JP2022154857A - 連続加熱炉および段数変更装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境で段積みや段ばらしが可能な連続加熱炉を提供する。【解決手段】連続加熱炉は10、複数の加熱容器を段積みした状態で搬送方向に搬送しうる搬送空間12aを内部に有する炉体12と、搬送空間12aに配置されたヒータ14と、加熱容器Aを昇降させるリフタ20と、リフタ20によって持ち上げられた加熱容器Aを保持する保持機構30とを備えている。保持機構30は、炉体12に挿通された中空のシャフト31と、シャフト31に取り付けられた保持具32と、炉体12にシャフト31が挿通された部位に取付けられたシール部材と、シャフト31に接続され、シャフト31の中空部に冷媒を供給する冷媒供給装置とを有する。【選択図】図1

Description

本開示は、連続加熱炉および段数変更装置に関する。
特開2017-48981公報に開示されている熱処理設備では、被処理物を収容させた搬送トレイを複数段積層させた状態で減圧処理部に搬入させ、この減圧処理部において各搬送トレイに収容された被処理物を減圧処理する。減圧処理した各搬送トレイを搬送トレイ分離部に搬入させる。そして、このように搬送トレイ分離部に搬入された複数段の搬送トレイから、一部の搬送トレイを分離させて熱処理部に順々に搬送させる。この間、新たに上記の減圧処理部に、被処理物が収容された搬送トレイを複数段積層された状態で搬入させるようにする。搬送トレイ分離部に搬入された複数段の搬送トレイを順々に熱処理部に搬送させて、各搬送トレイに収容された被処理物を熱処理部において順々に熱処理させている間に、減圧処理部において、長い時間をかけて減圧処理させることができるようになる、とされている。同公報に開示された搬送トレイ分離部は、天井の上に、それぞれ密封シール材を介して4つのロータリーアクチュエーターが、搬送トレイの送り方向及び送り方向と直交する幅方向に所要間隔を介するようにして設けられている。回転ロッドが、各ロータリーアクチュエーターから搬送トレイ分離部の天井を通して搬送トレイ分離部内に導入されている。各回転ロッドの先端には、保持部材が水平方向に突出するように設けられている。各回転ロッドの回転に伴って、各保持部材が水平方向に回転する。これにより、保持部材が、搬送トレイを保持する状態と、搬送トレイに当たらない状態に操作できるように構成されている。
特開2017-48981公報
ところで、被処理物を加熱処理する際には、搬送トレイを多段に段積みした状態で纏めて処理することが効率的である場合と、搬送トレイをばらして1つずつあるいは少ない段数ずつ処理することが適当である場合がある。搬送トレイを段積みや段ばらしする装置は、天井などの壁を回転ロッドが貫通しており、そのシール性を確保する必要がある。このため、例えば、加熱炉内や加熱炉を出てすぐの高温雰囲気環境下では、搬送トレイを段積みや段ばらしする装置を設けることができなかった。
ここに開示される一態様の連続加熱炉は、複数の加熱容器を段積みした状態で搬送方向に搬送しうる搬送空間を内部に有する炉体と、搬送空間に配置されたヒータと、加熱容器を昇降させるリフタと、リフタによって持ち上げられた加熱容器を保持する保持機構とを備えている。保持機構は、炉体に挿通された中空のシャフトと、シャフトに取り付けられた保持具と、炉体にシャフトが挿通された部位に取付けられたシール部材と、シャフトに接続され、シャフトの中空部に冷媒を供給する冷媒供給装置とを有する。
かかる連続加熱炉によれば、高温環境においても加熱容器の段積みや段ばらしが可能であり、被処理物の処理時間を短縮することができる。
搬送空間には、ヒータが配置された加熱室と、リフタおよび保持機構が設けられた段数変更室とを仕切る仕切りを備えていてもよい。ヒータは、段数変更室には設けられていなくてもよい。
炉体は、搬送方向と直交する幅方向の両側に一対の側壁を有し、シャフトは、一対の側壁に回転可能に架け渡されていてもよい。保持具は、シャフトから延びるアーム部と、アーム部の下端から折れ曲がった爪部とを備えていてもよい。
シャフトは、搬送方向と直交する幅方向と平行に設けられていてもよい。
冷媒供給装置は、シャフトの一端から他端に向かって冷媒を供給してもよい。
保持具は、ニッケル-クロム-鉄合金またはニッケル基合金から構成されていてもよい。
保持具は、加熱容器と当接する面に断熱材を備えていてもよい。
ここに開示される一態様の段数変更装置は、加熱容器を搬送する搬送空間を内部に有する隔壁と、搬送空間に配置されたヒータと、加熱容器を持ち上げる機構が設けられたリフタと、リフタによって持ち上げられた加熱容器を保持する保持機構とを備えている。保持機構は、隔壁に挿通された中空のシャフトと、シャフトに取り付けられた保持具と、隔壁にシャフトが挿通された部位に取付けられたシール部材と、シャフトに接続され、シャフトの中空部に冷媒を供給する冷媒供給装置とを有していてもよい。
かかる段数変更装置は、高温環境においても加熱容器の段積みや段ばらしが可能である。また、連続加熱炉の一部をなすモジュールとして利用可能である。
隔壁は、搬送方向と直交する幅方向の両側に一対の側壁を有し、シャフトは、一対の側壁に回転可能に架け渡されていてもよい。保持具は、シャフトから延びるアーム部と、アーム部の下端から折れ曲がり、加熱容器を支える爪部とを備えていてもよい。
シャフトは、搬送方向と直交する幅方向と平行に設けられていてもよい。
冷媒供給装置は、シャフトの一端から他端に向かって冷媒を供給してもよい。
保持具は、ニッケル-クロム-鉄合金またはニッケル基合金から構成されていてもよい。
保持具は、加熱容器と当接する面に断熱材を備えていてもよい。
