JP2022157093A - 塗料組成物、塗装方法および塗装体 - Google Patents

塗料組成物、塗装方法および塗装体 Download PDF

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智子 山下
Tomoko Yamashita
仁克 池谷
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Abstract

【課題】初期の乾燥性に優れ、屋外での使用に耐えられる耐候性を備えた塗膜を形成可能な水性塗料組成物を提供する。【解決手段】(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂、(B)顔料、および(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤を含有する水性塗料組成物であって、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂が、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂を含み、前記水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の40~98質量%が、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂であることを特徴とする、水性塗料組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、塗装方法および塗装体に関し、特には、初期の乾燥性に優れ、屋外での使用に耐えられる耐候性を備えた塗膜を形成可能な水性塗料組成物に関するものである。
油圧ショベルやブルドーザー、ホイールローダ等の建設機械や産業用機械は、被塗物の熱容量が大きく、大型な上、プラスチックやゴムが組み込まれていて加熱乾燥できないことから、常温乾燥の塗料で塗装することが求められている。特に近年では、環境に適した水性塗料の需要が大きいことから、特許文献1~3に示されるような技術が検討されている。
特開2010-090323号公報(特許文献1)は、水性脂肪酸変性アクリル樹脂と水性脂肪酸変性エポキシ樹脂、金属ドライヤーを含有する1液型水性塗料に関する発明を記載する。特許文献1には、樹脂とドライヤーの選択によって、塗料安定性、仕上り性、塗膜硬度、光沢、耐水性、防食性及び耐候性に優れる、建設機械や産業機械の塗装に適した1液型水性塗料が得られることが記載されている。
特開2020-111693号公報(特許文献2)は、アクリル樹脂ディスパージョンとアクリル樹脂エマルションを特定の割合の範囲で含むとともに、硬化剤として水分散性ポリイソシアネートを用いる、2液型水性塗料に関する発明を記載する。特許文献2には、塗装作業性及び仕上り外観が良好で、常温での塗装にも適した水性塗料組成物が得られることが記載されている。
特開2013-112782号公報(特許文献3)は、ヒドラジン構造を有するポリウレタンとアクリル系ポリマーを含むポリマーエマルジョンと、ポリウレタンディスパージョン、および超微粒子ナノエマルジョンを含む、1液常温架橋型水性被覆組成物に関する発明を記載する。特許文献3には、防水工法や、金属への塗装の他、幅広い用途で使用可能な1液常温架橋型水性被覆組成物が得られることを記載している。
特開2010-090323号公報 特開2020-111693号公報 特開2013-112782号公報
特許文献1~3はいずれも常温乾燥で耐候性にも優れる塗膜が得られる水性塗料の発明を記載するものの、特許文献1~3に記載される発明であっても、塗装直後の塗膜形成に関しては改善の余地があった。建設機械は屋外で塗装されることが多く、塗膜が十分に乾燥しきらない状態で雨が降った場合には、乾燥過程の塗膜表面に雨粒が落下し、雨が塗膜内に浸透して膨れたり、塗膜表面に水滴痕を生じたりするため、好ましくない。水性塗料は溶剤系塗料に比べて塗膜が乾燥しにくく、特に近年は天候が不安定なことが多いことから、急な降雨の際にも塗膜の不具合を生じない、塗装直後の乾燥性に優れる水性塗料が求められていた。
そこで、本発明は、初期の乾燥性に優れ、屋外での使用に耐えられる耐候性を備えた塗膜を形成可能な水性塗料組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、かかる水性塗料組成物を用いた塗装方法および塗装体を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、まず、水に濡れにくい樹脂を選択することを着想した。雨水が塗膜表面に落下した際に、水の接触面積が少ない程、塗膜内に水が侵入しにくくなり、水滴痕の原因になりにくいと考えたからである。検討の結果、樹脂がアクリル成分を含むことで水に濡れにくくなることを確認した。本発明者らは次に、初期の乾燥性を向上させる検討を行った。その結果、常温環境下における伸縮性に優れるアクリル樹脂で連続膜を形成することで、耐水性に優れる塗膜が得られ、常温環境下における伸縮性に優れるアクリル樹脂を水分散性の樹脂とすることで、水が揮発した後に分散状態にあった樹脂粒子が互いに融着して連続膜を形成し、塗装後、耐水性を発現するまでに必要な乾燥時間を少なく出来ることを見出した。またさらに、沸点150℃~260℃の成膜助剤を配合し、好ましくは樹脂への相溶性に優れる成膜助剤を用いることで、水分散性樹脂の乾燥性と成膜性をより一層向上させ、初期の乾燥性と屋外での使用に耐えられる耐候性を備えた塗膜が得られることを確認した。したがって、本発明者らは、初期の乾燥性に優れ、屋外での使用に耐えられる耐候性を備えた塗膜を形成可能な水性塗料組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の第1の態様は、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂、
(B)顔料、および
(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤を含有する水性塗料組成物であって、
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂が、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂を含み、前記水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の40~98質量%が、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂であることを特徴とする、水性塗料組成物である。
本発明の水性塗料組成物の好適例においては、前記(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂が、SP値9.5未満の単量体を構成要素として含む。
本発明の水性塗料組成物の他の好適例においては、粒子間架橋形成成分を含む。
本発明の水性塗料組成物の他の好適例においては、(D)水性ウレタン樹脂をさらに含む。
本発明の第2の態様は、上記の水性塗料組成物を塗装する塗装方法であって、塗装する際の温度が5℃~40℃の範囲内であることを特徴とする、塗装方法である。
本発明の第3の態様は、上記の水性塗料組成物を、金属基材上、旧塗膜を有する金属基材上および下塗り膜を有する金属基材上のいずれかに塗装して得られる、塗装体である。
本発明の第1の態様によれば、初期の乾燥性に優れ、屋外での使用に耐えられる耐候性を備えた塗膜を形成可能な水性塗料組成物を提供することができる。また、本発明の第2および第3の態様によれば、かかる水性塗料組成物を用いた塗装方法および塗装体を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の1つの態様は、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂、(B)顔料、および(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤を含有する水性塗料組成物である。本明細書においては、この水性塗料組成物を「本発明の塗料組成物」とも称する。
本明細書において「水性塗料組成物」とは、主溶媒として水を含有する塗料組成物である。ここで、塗料組成物に用いる水は、特に制限されるものではないが、地下水、水道水、イオン交換水や蒸留水等の純水等が好適に挙げられる。また、塗料組成物を長期保存する場合には、カビやバクテリアの発生を防止するため、紫外線照射等により滅菌処理した水を用いてもよい。本発明の塗料組成物中において、水の量は、20~60質量%であることが好ましく、30~50質量%であることがより好ましい。
