JP2022157600A - 超音波眼圧計、および超音波眼圧計制御プログラム - Google Patents

超音波眼圧計、および超音波眼圧計制御プログラム Download PDF

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Koji Hamaguchi
一成 清水
Kazunari Shimizu
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Abstract

Figure 2022157600000001
【課題】 被検眼に対して超音波を適正に照射できる超音波眼圧計、および超音波眼圧計制御プログラムを提供することを技術課題とする。
【解決手段】 超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する超音波眼圧計であって、前記被検眼に対して超音波を照射する照射手段と、前記被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系を有し、前記撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて前記被検眼に対するアライメント状態を検出する検出手段と、前記撮影光学系の光軸と、前記照射手段の音軸とのずれ量に基づいて、前記検出手段によって取得されたアライメント情報を補正する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本開示は、超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する超音波眼圧計、および超音波眼圧計制御プログラムに関する。
非接触式眼圧計としては、空気噴射式眼圧計が一般的である。空気噴射式眼圧計は、角膜に空気を噴射したときの角膜の圧平状態と、角膜に噴射される空気圧とを検出することによって、所定の変形状態における空気圧を眼圧に換算していた。
また、非接触式眼圧計としては、超音波を用いて眼圧を測定する超音波式眼圧計が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の超音波式眼圧計は、角膜に超音波を放射したときの角膜の圧平状態と、角膜に噴射される放射圧とを検出することによって、所定の変形状態における放射圧を眼圧に換算するものである。
また、超音波眼圧計としては、角膜からの反射波の特性(振幅、位相)と眼圧との関係に基づいて眼圧を計測する装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平5-253190 特開2009-268651
上記のような超音波眼圧計において、超音波素子の特性のばらつき、または組付誤差などによって、アライメント検出用の光学系の光軸と、超音波照射部の音軸がずれる場合があった。このような場合、被検眼に対して光学的にアライメントが合った状態でも、超音波の集束位置がずれてしまい、被検眼に対して超音波を適正に照射できなかった。
本開示は、従来の問題点を鑑み、被検眼に対して超音波を適正に照射できる超音波眼圧計、および超音波眼圧計制御プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する超音波眼圧計であって、前記被検眼に対して超音波を照射する照射手段と、前記被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系を有し、前記撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて前記被検眼に対するアライメント状態を検出する検出手段と、前記撮影光学系の光軸と、前記照射手段の音軸とのずれ量に基づいて、前記検出手段によって取得されたアライメント情報を補正する制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) 超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する超音波眼圧計において用いられる超音波眼圧計制御プログラムであって、前記超音波眼圧計の制御手段によって実行されることで、前記被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて前記被検眼に対するアライメント状態を検出する検出ステップと、前記撮影光学系の光軸と、前記照射手段の音軸とのずれ量に基づいて、前記検出ステップにおいて取得されたアライメント情報を補正する補正ステップと、を前記超音波眼圧計に実行させることを特徴とする。