図1は、連続焼成炉10を模式的に示す縦断面図である。 図2は、図1のII-II断面を示す断面図である。 図3Aは、第1の昇降位置L1の状態でのリフタ本体21の位置を示す側面図である。 図3Bは、第2の昇降位置L2の状態でのリフタ本体21の位置を示す側面図である。 図3Cは、第3の昇降位置L3の状態でのリフタ本体21の位置を示す側面図である。 図4は、焼成容器Aの側面図である。 図5は、段ばらし作業を示す側面図である。
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
以下、連続加熱炉の例として連続焼成炉を例に挙げて説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。本明細書において、「連続加熱炉」とは、被処理物を連続的に加熱処理する加熱炉のことを言う。本明細書において、「連続焼成炉」とは、被処理物を高温で連続的に焼成するための加熱炉のことを言う。また、本明細書において、被処理物を焼成する際に使用する加熱容器のことを、適宜「焼成容器」と称する。
<連続焼成炉10>
図1は、連続焼成炉10を模式的に示す縦断面図である。図2は、図1のII-II断面を示す断面図であり、連続焼成炉10を模式的に示す横断面図である。図1には、連続焼成炉10のうち炉体12内で段積み作業や段ばらし作業が行われる作業空間が示されている。また、後述するが、かかる連続焼成炉10のうち炉体12内で段積み作業や段ばらし作業が行われる作業空間をモジュール化した段数変更装置80を構成することも可能である。ここで開示される連続焼成炉10は、図1に示されているように、炉体12と、ヒータ14と、搬送ローラ16と、リフタ20と、保持機構30と、ストッパ50とを備えている。
<炉体12>
炉体12は、図1に示されているように、複数の焼成容器Aを段積みした状態で搬送方向T1に搬送しうる搬送空間12aを内部に有している。この実施形態では、炉体12は、搬送空間12aを囲うトンネル型の炉体である。搬送空間12aは、段積みされた焼成容器Aを搬送できる所要の高さを有している。この実施形態では、搬送空間12aは、直線状に設定されている。図2に示されているように、炉体12は、搬送空間12aの搬送方向T1(図1参照)の周りを全周に亘って、断熱材によって構成された炉壁12b~12dで囲われている。この実施形態では、炉体12は、搬送方向と直交する幅方向の両側に一対の側壁12bと、天井12cと、床壁12dとを有している。各炉壁12b~12dは、例えば、セラミックファイバーボードで構成されている。セラミックファイバーボードは、例えば、いわゆるバルクファイバーに無機フィラーと無機・有機結合材とが添加されて板状に成形された板材である。セラミックファイバーボードは、所定の形状に切り出されて重ねられることによって、所要の厚さの炉壁を形成する。炉壁12b~12dの厚さは、搬送空間12aの熱が十分に断熱される程度の所要の厚さに設定されうる。
炉体12には、搬送空間12aの雰囲気を制御するための種々の構成が設けられていてもよい。例えば、窒素やアルゴン等を給気できるよう、ガス供給管が設けられていてもよい。雰囲気圧力の調整や排ガスをできるよう、ガス排気管が設けられていてもよい。また、炉体12内には、空間ごとに雰囲気を切り替えるための仕切りが設けられていてもよい。
炉体12は、予め定められた高さに設定されたベース18の上に配置されている。ベース18には、連続焼成炉10内の雰囲気を調整するためのガス供給管、モータ等の搬送ローラを駆動させる駆動装置等を設けるための空間を有する。
<搬送ローラ16>
搬送ローラ16は、焼成容器Aを搬送するためのローラである。この実施形態では、炉体12の内部の搬送空間12aに、複数の搬送ローラ16が並べられている。複数の搬送ローラ16は、円筒形状のローラであり、焼成容器Aを支持できるように高さを揃え、予め定められたピッチで搬送空間12aに並べられている。搬送ローラ16は、搬送方向と直交する方向に沿って炉体12の両側の側壁12bの挿通孔12eを貫通している。搬送ローラ16としては、例えば、セラミックローラや金属ローラ等が用いられる。搬送ローラ16は、図示しない軸受を介して、炉体12の外部に設けられた支持板16a,16bに回転可能に支持されている。
この実施形態では、搬送ローラ16の支持板16a側の端部にはスプロケット17が取り付けられている。スプロケット17には、図示しないローラチェーンが取り付けられている。ローラチェーンは、搬送ローラ16を回転させるモータ等の駆動装置と連結されている。ローラチェーンはさらに、隣り合う搬送ローラ16を連結している。搬送ローラ16の支持板16b側の端部には、スプロケットは取り付けられていない。搬送ローラ16の支持板16b側の端部は、支持板16a側の回転に合わせて回転する。このように、ローラチェーンによって連結された搬送ローラ16は、同じタイミングで同じ速度で回転する。このように、ローラによって製品を搬送する連続式焼成炉は、ローラハースキルン(RHK)と称される。
<ヒータ14>
ヒータ14は、搬送空間12aにおいて焼成容器Aに収容された被処理物を加熱する装置である(図1参照)。ヒータ14は、図1に示されているように、炉体12の搬送空間12aに配置されている。この実施形態では、ヒータ14は、複数の搬送ローラ16の上方に、搬送方向に沿って所定の間隔を空けて並べられている。この実施形態では、ヒータ14として、円筒形状のセラミック製のヒータが用いられている。ヒータ14は、側壁12bを貫通している。この実施形態では、ヒータ14は、搬送ローラ16の上方に配置されているが、かかる形態に限定されない。ヒータ14は、例えば、焼成容器Aに収容された被処理物を上方および下方の両側から加熱できるように、搬送ローラ16の下方にも配置されてもよい。なお、図2では、ヒータ14の図示は省略されている。なお、ヒータ14には、加熱温度等に応じて種々のヒータが用いられうる。ヒータ14には、セラミック製のヒータの他に、金属シースヒータ等が用いられうる。また、ヒータ14の形状は特に限定されず、例えば、板状のパネルヒータ等も用いられうる。
