JP2015085042A - 非接触式超音波眼圧計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超音波にて、精度よく眼圧を測定できる非接触式超音波眼圧計を提供することを技術課題とする。
【解決手段】 超音波を用いて、非接触で被検者眼の眼圧を測定する非接触式超音波眼圧計であって、被検者眼の角膜内部に向けて超音波を送信する送信部と、被検者眼の角膜内部を通過した超音波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された角膜内部を通過した超音波の特性に基づいて被検者眼の眼圧を求めることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波を用いて非接触で被検者眼の眼圧を測定する非接触式超音波眼圧計に関する。
非接触式眼圧計としては、空気噴射式が一般的であり、被検眼角膜に空気を噴射したときの角膜の圧平状態を検出し、所定の変形状態となったときの空気の圧力に基づいて眼圧を測定していた。この場合、眼圧による角膜の弾性特性の変化は少ないという前提の下、眼内圧を測定していた。
また、同様に、被検眼角膜に超音波ビームを照射したときの角膜の圧平状態を検出し、所定の変形状態となったときの超音波ビームの圧力に基づいて眼圧を測定する装置が提案されていた。
超音波を用いて非接触にて被検者眼の眼圧を測定する装置としては、被検者眼(ただし、模型眼)に入射させる超音波を発する振動子と被検者眼で反射された超音波を検出するセンサとを有する探触子を有し、探触子から出力される信号に基づいて眼圧を測定する装置が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2008/072527号
空気タイプの眼圧計、及び同様な超音波眼圧計は、被検者眼にとって負担であった。また、特許文献1に開示された方式の場合においても、実用レベルには到達しておらず、種々の改良が必要とされる。
本発明は、上記問題点を鑑み、超音波にて精度よく眼圧を測定できる非接触式超音波眼圧計を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検者眼の角膜内部に向けて超音波を送信する送信部と、被検者眼の角膜内部を通過した超音波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された角膜内部を通過した超音波の特性に基づいて被検者眼の眼圧を求めることを特徴とする。
空気タイプの眼圧計、及び同様な超音波眼圧計は、被検者眼にとって負担であった。また、特許文献1に開示された方式の場合においても、実用レベルには到達しておらず、種々の改良が必要とされる。
ところで、角膜からの反射波に基づいて眼圧を測定する場合(特に、裏面からの反射波を検出する場合)、角膜に含まれる水分量によって、反射波の音響特性が変化する可能性がある。角膜水泡症の眼においては、角膜中に多くの水分が含有しているし、ドライアイの眼においては、角膜上での水分が不足した状態である。その他、種々の要因によって角膜中又は角膜上での水分量は変動する。
非接触状態下での超音波信号に基づく測定においては、空気中で超音波が減衰するため、微弱な信号を処理する必要がある。したがって、わずかな水分量の変動であっても、超音波信号を変動させる要因の一つといえる。すなわち、角膜水分量が多い場合と少ない場合で、超音波の減衰量が変動する。例えば、角膜水分量が多い場合と少ない場合では、水分量が多い場合の方が、超音波が角膜内を伝播する際に、超音波が水分によって伝播されやすくなるため、超音波の減衰量が小さくなる。
このため、同じ眼圧の眼であっても、水分量が多い場合と少ない場合では、角膜で反射された反射波の検出結果が同様の結果とならない可能性がある。例えば、所定の水分量の眼での音響インピーダンスに対して、水分量が少ない場合は、音響インピーダンスが低くなり、水分量が大きい場合は、音響インピーダンスが高くなる。例えば、角膜の音響インピーダンスと音響強度は比例するから、受信された超音波の音響強度に基づいて算出される場合、水分量が少ない場合は、音響強度が低くなり、水分量が大きい場合は、音響強度が強くなる。
図1は、本件発明の第1実施形態に係る非接触式超音波眼圧計の測定系及び光学系を上方向から見た概略構成図である。図2は、本実施形態に係る非接触式超音波眼圧計の測定系及び光学系を側方から見た概略構成図である。なお、以下の測定系及び光学系は、図示無き筐体に内蔵されている。また、その筐体は、周知のアライメント用移動機構により、被検者眼Eに対して三次元的に移動されてもよい。また、手持ちタイプ(ハンディタイプ)であってもよい。
超音波送受信部(トランスデューサ)10は、被検者眼Eから離れた位置に配置され、空気を媒体として被検者眼Eの角膜Ecに向けて超音波ビーム(パルス波又は連続波)を出射し、また、角膜Ecで反射された超音波ビームを反射波として検出する。送受信部10は、被検者眼Eに斜め方向から超音波(入射波)を出射する超音波送信部(振動子)11と、被検者眼Eで反射された超音波(反射波)を検出(受信)する超音波受信部(振動検出センサ)13と、を有し、被検者眼Eの眼圧を非接触で測定するために用いられる。超音波送信部11は、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)と電極により構成される図無き圧電セラミック振動板を有し、圧電効果によって超音波振動を発生する。なお、送信部11としては、これに限定されず、空気結合型の探触子であってもよい。
本実施形態において、送受信部10は、眼Eの角膜裏面に向けて超音波を発し、角膜内部を通過した角膜裏面からの反射波を検出する。そして、その反射波の音響特性に基づいて、眼Eの眼圧が測定される。
典型的には、本装置は、送信部11から超音波を眼Eに対して斜めに照射する。そして、角膜裏面と前房との境界で反射された超音波を受信部13によって斜め反対方向から受信する。ここで、送受信部10は、送信部11と受信部13が眼Eの斜め方向に配置され、送信部11は、角膜Ecに対する超音波の入射角度が臨界角より小さくなる角度にて入射されるように配置されている。
好ましくは、送信部11と受信部13は、送信部11の音軸SA1と受信部13の音軸SA2とが角膜裏面上のある一点Cで交差するように所定の傾斜を持って配置されている(図5参照)。図1では、送信部11と受信部13は、観察光軸L1を中心に対称(図1では左右対称)に配置される。
本装置の光学系としては、観察光学系20と、固視標投影(呈示)光学系30と、第1指標投影光学系40と、第2指標投影光学系50と、指標検出光学系55と、と、前眼部断面像撮像光学系90と、が設けられている。
観察光学系20は、眼Eの前眼部を正面方向から観察するためのものである。固視標投影光学系30は、眼Eを固視させるためのものである。第1指標投影光学系40は、上下左右方向のアライメント状態検出用の第1指標を角膜Ecに投影するためのものである。第2指標投影光学系50は、前後方向である作動距離方向のアライメント状態検出用の第2指標を角膜Ecに投影するためのものである。指標検出光学系55は、角膜Ecに投影された第2指標を検出するためのものである。角膜水分量測定光学系80は、眼Eの角膜Ecの水分量を測定するためのものである。前眼部断面像撮像光学系90は、被検者眼の前眼部断面像を撮像するものである。
図1において、対物レンズ22の後方には、光学系ユニット100が設けられている。ユニット100は、観察光学系20と、固視標投影(呈示)光学系30と、第1指標投影光学系40の光学系、を含む。