超音波眼圧計の外観図である。 筐体内部を示す概略図である。 照射部の構成を示す概略図である。 制御系を示すブロック図である。 測定動作を示すフローチャートである。 前眼部画像の一例を示す図である。 光学系と音響放射圧の最大位置の位置関係を示す図である。
<第1実施形態>
本開示に係る第1実施形態について説明する。第1実施形態の超音波眼圧計(例えば、超音波眼圧計1)は、例えば、超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する。超音波眼圧計は、例えば、照射部(例えば、照射部100)と、アライメント検出部(例えば、光学系200)と、制御部(例えば、制御部70)を備える。照射部は、例えば、被検眼に対して超音波を照射する。アライメント検出部は、被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系(例えば、観察系220)を有し、撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて被検眼に対するアライメント状態を検出する。制御部は、例えば、撮影光学系の光軸(例えば、光軸O1)と、照射部の音軸(例えば、音軸L1)とのずれ量(例えば、上下左右方向のずれ量)に基づいて、アライメント検出部によって取得されたアライメント情報を補正する。これによって、第1実施形態の超音波眼圧計は、被検眼に対して超音波を適正に照射できる。
なお、音軸とは、例えば、照射部によって照射される超音波の中心軸である。音軸は、例えば、超音波の進行方向、または照射部の振動方向に延び、照射部によって出力された超音波が集束する焦点位置を通る。制御部は、例えば、撮影光学系の光軸と、照射部の焦点位置との上下左右方向(XY方向)のずれ量に基づいてアライメント情報を補正してもよい。また、制御部は、アライメント検出部の検出基準位置(例えば、撮影光学系の焦点位置)と、照射部の焦点位置とのずれ量(例えば、上下左右前後方向のずれ量)に基づいてアライメント情報を補正してもよい。
なお、超音波眼圧計は、撮影光学系と光軸を共有し、眼圧とは異なる眼特性を測定する測定光学系(例えば、測定光学系500)をさらに備えてもよい。この場合、制御部は、測定光学系による眼特性の測定と、照射部による眼圧の測定とで、アライメント情報を補正するか否かを切り換えてもよい。例えば、制御部は、測定光学系によって眼特性の測定する場合はアライメント情報を補正せず、照射部によって眼圧を測定する場合は光軸と音軸とのずれ量に基づいてアライメント情報を補正してもよい。これによって、眼圧測定時に超音波を適正に照射でき、測定光学系による眼特性の測定も好適に行うことができる。
なお、超音波眼圧計は、照射部を移動させる駆動部(例えば、駆動部5)をさらに備えてもよい。この場合、制御部は、補正したアライメント情報に基づいて駆動部を制御し、被検眼に対する照射部のアライメントを行ってもよい。これによって、超音波眼圧計は、被検眼に対する照射部の適正なアライメントを自動で行うことができる。
なお、制御部は、補正したアライメント情報を表示部(例えば、表示部75)に表示させてもよい。この場合、検者は、表示部に表示されたアライメント情報を確認しながら操作部(例えば、操作部76)を操作し、被検眼に対する照射部の適正なアライメントを手動で行うこともできる。
なお、制御部は、照射部の共振周波数に応じて、アライメント情報を補正してもよい。例えば、撮影光学系の光軸と照射部の音軸とのずれ量を、照射部の共振周波数毎に記憶部などに記憶しておき、照射部の共振周波数に応じたずれ量に基づいてアライメント情報を補正してもよい。これによって、照射部の共振周波数に応じ音軸の変化を考慮した好適なアライメントを行うことができる。
なお、制御部は、記憶部等に記憶された超音波眼圧計制御プログラムを実行してもよい。超音波眼圧計制御プログラムは、例えば、アライメント検出ステップと、補正ステップとを含む。アライメント検出ステップは、例えば、被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて被検眼に対するアライメント状態を検出するステップである。補正ステップは、例えば、撮影光学系の光軸と、照射部の音軸とのずれ量に基づいて、アライメント検出ステップにおいて取得されたアライメント情報を補正するステップである。
<第2実施形態>
