JP2022156396A - トーショナルダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】捩り振動およびこじり振動を低減でき、かつ、構成部品の点数が少ないトーショナルダンパを提供する。【解決手段】回転軸Xの先端に固定され、前記回転軸を中心とする円周上に外周面を有するハブ3と、前記回転軸を中心とする円周上に、前記ハブの前記外周面よりも径が大きい内周面を有する環状の振動リング5と、前記ハブの前記外周面と前記振動リングの前記内周面との間に存在するゴムリング7と、を備え、前記振動リングの前記回転軸と平行方向における先端側からこれと繋がり、さらに先端方向へ延びるオーバーハング部8を備える、トーショナルダンパ1。【選択図】図1
Description
本発明はトーショナルダンパに関する。
トーショナルダンパ(以下、TVDともいう)は、クランクシャフトの先端に取り付けられ、ハブと振動リング(マス)との間に嵌合させるゴムリングの作用により、クランクシャフトの捩り振動を低減させる機能を備える製品である。また、TVDはベルトを介して補機類(オルタネーター、エアコン、ウォーターポンプ等)へ動力を伝達するクランクプーリーとしての機能も備える場合がある。
従来、上記の捩り振動に加え、さらに曲げ振動をも低減することを目的としたTVDが、いくつか提案されている。
例えば特許文献1には、車両のクランクダンパに関し、特にクランクシャフトの捩りおよび曲げの各共振振動を有効に防止できるデュアルモードのクランクダンパに関し、車両のクランクシャフト外周に弾性体を設けるとともに該弾性体上に第1の質量体を設け、上記第1の質量体には支持腕を突設して該質量体よりクランクシャフトの軸方向へ離れた上記支持腕先端に第2質量体を設けたことを特徴とする車両のクランクダンパが記載されている。そして、このようなクランクダンパは、トーショナルダンパおよびベンディングダンパの各固有振動数を適当にチューニングすることにより、クランクシャフトの捩り共振振動と曲げ共振振動をいずれも効果的に防止することができ、トーショナルダンパとベンディングダンパを一体構造としたから製作容易かつ安価であると記載されている。
また、特許文献2には、クランクプーリのリム部と、その外側に配置するリング状の外周マスとの間にゴム状弾性体からなるダンパ材を層状に配置し、前記外周マスの重心位置を、前記ダンパ材の回転軸方向の中心位置よりクランク軸の延長方向外側に配置したダンパ付きクランクプーリが記載されている。そして、このようなクランプ―リによると、クランク軸のねじれ振動とクランク軸端の曲り振動との両方を抑制し、これらの振動から発生する騒音を効果的に抑制することができると記載されている。
また、特許文献3には、(a)クランクシャフトなどの回転軸に取り付けたボス部と、このボス部の半径方向外側に位置し、軸方向の幅W1を有する剛性の低い円筒部と、このボス部とこの円筒部をつなぐ連結部とを有するハブと、(b)このハブの円筒部の半径方向外側に同心的に配置し、軸方向の幅W2の本体部および軸方向の幅W3のオーバーハング部を有する捩り振動・曲げ振動兼用ダンパーマスと、(c)上記ハブの円筒部とこの捩り振動・曲げ振動兼用ダンパーマスの本体部との間に設けた弾性体とを備え、上記ハブの円筒部と連結部との結合部分から離れた円筒部の一端側に、上記捩り振動・曲げ振動兼用ダンパーマスのオーバーハング部を設けたことを特徴とするダンパー装置が記載されている。そして、このようなダンパー装置によれば、捩り振動および曲げ振動を減衰することができるうえ、部品点数を少なくすることができ、装置を安価にすることができるなどの効果があると記載されている。
しかしながら、従来、曲げ振動の中でもこじり方向への振動(こじり振動)を十分に低減することができ、かつ、ダブルマスタイプに対して構成部品の点数が少ないトーショナルダンパは提案されていなかった。
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、捩り振動およびこじり振動を十分に低減でき、かつ、ダブルマスタイプに対して構成部品の点数が少ないトーショナルダンパを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(3)である。
(1)回転軸の先端に固定され、前記回転軸を中心とする円周上に外周面を有するハブと、
