JP2022155330A - 画像形成装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱部材の温度を精度よく決定することができる画像形成装置及びその制御方法を提供する。【解決手段】制御部(10)は、第2増幅回路からの第2差分値が所定範囲内であれば、当該第2差分値と補償用サーミスタからの第2検出値とを用いて加熱ローラの温度を決定する。また、制御部(10)は、上記第2差分値が所定範囲外であれば、第1増幅回路からの第1差分値と上記第2検出値とを用いて加熱ローラの温度を決定する。【選択図】図1

Description

本開示は、画像形成装置及びその制御方法に関する。
画像形成対象の用紙を加熱してトナー像を定着させる定着器を備えたものが知られている。このような定着器では、用紙を通過させて加熱するごとに、用紙に熱を奪われて温度が低下する。このため、定着器では、用紙を加熱する加熱ローラ(加熱部材)の温度を正確に判定することが求められている。
特許文献1には、検出用サーミスタと、補償用サーミスタとを有する温度センサを用いて、加熱部材の温度を判定する画像形成装置が記載されている。各サーミスタからの検出値の差分値は増幅回路により増幅された後、変換回路によりアナログ・デジタル変換され、マイクロコンピュータに出力される。マイクロコンピュータは、変換された差分値と、補償用サーミスタからの出力値とを用いて加熱部材の温度を決定する。
特開2003‐257591号公報
しかしながら、上記従来技術では、検出用サーミスタと補償用サーミスタとの差分値を1つの増幅回路によって増幅し、その結果を用いて、加熱部材の温度を決定していたので、加熱部材の実際の温度に対して検出温度の誤差が大きくなることが懸念される。
本開示は、上記課題に鑑みたものであり、加熱部材の温度を精度よく決定することができる画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様の画像形成装置は、トナー像が形成された用紙を加熱する加熱部材と、前記加熱部材からの赤外線を吸収するフィルムと、前記フィルムの温度に応じた第1検出値を出力する検出用サーミスタと、前記フィルムを保持する保持体の温度に応じた第2検出値を出力する補償用サーミスタと、前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を第1増幅率で増幅した値である第1差分値を出力する第1増幅回路と、前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を前記第1増幅率よりも大きな第2増幅率で増幅した値である第2差分値を出力する第2増幅回路と、前記第2検出値と前記第1差分値と前記第2差分値とが入力される制御部と、を備え、前記制御部は、前記第2差分値が、所定範囲内であれば、当該第2差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定し、前記第2差分値が、前記所定範囲外であれば、前記第1差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定する構成を備える。
上記構成によれば、制御部には第1増幅回路からの第1差分値と当該第1増幅回路よりも増幅率が大きい第2増幅回路からの第2差分値とが入力される。そして、制御部は、第2差分値が所定範囲内であれば、当該第2差分値と補償用サーミスタからの第2検出値とを用いて加熱部材の温度を決定する。また、制御部は、第2差分値が所定範囲外であれば、第1差分値と上記第2検出値とを用いて加熱部材の温度を決定する。このように、制御部は、第1差分値に比べて、分解能を向上した第2差分値が所定範囲内であるか所定範囲外であるかに応じて、第1増幅回路による第1差分値、又は、第2増幅回路による第2差分値の何れかを用いて、加熱部材の温度を決定する。この結果、制御部は、加熱部材の温度を精度よく決定することができる。
本開示の第2態様は、第1態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記第2検出値を用いて前記補償用サーミスタの補償温度を決定し、前記第1差分値と前記補償温度との組み合わせに対して前記加熱部材の温度が予め計算されている第1テーブルと、前記第2差分値と前記補償温度との組み合わせに対して前記加熱部材の温度が予め計算されている第2テーブルと、が記憶されている記憶部、を更に備えてもよい。
上記構成によれば、制御部は、第1テーブルまたは第2テーブルを参照することにより、加熱部材の温度を直ちに決定することができる。
本開示の第3態様は、第1態様または第2態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記第1増幅回路からの前記第1差分値と前記第2増幅回路からの前記第2差分値とを同時に取得してもよい。
上記構成によれば、第2差分値が所定範囲内または所定範囲外のいずれの場合でも、制御部は、適切な加熱部材の温度を早急に決定することができる。
本開示の第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの画像形成装置であって、前記第2増幅回路は、前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を前記第2増幅率で増幅するオペアンプを有し、
前記所定範囲は、前記オペアンプの許容電源電圧範囲内となるように規定されてもよい。
上記構成によれば、制御部は、精度よく加熱部材の温度を決定することができる。
本開示の第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つの画像形成装置であって、トナー像を用紙に定着させる定着部を更に備え、前記定着部は、トナー像を用紙に定着させる際に前記加熱部材を用いて前記用紙を加熱してもよい。