本開示に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態の超音波眼圧計(例えば、超音波眼圧計1)は、照射部(例えば、照射部100)と、Zアライメント検出部(例えば、Zアライメント検出系280)と、を備える。照射部は、被検眼に対して集束超音波を照射する。Zアライメント検出部は、被検眼に対する作動距離方向(前後方向またはZ方向)のアライメント状態を検出する。第2実施形態において、Zアライメント検出部によって検出されるZアライメント適正位置は、照射部の幾何学的な(形状的な)焦点位置よりも作動距離方向に遠方に設定される。これによって、第2実施形態の超音波眼圧計は、高音圧化に伴う照射部の焦点位置シフトを考慮したアライメントが行われ、被検眼に対して超音波を適正に照射できる。
なお、Zアライメント適正位置の設定は、Zアライメント検出部と照射部との配置関係によって設定されてもよいし、Zアライメント検出部の検出基準位置を変更することで設定されてもよい。Zアライメント検出部の検出基準位置は、例えば、Zアライメント検出系の焦点位置、またはZアライメント検出系の焦点位置から所定距離離れた位置であってもよい。
なお、超音波眼圧計は、被検眼の角膜の変形状態を検出する変形検出部(例えば、変形検出系260)をさらに備えてもよい。この場合、変形検出部の検出位置は、Zアライメント適正位置よりも遠方に設定されてもよい。これによって、変形検出部は、被検眼の角膜が押し込まれたときに検出感度が高くなるため、角膜が所定形状に変形することを検出し易くなる。
なお、Zアライメント検出部を制御する制御部(例えば、制御部70)をさらに備えてもよい。制御部は、音響放射圧または音圧の大きさに応じて、Zアライメント適正位置を変化させてもよい。また、制御部は、照射部の共振周波数に応じて、Zアライメント適正位置を変化させてもよい。このように制御部は、照射部の出力に応じてZアライメント適正位置を変化させることによって、照射部の出力によって変化する超音波の焦点位置の変化に対応した好適なアライメントを行うことができる。
なお、制御部は、記憶部等に記憶された超音波眼圧計制御プログラムを実行してもよい。超音波眼圧計制御プログラムは、Zアライメント検出ステップと、設定ステップを含む。Zアライメント検出ステップは、例えば、被検眼に対する作動距離方向のアライメント状態を検出するステップである。設定ステップは、Zアライメント検出ステップにおいて検出されるZアライメント適正位置を、前記被検眼に対して集束超音波を照射する照射部の幾何学的な焦点位置よりも遠方に設定する設定ステップである。
<実施例>
以下、本開示に係る実施例について説明する。本実施例の超音波眼圧計は、例えば、超音波を用いて非接触にて被検眼の眼圧を測定する。超音波眼圧計は、例えば、被検眼に超音波を照射したときの被検眼の形状変化または振動等を、光学的または音響的に検出することで眼圧を測定する。例えば超音波眼圧計は、角膜へパルス波またはバースト波を連続的に照射し、角膜が所定形状(例えば、圧平状態または扁平状態)に変形したときの超音波の出力情報等に基づいて眼圧を算出する。出力情報とは、例えば、超音波の音圧、音響放射圧、照射時間(例えば、トリガ信号が入力されてからの経過時間)、または周波数等である。なお、被検眼の角膜を変形させる場合、例えば、超音波の音圧、音響放射圧、または音響流等が用いられる。
図1は、装置の外観を示している。超音波眼圧計1は、例えば、基台2と、筐体3と、顔支持部4、駆動部5等を備える。筐体3の内部には後述する照射部100、光学系200等が配置される。顔支持部4は、被検眼の顔を支持する。顔支持部4は、例えば、基台2に設置される。駆動部5は、例えば、アライメントのために基台2に対して筐体3を移動させる。
図2は、筐体内部の主な構成の概略図である。筐体3の内部には、例えば、照射部100と、光学系200等が配置される。照射部100、光学系200について図2を用いて順に説明する。
<照射部>
照射部100は、例えば、超音波を被検眼Eに照射する。例えば、照射部100は、角膜に対して超音波を照射し、角膜に音響放射圧を発生させる。音響放射圧は、例えば、音波の進む方向に働く力である。本実施例の超音波眼圧計1は、例えば、この音響放射圧を利用して、角膜を変形させる。なお、本実施例の照射部100は、円筒状であり、中央の開口部101に、後述する光学系200の光軸O1が配置される。開口部101は、例えば、音軸方向に開口される。音軸L1は、例えば、照射部100によって照射される超音波の中心軸である。音軸L1は、超音波の進行方向、または照射部100の振動方向などに延びる軸である。音軸L1は、照射部100によって出力された超音波が集束する焦点位置を通る。本実施例では、光学系200の光軸O1と照射部100の音軸L1は略同軸とされている。