観察光学系20は、対物レンズ22と、結像レンズ24と、二次元撮像素子26と、を有している。そして、被検者眼Eの所定部位(例えば、角膜中心、瞳孔中心)に対して上下左右方向のアライメントがなされる。
赤外光源38によって照明された被検者眼Eの前眼部像は、対物レンズ22を透過し、ダイクロイックミラー95を透過し、ハーフミラー46を透過し、ダイクロイックミラー36を透過し、結像レンズ24によって撮像素子26に結像する。撮像素子26によって撮像された前眼部像は、後述するモニタ72に表示される。
固視標投影光学系30は、可視光源32を有し、被検者眼Eを固視させるための固視標を被検者眼Eに投影する。光源32からの可視光は、赤外光を透過して可視光を反射するするダイクロイックミラー36で反射され、ハーフミラー46を透過し、ダイクロイックミラー95を透過し、対物レンズ22を透過して被検者眼Eの眼底に投影される。固視標投影光学系30の光軸L2は、観察光学系20の光路(観察光路)中に配置されたダイクロイックミラー36によって観察光軸L1と同軸にされている。
第1指標投影光学系40は、赤外光源42を有し、上下左右方向のアライメント状態検出用の第1指標である赤外光を正面方向から角膜Ecに投影する。光源42からの赤外光は、ハーフミラー46で反射され、ダイクロイックミラー95を透過し、対物レンズ22を透過して角膜Ecに投影される。第1指標投影光学系40の光軸L3は、観察光路(観察光束の光路)中に配置されたハーフミラー46によって観察光軸L1と同軸にされている。
観察光学系20は、第1指標投影光学系40によって角膜Ecに形成された第1指標像を検出する(角膜Ecで反射された光源42からの赤外光を受光する)。すなわち、観察光学系20は、指標検出光学系を兼ねる。撮像素子26によって撮像された第1指標像は、モニタ72に表示される。
第2指標投影光学系50は、赤外光源51を有し、作動距離方向のアライメント状態検出用の第2指標である赤外光を斜め方向から角膜Ecに投影する。
指標検出光学系55は、位置検出素子(例えば、ラインCC)58を有し、第2指標投影光学系50によって角膜Ecに形成された第2指標像を検出する(角膜Ecで反射された光源51からの赤外光を受光する)。なお、作動距離方向のアライメント状態の検出は、送受信部10によって行われてもよい(例えば、被検者眼に出射された超音波が送受信部10に戻っているまでの時間が距離に換算される)。
前眼部断面像撮像光学系90は、前眼部断面像を形成するためのスリット光を被検者眼Eに投光する投光光学系(投影光学系)90aと、投光光学系90aによって投影されたスリット光による前眼部反射光(前眼部散乱光)を受光して前眼部断面像を撮像する受光光学系(撮像光学系)90bと、を有する。
投光光学系90aは、光源91と、集光レンズ92と、スリット板93と、全反射ミラー94と、ダイクロイックミラー95と、対物レンズ22と、を含む。
受光光学系90bは、二次元撮像素子97と、投光光学系90aによる前眼部からの反射光を撮像素子97に導く撮像レンズ96と、を含み、シャインプルーフの原理に基づいて前眼部断面像を撮像する構成となっている。すなわち、受光光学系90bは、その光軸(撮像光軸)が投光光学系90aの光軸と所定の角度で交わるように配置されており、投光光学系90aによる投影像の光断面と被検者眼角膜を含むレンズ系(角膜及び撮像レンズ96)と撮像素子97の撮像面とがシャインプルーフの関係にて配置されている。なお、レンズ96の手前(被検者眼E側)には、光源91から出射され,前眼部断面像を撮像するために用いられる光(青色光)のみを透過するフィルタ99が配置されている。
<水分測定装置の構成>
角膜水分量測定光学系80は、光源81と、ハーフミラー82と、参照光測定用一次元受光素子85と、反射ミラー86と、シャープカットフィルター87と、受光素子(一次元受光素子又は二次元受光素子)88と、を含む。光源81は、水に大きく吸収される波長(水の吸光度の高い波長)の光を被検者眼の角膜内部に向けて出射する。本実施形態においては、1940nmの赤外光源を用いる。もちろん、異なる波長の光源を用いてもよく、水による吸収の変化が高い波長であればよい(例えば、1200nm、1450nm)。ハーフミラー82は、赤外光源から出射された水に大きく吸収される波長の光を測定光と参照光に分割する。シャープカットフィルター87は、所定の波長を透過するフィルタである。本実施形態においては、光源81から出射された光の内、シャープカットフィルター87を透過することによって、1940nmの波長のみの光が透過される。なお、本実施形態においては、受光素子88として、一次元受光素子を用いる。
光源81から発せられた光は、ハーフミラー82によって、参照光と測定光とに分割される。測定光は被検眼Eへと向かい、参照光は参照光測定用一次元受光素子85へと向かう。参照光は、参照光測定用一次元受光素子85に受光される。測定光は、角膜Ecに集光される。測定光は角膜表面される。また、測定光は被検者眼の角膜内部を通過して角膜裏面によって反射される。角膜表面又は角膜裏面で反射された角膜反射光は、反射ミラー86へ向かう。角膜で反射された角膜反射光は、反射ミラー86で反射された後、シャープカットフィルター87を介して一次元受光素子88に受光される。なお、シャープカットフィルター87は、光源81から出射された光が角膜で反射される以前の光路中に配置する構成としてもよい。
図3は、非接触式超音波眼圧計の制御系の構成について説明する概略構成図である。制御部70は、測定値の算出、装置全体の制御、等を行う。制御部70は、受信部13からの出力信号を処理して被検者眼Eの眼圧を求める。受信部13は増幅器77に接続されており、受信部13から出力される電気信号は増幅器77によって増幅され、制御部70に入力される。また、制御部70は、送信部11、光源32、光源38、光源42、光源51、光源81、光源91、撮像素子26、検出素子58、参照光測定用一次元受光素子85、一次元受光素子88、撮像素子97、モニタ72、メモリ75、等と接続されている。なお、メモリ75には、送受信部10を用いて眼圧を測定するための測定プログラム、装置全体の制御を行うための制御プログラム、等が記憶されている。
<眼球モデルを用いた実験>
以下に、本発明者が行った実験結果を示す。図4は実験に用いた眼球モデル(模型眼)を示す図である。眼球モデル60は、ベース部61と、内部に空洞を有するシリコンゴム半球62と、を含み、シリンジ64によって半球62の内部に流体が注入される構成となっている。そして、半球62の内圧は、マノメータ66によって検出される。この実験の場合、半球62が角膜として想定され、半球62の内圧が調整されることによって眼圧が変化されるものと考える。
ここで、反射波と眼圧の関係について説明する。眼圧(被検眼の内圧)に変化が生じると、角膜の弾性特性(例えば、密度)に変化が生じる。角膜の弾性特性の変化としては、例えば、眼圧が高くなると角膜が内側から圧迫され、角膜の密度が高くなる。超音波(反射波)には、密度の高いものほど伝播されやすくなるという特性がある。このため、眼圧が高くなると、超音波が伝播されやすくなる。
以上のようなことから、角膜の弾性特性の変化は、角膜反射波の音響特性の変化に関係する。本実施例では、弾性特性の変化によって生じる音響特性の変化を検出することによって、眼圧を測定する。
角膜からの反射波としては、角膜表面での反射によって取得される反射波と、角膜裏面での反射によって取得される反射波がある。ここで、角膜裏面の反射波は、角膜表面から入射された超音波が角膜内を伝播した後、角膜裏面によって反射された反射波である。