上記構成によれば、制御部は、定着部の加熱部材の温度を精度よく決定することができるので、トナー像の定着性を向上させることができ、優れた画像形成精度を有する画像形成装置を容易に構成することができる。
本開示の第6態様の画像形成装置の制御方法は、トナー像が形成された用紙を加熱する加熱部材と、前記加熱部材からの赤外線を吸収するフィルムと、前記フィルムの温度に応じた第1検出値を出力する検出用サーミスタと、前記フィルムを保持する保持体の温度に応じた第2検出値を出力する補償用サーミスタと、を備える画像形成装置の制御方法であって、前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を第1増幅率で増幅した値である第1差分値を出力する第1出力ステップと、前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を前記第1増幅率よりも大きな第2増幅率で増幅した値である第2差分値を出力する第2出力ステップと、前記第2差分値が、所定範囲内であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、前記第2差分値が所定範囲内であれば、当該第2差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定し、前記判定ステップにおいて、前記第2差分値が前記所定範囲外であれば、前記第1差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定することを具備する。
上記構成によれば、判定ステップにおいて、第1差分値に比べて、増幅率が大きくて分解能を向上した第2差分値が所定範囲内であるか否かについて判定している。そして、第2差分値が所定範囲内であれば、当該第2差分値と補償用サーミスタからの第2検出値とを用いて加熱部材の温度を決定する。また、第2差分値が所定範囲外であれば、第1増幅回路からの第1差分値と上記第2検出値とを用いて加熱部材の温度を決定する。判定ステップにおいて、第2差分値が所定範囲内であるか所定範囲外であるかに応じて、第1増幅回路による第1差分値、又は、第2増幅回路による第2差分値の何れかを用いて、加熱部材の温度を決定する。この結果、制御部は、加熱部材の温度を精度よく決定することができる。
本開示の一態様によれば、加熱部材の温度を精度よく決定することができる画像形成装置及びその制御方法が実現できる。
本開示の一実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。 上記画像形成装置の概略構成を説明する図である。 図1に示した温度センサの構成例を説明する図である。 図1に示した増幅部の構成例を説明する回路図である。 上記画像形成装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 図1に示した制御部での加熱ローラの温度を決定する動作の一例を説明する図である。 上記制御部での加熱ローラの温度を決定する具体的な動作例を説明する図である。 上記制御部での加熱ローラの温度を決定する別の動作の一例を説明する図である。
以下、本開示の一実施形態について図1~図8を参照しつつ説明する。本実施形態では、画像形成装置1の一例として、トナーを用いて用紙S1に画像を形成するレーザプリンタについて説明する。
〔画像形成装置1の構成〕
図1は、本開示の一実施形態に係る画像形成装置1の要部構成を示すブロック図である。図2は、画像形成装置1の概略構成を説明する図である。尚、以下の説明では、画像形成装置1として、モノクロ画像の画像形成処理を行うモノクロプリンタを例示するが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、フルカラー画像の画像形成処理を行うカラープリンタであってもよい。
図1及び図2に示すように、画像形成装置1は、本体筐体2と、給紙部3と、画像形成部4と、排出ローラ5と、排出トレイ6と、操作パネル7と、表示部8と、制御部10と、通信部20と、通電回路21と、増幅部22と、を備える。本体筐体2は、上記各部を収容している。
図2に示すように、給紙部3は、用紙S1を供給する。給紙部3は、給紙トレイ31と、給送ローラ32と、押圧板33と、搬送ローラ34と、レジストレーションローラ35と、を備える。給紙トレイ31は、上面が開放した箱状の部材であり、所定量の用紙S1を収容する。また、用紙S1は、画像形成処理が施される記録媒体であって、紙またはプラスチックなどである。
給送ローラ32は、給紙トレイ31に収容された用紙S1を送り出す。すなわち、用紙S1が送り出される場合、給紙トレイ31上の用紙S1は、押圧板33によって給送ローラ32に寄せられ、給送ローラ32の回転に伴い搬送ローラ34に給送される。搬送ローラ34は、用紙S1をレジストレーションローラ35に向けて搬送する。レジストレーションローラ35は、用紙S1の先端の位置を揃えた後、画像形成部4に向けて用紙S1を搬送する。
画像形成部4は、給紙部3によって送り出された用紙S1に画像形成処理を施して画像を形成する。図2に示すように、画像形成部4は、露光部41と、転写部42と、帯電部43と、現像部44と、定着部45と、感光体46と、温度センサ50と、を備える。露光部41は、図示しないレーザ光源と、ポリゴンミラー41Gと、走査レンズ41Lと、ポリゴンモータ41Mと、反射鏡41Rと、を備える。
ポリゴンミラー41Gは正六角柱の側面を6つの反射面とする回転多面鏡である。ポリゴンミラー41Gは、レーザ光源が出射した光ビームL1を感光体46に向かう方向へ偏向するためのものである。ポリゴンモータ41Mは、図1に示すモータドライバ41Dによって駆動されることにより、ポリゴンミラー41Gを回転駆動する。