図3(a)は、照射部100の概略構成を示す断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す範囲A1を拡大した様子である。本実施例の照射部100は、いわゆるランジュバン型振動子である。照射部100は、例えば、超音波素子110、電極120、マス部材130、締付部材160等を備える。超音波素子110は、超音波を発生させる。超音波素子110は、電圧素子(例えば、圧電セラミックス)、または磁歪素子等であってもよい。本実施例の超音波素子110はリング状である。例えば、超音波素子110は複数の圧電素子が積層されたものでもよい。本実施例では、超音波素子110は積層された2つの圧電素子(例えば、圧電素子111、圧電素子112)が用いられる。例えば、2つの圧電素子には、それぞれ電極120(電極121,電極122)が接続される。本実施例の電極121,電極122は、例えば、リング状である。
マス部材130は、例えば、超音波素子110を挟む。マス部材130は、超音波素子110を挟み込むことによって、例えば、超音波素子110の引っ張り強度を強くし、強い振動に耐えられるようにする。これによって、高出力の超音波を発生させることができる。マス部材130は、例えば、金属ブロックであってもよい。例えば、マス部材130は、ソノトロード(ホーン、またはフロントマスともいう)131と、バックマス132等を備える。
ソノトロード131は、超音波素子110の前方(被検眼側)に配置されたマス部材である。ソノトロード131は、超音波素子110によって発生した超音波を空気中に伝搬させる。本実施例のソノトロード131は、円筒状である。ソノトロード131の内円部には、一部に雌ねじ部133が形成される。雌ねじ部133は、後述する締付部材160に形成された雄ねじ部161と螺合する。なお、ソノトロード131は、超音波を集束させる形状である。例えば、ソノトロード131の被検眼側の端面は、音軸L1上に焦点を結ぶ球面形状である。また、ソノトロード131は、不均一な厚さを有する円筒であってもよい。例えば、ソノトロード131は、円筒の長手方向に関して外径と内径が変化する形状であってもよい。
バックマス132は、超音波素子110の後方に配置されたマス部材である。バックマス132は、ソノトロード131とともに超音波素子110を挟み込む。バックマス132は、例えば、円筒状である。バックマス132の内円部には、一部に雌ねじ部134が形成される。雌ねじ部134は、後述する締付部材160の雄ねじ部161と螺合する。また、バックマス132はフランジ部135を備える。フランジ部135は、装着部400によって保持される。
締付部材160は、例えば、マス部材130と、マス部材130に挟み込まれる超音波素子110と、を締め付ける。締付部材160は、例えば、中空ボルトである。締付部材160は、例えば、円筒状であり、外円部に雄ねじ部161を備える。締付部材160の雄ねじ部161は、ソノトロード131およびバックマス132の内側に形成された雌ねじ部133,134と螺合する。ソノトロード131とバックマス132は、締付部材160によって、互いに引き合う方向に締め付けられる。これによって、ソノトロード131とバックマス132との間に挟まれた超音波素子110が締め付けられ、圧力が負荷される。
なお、照射部100は、絶縁部材170を備えてもよい。絶縁部材170は、例えば、電極120または超音波素子110などが締付部材160に接触することを防ぐ。絶縁部材170は、例えば、電極120と締付部材160との間に配置される。絶縁部材170は、例えば、スリーブ状である。
<光学系>
光学系200は、例えば、被検眼の観察、または測定等を行う(図2参照)。光学系200は、例えば、対物系210、観察系220、固視標投影系230、変形検出系260、ダイクロイックミラー201、ビームスプリッタ204等を備える。
対物系210は、例えば、光学系200に筐体3の外からの光を取り込む、または光学系200からの光を筐体3の外に照射するための光学系である。対物系210は、例えば、光学素子を備える。対物系210は、対物レンズ、リレーレンズなどの光学素子を備えてもよい。
照明系240は、被検眼を照明する。照明系240は、例えば、被検眼を赤外光によって照明する。照明系240は、例えば、照明光源241を備える。照明光源241は、例えば、被検眼の斜め前方に配置される。照明光源241は、例えば、赤外光を出射する。照明系240は、複数の照明光源241を備えてもよい。