弾性特性の変化は、特に被検者眼の角膜内部を通過した角膜裏面からの反射波に影響する。例えば、眼Eに向けて超音波パルスを出射した際、角膜裏面からの反射光は、角膜表面からの反射波に比べ、角膜内を伝播している分、角膜の弾性特性の影響を大きく受ける。
例えば、眼圧が異なる場合、角膜の密度が変化すると考えられる。そして、角膜裏面からの反射波は、角膜内を伝播されているため、角膜内の密度の違いによる音響特性の変化が精度よく検出される。すなわち、角膜裏面からの反射波は、角膜表面よりも弾性特性に影響された波であるため、角膜表面と比較して、音響特性の変化が大きい。このため、角膜裏面からの反射光の変化を検出することにより、眼圧による音響変化が微小であっても捉えることができる。
図5に示すように、実験形態を示す図であり、領域Aは、点線で囲まれた領域を拡大表示したものである。実験における装置は、超音波パルスを出射する送信部11と、角膜での超音波パルスの反射波を検出する受信部13と、を含む。
例えば、各装置間の構成は、角膜の裏面による反射が起きる入射角度θ1にて、パルスを出射する構成にする必要がある。入射角度θ1を大きくしていくと、角膜に入射する際の屈折角度θ2も大きくなる。そして、屈折角度θ2が90°に到達した場合に、超音波が角膜にまったく入射できなくなり、角膜表面での全反射が生じる。すなわち、屈折角度θ2が90°に到達すると、超音波が角膜に入射できなくなるため、角膜裏面での反射が生じなくなる。
屈折角度θ2が90°に到達する際の入射角度θ1を全反射の臨界角という。このため、入射角度θ1は、全反射の臨界角より小さい角度で設定される。
例えば、裏面反射波が発生する入射角度θ1として、16°を用いた。この場合の屈折角度θ2は、47°である。また、模型眼と送信部11及び受信部13の作動距離は、送信部11及び受信部13の焦点位置が角膜に一致するように、50mmに設定される。また、送信部11と受信部13との間の距離が30mmの構成とした。もちろん、装置の作動距離や送信部11と受信部13との間の距離を変更してもかまわない。
なお、入射角度θ1を極端に鋭角(例えば0°)に設定した場合には、送信部から出射されたパルスは角膜で反射され、送信部の位置に反射されてくる。このため、パルスの送信部と受信部を兼用させる構成とするとよい。すなわち、所定時間間隔で送信部と受信部を切り換える構成とすればよい。
ここで、送信部11及び受信部13を用いて模型眼(図5参照)に向けてパルス波を出射し、模型眼からの反射波の反射信号を検出した(図6(a)参照)。なお、図5に示すように、模型眼からの反射波には、模型眼の角膜表面で反射された反射波R1(点線)と模型眼中(被検眼の場合、角膜中)を伝播し模型眼の角膜裏面で反射された反射波R2(実線)が含まれている。そして、反射波R1と反射波R2は、受信部13によって反射信号として検出される。
次に、検出された反射信号の波形の内、角膜裏面の反射波の反射信号に対応する部位を抽出した。(図6(b)参照)。そして、抽出された反射信号における最大の振幅(ピーク値)をモニタリングし、ピーク値と眼圧値との関係を評価した(図6(c)参照)。なお、送受信部10としては、公称周波数が750kHzのトランスデューサを用いた。
<実験結果の内容(振幅と周波数の関係等の説明)>
図6は実験結果の一例を示すものである。図6(a)は受信部13によって検出された反射信号の振幅の時間的な変化を示したグラフである(横軸が時間、縦軸が振幅)。
図6(b)は図6(a)に示したグラフにおいて、角膜裏面の反射波の反射信号に対応する時間領域T(点線領域)を抽出し、拡大したグラフである(横軸が時間、縦軸が振幅)。Vpは最大の振幅を示す。以下に、時間領域Tの抽出方法について説明する。
図6(a)における、パルスの出射時から振幅が大きく変化した時間領域V1は、角膜表面からの反射波の反射信号によるものである。角膜表面からの反射波は、角膜裏面からの反射波よりも受信部13に受信されるまでの伝播速度が早い。すなわち、最初に角膜表面からの反射波が受信された後、角膜裏面からの反射波が受信される。このことにより、反射波が受信された時間によって、角膜裏面の反射波に対応する反射波を抽出することができる。
角膜裏面の反射波が受信される時間は、模型眼と送信部11及び受信部13の作動距離、パルス波が模型眼に入射される際の入射角度、模型眼の角膜厚、模型眼内におけるパルス波の屈折角度等、を用いて算出される。そして、受信した反射信号において、算出した受信時間に対応する時間領域Tでの信号を角膜裏面の反射波の反射信号として抽出する。
本実施例においては、図5に示した構成と同様に、送信部11と受信部13との間の距離が30mm、模型眼と振動子及び振動検出センサの作動距離が50mm、入射角度が16°、屈折角度が47°の構成とした。この場合、角膜裏面の反射波が反射されてくる時間は、約311μsとなった。そして、検出された反射信号において、311μs部分の反射信号を抽出した。
図6(c)は模型眼の内圧とピーク値Vp(抽出された反射信号における最大の振幅)との関係を示したグラフである。図6(c)に示すように、模型眼の内圧とピーク値Vpとの関係はほぼ比例関係にあることが分かる。
眼内圧が高いほど、角膜の密度が高くなることによって、超音波が角膜内を伝播しやすくなり、結果的に、高い音響インピーダンスが検出されたと思われる。一方、眼内圧が低いほど、角膜の密度が低くなることによって、超音波が角膜内を伝播しづらくなり、結果的に、低い音響インピーダンスが検出されたと思われる。なお、角膜内での音響インピーダンスは、受信された超音波の音響強度に比例するから、ピーク値Vpに基づいて眼圧が算出されうる。 概して、一定の超音波パルスを角膜に入射させたときに取得される角膜裏面からの反射波の音響特性(例えば、音響インピーダンス)は、眼内圧によって変化する。この関係は、眼圧測定に利用できると思われる。
<眼圧測定の手順説明>
以下に、上記の実験結果を鑑み、眼圧を測定する手法について説明する。制御部70は、送信部11を用いて被検者眼の角膜内部に向けて超音波を送信(出射)する。そして、受信部13を用いて、被検者眼の角膜内部を通過した角膜裏面からの反射波を受信(検出)し、受信部13によって受信された角膜裏面からの反射波の特性に基づいて被検者眼の眼圧を求める。例えば、受信部から出力される信号から角膜裏面からの反射波に相当する信号を抽出し、抽出された信号に基づいて、眼圧を求める。
図7は本実施形態に係る眼圧測定手法の具体例について説明するフローチャートである。制御部70は、送受信部10を用いて、眼Eに向けて被検者眼E(角膜Ec)に向けてパルス波が出射する。そして、パルス波が角膜Ec中を伝播し、角膜裏面で反射された反射波がセンサ13によって検出されると、反射波の反射信号に対応する電気信号がセンサ13から出力され、増幅器77を介して制御部70に入力される。
そして、制御部70は、取得した反射波の反射信号から角膜裏面で反射された反射波の反射信号を抽出する。制御部70は、角膜裏面の反射波を抽出するために、予め設定された裏面反射波の受信時間をメモリ75より取得し、受信時間に基づいて角膜裏面の反射波の反射信号を抽出する。また、制御部70は、抽出した反射信号における最大の振幅(ピーク値)を検出する。
そして、制御部70は、ピーク値に基づいて眼圧値を算出する。メモリ75には、ピーク値と眼圧値との相関関係がテーブルとして記憶されており、制御部70は、検出されたピーク値に対応する眼圧値をメモリ75から取得し、得られた眼圧値をモニタ72に表示する。なお、ピーク値と眼圧値との相関関係は、例えば、本装置によって取得されるピーク値とゴールドマン眼圧計によって得られる眼圧値との相関関係を予め求めておくことにより設定可能である。