露光部41は、光ビームL1をポリゴンミラー41Gにより偏向し、ポリゴンミラー41Gから走査レンズ41L及び反射鏡41Rを介して感光体46の表面に光ビームL1を出射する。露光部41は、光ビームL1によって感光体46の表面を走査して露光する。これにより、感光体46に静電潜像が形成される。ポリゴンモータ41Mは、例えばブラシレスDCモータである。
転写部42は、感光体46との間で用紙S1を挟む転写ローラである。帯電部43は、例えば、図示しない帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器を含む。この帯電部43では、図示しない高電圧生成回路により、上記帯電ワイヤに帯電電圧が印加され、上記グリッド部にグリッド電圧が印加されることでコロナ放電が発生し、感光体46の表面が一様に帯電される。現像部44は、現像ローラ44R、及び現像剤、例えばトナーを収容したトナーカートリッジ44Aを備える。
画像形成部4では、感光体46の表面が帯電部43により一様に帯電された後、露光部41からの光ビームL1により、制御部10からの印刷データに基づいた静電潜像が感光体46の表面に形成される。また、現像ローラ44Rは、トナーカートリッジ44A内のトナーを静電潜像が形成された感光体46の表面に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体46の表面上にトナー像(現像剤像)が形成される。その後、給紙部3から給紙された用紙S1が、感光体46と転写部42との間である転写位置に搬送されることによって感光体46の表面上に形成されたトナー像が用紙S1上に転写される。
トナー像が転写された用紙S1は、感光体46及び転写部42によって、定着部45に搬送される。定着部45は、感光体46及び転写部42から搬送される用紙S1上のトナー像を熱定着させる。トナー像が熱定着された用紙S1は、排出ローラ5によって排出トレイ6上に排出される。
また、定着部45は、トナー像が形成された用紙S1に接して当該用紙S1を加熱する加熱ローラ45HRと、図示しない押圧部によって加熱ローラ45HR側に押圧される加圧ローラ45PRと、加熱ローラ45HRを加熱するヒーター45Hと、を備える。加熱ローラ45HRは、加熱部材の一例である。さらに、定着部45では、制御部10の指示に従って上記押圧部が制御されることにより、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRの間に所定の圧力が加えられた状態で、用紙S1に対するトナー像の定着処理が行われる。
具体的にいえば、加熱ローラ45HRは、例えば、図2の紙面に垂直な方向に延ばされた筒状体であり、用紙S1を加熱する加熱ローラを構成している。また、加熱ローラ45HRは、本体筐体2の内部に回転可能に支持されており、図示しないモータに接続されている。加熱ローラ45HRは、制御部10からの指示に従って、上記モータにより、例えば、反時計方向回りに回転駆動される。
また、加圧ローラ45PRは、例えば、図2の紙面に垂直な方向に延ばされた回転体であり、本体筐体2の内部に回転可能に、かつ、上記押圧部によって加熱ローラ45HRに近接または離間可能に支持されている。また、加圧ローラ45PRは、図示しないモータに接続されており、制御部10からの指示に従って、当該モータにより、例えば、時計方向回りに回転駆動される。
また、加熱ローラ45HRの内部には、図2に示すように、例えば、2つのヒーター45Hが配置されている。また、ヒーター45Hは、加熱ローラ45HRの内部で当該加熱ローラ45HRの回転軸線に沿って配置されている。また、ヒーター45Hは、例えば、ハロゲンランプを用いて構成されている。さらに、ヒーター45Hは、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によって加熱ローラ45HRを内側から加熱する。
具体的には、制御部10は、図1に示した通電回路21の制御を行うことにより、通電回路21からヒーター45Hへの供給電流を制御して、加熱ローラ45HRの加熱が行われる。すなわち、通電回路21は、トライアックなどのスイッチング素子を有している。制御部10からの指示に従って、通電回路21は、上記スイッチング素子をオンまたはオフすることにより、図示しない交流電源からヒーター45Hに電流を供給する通電状態と、電流を供給しない非通電状態とを切り替える。これにより、ヒーター45Hから加熱ローラ45HRへの加熱が、制御部10によって制御される。
そして、定着部45では、トナー像が転写された用紙S1が、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間に搬送されることで、トナー像が用紙S1上に熱定着される。
なお、上記の説明では、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRを有する定着部45を用いた場合について説明したが、本実施形態の定着部45はこれに限定されない。例えば、用紙S1を加熱ローラ45HRとで挟持する無端ベルトと、無端ベルトを加熱ローラ45HR側に加圧する加圧パッドを有するニップ形成部材とを設けた加圧パッド方式の定着部を用いることができる。
また、定着部45では、温度センサ50によって加熱ローラ45HRの温度が検出されており、制御部10は、後に詳述するように、温度センサ50の検出結果を用いた制御を行うことにより、加熱ローラ45HRの温度を精度よく決定することが可能となっている。
〔温度センサ50の構成〕