本明細書において「水分散性樹脂」とは、水中に分布して不均質な系(例えば乳濁液又は懸濁液)を形成することが可能な樹脂である。本発明の塗料組成物は、主溶媒として水を含有することから、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、本発明の塗料組成物中に分散していることが好ましい。
本明細書において「アクリル成分」とは、アクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル、アミドおよびニトリル等)を指す。ここで、樹脂がアクリル成分を含有するとは、樹脂がその構成要素(繰り返し単位等)としてアクリル成分を含有することを意味する。
アクリル成分としては、アクリル酸やメタクリル酸の他、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、メチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n-アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体や、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、2-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の官能基含有モノマー等が挙げられる。また、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド等のアミド系モノマー;γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、及びγ-(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有単量体等もアクリル成分に含まれる。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、その構成要素としてアクリル成分を含むことで、耐水性に優れる塗膜が得られるとともに、塗膜表面の水の接触角が高くなり、塗膜内への水の侵入機会を削減することが出来る。これによって、塗膜の初期乾燥性を向上させることができる。本明細書では「(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂」を「水分散性樹脂(A)」とも称する。
アクリル成分の割合は、水分散性樹脂(A)中40質量%以上であることが好ましく、水分散性樹脂(A)中50質量%以上であることが更に好ましい。また、アクリル成分は、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の40質量%以上を構成することが好ましく、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の50質量%以上を構成することが更に好ましい。アクリル成分は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、塗膜形成成分とは、水、有機溶剤、成膜助剤等の揮発する成分を除いた成分を指し、最終的に塗膜を形成することになる成分である。本明細書においては、塗料組成物を130℃で60分間乾燥させた際に残存する成分を塗膜形成成分として取り扱う。本発明の塗料組成物中において、塗膜形成成分の量は、例えば20~80質量%であり、好ましくは30~70質量%であり、特に好ましくは35~60質量%である。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、SP値9.5未満の単量体を構成要素として含むことが好ましい。SP値9.5未満の単量体を含むことで、塗膜の耐水性を更に向上できる。このような単量体のSP値は8.50~9.48がより好ましい。SP値9.5未満の単量体は、アクリル成分であることが好ましく、例えば、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。
SP値9.5未満の単量体の割合は、水分散性樹脂(A)中30質量%以上であることが好ましく、水分散性樹脂(A)中40質量%以上であることが更に好ましい。また、SP値9.5未満の単量体は、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の10質量%以上を構成することが好ましく、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の20質量%以上を構成することが更に好ましい。SP値9.5未満の単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
SP値(溶解パラメータ)とは、相溶性を判断する際の目安となるもので、種々の計算方法や実測方法があるが、本明細書において、単量体のSP値は、構造に基づいてHoy法によって算出された溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味する。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、SP値が8.5~12.0であることが好ましく、8.5~11.5であることが更に好ましい。本明細書において、樹脂のSP値は、Hoyの提唱した蒸気圧法によるSP値を用いて求めた分子引力定数を使用し、文献〔K. L. Hoy, J. Paint Technology, 42, [541], 76(1970)〕に記載された方法に準拠して計算した値を意味する。
具体的には、SP値は、δ=(dΣG)/Mで表され、dはポリマーの密度、Mはポリマーの基本構造単位の分子量、ΣGは該基本構造単位中に存在する原子(団)に対応する分子引力定数Gの総和である。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、ガラス転移温度が、0~25℃となる成分を含むことが好ましく、4~23℃となる成分を含むことが更に好ましい。また、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、2点以上のガラス転移点を有する水分散性樹脂であっても良く、異なるガラス転移点を有する2種類以上の水分散性樹脂のブレンドであっても良い。
本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、次のFOX式を用いて計算されるものをいう。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wi/Tgi+・・・+Wn/Tgn
FOX式において、Tgは、n種類のモノマーからなるポリマーのガラス転移温度(K)であり、Tg(1、2、i、n)は、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)であり、W(1、2、i、n)は、各モノマーの質量分率であり、W1+W2+・・・+Wi+・・・+Wn=1である。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、重量平均分子量が20万以上であることが好ましく、30万以上であることが更に好ましい。本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、常温で乾燥させる観点から、最低造膜温度(MFT)が、0℃~30℃の範囲内であることが好ましく、1℃~25℃の範囲内であることが更に好ましく、2℃~23℃の範囲内であることが特に好ましい。水分散性樹脂(A)のMFTが高すぎると、成膜助剤の量が多くなり、塗膜が乾きにくくなるため、水分散性樹脂(A)のMFTは上記特定した範囲が好ましい。本明細書において、水分散性樹脂の最低造膜温度とは、水分散性樹脂の分散体を乾燥させたとき、き裂のない均一な塗膜が形成される最低温度であり、JIS K 6828-2:2003に準拠して測定される。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂には、アクリル樹脂の他、アクリルスチレン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ふっ素変性アクリル樹脂、脂肪酸変性アクリル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂等の各種変性樹脂も含まれる。また、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、内部架橋構造や粒子間架橋構造等の架橋構造を有していてもよい。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂の量は、本発明の塗料組成物中20~60質量%であることが好ましく、25~50質量%であることが更に好ましい。また、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の15質量%以上を構成することが好ましく、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の20質量%以上を構成することが更に好ましい。(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、アクリル成分の重合、該アクリル成分と非アクリル成分の重合などにより得ることができる。また、これらの重合により得られるポリマーに対して変性反応を行うことで、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂を調製してもよい。