以上のような構成とすれば、眼圧による角膜の弾性特性の変化を精度よく検出でき、眼圧を非接触にて精度よく測定できる。
なお、以上の説明では、抽出された反射信号の最大の振幅(ピーク値)に着目し、ピーク値と眼圧値との関係を評価したがこれに限定されない。例えば、抽出された反射信号の最大の振幅を含む所定の領域における振幅に基づいて眼圧を求めることも可能である。
なお、以上の説明では、検出された反射波の反射信号より、角膜裏面の反射波の反射信号を抽出し、反射信号における最大の振幅を検出することによって眼圧値を算出したが、これに限定されない。例えば、周波数解析(例えば、フーリエ解析)を用いて眼圧値を算出してもよい。この場合、検出された反射波の反射信号より、角膜裏面の反射波の反射信号を抽出する。そして、抽出した反射波の反射信号を周波数解析(例えば、フーリエ解析)し、反射波における周波数毎の振幅レベルである振幅スペクトルを取得する。そして、得られた振幅スペクトルのピーク振幅レベル(例えば、振幅スペクトルのピーク値)を検出し、振幅スペクトルのピーク振幅レベルに基づいて眼圧を算出することができる。また、以上の説明においては、フーリエ解析に用いる窓関数を矩形窓としたが、これに限るものではなく、任意の窓関数(例えば、ハニング窓、ハミング窓、等)を用いることができる。
なお、上記記載のように、周波数解析(例えば、フーリエ解析)を用いる場合には、取得された振幅スペクトルのピークを検出することによってピーク振幅レベルを正確に検出できるが、これに限るものではない。反射波のピーク振幅レベルに基づいて眼圧を算出するものであればよい。例えば、振幅スペクトルのピークが得られる周波数を予め求めておき、これがメモリ75に記憶されていてもよい。そして、予め設定された周波数に対応する振幅レベルを振幅スペクトルのピーク振幅レベルとして取得し、これに基づいて眼圧を算出するようにしてもよい。また、振幅スペクトルにおけるピークを含む所定の周波数帯域における振幅の積算値に基づいて眼圧を求めるようにしてもよい。この場合、ピークの振幅レベルと眼圧値との相関関係と同じ相関関係が得られる周波数帯域内の帯域を所定の周波数帯域として設定し、その周波数帯域における振幅レベルに基づいて眼圧を測定する。例えば、前述のように設定された所定の周波数の範囲内における振幅スペクトル値の積算値を算出し、その積算値に基づいて眼圧を測定すればよい。
なお、以上の説明では、角膜裏面の反射波を抽出するために、予め、角膜裏面による反射波の受信時間を算出しておき、受信時間に基づいて、角膜裏面の反射波の反射信号のみを抽出したが、これに限定されない。例えば、予め実験等によって、角膜表面反射波のみによる反射信号(全反射時の反射信号)を取得し、メモリに保存しておく。そして、眼圧値を算出する際に、検出した反射信号とメモリに記憶されていた全反射時の反射信号とを差分することによって角膜裏面の反射波の反射信号を抽出してもよい。この場合、眼圧値を算出する際には、例えば、差分により抽出した反射信号における最大の振幅に基づいて算出を行うことができる。
また、以上の説明では、ソフトウェアによる演算処理を用いて眼圧を求めるものとしたが、これに限るものではなく、ハードウェア(回路構成)による信号処理を用いて同様の処理が行われるようにしてもよい。例えば、送受信部10に接続されて反射波の振幅信号を得る振幅検出回路と、振幅検出回路によって取得された振幅のピークを検出するピークホールド回路と、を含む演算回路が考えられる。この場合、制御部70は、ピークホールド回路によって検出されたピークの振幅レベルに基づいて眼圧を算出すればよい。
<角膜曲率及び角膜厚を用いた眼圧値の補正>
なお、角膜裏面からの反射波に基づいて眼圧を測定する場合、角膜厚や角膜曲率によって反射波の音響特性が変化する可能性が考えられる。例えば、角膜厚が厚い場合と角膜厚が薄い場合では、角膜厚が厚い場合の方が、超音波が角膜内を伝播する際に、伝播される距離が長いため、超音波の減衰量が大きくなる。このため、同じ眼圧の眼であっても、角膜厚が厚い場合と角膜厚が薄い場合では、角膜裏面にて反射された反射光の検出結果が同様の結果とならない可能性がある。例えば、所定の角膜厚の眼での音響インピーダンスに対して、角膜厚が厚い場合は、音響インピーダンスが低くなり、角膜厚が薄い場合は、音響インピーダンスが強くなる。
また、角膜曲率が変化すると、超音波が角膜に入射した際の屈折角度、角膜裏面で反射される際の反射角度等が変化する。このため、同じ眼圧の眼であっても、角膜表面及び裏面の曲率によって眼圧値に変化が生じる可能性がある。例えば、所定の角膜曲率の眼での音響インピーダンスに対して、角膜曲率の差が大きいほど、音響インピーダンスが低くなる。
以上のように、角膜厚や角膜曲率の変化によって眼圧値に影響が生じる可能性があるため、角膜厚や角膜曲率に応じて、眼圧値の補正を行う。図8は、角膜厚や角膜曲率に応じて、眼圧値を補正する手法について説明するフローチャートである。
この場合、装置には、角膜厚測定部(例えば、前眼部断面像撮像光学系90)、角膜曲率測定部(例えば、前眼部断面像撮像光学系90)の少なくとも何れかが設けられる。角膜曲率測定部は、角膜表面及び角膜裏面の少なくともいずれかの曲率を測定する。
概して、制御部70は、角膜裏面からの反射波の特性と角膜厚測定手段の測定結果とを用いて、眼圧値を算出する。また、制御部70は、角膜裏面からの反射波の特性と角膜曲率測定手段の測定結果を用いて眼圧値を算出する。
例えば、制御部70は、送受信部10を用いて角膜Ecに対し超音波を送受信し、角膜Ecにおける超音波の反射信号を検出する。また、制御部70は、前眼部断面像撮像光学系90を用いて、前眼部断面像の撮影し、角膜厚や角膜曲率を算出する。そして、その計測結果に基づいて眼圧値を補正する。なお、角膜厚及び角膜曲率の算出のタイミングとしては、超音波の送受信と同時、又はその前後が好ましい。
以下、角膜厚及び角膜曲率の計測方法について説明する。初めに、制御部70は、前眼部断面像撮像光学系90を用いて、前眼部断面像の撮影が行う。眼Eに対するアライメントが行われ、トリガ信号が発せられると、制御部70は、光源91を点灯する。そして、光源91からの光は、集光レンズ92によって集光され、スリット93を通過してスリット光となる。そのスリット光は、全反射ミラー94で反射され、ダイクロイックミラー95で反射され、対物レンズ22を介して、前眼部上で集光される。前眼部上に形成されたスリット断面像は、フィルタ99とレンズ96とを介して、撮像素子97によって撮像される。
図9は、撮像された前眼部断層像を示す図である。そして、制御部70は、撮像素子97によって取得された前眼部断面像の輝度分布に対して、角膜前面と角膜後面に対応するエッジを検出し、検出結果に基づいて、前眼部の角膜厚及び角膜曲率を算出する。前眼部断面像撮像光学系90により、角膜厚及び角膜曲率が算出されると、その算出結果に基づいて、予め、超音波の反射信号により算出してあった眼圧値を補正する。
メモリ75には、角膜厚に応じた眼圧値の補正量と、角膜曲率に応じた眼圧値の補正量とが補正値のテーブルとして記憶されている。そして、制御部70は、眼圧値に応じた、算出された角膜厚及び角膜曲率に対応する眼圧値の補正量をメモリ75から取得し、得られた補正量に基づいて、眼圧値を補正し、モニタ72に表示する。
なお、上記補正テーブルを作成する場合、例えば、所定眼圧値の模型眼に対して所定の角膜厚及び角膜曲率を測定しておき、角膜厚及び角膜曲率を変化させたときの眼圧値のずれ量を基に補正値を得る。そして、これを眼圧値の異なる模型眼に対して行うことにより眼圧値毎のテーブルが作成される。