図3は、図1に示した温度センサ50の構成例を説明する図である。温度センサ50は、図3に例示するように、加熱ローラ45HRと接触しない、非接触型の温度センサである。また、温度センサ50は、加熱ローラ45HRからの赤外線を吸収するフィルム53と、フィルム53の温度に応じた第1検出値を出力する検出用サーミスタ51と、フィルム53を保持する保持体54の温度に応じた第2検出値を出力する補償用サーミスタ52と、を備える。
具体的には、保持体54は、加熱ローラ45HRに対向する対向面54Aと、一端部が対向面54Aで開口した開口部54Bと、開口部54Bの他端部を閉塞するように設けられたフィルム53を介在させて当該他端部に連続して設けられたセンサ収容部54Cを備えている。検出用サーミスタ51は、フィルム53に当接した状態でセンサ収容部54C内に配置されている。また、補償用サーミスタ52は、フィルム53に当接しない状態で、かつ、検出用サーミスタ51の近傍でセンサ収容部54Cの内壁に当接した状態で当該センサ収容部54C内に配置されている。
また、温度センサ50では、加熱ローラ45HRからの赤外線が開口部54Bを通過してフィルム53に伝搬されて、当該フィルム53を加熱する。そして、検出用サーミスタ51がフィルム53の温度を検出して、検出用サーミスタ51は上記第1検出値として検出したフィルム53の温度に応じた第1検出電圧Vaを増幅部22に出力する。また、補償用サーミスタ52が保持体54の温度を検出して、補償用サーミスタ52は上記第2検出値として検出した保持体54の温度に応じた第2検出電圧Vbを増幅部22に出力する。
以上のように、温度センサ50では、検出用サーミスタ51及び補償用サーミスタ52は、所定周期でアナログの電圧信号である第1検出電圧Va及び第2検出電圧Vbをそれぞれ増幅部22に出力する。尚、増幅部22での第1検出値及び第2検出値に対する具体的な増幅動作は後述する。
再び図1に戻り、操作パネル7は、操作ボタンなどの所定の操作部材が設けられており、ユーザによって操作されることにより、画像形成装置1に対するユーザからの指示を受付け、制御部10に通知する。
表示部8は、LEDや液晶ディスプレイなどを備えており、制御部10からの指示に従って、ユーザに対して所定の情報表示を行う。なお、この説明以外に、例えば、タッチパネルを表示部8に一体的に設けて、当該表示部8を画像形成装置1の操作部としても機能させてもよい。
通信部20は、通信インターフェースを備えており、有線形式または無線形式のネットワークを介して画像形成装置1の外部の機器(例えば、コンピュータ端末)との間で双方向のデータ通信を行う。
制御部10は、画像形成装置1の各部を制御するコントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)11と、記憶部12と、A/Dコンバータ13とを有する。制御部10は、種々の処理を実行することによって、画像形成装置1に印刷処理およびそれに付随する処理を行わせる。
なお、制御部10は、CPU等のプロセッサを備えてもよい。この場合、記憶部12に印刷制御方法を実現する制御プログラムが記憶されていてもよい。そして、制御部10のプロセッサが、記憶部12が記憶する制御プログラムにしたがって動作することにより、画像形成装置1における印刷処理が実行されてもよい。
また、制御部10自体が、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、磁気ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを利用してもよい。
また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。
記憶部12は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。記憶部12は、RAMまたはNVM(不揮発性メモリ)である。記憶部12には、印刷枚数等の所定の情報が記憶される。また、記憶部12には、後述するように、所定範囲の上限値及び下限値と、第1テーブル及び第2テーブルとが記憶されている。なお、上記所定範囲は、加熱ローラ45HRの温度決定の際に、後述の第1差分値または第2差分値を用いるかを決定するための範囲である。また、上限値及び下限値と、第1テーブル及び第2テーブルとは、例えば、画像形成装置1の工場出荷時に予め記憶されてもよいし、通信部20を通じて適宜更新されてもよい。
〔増幅部22の構成〕
図4は、図1に示した増幅部22の構成例を説明する回路図である。図4に示すように、A/Dコンバータ13は、増幅部22からのアナログの電圧信号を入力する、4つの入力端子91、92、93、94を備えており、各入力端子91~94に入力した電圧信号をデジタルデータに変換する。A/Dコンバータ13は、変換したデジタルデータをASIC11に出力する。これにより、制御部10では、増幅部22で増幅された温度センサ50の検出結果を用いて、加熱ローラ45HRの温度検出が行われる(詳細は後述。)。
また、図4に示すように、増幅部22は、第1増幅回路160と、第2増幅回路170とを備える。第1増幅回路160は、第1検出電圧Vaと第2検出電圧Vbとを用いた値を第1増幅率A1で増幅した値である、第1差分値としての第1増幅後差分電圧ΔV1を出力する。第1増幅回路160における第2検出電圧Vbを用いた値は、後述する第3オペアンプ164の第3増幅率A3によって増幅された値である。第2増幅回路170は、第1検出電圧Vaと第2検出電圧Vbとを用いた値を第1増幅率A1よりも大きな第2増幅率A2で増幅した値である、第2差分値としての第2増幅後差分電圧ΔV2を出力する。第2増幅回路170における第2検出電圧Vbを用いた値は、後述する第4オペアンプ174の第4増幅率A4によって増幅された値である。
