JP6158009B2 - カウンターウェイト付きクランクプーリ及びその製造方法 - Google Patents

カウンターウェイト付きクランクプーリ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等車両のクランクシャフトにおけるトルク伝達技術および防振技術に係るカウンターウェイト付きクランクプーリとその製造方法に関する。
回転変動吸収ダンパやトーショナルダンパ等の、クランクシャフト先端に取り付けられて、無端ベルトを介しての補機駆動とクランクシャフトの捩り共振を吸振する機構を有するクランクプーリは、構成部品の製作誤差や組立誤差に伴い、製品重量に係る円周上のアンバランスが発生する。
このようなアンバランスにより、プーリ回転時にアンバランス過多方向(重量過多方向)への遠心力が発生し、プーリに振れ回りが生じることで、異常振動や異雑音などの問題のほか、最悪の場合は遠心力によるプーリ破損が懸念される。
これに対し従来、上記アンバランスによる不具合を防止する目的で、アンバランス過多方向にドリルでバランス修正穴を開口し該部の重量を減少させてバランスを修正する方法や、タイヤホイールに代表されるアンバランス過多方向と軸対称位置にバランス修正ウェイトを付設し該部の重量を増大させてバランスを修正する方法が開発されており、クランクプーリ等の小径の自動車部品では主に前者のバランス修正穴によるバランス修正が実施されている。
しかしながらこの方法による場合、アンバランス(重量過多部位)が全周360度の、どの方向に発生するかを予め特定することができないため、プーリの全周に亙ってバランス修正穴を開口するためのスペースを設ける必要がある。
したがってアンバランス過多方向以外ではバランス修正穴を開口するために設けたスペースが結果として開口されずにデッドスペース・デッドウェイトとなっており、よってこのようなデッドスペース・デッドウェイトの存在が自動車の軽量化に対する妨げとなっている。
一方、このようなデッドスペース・デッドウェイトを削減することを目的としてバランス修正穴を開口するためのスペースを削減すると、開口可能な穴直径や穴深さが小さくなってバランス修正穴1個当たりのバランス修正重量が小さくなるため、多数のバランス修正穴を設ける加工作業が必要となり、製作工数の増大を招くとともに製品価格の上昇が懸念される。
また、近年、自動車の燃費向上を目的としたエンジンダウンサイジングに伴って、3気筒エンジン等の小型エンジンが増えつつある。3気筒エンジンのクランクシャフトはフロントエンドの1番クランクからフライホイール側の3番クランクまで各クランクの回転方向相対角度が240度間隔で配置される。4気筒エンジン等のクランク相対角度(180度)と異なり、1番クランクと最終クランク(3番クランク)の配置が外観上120度向きが異なるため、クランクシャフト回転時に120度位相の異なる遠心力が発生し、エンジン本体がミソスリ状に振動するダイナミックアンバランスが発生する。このダイナミックアンバランスは車両を揺する振動となり、不快感を与えることから車両の商品価値を低下させる問題がある。
これに対し従来、上記問題を解決する目的で、クランクプーリやフライホイールにダイナミックアンバランスを相殺するカウンターウェイトを付設する技術が開発され、3気筒エンジンの商品価値を高めている。
クランクプーリにカウンターウェイトを付設する場合、構成部品の円周上一部の部位に適正重量を備えるバランス修正ウェイトを設ける。このバランス修正ウェイトはクランクプーリを構成するハブなどの部品に一体的に設けられる。
一方、このようなカウンターウェイト付きクランクプーリも従来クランクプーリと同様に設計どおりのバランス状態(但しカウンターウェイト付きクランクプーリでは、カウンターウェイトを設けたことによるアンバランス状態が設計どおりのバランス状態とされる)が得られるように、バランスを微調整するためのバランス修正穴を設ける必要がある。したがってカウンターウェイト付きクランクプーリも従来クランクプーリと同様にバランス修正穴を設けるのに伴ってデッドスペース・デッドウェイトが存在し、これが自動車の軽量化に対する妨げとなっている。
特開昭59−226728号公報
本発明は以上の点に鑑みて、構成部品の円周上一部の部位にカウンターウェイトを設けたカウンターウェイト付きクランクプーリにおいて、バランス修正穴を設けるのに伴って構成部品にデッドスペース・デッドウェイトが発生するのを抑制することができ、もってプーリ製品の軽量化を実現し、自動車等車両の軽量化に貢献することができるカウンターウェイト付きクランクプーリとその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるカウンターウェイト付きクランクプーリは、環状の構成部品の円周上一部の部位にカウンターウェイトを設けたカウンターウェイト付きクランクプーリであって、前記カウンターウェイトにバランス修正穴を設け、前記カウンターウェイトを設けていない前記構成部品の円周上残りの