JP2022154460A - 3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法及び製造方法 - Google Patents

3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率良く純度を高めることができる、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法。【解決手段】3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを含む粗組成物に、炭素数2~6のアルコール、炭素数4~8のケトン、炭素数2~6のニトリル及び炭素数4~8のエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒を加えて塩を析出させる工程を有する、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法。【選択図】なし

Description

本発明は3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法、及び前記精製方法を用いた3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの製造方法に関する。
3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンは、例えば、半導体製造分野で用いられるレジスト用重合体のモノマーの原料として有用である。また光学活性を有する3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンは医薬品、農薬等の中間体として有用である。
特許文献1には、4-クロロ-3-ヒドロキシ酪酸エチルを環化反応させて3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを製造する方法が記載されている。
特許文献1の実施例には、4-クロロ-3-ヒドロキシ酪酸エチルに、塩酸水溶液又は硫酸水溶液を加え、加熱還流して3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを生成した後、苛性ソーダ液で中和し、減圧下で水を留去し、残留する結晶と油状物の混合物に酢酸エチルを加えて攪拌し、結晶をろ別し、ろ液を減圧濃縮する方法で精製した例が記載されている。
特許第3855033号公報
3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製にあっては、効率良く純度を高めることが望ましい。
本発明は、効率良く純度を高めることができる、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法及びこれを用いた3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの製造方法を提供する。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを含む粗組成物に、炭素数2~6のアルコール、炭素数4~8のケトン、炭素数2~6のニトリル及び炭素数4~8のエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒を加えて塩を析出させる工程を有する、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法。
[2] 前記塩が塩化ナトリウムを含む、[1]の精製方法。
[3] 下記式(1)で表される4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルを、水を含む媒体中で環化反応させて、下記式(2)で表される3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを含む反応液を得る反応工程と、
前記反応工程で得られた反応液を中和して、前記3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン及び塩を含む粗組成物を得る中和工程と、
前記粗組成物に、炭素数2~6のアルコール、炭素数4~8のケトン、炭素数2~6のニトリル及び炭素数4~8のエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒を加えて前記塩を析出させる工程を有する、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの製造方法。
式(1)において、Xはハロゲン原子を示し、Rはエステル型保護基を示す。
Figure 2022154460000001
[4] 前記環化反応の開始後かつ終了前に、前記反応液のpHを調整するpH調整工程を有する、[3]の製造方法。
[5] 前記環化反応の開始後、かつ前記pH調整工程の前に、前記環化反応により副生するアルコールを除去するアルコール除去工程を有する、[4]の製造方法。
[6] 前記式(1)におけるXが塩素原子であり、前記中和工程において前記反応液に水酸化ナトリウムを含むアルカリ性化合物を添加する、[3]~[5]のいずれかの製造方法。
本発明によれば、高純度の3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを効率良く得ることができる。
本実施形態の精製方法(以下、単に「本精製方法」ともいう。)は、下記式(2)で表される3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン(以下、「目的化合物」ともいう。)を含む粗組成物に、特定の溶媒を加えて塩を析出させる工程(塩析出工程)を有する。
さらに、析出物を除去し目的化合物を単離精製するための工程を有してもよい。