第1増幅回路160は、入力端子61及び62と、出力端子65及び66とを備える。入力端子61及び62は、配線L1及び配線L2をそれぞれ介して検出用サーミスタ51及び補償用サーミスタ52に接続されている。出力端子65及び66は、配線L5及び配線L6をそれぞれ介して上記入力端子91及び92に接続されている。
また、第1増幅回路160は、検出用の第1オペアンプ161と、補償用の第3オペアンプ164とを備える。第1オペアンプ161の非反転入力端子には、入力端子61に接続された配線162が接続されており、検出用サーミスタ51からの第1検出電圧Vaが入力される。また、第1オペアンプ161の反転入力端子には、分岐点KT1と抵抗R1を介して第3オペアンプ164の出力端子が接続されている。また、第1オペアンプ161の反転入力端子と出力端子とには、抵抗R2とコンデンサC1との並列回路が接続されており、当該第1オペアンプ161の第1増幅率A1は(1+R2/R1)で示される。また、第1オペアンプ161の出力端子には、LPF(ローパスフィルタ)1を介して上記出力端子65が接続されている。
また、第3オペアンプ164の非反転入力端子には、入力端子62に接続された配線165が接続されており、補償用サーミスタ52からの第2検出電圧Vbが入力される。また、第3オペアンプ164の反転入力端子には、一端が接地された抵抗R5が接続されている。また、第3オペアンプ164の反転入力端子と出力端子とには、抵抗R6とコンデンサC3との並列回路が接続されており、当該第3オペアンプ164の第3増幅率A3は(1+R6/R5)で示される。また、第3オペアンプ164の出力端子には、LPF2を介して上記出力端子66が接続されている。
また、第1増幅回路160は、その出力端子65から上記第1増幅後差分電圧ΔV1(=(1+R2/R1)×第1検出電圧Va-(1+R6/R5)×第2検出電圧Vb×(R2/R1))をA/Dコンバータ13に出力する。また、第1増幅回路160は、出力端子66から第3増幅率A3で増幅した第2検出電圧VbをA/Dコンバータ13に出力する。
第2増幅回路170は、入力端子63及び64と、出力端子67及び68とを備える。入力端子63及び64は、配線L3及び配線L4をそれぞれ介して検出用サーミスタ51及び補償用サーミスタ52に接続されている。出力端子67及び68は、配線L7及び配線L8をそれぞれ介して上記入力端子93及び94に接続されている。
また、第2増幅回路170は、検出用の第2オペアンプ171と、補償用の第4オペアンプ174とを備える。第2オペアンプ171の非反転入力端子には、入力端子63に接続された配線172が接続されており、検出用サーミスタ51からの第1検出電圧Vaが入力される。また、第2オペアンプ171の反転入力端子には、分岐点KT11と抵抗R11を介して第4オペアンプ174の出力端子が接続されている。また、第2オペアンプ171の反転入力端子と出力端子とには、抵抗R12とコンデンサC11との並列回路が接続されており、当該第2オペアンプ171の第2増幅率A2は(1+R12/R11)で示される。また、第2オペアンプ171の出力端子には、LPF3を介して上記出力端子67が接続されている。
また、第4オペアンプ174の非反転入力端子には、入力端子64に接続された配線175が接続されており、補償用サーミスタ52からの第2検出電圧Vbが入力される。また、第4オペアンプ174の反転入力端子には、一端が接地された抵抗R15が接続されている。また、第4オペアンプ174の反転入力端子と出力端子とには、抵抗R16とコンデンサC13との並列回路が接続されており、当該第4オペアンプ174の第4増幅率A4は(1+R16/R15)で示される。また、第4オペアンプ174の出力端子には、上記抵抗R11及びLPF4を介して上記出力端子68が接続されている。
また、第2増幅回路170は、その出力端子67から上記第2増幅後差分電圧ΔV2(=(1+R12/R11)×第1検出電圧Va-(1+R16/R15)×第2検出電圧Vb×(R12/R11))をA/Dコンバータ13に出力する。また、第2増幅回路170は、出力端子68から第4増幅率A4で増幅した第2検出電圧VbをA/Dコンバータ13に出力する。
尚、第1増幅回路160及び第2増幅回路170では、第1~第4オペアンプ161、164、171、174は、図示しない電源からの電圧の印加が行われることにより駆動される。
制御部10では、A/Dコンバータ13がアナログ/デジタル変換を行うことにより、増幅部22からの第1増幅後差分電圧ΔV1及び第2増幅後差分電圧ΔV2がそれぞれ第1差分値のデータ値であるデータ値ΔV1D及び第2差分値のデータ値であるデータ値ΔV2Dに変換されて取得される。尚、A/Dコンバータ13は、例えば、10ビットのデータ値ΔV1D及びデータ値ΔV2Dに、第1増幅後差分電圧ΔV1及び第2増幅後差分電圧ΔV2をそれぞれ変換する。
また、制御部10では、A/Dコンバータ13がアナログ/デジタル変換を行うことにより、増幅部22からの第2検出電圧Vbを第3増幅率A3で増幅したデータ値及び第2検出電圧Vbを第4増幅率A4で増幅したデータ値が取得される。また、制御部10では、後掲の図5のステップS2に示すように、例えば、第2検出電圧Vbを第4増幅率A4で増幅したデータ値を基に補償温度が決定される。このように制御部10には、アナログ/デジタル変換後の第2検出値と第1差分値と第2差分値とが入力される。
また、制御部10は、第1差分値よりも増幅率が大きく、分解能が向上された第2差分値が所定範囲内であるか否かについて判定して、その判定結果を用いて、加熱ローラ45HRの温度を決定する。
〔画像形成装置1の動作例〕
図5は、画像形成装置1の動作の一例を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、制御部10での加熱ローラ45HRの温度の決定動作の処理手順の一例について説明する。
