JP2022155400A - 定置型ニッケル亜鉛二次電池 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022155400000001
【課題】定置型ニッケル亜鉛二次電池のサイクル寿命を有意に向上する。
【解決手段】水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含む正極活物質層を含む正極板と、亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む負極活物質層を含む負極板と、正極板及び負極板を水酸化物イオン伝導可能に隔離する水酸化物イオン伝導セパレータと、正極板、負極板及び水酸化物イオン伝導セパレータが浸される電解液と、を含む単位セルを備え、正極板、水酸化物イオン伝導セパレータ及び負極板が横向きの状態で縦に積み重なっており、それにより単位セルが横向きに配置されている、定置型ニッケル亜鉛二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、定置型ニッケル亜鉛二次電池に関するものである。
ニッケル亜鉛二次電池、空気亜鉛二次電池等の亜鉛二次電池では、充電時に負極から金属亜鉛がデンドライト状に析出し、不織布等のセパレータの空隙を貫通して正極に到達し、その結果、短絡を引き起こすことが知られている。このような亜鉛デンドライトに起因する短絡は繰り返し充放電寿命の短縮を招く。
上記問題に対処すべく、水酸化物イオンを選択的に透過させながら、亜鉛デンドライトの貫通を阻止する、層状複水酸化物(LDH)セパレータを備えた電池が提案されている。例えば、特許文献1(国際公開第2013/118561号)には、ニッケル亜鉛二次電池においてLDHセパレータを正極及び負極間に設けることが開示されている。また、特許文献2(国際公開第2016/076047号)には、樹脂製外枠に嵌合又は接合されたLDHセパレータを備えたセパレータ構造体が開示されており、LDHセパレータがガス不透過性及び/又は水不透過性を有する程の高い緻密性を有することが開示されている。また、この文献にはLDHセパレータが多孔質基材と複合化されうることも開示されている。さらに、特許文献3(国際公開第2016/067884号)には多孔質基材の表面にLDH緻密膜を形成して複合材料を得るための様々な方法が開示されている。この方法は、多孔質基材にLDHの結晶成長の起点を与えうる起点物質を均一に付着させ、原料水溶液中で多孔質基材に水熱処理を施してLDH緻密膜を多孔質基材の表面に形成させる工程を含むものである。水熱処理を経て作製したLDH/多孔質基材の複合材料をロールプレスすることで更なる緻密化を実現したLDHセパレータも提案されている。例えば、特許文献4(国際公開第2019/124270号)には、高分子多孔質基材と、この多孔質基材に充填されるLDHとを含み、波長1000nmにおける直線透過率が1%以上である、LDHセパレータが開示されている。
また、LDHとは呼べないもののそれに類する層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物としてLDH様化合物が知られており、LDHとともに水酸化物イオン伝導層状化合物と総称できる程に類似した水酸化物イオン伝導特性を呈する。例えば、特許文献5(国際公開第2020/255856号)には、多孔質基材と、前記多孔質基材の孔を塞ぐ層状複水酸化物(LDH)様化合物とを含む、水酸化物イオン伝導セパレータであって、このLDH様化合物が、Mgと、Ti、Y及びAlからなる群から選択される少なくともTiを含む1以上の元素とを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であるものが開示されている。この水酸化物イオン伝導セパレータは、従来のLDHセパレータと比べ、耐アルカリ性に優れ、かつ、亜鉛デンドライトに起因する短絡をより一層効果的に抑制できるとされている。
ところで、特許文献6(国際公開第2019/069760号)及び特許文献7(国際公開第2019/077953号)には、負極活物質層の全体を保液部材及びLDHセパレータで覆う又は包み込み、かつ、正極活物質層を保液部材で覆う又は包み込んだ構成の亜鉛二次電池が提案されている。保液部材としては不織布が用いられている。かかる構成によれば、LDHセパレータと電池容器との煩雑な封止接合を不要にして、亜鉛デンドライト伸展を防止可能な亜鉛二次電池(特にその積層電池)を極めて簡便にかつ高い生産性で作製することができるとされている。
国際公開第2013/118561号 国際公開第2016/076047号 国際公開第2016/067884号 国際公開第2019/124270号 国際公開第2020/255856号 国際公開第2019/069760号 国際公開第2019/077953号
ところで、上述したような従来のニッケル亜鉛二次電池を定置型電池として用いる場合、電極板が縦になるように縦向きに電池を配置されていたのが現状である。
本発明者らは、今般、ニッケル亜鉛二次電池を電極板が横になるように横向きに配置することで、サイクル寿命が有意に向上するとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、定置型ニッケル亜鉛二次電池のサイクル寿命を有意に向上することにある。
