光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、カンファーキノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンジルケタール、ジアセチルケタール、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルビス(2-メトキシエチル)ケタール、4,4'-ジメチル(ベンジルジメチルケタール)、アントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノン、1-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-ブロモアントラキノン、チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-ニトロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロ-7-トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン-10,10-ジオキシド、チオキサントン-10-オキシド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性を向上させる点で、カンファーキノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドが好ましい。
歯科用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上0.5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下である。歯科用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量が0.001質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、0.3質量%以下であると、歯科用重合性組成物の保存安定性がさらに向上する。
重合禁止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール)、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール等が挙げられる。
これらの重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性を向上させる点で、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。
歯科用重合性組成物中の重合禁止剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。歯科用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量が0.001質量%以上5質量%以下であると、歯科用重合性組成物の保存安定性が向上する。
本実施形態の歯科用重合性組成物は、重合硬化後のX線造影性が対アルミニウム比で200%以上であり、好ましくは250%以上であり、より好ましくは300%を超える。本明細書において、X線造影性とは、ISO 13116に準拠した歯科材料のX線造影性試験方法により測定したX線造影性を示す。
本実施形態では、重合硬化後のX線造影性が対アルミニウム比で200%以上となることで、高いX線造影性を有する歯科用重合性組成物を提供することができる。
歯科用重合性組成物の剤型は、特に限定されず、例えば、第1剤及び第2剤を含む2剤型、第1剤のみを含む1剤型の何れでもよい。
本実施形態において、歯科用重合性組成物の剤型が2剤型の場合は、第1剤及び第2剤の何れも、上述の(メタ)アクリレート化合物、及び上述のガドリニウムを含むガラスを用いることができる。
2剤型の第1剤及び第2剤に含まれるガラスは、何れも上述のバリウムが含まれていてもよい。また、第1剤及び第2剤に含まれるガラスは、何れも上述の無機フィラーが含まれていてもよい。
2剤型の第1剤及び第2剤に含まれる(メタ)アクリレート化合物は、何れも上述の酸基を有さない(メタ)アクリレートを用いることができる。また、2剤型の第2剤に含まれる(メタ)アクリレート化合物は、さらに、上述の酸基を有する(メタ)アクリレートが含まれていてもよい。
また、2剤型の第1剤には、化学重合開始剤として上述の第3級アミン、上述の光重合開始剤、及び上述の重合禁止剤が含まれていてもよい。また、1剤型には、化学重合開始剤として有機過酸化物が含まれていてもよい。
2剤型の第1剤、第2剤の性状としては、例えば、ペースト状等が挙げられる。
本実施形態の歯科用重合性組成物の第1剤と第2剤の質量比は、通常、10:1~1:10であり、好ましくは1:5~5:1である。
本実施形態の歯科用重合性組成物では、2剤型の場合、第1剤と第2剤を練和して用いることができる。
本実施形態では、上述のように、歯科用重合性組成物が第1剤及び第2剤を含む2剤型の場合にも、(メタ)アクリレート化合物を含有する歯科用重合性組成物に含まれるガラスがガドリニウムを含有することで、X線不透過性が高くなる。これにより、本実施形態では、歯科用重合性組成物が2剤型の場合でも、X線造影性を高くすることができる。
また、歯科用重合性組成物がこのようなガドリニウムを含有するガラスを含むことで、別個にバリウムガラスを含有する必要がなくなり、又は含有してもバリウムガラスの含有量を低くすることができる。これにより、本実施形態では、歯科用重合性組成物が第1剤及び第2剤を含む2剤型の場合でも、歯科用重合性組成物が硬くなるのを抑制することができるので、X線造影性が高くなっても操作性の低下を防ぐことができる。
本実施形態において、歯科用重合性組成物の剤型が第1剤のみで構成される1剤型の場合は、上述の(メタ)アクリレート化合物、及び上述のガドリニウムを含むガラスを用いることができる。
1剤型に含まれるガラスは、上述のバリウムが含まれていてもよい。また、1剤型に含まれるガラスは、上述の無機フィラーが含まれていてもよい。
1剤型に含まれる(メタ)アクリレート化合物は、上述の酸基を有さない(メタ)アクリレートを用いることができる。
また、1剤型には、化学重合開始剤として上述のチオ尿素誘導体、バナジウム化合物、第3級アミン、上述の光重合開始剤、及び上述の重合禁止剤が含まれていてもよい。
1剤型の性状としては、例えば、ペースト状等が挙げられる。
本実施形態では、上述のように、歯科用重合性組成物が1剤型の場合にも、(メタ)アクリレート化合物を含有する歯科用重合性組成物に含まれるガラスがガドリニウムを含有することで、X線不透過性が高くなる。これにより、本実施形態では、歯科用重合性組成物が1剤型の場合でも、X線造影性を高くすることができる。