精製の対象である粗組成物は、例えば、下記式(1)で表される4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステル(以下、「原料化合物」ともいう。)を、水を含む媒体中で環化反応させ(反応工程)、反応工程で得られた反応液を中和して(中和工程)得られる中和液である。中和液は、目的化合物と塩(中和塩)を含む。
Figure 2022154460000002
式(1)において、Xはハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。塩素原子が好ましい。
式(1)において、Rはエステル型保護基を示す。本明細書におけるエステル型保護基とは、エステルとしてカルボン酸を保護し得る基を意味する。
エステル型保護基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、シリル系保護基等が例示できる。具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基、α-メチルベンジル基、フェニルプロピル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、又はこれらの基の一部が置換基により置換された基等が挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、エーテル基、アミド基等が例示できる。
Rは炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又はtert-ブチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
反応工程に用いる4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルは、光学異性体である(R)-体又は(S)-体のいずれでもよく、これらを併用してもよい。
以下、前記反応工程と、前記中和工程と、本精製方法を用いる工程を経て3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを製造する方法の実施形態を説明する。
本実施形態では、4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルの環化反応を、水を含む媒体中で行う。具体的には、媒体に原料化合物を添加して原料組成物を調製し、原料組成物を加熱して環化反応を開始する。
環化反応の開始後かつ終了前に、反応液のpHを調整することが好ましい(pH調整工程)。
環化反応でアルコールが副生する場合、pH調整工程の前に、副生するアルコールを除去することが好ましい(アルコール除去工程)。
アルコール除去工程を行う場合、環化反応の開始後からアルコール除去工程の前までを第1の反応工程、pH調整工程後から環化反応の終了前までを第2の反応工程とする。
アルコール除去工程を行わない場合、環化反応の開始からpH調整工程の前までを第1の反応工程、pH調整工程後から環化反応の終了前までを第2の反応工程とする。
前記媒体は水以外に水溶性有機溶媒を含んでもよい。
水溶性有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒等が例示できる。
媒体に対する水の割合は30質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
原料組成物における媒体の含有量は、4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルに対して1~10倍重量が好ましく、2~6倍重量がより好ましい。
環化反応開始前の原料組成物に酸性化合物を添加することが好ましい。例えば、水を含む媒体に酸性化合物が溶解した酸性化合物水溶液に、原料化合物を添加して原料組成物を調製し、原料組成物を加熱して環化反応を開始することが好ましい。
本明細書における酸性化合物とは、濃度0.5M水溶液の20℃におけるpHが6.0以下である化合物を意味する。具体例としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、コハク酸、フタル酸、安息香酸、酒石酸、乳酸、グリコール酸、シュウ酸水素カリウム、酒石酸水素カリウム、フタル酸水素カリウム、塩化アンモニウム、トリメチルアミン塩酸等が挙げられる。
反応時間を短縮しやすい点では、前記pHが2.0以下である化合物が好ましく、例えば塩酸、硫酸が好適である。
不純物を抑制しやすい点では、前記pHが2.0超、5.0以下である化合物が好ましく、例えば酢酸、塩化アンモニウムが好適である。
原料組成物における酸性化合物の含有量は、4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルに対して0.05~2.0モル当量が好ましく、0.1~1.0モル当量がより好ましい。
前記酸性化合物水溶液の20℃におけるpH(以下「初期pH」ともいう。)は、0~6.0が好ましく、0~5.0がより好ましい。
(第1の反応工程)
第1の反応工程における反応温度は、40~150℃が好ましく、70~120℃がより好ましい。媒体の沸点まで加熱して還流させながら環化反応を行ってもよい。
第1の反応工程では、目的化合物が生成されるとともに、酸成分(HX)が副生する。また、Rが炭化水素基である場合はアルコール(ROH)が副生する。
また環化反応開始後の反応液には、目的化合物のほかに、不純物、未反応の原料化合物、及び中間体から選ばれる1種以上が含まれ得る。4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルの環化反応では、不純物として、下記式(3)で表されるγ-クロトノラクトンが生成し得る。
Figure 2022154460000003
第1の反応工程では、後述の測定方法で得られる目的化合物の収率(中間収率)が10%以上になるまで環化反応を行うことが好ましい。第1の反応工程の終了時の収率(中間収率)は10~60%が好ましく、20~50%がより好ましい。中間収率が上記範囲の下限値以上であると第2の反応工程において反応時間を短縮しやすく、上限値以下であると不純物の生成を抑制しやすい。
(アルコール除去工程)