また、角膜厚、角膜表面の曲率、角膜裏面の曲率によって角膜内部での超音波の伝播距離が変動する。そこで、各パラメータが変化したときの伝搬距離の変化が予めシミュレーション等によって求められる。そして、制御部70は、伝搬距離の変動分を考慮した演算式又はテーブルを用いて、眼圧値を補正するようにしてもよい。
上記のようにすれば、角膜厚及び角膜曲率の変化による角膜反射波の変化に関係なく、適正な眼圧値が得られるため、角膜厚及び角膜曲率の変化に対応した眼圧計測が可能となる。なお、角膜厚及び角膜曲率による眼圧値への補正は、どちらか一方の補正のみを行うようにしてもよい。例えば、角膜厚の変化による眼圧値の補正を行うようにしてもよい。
なお、本実施例においては、眼圧値を所定の補正量にて、補正する方法を用いたが、これに限定されない。例えば、反射波の反射信号を補正して、補正した反射信号に基づいて、眼圧値の算出を行えば、補正した眼圧値を取得することができる。
なお、本実施例においては、前眼部断面像撮像光学系90により、角膜厚及び角膜曲率の算出を行ったがこれに限定されない。もちろん角膜厚と角膜曲率は、異なる光学系によって取得されてもよい。もちろん制御部70は、本装置とは別筐体に配置された角膜厚測定装置及び角膜曲率測定装置によって取得された測定結果を用いて眼圧値を補正するようにしてもよい。
角膜厚測定部としては、例えば、シャインプルーフ光学系、前眼部撮像用OCT(Optical coherence tomography)デバイス、超音波プローブが考えられる。
また、角膜曲率測定部としては、例えば、ケラト投影光学系、前眼部撮像用OCT(Optical coherence tomography)デバイスが考えられる。
ケラト投影光学系としては、測定光軸L1を中心に配置されたリング状の光源を有し、被検眼角膜にリング指標を投影して角膜形状(曲率、乱視軸角度、等)を測定する構成が考えられる。また、ケラト投影光学系について、光軸L1を中心とする同一円周上に少なくとも3つ以上の点光源が配置されていればよく、間欠的なリング光源であってもよい。さらに、複数のリング指標を投影するプラチド指標投影光学系であってもよい。
ケラト投影光学系を用いた場合、初めに、角膜形状測定が行われる。アライメントが行われ、所定のトリガ信号が発せられると、リング指標を含む前眼部画像を静止画として取得し、メモリに記憶させる。そして、メモリに記憶された前眼部画像におけるリング指標像に基づいて被検眼の角膜形状(例えば、強主経線方向及び弱主経線方向における角膜曲率、角膜の乱視軸角度、等)を算出する。
上記において、角膜裏面の曲率を測定し、その測定結果を用いて眼圧値を補正することにより、角膜裏面からの反射波の特性に基づく眼圧測定を精度よく行うことができる。なお、同一眼における角膜の表面曲率と裏面曲率は、一対の関係にあることが、当業者において周知であるから、これを利用して、角膜表面曲率の測定結果から間接的に角膜裏面の曲率を測定するようにしてもよい。
<角膜水分量を用いた眼圧値の補正>
ここで、眼圧値は、角膜水分量によって影響が生じる可能性があるため、角膜水分量に応じて、眼圧値の補正を行う必要がある。図10は、角膜水分量に応じて、眼圧値を補正する手法について説明するフローチャートである。
制御部70は、受信部13によって受信された角膜からの反射波の特性と角膜水分量測定光学系80の測定結果とを用いて、眼圧値を算出する。すなわち、制御部70は、角膜裏面からの反射波の特性と角膜水分量の算出結果とを用いて、眼圧値を算出する。
例えば、制御部70は、送受信部10を用いて角膜Ecに対し超音波を送受信し、角膜Ecにおける超音波の反射信号を検出する。また、制御部70は、角膜水分量測定光学系80を用いて、角膜水分量を測定する。そして、その測定結果に基づいて眼圧値を補正する。なお、角膜水分量の算出のタイミングとしては、超音波の送受信と同時、又はその前後が好ましい。
ここで、水による光の吸収について説明する。物質に赤外線を照射すると、その物質に応じて、特定の波長域で吸収が起こる。例えば、水の場合では、1200nm、1450nm、1940nmの波長域で吸収が生じ、反射光の強度が弱くなる。このとき、赤外線の吸収量は、水分量に応じて変化するため、反射された光の強度(光量)を計測することによって、水分量を算出することができる。
本実施形態用いた1940nmの波長の光は、水によって吸収されやすい波長の光である。このため、角膜水分量が多い被検眼においては、角膜によって反射される光量は、水分量の少ない被検眼に対して大きく減少する。また、被検眼以外の要因が、光量の減少に影響するため、被検眼の影響を受けない参照光の光量を受光し、測定光と参照光の受光結果を比較することによって、被検眼角膜の水分の影響によって起きる光量の減少を検出することができる。なお、光量の減少は、吸光度で表わされる。
以下、角膜水分量の算出方法について説明する。制御部70は、角膜水分量測定光学系80を用いて、角膜水分量の測定を行う。すなわち、一次元受光素子88に受光された受光結果に基づいて、角膜水分量を算出する。本実施形態において、制御部70は、被検者眼の角膜内部を通過した角膜裏面からの測定光の反射光と参照光とを受光素子によってそれぞれ受光し、それぞれの受光結果に基づいて、角膜の水分量を算出する。
初めに、眼Eに対するアライメントが行われ、トリガ信号が発せられると、制御部70は、光源81を点灯する。そして、光源81からの光は、ハーフミラー82によって、参照光と測定光とに分割される。測定光は角膜表面又は角膜裏面によって反射され、一次元受光素子88に受光される。参照光は、参照光測定用一次元受光素子85に受光される。
制御部70は、一次元受光素子88及び参照光測定用一次元受光素子85に受光された受光結果に基づいて、それぞれの検出された光量の変化に基づいて、吸光度を算出する。そして、制御部70は、算出した吸光度に基づいて、角膜水分量を算出する。
なお、吸光度は角膜反射光の内で角膜裏面による反射光の光量Iと参照光の光量I0とを用いて算出される。以下に、吸光度Aを算出するための式を示す。
制御部70は、上記の式によって、吸光度を算出することによって角膜水分量を求める。なお、角膜裏面による反射光を受光する理由としては、角膜内部を透過した光が角膜内の水分量の影響を受けることによって、角膜内の水分量情報を含んだ反射光であるためである。すなわち、角膜内の水分量の情報が角膜裏面からの反射光を受光することによって取得できる。なお、角膜反射光の内、角膜裏面による反射光は、一次元受光素子85上の受光位置によって抽出される。角膜裏面による反射光の一次元受光素子85上での受光位置は、予め、設定されている。すなわち、一次元受光素子85の利用の目的の一つは、角膜表面反射と角膜裏面反射を分離するためである。
次いで、制御部70は、取得した角膜水分量から眼圧値の補正パラメータを取得する。メモリ75には、角膜水分量に応じた眼圧値の補正パラメータが補正パラメータのテーブルとして記憶されている。そして、制御部70は、角膜水分量に応じて、眼圧値の補正パラメータをメモリ75から取得し、得られた補正量に基づいて、眼圧値を補正し、モニタ72に表示する。
なお、上記補正テーブルを作成する場合、例えば、所定の吸光度を持つ被検眼を基準被検眼として、補正テーブルを作成する。基準被検眼の水分量の割合を100%として、吸光度の差分毎の補正値を算出していく。例えば、基準眼に対して吸光度が90%の場合、補正値として0.9が算出される。制御部70は、得られた眼圧値を0.9で割ることにより眼圧値を補正する。基準眼に対して吸光度が110%の場合、補正値として1.1が算出される。制御部70は、得られた眼圧値を1.1で割ることにより眼圧値を補正する。