観察系220は、例えば、被検眼の観察画像を撮影する。観察系220は、例えば、被検眼の前眼部画像を撮影する。観察系220は、例えば、受光レンズ221、受光素子222等を備える。観察系220は、例えば、被検眼によって反射した照明光源241からの光を受光する。観察系220は、例えば、光軸O1を中心とする被検眼からの反射光束を受光する。例えば、被検眼からの反射光は、照射部100の開口部101を通り、対物系210、受光レンズ221を介して受光素子222に受光される。受光素子222によって受光された照明光源241の角膜反射輝点は、例えば、上下左右方向のアライメント(XYアライメント)に利用される。この場合、例えば、照明系240および観察系220は、XYアライメント検出手段として機能する。もちろん、照明系240とは別に、XYアライメント用の指標を光軸O1から被検眼に投影する指標投影系を備えてもよい。この場合、観察系220の観察画像に角膜中心輝点が写るため、この角膜中心輝点に基づいてXYアライメントを行ってもよい。
固視標投影系230は、例えば、被検眼に固視標を投影する。固視標投影系230は、例えば、視標光源231、絞り232、投光レンズ233、絞り234等を備える。視標光源231からの光は、光軸O2に沿って絞り232、投光レンズ233、絞り232等を通り、ダイクロイックミラー201によって反射される。ダイクロイックミラー201は、例えば、固視標投影系230の光軸O2を光軸O1と同軸にする。ダイクロイックミラー201によって反射された視標光源231からの光は、光軸O1に沿って対物系210を通り、被検眼に照射される。固視標投影系230の視標が被検者によって固視されることで、被検者の視線が安定する。
変形検出系260は、例えば、被検眼の角膜の変形を検出する。変形検出系260は、例えば、光源261と、投光レンズ262と、絞り263と、受光レンズ264、絞り265、受光素子266等を備える。光源261からの光は、例えば、光軸O3に沿って投光レンズ262、絞り263を通り、被検眼に照射される。そして、被検眼によって反射された反射光は、光軸O4に沿ってビームスプリッタ204によって反射された後、受光レンズ264、絞り265を通過して受光素子266によって受光される。変形検出系260は、例えば、受光素子266によって受光された角膜反射光に基づいて、角膜の変形を検出してもよい。
変形検出系260は、例えば、受光素子266の受光信号の大きさに基づいて角膜の変形状態を検出してもよい。例えば、変形検出系260は、受光素子266の受光量が最大となったときに角膜が圧平状態になったことを検出してもよい。この場合、例えば、変形検出系260は、被検眼の角膜が圧平状態になったときに受光量が最大となるように設定される。
なお、変形検出系260は、OCT又はシャインプルーフカメラ等の前眼部断面像撮像ユニットであってもよい。例えば、変形検出系260は、角膜の変形量または変形速度などを検出してもよい。
Zアライメント検出系280は、例えば、Z方向のアライメント状態を検出する。Zアライメント検出系280は、例えば、受光レンズ281、受光素子282を備える。Zアライメント検出系280は、例えば、角膜からの反射光を検出することによって、Z方向のアライメント状態を検出してもよい。例えば、Zアライメント検出系は、光源261からの光が被検眼の角膜によって反射した反射光を受光してもよい。この場合、Zアライメント検出系280は、例えば、光源261からの光が被検眼の角膜によって反射してできた輝点を受光してもよい。このように、光源261は、Zアライメント検出用の光源として兼用されてもよい。
例えば、角膜によって反射した光源261からの光は、光軸O4に沿ってビームスプリッタ204、受光レンズ281を通過し、受光素子282によって受光される。被検眼とZアライメント検出系280とがZ方向にずれると、角膜で反射する光源261からの光の受光位置(例えば、受光信号の強度が最大となる位置)が、受光素子282上でずれる。したがって、Zアライメント検出系280は、受光素子282における光源261からの光の受光位置によってアライメント状態を検出してもよい。例えば、Zアライメント検出系280は、光源261からの光の受光位置が受光素子282の所定ピクセル(検出基準位置)か否か、または所定ピクセルから何ピクセルずれているかを検出することでアライメント状態を検出してもよい。
<制御部>
次に、図4を用いて、制御系の構成について説明する。制御部70は、例えば、装置全体の制御、測定値の演算処理等を行う。制御部70は、例えば、一般的なCPU(Central Processing Unit)71、ROM72、RAM73等で実現される。ROM72には、超音波眼圧計1の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。RAM73は、各種情報を一時的に記憶する。なお、制御部70は、1つの制御部または複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。制御部70は、例えば、駆動部5、記憶部74、表示部75、操作部76、照射部100、光学系200等と接続されてもよい。