<ストッパ50>
ストッパ50は、搬送空間12aを搬送される焼成容器Aを、リフタ20に合わせて予め定められた位置で停止させる装置である。この実施形態では、ストッパ50は、ストッパ本体51と、ストッパ本体51を支持するシャフト52と、シャフト52を通じてストッパ本体51を昇降させる昇降装置53とを備えている。ストッパ本体51は、搬送方向に法線方向を向けられたプレート状の部材であり、リフタ20に合わせて予め定められた位置で搬送ローラ16の間隙から搬送ローラ16の上方に突出するように設けられている。シャフト52は、ストッパ本体51を支持するシャフトである。シャフト52は、ストッパ本体51の下端を支持しており、炉体12の床壁12dを上下に貫通している。
昇降装置53は、シャフト52を昇降させる装置であり、例えば、シリンダ装置で構成されている。この実施形態では、昇降装置53としてのシリンダは、ピストンロッドを下方に向けて炉体12の床壁12dの外側面に取り付けられている。シリンダのピストンロッドの先端には、シャフト52が連結されている。昇降装置53のピストンロッドが押し下げられることによって、ストッパ本体51が下がる。昇降装置53のピストンロッドが引き上げられることによって、ストッパ本体51が上がり、焼成容器Aが所定位置で停止される。なお、図示は省略するが、炉体12の搬送空間12aの幅方向において、焼成容器Aの位置を調整する幅寄せ機構がさらに設けられていてもよい。この場合、幅寄せ機構によって、ストッパ50によって停止させられた焼成容器Aが、幅方向の所定位置に調整される。なお、焼成容器Aが炉体12に設けられたガイドに沿って搬送される場合には、このような幅寄せ機構は必ずしも必要ではない。
<リフタ20>
リフタ20は、搬送空間12aを搬送される焼成容器Aを昇降させる装置である。この実施形態では、リフタ20は、炉体12において保持機構30と上下に対向する位置に設けられている。リフタ20は、リフタ本体21と、昇降装置24と、ガイド25とを備えている(図2参照)。
リフタ本体21は、搬送空間12aに並べられた搬送ローラ16の間から上方に突出し、焼成容器Aを持ち上げる部材である。この実施形態では、リフタ本体21は、第1プレート21aと、第2プレート21bと、連結部21cとを有している。第1プレート21aと第2プレート21bは、それぞれ矩形のプレートである。第1プレート21aと第2プレート21bは、プレートの法線方向を搬送方向に向け、一方の長辺を上、他方の長辺を下に向け、搬送ローラ16の間隙に挿通されるように配置されている。
この実施形態では、第1プレート21aは、搬送方向T1の上流側、第2プレート21bは、搬送方向の下流側に配置されている。連結部21cは、搬送ローラ16の下方で、第1プレート21aと第2プレート21bとの下端を繋ぐ部材である。換言すると、第1プレート21aと第2プレート21bは、連結部21cから上方に向けて立ち上がっている。連結部21cには、下方に延びる操作ロッド21dが取り付けられている。この実施形態では、図2に示されているように、搬送空間12aの幅方向において間隔をあけて、2本の操作ロッド21dが、連結部21cに取り付けられている。操作ロッド21dは、それぞれ床壁12dを上下に貫通し、床壁12dから下方に延びている。2本の操作ロッド21dの下端は、連結バー21eで連結されている。連結バー21eの両端は、床壁12dの外側面から下方に延びたガイド25にリニアブッシュ25aを介して取り付けられているとよい。
昇降装置24は、連結バー21eを昇降させる装置である。昇降装置24は、例えば、シリンダ装置で構成されている。昇降装置24としてのシリンダは、ピストンロッドを下方に向けて炉体12の床壁12dの外側面に取り付けられている。シリンダのピストンロッドの先端に、連結バー21eが連結されている。昇降装置24のピストンロッドが引き上げられることによって、連結バー21eが上がり、リフタ本体21が上昇する。これによって、ストッパ50(図1参照)によって予め定められた位置に停止している焼成容器Aが持ち上げられる。昇降装置24のピストンロッドが押し下げられることによって、連結バー21eが下がり、焼成容器Aが降ろされる。なお、この実施形態では、昇降装置40としてシリンダ装置が用いられていたが、かかる形態に限定されない。例えば、昇降装置として、リフタ本体21を上下させるアクチュエータが用いられてもよい。また、リフタ本体21の形状は、プレート状に限られず、例えば、柱状などであってもよい。
<昇降位置L1~L3>
リフタ20には、3つの昇降位置L1~L3が予め設定されている。ここで、図3Aは、第1の昇降位置L1の状態でのリフタ本体21の位置を示す側面図である。図3Bは、第2の昇降位置L2の状態でのリフタ本体21の位置を示す側面図である。図3Cは、第3の昇降位置L3の状態でのリフタ本体21の位置を示す側面図である。
第1の昇降位置L1では、リフタ本体21の上端が搬送ローラ16の上端よりも低くなるように、リフタ本体21の位置が設定されている。昇降位置L1では、リフタ本体21は、搬送ローラ16の上を搬送される焼成容器Aに当たらない。例えば、搬送ローラ16によって焼成容器Aを搬送させる場合に、リフタ20は昇降位置L1に制御されるとよい。
第2の昇降位置L2では、保持機構30に保持されている焼成容器Aの下に重ねられる所定の高さまで焼成容器Aが持ち上げられるように、リフタ本体21の位置が設定されている。昇降位置L2では、例えば、保持機構30に保持されている焼成容器Aに持ち上げた焼成容器Aが重ねられる。この際、保持機構30に保持を解除しても、リフタ20で焼成容器Aを保持できる。