本発明の一態様によれば、
水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含む正極活物質層を含む正極板と、
亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む負極活物質層を含む負極板と、
前記正極板及び前記負極板を水酸化物イオン伝導可能に隔離する水酸化物イオン伝導セパレータと、
前記正極板、前記負極板及び前記水酸化物イオン伝導セパレータが浸される電解液と、
を含む単位セルを備え、前記正極板、前記水酸化物イオン伝導セパレータ及び前記負極板が横向きの状態で縦に積み重なっており、それにより前記単位セルが横向きに配置されている、定置型ニッケル亜鉛二次電池が提供される。
横向きに配置された本発明の定置型ニッケル亜鉛二次電池を概念的に示す模式断面図であり、例1における電池配置に相当する。 図1に示される定置型ニッケル亜鉛二次電池の内部構造の一例を示す分解斜視図である。 横向きに配置された本発明の定置型ニッケル亜鉛二次電池において推定される電解液濃度の分布を濃淡で概念的に示した図である。 本発明の定置型ニッケル亜鉛二次電池の電池要素の他の一例を模式的に示す断面図である。 例1において作製及び配置した定置型ニッケル亜鉛二次電池の斜視図である。 水平面に対して45度傾斜して配置された定置型ニッケル亜鉛二次電池を概念的に示す模式断面図であり、例2(比較例)における電池配置に対応する。 例2(比較例)において作製及び配置した定置型ニッケル亜鉛二次電池の斜視図である。 縦向きに配置された従来技術の定置型ニッケル亜鉛二次電池を概念的に示す模式断面図であり、例3(比較例)における電池配置に対応する。 縦向きに配置された従来技術の定置型ニッケル亜鉛二次電池において推定される電解液濃度の分布を濃淡で概念的に示した図である。 例3(比較例)において作製及び配置した定置型ニッケル亜鉛二次電池の斜視図である。
定置型ニッケル亜鉛二次電池
図1に本発明による定置型ニッケル亜鉛二次電池を概念的に示す一方、図2にニッケル亜鉛二次電池の内部構造の一例を示す。定置型ニッケル亜鉛二次電池は、所定のスペースを確保した上で設置される据え置き型のニッケル亜鉛二次電池であり、ポータブル型のニッケル亜鉛二次電池と区別されるものである。図1及び2に示される定置型ニッケル亜鉛二次電池10は、電池要素11を電池ケース20中に備えたものであり、電池要素11は、正極板12と、負極板14と、水酸化物イオン伝導セパレータ16と、電解液(図示せず)とを含む単位セルを備える。正極板12は、水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含む正極活物質層を含む。負極板14は、亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む負極活物質層を含む。水酸化物イオン伝導セパレータ16は、正極板12及び負極板14を水酸化物イオン伝導可能に隔離する。正極板12、負極板14及び水酸化物イオン伝導セパレータ16は電解液に浸されている。そして、正極板12、水酸化物イオン伝導セパレータ16及び負極板14が横向きの状態で縦に積み重なっており、それにより単位セルが横向きに配置されている。このように、ニッケル亜鉛二次電池10を電極板が横になるように横向きに配置することで、サイクル寿命が有意に向上する。
すなわち、前述したように、従来のニッケル亜鉛二次電池を定置型電池として用いる場合、電極板が縦になるように縦向きに電池を配置されていたのが現状である。これは縦向き配置の方が電池の製造及び性能の観点から有利であろうとの固定観念があったためである。しかしながら、予想外なことに、ニッケル亜鉛二次電池10を電極板が横になるように横向きに配置するだけで、サイクル寿命が有意に向上することが判明した。これは、図3に電解液18の濃度が濃淡で概念的に示されるように、電池を横置きにした場合、負極板14に対して電解液18がより均一に広がることで反応ムラが減少し、それによりサイクル性能が改善するためではないかと考えられる。すなわち、従来の縦置きの場合、図9に示されるように、負極板14の高さ方向にわたって電解液18の濃度差が大きくなるが、図3に示されるように、横置きにすることで負極板14の高さ方向にわたる電解液18の濃度差が小さくなるため、電解液18が充放電に均等に使用されることができ、その結果、サイクル寿命の向上が有意に向上するものと考えられる。
上記のとおり、正極板12、水酸化物イオン伝導セパレータ16及び負極板14は「横向き」の状態で縦に積み重なっており、それにより単位セルが「横向き」に配置されている。ここで、本明細書において「横向き」であるとは、水平な面に対して、対象物の主面(すなわち電極板の板面やセパレータの膜面)が概ね平行であることを意味する。もっとも、「横向き」ないし「平行」なる用語は、厳密に解すべきではなく、一般常識ないし社会通念に照らして横向きないし(水平面と)略平行と認識できる程度の傾斜を有することは許容されるものとする。したがって、「横向き」は、水平面と主面のなす角度が0度という完全な平行である必要はなく、水平面と主面の成す角度が30度未満、20度未満、10度未満、又は5度未満であってもよい。