非アクリル成分としては、スチレンの他、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、ビニルバーサチック酸等のカルボキシル基含有単量体;メチルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル系モノマー;マレイン酸アミド等のアミド系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有単量体;ジアルキルフマレート、アリルアルコール、ビニルピリジン、ブタジエン等が挙げられる。
(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、構成要素の組成が異なる複数の相を有する樹脂であってもよい。本明細書では「構成要素の組成が異なる複数の相を有する樹脂」を「異相構造を有する樹脂」や「複層構造を有する樹脂」とも称する。ここで「異相構造を有する樹脂」とは、分散性樹脂の中に単量体形成構造の異なる2以上の組成の異なる部位がドメイン状あるいは層状に存在する、一様ではない樹脂を表しており、この「異相構造を有する樹脂」のうちコアとシェルのような複層構造を有する樹脂を「複層構造を有する樹脂」と称する。
異相構造を有する樹脂は、例えば、多段乳化重合法によって得ることができる。
異相構造を有する樹脂の製造に採用できる多段乳化重合法としては、アクリル成分や非アクリル成分から選択されるエチレン性不飽和単量体を含有する水性乳濁液を形成し、従来から公知の乳化重合法を2段階以上、通常は2~5段階繰り返し実施して、形成されるエチレン性不飽和単量体の乳化共重合体が異相構造からなる粒子を形成させる多段乳化重合法がある。
多段乳化重合法の代表例として、エチレン性不飽和単量体を含有する水性乳濁液中に乳化剤および重合開始剤、更に必要に応じて連鎖移動剤や、乳化安定剤等を存在させ、通常60~90℃の加温下で乳化重合し、この工程を複数回繰り返して実施する多段乳化重合法を挙げることができる。
異相構造を有する樹脂粒子の最外相より内側にある少なくとも一相を形成する重合体が内部架橋構造を有していることが好ましい。該内部架橋構造を有する重合体は、エチレン性不飽和単量体の一部としてジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する単量体を使用して乳化重合させる方法;乳化重合反応時の温度で相互に反応する官能基を持つ単量体の組合せ、例えば、カルボキシル基とグリシジル基や、水酸基とイソシアネート基等の組合せの官能基を持つエチレン性不飽和単量体を選択含有させた単量体混合物を使用して乳化重合させる方法;加水分解縮合反応の生じる(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランや、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシリル基含有エチレン性不飽和単量体を含有させた単量体混合物を使用して乳化重合させる方法等の方法により製造することができる。
粒子間架橋構造を形成する場合、異相構造を有する樹脂粒子の最外相は、カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体からなるモノマー単位を、好ましくは全エチレン性不飽和単量体からなるモノマー単位の1~25質量%の量で、含有する重合体と、分子内にヒドラジド基を2個以上有する化合物との反応物であることが好ましい。このカルボニル基を有する重合体は、カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体とを乳化重合させることにより製造することができる。
カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート-アセチルアセテート及びブタンジオール-1,4-アクリレート-アセチルアクリレート、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン等を挙げることができる。これらの中でも、特にアクロレインや、ジアセトンアクリルアミド、及びビニルエチルケトンが好ましい。
カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体からなるモノマー単位は、異相構造を有する樹脂粒子の最外相を形成する全エチレン性不飽和単量体からなるモノマー単位の1~25質量%、好ましくは2~20質量%を占めることが望ましい。なお、1質量%未満となる場合には粒子間の架橋が不十分となる傾向があり、一方、25質量%を超える場合には耐水性等が悪くなる傾向がある。
また、分子内にヒドラジド基を2個以上含有する化合物として、例えば、カルボヒドラジドや、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリヒドラジド、チオカルボジヒドラジド等を挙げることができる。これらの中でも、エマルションへの分散性や耐水性などのバランスからカルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが好ましい。
異相構造を有する樹脂粒子の最外相について、カルボニル基を有する重合体とヒドラジド基含有化合物とを反応させる場合に配合するヒドラジド基含有化合物の量は、カルボニル基を有する重合体中のカルボニル基1当量に対し、0.1~2.0当量、好ましくは0.3~1.2当量のヒドラジド基となるような量であることが適当である。ヒドラジド基含有化合物の量が上記の範囲より少ないと、異相構造を有する樹脂粒子中のカルボニル基との反応が不十分となり、塗膜硬度がさほど向上しない。一方、過剰になると、未反応のヒドラジド基含有化合物が残留し、耐水性等が悪くなる傾向がある。
異相構造を有する樹脂粒子の形成に使用できる乳化剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、更には、スルホン酸基または硫酸エステル基と重合性の炭素-炭素不飽和二重結合を分子中に有する、いわゆる反応性乳化剤等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、またはこれらの化合物の骨格と重合性の炭素-炭素不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物においては、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂が反応性乳化剤を構成要素として含むことがより好ましい。(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂を構成する反応性乳化剤としては、分子中にビニル基等の重合性の不飽和結合を有する乳化剤が挙げられる。こうした反応性乳化剤は、乳化機能を有するだけでなく、分子中にビニル基等の重合性の不飽和結合、及び、親水性基を持つ重合性単量体でもある。通常の乳化剤が生成粒子表面に吸着するだけであるのに対し、反応性乳化剤は、重合過程において、全てではないが、共重合体の一成分として共重合体に組み込まれることがあるため、塗膜形成後、例えば水蒸気などの外的な要因によって乳化剤が重合体から遊離しない、あるいは、遊離しにくいといった特徴を有する。このような乳化剤としては、1分子中の平均付加モル数が合計で、好ましくは5モル以上20モル以下、より好ましくは5~15モルのエチレンオキシド鎖および/またはプロピレンオキシド鎖を有する反応性アニオン乳化剤を使用することが好ましい。反応性アニオン乳化剤としては、例えばアルキルエーテル型(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のアクアロンKH-05、KH-10、株式会社ADEKA製のアデカリアソープSR-10、SR-1025、SR-20、R-3025、花王株式会社製のラテムルPD-104など)、スルフォコハク酸エステル型(市販品としては、例えば、花王株式会社製のラテムルS-120、S-120A、S-180P、S-180A、三洋化成株式会社製のエレミノールJS-20など)、アルキルフェニルエーテル型もしくはアルキルフェニルエステル型(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のアクアロンHS-10、HS-1025、AR-10、AR-1025、AR-20、AR-2020、BC-10、BC-1025、BC-20、BC-2020、株式会社ADEKA製のアデカリアソープSE-10N、SE-1025Aなど)、(メタ)アクリレート硫酸エステル型(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製のアントックスMS-60、SAD、MS-2N、三洋化成工業株式会社製のエレミノールRS-3000など)、リン酸エステル型(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のH-3330PL、株式会社ADEKA製のアデカリアソープPP-70など)などが挙げられる。