以上のように、角膜水分量に応じて眼圧値を補正することによって、角膜水分量の変化による角膜反射波の変化に関係なく、適正な眼圧値が得られるため、角膜水分量の変化に対応した眼圧計測が可能となる。
なお、本実施形態においては、眼圧値を所定の補正値にて、補正する方法を用いたが、これに限定されない。例えば、角膜水分量に応じて反射波の反射信号を補正して、補正した反射信号に基づいて、眼圧値の算出を行えば、補正した眼圧値を取得することができる。
なお、本実施形態においては、角膜裏面による反射光と参照光とに基づいて、角膜水分量を算出する構成としたがこれに限定されない。例えば、さらに、角膜前面による反射光の光量の減少に基づいて、算出する構成としてもよい。この場合、角膜前面による反射光の光量の減少によって、角膜表面の涙液による角膜水分量を考慮して算出することが可能となるため、角膜水分量の算出精度がより向上する可能性がある。
なお、本実施形態においては、角膜水分量測定光学系80により、角膜水分量の算出を行ったが、これに限定されない。もちろん制御部70は、本装置とは別筐体に配置された角膜水分量測定装置によって取得された測定結果を用いて眼圧値を補正するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、角膜水分量、角膜曲率、角膜厚のそれぞれの補正データテーブルによって眼圧値を補正する構成としたがこれに限定されない。例えば、角膜水分量、角膜厚、角膜曲率の組み合わせによる補正データテーブルを作成し、眼圧値の補正をおこなってもよい。
なお、本実施形態においては、測定光用の一次元受光素子88と参照光用の参照光測定用一次元受光素子85をそれぞれ設ける構成としたがこれに限定されない。撮像素子が兼用される構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、1つの光源から出射された光を測定光と参照光に分割して、角膜水分量の測定を行う構成としたがこれに限定されない。参照光用の光源が別途設けられる構成としてもよい。この場合、例えば、水の影響を受けづらい波長の光を参照光として出射する参照光源を用いる。これによって、角膜水分量による影響をより感度よく検出できる。もちろん、水の影響を受けやすい波長の光を参照光として出射する光源(例えば、測定光を出射する光源と同様の光源)を用いてもよい。
なお、本実施形態においては、水によって吸収されやすい1940nmの波長の光のみを用いて角膜水分量の測定を行ったがこれに限定されない。角膜水分量測定用の光源を複数設けて測定行うようにしてもよい。例えば、1940nmの波長の光を出射する光源以外に、水によって吸収されやすい波長(例えば、1450nmや1200nm)の光を出射する光源を別途設ける構成としてもよい。これによって、水に吸収されやすい複数の波長にて、吸光度が算出されることになるため、測定エラーがあった場合等を検知しやすくなり、より精度よく角膜水分量の測定を行うことができる。もちろん、1940nmの光源を複数用いてもよい。
<光学系の変容例>
なお、本実施形態において、角膜水分量測定光学系80における水に吸収されやすい波長の光を角膜に投光する光学系は、アライメント光を投光する光学系、前眼部を照明する光学系、角膜厚測定光学系の投光系、角膜曲率測定光学系の投光系、超音波送信部、超音波受信部、のいずれかと略同軸に配置される構成としてもよい。例えば、角膜水分量測定光学系80における水に吸収されやすい波長の光を角膜に投光する光学系の光源は、アライメント光を投光する光学系、前眼部を照明する光学系、角膜厚測定光学系の投光系、角膜曲率測定光学系の投光系、のいずれかの光源と同一光源としてもよい。
なお、本実施形態において、角膜水分量測定光学系80に備えられた水に吸収されやすい波長の光を角膜に投光する投光光学系は、アライメント光を投光する光学系、前眼部を照明する光学系、角膜厚測定光学系の投光系、角膜曲率測定光学系の投光系、超音波送信部、超音波受信部、のいずれかと略同軸に配置される構成としてもよい。例えば、角膜水分量測定光学系80に備えられた水に吸収されやすい波長の光を角膜に投光する投光光学系の光源は、アライメント光を投光する光学系、前眼部を照明する光学系、角膜厚測定光学系の投光系、角膜曲率測定光学系の投光系、のいずれかの光源と同一光源としてもよい。
また、本実施形態において、角膜水分量測定光学系80における水分量測定用の光を受光する受光光学系は、眼に対する超音波送受信部のアライメント状態を検出するための光学系、前眼部を観察するための光学系、角膜厚測定光学系の受光系、角膜曲率測定光学系の受光系、超音波送信部、超音波受信部、のいずれかと略同軸に配置される構成としてもよい。例えば、角膜水分量測定光学系80における水分量測定用の光を受光する受光光学系の受光素子は、眼に対する超音波送受信部のアライメント状態を検出するための光学系、前眼部を観察するための光学系、角膜厚測定光学系の受光系、角膜曲率測定光学系の受光系、のいずれかの受光素子と同一受光素子としてもよい。
以下に、光学系の変容例についてより具体的に説明する。例えば、本実施形態において、前眼部照明用の光源38をアライメント用の光源と兼用する構成としてもよい。この場合、光源38から出射された光は、観察光学系20によって撮像される。すなわち、観察光学系20はアライメント検出光学系を兼ねる。これによって、省スペース化やコストダウンに繋がる。
例えば、本実施形態において、角膜水分量測定用の光源81を一部照明用の光源として兼用する構成としてもよい。例えば、光源81から出射された光の内、その一部の光が前眼部照明用に用いられる。
例えば、本実施形態において、角膜水分量測定光学系80が第2指標投影光学系50及び指標検出光学系55の一部または全体を兼ねる構成としてもよい。例えば、角膜水分量測定光学系80が第2指標投影光学系50及び指標検出光学系55の一部を兼用する場合、角膜水分量測定光学系80の光源と第2指標投影光学系50の光源を兼用するようにしてもよい。また、角膜水分量測定光学系80の一次元受光素子と指標検出光学系55の位置検出素子を兼用するようにしてもよい。角膜水分量測定光学系80が第2指標投影光学系50及び指標検出光学系55の全体を兼用する場合、光源と撮像素子の両方が兼用される。
例えば、本実施形態において、角膜水分量測定光学系80と観察光学系20が兼用されるようにしてもよい。この場合、例えば、光源81から出射された角膜水分量測定用の光が角膜によって反射され、観察光学系20の撮像素子によって受光される。すなわち、角膜水分量測定光学系80と観察光学系20の撮像素子が兼用される。
例えば、本実施形態において、送信部11の音軸と角膜水分量測定光学系80の出射光の光軸が一部又は全てが兼用される構成としてもよい。
例えば、本実施形態において、角膜水分量測定光学系80と第1指標投影光学系40を兼用する構成としてもよい。例えば、角膜水分量測定光学系80の光源81が第1指標投影光学系40の光源を兼ねる。この場合、光源81から出射された光は、一部が観察光学系20に受光され、第1指標像として、モニタ72に表示される。また、その他の光が角膜水分量測定光学系80の撮像素子に受光され、角膜水分量が算出される。
図11は本発明の第2実施形態を説明するための概略構成図である。本実施形態に用いる模型眼は第1実施形態に記載の模型眼60と同様である。送信部11から超音波を模型眼60のベース部61に対してθ3の角度で斜めに照射される。ただし、送信部11は、模型眼60の角膜Ec1に対する超音波の入射角度が臨界角より小さくなる角度にて入射されるように配置される。そして、模型眼の角膜裏面と模型眼60内部の流体との境界で反射された超音波を受信部13によって斜め反対方向からθ4の角度で受信する。送信部11と受信部13は水平距離bだけ離れて配置される。なお、角度θ3、角度θ4、水平距離bは測定者が任意に調節できる。