本発明の好ましい態様によれば、図3に示されるように、複数枚の正極板12と、複数枚の負極板14、複数枚のセパレータ16を備え、正極板12/セパレータ16/負極板14の単位が繰り返されるように積層された正負極積層体の形態とされうる。すなわち、この態様によるニッケル亜鉛二次電池10は、単位セル10aを複数個有し、それにより複数個の単位セル10aが横向きの状態で縦に積み重なって全体として多層セルをなしている。これはいわゆる組電池ないし積層電池の構成であり、高電圧や大電流が得られる点で有利である。
正極板12は、正極活物質層12aを含む。正極活物質層12aを構成する正極活物質は、水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含む。典型的には、正極板12は正極集電体(図示せず)をさらに含んでおり、正極集電体は正極板12の端部(例えば上端)から延出する正極集電タブ12bを有するのが好ましい。正極集電体の好ましい例としては、発泡ニッケル板等のニッケル製多孔質基板が挙げられる。この場合、例えば、ニッケル製多孔質基板上に水酸化ニッケル等の電極活物質を含むペーストを均一に塗布して乾燥させることにより正極/正極集電体からなる正極板を好ましく作製することができる。その際、乾燥後の正極板(すなわち正極/正極集電体)にプレス処理を施して、電極活物質の脱落防止や電極密度の向上を図ることも好ましい。なお、図1、2及び4に示される正極板12は正極集電体(例えば発泡ニッケル)を含むものであるが図示されていない。これは、ニッケル亜鉛二次電池の場合、正極集電体が正極活物質と渾然一体化しているため、正極集電体を個別に描出できないためである。ニッケル亜鉛二次電池10は、正極集電タブ12bの先端に接続する正極集電板25をさらに備えるのが好ましく、より好ましくは複数枚の正極集電タブ12bが1つの正極集電板25に接続される。こうすることで簡素な構成でスペース効率良く集電を行えるとともに、正極端子26への接続もしやすくなる。また、正極集電板25自体を正極端子26として用いてもよい。
正極板12は、銀化合物、マンガン化合物、及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤を含んでいてもよく、これにより自己放電反応により発生する水素ガスを吸収する正極反応を促進することができる。また、正極板12は、コバルトをさらに含んでいてもよい。コバルトは、オキシ水酸化コバルトの形態で正極板12に含まれるのが好ましい。正極板12において、コバルトは導電助剤として機能することで、充放電容量の向上に寄与する。
負極板14は負極活物質層を含む。負極活物質層を構成する負極活物質は、亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。亜鉛は、負極に適した電気化学的活性を有するものであれば、亜鉛金属、亜鉛化合物及び亜鉛合金のいずれの形態で含まれていてもよい。負極材料の好ましい例としては、酸化亜鉛、亜鉛金属、亜鉛酸カルシウム等が挙げられるが、亜鉛金属及び酸化亜鉛の混合物がより好ましい。負極活物質はゲル状に構成してもよいし、電解液と混合して負極合材としてもよい。例えば、負極活物質に電解液及び増粘剤を添加することにより容易にゲル化した負極を得ることができる。増粘剤の例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、CMC、アルギン酸等が挙げられるが、ポリアクリル酸が強アルカリに対する耐薬品性に優れているため好ましい。
亜鉛合金として、無汞化亜鉛合金として知られている水銀及び鉛を含まない亜鉛合金を用いることができる。例えば、インジウムを0.01~0.1質量%、ビスマスを0.005~0.02質量%、アルミニウムを0.0035~0.015質量%を含む亜鉛合金が水素ガス発生の抑制効果があるので好ましい。とりわけ、インジウムやビスマスは放電性能を向上させる点で有利である。亜鉛合金の負極への使用は、アルカリ性電解液中での自己溶解速度を遅くすることで、水素ガス発生を抑制して安全性を向上できる。
負極材料の形状は特に限定されないが、粉末状とすることが好ましく、それにより表面積が増大して大電流放電に対応可能となる。好ましい負極材料の平均粒径は、亜鉛合金の場合、短径で3~100μmの範囲であり、この範囲内であると表面積が大きいことから大電流放電への対応に適するとともに、電解液及びゲル化剤と均一に混合しやすく、電池組み立て時の取り扱い性も良い。
負極板14は、図4に示されるように、(負極集電タブ14cとして延出する部分を除いて)負極活物質層14aの内部及び/又は表面に設けられる負極集電体14bを含む。すなわち、負極集電体14bの両面に負極活物質層14aが配置される構成であってもよいし、負極集電体14bの片面にのみ負極活物質層14aが配置される構成であってもよい。負極板14は負極集電体14bをさらに含み、負極集電体14bは負極板14の端部から延出する負極集電タブ14cを有するのが好ましい。負極集電タブ14cは、正極集電タブ12bと重ならない位置に設けられるのが好ましい。ニッケル亜鉛二次電池10は、負極集電タブ14cの先端に接続する負極集電板27をさらに備えるのが好ましく、より好ましくは複数枚の負極集電タブ14cが1つの負極集電板27に接続される。こうすることで簡素な構成でスペース効率良く集電を行えるとともに、負極端子28への接続もしやすくなる。また、負極集電板27自体を負極端子28として用いてもよい。