乳化剤としては、1分子中の平均付加モル数が合計で、好ましくは15モル以上、より好ましくは20~50モルのエチレンオキシド鎖および/またはプロピレンオキシド鎖を有する反応性ノニオン乳化剤を使用することもできる。なお、反応性ノニオン乳化剤とは、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な重合性不飽和基並びに親水基及び疎水基を有する化合物である。
上記の要件を満足する反応性ノニオン乳化剤の市販品としては、例えば、「アデカリアソープ NE-20」、「アデカリアソープ NE-30」、「アデカリアソープ NE-40」〔以上、旭電化工業(株)製〕や、「アクアロン RN-20」、「アクアロン RN-30」、「アクアロン RN-50」〔以上、第一工業製薬(株)製〕等がある。
上記の要件を満足する反応性ノニオン乳化剤を使用することにより、被塗装基材の粉末が塗料中に混入されても塗料が増粘したりすることがなく、安定性を保持することが可能となり、また、反応性ノニオン乳化剤が重合体骨格に組み込まれ、塗膜中に均一に分布するので耐水性等に優れた塗膜を形成することができるようになる。そのためには、反応性ノニオン乳化剤の配合量は、エチレン性不飽和単量体100質量部当たり好ましくは0.5~20質量部、より好ましくは2~15質量部である。なお、反応性ノニオン乳化剤の配合量が0.5質量部未満であると塗料組成物の安定性が低下する場合があり、20質量部を超えると塗膜の耐水性等が低下する場合がある。
異相構造を有する樹脂粒子の形成において、重合開始剤としては、従来からラジカル重合に一般的に使用されているものが使用可能であり、中でも水溶性のものが好適である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類;2,2’-アゾビス(2-アミノジプロパン)ハイドロクロライドや、4,4’-アゾビス-シアノバレリックアシッド、2,2’-アゾビス(2-メチルブタンアミドオキシム)ジハイドロクロライドテトラハイドレートなどのアゾ系化合物;過酸化水素水、t-ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物などを挙げることができる。更に、L-アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤と、硫酸第一鉄などとを組み合わせたレドックス系も使用できる。
異相構造を有する樹脂粒子の形成に使用できる連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン類、芳香族メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、これらの中でも、ラウリルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸-2-エチルヘキシル、2-メチル-t-ブチルチオフェノール、四臭化炭素、α-メチルスチレンダイマー等が好適である。これらを適宜使用することによって、塗膜の光沢や、成膜性、不粘着性を制御することができる。
異相構造を有する樹脂粒子の形成に使用できる乳化安定剤としては、ポリビニルアルコールや、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
また、乳化重合法として、単量体を一括して仕込む単量体一括仕込み法や、単量体を連続的に滴下する単量体滴下法、単量体と水と乳化剤とを予め混合乳化しておき、これを滴下するプレエマルション法、あるいは、これらを組み合わせる方法等を挙げることができる。その他、乳化重合法以外にも、シード重合、懸濁重合、分散重合、ミニエマルション重合、マイクロエマルジョン重合、沈殿重合等の各種重合方法を用いることもできる。
本発明の塗料組成物において(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂は、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂を含む。本明細書では「(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂」を「水分散性樹脂(A1)」とも称する。
本発明の塗料組成物は、水分散性樹脂(A)を用いることで、樹脂の分子量を高くすることが出来、水が揮発した後、直ちに耐水性に優れる連続膜を形成することが出来る。さらに、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂のような樹脂単独での伸び率が高い樹脂を用いることで、弾性力に優れた連続膜の形成が可能になり、初期の耐水性に優れるとともに、耐久性にも優れる塗膜を得ることが出来る。このように、本発明の塗料組成物は、塗装後、耐水性が発現するまでに必要な乾燥時間を短くすることができることから、初期の乾燥性に優れる塗料組成物であるといえる。
水分散性樹脂(A1)の23℃における破断伸度は、初期の耐水性を向上させる観点から85%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、耐候性等の塗膜の耐久性を確保する観点から、水分散性樹脂(A1)の23℃における破断伸度は、300%未満であることが好ましく、270%未満であることが更に好ましい。樹脂の伸び率(破断伸度)は、用いる単量体の種類や配合量、Tgや架橋密度、粒子構造によって適宜調整できるが、伸び率(破断伸度)を大きくする場合、アルキル基、特に分岐アルキル基を有するアクリル単量体を用いることが好ましい。
本明細書において、水分散性樹脂の破断伸度は、水分散性樹脂から泡を含まない状態で成膜乾燥させた塗膜を形成し、かかる塗膜に対して23℃、50mm/minの条件で引張試験を行い、測定される値である。
本発明の塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の40~98質量%は、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂であることが好ましい。塗膜形成成分における水分散性樹脂(A1)の割合を40質量%以上とすることで、塗装後、水が揮発した直後での塗膜の耐水性の確保が可能になる。塗膜形成成分中の水分散性樹脂(A1)の量は、45~97質量%であることが好ましく、50~95質量%であることが更に好ましい。本発明の塗料組成物は、塗膜形成成分が水分散性樹脂(A1)を40質量%以上含有することで、弾性力に優れた塗膜を形成できることから、水分散性樹脂(A1)以外に、より硬質な樹脂や顔料、アクリル成分を含有しない樹脂成分を含むことが出来る。
(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂の量は、本発明の塗料組成物中30~85質量%であることが好ましく、40~80質量%であることが更に好ましい。また、水分散性樹脂(A1)の量は、水分散性樹脂(A)中50~100質量%であることが好ましく、60~99質量%であることが更に好ましい。(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂は、最低造膜温度(MFT)が、0℃~20℃の範囲内であることが好ましく、1℃~19℃の範囲内であることが更に好ましく、2℃~18℃の範囲内であることが特に好ましい。水分散性樹脂(A1)のMFTが0℃未満である場合は、塗膜硬度が低下することから、顔料量の増加や硬質樹脂の添加、架橋密度の増加等によって塗膜硬度を確保する必要が生じ得るが、顔料量が多くなると塗膜の艶が低下するため、好ましくない。また、硬質樹脂量や架橋密度を過度に上げた場合は、塗膜の初期乾燥性が低下し得るため、好ましくない。水分散性樹脂(A1)のMFTを20℃以下とすることで、少ない成膜助剤量での塗膜形成が可能になり、初期の乾燥性が向上するため、水滴痕の問題を生じにくくなる。