記憶部74は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、着脱可能なUSBメモリ等を記憶部74として使用することができる。
表示部75は、例えば、被検眼の測定結果を表示する。表示部75は、タッチパネル機能を備えてもよい。
操作部76は、検者による各種操作指示を受け付ける。操作部76は、入力された操作指示に応じた操作信号を制御部70に出力する。操作部76には、例えば、タッチパネル、マウス、ジョイスティック、キーボード等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスを用いればよい。なお、表示部75がタッチパネルである場合、表示部75は、操作部76として機能してもよい。
<制御動作>
以上のような構成を備える超音波眼圧計において眼圧を測定するときの制御動作を図5に基づいて説明する。
(ステップS1:アライメント)
まず、制御部70は、顔支持部4に顔を支持された被検者の眼に対するアライメントを行う。図6は観察系220にて撮影された前眼部画像300の例である。図6(a)の例では、アライメントは未完了の状態である。取得された前眼部画像300には、例えば、照明光源241の光による角膜反射輝点311,312,313,314が含まれる。
十字マーク310は照明光源241の反射輝点より算出された被検眼の角膜頂点位置を示す。十字マーク320は、観察系220の光学系中心(光軸O1)である。十字マーク330は照射部100によって出力される超音波の音圧中心(音軸L1)を示す。
一般的なアライメント動作は、被検眼の角膜頂点位置と観察系220の光軸O1を合わせること、つまり、十字マーク310の位置を十字マーク320の位置に合わせることである。十字マーク320と十字マーク330に位置のずれがあるが、これは照射部100の超音波素子110の特性ばらつきや組付誤差に起因しているものであり、装置ごとに位置関係は変化する。複雑な調整機構や、超音波素子110の特性を揃えることでこのずれは小さくできるが、ずれ量を完全になくすことは難しい。
そこで、本実施例では、光軸O1(十字マーク320)と音軸L1(十字マーク330)のずれ量を予め記憶しておき、眼圧測定を行う際は音軸L1に角膜頂点が合うようにアライメントを行う。例えば、制御部70は、受光素子222によって取得される前眼部画像から輝点311,312,313,314を検出し、4点の座標の中心の座標を角膜頂点位置として求める。そして、光軸O1の位置と記憶部74に記憶されたずれ量に基づいて音軸L1の位置を求め、角膜頂点位置と音軸L1の位置が合うように駆動部5を駆動させる。もちろん、制御部70は、表示部75に十字マーク310と十字マーク330を表示させ、検者が操作部76等を操作して手動でアライメントできるように誘導してもよい。図6(b)は、角膜頂点位置(十字マーク310)と音軸L1(十字マーク330)が合ったときの前眼部画像を示す。
なお、光軸O1と音軸L1のずれ量は、例えば、装置のキャリブレーション時に実験的に求めておき、記憶部74に記憶させておく。例えば、角膜頂点位置を光軸O1に合わせた状態から駆動部5によって装置の位置をずらしながら測定を行い、変形検出系260の受光量が最大となる位置を音軸L1の位置として、そのときの光軸O1からのずれ量を記憶させてもよい。また、マイクロホンによって音圧が最大となる位置を測定し、光軸O1とのずれ量を求めてもよい。
なお、音軸L1を角膜頂点に合わせると、変形検出系260の光軸O3,O4が角膜頂点からずれる可能性があるが、変形検出系260の光軸O3,O4は、角膜頂点からある程度ずれていても、角膜が所定形状に変形する領域内であれば、角膜の変形を検出することができる。
(ステップS2:超音波照射)
制御部70は、超音波素子110に電圧を印加することによって、超音波を発生させる。照射部100から出力された超音波は被検眼に照射され、この超音波の音響放射圧によって被検眼の角膜が変形する。
(ステップS3:変形検出)
制御部70は、変形検出系260によって角膜の変形状態を検出する。例えば、制御部70は、受光素子266の受光信号に基づいて角膜が所定形状(圧平状態または扁平状態)に変形したことを検出する。
(ステップS4:眼圧算出)
制御部70は、例えば、被検眼の角膜が所定形状に変形したときの音響放射圧(または音圧)に基づいて被検眼の眼圧を算出する。被検眼に加わる音響放射圧(または音圧)は超音波の照射時間と相関があり、超音波の照射時間が長くなるにつれて大きくなる。したがって、制御部70は、超音波の照射時間に基づいて、角膜が所定形状に変形したときの音響放射圧(または音圧)を求める。角膜が所定形状に変形するときの音響放射圧(または音圧)と、被検眼の眼圧との関係は、予め実験等によって求められ、記憶部74等に記憶される。制御部70は、角膜が所定形状に変形したときの音響放射圧(または音圧)と、記憶部74に記憶された関係に基づいて被検眼の眼圧を決定する。