負極集電体14bは複数(又は多数)の開口部を有する金属板を用いるのが、負極活物質を集電体に固定する観点から好ましい。そのような負極集電体14bの好ましい例としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、及びメタルメッシュ、及びそれらの組合せが挙げられ、より好ましくは、銅エキスパンドメタル、銅パンチングメタル、及びそれらの組合せ、特に好ましくは銅エキスパンドメタルが挙げられる。この場合、例えば、銅エキスパンドメタル上に、酸化亜鉛粉末及び/又は亜鉛粉末、並びに所望によりバインダー(例えばポリテトラフルオロエチレン粒子)を含んでなる混合物を塗布して負極/負極集電体からなる負極板を好ましく作製することができる。その際、乾燥後の負極板(すなわち負極/負極集電体)にプレス処理を施して、電極活物質の脱落防止や電極密度の向上を図ることも好ましい。なお、エキスパンドメタルとは、金属板をエキスパンド製造機によって千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形に成形したメッシュ状の金属板である。パンチングメタルは、打抜金網(perforated metal)とも呼ばれ、金属板に打ち抜き加工により孔を開けたものである。メタルメッシュとは、金網構造の金属製品であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルとは異なるものである。
水酸化物イオン伝導セパレータ16は、正極板12及び負極板14を水酸化物イオン伝導可能に隔離するように設けられる。例えば、図4に示されるように、負極板14が、水酸化物イオン伝導セパレータ16で覆われ又は包み込まれる構成としてもよい。こうすることで、水酸化物イオン伝導セパレータ16と電池容器との煩雑な封止接合を不要にして、亜鉛デンドライト伸展を防止可能なニッケル亜鉛二次電池(特にその積層電池)を極めて簡便にかつ高い生産性で作製することが可能となる。もっとも、正極板12又は負極板14の一面側に水酸化物イオン伝導セパレータ16が配置されるシンプルな構成であってもよい。
水酸化物イオン伝導セパレータ16は、正極板12及び負極板14を水酸化物イオン伝導可能に隔離可能なセパレータであれば特に限定されないが、典型的には、水酸化物イオン伝導固体電解質を含み、専ら水酸化物イオン伝導性を利用して水酸化物イオンを選択的に通すセパレータである。好ましい水酸化物イオン伝導固体電解質は、層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物である。したがって、水酸化物イオン伝導セパレータ16はLDHセパレータであるのが好ましい。本明細書において「LDHセパレータ」は、LDH及び/又はLDH様化合物を含むセパレータであって、専らLDH及び/又はLDH様化合物の水酸化物イオン伝導性を利用して水酸化物イオンを選択的に通すものとして定義される。本明細書において「LDH様化合物」は、LDHとは呼べないかもしれないがLDHに類する層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であり、LDHの均等物といえるものである。もっとも、広義の定義として、「LDH」はLDHのみならずLDH様化合物を包含するものとして解釈することも可能である。LDHセパレータは多孔質基材と複合化されているのが好ましい。したがって、LDHセパレータは、多孔質基材を更に含み、LDH及び/又はLDH様化合物が多孔質基材の孔に充填された形態で多孔質基材と複合化されているのが好ましい。すなわち、好ましいLDHセパレータは、水酸化物イオン伝導性及びガス不透過性を呈するように(それ故水酸化物イオン伝導性を呈するLDHセパレータとして機能するように)LDH及び/又はLDH様化合物が多孔質基材の孔を塞いでいる。多孔質基材は高分子材料製であるのが好ましく、LDHは高分子材料製多孔質基材の厚さ方向の全域にわたって組み込まれているのが特に好ましい。例えば、特許文献1~7に開示されるような公知のLDHセパレータが使用可能である。LDHセパレータの厚さは、5~100μmが好ましく、より好ましくは5~80μm、さらに好ましくは5~60μm、特に好ましくは5~40μmである。
ニッケル亜鉛二次電池10は、正極板12及び/又は負極板14に接触する保液部材17を更に備えていてもよい。例えば、正極板12及び負極板14の間に、水酸化物イオン伝導セパレータ16のみならず、保液部材17が介在されているのが好ましい。そして、図4に示されるように、正極板12及び/又は負極板14が保液部材17で覆われる又は包み込まれているのが好ましい。もっとも、正極板12又は負極板14の一面側に保液部材17が配置するシンプルな構成であってもよい。いずれにしても、保液部材17を介在させることで、正極板12及び/負極板14と水酸化物イオン伝導セパレータ16の間に電解液を万遍なく存在させることができ、正極板12及び/負極板14と水酸化物イオン伝導セパレータ16との間における水酸化物イオンの授受を効率良く行うことができる。保液部材17は電解液を保持可能な部材であれば特に限定されないが、シート状の部材であるのが好ましい。保液部材17の好ましい例としては不織布、吸水性樹脂、保液性樹脂、多孔シート、各種スペーサが挙げられるが、特に好ましくは、低コストで性能の良い負極構造体を作製できる点で不織布である。保液部材17ないし不織布は10~200μmの厚さを有するのが好ましく、より好ましくは20~200μmであり、さらに好ましくは20~150μmであり、特に好ましくは20~100μmであり、最も好ましくは20~60μmである。上記範囲内の厚さであると、正極構造体及び/又は負極構造体の全体サイズを無駄無くコンパクトに抑えながら、保液部材17内に十分な量の電解液を保持させることができる。
