JP2022157498A - 穿刺針、内視鏡用処置具、およびガイドワイヤ留置システム - Google Patents
穿刺針、内視鏡用処置具、およびガイドワイヤ留置システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】挿入したガイドワイヤの引っ掛かり等を抑えつつ、組織にも刺入しやすい穿刺針を提供する。【解決手段】長手軸に対して斜めに形成された先端開口1aを有する中空の超音波穿刺針1は、先端開口の前部に形成された第一刃面11および第二刃面12と、先端開口の後部に連続して形成された先端側端面21とを備え、穿刺針の壁面を貫通し、長手軸と平行に延びる溝31が、先端側端面の範囲内に形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、穿刺針、より詳しくは、超音波内視鏡と好適に組み合わせることができる穿刺針に関する。この穿刺針を用いた内視鏡用処置具およびガイドワイヤ留置システムについても言及する。
胆管と、胃等の消化管とを連通する手技として、超音波内視鏡を用いた胆管ドレナージ術(EUS-BD)が知られている。
EUS-BDにより胆管と胃とを連通する場合、超音波内視鏡の視野下で胃から胆管に向けて中空の超音波穿刺針を刺し、超音波穿刺針内にガイドワイヤを通して胆管内に留置する。このガイドワイヤに沿ってステントアプリケータを導入し、胆管と胃とを連通するようにステントを留置する。
EUS-BDにより胆管と胃とを連通する場合、超音波内視鏡の視野下で胃から胆管に向けて中空の超音波穿刺針を刺し、超音波穿刺針内にガイドワイヤを通して胆管内に留置する。このガイドワイヤに沿ってステントアプリケータを導入し、胆管と胃とを連通するようにステントを留置する。
超音波穿刺針からガイドワイヤを出す際に、ガイドワイヤが斜めにカットされた超音波穿刺針の刃面と接触して損傷されたり、引っ掛かりを生じて挿入に支障を生じたりすることがある。
特許文献1に記載の技術では、これを抑制するために、斜めにカットされた先端部の基端側を、側面から見て凹状になるように深くカットしている。
特許文献1に記載の技術では、これを抑制するために、斜めにカットされた先端部の基端側を、側面から見て凹状になるように深くカットしている。
特許文献1の技術では、刃面が形成された先端側と、深くカットされた基端側との境界に角部が形成され、これが組織に刺入されにくい。角部が十分組織内に入っていない状態でガイドワイヤを突出させると、ガイドワイヤが組織外に出てしまう可能性がある。
上記事情を踏まえ、本発明は、挿入したガイドワイヤの引っ掛かり等を抑えつつ、組織にも刺入しやすい穿刺針を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、長手軸に対して斜めに形成された先端開口を有する中空の穿刺針である。
この穿刺針は、先端開口の前部に形成された第一刃面および第二刃面と、先端開口の後部に連続して形成された先端側端面とを備え、穿刺針の壁面を貫通し、長手軸と平行に延びる溝が、先端側端面の範囲内に形成されている。
この穿刺針は、先端開口の前部に形成された第一刃面および第二刃面と、先端開口の後部に連続して形成された先端側端面とを備え、穿刺針の壁面を貫通し、長手軸と平行に延びる溝が、先端側端面の範囲内に形成されている。
本発明の第二の態様は、第一の態様に係る穿刺針を備えた内視鏡用処置具である。
本発明の第三の態様は、第二の態様に係る内視鏡用処置具と、溝の幅以下の直径を有するガイドワイヤとを備えたガイドワイヤ留置システムである。
本発明の第三の態様は、第二の態様に係る内視鏡用処置具と、溝の幅以下の直径を有するガイドワイヤとを備えたガイドワイヤ留置システムである。
本発明に係る穿刺針は、挿入したガイドワイヤの引っ掛かり等が押さえられており、組織にも刺入しやすい。
本発明の一実施形態に係る穿刺針について、図1から図4を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る穿刺針である超音波穿刺針1の先端部を示す斜視図である。図2は同先端部を異なる方向から見た図である。
図1に示すように、超音波穿刺針1は、管状構造を有し、先端側の開口部が長手軸に対して斜めに切り落とされた基本形状を有する。これにより、超音波穿刺針1は、長手軸に対して斜めに形成された先端開口1aを有する。
先端開口1aの先端側には、公知のランセット加工が施されており、第一刃面11および第二刃面12が形成されるとともに、尖った先端を有する。ランセット加工は、レギュラーベベル、ショートベベルのいずれでもよく、バックカットでもよい。