図5のステップS1に示すように、制御部10は、第2増幅回路170における第2検出電圧Vbを第4増幅率A4で増幅したデータ値を取得する。同時に、制御部10は、第1増幅回路160における第2検出電圧Vbを第3増幅率A3で増幅したデータ値を取得する。
次に、ステップS2において、制御部10は、取得したデータ値に基づいて、第2増幅回路170および第1増幅回路160のそれぞれの温度センサ50での補償温度として決定する。
具体的には、第2増幅回路170において、第2検出電圧Vbを第4増幅率A4で増幅したデータ値は、第4増幅率A4で増幅した第2検出電圧Vbを、例えば、10ビットのデータに変換した1024階調のデータ値であり、各階調のデータ値は補償用サーミスタ52の補償温度範囲(例えば、0℃~150℃)のいずれか1つの補償温度に関連付けられて記憶部12に記憶されている。そして、制御部10は、記憶部12を参照することにより、第2検出電圧Vbを第4増幅率A4で増幅したデータ値から第2増幅回路170における補償温度を決定する。
同様に、第1増幅回路160において、第2検出電圧Vbを第3増幅率A3で増幅したデータ値は、第3増幅率A3で増幅した第2検出電圧Vbを10ビットのデータに変換した1024階調のデータ値であり、各階調のデータ値は補償用サーミスタ52の上記補償温度範囲のいずれか1つの補償温度に関連付けられて記憶部12に記憶されている。
すなわち、記憶部12では、第3増幅率A3で増幅した第2検出電圧Vbの各データ値に対して、例えば、0℃~150℃の上記補償温度範囲の1つの補償温度が関連付けられて記憶されている。すなわち、本実施形態では、上記のいずれかのデータ値を用いて、第1増幅回路160における補償用サーミスタ52の補償温度が決定可能とされている。
続いて、ステップS3において、制御部10は、データ値ΔV2D及びデータ値ΔV1Dを同時に取得する。その後、ステップS4において、制御部10は、取得したデータ値ΔV2Dが記憶部12に記憶されている所定範囲内、つまり下限値よりも大きく、かつ、上限値よりも小さいか否かについて判定する。
制御部10は、取得したデータ値ΔV2Dが下限値よりも大きく、かつ、上限値よりも小さいことを判定した場合(ステップS4でYES)、ステップS5において、補償温度とデータ値ΔV2Dとを用いて記憶部12に記憶されている第2テーブルを使用して加熱ローラ45HRの温度を決定する。
つまり、記憶部12では、第2テーブルにおいて、ステップS3で取得されたデータ値ΔV2Dが第2差分値とされ、ステップS2で決定された補償温度と組み合わせられており、この第2差分値と補償温度との組み合わせに対して加熱ローラ45HRの温度が予め計算されている。そして、制御部10は、第2差分値としてのデータ値ΔV2Dと補償温度とを基に、第2テーブルを参照することにより、加熱ローラ45HRの温度を求めて決定する。
一方、制御部10は、取得したデータ値ΔV2Dが所定範囲外、つまり下限値以下、または上限値以上であることを判定した場合(ステップS4でNO)、ステップS6において、補償温度とデータ値ΔV1Dとを用いて記憶部12に記憶されている第1テーブルを使用して加熱ローラ45HRの温度を決定する。
つまり、記憶部12では、第1テーブルにおいて、ステップS4で取得されたデータ値ΔV1Dが第1差分値とされ、ステップS2で決定された補償温度とが組み合わせられており、この第1差分値と補償温度との組み合わせに対して加熱ローラ45HRの温度が予め計算されている。そして、制御部10は、第1差分値としてのデータ値ΔV1Dと補償温度とを基に、第1テーブルを参照することにより、加熱ローラ45HRの温度を求めて決定する。
ここで、図6~図8も参照して、上記ステップS5及びS6に示した加熱ローラ45HRの温度の決定動作について具体的に説明する。尚、以下の説明では、A/Dコンバータ13がアナログ/デジタル変換前の第2増幅後差分電圧ΔV2及び第1幅後差分電圧ΔV1を用いて説明する。図6は、図1に示した制御部10の加熱ローラ45HRの温度を決定する動作の一例を説明する図である。図7は、制御部10での加熱ローラ45HRの温度を決定する具体的な動作例を説明する図である。図8は、制御部10での加熱ローラ45HRの温度を決定する別の動作の一例を説明する図である。
具体的にいえば、図6に示すように、制御部10は、ステップS2に示したように、取得したデータ値を基に、例えば、4つの曲線K1、K2、K3、K4で示す補償温度のうち、いずれか1つの補償温度を決定する。なお、第2検出値のデータ値が上記1024階調のデータである場合には、補償温度の曲線は互いに異なる1024通りの曲線となるが、図6では、図面の簡略化のために、4つの補償温度をそれぞれ示す4つの曲線K1~K4のみ図示している。
そして、制御部10は、ステップS3で取得したデータ値ΔV2Dのアナログ/デジタル変換前の第2増幅後差分電圧ΔV2が所定範囲の下限値VS1よりも大きく、かつ、上限値VS2よりも小さいか否かについて判定する。また、所定範囲の下限値VS1及び上限値VS2は、例えば、第2増幅回路170の第2オペアンプ171の許容電源電圧範囲内となるように規定されている。
具体的にいえば、オペアンプとしての第2オペアンプ171を駆動する電源(図示せず)の許容電源電圧範囲が、例えば、0V~3.3Vである場合、下限値VS1及び上限値VS2は、例えば、0.161V及び3.139Vにそれぞれ設定される。このように第2オペアンプ171の許容電源電圧範囲内となるように所定範囲を設定することにより、第2増幅回路170が出力する、第2増幅後差分電圧ΔV2から得られるデータ値ΔV2Dの精度低下を抑制することができ、このデータ値ΔV2Dを用いた加熱ローラ45HRの温度を精度よく決定することができる。