正極板12及び/又は負極板14が、保液部材17及び/又はセパレータ16で覆われる又は包み込まれる場合、それらの外縁が(正極集電タブ12bや負極集電タブ14cが延出される辺を除いて)閉じられているのが好ましい。この場合、保液部材17及び/又はセパレータ16の外縁の閉じられた辺が、保液部材17及び/又はセパレータ16の折り曲げや、保液部材17同士及び/又はセパレータ16同士の封止により実現されているのが好ましい。封止手法の好ましい例としては、接着剤、熱溶着、超音波溶着、接着テープ、封止テープ、及びそれらの組合せが挙げられる。特に、高分子材料製の多孔質基材を含むLDHセパレータはフレキシブル性を有するが故に折り曲げやすいとの利点を有するため、LDHセパレータを長尺状に形成してそれを折り曲げることで、外縁の1辺が閉じた状態を形成するのが好ましい。熱溶着及び超音波溶着は市販のヒートシーラー等を用いて行えばよいが、LDHセパレータ同士の封止の場合、外周部分を構成するLDHセパレータの間に保液部材17の外周部分を挟み込むようにして熱溶着及び超音波溶着を行うのが、より効果的な封止を行える点で好ましい。一方、接着剤、接着テープ及び封止テープは市販品を用いればよいが、アルカリ電解液中での劣化を防ぐため、耐アルカリ性を有する樹脂を含むものが好ましい。かかる観点から、好ましい接着剤の例としては、エポキシ樹脂系接着剤、天然樹脂系接着剤、変性オレフィン樹脂系接着剤、及び変成シリコーン樹脂系接着剤が挙げられ、中でもエポキシ樹脂系接着剤が耐アルカリ性に特に優れる点でより好ましい。エポキシ樹脂系接着剤の製品例としては、エポキシ接着剤Hysol(登録商標)(Henkel製)が挙げられる。
電解液はアルカリ金属水酸化物水溶液を含むのが好ましい。アルカリ金属水酸化物の例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等が挙げられるが、水酸化カリウムがより好ましい。亜鉛及び/又は酸化亜鉛の自己溶解を抑制するために、電解液中に酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物を添加してもよい。前述のとおり、電解液は正極活物質及び/又は負極活物質と混合させて正極合材及び/又は負極合材の形態で存在させてもよい。また、電解液の漏洩を防止するために電解液をゲル化してもよい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸収して膨潤するようなポリマーを用いるのが望ましく、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどのポリマーやデンプンが用いられる。
電池ケース20は樹脂製であるのが好ましい。電池ケース20を構成する樹脂は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物に対する耐性を有する樹脂であるのが好ましく、より好ましくはポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、又は変性ポリフェニレンエーテルであり、さらに好ましくはABS樹脂又は変性ポリフェニレンエーテルである。電池ケース20はガスを放出するための放圧弁を有していてもよい。また、2以上の電池ケース20が配列されたケース群を外枠内に収容して、電池モジュールの構成としてもよい。
LDH様化合物
本発明の好ましい態様によれば、LDHセパレータは、LDH様化合物を含むものであることができる。LDH様化合物の定義は前述したとおりである。好ましいLDH様化合物は、
(a)Mgと、Ti、Y及びAlからなる群から選択される少なくともTiを含む1以上の元素とを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物である、又は
(b)(i)Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はMgと、(ii)In、Bi、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種である添加元素Mとを含む、層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物である、又は
(c)Mg、Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はInを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であり、該(c)において前記LDH様化合物がIn(OH)との混合物の形態で存在する。
