JP2022156692A - 硬化性組成物 - Google Patents

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創 岩岸
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Abstract

【課題】安定性を高めるとともに、硬化性、仕上り性において優れた性能を確保することができる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】本発明の硬化性組成物は、ポリオール化合物(a)、界面活性剤(b)、及び水(c)を含む分散液(L)、イソシアネート化合物(M)、並びにセメント(N)を含み、界面活性剤(b)として、2種の特定の界面活性剤((b1)、(b2))を併用することを特徴とする
【選択図】なし



Description

本発明は、新規な硬化組成物に関するものである。本発明組成物は、特に床面に対する被覆材として好適である。
従来、床面用の被覆材としては、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系等の各種材料が使用されている。このような材料を用いることで、床面の保護を図ることができ、さらに床面に所望の色彩を付与することが可能となる。しかし、耐熱性、耐薬品性、強度等において高度な性能が要求される場合、上述の材料では、その要求を十分に満足することは難しいのが現状である。
特許文献1には、水硬性セメント、水、ポリオール、イソシアネート化合物を含むポリウレタン系セメント組成物が記載されており、さらにポリオールは、水、界面活性剤を用いてポリオールエマルジョンとする手法が記載されている。
また、特許文献2には、分散液(A)とイソシアネート基を有する化合物(B)と水硬性セメント(C)とを含んでなるウレタン系セメント組成物が記載されており、分散液(A)は、(b)窒素原子を有さない活性水素化合物(ポリオール)、(c)水、さらに、界面活性剤を含むことが記載されている。
特開2010-058997号公報 特開2006-206354号公報
上記特許文献1、2に記載の組成物は、ポリオールを含む第1成分、イソシアネートを含む第2成分、セメントを含む第3成分の少なくとも3成分に分けて保存し、床面等に施工する際に、これら3成分を混合して使用するものであり、第1成分は、ポリオールとともに、水、界面活性剤を混合して、安定性の向上を図っている。
しかしながら、上記技術では、硬化性、仕上り性に不十分な点があり、さらなる開発が必要である。
本発明の課題は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、安定性とともに、硬化性、仕上り性において実用上有益な性能を確保することである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリオール化合物(a)、界面活性剤(b)、及び水(c)を含む分散液(L)、イソシアネート化合物(M)、並びにセメント(N)を含む硬化性組成物において、界面活性剤(b)として、2種の特定の界面活性剤((b1)、(b2))を併用することに想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
本発明の組成物によれば、分散性とともに、硬化性、仕上り性において優れた性能を確保することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の硬化性組成物は、分散液(L)(以下「(L)成分」ともいう)、イソシアネート化合物(M)(以下「(M)成分」ともいう)、及びセメント(N)(以下「(N)成分」ともいう)を含むものである。
このうち、分散液(L)は少なくとも、ポリオール化合物(a)(以下「(a)成分」ともいう)、界面活性剤(b)(以下「(b)成分」ともいう)、水(c)(以下「(c)成分」ともいう)を含み、界面活性剤(b)は、HLBが9未満である界面活性剤(b1)(以下「(b1)成分」ともいう)とHLBが9以上である界面活性剤(b2)(以下「(b2)成分」ともいう)を含むことを特徴とする。
なお、HLBとは、親水性-親油性バランスの略称で、両親媒性物質の親水性と親油性の強度比を数値化して表したものであり、具体的にはグリフィンの計算式で求められる。
本発明の(a)成分は、結合材として作用するものである。
(a)成分としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ひまし油ポリオール、アミン変性ポリオール、エポキシ変性ポリオール、シリコーン変性ポリオール、フッ素変性ポリオール、ポリジエンポリオール、セルロース化合物等が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用することができる。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-テトラメチレンジオール、1,4-テトラメチレンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-テトラメチレンジオール、2-メチル-1,3-トリメチレンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、トリメチルペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタメチレンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、メタキシレングリコール、パラキシレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エステルグリコール、シクロヘキサンジオール類(1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2-メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
環状エステルの開環重合物において、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が挙げられる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールの他、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体などのモノマー成分として複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド-他のアルキレンオキサイド)共重合体等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基含有モノマーを含むモノマーを重合・共重合して得られ水酸基含有アルキルエステル;
上記ポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル;
無水マレイン酸等の酸無水基含有モノマーと、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のグリコール類とのモノエステル化物またはジエステル化物;
ヒドロキシエチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;
アリルアルコール等が挙げられる。