第一刃面11および第二刃面12の後方には、長手軸に対して角度をなす先端側端面21が連なっている。すなわち、先端開口1aの周囲において、前側には第一刃面11および第二刃面12の2つの刃面が、後側には単一の先端側端面21が、それぞれ位置している。
超音波穿刺針1においては、長手軸X1まわりの位相のうち先端側端面21の範囲内において、一定幅にわたり壁面が除去されている。これにより、図2に示すように、壁面を貫通する溝31が形成されている。溝31は、長手軸X1と概ね平行に延びている。
本実施形態において、溝31の内面31aは、長手軸X1に対して概ね直角をなしている。内面31aの後端部31bは、図2に示す針管の平面視において、円弧状をなしている。このような形状の溝31は、例えば適切な寸法のエンドミルを長手軸X1に対して概ね直角をなす姿勢で接触させて加工することにより形成できる。
溝31が形成されることにより、先端側端面21の一部は除去されているが、図2に示すように、後端部31bの縁は、全体が先端側端面21の後縁よりも前側に位置する。これにより、先端側端面21は、溝31によって分断されず、第一刃面11の後端から第二刃面12の後端まで切れ目なく連続する単一の面として存在している。言い換えると、先端側端面21は、自身の連続性を保持しつつ溝31を有している。
超音波穿刺針1の外周面には、リング状の反射溝40が長手軸方向において、一定間隔で形成されている。反射溝40は、超音波を反射することにより、超音波内視鏡の視野下において、超音波穿刺針1を視認可能にする機能を発揮する。反射溝の数や間隔の長さは、適宜設定できる。反射溝に代えて、円形のディンプルなどが設けられてもよい。
図3に、超音波穿刺針1の先端部の側面図を示す。超音波穿刺針1では、特許文献1に記載の筒状針のように先端開口の後側を大きくカットしておらず、先端側端面21が存在しているため、側方から見た形状は、一般的なランセットポイントの注射針と概ね同様である。
上記のように構成された本実施形態の超音波穿刺針1の使用時の動作について説明する。
EUS-BDに超音波穿刺針1を使用する場合、超音波内視鏡の視野下で胃から胆管に向けて超音波穿刺針1を刺す。超音波穿刺針1は、外周面に設けられた反射溝40により、超音波内視鏡の視野下で良好に視認できる。超音波穿刺針1の側方視形状は、上述したように一般的なランセットポイントの注射針と概ね同様であり、特許文献1に記載の筒状針のような角部を有さないため、引っ掛かり等を生じにくく、胆管等の生体組織にスムーズに刺入できる。
EUS-BDに超音波穿刺針1を使用する場合、超音波内視鏡の視野下で胃から胆管に向けて超音波穿刺針1を刺す。超音波穿刺針1は、外周面に設けられた反射溝40により、超音波内視鏡の視野下で良好に視認できる。超音波穿刺針1の側方視形状は、上述したように一般的なランセットポイントの注射針と概ね同様であり、特許文献1に記載の筒状針のような角部を有さないため、引っ掛かり等を生じにくく、胆管等の生体組織にスムーズに刺入できる。
続いて、超音波穿刺針1内にガイドワイヤを通す。先端開口1aから出たガイドワイヤが後方側に曲がると、ガイドワイヤと先端側端面21の内縁とが接触する可能性がある。
しかし、超音波穿刺針1は、溝31が形成されることにより先端側端面21の内縁が形成する鋭いエッジがなくなり、代わりに長手軸X1と直角をなす内面31aが形成されている。したがって、先端開口1aから出たガイドワイヤGWが図4に示すように長手軸X1と角度をなすように曲がっても、ガイドワイヤGWの損傷や引っ掛かり等が生じない。その結果、円滑に胆管内にガイドワイヤを留置し、その後の手技を行うことができる。
しかし、超音波穿刺針1は、溝31が形成されることにより先端側端面21の内縁が形成する鋭いエッジがなくなり、代わりに長手軸X1と直角をなす内面31aが形成されている。したがって、先端開口1aから出たガイドワイヤGWが図4に示すように長手軸X1と角度をなすように曲がっても、ガイドワイヤGWの損傷や引っ掛かり等が生じない。その結果、円滑に胆管内にガイドワイヤを留置し、その後の手技を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の超音波穿刺針1は、組織への刺入のしやすさと、ガイドワイヤGWの引っ掛かり等の防止とが両立されており、EUS-BDをはじめとしたガイドワイヤの留置を伴う各種手技に好適に使用できる。
超音波穿刺針1の組織への刺入のしやすさには、溝31が先端側端面21を分断していないことが大きく寄与している。すなわち、先端側端面21が分断されていないことにより、先端開口1aの後端部において、先端側端面21と超音波穿刺針1の外周面とが接する稜線が保持されるため、先端側端面21から外周面への角度変化が緩やかになる。その結果、先端側端面21より後ろの部分が組織に刺入される際も、引っ掛かりや抵抗を生じにくく、円滑に組織内に進入する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明に係る穿刺針を備える内視鏡用処置具を作製する場合、操作部やシース等の、穿刺針以外の具体的構成は、公知の構造を用いつつ適宜決定できる。穿刺針は、手元まで延びる針管であってもよいし、穿刺針に別のチューブを接続し、このチューブを手元側まで延ばしてもよい。