本発明の好ましい態様(a)によれば、LDH様化合物は、Mgと、Ti、Y及びAlからなる群から選択される少なくともTiを含む1以上の元素とを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物でありうる。したがって、典型的なLDH様化合物は、Mg、Ti、所望によりY及び所望によりAlの複合水酸化物及び/又は複合酸化物である。LDH様化合物の基本的特性を損なわない程度に上記元素は他の元素又はイオンで置き換えられてもよいが、LDH様化合物はNiを含まないのが好ましい。例えば、LDH様化合物は、Zn及び/又はKをさらに含むものであってもよい。こうすることで、LDHセパレータのイオン伝導率をより一層向上することができる。
LDH様化合物はX線回折により同定することができる。具体的には、LDHセパレータは、その表面に対してX線回折を行った場合、典型的には5°≦2θ≦10°の範囲に、より典型的には7°≦2θ≦10°の範囲にLDH様化合物に由来するピークが検出される。前述のとおり、LDHは積み重なった水酸化物基本層の間に、中間層として交換可能な陰イオン及びHOが存在する交互積層構造を有する物質である。この点、LDHをX線回折法により測定した場合、本来的には2θ=11~12°の位置にLDHの結晶構造に起因したピーク(すなわちLDHの(003)ピーク)が検出される。これに対して、LDH様化合物をX線回折法により測定した場合、典型的にはLDHの上記ピーク位置よりも低角側にシフトした上述の範囲でピークが検出される。また、X線回折におけるLDH様化合物に由来するピークに対応する2θを用いてBraggの式により、層状結晶構造の層間距離を決定することができる。こうして決定されるLDH様化合物を構成する層状結晶構造の層間距離は0.883~1.8nmであるのが典型的であり、より典型的には0.883~1.3nmである。
上記態様(a)によるLDHセパレータは、エネルギー分散型X線分析(EDS)により決定される、LDH様化合物におけるMg/(Mg+Ti+Y+Al)の原子比が0.03~0.25であるのが好ましく、より好ましくは0.05~0.2である。また、LDH様化合物におけるTi/(Mg+Ti+Y+Al)の原子比は0.40~0.97であるのが好ましく、より好ましくは0.47~0.94である。さらに、LDH様化合物におけるY/(Mg+Ti+Y+Al)の原子比は0~0.45であるのが好ましく、より好ましくは0~0.37である。そして、LDH様化合物におけるAl/(Mg+Ti+Y+Al)の原子比は0~0.05であるのが好ましく、より好ましくは0~0.03である。上記範囲内であると、耐アルカリ性により一層優れ、かつ、亜鉛デンドライトに起因する短絡の抑制効果(すなわちデンドライト耐性)をより効果的に実現することができる。ところで、LDHセパレータに関して従来から知られるLDHは一般式:M2+ 1-x3+ (OH)n- x/n・mHO(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An-はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1~0.4であり、mは0以上である)なる基本組成で表しうる。これに対して、LDH様化合物における上記原子比は、LDHの上記一般式から概して逸脱している。このため、本態様におけるLDH様化合物は、概して、従来のLDHとは異なる組成比(原子比)を有するといえる。なお、EDS分析は、EDS分析装置(例えばX-act、オックスフォード・インストゥルメンツ社製)を用いて、1)加速電圧20kV、倍率5,000倍で像を取り込み、2)点分析モードで5μm程度間隔を空け、3点分析を行い、3)上記1)及び2)をさらに1回繰り返し行い、4)合計6点の平均値を算出することにより行うのが好ましい。
本発明の別の好ましい態様(b)によれば、LDH様化合物は、(i)Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はMgと、(ii)添加元素Mとを含む、層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物でありうる。したがって、典型的なLDH様化合物は、Ti、Y、添加元素M、所望によりAl及び所望によりMgの複合水酸化物及び/又は複合酸化物である。添加元素Mは、In、Bi、Ca、Sr、Ba又はそれらの組合せである。LDH様化合物の基本的特性を損なわない程度に上記元素は他の元素又はイオンで置き換えられてもよいが、LDH様化合物はNiを含まないのが好ましい。