もちろん、眼圧の算出方法は、上記に限らず、種々の方法が用いられてもよい。例えば、制御部70は、変形検出系260によって角膜の変形量を求め、変形量に換算係数を掛けることによって眼圧を求めてもよい。
なお、制御部70は、被検眼によって反射した超音波に基づいて眼圧を測定してもよい。例えば、被検眼によって反射した超音波の特性変化に基づいて眼圧を測定してもよいし、被検眼によって反射した超音波から角膜の変形量を取得し、その変形量に基づいて眼圧を測定してもよい。
以上のように、光軸O1と音軸L1のずれ量に基づいて、角膜頂点位置を音軸L1に合わせるようにアライメントすることによって、被検眼に対して超音波を適正に照射することができる。これによって、被検眼を十分に変形させた状態で眼圧を測定することができる。また、光軸O1と音軸L1のずれを小さくするために複雑な調整機構を設けたり、超音波素子の特性を揃えたりすることで装置の大型化または高額化することを抑制できる。
なお、超音波眼圧計1は、眼圧以外の他の眼特性を測定する測定光学系を備えてもよい。例えば、超音波眼圧計1は、角膜曲率半径を求める測定光学系、または眼屈折力を測定する測定光学系などを備えてもよい。例えば、図2に点線で示すように、測定光学系500は、ビームスプリッタ202によって観察系220の光軸O1を共有してもよい。この場合、測定光学系500によって眼圧以外の眼特性を測定するときは、図6(c)に示すように、光軸O1(十字マーク320)に角膜頂点(十字マーク310)が合うようにアライメントを行うことによって、精度よく眼特性を測定することができる。このように、眼圧測定と、その他の眼特性の測定とで、音軸L1を基準とするアライメントか、または光軸O1を基準とするアライメントか、アライメント制御を切り換えるようにしてもよい。
なお、温度変化などによって照射部100の共振周波数が変化すると、照射部100の音軸L1の位置が変化し、音軸L1と光軸O1のずれ量が変化する場合がある。このため、制御部70は、共振周波数に応じた音軸L1と光軸O1のずれ量に基づいてアライメントを行ってもよい。この場合、共振周波数に応じた音軸L1と光軸O1のずれ量を予め実験的に求めておき、記憶部74に記憶させておいてもよい。
<焦点位置シフトを考慮したZアライメント>
続いて、高音圧化に伴う照射部100の焦点位置シフトを考慮したZアライメントについて説明する。照射部100によって照射される超音波の焦点位置は、音圧が大きくなると遠方にシフトする。つまり、照射部100の焦点距離が増加する。そこで、制御部70は、ステップS1のアライメントにおいて、焦点位置のシフトを考慮したZアライメントを行ってもよい。
図7(a)はZアライメント検出系280と、音響放射圧の最大位置との関係を示した図である。図7(a)に示すように、Zアライメント検出系280によって検出されるZアライメント適正位置P1は、高音圧化に伴う焦点位置シフトを考慮して、照射部100の幾何学的な(形状上の)焦点位置F1よりも遠方に設定される。例えば、焦点位置F1は、照射部100の被検者側端面の曲率半径中心などである。Zアライメント適正位置P1は、好ましくは、音響放射圧の最大位置(シフト後の焦点位置)F2に設定される。例えば、制御部70は、Zアライメント検出系280によって取得されたアライメント情報に基づいて、焦点位置F1よりも遠方に設定されたZアライメント適正位置P1に被検眼の位置が合うように駆動部5を制御する。
以上のように、本実施例の超音波眼圧計1は、照射部100の幾何学的な焦点位置よりも遠方に設定されたZアライメント適正位置に被検眼を位置合わせすることによって、高音圧化に伴って焦点位置がシフトした場合であっても、被検眼に対して超音波を適正に照射することができる。
また、図7(b)は、変形検出系260と音響放射圧の最大位置との関係を示した図である。図7(b)に示すように、角膜が所定変形状態(例えば、圧平状態)となったときに変形検出系260の感度が最大となるように、変形検出系260の投受光系の光軸O3,O4(の交点)をZアライメント適正位置P1または音響放射圧最大位置F2よりも遠方の位置P2に配置するようにしてもよい。
なお、以上の実施例のように、Zアライメント検出系280と変形検出系260の投光系が共通である場合、投光系の光軸O3は図7(a)のようにZアライメント検出系280に合わせた状態であってもよいし、図7(b)のように変形検出系260に合わせた状態であってもよい。