(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂は、MFTが上記特定した範囲を満たすため、ガラス転移温度(Tg)が0~23℃の範囲内であることが好ましい。また、水分散性樹脂(A1)が異相構造を有する樹脂や複層構造を有する樹脂である場合、水分散性樹脂(A1)の最も外側にある相(最表層)のガラス転移温度(Tg)が-10℃~20℃の範囲内であることが好ましい。水分散性樹脂(A1)がこの範囲内のガラス転移点を有することで、MFTを0℃~20℃の範囲内とすることが容易になり、塗膜の初期乾燥性が向上する。樹脂のガラス転移温度は、使用するモノマーの種類や組み合わせ、反応工程によって適宜調整することが出来る。
(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂は、重量平均分子量が20万以上であることが好ましく、30万以上であることが更に好ましい。
本明細書において、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂の説明において記載した内容(例えば、アクリル成分、SP値9.5未満の単量体など)については、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂にも当てはまることである。一方、水分散性樹脂(A)がある好ましい特徴を有する本発明の実施形態において、その好ましい特徴は、水分散性樹脂(A1)が備えていてもよいし、それ以外の水分散性樹脂(A2)が備えていてもよい。例えば、水分散性樹脂(A)が水分散性樹脂(A1)とそれ以外の水分散性樹脂(A2)を含む本発明の実施形態において、水分散性樹脂(A)がSP値9.5未満の単量体を構成要素として含む場合、そのときのSP値9.5未満の単量体は、水分散性樹脂(A1)の構成要素であってもよいし、水分散性樹脂(A2)の構成要素であってもよいし、水分散性樹脂(A1)と水分散性樹脂(A2)の両方の構成要素であってもよい。
(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂は、SP値8.70~9.30の単量体を構成要素として含むことが好ましい。このような単量体としては、ブチルメタクリレート(9.27)、t-ブチルメタクリレート(8.75)、イソブチルメタクリレート(9.05)、ステアリルメタクリレート(8.98)、ラウリルメタクリレート(9.04)、2-エチルヘキシルメタクリレート(8.97)、2-エチルヘキシルアクリレート(9.20)等が挙げられる。ここで、括弧内の数値はSP値である。水分散性樹脂(A1)は、共重合性の観点から、2-エチルへキシルアクリレートを含むことがさらに好ましい。水分散性樹脂(A1)中におけるSP値8.70~9.30の単量体の量は、好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、最も好ましくは45質量%以上である。
(B)顔料は、基材の保護が可能になるとともに、基材に意匠を付与することが出来る。(B)顔料としては、特に制限されるものではなく、防錆顔料、体質顔料、着色顔料、光輝顔料等の、塗料業界において通常使用されている顔料が使用できる。また、塗装体が屋外で使用され得ることを考慮すると、(B)顔料として無機顔料を用いることが好ましい。また、金属基材、特には鉄基材に塗装され得ることを考慮すると、(B)顔料として防錆顔料等を配合することもできる。(B)顔料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
防錆顔料としては、例えば、亜鉛粉末、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウム、珪酸カルシウム、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、バナジン酸/リン酸混合顔料等が挙げられ、リン酸亜鉛が特に好適である。本発明の塗料組成物中において、防錆顔料の量は、例えば1~8質量%である。
体質顔料としては、例えば、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。本発明の塗料組成物中において、体質顔料の量は、例えば1~40質量%である。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、黄鉛、モリブデートオレンジ、群青、紺青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ナフトールレッド、ベンズイミダゾロンイエロー、ハンザイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。本発明の塗料組成物中において、着色顔料の量は、例えば1~30質量%である。
本発明の塗料組成物は、顔料体積濃度(PVC)が1~35%の範囲内であることが好ましく、2~25%の範囲内であることが更に好ましい。本明細書において、顔料体積濃度(PVC:Pigment Volume Concentration)は、塗料組成物中の塗膜形成成分全体の容積の中で、顔料全体の容積が占める割合であり、塗膜形成成分を構成する各成分の組成および比重から計算により求めることができる。
本発明の塗料組成物は、成膜助剤を含む。成膜助剤は、一般に、成膜性の付与を目的として配合される有機溶剤であり、塗膜形成成分に該当しない。成膜助剤は、樹脂を柔らかくし、成膜性を向上させる効果を有する。本発明の塗料組成物によれば、(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤を含有することで、樹脂の乾燥、融着が促進され、乾燥性が向上するとともに、成膜性が向上し、耐候性等の塗膜性能が向上する。本明細書では「(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤」を「成膜助剤(C)」とも称する。
成膜助剤(C)の沸点は、150℃~260℃の範囲内であり、160~260℃の範囲内であることが好ましく、170~255℃の範囲内であることが更に好ましい。本明細書において沸点は1気圧での沸点を指す。成膜助剤(C)の沸点が260℃を超えると、成膜助剤が揮発しにくくなり、塗膜内に残存することによって、十分な乾燥性が得られないため、好ましくない。
成膜助剤(C)は、成膜性、乾燥性の面から、(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂のSP値に近いSP値を有することが好ましく、成膜助剤(C)のSP値は、8.5~12.0の範囲内であることが好ましく、9.0~11.5の範囲内であることが更に好ましい。本明細書において、成膜助剤のSP値は、Hoyの提唱した蒸気圧法によるSP値を用いて求めた分子引力定数を使用し、文献〔K. L. Hoy, J. Paint Technology, 42, [541], 76(1970)〕に記載された方法に準拠して計算した値を意味する。
成膜助剤(C)としては、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノiso-ブチルエーテル、エチレングリコールモノtert-ブチルエーテル)、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノiso-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノtert-ブチルエーテル)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。成膜助剤(C)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤の量は、本発明の塗料組成物中5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3.5質量%以下であることが更に好ましい。成膜助剤(C)の量が多すぎると、塗膜の初期乾燥性が悪くなり、水滴痕の問題が生じやすくなる。また、(C)沸点150℃~260℃の成膜助剤の量は、本発明の塗料組成物中1.0質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることが更に好ましく、1.8質量%以上であることが特に好ましい。成膜助剤(C)の量が少なすぎると、成膜性が悪くなるため、塗膜物性が悪くなりやすくなるとともに、樹脂の軟化点を下げる必要が生じ、塗膜にタックが生じやすくなる。
本発明の塗料組成物は、粒子間架橋形成成分を含むことが好ましい。粒子間架橋形成成分は、樹脂粒子間に架橋を形成する成分である。粒子間架橋形成成分を用いることで、分散樹脂同士を架橋し、粒子間架橋を形成することができ、これによって、塗膜の耐水性を向上させるとともに、塗膜硬度を高めることができる。また、本発明の塗料組成物は、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂のような弾性力に優れる水分散性樹脂を含むものであるが、粒子間架橋を形成することで、塗膜に強靭性を付与することができる。