実験の手順を説明する。まず、角膜Ec1の頂点Eaに超音波ビームの焦点を合わせるように送受信部10の高さ(作動距離h)を調整し、模型眼60を含む20mm四方の走査領域に渡ってマッピングをする。ここでマッピングとは、超音波の照射、及び反射波の受信を行い、測定者が指定した条件(ゲート、ここでは、時間、電圧値)を満たす波形信号の電圧値をグラフィック画像として記録することである。グラフィック画像は、測定された波形信号の電圧値の大きさに対応し、測定位置ごとに色付け表示される電圧カラーマッピング画像である。角膜頂点に超音波ビームの焦点が合うように送受信部の高さを調節したため、角膜頂点Eaで最も電圧の大きい波形が検出される。すなわち、マッピングを行うことによって、超音波ビームの焦点が角膜頂点Eaに位置するときの送受信部10の位置情報を2次元座標として求めることができる。以降、超音波ビームの焦点が角膜頂点Eaに位置するときの座標が、送受信部10の基準位置として設定される。
次に、模型眼60から送受信部10の振動子及び振動検出センサまでの高さ(作動距離h)を小さくし、角膜内部で最も超音波が収束するように調節する。その後、送受信部10を基準位置に対して矢印方向(角膜中における超音波の伝搬方向)Hに所定のステップにて移動させる。そして、各位置にて模型眼の内圧値を一定量変化させ、内圧変化による波形の変化量を求める。そして、変化量が最も大きくなる位置(基準位置から水平距離dだけ離れた位置とする)に送受信部10を水平移動させる。
結果的に、本実施形態では、送信部11と受信部13との間の水平距離bが30(mm)、模型眼60と送受信部10に備わる振動子及び振動検出センサの作動距離hが40(mm)、送受信部10の基準位置からの水平距離dが3.2(mm)、送信部11の角度θ3が14°、受信部13の角度θ4が16°の構成とした。
送受信部10と眼の位置関係としては、送信部11からの超音波が角膜内部を伝播する距離が大きくなるように設定されるのが好ましい。これは、超音波が角膜内部を伝播する距離が大きいほど、角膜の伝播特性に大きく影響されるためである。
送信部11の角度は、超音波が空気と角膜Ec1表面との境界で全反射せず、角膜Ec1内部に透過する角度が好ましい。この場合、眼の角膜頂点Eaと角膜中心を結ぶ直線ELに対して送信部11の音軸SA1は、少なくとも角膜表面に対する臨界角より小さくなる角度にて配置される。
一方、
送信部11の角度は、超音波が角膜Ec1裏面と模型眼60内部の流体との境界で模型眼60内部へ透過しない角度が好ましい。これは、超音波の透過成分を小さくすることによって、受信部13で検出する信号の強さを保持するためである。この場合、眼の角膜頂点Eaと角膜中心を結ぶ直線ELに対して送信部11の音軸SA1は、角膜表面での屈折を考慮し、少なくとも角膜裏面に対する臨界角より大きくなる角度にて配置される。
また、送受信部10と被検眼との位置関係について、図12を用いて説明する。図12は、送信部11から出射された超音波が角膜Ec1を伝播する様子を示した図である。送信部11からの超音波ビームが角膜頂点位置に入射され、角膜頂点Eaから角膜内部を伝搬した超音波が角膜周辺位置から受信部13によって受信されるように設定されるのが好ましい。これは、角膜内部において効率よく超音波を伝達させることができるからである。すなわち、円錐角膜等の場合、角膜周辺部から超音波が入射されると、角膜に対して略垂直に超音波が入射されてしまい、角膜伝搬波が得られない可能性があるが、角膜頂点からの入射によって上記問題が回避される。
本実施形態の前記構成は、上記事項を考慮し、測定者が好ましい数値を設定した。その結果、模型眼の内圧と角膜の弾性特性との関係を示す上で良好な結果を得ることができた。
本実施形態において、模型眼60の角膜Ec1として、密度が1.79(g/cm2)、厚さが0.5(mm)、音速が916(m/s)のシリコンゴム半球を用いた。また、送受信部10に用いる振動子及び振動検出センサは、中心周波数が2(MHz)のものを選定した。送受信部10に用いる振動子及び振動検出センサは、中心周波数の大きなものを用いることが好ましい。超音波は、周波数が大きいと収束性が良くなるため、周波数の大きな振動子及び振動検出センサを用いることで、より詳細な結果を得ることができる。
送信部11には200(V)の電圧を印加し、ゲインは50(dB)とした。なお、本件発明は本実施形態の構成、実験手順及び条件に限定されるものではない。
なお、超音波は空気中を主に縦波(疎密波)として伝わり、角膜中を主に横波として伝わる。角膜から空気中へと進行する超音波には縦波と横波が共存するが、縦波に比べ伝播速度の遅い横波を抽出して検出することが好ましい。これは、縦波に比べ横波が角膜の伝播特性により大きく影響されるために、眼圧の変化をより明確に検出することができるからである。
横波を抽出して検出するために、例えば、検出時間を制限することによって、時間軸上で分離した縦波と横波の内、横波だけを区別して検出できるようにしてもよい。
図13は、ある時間領域で抽出された反射信号の一例を示した図である。図14は前記実験条件で模型眼60の眼圧を測定したときの測定結果の一例である。模型眼60の内圧が7.6(mmHg)〜22.8(mmHg)のときのピークトゥピーク値Vp−p(ある時間領域で抽出された反射信号における電圧の最大値と最小値の差:図6(b)のVp参照)を測定したときの結果及び、3回の測定に関するピークトゥピーク値Vp−pの平均値と標準偏差を示す表である。
図15は模型眼60の内圧が7.6(mmHg)〜22.8(mmHg)のときのピークトゥピーク値Vp−pとの関係を示すグラフである。第1実施例の実験結果と同様に、模型眼60の内圧が高いほど、大きな反射信号が検出され、眼内圧が低いほど、小さな反射信号が検出された。このような模型眼の内圧とピークトゥピーク値Vp−p(ピーク値Vp)との比例関係は、眼圧測定に利用できると考えられる。
本実施形態の計測系の分解能を求める。分解能は、図14に示す模型眼60の各内圧でのピークトゥピーク値Vp−pの標準偏差の平均値と、図15に示すグラフの傾きの逆数を掛け合わせることによって求める。図15において、グラフの傾きの逆数は0.22(mmHg/mV)であるので、標準偏差の平均値2.6と掛け合わせると、本実施形態の計測系の分解能は0.6(mmHg/mV)となった。人間の眼圧の基準値は10〜21(mmHg)であるので、本実施例の計測系は、眼圧測定に十分に利用可能である。
本実施形態に係る非接触式超音波眼圧計の測定系及び光学系を上方向から見た概略構成図である。 本実施形態に係る非接触式超音波眼圧計の測定系及び光学系を側方から見た概略構成図である。 非接触式超音波眼圧計の制御系の構成について説明する概略構成図である。 実験に用いた眼球モデル(模型眼)を示す図である。 実験形態を示す図である。 実験結果の一例を示すものである。 本実施形態に係る眼圧測定手法の具体例について説明するフローチャートである。 角膜厚や角膜曲率に応じて、眼圧値を補正する手法について説明するフローチャートである。 撮像された前眼部断層像を示す図である。 角膜水分量に応じて、眼圧値を補正する手法について説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態を説明するための概略構成図である。 超音波が角膜内部を伝播する様子を示した図である。 第2実施形態における眼圧測定試験で検出された反射信号の一例を示す図である。 第2実施形態における眼圧測定試験の測定結果の一例を示す図である。 第2実施形態における模型眼の内圧とピークトゥピーク値との関係を示す図である。