なお、以上の実施例では、変形検出系260およびZアライメント検出系280を斜め配置としたが、アライメント状態、または角膜の変形状態を検出できるのであれば、正面配置であってもよい。例えば、変形検出系260またはZアライメント検出系280を光軸O1上、または光軸O1から分岐した光軸上に配置してもよい。
なお、制御部70は、音響放射圧(または音圧)の大きさに応じて、Zアライメント検出系280によって検出するZアライメント適正位置を変化させてもよい。音響放射圧は、超音波素子110に印加される電圧の大きさ、または印加時間などによって変化するため、これらのパラメータと、それに対応するZアライメント適正位置を記憶部74等に記憶させてもよい。制御部70は、印加電圧の大きさまたは印加時間に対応するZアライメント適正位置を記憶部74から読み出して設定することで、音響放射圧に応じてZアライメント適正位置を変化させてもよい。もちろん、音響放射圧に応じて、検者が手動でZアライメント適正位置の設定を調整できるようにしてもよい。
なお、温度変化などによって照射部100の共振周波数が変化すると、照射部100の焦点位置が変化し、音響放射圧最大位置が変化する場合がある。このため、制御部70は、共振周波数に応じたZアライメント適正位置に基づいてアライメントを行ってもよい。この場合、共振周波数に応じたZアライメント適正位置を予め実験的に求めておき、記憶部74に記憶させておいてもよい。
なお、作動距離の検出方法としては、光学センサを用いる方法を示したが、超音波センサなどの他のセンサを使用してもよい。
なお、以上の実施例において、照射部100としてランジュバン型振動子を用いる例を説明したが、これに限らない。照射部100は、別の方式で超音波を発生させる構成であってもよい。例えば、照射部100は、複数の超音波素子が配置されたパラメトリックスピーカーであってもよい。パラメトリックスピーカーは、例えば、被検眼の表面で焦点を結ぶ球面上に複数の超音波素子が配置されることで、超音波を集束させてもよい。
1 超音波眼圧計
2 基台
3 筐体
4 顔支持部
5 駆動部
6 支基
100 照射部
200 光学系

Claims (6)

  1. 超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する超音波眼圧計であって、
    前記被検眼に対して超音波を照射する照射手段と、
    前記被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系を有し、前記撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて前記被検眼に対するアライメント状態を検出するアライメント検出手段と、
    前記撮影光学系の光軸と、前記照射手段の音軸とのずれ量に基づいて、前記アライメント検出手段によって取得されたアライメント情報を補正する制御手段と、
    を備えることを特徴とする超音波眼圧計。
  2. 前記撮影光学系と前記光軸を共有し、眼圧とは異なる眼特性を測定する測定光学系をさらに備え、
    前記制御手段は、前記測定光学系による眼特性の測定と、前記照射手段による眼圧の測定とで、前記アライメント情報を補正するか否かを切り換えることを特徴とする請求項1の超音波眼圧計。
  3. 前記照射手段を移動させる駆動手段をさらに備え、
    前記制御手段は、補正した前記アライメント情報に基づいて前記駆動手段を制御し、前記被検眼に対する前記照射手段のアライメントを行うことを特徴とする請求項1または2の超音波眼圧計。
  4. 前記制御手段は、補正した前記アライメント情報を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または2の超音波眼圧計。
  5. 前記制御手段は、前記照射手段の共振周波数に応じて、前記アライメント情報を補正することを特徴とする請求項1~4のいずれかの超音波眼圧計。
  6. 超音波を用いて被検眼の眼圧を測定する超音波眼圧計において用いられる超音波眼圧計制御プログラムであって、前記超音波眼圧計の制御手段によって実行されることで、
    前記被検眼の前眼部を撮影する撮影光学系によって取得された前眼部画像に基づいて前記被検眼に対するアライメント状態を検出するアライメント検出ステップと、
    前記撮影光学系の光軸と、前記照射手段の音軸とのずれ量に基づいて、前記アライメント検出ステップにおいて取得されたアライメント情報を補正する補正ステップと、
    を前記超音波眼圧計に実行させることを特徴とする超音波眼圧計制御プログラム。

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