粒子間架橋を形成するためには、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基等の官能基を有する樹脂構成要素(モノマー)と架橋剤(硬化剤やシランカップリング剤等が使用される場合もある)の組み合わせを架橋形成成分として用いる方法等が挙げられる。このため、粒子間架橋形成成分は、樹脂の構成要素と架橋剤の組み合わせであることが多い。
粒子間架橋に使用できるカルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル等が挙げられ、カルボニル基含有モノマーとしては、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート-アセチルアセテート、ブタンジオール-1,4-アクリレート-アセチルアクリレート、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン等が挙げられ、水酸基含有モノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。これらモノマーを用いることで、樹脂中にカルボキシル基、カルボニル基、水酸基等の官能基を有する構成要素を導入することができる。このような粒子間架橋形成成分は、水分散性樹脂(A1)の構成要素として含まれていてもよいし、水分散性樹脂(A1)以外の他の樹脂の構成要素として含まれていてもよい。
また、樹脂中のカルボキシル基との反応による粒子間架橋に使用できる架橋剤としては、例えば、シランカップリング剤、特にエポキシ基含有シラン、オキサゾリン化合物、特にオキサゾリン基含有ポリマー、カルボジイミド硬化剤、エチレングリコールグリシジルエーテル、チタンキレート等の金属キレート等が挙げられ、樹脂中のカルボニル基との反応による粒子間架橋に使用できる架橋剤としては、例えば、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリヒドラジド、およびチオカルボジヒドラジド等のヒドラジド化合物が挙げられ、樹脂中の水酸基との反応による粒子間架橋に使用できる架橋剤としては、例えば、イソシアネート硬化剤、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等の金属アルコキシド、チタンキレート等の金属キレート等が挙げられる。
本発明の塗料組成物の実施形態として、粒子間架橋形成成分としてヒドラジド化合物、オキサゾリン、シランカップリング剤等を用いる場合は、通常、1液乾燥硬化型塗料であり、粒子間架橋形成成分としてイソシアネート硬化剤、カルボジイミド硬化剤等を用いる場合は、通常、2液反応硬化型塗料である。ポットライフ等の点で、1液硬化型塗料が好ましい。
本発明の塗料組成物の好ましい実施形態として、当該塗料組成物から形成される塗膜の架橋密度は、1.0×10-6~1.0×10-2(mol/cc)の範囲内にある。塗膜の架橋密度は、塗膜に形成される架橋構造の程度を示す指標であり、この値が高いと、塗膜に形成される架橋構造の割合が高くなる。
本明細書において、塗膜の架橋密度は、式n=E’/3RT(式中、nは、塗膜の架橋密度(mol/cc)であり、E’は、塗膜の周波数1Hzにおける平坦領域貯蔵弾性率(Pa)であり、Tは、塗膜の平坦領域貯蔵弾性率の絶対温度(K)であり、Rは、気体定数(8.31×10Pa・cc/mol・K)である。)から算出される。
塗膜の平坦領域貯蔵弾性率の測定方法の詳細は、以下のとおりである。
乾燥膜厚が40~100μmとなるようにアプリケーターを用いてポリプロピレン(PP)板へ塗料組成物を塗布し、23℃で24時間乾燥して、単離膜を得る。固体粘弾性測定装置(例えば、RSA-GII(TAインスツルメント社製))にて、上記単離膜について、以下の測定条件にて貯蔵弾性率を測定し、塗膜の平坦領域貯蔵弾性率を読み取る。
<測定条件>
温度範囲:-50℃~200℃
昇温速度:5℃/min
測定長さ:24.0mm
測定幅:8.0mm
周波数:1Hz
歪み:0.05%
本発明の塗料組成物は、(D)水性ウレタン樹脂をさらに含むことが好ましい。本明細書において「水性樹脂」とは、水分散性樹脂と、水中に溶解して均質な系を形成することが可能な樹脂(水溶性樹脂)とを含む概念である。(D)水性ウレタン樹脂を用いることで、塗膜の耐候性や艶外観をより向上させることができる。(D)水性ウレタン樹脂は、エマルションタイプ、ディスパージョンタイプ、溶解タイプのいずれでもよいが、水分散性樹脂(A1)が形成する連続膜の粒子間ポケットに入りやすく、連続膜に分散して効果を発揮可能な観点より、ディスパージョンタイプであることが最も好ましい。
(D)水性ウレタン樹脂は、水濡れ性に優れることから、その配合量が多すぎると初期の耐水性を向上させにくくなる場合がある。このため、(D)水性ウレタン樹脂の量は、本発明の塗料組成物中20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。また、(D)水性ウレタン樹脂の量は、効果を発現させるため、水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の0.5質量%以上を構成することが好ましく、1質量%を構成することが更に好ましい。(D)水性ウレタン樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塗料組成物には、その他の成分として、他の樹脂、有機溶剤、表面調整剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、増粘剤、沈降防止剤、皮張り防止剤、たれ防止剤、消泡剤、色分かれ防止剤、粘度調整剤、レオロジーコントロール剤、レベリング剤、消泡剤、乾燥剤、可塑剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、殺虫剤、抗ウイルス剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び導電性付与剤等を目的に応じて適宜配合することができる。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することによって調製できる。
本発明の塗料組成物は、せん断速度0.1(1/s)における粘度が1~1000(Pa・s、23℃)であり、せん断速度1000(1/s)における粘度が0.05~10(Pa・s、23℃)であることが好ましい。本明細書において、粘度は、レオメーター(例えば、TAインスツルメンツ社製レオメーターARES)を用い、液温を23℃に調整した後に測定される。
本発明の塗料組成物の塗装手段は、特に限定されず、既知の塗装手段、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、コテ塗装、ヘラ塗装、フローコーター塗装、スプレー塗装(例えばエアースプレー塗装、エアレススプレー塗装など)等が利用できる。
本発明の塗料組成物の乾燥手段は、特に限定されず、周囲温度での自然乾燥や乾燥機等を用いた強制乾燥のいずれであってもよい。本発明の塗料組成物は、常温乾燥型塗料組成物であることが好ましく、塗装時の温度が5℃~40℃の範囲内であることが好ましい。
本発明の塗料組成物により塗装される基材は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄鋼、亜鉛めっき鋼(例えばトタン板)、錫めっき鋼(例えばブリキ板)、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属又は合金を少なくとも一部に含む金属基材、木材等の木質基材、石膏、珪酸カルシウム、ガラス、セラミック、コンクリート、セメント、モルタル、スレート等の無機系基材、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン等のプラスチック基材が挙げられる。また、他にも、木繊維補強セメント板、繊維補強セメント板、繊維補強セメント・珪酸カルシウム板等の複合基材も例示できる。金属基材には、各種表面処理、例えば酸化処理が施された基材も含まれる。また、その表面が無機物で被覆されているようなプラスチック基材(例えば、ガラス質で被覆されたプラスチック基材)は、無機系基材に含まれる。なお、基材は、プライマー処理が施されていてもよいし、基材表面の少なくとも一部に旧塗膜(塗装を行う際に既に形成されている塗膜)が存在していてもよい。また、基材表面の少なくとも一部に下塗り膜が存在していてもよく、この場合、本発明の塗料組成物は上塗り塗料として適用できる。
本発明の塗料組成物は、金属基材、特には、条鋼、鋼板、鋼管等の鋼材や鉄塔、鉄柱、鉄扉、車両本体への塗装に適している。特定の断面形状に成形された鋼材は、形鋼とも呼ばれており、その断面形状に応じて、C形鋼、角形鋼、山形鋼等と称される。