前記回転軸を中心とする円周上に、前記ハブの前記外周面よりも径が大きい内周面を有する環状の振動リングと、
前記ハブの前記外周面と前記振動リングの前記内周面との間に存在するゴムリングと、
を備え、
前記振動リングの前記回転軸と平行方向における先端側からこれと繋がり、さらに先端方向へ延びるオーバーハング部を備える、トーショナルダンパ。
(2)前記オーバーハング部は円筒状であり、前記回転軸を中心とする円周上に内周面を有し、
前記内周面の半径が前記ハブの前記外周面の半径以下である、上記(1)に記載のトーショナルダンパ。
(3)前記オーバーハング部の外周面にプーリ溝が形成されている、上記(1)または(2)に記載のトーショナルダンパ。
本発明は以下の(1)~(3)である。
(1)回転軸の先端に固定され、前記回転軸を中心とする円周上に外周面を有するハブと、
前記回転軸を中心とする円周上に、前記ハブの前記外周面よりも径が大きい内周面を有する環状の振動リングと、
前記ハブの前記外周面と前記振動リングの前記内周面との間に存在するゴムリングと、
を備え、
前記振動リングの前記回転軸と平行方向における先端側からこれと繋がり、さらに先端方向へ延びるオーバーハング部を備える、トーショナルダンパ。
(2)前記オーバーハング部は円筒状であり、前記回転軸を中心とする円周上に内周面を有し、
前記内周面の半径が前記ハブの前記外周面の半径以下である、上記(1)に記載のトーショナルダンパ。
(3)前記オーバーハング部の外周面にプーリ溝が形成されている、上記(1)または(2)に記載のトーショナルダンパ。
本発明によれば、捩り振動およびこじり振動を低減でき、かつ、ダブルマスタイプに対して構成部品の点数が少ないトーショナルダンパを提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、回転軸の先端に固定され、前記回転軸を中心とする円周上に外周面を有するハブと、前記回転軸を中心とする円周上に、前記ハブの前記外周面よりも径が大きい内周面を有する環状の振動リングと、前記ハブの前記外周面と前記振動リングの前記内周面との間に存在するゴムリングと、を備え、前記振動リングの前記回転軸と平行方向における先端側からこれと繋がり、さらに先端方向へ延びるオーバーハング部を備える、トーショナルダンパである。
このようなトーショナルダンパを、以下では「本発明のトーショナルダンパ」ともいう。
本発明は、回転軸の先端に固定され、前記回転軸を中心とする円周上に外周面を有するハブと、前記回転軸を中心とする円周上に、前記ハブの前記外周面よりも径が大きい内周面を有する環状の振動リングと、前記ハブの前記外周面と前記振動リングの前記内周面との間に存在するゴムリングと、を備え、前記振動リングの前記回転軸と平行方向における先端側からこれと繋がり、さらに先端方向へ延びるオーバーハング部を備える、トーショナルダンパである。
このようなトーショナルダンパを、以下では「本発明のトーショナルダンパ」ともいう。
初めに、本発明のトーショナルダンパを、図1を用いて説明する。
図1は、本発明のトーショナルダンパの実施態様を回転軸にそって切断した場合に得られる断面の概略図(概略断面図)である。
図1は、本発明のトーショナルダンパの実施態様を回転軸にそって切断した場合に得られる断面の概略図(概略断面図)である。
図1に例示する実施態様のトーショナルダンパ1は、車両等のエンジンのクランクシャフトの先端に取り付けて用いることができる。トーショナルダンパ1は、クランクシャフトの捩り共振およびこじり共振を吸収し、エンジンの振動、騒音を抑制する機能を備える。さらに、クランクシャフトの回転をベルトを介して補器へ動力を伝達する駆動プーリー(クランクプーリー)としての役割をも果たす場合もある。
トーショナルダンパ1はハブ3と、振動リング5と、ゴムリング7とを有する。
<ハブ>
ハブ3は、ボス部31、ステー部33およびリム部35を有する。
ボス部31は、ハブ3における径方向の中央部に設けられている。ボス部31がクランクシャフト(回転軸)の先端に固定され、ハブ3が回転軸Xを中心に回転駆動する。
ステー部33は、ボス部31から径方向に伸びている。
リム部35は、ステー部33の外周側に設けられている。リム部35は円筒状であり、リム部35の外周側にゴムリング7を介して振動リング5が連結される。
リム部35の外周面は、回転軸Xを中心とする円周上に存在している。
ハブ3は、ボス部31、ステー部33およびリム部35を有する。