第3の昇降位置L3では、保持機構30によって保持される高さまで、焼成容器Aが持ち上げられるように、リフタ本体21の位置が設定されている。例えば、リフタ20によって持ち上げられた焼成容器Aを保持機構30に保持させる場合や、保持機構30で保持された焼成容器Aを降ろす場合に、リフタ20は、昇降位置L3に制御されるとよい。
<保持機構30>
保持機構30は、図1に示されているように、リフタ20によって持ち上げられた焼成容器Aを保持する機構である。保持機構30は、2本のシャフト31と、保持具32と、シール部材33と、冷媒供給装置40とを有している(図2参照)。ここで、図4は、焼成容器Aの側面図であり、略矩形の浅底のケースである。焼成容器Aの周縁部には、壁a1が立ち上がっている。略矩形の辺に沿った壁a1の中央部は凹んでいる。かかる凹みa2は、焼成容器Aが重ねられた時に雰囲気ガスが流通する間隙を形成する。
<シャフト31>
2本のシャフト31は、炉体12の挿通孔に挿通されている。シャフト31は、中空構造を有している。シャフト31は、円筒形状である。シャフト31は、一方の端から他方の端にわたって空洞が形成されている。シャフト31としては、耐熱性や強度に優れる金属が用いられ、例えば、ステンレス、後述するニッケル基合金、クロムやモリブデンを合計で20~35質量%程度含んだニッケル基合金等が用いられうる。この実施形態では、ステンレス製のシャフト31が用いられている。シャフト31は、搬送方向T1においてリフタ20によって焼成容器Aが持ち上げられる予め定められた位置の前後に設けられている。シャフト31は、搬送方向と直交する幅方向に沿って一対の側壁12bを貫通し、かつ、回転可能に架け渡されている(図2参照)。シャフト31の中間部には、保持具32が取り付けられている。
保持具32は、図3A~図3Cに示されているように、基部32aと、アーム部32bと、爪部32cとを備えている。基部32aは、円筒状の部材であり、シャフト31に装着されている。アーム部32bは、基部32aの外周面から下方に向かって延びたプレート状の部位である。この実施形態では、アーム部32bは、搬送方向T1(図1参照)の前後に設けられたシャフト31に装着された基部32aの外側面のうち、搬送方向T1に沿って対向する内側の側面に設けられている。これにより、アーム部32bは、リフタ20によって持ち上げられる焼成容器Aを前後から挟むように延びている。爪部32cは、アーム部32bの下端から内側に折れ曲がった部位である。爪部32cは、焼成容器Aの底部を支持しうる。このように、この実施形態では、シャフト31は、炉体12の一対の側壁12bに回転可能に架け渡されている。保持具32は、シャフト31から延びるアーム部32bと、アーム部32bの下端から折れ曲がった爪部32cとを有している。
かかる保持具32としては、耐熱性や耐酸化性の高い金属が用いられ、例えば、ニッケル-クロム-鉄合金や、ニッケル基合金等が用いられる。本明細書において、ニッケル-クロム-鉄合金とは、合金全体を100質量%としたときに、ニッケル、クロムおよび鉄の合計の含有割合が80質量%以上である合金のことをいう。ニッケル、クロムおよび鉄の合計の含有割合は、90質量%以上であってもよく、例えば、95質量%以上であってもよい。ニッケル-クロム-鉄合金に含まれるニッケルの含有割合は、例えば、20質量%以上35質量%以下であってもよい。クロムの含有割合は、例えば、20質量%以上25質量%以下であってもよい。鉄の含有割合は、例えば、40質量%以上60質量%以下であってもよい。また、本明細書において、ニッケル基合金とは、合金全体を100質量%としたときに、ニッケルの含有割合が50質量%以上である合金のことをいう。ニッケルの含有割合は、70質量%以上であってもよい。ニッケル以外の金属としては、例えば、クロムや鉄が含まれていてもよい。合金全体を100質量%としたときに、クロムの含有割合は、10質量%以上25質量%以下であってもよい。鉄の含有割合は、20質量%以下であってもよく、5質量%以下であってもよい。
<シール部材33>
シール部材33は、図2に示されているように、炉体12にシャフト31が挿通された部位に取付けられている。この実施形態では、炉体12は、シャフト31が挿通された部位の外側にハウジング34が設けられている。ハウジング34内には、シール部材33と軸受35とが装着されている。シャフト31は、ハウジング34内で軸受35によって回転可能に支持されている。また、シール部材33は、シャフト31とハウジング34との隙間をシールしている。シール部材33としては、例えば、炭素繊維系のグランドパッキン、ゴム製のオイルシール、シリコン系シール材などが用いられる。シール部材33によって、炉体12内部の雰囲気ガスが外部に漏れるのが防止される。
シャフト31は、ハウジング34からさらに外側に延びており、シャフト31の径方向に延びた操作アーム36を介して駆動装置37に取り付けられている。ここで駆動装置37は、シリンダ装置であり、シリンダの一端は、炉体12の筐体に設けられた支持片38に固定されている。シャフト31は、かかる駆動装置37によって回転操作される。また、シャフト31の端部には、冷媒供給装置40に接続されるコネクタ39が設けられている。コネクタ39は、シャフト31の中空部に接続され、シャフト31の中空部に冷媒を供給する構造を有しているとよい。
保持機構30は、駆動装置37によってシャフト31を周方向に回転させることによって、保持具32が開閉され、焼成容器Aを保持できるように構成されている。この実施形態では、図3A~図3Cに示されているように、搬送方向T1の前後のシャフト31がそれぞれ内向きに回転することによって、焼成容器Aを保持するようにシャフト31に取り付けられたアーム部32bが閉じられる。また、前後のシャフト31がそれぞれ外向きに回転すると、焼成容器Aを保持するようにシャフト31に取り付けられたアーム部32bが開かれる。