ひまし油ポリオールとしては、ひまし油またはひまし油脂肪酸(リシノール酸、水素添加ひまし油脂肪酸を含む)と、上記多価アルコールまたは上記ポリエーテルポリオールとの反応物等が挙げられる。
アミン変性ポリオールとしては、例えば、上記ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール、上記アクリルポリオールにアミン化合物を付加させたもの、上記ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール、上記アクリルポリオールの製造中にアミン化合物を付加させたもの等が挙げられる。
本発明では特に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,2-エポキシブタン、2,3-エポキシブタン等の環状エーテルとにアミン化合物を付加させたアミン変性ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
アミン化合物としては、としては、例えば、脂肪族アミン化合物、飽和環状アミン化合物、芳香族アミン化合物等が挙げられる。脂肪族アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。飽和環状アミン化合物としては、例えば、N-アミノメチルピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン等が挙げられる。芳香族アミン化合物としては、例えば、2,4-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、p-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
本発明では、(a)成分として特に、ひまし油ポリオール、アミン変性ポリオールから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。ひまし油ポリオール、アミン変性ポリオールから選ばれる1種以上を含むことにより、硬化性、仕上り性に十分な効果を得ることができる。
また、(a)成分の水酸基価は、好ましくは50mgKOH/g以上500mgKOH/g以下、より好ましくは100mgKOH/g以上400mgKOH/g以下、さらに好ましくは130mgKOH/g以上350mgKOH/g以下である。(a)成分の水酸基価がこのような範囲内であれば、硬化性、仕上り性等の点で好適である。
また、(a)成分の一分子中における水酸基の官能基数は、好ましくは2.0以上5.0以下、より好ましくは2.5以上4.0以下である。(a)成分の官能基数がこのような範囲内であれば、仕上り性等の点で好適である。
本発明の(b)成分は、HLBが9未満(好ましくは8以下、より好ましくは7以下、さらに好ましくは1以上6以下)である界面活性剤(b1)(以下「(b1)成分」ともいう)と、HLBが9以上(好ましくは10以上、さらに好ましくは11以上18以下)である界面活性剤(b2)(以下「(b2)成分」ともいう)を含むことを特徴とする。
(L)成分中に、このような(b1)成分と(b2)成分を含むことにより、(L)成分の分散安定性、さらに(L)成分、(M)成分、(N)成分を混合した時の分散安定性に優れ、さらに硬化性、仕上り性にも優れた組成物を得ることができる。
(b)成分としては、上記範囲であれば特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンオキサイド類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類またはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル類またはそのアルキレンオキサイド付加物、ポリアルキレンひまし油等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンオキサイド類は、ポリオキシエチレンオキサイド、ポリオキシプロピレンオキサイド、ポリオキシブチレンオキサイド等、またはこれらのうち2種以上のランダム重合体またはブロック重合体等が挙げられる。また繰り返し単位数は、特に限定されないが、2以上100以下程度であれば良い。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類は、ポリオキシアルキレン鎖とアルキル基を有するエーテルである。
ポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖等が挙げられ、これらは1種または2種以上がランダム付加またはブロック付加されたものでもよい。また繰り返し単位数は、特に限定されないが、2以上100以下程度であれば良い。
アルキル基としては、炭素数1以上24以下のアルキル基を用いることができ、直鎖状、分岐状、環状等、また、飽和、不飽和等特に限定されない。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、2,3,5-トリメチルヘキシル基、4-エチル-5-メチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ナフチル基、オレイル基、リノール基等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステル類としては、例えば、モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノミリスチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノベヘン酸ソルビタン、ジラウリン酸ソルビタン、ジミリスチン酸ソルビタン、ジパルミチン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、セスキカプリル酸ソルビタン、セスキラウリン酸ソルビタンン、セスキミリスチン酸ソルビタン、セスキパルミチン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリミリスチン酸ソルビタン、トリパルミチン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類は、上記ソルビタン脂肪酸エステル類のポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステル類としては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、ジミリスチン酸グリセリル、ジパルミチン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、セスキカプリル酸グリセリル、セスキラウリン酸グリセリル、セスキミリスチン酸グリセリル、セスキパルミチン酸グリセリル、セスキステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、オリーブ油脂肪酸グリセリル等が挙げられる。また、グリセリン脂肪酸エステルは、上記に示すようにグリセリン単量体と1~3の脂肪酸のエステルが挙げられるが、この他、2~10量体(好ましくは2~4)のポリグリセリンと、1~10の脂肪酸のエステルを用いることもできる。
ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類は、上記グリセリン脂肪酸エステル類のポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステル類としては、例えば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖イソステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル類は、上記ショ糖脂肪酸エステル類のポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
ポリアルキレンひまし油は、ひまし油のポリアルキレン鎖付加物であり、ポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖等が挙げられ、これらは1種または2種以上がランダム付加またはブロック付加されたものでもよい。また繰り返し単位数は、特に限定されないが、2以上100以下程度であれば良い。また、特に限定されないが、このようなポリアルキレン鎖が1から3つ付加されたものを用いることができる。
(b1)成分としては、HLBが9未満であれば特に限定されないが、特に、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類またはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル類またはそのアルキレンオキサイド付加物、ポリアルキレンひまし油から選ばれる1種または2種以上を使用することが好ましい。
(b2)成分としては、HLBが9以上であれば特に限定されないが、特に、ポリオキシアルキレンオキサイド類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類から選ばれる1種または2種以上を使用することが好ましい。
(b)成分の混合比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、(b)成分0.01重量部以上10重量部以下、さらには0.1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
また(b)成分中の(b1)成分と(b2)成分の混合比率は、重量比率で50:50から98:2(好ましくは60:40から95:5)であることが好ましい。
このような混合比率であることにより、安定性、硬化性、仕上り性において十分な効果を発揮することができる。
本発明の(c)成分は、(L)成分中においては、(b)成分とともに安定性を高め、さらに、(M)成分及び(N)成分を混合した際の硬化反応に寄与する成分である。
(c)成分の混合比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、20重量部以上200重量部以下、さらには30重量部以上150重量部以下であることが好ましい。
このような混合比率であることにより、安定性、硬化性、仕上り性において十分な効果を発揮することができる。
(L)成分は、上記(a)成分、(b)成分、(c)成分、必要に応じ、その他の成分を常法により、均一に混合することによって製造することができる。この際、分散液(L)には、例えば、可塑剤、多価アルコール、塩基性化合物、顔料、消泡剤、反応調整剤、減水剤、繊維類、防腐剤、防藻剤、防カビ剤、シランカップリング剤等の添加剤を混合することも可能である。
可塑剤としては、例えば、フタル酸化合物、アジピン酸化合物、セバチン酸化合物、リン酸化合物、アルキルスルホン酸エステル化合物等が使用できる。具体的に、フタル酸化合物としては、例えば、フタル酸ジ(n-ブチル)、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルベンジル等が挙げられる。アジピン酸化合物としては、例えば、アジピン酸ジ(n-ブチル)、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)等;セバチン酸化合物としては、例えば、セバチン酸ジブチル等;フマル酸化合物としては、例えば、フマル酸ジブチル等;リン酸化合物としては、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸クレジルジフェニル等;アルキルスルホン酸エステル化合物としては、例えば、デカンスルホン酸フェニルエステル、ウンデカンスルホン酸フェニルエステル、ドデカンスルホン酸フェニルエステル、トリデカンスルホン酸フェニルエステル、テトラデカンスルホン酸フェニルエステル、ペンタデカンスルホン酸フェニルエステル、ペンタデカンスルホン酸クレジルエステル、ヘキサデカンスルホン酸フェニルエステル、ヘプタデカンスルホン酸フェニルエステル、オクタデカンスルホン酸フェニルエステル、ノナデカンスルホン酸フェニルエステル、イコサンデシルスルホン酸フェニルエステル等が挙げられる。可塑剤としては、これらの1種または2種以上が使用できる。
本発明では、分散液(L)に可塑剤が含まれることにより、分散液(L)の安定性が一層向上し、本発明の効果を安定して得ることが可能となる。
可塑剤の混合比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは20重量部以上200重量部以下(より好ましくは30重量部以上150重量部以下)程度である。
多価アルコールとしては、上述したものを使用することができ、特に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,6-ヘキサンジオール、エステルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-ブタンジオールから選ばれる1種または2種以上を使用することが好ましい。
このような多価アルコールを含むことにより、(L)成分の安定性、硬化性、仕上り性等において、優れた効果を得ることができる。
多価アルコールの分子量は好ましくは250以下、より好ましくは50以上220以下である。また、多価アルコールとしては、水に易溶の化合物が好ましく、水への溶解度(20℃)が20g/100g以上、さらには∞である化合物がより好適である。
多価アルコールの混合比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは1重量部以上100重量部以下、より好ましくは3重量部以上70重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上40重量部以下である。このような比率であれば、安定性、硬化性、仕上り性等において十分な効果を得ることができる。
水溶性塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルカリ金属塩、アルカリ金属シリコネート等が使用できる。このうち、アルキルアミンとしては、例えば、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられる。アルカノールアミンとしては、例えば、アミノエタノール、アミノプロパノール、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が使用でき、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
水溶性塩基性化合物の混合比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは0.001重量部以上2重量部以下、より好ましくは0.01重量部以上1重量部以下である。水溶性塩基性化合物の比率がこのような範囲内であれば、分散液(L)の安定性が十分に高まり、仕上り性等の効果発現の点で好適である。