本実施形態の歯科用重合性組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、各種歯科材料に用いることができる。ここで、歯科材料としては、例えば、歯科用セメント、歯科用接着剤、歯科用仮封材、歯科用プライマー、歯科用コート材、歯科用コンポジットレジン、歯科用硬質レジン、歯科切削加工用レジン材料、歯科用暫間修復材、歯科用充填剤、歯磨剤などが挙げられる。これらの中でも、歯科用セメントに好適に用いられる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて説明する。なお、以下において、単位のない数値又は「%」は、特に断りのない限り、質量基準(質量%)である。
<ガラスの調製>
表1に示した組成のガラス(ガラス1~3)を調製した。ガラス1~3は、各ガラスを粉砕して、メジアン径(平均粒径)0.4μmのガラス粉末として得た。得られたガラス粉末(ガラス1~3)について、屈折率を測定した。ガラス1~3の平均粒径、屈折率は、表1に示す。
Figure 2022157887000001
[実施例1~7、比較例1~3]
(ペースト1の調製)
表2に示す配合(質量%)で、酸基を有さないメタクリレートと、バナジウム化合物と、チオ尿素誘導体と、フィラーと、第3級アミンと、光重合開始剤と、重合禁止剤と、を混合し、ペースト1を得た。なお、ペースト1に配合されたフィラーには、ガラス1~3及びガラス以外の無機フィラーが含まれる。
(ペースト2の調製)
表1に示す配合(質量%)で、酸基を有さないメタクリレートと、酸基を有するメタクリレートと、有機過酸化物と、フィラーと、重合禁止剤と、を混合し、ペースト2を得た。ペースト2に配合されたフィラーには、ガラス1~3とガラス以外の無機フィラーが含まれる。
Figure 2022157887000002
なお、表2における略称の意味は、以下の通りである。
Bis-GMA 2,2-ビス[4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン
UDMA:ジ-2-メタクリロイルオキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート
EBDMA:エチレングリコールジメタクリレート
GDMA:2-ヒドロキシ-1,3-ジメタクリロイルオキシプロパン
VAA:バナジルアセチルアセトネート
NBTU:N-ベンゾイルチオ尿素
バリウムガラス:メジアン径(平均粒径)0.4μmのバリウムガラス粒子(ショット社製、G018-053)
フルオロアルミノシリケートガラス:メジアン径(平均粒径)2.2μmのフルオロアルミノシリケートガラス粉末
ヒュームドシリカ粉末1:アエロジル(登録商標)RX300(疎水性ヒュームドシリカ)(日本アエロジル製)
ヒュームドシリカ粉末2:アエロジル(登録商標)R812(疎水性ヒュームドシリカ)(日本アエロジル製)
ヒュームドシリカ粉末2:アエロジル(登録商標)R972(疎水性ヒュームドシリカ)(日本アエロジル製)
EPA:p-ジメチルアミノ安息香酸エチル
CQ:カンファーキノン
TPO:フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
HOMS:2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸
MDP:10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
CHP:クメンヒドロペルオキシド
<フルオロアルミノシリケートガラス粉末>
酸化アルミニウム22g、無水珪酸23g、フッ化カルシウム12g、リン酸カルシウム15g及びフッ化ストロンチウム28gを乳鉢にて充分に混合撹拌して得たバッチを磁器るつぼに入れ、電気炉にて約7℃/分の昇温速度にて1200℃の温度に昇温し3時間係留した。その後、融液を水中に流し出して得た急冷ガラスを粉砕して、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とした。この無機粉末のメジアン径(平均粒径)は2.2μmであった。
次に、実施例1~6、比較例1、2でペースト1、2を混ぜ合わせ、実施例7、比較例3でペースト1のみを混ぜ合わせて、操作性を評価した。
<操作性>
ペースト1、2又はペースト1のみを充填したシリンジ(MIXPAC社製、5mLシステムカートリッジ SDL X05-01-78)にミキシングチップ(MIXPAC社製、Helical Sタイプ、ML2.5-08-S、内径2.5mm、長さ39.7mm、体積0.19mL)を装着した。第1剤と第2剤の比率(体積比)は、実施例1~4、比較例1では1:1とし、実施例5~6、比較例2では、3:2とした。シリンジをジグにセットし、オートグラフで圧縮し測定した。クロスヘッドスピードは、10mm/minで最大点試験力を押し出し固さ(kgf)とした。操作性の評価基準は以下のとおりである。測定及び評価の結果を、表2に示す。
優:押し出し固さが5.5kgf未満である
不可:押し出し固さが5.5kgf以上である
次に、実施例1~6、比較例1、2で混ぜ合わせたペースト1、2を重合硬化させた硬化体、及び実施例7、比較例3で混ぜ合わせたペースト1のみを重合硬化させた硬化体についてX線造影性を評価した。
<X線造影性>
円形のジグ(直径15mm、厚さ1mm)にペーストを充填し、光照射器で硬化させた。得られた硬化体に、ISO 13116に準拠した歯科材料のX線造影性試験方法により、X線撮影し、対アルミニウム%を計算してX線造影性を評価した。X線造影性の評価基準は、以下のとおりである。測定及び評価の結果を、表2に示す。
優:対アルミニウム%が300%を超える
良:対アルミニウム%が200%以上300%以下である
不可:対アルミニウム%が200%未満である
表2より、(メタ)アクリレート化合物、及びガドリニウムを含有するガラスを含む歯科用重合性組成物は、操作性、X線造影性が何れも良好であった(実施例1~7)。
これに対して、ガドリニウムを含有するガラスを含まない歯科用重合性組成物は、操作性、X線造影性の少なくとも何れかが不良であった(比較例1~3)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリレート化合物、及びガラスを含有する歯科用重合性組成物であって、
    前記ガラスは、ガドリニウムを含有する、
    歯科用重合性組成物。
  2. 前記ガラスは、さらにバリウムを含有する、
    請求項1に記載の歯科用重合性組成物。
  3. 無機フィラーを含有する、
    請求項1又は2に記載の歯科用重合性組成物。
  4. 前記ガラスの屈折率ndが1.4以上1.7以下である、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の歯科用重合性組成物。
  5. 重合硬化後のX線造影性が対アルミニウム比で200%以上である、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の歯科用重合性組成物。
  6. 第1剤及び第2剤を含む2剤型である、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の歯科用重合性組成物。
  7. 1剤型である、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の歯科用重合性組成物。
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