部位は、前記バランス修正穴と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成され、前記カウンターウェイトは、当初重量過多に形成されたカウンターウェイトが前記バランス修正穴を設けることにより適正重量のカウンターウェイトとされていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2によるカウンターウェイト付きクランクプーリは、上記した請求項1記載のカウンターウェイト付きクランクプーリにおいて、当該クランクプーリは、回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3によるカウンターウェイト付きクランクプーリは、上記した請求項2記載のカウンターウェイト付きクランクプーリにおいて、前記構成部品は、回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパにおけるダンパマスであることを特徴とする。
また、本発明の請求項4によるカウンターウェイト付きクランクプーリの製造方法は、上記した請求項1、2または3記載のカウンターウェイト付きクランクプーリを製造する方法であって、環状の構成部品を製作し、このとき前記構成部品の円周上一部の部位に重量過多のカウンターウェイトを設けるとともに、前記カウンターウェイトを設けていない前記構成部品の円周上残りの部位を次工程で開口するバランス修正穴と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成する工程と、前記カウンターウェイトに前記重量過多分に相当する大きさのバランス修正穴を設ける工程と、を順次実施することを特徴とする。
クランクプーリに備えられる環状の構成部品の円周上一部の部位にカウンターウェイトを設ける場合、このカウンターウェイトの重量を意図的に適正重量より大きく設定することにより、アンバランス過多方向(重量過多方向)が必ずこのカウンターウェイトの方向に設定される。一方、バランス調整穴は構成部品におけるアンバランス過多方向に設けられてその重量を軽減するものであるので、アンバランス過多方向が必ずカウンターウェイトの方向に設定されれば、バランス調整穴も必ずカウンターウェイトに設けられる。したがってカウンターウェイトを設けていない構成部品の円周上残りの部位については、バランス調整穴が設けられる可能性がゼロとなるため、この円周上残りの部位には、バランス調整穴を設けることを予定してのスペースを設定する必要がない。したがってこの円周上残りの部位を可及的に小型化・軽量化することが可能とされ、具体的にはこの円周上残りの部位をカウンターウェイトに設けるバランス修正穴と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成することが可能とされる。したがって円周上残りの部位にバランス調整穴が設けられなくても、この円周上残りの部位にデッドスペース・デッドウェイトが発生するのを抑制することが可能とされる。また、このため本発明ではカウンターウェイトが当初重量過多に形成されるが、バランス修正穴を設けることによりカウンターウェイトは適正重量とされる。したがって構成部品は適正なバランス状態を備える部品として製作される。クランクプーリとしては、ダンパレスタイプのクランクプーリであっても良いが、例えば回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパとする。また、カウンターウェイトを設ける構成部品としては例えば、回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパにおけるダンパマスとする。
また、カウンターウェイト付きクランクプーリを製造する際には、環状の構成部品を製作する工程およびこの構成部品にバランス調整穴を設ける工程を順次実施するが、本発明では、前者の環状の構成部品を製作する工程において、構成部品の円周上一部の部位に重量過多のカウンターウェイトを設けるとともに、カウンターウェイトを設けていない構成部品の円周上残りの部位を次工程で開口するバランス修正穴と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成し、後者の構成部品にバランス調整穴を設ける工程において、カウンターウェイトに前記重量過多分に相当する大きさのバランス修正穴を設ける。したがって前者の環状の構成部品を製作する工程で意図的に設定する重量過多の状態が、後者の構成部品にバランス調整穴を設ける工程で相殺され消失するため、結果として適正なバランス状態を実現することが可能とされる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち本発明においては以上説明したように、円周上一部の部位にカウンターウェイトを設けた構成部品におけるバランス調整穴を設ける位置が予めカウンターウェイトに決まっているため、カウンターウェイトを設けていない構成部品の円周上残りの部位については、バランス調整穴を設けることを予定してのスペースを設定する必要がなく、よってこの円周上残りの部位を可及的に小型化・軽量化することができる。したがってこの円周上残りの部位にデッドスペース・デッドウェイトが発生するのが抑制されるため、構成部品ないしプーリ製品の軽量化を実現し、自動車等車両の軽量化に貢献することができる。