ボス部31は、ハブ3における径方向の中央部に設けられている。ボス部31がクランクシャフト(回転軸)の先端に固定され、ハブ3が回転軸Xを中心に回転駆動する。
ステー部33は、ボス部31から径方向に伸びている。
リム部35は、ステー部33の外周側に設けられている。リム部35は円筒状であり、リム部35の外周側にゴムリング7を介して振動リング5が連結される。
リム部35の外周面は、回転軸Xを中心とする円周上に存在している。
ボス部31、ステー部33およびリム部35の各々は、鋳鉄等の金属材料等を原料として用いて成形することができる。また、ボス部31、ステー部33およびリム部35の各々は、特に、片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、自動車構造用熱間圧延鋼板等からなることが好ましい。
<振動リング>
振動リング5は、ハブ3の径方向外側に配置されている。振動リング5の内周面はハブ3の外周面よりも径が大きい。この内周面は、クランクシャフト(回転軸X)を中心とする円周上に存在している。
また、振動リング5の外周面にベルトが掛かるプーリ溝51が設けられている。プーリ溝51は動力伝達用のプーリとして機能する。
本発明のトーショナルダンパは図1に示す態様のように、振動リングの外周面にプーリ溝を備えることが好ましい。
振動リング5は、ハブ3の径方向外側に配置されている。振動リング5の内周面はハブ3の外周面よりも径が大きい。この内周面は、クランクシャフト(回転軸X)を中心とする円周上に存在している。
また、振動リング5の外周面にベルトが掛かるプーリ溝51が設けられている。プーリ溝51は動力伝達用のプーリとして機能する。
本発明のトーショナルダンパは図1に示す態様のように、振動リングの外周面にプーリ溝を備えることが好ましい。
振動リング5は鋳鉄等の金属材料等を原料として用いて成形することができる。
また、振動リング5は片状黒鉛鋳鉄からなることが好ましい。片状黒鉛鋳鉄は振動を吸収する能力が優れており、耐摩耗性にも優れているためである。
また、振動リング5は片状黒鉛鋳鉄からなることが好ましい。片状黒鉛鋳鉄は振動を吸収する能力が優れており、耐摩耗性にも優れているためである。
<オーバーハング部>
トーショナルダンパ1は、回転軸Xと平行方向における振動リング5の先端側(図1においては左側)にオーバーハング部8を備える。
オーバーハング部8は振動リング5の先端側と繋がり、この先端側からさらに先端方向(図1においては左側)へ延びている。
このようなオーバーハング部8を備えると、捩り振動およびこじり振動を十分に低減できる。また、オーバーハング部8は振動リング5と一体に成形することができるので、構成部品の点数が増加しない。
なお、オーバーハング部8は振動リング5と繋がっているが、回転軸Xと平行方向において、ゴムリング7の先端よりもさらに先端側に存在している部分をオーバーハング部8とする。
トーショナルダンパ1は、回転軸Xと平行方向における振動リング5の先端側(図1においては左側)にオーバーハング部8を備える。
オーバーハング部8は振動リング5の先端側と繋がり、この先端側からさらに先端方向(図1においては左側)へ延びている。
このようなオーバーハング部8を備えると、捩り振動およびこじり振動を十分に低減できる。また、オーバーハング部8は振動リング5と一体に成形することができるので、構成部品の点数が増加しない。
なお、オーバーハング部8は振動リング5と繋がっているが、回転軸Xと平行方向において、ゴムリング7の先端よりもさらに先端側に存在している部分をオーバーハング部8とする。
オーバーハング部8は、図1に例示する態様のように円筒状であることが好ましい。
また、オーバーハング部8の内周面80は回転軸Xを中心とする円周上に存在し、内周面の半径(Y1)がハブ3の外周面の半径(Y2)以下であることが好ましい。すなわち、Y1≦Y2であることが好ましい。
この場合、捩り振動およびこじり振動を、より低減することができるからである。
なお、半径(Y1)および半径(Y2)が測定位置によって複数特定される場合、これらの値は共に平均値を意味するものとする。後述するオーバーハング部8の外周面の半径および振動リング5の内周面の半径においても同様とする。
また、オーバーハング部8の内周面80は回転軸Xを中心とする円周上に存在し、内周面の半径(Y1)がハブ3の外周面の半径(Y2)以下であることが好ましい。すなわち、Y1≦Y2であることが好ましい。