原料化合物におけるエステル型保護基Rが炭化水素基である場合、環化工程で副生するアルコール(ROH)を、環化工程の途中で除去することが好ましい。
アルコール除去工程では、反応液に含まれるアルコールの少なくとも一部を除去する。除去するアルコールの量は多い方が好ましく、反応液中のアルコールの全部を除去してもよい。
例えば、減圧濃縮して反応液の一部を除去することにより、反応液中のアルコールを除去する。減圧濃縮により除去する反応液の量は、例えば、反応液中のアルコールに対して1~10重量倍が好ましく、2~8重量倍がより好ましい。
本製造方法において、環化工程の途中でアルコールを除去することにより反応時間を短縮できる。
特にアルコール除去工程をpH調整工程の前に行うことにより中間体の生成が促進され、収率が向上する。
(pH調整工程)
pH調整工程は、環化反応により副生する酸成分の増加に伴うpHの変化以外に、反応液のpHを変動させる工程である。
pH調整方法は、反応液にアルカリ性化合物を添加する方法が好ましい。
本明細書におけるアルカリ性化合物とは、濃度5質量%水溶液の20℃におけるpHが8.0以上である化合物を意味する。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、重炭酸塩(重炭酸ナトリウム等)が挙げられる。
pH調整工程では、20℃におけるpHが0.5~5.5となるように調整することが好ましい。前記pHは1.0~4.5がより好ましく、1.5~4.5がさらに好ましい。前記pHが上記範囲の下限値以上であると収率の向上効果及び不純物の生成抑制効果に優れる。上限値以下であると不純物の生成抑制効果に優れる。
(第2の反応工程)
第2の反応工程では、前記pH調整工程でpHを調整した反応液を加熱して環化反応させる。環化反応により酸が副生する。
第2の反応工程における反応温度は、40~150℃が好ましく、70~120℃がより好ましい。媒体の沸点まで加熱して還流させながら環化反応を行ってもよい。
第2の反応工程における反応時間は特に限定されない。例えば0.5~24時間が好ましく、1~10時間がより好ましい。
所望の収率に達したら、反応液の温度を低下させて反応を終了する。例えば、反応液を室温まで放冷する。
第2の反応工程の終了時の、後述の測定方法で得られる目的化合物の収率は、例えば50~100%が好ましく、60~100%がより好ましい。
(中和工程)
次いで、得られた反応液を中和して、目的化合物と中和塩を含む中和液を得る。
具体的には、酸を含む反応液にアルカリ性化合物を添加して中和する。
中和に用いるアルカリ性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、重炭酸塩(重炭酸ナトリウム等)が例示できる。中和液の20℃におけるpHは2~7が好ましい。
得られた中和液をそのまま粗組成物として次の塩析出工程に用いてもよいが、減圧下で媒体の一部を留去した濃縮物を粗組成物として用いることが、効率の点で好ましい。
本実施形態において、中和塩が塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
そのために、式(1)で表されるXが塩素原子であり、中和工程で添加するアルカリ性化合物が水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。原料組成物に酸性化合物を添加する場合は、酸性化合物が塩酸を含むことが好ましい。pH調整工程を行う場合は、添加するアルカリ性化合物が水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
(精製工程)
本精製方法では、粗組成物に溶媒を添加して塩を析出させる(塩析出工程)。
粗組成物に添加する溶媒として、炭素数2~6のアルコール、炭素数4~8のケトン、炭素数2~6のニトリル及び炭素数4~8のエーテルからなる群から選ばれる1種以上を用いる。
炭素数2~6のアルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-ブタノールが好ましい。
炭素数4~8のケトンとしては、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
炭素数2~6のニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルが好ましい。
炭素数4~8のエーテルとしては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル-tert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンが好ましい。
溶媒の添加量は、原料化合物に対して1~10倍重量が好ましく、1~5倍重量がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、塩が充分に析出するため粗体の純度向上効果に優れる。上限値以下であると続く濾別工程で得られた濾液の減圧濃縮時の負荷を低減できる。
粗組成物に前記溶媒を添加した後、冷却して塩の析出を促進することが好ましい。冷却温度は、例えば-40~15℃が好ましく、-30~10℃がより好ましい。
塩析出工程で析出する塩が塩化ナトリウムを含むことが好ましい。塩析出工程の析出物に対して塩化ナトリウムが50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
塩析出工程の後、公知の方法で析出物を濾別することが好ましい(濾別工程)。
濾別工程で得られる濾液は目的化合物を含む。この濾液を減圧濃縮して目的化合物の粗体を得ることができる。
さらに、得られた粗体に前記溶媒を加え、塩を析出させ、析出物を濾別し、濾液を減圧濃縮する操作を、1回以上繰り返してもよい。
本実施形態によれば、後述の実施例に示されるように、塩析出工程において前記特定の溶媒を用いることにより、析出物を濾別して得られる粗体の純度が向上する。したがって、本精製方法を用いることにより、精製品の純度を効率良く高めることできる。