本発明の実施例に係るクランクプーリとしての回転変動吸収ダンパを示す斜視図 同回転変動吸収ダンパの断面斜視図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)本発明は、自動車エンジン等における駆動軸から他の回転機器へトルクを伝達する際に急激なトルク変動に伴うベルトスリップを防止するクランクプーリに関する分野で用いられ、またはその他のベルトによる伝達トルク機構を有する分野で用いられる。
(2)本発明は、カウンターウェイト付きのクランクプーリのみに適用可能な技術である。
(3)本発明では、対象エンジンが要求する重量を十分に上回るカウンターウェイトを予めクランクプーリ構成部品に設ける(実施例ではトーショナルダンパのマス部)。このカウンターウェイトは必然的に径方向および軸方向共に大きな肉厚があり、大直径でかつ深いバランス穴が開孔可能である。
(4)本発明では、カウンターウェイトが規定アンバランスより十分に重いことから、製品組み立て後もバランス修正すべき開孔位置は必然的にカウンターウェイト上に存在する。該部は十分な重さのバランス穴が開孔可能なことから、少ない穴数でも修正可能なアンバランス量は大きくなり、事前に超過していたカウンターウェイトのアンバランス量を補正することができる。
(5)本発明におけるカウンターウェイトの事前アンバランスは、該部に開孔可能なバランス穴のアンバランス修正重量の約1〜4穴分とし、カウンターウェイトを構成する厚肉部はバランス穴が4〜10穴開孔可能なサイズとする。
(6)本発明では、カウンターウェイトのアンバランス量が規定重量よりも予め大きく設定されることから、カウンターウェイトを構成する厚肉部厚肉部のみにバラン修正穴が開孔される。したがってカウンターウェイトを除く部位に従来技術のようなバランス穴開孔用のデッドスペースを設計する必要はない。
(7)カウンターウェイト付きクランクプーリにおいて、規定のアンバランス量を超えるカウンターウェイトを予め設ける、カウンターウェイトのアンバランス事前超過量は該部に開孔可能なバランス穴の1〜4穴程度とする、カウンターウェイトはバランス穴が4〜10穴程度開孔可能なスペースを有する、の構成要素からなり、事前アンバランスにより必然的にカウンターウェイト上にバランス穴が開孔され、カウンターウェイト以外の部位のデッドウェイトを削減した回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパ。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1および図2は、本発明の実施例に係るカウンターウェイト付きのクランクプーリとしてクランクプーリの一種である回転変動吸収ダンパ1を示している。当該実施例に係る回転変動吸収ダンパ1は、クランクシャフトの捩り振動を低減するトーショナルダンパとしての機能とクランクシャフトから補機へトルクを伝達する際に生じる急激なトルク変動を低減するカップリングとしての機能とを併有する回転変動吸収ダンパであって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、クランクシャフトに取り付けられるハブ11が設けられ、このハブ11に対してダンパゴム12を介してダンパマス14が連結されるとともにダンパマス14に対してカップリングゴム16を介してプーリ17が連結され、一層詳細には、ハブ11に対してダンパゴム12を介してスリーブ13が連結され、スリーブ13に対してダンパマス14が嵌合され、ダンパマス14に対してゴムフランジ15が嵌合され、ゴムフランジ15に対してカップリングゴム16を介してプーリ17が連結されている。したがってこれらの部品(ハブ11、ダンパゴム12、スリーブ13、ダンパマス14、ゴムフランジ15、カップリングゴム16およびプーリ17)は直列に連結され、また両ゴム(ダンパゴム12およびカップリングゴム16)も互いに直列に連結されている。また、スリーブ13に対してダンパマス14と軸方向に並んでベアリングリテーナ18が嵌合されている。また、ダンパマス14およびプーリ17間にラジアルベアリング19が介装され、ベアリングリテーナ18およびプーリ17間にスラストベアリング20が介装されている。
ハブ11は、クランクシャフトに取り付けられるボス部11aを有し、このボス部11aの軸方向一方(ダンパ正面側、図2では左方)の端部に径方向部(径方向立ち上がり部)11bを介して比較的大径の筒状部11cが一体成形されている。
スリーブ13は、円筒状を呈し、ハブ11における筒状部11cの外周側に配置されている。