11 超音波送信部
13 超音波受信部
20 観察光学系
30 固視標投影光学系
38 光源
40 第1指標投影光学系
50 第2指標投影光学系
55 指標検出光学系
70 制御部
72 モニタ
75 メモリ
80 角膜水分量測定光学系
90 前眼部断面像撮像光学系

Claims (20)

  1. 被検者眼の角膜内部に向けて超音波を送信する送信部と、被検者眼の角膜内部を通過した超音波を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された角膜内部を通過した超音波の特性に基づいて被検者眼の眼圧を求めることを特徴とする非接触式超音波眼圧計。
  2. 前記受信部から出力される信号から角膜内部を通過した超音波に相当する信号を抽出し、抽出された信号に基づいて、眼圧を求めることを特徴とする請求項1の非接触式超音波眼圧計。
  3. 前記送受信部は、送信部と受信部が被検眼の斜め方向に配置され、前記送信部は、超音波の角膜に対する入射角度が臨界角より小さくなる角度にて入射されるように配置されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  4. 前記送信部と前記受信部は、前記送信部の音軸と前記受信部の音軸とが角膜裏面上のある一点で交差するように所定の傾斜を持って配置されている請求項1〜3のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  5. 被検者眼の角膜厚を測定する角膜厚測定手段を有し、
    角膜裏面からの反射波の特性と角膜厚測定手段の測定結果とを用いて、眼圧値を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  6. 被検者眼の角膜表面及び角膜裏面の少なくともいずれかの曲率を測定する角膜曲率測定手段を有し、
    角膜裏面からの反射波の特性と角膜曲率測定手段の測定結果とを用いて、眼圧値を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  7. 前記送信部と前記受信部は、前記送信部の音軸と角膜表面との交差位置と、前記受信部の音軸と角膜表面との交差位置とが互いに離間するように配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  8. 前記送信部と前記受信部は、前記送信部からの超音波が角膜頂点位置に入射され、角膜頂点から角膜内部を伝搬した超音波が角膜周辺位置から受信部によって受信されるように配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  9. 前記受信部によって受信された角膜内部を通過した超音波における横波成分に相当する信号を抽出し、抽出された信号に基づいて、眼圧を求めることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  10. 前記送信部と前記受信部は、前記送信部からの超音波が角膜に入射され、角膜裏面と角膜表面とでそれぞれ複数回反射して角膜内部を伝搬した超音波が受信部によって受信されるように配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  11. 被検者眼の角膜に向けて超音波を送信する送信部と、被検者眼の角膜からの反射波を受信する受信部と、を有する超音波送受信部と、
    被検者眼角膜の水分量を測定する角膜水分量測定手段と、
    前記受信部によって受信された角膜からの反射波の特性と角膜水分量測定手段の測定結果とを用いて、眼圧値を算出する眼圧算出手段と、
    を備えることを特徴とする非接触式超音波眼圧計。
  12. 前記送受信部は、前記送信部と前記受信部が被検眼の斜め方向に配置され、該送信部は、超音波の角膜に対する入射角度が臨界角より小さくなる角度にて入射されるように配置され、
    前記角膜水分量測定手段は、水に大きく吸収される波長の光を被検者眼の角膜内部に向けて出射する赤外光源と、被検者眼の角膜内部を通過した角膜裏面からの反射光を受光する受光素子と、を有し、
    前記受光素子によって受光された受光結果に基づいて角膜の水分量を算出する請求項11記載の非接触式超音波眼圧計。
  13. 前記角膜水分量測定手段は、前記赤外光源から出射された水に大きく吸収される波長の光を測定光と参照光に分割するための分割光学部材と、を備え、被検者眼の角膜内部を通過した角膜裏面からの測定光の反射光と,参照光と,を前記受光素子によってそれぞれ受光し、それぞれの受光結果に基づいて、角膜の水分量を算出する請求項11または12に記載の非接触式超音波眼圧計。
  14. 前記受信部から出力される信号から角膜裏面からの反射波に相当する信号を抽出し、抽出された信号に基づいて、眼圧を求めることを特徴とする請求項11〜13のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  15. 前記角膜水分量測定手段は、水に吸収されやすい波長の光を角膜に投光する投光手段を有し、
    該投光手段は、アライメント光を投光する光学系、前眼部を照明する光学系、角膜厚測定光学系の投光系、角膜曲率測定光学系の投光系、超音波送信部、超音波受信部、のいずれかと略同軸に配置されている請求項11〜14のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  16. 前記角膜水分量測定手段は、水に吸収されやすい波長の光を角膜に投光する投光手段を有し、投光手段は、アライメント光を投光する光学系、前眼部を照明する光学系、角膜厚測定光学系の投光系、角膜曲率測定光学系の投光系、のいずれかの光源と同一光源である請求項11〜15のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  17. 前記角膜水分量測定手段は、水分量測定用の光を受光する受光手段を有し、受光手段は、眼に対する超音波送受信部のアライメント状態を検出するための光学系、前眼部を観察するための光学系、角膜厚測定光学系の受光系、角膜曲率測定光学系の受光系、超音波送信部、超音波受信部、のいずれかと略同軸に配置されている請求項11〜16のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  18. 前記角膜水分量測定手段は、水分量測定用の光を受光する受光手段を有し、受光手段は、眼に対する超音波送受信部のアライメント状態を検出するための光学系、前眼部を観察するための光学系、角膜厚測定光学系の受光系、角膜曲率測定光学系の受光系、のいずれかの受光素子と同一受光素子である請求項11〜17のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  19. 前記角膜水分量測定手段は、水の影響を受けづらい波長の光を参照光として出射する参照光源を有する請求項11〜18のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
  20. 前記受光素子は、一次元受光素子、又は二次元受光素子のいずれかである請求項11〜19のいずれかの非接触式超音波眼圧計。
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