被塗物の具体例としては、はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具、電気機械器具、輸送用機械器具等の各種機械器具、特に工事用車両、鉄道車両等の各種車両、建築物や構築物といった構造物およびそれらの部品等が挙げられる。金属基材を含む被塗物であることが好ましい。
本発明の別の態様は、本発明の水性塗料組成物を塗装する塗装方法である。本明細書では、この塗装方法を「本発明の塗装方法」とも称する。
水性塗料組成物、その塗装手段、乾燥手段および塗装対象等の、本発明の水性塗料組成物の説明において記載した内容については、本発明の塗装方法にも当てはまることである。特に、本発明の塗装方法の好ましい実施形態において、本発明の水性塗料組成物を塗装する際の温度は、5℃~40℃の範囲内である。
本発明の別の態様は、本発明の水性塗料組成物を基材上に塗装して得られる塗装体である。本明細書では、この塗装体を「本発明の塗装体」とも称する。
水性塗料組成物、その塗装手段、乾燥手段および塗装対象等の、本発明の水性塗料組成物の説明において記載した内容については、本発明の塗装体にも当てはまることである。
本発明の塗装体において、基材は、金属基材であることが好ましい。ここで、金属基材は、旧塗膜を有する金属基材や下塗り膜を有する金属基材であってもよい。
本発明の塗装体としては、例えば、はん用機械器具、生産用機械器具、業務用機械器具、電気機械器具、輸送用機械器具等の各種機械器具、特に工事用車両、鉄道車両等の各種車両、建築物や構築物といった構造物、およびそれらの部品等が挙げられる。本発明の塗装体は、屋外での使用を目的とする物であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。また、他に規定のない限り、「部」は「質量部」を意味する。
樹脂の製造例は、以下のとおりである。
< 樹脂1 >
攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下装置、及び窒素導入管を備えたフラスコ内に、イオン交換水260部、乳化剤(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))2部を仕込んだ。
滴下装置にイオン交換水240部、乳化剤(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))8部、2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)240部、メチルメタクリレート(MMA)240部、メタクリル酸(MAA)10部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの50部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5%水溶液30部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を180分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持し、25%アンモニア水をpHが8~9になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂1のエマルションを得た。
< 樹脂4~10、樹脂12~18>
モノマーの種類及び配合割合を表1及び表2に記載のようにした以外は樹脂1と同様にして、樹脂4~10、樹脂12~18のエマルションを得た。さらに、樹脂7では、樹脂1の製造例の乳化剤として用いたKH10の替わりに非反応型アニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンジスチリル化フェニルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬(株)製;ハイテノールNF08)を使用した。樹脂12~15については、樹脂1の製造例のアンモニア水添加前に10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液を各々、実施例12:47部、実施例13、15:140部、実施例14:94部ずつ攪拌しながら添加した。
< 樹脂2 >
攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下装置、及び窒素導入管を備えたフラスコ内に、イオン交換水260部、乳化剤(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))2部を仕込んだ。
滴下装置にイオン交換水120部、乳化剤(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))4部、2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)100部、メチルメタクリレート(MMA)140部、メタクリル酸(MAA)5部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの50部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5%水溶液30部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
その後、脱イオン水120部、(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))4部、2-エチルヘキシルアクリレート140部、メチルメタクリレート100部、メタクリル酸(MAA)5部からなる2段目のプレエマルションを90分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
最後に、25%アンモニア水をpHが8~9になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂2のエマルションを得た。
< 樹脂3 >
モノマーの種類及び配合割合を表1に記載のようにした以外は樹脂2と同様にして、樹脂3のエマルションを得た。
< 樹脂11 >
攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下装置、及び窒素導入管を備えたフラスコ内に、イオン交換水260部、乳化剤(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))2部を仕込んだ。
滴下装置にイオン交換水72部、乳化剤(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))2.4部、2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)50部、メチルメタクリレート(MMA)73.5部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)20部、シリル基含有モノマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM-503)0.5部、メタクリル酸(MAA)3部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの40部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5%水溶液30部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を50分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
その後、脱イオン水168部、(ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製;アクアロンKH10))5.6部、2-エチルヘキシルアクリレート176部、メチルメタクリレート120部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)40部、メタクリル酸(MAA)7部からなる2段目のプレエマルションを120分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
最後に、25%アンモニア水をpHが8~9になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂11のエマルションを得た。
Figure 2022157093000001
Figure 2022157093000002
表1及び表2中に示されるモノマーは以下の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
BA:n-ブチルアクリレート
BMA:n-ブチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
KBM503:3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製)