上記態様(b)によるLDHセパレータは、エネルギー分散型X線分析(EDS)により決定される、LDH様化合物におけるTi/(Mg+Al+Ti+Y+M)の原子比が0.50~0.85であるのが好ましく、より好ましくは0.56~0.81である。LDH様化合物におけるY/(Mg+Al+Ti+Y+M)の原子比は0.03~0.20であるのが好ましく、より好ましくは0.07~0.15である。LDH様化合物におけるM/(Mg+Al+Ti+Y+M)の原子比は0.03~0.35であるのが好ましく、より好ましくは0.03~0.32である。LDH様化合物におけるMg/(Mg+Al+Ti+Y+M)の原子比は0~0.10であるのが好ましく、より好ましくは0~0.02である。そして、LDH様化合物におけるAl/(Mg+Al+Ti+Y+M)の原子比は0~0.05であるのが好ましく、より好ましくは0~0.04である。上記範囲内であると、耐アルカリ性により一層優れ、かつ、亜鉛デンドライトに起因する短絡の抑制効果(すなわちデンドライト耐性)をより効果的に実現することができる。ところで、LDHセパレータに関して従来から知られるLDHは一般式:M2+ 1-x3+ (OH)n- x/n・mHO(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An-はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1~0.4であり、mは0以上である)なる基本組成で表しうる。これに対して、LDH様化合物における上記原子比は、LDHの上記一般式から概して逸脱している。このため、本態様におけるLDH様化合物は、概して、従来のLDHとは異なる組成比(原子比)を有するといえる。なお、EDS分析は、EDS分析装置(例えばX-act、オックスフォード・インストゥルメンツ社製)を用いて、1)加速電圧20kV、倍率5,000倍で像を取り込み、2)点分析モードで5μm程度間隔を空け、3点分析を行い、3)上記1)及び2)をさらに1回繰り返し行い、4)合計6点の平均値を算出することにより行うのが好ましい。
本発明の更に別の好ましい態様(c)によれば、LDH様化合物は、Mg、Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はInを含む層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であり、LDH様化合物がIn(OH)との混合物の形態で存在するものでありうる。この態様のLDH様化合物は、Mg、Ti、Y、及び所望によりAl及び/又はInを含む、層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物である。したがって、典型的なLDH様化合物は、Mg、Ti、Y、所望によりAl、及び所望によりInの、複合水酸化物及び/又は複合酸化物である。なお、LDH様化合物に含まれうるInは、LDH様化合物中に意図的に添加されたもののみならず、In(OH)の形成等に由来してLDH様化合物中に不可避的に混入したものであってもよい。LDH様化合物の基本的特性を損なわない程度に上記元素は他の元素又はイオンで置き換えられてもよいが、LDH様化合物はNiを含まないのが好ましい。ところで、LDHセパレータに関して従来から知られるLDHは一般式:M2+ 1-x3+ (OH)n- x/n・mHO(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An-はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1~0.4であり、mは0以上である)なる基本組成で表しうる。これに対して、LDH様化合物における原子比は、LDHの上記一般式から概して逸脱している。このため、本態様におけるLDH様化合物は、概して、従来のLDHとは異なる組成比(原子比)を有するといえる。
上記態様(c)による混合物はLDH様化合物のみならずIn(OH)をも含む(典型的にはLDH様化合物及びIn(OH)で構成される)。In(OH)の含有により、LDHセパレータにおける耐アルカリ性及びデンドライト耐性を効果的に向上することができる。混合物におけるIn(OH)の含有割合は、LDHセパレータの水酸化物イオン伝導性を殆ど損なわずに耐アルカリ性及びデンドライト耐性を向上できる量であるのが好ましく、特に限定されない。In(OH)はキューブ状の結晶構造を有するものであってもよく、In(OH)の結晶がLDH様化合物で取り囲まれている構成であってもよい。In(OH)はX線回折により同定することができる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
(1)ニッケル亜鉛二次電池の作製
以下に示される正極板、負極板、LDHセパレータ、不織布、電池ケース、及び電解液を用意した。
・正極板:発泡ニッケルの孔内に水酸化ニッケル及びバインダーを含む正極ペーストを充填して乾燥させた厚さ0.7mmの板(発泡ニッケルの端部1辺の近傍に正極ペーストを塗工しない未塗工部がプレスされて正極集電タブに加工されている)。
・負極板:ZnO粉末92.7体積%、金属Zn粉末2.9体積%、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)3.1体積%及びプロピレングリコールを含む負極ペーストを集電体(銅エキスパンドメタル)に圧着したもの(銅エキスパンドメタルの端部1辺の近傍に負極ペーストを塗工しない未塗工部が負極集電タブとして存在)。
・LDHセパレータ:ポリエチレン微多孔膜の孔内及び表面にNi-Al-Ti-LDH(層状複水酸化物)を水熱合成により析出させてロールプレスしたもの、厚さ:9μm
・不織布:ポリプロピレン製、厚さ100μm
・電池ケース:変性ポリフェニレンエーテル樹脂製の筐体