ダンパゴム12は、同じく円筒状を呈し、ハブ11における筒状部11cおよびスリーブ13間に配置され、その成形と同時にハブ11における筒状部11cの外周面およびスリーブ13の内周面に被着(加硫接着)されている。したがってハブ11、ダンパゴム12およびスリーブ13は一体の成形品として成形されている。尚、ダンパゴム12はハブ11における筒状部11cおよびスリーブ13間の径方向間隙に対して軸方向の一方から非接着で圧入する嵌合タイプのものであっても良い。
ダンパマス14は、スリーブ13の軸方向一方の端部側外周面に嵌合される内周筒部14aを有し、この内周筒部14aの軸方向一方の端部に径方向外方へ向けて径方向部14bが一体成形され、この径方向部14bの外周端部に軸方向他方(ダンパ背面側、図2では右方)へ向けて外周筒部14cが一体成形されている。外周筒部14cの外周面には、後記するラジアルベアリング19のほうへ泥水やダスト等の外部異物が侵入しにくくするための外向きフランジ状のシール部14dが一体成形され、また径方向部14bには、実車分解用のサービスタップ14eが円周上複数(図では3箇所)設けられている。
ゴムフランジ15は、ダンパマス14における内周筒部14aの外周側に嵌合される筒状部15aを有し、この筒状部15aの軸方向一方の端部に径方向外方へ向けて斜めに外向きフランジ状の径方向部15bが一体成形されている。
プーリ17は、ダンパマス14における外周筒部14cの軸方向他方の側に配置される径方向部17aを有し、この径方向部17の外周端部に軸方向一方へ向けて筒状部17bが一体成形されている。この筒状部17bはダンパマス14における外周筒部14cの外周側に配置され、この筒状部17bおよび外周筒部14c間にラジアルベアリング19が摺動可能に介装されている。筒状部17bの外周面にはトルク伝達用の無端ベルトを巻架するためのプーリ溝17cが設けられている。
カップリングゴム16は、円筒状を呈し、ゴムフランジ15における径方向部15bおよびプーリ17における径方向部17a間に配置され、その成形と同時にゴムフランジ15における径方向部15bの軸方向他方の端面およびプーリ17における径方向部17aの軸方向一方の端面に被着(加硫接着)されている。したがってゴムフランジ15、カップリングゴム16およびプーリ17は一体の成形品として成形されている。
ベアリングリテーナ18は、スリーブ13の軸方向他方の端部側外周面に嵌合される筒状部18aを有し、この筒状部18aの軸方向他方の端部に径方向外方へ向けて外向きフランジ状の径方向部18bが一体成形されている。この径方向部18bはプーリ17における径方向部17cの軸方向他方の側に配置され、この両径方向部17c,18b間にスラストベアリング20が摺動可能に介装されている。
上記の各構成部品において、ハブ11、ダンパマス14およびプーリ17はそれぞれ鋳鉄よりなる部品として製作され、スリーブ13、ゴムフランジ15およびベアリングリテーナ18はそれぞれ板金よりなる部品として製作されている。
また、上記の各構成部品において、それぞれ環状になるハブ11、ダンパゴム12、スリーブ13およびダンパマス14は、これらの部品をもってクランクシャフトの捩り振動を低減するためのトーショナルダンパ21を構成しており、このうちのダンパマス14の円周上一部の部位にクランクシャフトに発生するダイナミックアンバランスを抑制するためのカウンターウェイト(バランス修正ウェイト)22が設けられ、このカウンターウェイト22に製品重量に係る円周上のアンバランスを修正するためのバランス修正穴23が設けられている。
カウンターウェイト22は、ダンパマス14における外周筒部14cの外周面から径方向外方へ向けて突出する突起ないし突状体として設けられ、所定の径方向高さ、軸方向幅および円周方向長さを有している。カウンターウェイト22はダンパマス14における外周筒部14cに一体成形され、またその背面側に位置する環状のシール部14dに一体成形されている。また、カウンターウェイト22は軸方向一方からこれを見て略扇形に形成されている。
バランス修正穴23は、カウンターウェイト22の軸方向端面およびダンパマス14における外周筒部14cの軸方向端面に開口する円形開口の有底穴として設けられ、所定の開口幅(径方向幅)および深さ(軸方向幅)を有している。バランス修正穴23は所要数(1つまたは複数、図では6つ)が円周方向に一定の間隔をあけて設けられている。
また、ダンパマス14は、カウンターウェイト22を設けた円周上一部の部位と、カウンターウェイト22を設けていない円周上残りの部位とに分けられるところ、後者の円周上残りの部位については、上記バランス修正穴23と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成され、すなわち当該実施例では、ダンパマス14における径方向部14bcの軸方向厚みがバランス修正穴23の深さより小さく設定されるとともにダンパマス14における外周筒部14cの径方向厚みがバランス修正穴23の開口幅より小さく設定されているので、バランス修正穴23と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成されている。