また、溝31の幅は、使用するガイドワイヤの直径以上であることが好ましい。このようにすると、ガイドワイヤが曲がった際に溝31内に進入できるため、引っ掛かり等を抑制しつつ、ガイドワイヤの姿勢を安定させることができる。本発明に係る穿刺針を備える内視鏡用処置具と、溝の幅以下の直径を有するガイドワイヤとをセットにし、超音波内視鏡と組み合わせて使用可能なガイドワイヤ留置システムを構成してもよい。
さらに、図5に示す変形例のように、溝の内面31aが後端部31bにおいて長手軸X1と前側でなす角θが鋭角となるようにしてもよい。このようにすると、内面31aと穿刺針との内周面との境界に形成される角部32が鈍角となり、さらにガイドワイヤGWの引っ掛かり等を抑えることができる。このような内面を有する溝は、例えば長手軸X1に対するエンドミルの姿勢を変更することにより簡便に形成できる。
本発明に係る穿刺針の技術思想は、超音波内視鏡と組み合わせて使用するものに限られず、ガイドワイヤを通して使用する穿刺針に広く適用することができる。
本発明の技術的範囲は、上述したように先端側端面に加工により溝を形成したものには限定されない。例えば、金属射出成型(metal injection mold)や鋳造等の技術により、先端側端面および溝が同時に形成されたようなものであっても、特許請求の範囲に記載された特定事項を充足する限り、本発明の技術的範囲に属する。
1 超音波穿刺針(穿刺針)
1a 先端開口
11 第一刃面
12 第二刃面
21 先端側端面
31 溝
31a (溝の)内面
31b (溝内面の)後端部
40 反射溝
GW ガイドワイヤ
X1 長手軸
1a 先端開口
11 第一刃面
12 第二刃面
21 先端側端面
31 溝
31a (溝の)内面
31b (溝内面の)後端部
40 反射溝
GW ガイドワイヤ
X1 長手軸
Claims (5)
- 長手軸に対して斜めに形成された先端開口を有する中空の穿刺針であって、
前記先端開口の前部に形成された第一刃面および第二刃面と、
前記先端開口の後部に連続して形成された先端側端面と、
を備え、
前記穿刺針の壁面を貫通し、前記長手軸と平行に延びる溝が、前記先端側端面の範囲内に形成されている、
穿刺針。 - 前記先端側端面は、前記第一刃面の後端から前記第二刃面の後端まで連続している、
請求項1に記載の穿刺針。 - 前記溝の後端部が円弧状である、
請求項1または2に記載の穿刺針。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の穿刺針を備える、
内視鏡用処置具。 - 請求項4に記載の内視鏡用処置具と、
前記溝の幅以下の直径を有するガイドワイヤと、
を備える、
ガイドワイヤ留置システム。
Priority Applications (1)
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JP2021061758A JP2022157498A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 穿刺針、内視鏡用処置具、およびガイドワイヤ留置システム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021061758A JP2022157498A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 穿刺針、内視鏡用処置具、およびガイドワイヤ留置システム |
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JP2021061758A Pending JP2022157498A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 穿刺針、内視鏡用処置具、およびガイドワイヤ留置システム |
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2021
- 2021-03-31 JP JP2021061758A patent/JP2022157498A/ja active Pending
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