より具体的には、制御部10は、上記第2増幅後差分電圧ΔV2が下限値VS1よりも大きく、かつ、上限値VS2よりも小さいことを判定した場合、図7に示すように、制御部10は、ステップS2において、例えば、曲線K2で示される補償温度を決定する。そして、この場合に、上記第2増幅後差分電圧ΔV2が2.3Vとすると、制御部10は、第2テーブルを参照して、図7に矢印Y1にて示すように、加熱ローラ45HRの温度が170℃であると決定する。同様に、上記第2増幅後差分電圧ΔV2が0.7Vとすると、制御部10は、第2テーブルを参照して、図7に矢印Y2にて示すように、加熱ローラ45HRの温度が270℃であると決定する。
一方、制御部10が、上記第2増幅後差分電圧ΔV2が下限値VS1未満または上限値VS2を超えることを判定した場合、制御部10は、第2テーブルではなく、第1テーブルを使用して、加熱ローラ45HRの温度を決定する。具体的には、上記第2増幅後差分電圧ΔV2が上限値VS2を超える、例えば、3.5Vである場合には、制御部10は、当該第2増幅後差分電圧ΔV2がオーバーフローしたと判断して上記ステップS6に進む。
具体的にいえば、図8に示すように、制御部10は、ステップS2に示したように、取得したデータ値を基に、例えば、4つの曲線K5、K6、K7、K8で示す補償温度のうち、いずれか1つの補償温度を決定する。また、曲線K5~K8で示す補償温度は、第3増幅率A3で増幅した第2検出電圧Vbをアナログ/デジタル変換した第2検出値のデータ値に関連付けられている。なお、この第2検出値のデータ値が上記1024階調のデータである場合には、補償温度の曲線は互いに異なる1024通りの曲線となるが、図8では、図面の簡略化のために、4つの補償温度をそれぞれ示す4つの曲線K5~K8のみ図示している。
そして、制御部10は、データ値ΔV2Dの場合と同様に、ステップS2において、1つの補償温度を決定するとともに、記憶部16に記憶されている第1テーブルを参照して、決定した補償温度とステップS3で取得したデータ値ΔV1Dとから加熱ローラ45HRの温度を決定する。
また、上記第1テーブルでは、加熱ローラ45HRの温度として想定され得る全温度範囲(例えば、0℃~300℃)をカバーするように、データ値ΔV1Dのアナログ/デジタル変換前の第1増幅後差分電圧ΔV1が下限値VS1と上限値VS2との所定範囲内の値に設定されている。具体的には、第1増幅回路160において、第1増幅後差分電圧ΔV1が所定範囲内の値となるように、第1増幅率A1及び第3増幅率A3は設定されている。
また、図6に示した曲線K1~K4と図8に示した曲線K5~K8にて明らかなように、制御部10は、第1増幅回路160よりも、増幅率が大きい第2増幅回路170の検出結果を用いる場合の方が向上された分解能で加熱ローラ45HRの温度を決定することができる。すなわち、例えば、図6及び図8に点線にて示す特定温度範囲、例えば150℃~200℃の加熱ローラ45HRの温度範囲において、曲線K5~K8の傾きに比べて、曲線K1~K4の傾きの方が急峻である。つまり、制御部10は、同一の補償温度において、データ値ΔV1Dよりも、データ値ΔV2Dを用いた場合の方が、幅広い温度範囲から加熱ローラ45HRの温度を高精度に決定することができるからである。
言い換えれば、加熱ローラ45HRの温度として想定され得る上記全温度範囲に対応した第1テーブルに対して、第2テーブルは、画像形成装置1の動作時において、加熱ローラ45HRの取り得る現実的な上記特定温度範囲に対応しており、当該第2テーブルを用いることにより、第1テーブルよりも、当該特定温度範囲内の加熱ローラ45HRの温度を精度よく決定することができる。
尚、図6及び図7の説明では、データ値ΔV2Dにアナログ/デジタル変換前の第2増幅後差分電圧ΔV2と、所定範囲の下限値VS1及び上限値VS2とを比較する場合について説明したが、制御部10では、ステップS4に示したように、データ値ΔV2Dと下限値VS1及び上限値VS2の上記AD変換値に応じた下限値VS1の下限値のデータ及び上限値VS2の上限値のデータとの比較を行うことにより、当該ステップS4での判定処理は実施される。
以上のように、本実施形態の画像形成装置1では、制御部10には第1増幅回路160からの第1差分値と当該第1増幅回路160よりも増幅率が大きい第2増幅回路170からの第2差分値とが入力される。そして、制御部10は、第2差分値が所定範囲内であれば、当該第2差分値と補償用サーミスタ52からの第2検出値を第4増幅率A4で増幅した値とを用いて加熱ローラ45HRの温度を決定する。また、制御部10は、第2差分値が所定範囲外であれば、第1差分値と補償用サーミスタ52からの第2検出値を第3増幅率A3で増幅した値とを用いて加熱ローラ45HRの温度を決定する。このように、制御3部10は、第1差分値に比べて、分解能を向上した第2差分値が所定範囲内であるか所定範囲外であるかに応じて、第1増幅回路160による第1差分値、又は、第2増幅回路170による第2差分値の何れかを用いて、加熱ローラ45HRの温度を決定する。この結果、制御部10は、加熱ローラ45HRの温度を精度よく決定することができる。
また、本実施形態では、制御部10は、記憶部12に記憶されている第1テーブルまたは第2テーブルを参照することにより、加熱ローラ45HRの温度を決定しているので、当該加熱ローラ45HRの温度を直ちに決定することができる。
尚、第1テーブル及び第2テーブルに代えて、例えば、第1差分値または第2差分値と第2検出値との組み合わせから加熱ローラ45HRの温度を計算する近似式を記憶部12に記憶する構成でもよい。そして、制御部10が、近似式に対して、取得された第1差分値または第2差分値と、第2検出値とを用いて加熱ローラ45HRの温度を算出してもよい。つまり、例えば、このような近似式を用いる場合には、上記実施形態と異なり、第3増幅率または第4増幅率で増幅した第2検出値を用いることなく、第1増幅回路160からの第1検出値と第2増幅回路170からの第2検出値とを用いた値と、当該第2検出値とを用いて、加熱ローラ45HRの温度を決定することができる。