また、カウンターウェイト22は、当初重量過多に形成されたカウンターウェイト22がバランス修正穴23を設けることにより適正重量のカウンターウェイト22となるように形成されており、すなわちカウンターウェイト22の当初重量をW、バランス修正穴23一つ分の容積に相当するカウンターウェイト材質の重さをW、バランス修正穴23の形成数をS、カウンターウェイト22の適正重量をWとして、
−W×S=W
の関係が成立するように設定されている。
また、上記構成の回転変動吸収ダンパ1を製造する際には、各部品を製作し組み立て、特にダンパマス14を製作する工程およびこのダンパマス14にバランス調整穴23を設ける工程を順次実施するが、前者のダンパマス14を製作する工程において、ダンパマス14の円周上一部の部位に重量過多のカウンターウェイト22を設けるとともに、カウンターウェイト22を設けていないダンパマス14の円周上残りの部位を次工程で開口するバランス修正穴23と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成し、後者のダンパマス14にバランス調整穴23を設ける工程において、カウンターウェイト22に前記重量過多分に相当する大きさのバランス修正穴23を設ける。したがって前者のダンパマス14を製作する工程で意図的に設定する重量過多の状態は、後者のダンパマス14にバランス調整穴23を設ける工程で相殺され消失するため、結果としてダンパマス14は適正重量とされ、ダンパは適正なバランス状態をもつことになる。
上記構成の回転変動吸収ダンパ1は上記したように、クランクシャフトの捩り振動を低減するトーショナルダンパとしての機能およびクランクシャフトから補機へトルクを伝達する際に生じる急激なトルク変動を低減するカップリングとしての機能を発揮するものであって、ダンパマス14の円周上一部の部位にカウンターウェイト22を設けたカウンターウェイト付きの回転変動吸収ダンパ1において、バランス修正穴23を設けるのに伴ってダンパマス14にデッドスペース・デッドウェイトが発生するのを抑制することができる。したがって回転変動吸収ダンパ1の軽量化を実現し、自動車等車両の軽量化に貢献することができる。
1 回転変動吸収ダンパ
11 ハブ
11a ボス部
11b,14b,15b,17a,18b 径方向部
11c,15a,17b,18a 筒状部
12 ダンパゴム
13 スリーブ
14 ダンパマス
14a 内周筒部
14c 外周筒部
14d シール部
14e サービスタップ
15 ゴムフランジ
16 カップリングゴム
17 プーリ
17c プーリ溝
18 ベアリングリテーナ
19 ラジアルベアリング
20 スラストベアリング
21 トーショナルダンパ
22 カウンターウェイト
23 バランス修正穴

Claims (4)

  1. 環状の構成部品の円周上一部の部位にカウンターウェイトを設けたカウンターウェイト付きクランクプーリであって、
    前記カウンターウェイトにバランス修正穴を設け、
    前記カウンターウェイトを設けていない前記構成部品の円周上残りの部位は、前記バランス修正穴と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成され、
    前記カウンターウェイトは、当初重量過多に形成されたカウンターウェイトが前記バランス修正穴を設けることにより適正重量のカウンターウェイトとされていることを特徴とするカウンターウェイト付きクランクプーリ。
  2. 請求項1記載のカウンターウェイト付きクランクプーリにおいて、
    当該クランクプーリは、回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパであることを特徴とするカウンターウェイト付きクランクプーリ。
  3. 請求項2記載のカウンターウェイト付きクランクプーリにおいて、
    前記構成部品は、回転変動吸収ダンパまたはトーショナルダンパにおけるダンパマスであることを特徴とするカウンターウェイト付きクランクプーリ。
  4. 請求項1、2または3記載のカウンターウェイト付きクランクプーリを製造する方法であって、
    環状の構成部品を製作し、このとき前記構成部品の円周上一部の部位に重量過多のカウンターウェイトを設けるとともに、前記カウンターウェイトを設けていない前記構成部品の円周上残りの部位を次工程で開口するバランス修正穴と同じ大きさの穴を設けることができない大きさに形成する工程と、
    前記カウンターウェイトに前記重量過多分に相当する大きさのバランス修正穴を設ける工程と、
    を順次実施することを特徴とするカウンターウェイト付きクランクプーリの製造方法。
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