この場合、捩り振動およびこじり振動を、より低減することができるからである。
なお、半径(Y1)および半径(Y2)が測定位置によって複数特定される場合、これらの値は共に平均値を意味するものとする。後述するオーバーハング部8の外周面の半径および振動リング5の内周面の半径においても同様とする。
オーバーハング部8は、図1に例示する態様のように、その外周面にプーリ溝81を有することが好ましい。
オーバーハング部8のプーリ溝81上にベルトを設置し、クランクシャフトの回転をベルトを介して補器へ動力を伝達することができ、このとき、こじり振動をより低減することができることを本発明者は見出した。
オーバーハング部8のプーリ溝81上にベルトを設置し、クランクシャフトの回転をベルトを介して補器へ動力を伝達することができ、このとき、こじり振動をより低減することができることを本発明者は見出した。
オーバーハング部8においてプーリ溝81が形成されている外周面は回転軸Xを中心とする円周上に存在するが、その半径は振動リング5の内周面の半径よりも小さいことが好ましい。
この場合、捩り振動およびこじり振動を、より低減することができるからである。
この場合、捩り振動およびこじり振動を、より低減することができるからである。
オーバーハング部8は振動リング5と一体に成形することができる。したがって、オーバーハング部8は振動リング5と同様の材料を用いて形成することができる。
<ゴムリング>
ゴムリング7は、ハブ3の外周面と、振動リング5の内周面との間隙部に挿入されている。ゴムリング7は車両等の走行中に発生するクランクシャフトの捩じれ振動やこじり振動を低減させて破損を防止したり、エンジン振動の騒音や振動を低減したりする役割を果たす。
ゴムリングは、ハブの外周面と振動リングの内周面との間に径方向に圧縮された状態で存在する。
ゴムリング7は、ハブ3の外周面と、振動リング5の内周面との間隙部に挿入されている。ゴムリング7は車両等の走行中に発生するクランクシャフトの捩じれ振動やこじり振動を低減させて破損を防止したり、エンジン振動の騒音や振動を低減したりする役割を果たす。
ゴムリングは、ハブの外周面と振動リングの内周面との間に径方向に圧縮された状態で存在する。
ゴムリング7は、エチレン・プロピレン・ジエン三元コポリマー(EPDM)を主成分とし、その他に好ましくはカーボンブラックやプロセスオイルを含むゴム組成物を、例えば従来公知の方法によって円筒形等に加硫成形することによって得ることができる。具体的には、例えばゴム組成物は配合量としてEPDMを10~60質量以上含み、EPDM100質量部に対してカーボンブラックを40~130質量部含むことが好ましい。
本発明のトーショナルダンパにおいて捩り方向の固有振動数は、主に振動リングおよびオーバーハング部の質量の合計と、ゴムリングの剪断バネ定数とを調整することによって所定の値とすることができる。また、こじり方向の固有振動数は、主にオーバーハング部の質量と、ゴムリングのこじれ時のバネ定数とを調整することによって所定の値とすることができる。
捩り方向の固有振動数およびこじり方向の固有振動数をクランクシャフトの捩り共振振動数およびこじり共振振動数と一致させると、捩り共振およびこじり共振を効果的に抑制することができる。
捩り方向の固有振動数およびこじり方向の固有振動数をクランクシャフトの捩り共振振動数およびこじり共振振動数と一致させると、捩り共振およびこじり共振を効果的に抑制することができる。
<本発明の効果の検証(1)>
図2に示すような各部の構成(レイアウト)において、図1に示したトーショナルダンパをエンジンのクランクシャフトの先端に取り付けてエンジンを回転させた場合の、クランクシャフトの軸受けに発生する振動を求めるシミュレーションを行った。
図2に示すような各部の構成(レイアウト)において、図1に示したトーショナルダンパをエンジンのクランクシャフトの先端に取り付けてエンジンを回転させた場合の、クランクシャフトの軸受けに発生する振動を求めるシミュレーションを行った。
ここでトーショナルダンパとして、図1に具体的に例示した態様と同様の形状であって、捩り方向へ変形したときの固有振動数を415Hz、こじり方向へ変形したときの固有振動数を406Hz、490Hz、674Hzのいずれかとする3種類のトーショナルダンパを想定した。
そして、クランクシャフトの軸受けの振動の周波数および当該振動の加速度との関係をシミュレーションして求めた。