・電解液:0.4mol/LのZnOを溶解させた5.4mol/LのKOH水溶液
正極板を両面から覆うように不織布で包み込んで、正極集電タブが延出する1辺を除く残り3辺から不織布が若干はみ出すようにした。正極板の3辺からはみ出した不織布の余剰部分をヒートシールバーで熱融着封止して、正極構造体を得た。また、負極板を両面から不織布及びLDHセパレータで順に包み込み、負極集電タブが延出する1辺を除く残り3辺から不織布及びLDHセパレータが若干はみ出すようにした。負極板の3辺からはみ出した不織布及びLDHセパレータの余剰部分をヒートシールバーで熱融着封止して、負極構造体を得た。こうして、2枚の正極構造体及び1枚の負極構造体からなる合計3枚の電極構造体を準備した。2枚の正極構造体で負極構造体を挟み込んで電池ケース内に配置した。正極集電体を正極集電端子に、負極集電体を負極集電端子にそれぞれ接続し、樹脂ケースと樹脂蓋を熱溶着して一体化させた。その後、注液口から電解液を加え、真空引き等により電解液を十分に正極板及び負極板に浸透させた。その後、注液口を塞ぎ密閉セルとした。
(2)サイクル試験
充放電装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3000S)を用いて、密閉セルに対し、0.1C充電及び0.2C放電で化成を実施した。その後、1C充放電サイクルを実施した。同一条件で繰り返し充放電サイクルを実施し、密閉セルの1サイクル目の放電容量の70%まで放電容量が低下するまでの充放電回数を記録した。
例2(比較)
図6及び7に示されるように、電池を水平面に対して45度傾斜させて配置したこと以外は、例1と同様にしてサイクル試験を行った。
例3(比較)
図8及び10に示されるように、電池を水平面に対して90度となるように縦に配置したこと以外は、例1と同様にしてサイクル試験を行った。
結果
例1~3の結果は表1に示されるとおりであった。表1に示される結果から、電池を横置きにすることでサイクル寿命が有意に向上したことが分かる。
Figure 2022155400000002
10 ニッケル亜鉛二次電池
10a 単位セル
11 電池要素
12 正極板
12a 正極活物質層
12b 正極集電タブ
14 負極板
14a 負極活物質層
14b 負極集電体
14c 負極集電タブ
16 水酸化物イオン伝導セパレータ
17 保液部材
18 電解液
20 電池ケース
25 正極集電部材
26 正極端子
27 負極集電部材
28 負極端子

Claims (8)

  1. 水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含む正極活物質層を含む正極板と、
    亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む負極活物質層を含む負極板と、
    前記正極板及び前記負極板を水酸化物イオン伝導可能に隔離する水酸化物イオン伝導セパレータと、
    前記正極板、前記負極板及び前記水酸化物イオン伝導セパレータが浸される電解液と、
    を含む単位セルを備え、前記正極板、前記水酸化物イオン伝導セパレータ及び前記負極板が横向きの状態で縦に積み重なっており、それにより前記単位セルが横向きに配置されている、定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  2. 前記正極板及び前記負極板の間に、前記水酸化物イオン伝導セパレータのみならず、保液部材が介在されている、請求項1に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  3. 前記正極板及び/又は前記負極板が前記保液部材で覆われる又は包み込まれている、請求項1又は2に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  4. 前記保液部材が不織布である、請求項1~3のいずれか一項に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  5. 前記水酸化物イオン伝導セパレータが、層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物を含むLDHセパレータである、請求項1~4のいずれか一項に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  6. 前記LDHセパレータが、多孔質基材を更に含み、前記LDH及び/又はLDH様化合物が前記多孔質基材の孔に充填された形態で前記多孔質基材と複合化されている、請求項5に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  7. 前記多孔質基材が高分子材料製である、請求項6に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
  8. 前記単位セルを複数個有し、複数個の前記単位セルが横向きの状態で縦に積み重なって全体として多層セルをなしている、請求項1~7のいずれか一項に記載の定置型ニッケル亜鉛二次電池。
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