前後のシャフト31のアーム部32bが閉じられた閉状態H1では、爪部32cが焼成容器Aの底部を支えるので焼成容器Aが保持される。前後のシャフト31のアーム部32bが開かれた開状態H2では、爪部32cが焼成容器Aの底部に干渉しない位置に退避する。このように、駆動装置37が制御されることによって、保持機構30の保持具32を閉状態H1と開状態H2とに操作できる。なお、図3A~図3Cは、模式的に示されている。図3A~図3Cでは、炉体12の側壁12bは、図示が省略されており、保持機構30の駆動装置37が図示されている。なお、この実施形態では、保持機構30は、側壁12bに架け渡されたシャフト31を有し、一端から他端に向かって冷媒が供給されるように構成されていたが、かかる形態に限定されない。例えば、炉体12の天井12cを貫通するシャフトが用いられていてもよい。かかるシャフトは、例えば、二重管構造を有し、内側の管から外側の管に向かって冷媒の流れが折り返すように構成されているとよい。かかるシャフトには、端部に保持具が取り付けられているとよい。
<冷媒供給装置40>
冷媒供給装置40は、図2に示されているように、シャフト31の内部に冷媒を供給する装置である。冷媒としては、水等を用いることができる。シャフト31の内部に供給される冷媒の温度は、例えば、常温等、搬送空間12aの雰囲気温度よりも低い温度である。冷媒の種類や温度は特に限定されず、搬送空間12aの雰囲気温度等に応じて適宜設定される。この実施形態では、シャフト31の両端にはコネクタ39が取り付けられている。シャフト31の一方の端には、コネクタ39を介して冷媒供給装置40が接続されている。冷媒供給装置40によって、シャフト31の一方の端から他方の端に向かって冷媒が供給される。冷媒供給装置40によるシャフト31へ冷媒の供給方法は特に限定されない。例えば、2本のシャフト31に、それぞれに別の冷媒供給装置が接続され、それぞれのシャフト31には個別に冷媒が送られるように構成されていてもよい。また、冷媒供給装置として、循環型の冷媒供給装置を用い、2本のシャフト31を同じ冷媒が循環するように構成されていてもよい。
冷媒供給装置40は、シャフト31の内部に適宜に冷媒を供給することができる。例えば、シャフト31に冷媒を供給しつつ、後述する段積み作業や段ばらし作業を行なうことができる。例えば、段積み作業や段ばらし作業が、高温環境で行なわれる場合など、適宜にシャフト31に冷媒が供給されるとよい。
図2に示されているように、リフタ20、保持機構30およびストッパ50(図1参照)は、制御装置60によって制御されるとよい。制御装置は、例えば、焼成容器Aの搬送、リフタ20の昇降、保持機構30の保持具32の開閉を制御するように構成されているとよい。ここで、制御装置60は、リフタ20を昇降させる昇降装置24と、保持機構30を駆動する駆動装置37と接続されている。制御手法としては、例えば、シーケンス制御等の種々の制御手法を採用することができる。また、冷媒供給装置40による冷媒の供給についても、制御装置60によって制御されてもよい。
上述したリフタ20および保持機構30の動作が組み合わされることによって、焼成容器Aを段積みしたり、重ねられた複数の焼成容器Aをばらしたりすることができる。ここでは、複数の焼成容器Aを重ねる作業は、適宜に「段積み」と称される。重ねられた複数の焼成容器Aをばらす作業は、適宜に「段ばらし」と称される。ここでは、搬送方向T1に搬送された焼成容器Aを重ねる段積み作業を説明し、その後、段ばらし作業を説明する。
<段積み作業>
搬送方向に搬送された焼成容器Aを重ねる段積み作業では、以下の手順で、焼成容器Aの停止、焼成容器Aの持ち上げ、焼成容器Aの保持が繰り返される。
図3Aは、段積み作業において焼成容器Aを停止させた状態が示されている。ここでは、図3Aに示されているように、リフタ20は、リフタ本体21を搬送ローラ16の下に位置する昇降位置L1で待機させる。また、保持機構30は、焼成容器Aを保持しておらず、2点鎖線で示されているように、アーム部32bが開いた開状態H2で待機させる。この状態で、制御装置60(図2参照)は、搬送空間12aの所定の位置で焼成容器Aを検知すると、予め定められたタイミングでストッパ50を上昇させる。これにより、リフタ20によって持ち上げられる予め定められた位置で、焼成容器Aが停止する。その際、搬送ローラ16の回転を止めてもよく、搬送ローラ16の回転を止めずに空転させてもよい。
次に、図3Cに示されているように、制御装置60は、第3の昇降位置L3までリフタ20を上昇させる。これによって、保持機構30で保持可能な高さに焼成容器Aが持ち上げられる。そして、制御装置60によって、保持機構30のアーム部32bが閉状態H1に閉じられる。これによって、持ち上げられた焼成容器Aが保持機構30に保持される。その後、図3Aに示されているように、制御装置60は、リフタ20を降下させて、搬送ローラ16よりも下の第1の昇降位置L1でリフタ20を待機させる。また、保持機構30を、焼成容器Aを保持した閉状態H1で待機させる。これにより、焼成容器Aが保持機構30で保持された状態となる。