また、本実施形態では、ステップS3に示したように、制御部10は第1増幅回路160からの第1差分値と第2増幅回路170からの第2差分値とを同時に取得している。これにより、本実施形態では、第2差分値が所定範囲内または所定範囲外のいずれの場合でも、制御部10は、適切な加熱ローラ45HRの温度を早急に決定することができる。
また、本実施形態では、加熱ローラ45HRの温度を精度よく決定することができるので、定着部45でのトナー像の定着性を向上させることができ、優れた画像形成精度を有する画像形成装置1を容易に構成することができる。つまり、加熱ローラ45HRでは、用紙S1に対する定着処理を行うことにより、用紙S1に熱が奪われて当該加熱ローラ45HRの温度の低下が発生する。これに対して、制御部10が、逐次、加熱ローラ45HRの温度を精度よく決定することにより、上記温度の低下を補償して、適切な定着処理を継続的に行うことができる。
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
1 画像形成装置
10 制御部
12 記憶部
45 定着部
45HR 加熱ローラ
51 検出用サーミスタ
52 補償用サーミスタ
53 フィルム
54 保持体
160 第1増幅回路
170 第2増幅回路
171 第2オペアンプ

Claims (6)

  1. トナー像が形成された用紙を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材からの赤外線を吸収するフィルムと、
    前記フィルムの温度に応じた第1検出値を出力する検出用サーミスタと、
    前記フィルムを保持する保持体の温度に応じた第2検出値を出力する補償用サーミスタと、
    前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を第1増幅率で増幅した値である第1差分値を出力する第1増幅回路と、
    前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を前記第1増幅率よりも大きな第2増幅率で増幅した値である第2差分値を出力する第2増幅回路と、
    前記第2検出値と前記第1差分値と前記第2差分値とが入力される制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第2差分値が、所定範囲内であれば、当該第2差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定し、
    前記第2差分値が、前記所定範囲外であれば、前記第1差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記第2検出値を用いて前記補償用サーミスタの補償温度を決定し、
    前記第1差分値と前記補償温度との組み合わせに対して前記加熱部材の温度が予め計算されている第1テーブルと、
    前記第2差分値と前記補償温度との組み合わせに対して前記加熱部材の温度が予め計算されている第2テーブルと、
    が記憶されている記憶部、を更に備える、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第1増幅回路からの前記第1差分値と前記第2増幅回路からの前記第2差分値とを同時に取得する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2増幅回路は、前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を前記第2増幅率で増幅するオペアンプを有し、
    前記所定範囲は、前記オペアンプの許容電源電圧範囲内となるように規定されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. トナー像を用紙に定着させる定着部を更に備え、
    前記定着部は、トナー像を用紙に定着させる際に前記加熱部材を用いて前記用紙を加熱する、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. トナー像が形成された用紙を加熱する加熱部材と、前記加熱部材からの赤外線を吸収するフィルムと、前記フィルムの温度に応じた第1検出値を出力する検出用サーミスタと、前記フィルムを保持する保持体の温度に応じた第2検出値を出力する補償用サーミスタと、を備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を第1増幅率で増幅した値である第1差分値を出力する第1出力ステップと、
    前記第1検出値と前記第2検出値とを用いた値を前記第1増幅率よりも大きな第2増幅率で増幅した値である第2差分値を出力する第2出力ステップと、
    前記第2差分値が、所定範囲内であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて、前記第2差分値が所定範囲内であれば、当該第2差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定し、
    前記判定ステップにおいて、前記第2差分値が前記所定範囲外であれば、前記第1差分値と前記第2検出値とを用いて前記加熱部材の温度を決定する、画像形成装置の制御方法。
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