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
MAA:メタクリル酸
表1及び表2において、単量体成分の組成は、各モノマーの配合量(質量部)を示し、モノマーの合計量は、使用したモノマーの合計質量部を示す。また、1段目のTg(℃)は、1段目の単量体の組成より得られるポリマーのガラス転移温度(℃)を示し、2段目のTg(℃)は、1段目の単量体の組成より得られるポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。「SP値9.5未満のモノマーの割合」は、樹脂を構成する単量体全体に対するSP値9.5未満の単量体の割合(質量%)を示す。
<破断伸度>
10×10cmのポリエチレン板上に固形分量6.0gとなるように調製した樹脂エマルションから泡を含まない状態で平坦に成膜乾燥させた塗膜を形成した。50℃の乾燥機で24時間養生した後、3号ダンベルで打ち抜き、試験片とした。試験区間内の3箇所で膜厚を測定し、平均値を試験片の厚さとした。かかる塗膜に対して23℃、50mm/minの条件で引張試験を行い、塗膜の破断伸度を測定した。結果を表1及び表2に示す。
樹脂2、3及び11は、異相構造を有する樹脂であり、コア/シェル型の樹脂粒子とも呼ばれる。樹脂12~16は、粒子間架橋構造を有する樹脂である。
<水性塗料組成物の調製例>
表3~表8の配合に従って、各々の材料を攪拌しながら混合し、実施例1~38及び比較例1~14の水性塗料組成物を得た。
Figure 2022157093000003
Figure 2022157093000004
Figure 2022157093000005
Figure 2022157093000006
Figure 2022157093000007
Figure 2022157093000008
表3~表8中に示される樹脂、顔料、添加剤は以下の通りである。
<樹脂>
ふっ素樹脂:ルミフロンFE-4300:旭硝子社製、フッ素樹脂エマルション、固形分50質量%
ポリウレタン樹脂1:スーパーフレックス150、第一工業製薬株式会社製、ポリウレタンディスパーション、固形分30質量%、平均粒子径30nm、pH8~10、吸水率10%、伸度330%
ポリウレタン樹脂2:アデカボンタイターHUX-401、アデカ社製、ポリウレタン樹脂エマルション、固形分37質量%
ポリウレタン樹脂3:WU-412、セイコー化成社製、ポリウレタンディスパーション、固形分33質量%
<顔料>
酸化チタン:TIPAQUE CR97、石原産業株式会社製
分散顔料:AFイエローE-3D、大日精化社製、酸化鉄イエロー、固形分50質量%
<添加剤>
分散剤:DISPERBYK-190、BYK Chemie社製
防腐剤:デルトップ33、武田薬品工業社製
消泡剤:BYK-024、ビック・ケミー社製、水系シリコーン系消泡剤
表3~表8には、配合処方において各成分の配合量が質量部で示されており、「合計」とは、塗料組成物に含まれる成分の合計質量部を示す。「塗膜中に占める(A1)量」は、塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分に対する水分散性樹脂(A1)の量(質量%)を示す。
各評価方法は、以下のとおりである。
< 乾燥性 >
得られた実施例1~38及び比較例1~14の水性塗料組成物をそれぞれエアースプレーで耐水ペーパー#180にて研磨済みの冷間圧延鋼板(JIS G3141、150×70×0.8mm、洗浄溶剤にて脱脂)に、乾燥膜厚が35μmとなるように塗装し、23℃50%RHの雰囲気下にて静置した。塗装後、所定時間置いた後の塗膜表面に純水2mlを滴下し、下記評価基準に従って評価した。結果を表3~表8に示す。
[評価基準]
◎:塗装4時間後の塗膜に純水を滴下し30分間静置した結果、フクレ、艶びけ等の異常を生じない。
○:塗装6時間後の塗膜に純水を滴下し30分間静置した結果、フクレ、艶びけ等の異常を生じない。
△:塗装6時間後の塗膜に純水を滴下し30分間静置した結果、フクレは生じないが、艶がやや低下する。
×:塗装6時間後の塗膜に純水を滴下し30分間静置した結果、フクレ、あるいは著しい艶びけを生じる。
< 光沢 >
乾燥性の評価で用いた試験板を23℃で一日間養生した後に、「JIS K5600-4-7(1999) 鏡面光沢度」(60度)に準じて各塗面の光沢度を測定した。測定にはBYKガードナー社製の光沢計BYKガードナー・マイクロ-グロスを使用し、測定した光沢度を下記基準により評価した。結果を表3~表8に示す。
[評価基準]
◎:鏡面光沢度が85以上
○:鏡面光沢度が80以上85未満
△:鏡面光沢度が75以上80未満
×:鏡面光沢度が75未満。
< 塗板作製 >
耐水ペーパー#180にて研磨済みの冷間圧延鋼板(JIS G3141、150×70×0.8mm、洗浄溶剤にて脱脂)に、実施例1~38、比較例1~14の塗料組成物を、乾燥膜厚が35μmとなるようスプレー塗装した。得られた塗膜を23℃及び50%RH雰囲気下で1週間乾燥し、目的とする塗板を得た。得られた塗板の裏面及び側面をポリエステルテープ(日東電工株式会社製)でシールし、耐候性試験に供した。
< タック性 >
塗板上に4×4cm、厚みが1cm以上になるように折りたたんだガーゼを乗せ、更にその上に約2.6kgの鉄製のおもりを乗せる。1分後、ガーゼを剥がし、ガーゼの痕を目視で確認し、下記基準で評価した。塗板は、上記<塗板作製>で得た塗板を用いたが、塗板の裏面及び側面にポリエステルテープ(日東電工株式会社製)は貼り付けていない。結果を表3~表8に示す。
[評価基準]
◎:ガーゼを剥がす際に抵抗がなく、ガーゼの痕もない。
○:ガーゼを剥がす際にやや抵抗を感じるものの、ガーゼの痕がない。
△:ガーゼを剥がす際にやや抵抗を感じ、わずかにガーゼ痕が見られる
×:ガーゼを剥がす際に抵抗を感じ、はっきりとガーゼ痕が見られる
< 耐候性 >
JIS K5600-7-7の促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)のサイクルAに準じて、600時間照射した後の試験片の光沢保持率を算出し、また、該試験片に生じた割れ、はがれ、フクレ等の発生を下記の基準に従って評価した。なお、光沢保持率は、BYKガードナー社製の光沢計BYKガードナー・マイクロ-グロスによって照射前後の光沢値を測定し、以下の式によって算出された。試験片には、上記<塗板作製>で耐候性試験用に作製された、ポリエステルテープで裏面及び側面がシールされた塗板を用いた。結果を表3~表8に示す。
光沢保持率(%)= 照射後の光沢値/照射前の光沢値×100
[評価基準]
◎:光沢保持率が95%以上で、且つ割れ、はがれ、フクレ等の異常がなく、初期との色差がΔE=3.0以内である。
○:光沢保持率が90%以上95%未満で、且つ割れ、はがれ、フクレ等の異常がなく、初期との色差がΔE=3.0以内である。
△:光沢保持率が80%以上90%未満で、且つ割れ、はがれ、フクレ等の異常がく、初期との色差がΔE=3.0以内である。
×:光沢保持率が80%未満、若しくは割れ、はがれ、フクレが発生するか、初期との色差がΔE=3.0よりも大きくなる。

Claims (6)

  1. (A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂、
    (B)顔料、および
    (C)沸点150℃~260℃の成膜助剤を含有する水性塗料組成物であって、
    (A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂が、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂を含み、前記水性塗料組成物中に含まれる塗膜形成成分の40~98質量%が、(A1)23℃における破断伸度が70~350%の範囲内である水分散性樹脂であることを特徴とする、水性塗料組成物。
  2. 前記(A)アクリル成分を含有する水分散性樹脂が、SP値9.5未満の単量体を構成要素として含むことを特徴とする、請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 粒子間架橋形成成分を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の水性塗料組成物。
  4. (D)水性ウレタン樹脂をさらに含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の水性塗料組成物を塗装する塗装方法であって、塗装する際の温度が5℃~40℃の範囲内であることを特徴とする、塗装方法。
  6. 請求項1~4のいずれかに記載の水性塗料組成物を、金属基材上、旧塗膜を有する金属基材上および下塗り膜を有する金属基材上のいずれかに塗装して得られる、塗装体。
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