次に、再びストッパ50によって焼成容器Aを予め定められた位置で停止させる。そして、図3Bに示されているように、リフタ20を第2の昇降位置L2まで上昇させ、焼成容器Aを保持機構30に保持された焼成容器Aの下に重ねる。そして、焼成容器Aをリフタ20で支持した状態で、保持機構30を開状態H2にして、焼成容器Aから爪部32cを抜く。この状態で、制御装置60は、図3Cに示されているように、リフタ20を第3の昇降位置L3まで上昇させる。これにより、保持機構30に保持されていた焼成容器Aとリフタ20で新たに持ち上げられた焼成容器Aが重ねられた状態で、保持機構30に保持される高さまで上昇する。その後、制御装置60は、保持機構30を閉状態H1にする。これにより、リフタ20で持ち上げられた焼成容器Aのうち一番下の焼成容器Aが保持機構30の爪部32cに支持され、焼成容器Aが段積みされた状態で保持機構30に保持される。
そして、図3Aに示されているように、リフタ20を降下させ、搬送ローラ16よりも下の第1の昇降位置L1で待機させるとよい。その後、ストッパ50によって焼成容器Aを停止させる。リフタ20を第2の昇降位置L2に上昇させ、焼成容器Aを持ち上げて、保持機構30に保持されている焼成容器Aの下に重ねる(図3B参照)。保持機構30を開状態H2として爪部32cを抜き、リフタ20を第3の昇降位置L3に上昇させる(図3C参照)。保持機構30を閉状態H1として、段積みされた焼成容器Aを保持させる。リフタ20を第1の昇降位置L1に降下させて、待機させる。制御装置60は、これを繰り返す。これにより、焼成容器Aが一段ずつ段積みされる。
搬送ローラ16によって、焼成容器Aが2段ずつ流れてくる場合には、リフタ20で持ち上げられる焼成容器Aが保持機構30で保持された焼成容器Aの下に重ねられるように、リフタ20の第2の昇降位置L2の高さが調整されるとよい。これにより、焼成容器Aは、2段ずつ段積みすることもできる。同様に、焼成容器Aは、複数段(例えば、3段)ずつ段積みすることもできる。
〈段ばらし作業〉
図5は、段ばらし作業を示す側面図である。段ばらし作業では、図5に示されているように、複数の焼成容器Aが重ねられた状態で搬送されてくる。これを、所定の枚数ずつ焼成容器Aをばらす。ここでは、焼成容器Aを1段ずつばらして搬送する作業を例示的に説明する。
図3Aに示されているように、制御装置60(図2参照)は、リフタ20を搬送ローラ16よりも下の第1の昇降位置L1で待機させる。また、保持機構30を2点鎖線で示されているように、アーム部32bが開いた開状態H2で待機させる。この状態で、制御装置60は、搬送空間12aの所定の位置で焼成容器Aを検知し、予め定められたタイミングでストッパ50を上昇させる。これにより、リフタ20によって持ち上げられる予め定められた位置で、焼成容器Aが停止する。
制御装置60は、図3Bに示されているように、第2の昇降位置L2までリフタ20を上昇させる。この状態で、保持機構30のアーム部32bが閉状態H1に閉じられることによって、段積みされた焼成容器Aのうち一番下の焼成容器Aよりも上の焼成容器Aが保持機構30に保持される。その後、制御装置60は、図3Aに示されているように、リフタ20を降下させて、搬送ローラ16よりも下の第1の昇降位置L1でリフタ20を待機させる。これによって、一番下の焼成容器Aが降下する。ストッパ50を下げて開放させることによって、焼成容器Aは搬送ローラ16によって搬送される。これにより、段積みされた焼成容器Aのうち一番下の焼成容器Aがばらされて搬送される。
次に、制御装置60は、図3Cに示されているように、リフタ20を第3の昇降位置L3に上昇させる。これによって、保持機構30に保持された段積みされた残りの焼成容器Aがリフタ20によって支持される。制御装置60は、保持機構30を開状態H2にし、図3Bに示されているように、リフタ20を第2の昇降位置L2に降下させた後で、保持機構30を閉状態H1にする。これによって、段積みされた焼成容器Aのうち一番下の焼成容器Aはリフタ20によって支持される。また、一番下の焼成容器Aよりも上の焼成容器Aは保持機構30によって保持される。この状態で、制御装置60は、図3Aに示されているように、リフタ20を第1の昇降位置L1に降下させる。これによって、一番下の焼成容器Aが降下し、搬送ローラ16によって搬送される。このように、段積みされた焼成容器Aのうち一番下の焼成容器Aがばらされる。
以降は、制御装置60によって、上記の処理が繰り返される。これによって、段積みされた焼成容器Aは、下から順番にばらされて搬送ローラ16によって搬送される。焼成容器Aを2段ずつばらす場合には、リフタ20の第2の昇降位置L2の高さが、第3の昇降位置L3から焼成容器A2つ分の下げた高さに調整されるとよい。これにより、焼成容器Aは、2段ずつばらされ、2段で段積みされた状態で搬送される。同様に、焼成容器Aは、複数段(例えば、3段)ずつ段積みされた状態にばらすこともできる。
上述した実施形態では、図1および図2に示されているように、連続焼成炉10は、搬送空間12aに配置されたヒータ14と、焼成容器Aを持ち上げる機構が設けられたリフタ20と、リフタ20によって持ち上げられた焼成容器Aを保持する保持機構30とを備えている。保持機構30のシャフト31は、中空のシャフトであり、冷媒供給装置40に接続されている。このため、シャフト31を冷却しつつ、段積み作業や段ばらし作業を行なうことができる。この実施形態では、保持機構30は、連続焼成炉10内の高温環境下に設けられている。けれども、冷媒供給装置40によって供給される冷媒によってシャフト31が冷却されているので、シール部材33のシール性が保たれる。このため、連続焼成炉10内の高温環境下で、段積み作業や段ばらし作業が行なわれても、シャフト31を通じて内部の雰囲気ガスが外に流出しにくい。また、シャフト31が冷却されることによってシール部材33の劣化が抑制されるので、シール部材33の長寿命化が図られる。かかる構成は、被処理物を高い温度で連続的に焼成する連続焼成炉に対してより好適に適用される。