なお、精製の対象である粗組成物は、本実施形態の方法で調製したものに限定されない。公知の方法で調製した、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン及び中和塩を含む粗組成物であってもよい。
特に、上記pH調整工程を有する方法で粗組成物を調製すると、粗組成物における目的化合物の収率が高くなりやすく、不純物の生成も抑制されやすい点で好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
反応追跡はガスクロマトグラフィーにより実施し、収率をピーク面積比から次式により算出した。
収率(%)=目的化合物/(未反応の原料化合物+中間体+目的化合物+不純物)×100
下記の例では、原料化合物として(S)-4-クロロ-3-ヒドロキシ酪酸エチル(式(1)におけるXが塩素原子、Rがエチル基)を用いた。以下のピーク面積から収率を算出した。
原料化合物:(S)-4-クロロ-3-ヒドロキシ酪酸エチルのピーク面積
目的化合物:(S)-3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンのピーク面積
不純物:γ-クロトノラクトンのピーク面積
中間体:(S)-4-クロロ-3-ヒドロキシ酪酸のピーク面積
例1~4は実施例、5、6は比較例である。
<例1>
温度計、冷却管、撹拌機を備えたガラス製のフラスコに、35%塩酸15.59g(150mmol)、水131mL、(S)-4-クロロ-3-ヒドロキシ酪酸エチル30.0g(180mmol)を加えて原料組成物を調製した。
原料組成物を、90℃にて20分間撹拌した(第1の反応工程)。得られた反応液をガスクロマトグラフィー分析し、上記の方法で中間収率を求めたところ32%であった。
その後、減圧にして反応液40gを留去した(アルコール除去工程)。
残った反応液に40%水酸化ナトリウム水溶液を加えて33℃におけるpHを1.4に調整した(pH調整工程)。
その後4時間加熱還流し(第2の反応工程)、室温まで放冷して反応を終了した。得られた反応液をガスクロマトグラフィー分析し、上記の方法で収率を求めたところ82%であった。
得られた反応液に40%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し(中和工程)、減圧下で中和液の媒体の一部を留去して粗組成物42gを得た。粗組成物は、目的化合物と、水と、中和塩である塩化ナトリウムを含む。
続いて、得られた粗組成物に2-プロパノール75gを加え、0℃に冷却して塩を析出させた(塩析出工程)。
析出物を濾別し、得られた濾液を減圧濃縮して目的化合物の粗体を得た。
得られた粗体の純度をガスクロマトグラフィー分析により求めた。また得られた粗体の外観を目視にて観察し、不溶物の有無を評価した。結果を表1に示す(以下、同様)。
<例2~6>
例1において、粗組成物に添加する溶媒を表1に示すとおりに変更した。溶媒の添加量はいずれも75gとした。それ以外は例1と同様に実施した。
Figure 2022154460000004
表1の結果に示されるように、例1~4では粗体への析出物の混入が抑制され、目的化合物の純度が高い粗体を得ることができた。
例5は、析出物が粗体中に比較的多く混入しており、純度の測定は行わなかった。
例6は、析出物が粗体中に溶解し、粗体の純度が低くなった。

Claims (6)

  1. 3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを含む粗組成物に、炭素数2~6のアルコール、炭素数4~8のケトン、炭素数2~6のニトリル及び炭素数4~8のエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒を加えて塩を析出させる工程を有する、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの精製方法。
  2. 前記塩が塩化ナトリウムを含む、請求項1に記載の精製方法。
  3. 下記式(1)で表される4-ハロゲノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルを、水を含む媒体中で環化反応させて、下記式(2)で表される3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンを含む反応液を得る反応工程と、
    前記反応工程で得られた反応液を中和して、前記3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン及び塩を含む粗組成物を得る中和工程と、
    前記粗組成物に、炭素数2~6のアルコール、炭素数4~8のケトン、炭素数2~6のニトリル及び炭素数4~8のエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒を加えて前記塩を析出させる工程を有する、3-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトンの製造方法。
    Figure 2022154460000005
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Rはエステル型保護基を示す。)
    Figure 2022154460000006
  4. 前記環化反応の開始後かつ終了前に、前記反応液のpHを調整するpH調整工程を有する、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記環化反応の開始後、かつ前記pH調整工程の前に、前記環化反応により副生するアルコールを除去するアルコール除去工程を有する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記式(1)におけるXが塩素原子であり、前記中和工程において前記反応液に水酸化ナトリウムを含むアルカリ性化合物を添加する、請求項3~5のいずれか一項に記載の製造方法。
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