そして、クランクシャフトの軸受けの振動の周波数および当該振動の加速度との関係をシミュレーションして求めた。
このようなシミュレーションを行った結果を、図3に示す。図3において薄い部分(白に近い部分)はクランクシャフトの軸受けの振動の加速度が高く、こじり振動が発生していることを意味している。なお、図3において上段の3つはピッチング(回転軸に垂直かつ紙面に垂直方向の軸を回転軸とした運動)におけるこじり振動のシミュレーション結果を示しており、下段の3つはヨーチング(回転軸に垂直かつ紙面に平行方向の軸を回転軸とした運動)におけるこじり振動のシミュレーション結果を示している。
図3により、本発明に相当するトーショナルダンパは、こじり方向の振動が抑制されることが確認された。
図3により、本発明に相当するトーショナルダンパは、こじり方向の振動が抑制されることが確認された。
<本発明の効果の検証(2)>
トーショナルダンパとして、図1に具体的に例示した態様と同様の形状のトーショナルダンパ(本発明のトーショナルダンパに相当する)と、これに対する比較対象として、図4に示すトーショナルダンパ(本発明のトーショナルダンパには相当しない)とを想定し、これらについて同条件でシミュレーションを行った。
ここで図4に示すトーショナルダンパは、図1に示したトーショナルダンパと概ね同じ位置に同様の形状のオーバーハング部9を有するが、図1に示したトーショナルダンパと異なり、オーバーハング部9は振動リング3のリム部35に繋がっており、その材質も振動リング3と等しい。
トーショナルダンパとして、図1に具体的に例示した態様と同様の形状のトーショナルダンパ(本発明のトーショナルダンパに相当する)と、これに対する比較対象として、図4に示すトーショナルダンパ(本発明のトーショナルダンパには相当しない)とを想定し、これらについて同条件でシミュレーションを行った。
ここで図4に示すトーショナルダンパは、図1に示したトーショナルダンパと概ね同じ位置に同様の形状のオーバーハング部9を有するが、図1に示したトーショナルダンパと異なり、オーバーハング部9は振動リング3のリム部35に繋がっており、その材質も振動リング3と等しい。
図1に示したトーショナルダンパの測定結果を図5に示す。また、図4に示したトーショナルダンパの測定結果を図6に示す。
図5および図6により、本発明に相当するトーショナルダンパは、比較例のトーショナルダンパに対して、こじり方向(ピッチング)の振動が抑制されることが確認された。
図5および図6により、本発明に相当するトーショナルダンパは、比較例のトーショナルダンパに対して、こじり方向(ピッチング)の振動が抑制されることが確認された。
1 トーショナルダンパ(本発明のトーショナルダンパ)
10 トーショナルダンパ(比較例)
3 ハブ
31 ボス部
33 ステー部
35 リム部
5 振動リング
51 プーリ溝
7 ゴムリング
8 オーバーハング部
80 オーバーハング部の内周面
81 プーリ溝
9 オーバーハング部(比較例)
90 オーバーハング部の内周面(比較例)
91 プーリ溝(比較例)
X 回転軸
10 トーショナルダンパ(比較例)
3 ハブ
31 ボス部
33 ステー部
35 リム部
5 振動リング
51 プーリ溝
7 ゴムリング
8 オーバーハング部
80 オーバーハング部の内周面
81 プーリ溝
9 オーバーハング部(比較例)
90 オーバーハング部の内周面(比較例)
91 プーリ溝(比較例)
X 回転軸
Claims (3)
- 回転軸の先端に固定され、前記回転軸を中心とする円周上に外周面を有するハブと、
前記回転軸を中心とする円周上に、前記ハブの前記外周面よりも径が大きい内周面を有する環状の振動リングと、
前記ハブの前記外周面と前記振動リングの前記内周面との間に存在するゴムリングと、
を備え、
前記振動リングの前記回転軸と平行方向における先端側からこれと繋がり、さらに先端方向へ延びるオーバーハング部を備える、トーショナルダンパ。 - 前記オーバーハング部は円筒状であり、前記回転軸を中心とする円周上に内周面を有し、
前記内周面の半径が前記ハブの前記外周面の半径以下である、請求項1に記載のトーショナルダンパ。 - 前記オーバーハング部の外周面にプーリ溝が形成されている、請求項1または2に記載のトーショナルダンパ。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240201 |