このように、保持機構30のシャフト31が冷却されるので、シール部材33のシール性を高く維持しやすい。このため、段積み作業や段ばらし作業が行なわれる作業空間において、被処理物の温度をある程度高く維持することができる。また、段積み作業や段ばらし作業が行なわれる作業空間において、被処理物を所要の温度に加熱しつつ、段積み作業や段ばらし作業を行なうこともできる。例えば、焼成容器Aが常温で、段積み作業や段ばらし作業が行なわれる作業空間に運ばれてくる場合、段積み作業や段ばらし作業が行なわれる作業空間において焼成容器Aを加熱し、焼成前の予備加熱を実施することができる。これによって、被処理物の全体の処理時間を格段に短縮させることができる。また、連続焼成炉10内やその近傍の高温領域に、段積み作業や段ばらし作業を行なうためのリフタ20や保持機構30を設けることができる。このため、設備を省スペース化することができる。
この実施形態では、シャフト31は搬送方向と直交する幅方向に設けられている。また、シャフト31の一端から他端に向かって冷媒を供給できるように冷媒供給装置40が接続されている。かかる構成によって、より簡潔な構造で効率よくシャフト31に冷媒を供給することができる。
また、この実施形態では、シャフト31に取り付けられた保持具32は、シャフト31から延びたアーム部32bと、アーム部32bの下端から折れ曲った爪部32cとを備えている。この場合、焼成容器Aは、アーム部32bの下端の爪部32cで保持されているので、冷媒によって冷やされるシャフト31に熱が奪われにくい。
この実施形態では、保持具32は、ニッケル-クロム-鉄合金またはニッケル基合金から構成されている。かかる構成によって、保持具32は酸化雰囲気、還元雰囲気、窒化雰囲気等の雰囲気下においても耐久性が良好である。また、高温環境下で使用されても耐久性が良好である。
保持具32は、焼成容器Aと当接する面に断熱材を備えていてもよい。この実施形態では、焼成容器Aと当接する面は、爪部32cである。爪部32cの、焼成容器Aが当接する面が断熱材を備えていることによって、保持具32を通して焼成容器Aが冷却されることを抑えることができる。なお、ここで用いられる断熱材は特に限定されないが、例えば、セラミック製の断熱材等を用いることができる。
図1に示された形態では、段積み作業や段ばらし作業が行われる作業空間にヒータ14が配置されている。この場合、段積み作業や段ばらし作業が行われる作業空間をヒータ14によって加熱することができる。連続焼成炉は、かかる形態に限定されない。
例えば、図5に示された形態では、連続焼成炉10の搬送空間12aに、加熱室12a1と、段数変更室12a2とを仕切る仕切り70が設けられている。仕切り70は、例えば、セラミックファイバーボードのような断熱材で構成されているとよい。加熱室12a1にはヒータ14が設けられている。加熱室12a1では、多段に重ねられた焼成容器Aに収容された被処理物に対して加熱処理が行なわれる。段数変更室12a2は、リフタ20と保持機構30とが設けられている。段数変更室12a2には、ヒータ14が設けられていない。このように、リフタ20と保持機構30が設けられる段数変更室12a2には、ヒータ14が設けられていなくてもよい。この場合、段数変更室12a2は、ヒータ14がなく、積極的には加熱されないが、加熱室12a1から伝わる熱や、加熱された焼成容器Aが保持する熱によって、段数変更室12a2は炉体12外部と比較して高温環境でありうる。このような場合でも、シャフト31には冷媒を供給することができるため、シール部材の損傷が抑えられうる。なお、加熱室12a1と段数変更室12a2との間には、雰囲気を切り替えるためのシャッタや置換室が設けられていてもよい。
連続焼成炉10のうち、リフタ20と保持機構30を有する部分は、図1に示されているように、モジュール化されて段数変更装置80を構成してもよい。ここで開示される段数変更装置80は、焼成容器Aを搬送する搬送空間12aを内部に有する隔壁12と、ヒータ14と、リフタ20と、保持機構30とを備えている。ヒータ14と、リフタ20と、保持機構30とは、それぞれ上述されているので、ここでは、詳しい説明を省略する。段数変更装置80の隔壁12は、連続焼成炉10の炉体12と同様に、搬送空間12aの搬送方向の周りを全周に亘って、断熱材によって構成された炉壁12b~12dで囲われているとよい。段数変更装置80は、複数の焼成容器Aが段積みされた状態で搬入および搬出できるよう、搬入口80aと搬出口80bとを備えているとよい。また、段数変更装置80は、搬送空間12a内でのみ段数が変更されるように構成されていてもよい。つまり、搬入口80aから搬入される加熱容器Aの段数と、搬出口80bから搬出される加熱容器Aの段数が同じであってもよい。例えば、段数変更装置80は、加熱容器Aが段積みされていない状態で搬入でき、多段に重ねられた加熱容器Aに収容された被処理物に対して加熱処理が行なわれ、段積みされていない状態で搬出できるように、搬入口80aと搬出口80bとを備えていてもよい。段数変更装置80の前後には、雰囲気を切り替えるためのシャッタや置換室が設けられていてもよい。段数変更装置80は、搬入口80aと搬出口80bとのうち、少なくともいずれか一方が、被処理物を加熱処理するための加熱炉と、密封して接続されるように構成されていてもよい。
かかる段数変更装置80は、連続加熱炉の一部をなすモジュールとして利用可能である。段数変更装置80は、連続加熱炉の他の構成や他のモジュールと組み合わせて被処理物を加熱する際に、適切な位置や温度で段積み作業や段ばらし作業が行えるように連続加熱炉を構成することができる。ここで、連続加熱炉の他のモジュールとしては、例えば、置換室や焼成室を構成するモジュールなどが挙げられうる。ここで開示される段数変更装置80によれば、保持機構30のシャフト31に冷媒が供給されるので、段積み作業や段ばらし作業が行なわれる隔壁12の内部の搬送空間12aが高い温度でも、シール部材のシール性が高く維持される。このため、被処理物の温度を下げずに、段積み作業や段ばらし作業が行える。このため、連続加熱炉全体としての処理時間が短縮される。また、このように段数変更装置80がモジュール化され、他のモジュールと接続することによって、段積みや段ばらし機構を備えた任意の連続加熱炉を提供できる。このため、例えば、モジュールを選定し、モジュールの順番を決定して組み合わせることによって、段積みや段ばらし機構を備えた連続加熱炉を提供できる。このため、段積みや段ばらし機構を備えた連続加熱炉の設計が容易になる。