顔料としては、各種の着色顔料が使用でき、着色顔料と体質顔料を併せて用いることもできる。着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒色酸化鉄、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、珪藻土、タルク、硫酸バリウム等が挙げられる。(g)成分の粒子径は、好ましくは50μm未満(より好ましくは0.1μm以上30μm以下)である。
このような顔料を含むことにより、硬化性組成物を所望の色に調製することが可能となる。また本発明では、分散液(L)が顔料を含む場合においても、分散液(L)の安定性を十分に確保することができ、着色均一性、発色性等の点でも好適である。
このような顔料の1種または2種以上を適宜選択・混合して用いることにより、様々な色調を表出することが可能となる。
顔料の混合比率は、固形分換算で(a)成分100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上30重量部以下、より好ましくは1重量部以上20重量部以下である。
本発明の(M)成分は、1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物が使用できる。具体的には、例えば、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(pure-MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等、あるいはこれらをアロファネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシアヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等により誘導体化したものが挙げられる。また、イソシアネートとポリオールの反応により得られるイソシアネート基末端プレポリマーも使用可能である。イソシアネート化合物としては、これらの1種または2種以上を用いることができる。
(M)成分は、(a)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは50重量部以上800重量部以下、より好ましくは100重量部以上500重量部以下となる範囲内で混合すればよい。
本発明の(N)成分は、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントのほか、アルミナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、ポルトランドセメントが好ましい。
(N)成分は、(a)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは100重量部以上1000重量部以下、より好ましくは200重量部以上800重量部以下となる範囲内で混合すればよい。
本発明組成物では、上記成分に加え、さらに細骨材を混合することができる。このような細骨材を混合することにより、被膜の強度向上、厚膜化等を図ることができる。
細骨材としては、例えば、天然石粉砕物、陶磁器粉、珪砂、セラミック粉、ゴム粒、金属粒等、あるいはこれらの表面を着色コーティングしたもの等が挙げられる。細骨材の粒子径は、通常0.05mm以上1mm以下程度である。
細骨材は、(a)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは200重量部以上2000重量部以下、より好ましくは500重量部以上1500重量部以下となる範囲内で混合すればよい。
また、本発明では、上記細骨材よりも粒子径の大きな粗骨材をさらに混合することで、被膜表面に微細な凹凸を形成させ、防滑性を付与することもできる。この他、炭酸ガス吸収剤等を混合することもできる。炭酸ガス吸収剤としては、例えば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、流通時には分散液(L)、イソシアネート化合物(M)、及びセメント(N)を、それぞれ別のパッケージに保存した状態とし、使用時にこれらを混合すればよい。また、細骨材や、その他粗骨材、炭酸ガス吸収剤等の成分は、通常、上記(N)成分と同一のパッケージ内に混合しておけばよい。
本発明の硬化性組成物は、上記各成分を使用時に混合し、その混合物を基材に塗付することにより、被膜を形成することができる。本発明組成物は、硬化性、仕上り性に加え、耐熱性、耐水性、耐薬品性、強度等においても優れた物性を発揮することができるため、とりわけコンクリート等の床面に適用する材料として好ましいものである。
塗付時においては、コテ塗り、流し込み、吹き付け等種々の方法を採用することができる。また、乾燥前の塗面に骨材等を散布することもできる。硬化後の厚みは、好ましくは0.5mm以上12mm以下、より好ましくは1mm以上10mm以下程度である。このような厚みとなる範囲内で、複数回に分けて塗分けることも可能である。
塗装及びその後の乾燥は、通常、常温(0~40℃)で行えばよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。なお、本発明は、ここでの実施例に制限されるものではない。
表1に示す原料、表2に示す配合に従い、各L成分を均一に混合して分散液を製造した。分散液に対し、次の試験を行った
(1)安定性試験1
分散液を製造後、直ちにプラスチック製容器に封入し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で24時間放置し、分散液の外観を目視にて観察した。評価は、分離・沈降等の異常が認められなかったものを「A」、明らかに異常が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。試験結果を表2に示す。
(2)安定性試験2
製造後1週間放置した以外は、安定性試験1と同様の試験を行った。試験結果を表2に示す。
(3)硬化性試験
分散液製造後、表2に示す配合に従い、L成分、M成分、N成分を均一に混合して、硬化性組成物を製造した。得られた硬化性組成物に対し、硬化後の厚みが4mmとなるように、各硬化組成物をスレート板にコテ塗りし、50℃で24時間養生した後、その被膜の粘着性の程度を指触にて確認した。評価は、粘着性が認められなかったものを「A」、粘着性が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。試験結果を表2に示す。
(4)仕上り性試験
硬化性試験の後、得られた被膜表面を目視にて観察し、評価した。評価は、異常なしを「A」、膨れがみられたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)で行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2022156692000001
Figure 2022156692000002


Claims (1)

  1. ポリオール化合物(a)、界面活性剤(b)、及び水(c)を含む分散液(L)、イソシアネート化合物(M)、並びにセメント(N)を含む硬化性組成物であって、
    前記界面活性剤(b)は、HLBが9未満である界面活性剤(b1)とHLBが9以上である界面活性剤(b2)を含むことを特徴とする硬化性組成物。


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