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。また、上記実施形態で例示された複数の技術の一部を連続加熱炉または段数変更装置に採用することも可能である。
10 連続焼成炉(連続加熱炉)
12 炉体(隔壁)
12a 搬送空間
12b 側壁(炉壁)
12c 天井(炉壁)
12d 床壁(炉壁)
12e 挿通孔
14 ヒータ
16 搬送ローラ
16a,16b 支持板
17 スプロケット
18 ベース
20 リフタ
21 リフタ本体
21a 第1プレート
21b 第2プレート
21c 連結部
21d 操作ロッド
21e 連結バー
24 昇降装置
25 ガイド
25a リニアブッシュ
30 保持機構
31 シャフト
32 保持具
32a 基部
32b アーム部
32c 爪部
33 シール部材
34 ハウジング
35 軸受
36 操作アーム
37 駆動装置
38 支持片
39 コネクタ
40 冷媒供給装置
50 ストッパ
51 ストッパ本体
52 シャフト
53 昇降装置
60 制御装置
A 焼成容器(加熱容器)
a1 壁
a2 凹み
H1 閉状態
H2 開状態
L1~L3 昇降位置

Claims (13)

  1. 複数の加熱容器を段積みした状態で搬送方向に搬送しうる搬送空間を内部に有する炉体と、
    前記搬送空間に配置されたヒータと、
    前記加熱容器を昇降させるリフタと、
    前記リフタによって持ち上げられた前記加熱容器を保持する保持機構と
    を備え、
    前記保持機構は、
    前記炉体に挿通された中空のシャフトと、
    前記シャフトに取り付けられた保持具と、
    前記炉体に前記シャフトが挿通された部位に取付けられたシール部材と、
    前記シャフトに接続され、前記シャフトの中空部に冷媒を供給する冷媒供給装置と
    を有する、連続加熱炉。
  2. 前記搬送空間には、前記ヒータが配置された加熱室と、前記リフタおよび前記保持機構が設けられた段数変更室とを仕切る仕切りを備えており、前記ヒータは、前記段数変更室には設けられていない、請求項1に記載された連続加熱炉。
  3. 前記炉体は、前記搬送方向と直交する幅方向の両側に一対の側壁を有し、
    前記シャフトは、前記一対の側壁に回転可能に架け渡されており、
    前記保持具は、
    前記シャフトから延びるアーム部と、
    前記アーム部の下端から折れ曲がった爪部と
    を備える、請求項1または2に記載された連続加熱炉。
  4. 前記シャフトは、前記搬送方向と直交する幅方向と平行に設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載された連続加熱炉。
  5. 前記冷媒供給装置は、前記シャフトの一端から他端に向かって冷媒を供給する、請求項1~4のいずれか一項に記載された連続加熱炉。
  6. 前記保持具は、ニッケル-クロム-鉄合金またはニッケル基合金から構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載された連続加熱炉。
  7. 前記保持具は、前記加熱容器と当接する面に断熱材を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載された連続加熱炉。
  8. 前記加熱容器を搬送する搬送空間を内部に有する隔壁と、
    前記搬送空間に配置されたヒータと、
    前記加熱容器を持ち上げる機構が設けられたリフタと、
    前記リフタによって持ち上げられた前記加熱容器を保持する保持機構と
    を備え、
    前記保持機構は、
    前記隔壁に挿通された中空のシャフトと、
    前記シャフトに取り付けられた保持具と、
    前記隔壁に前記シャフトが挿通された部位に取付けられたシール部材と、
    前記シャフトに接続され、前記シャフトの中空部に冷媒を供給する冷媒供給装置と
    を有する、段数変更装置。
  9. 前記隔壁は、前記搬送方向と直交する幅方向の両側に一対の側壁を有し、
    前記シャフトは、前記一対の側壁に回転可能に架け渡されており、
    前記保持具は、
    前記シャフトから延びるアーム部と、
    前記アーム部の下端から折れ曲がり、前記加熱容器を支える爪部と
    を備える、請求項8に記載された段数変更装置。
  10. 前記シャフトは、前記搬送方向と直交する幅方向と平行に設けられている、請求項8または9に記載された段数変更装置。
  11. 前記冷媒供給装置は、前記シャフトの一端から他端に向かって冷媒を供給する、請求項8~10のいずれか一項に記載された段数変更装置。
  12. 前記保持具は、ニッケル-クロム-鉄合金またはニッケル基合金から構成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載された段数変更装置。
  13. 前記保持具は、前記加熱容器と当接する面に断熱材を備える、請求項8~12のいずれか一項に記載された段数変更装置。
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