JP2022152802A - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解コンデンサの漏れ電流(LC)を低減させる。【解決手段】多孔質の陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備え、陽極体は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種を含む第1群金属を含み、誘電体層は、第1群金属の酸化物と、Fe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種を含む第2群金属を含み、誘電体層において、第1群金属の総原子数に対する第2群金属の総原子数の比Xが、100ppm以下である、電解コンデンサ。【選択図】図1

Description

本開示は、電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
電解コンデンサは、陽極体と陽極体の表面に形成された誘電体層とを含む。一般的に、誘電体層は、陽極体の表面を陽極酸化(化成処理)することによって形成されている。従来から、様々な陽極酸化の方法が提案されてきた。
特許文献1は、弁作用金属を陽極酸化して酸化被膜を形成した陽極体に固体電解質を形成した後、平板状電極を配置した再化成液中に前記陽極体を複数個浸漬し前記陽極体と前記平板状電極との間で通電して再化成処理し、金属層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、前記陽極体間の最短距離T1と、前記陽極体と前記平板状電極との間の最短距離T2とを0<T2/T1<5になるように前記陽極体を再化成液中に浸漬し再化成処理することを特長とする固体電解コンデンサの製造方法を提案している。平板状電極は、ステンレス、カーボン、金、白金のうちの一種を材質とすることが記載されている。
特許文献2は、タンタル金属を陽極基体とするタンタル電解コンデンサの製造装置において、陽極基体上に陽極酸化皮膜を形成する化成およびその陽極酸化皮膜上に二酸化マンガンのような固体電解質層を熱分解により形成した後、前記陽極酸化皮膜を修復する化成を行なう化成装置の陰極板にメッシュ状または多孔質のタンタル板を用いてなるタンタル電解コンデンサの製造装置を提案している。
特開平11-8166号公報 実開昭55-14728号公報
陽極体(陽極基体)の表面を化成処理して形成される誘電体層の品質は、漏れ電流(LC)の大きさに影響する。誘電体層に不純物が混入すると、LCが増大する傾向がある。
陽極体の化成処理は、化成槽内の化成液に陽極体を浸漬した状態で行われる。化成液に不純物が含まれると、誘電体層に不純物が混入しやすくなる。
しかし、従来は、化成液中の不純物に十分な配慮がなされていなかったため、誘電体層に不純物が混入する不具合が生じていた。例えば、化成槽にはステンレス鋼などの金属を使用することが一般的である。化成槽に金属を使用する場合、金属イオンが化成液中に溶出し、最終的に誘電体層に混入していることが判明した。
本発明の一側面は、多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備え、前記陽極体は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種を含む第1群金属を含み、前記誘電体層は、前記第1群金属の酸化物と、Fe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種を含む第2群金属を含み、前記誘電体層において、前記第1群金属の総原子数に対する前記第2群金属の総原子数の比Xが、100ppm以下である、電解コンデンサに関する。
本発明の別の側面は、陽極体を準備する工程と、前記陽極体を化成用の第1の電極に電気的に接続する工程と、前記第1の電極に電気的に接続された前記陽極体を化成槽内の化成液に浸漬するとともに第2の電極を前記化成液に浸漬した状態で、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することによって前記陽極体の表面の少なくとも一部を酸化して誘電体層を形成する工程とを含み、前記陽極体は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種を含む第1群金属を含み、前記化成液に含まれるFe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種を含む第2群金属の質量基準の濃度が、0.03ppm以下である、電解コンデンサの製造方法に関する。
本開示によれば、電解コンデンサの漏れ電流(LC)を低減できる。
本開示に係る電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。 陽極部の一例を模式的に示す斜視図である。 本開示に係る製造方法の一工程の一例を模式的示す図である。 図3の工程に続く工程の一例を模式的示す図である。
以下では、本開示に係る電解コンデンサおよびその製造方法の実施形態について例を挙げて説明するが、本開示は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。この明細書において、「数値A~数値B」という記載は、数値Aおよび数値Bを含み、「数値A以上で数値B以下」と読み替えることが可能である。
(電解コンデンサ)
本開示に係る電解コンデンサの種類は、特に限定されず、固体電解コンデンサでもよく、液体と固体電解質を含むハイブリッド電解コンデンサでもよい。
電解コンデンサは、コンデンサ素子を備える。コンデンサ素子は、多孔質の陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層とを含む。陽極体は、金属粉体の焼結体である多孔質焼結体を含んでもよく、表面が粗面化された金属箔(陽極箔)を含んでもよい。陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して巻回されてコンデンサ素子を形成してもよい。
陽極体は、第1群金属M1を含み、第1群金属M1は弁作用金属を含む。誘電体層は、第1群金属M1の酸化物を含む。誘電体層は、第1群金属M1を含む陽極体を陽極酸化(化成処理)して形成される化成被膜であってよい。第1群金属M1は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
陽極体のほとんどが第1群金属M1で構成されている。ただし、陽極体には、第1群金属M1以外に、不純物金属として第2群金属M2が含まれ得る。陽極体に含まれる第2群金属M2の含有率は、質量基準で、例えば、100ppm以下であり、30ppm以下が好ましい。
誘電体層のほとんどが第1群金属M1の酸化物、すなわち、第1群金属M1と酸素とで構成されている。ただし、誘電体層には、第1群金属M1以外に、不純物金属として第2群金属M2が含まれる。第2群金属M2は、Fe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
ここで、誘電体層において、第1群金属の総原子数に対する第2群金属の総原子数の比Xは、100ppm以下である。比Xは、誘電体層に含まれる第1群金属M1の含有率(OM2)に対する、誘電体層に含まれる第2群金属M2の含有率(OM1)の比:OM2/OM1として求めてよく、比X=OM2/OM1の関係を有する。誘電体層に含まれる第2群金属M2は、微量であり、誘電体層は、高純度の第1群金属の酸化物で構成されている。比Xを100ppm以下に制限することで、LCが顕著に抑制される。比Xは80ppm以下でもよく、50ppm以下でもよく、30ppm以下でもよい。
誘電体層に上記範囲を超える第2群金属M2が存在する場合、絶縁物である誘電体層中に導電パスが形成され、電解コンデンサのLCが発生しやすくなる。この現象は、バンドギャップ中に不純物準位が生じることにより、誘電体層中に電子が放出されやすくなるために生じると考えられる。
陽極体に含まれる第1群金属M1は、1種でもよく、2種以上でもよい。誘電体層に含まれる第1群金属M1は、1種でもよく、2種以上でもよい。誘電体層が陽極体を陽極酸化して形成される化成被膜であれば、陽極体に含まれる第1群金属M1と、誘電体層に含まれる第1群金属M1とは、同じ種類である。
陽極体に含まれ得る第2群金属M2は、1種でもよく、2種以上でもよい。誘電体層に含まれ得る第2群金属M2は、1種でもよく、2種以上でもよい。陽極体に含まれ得る第2群金属M2と、誘電体層に含まれ得る第2群金属M2とは、同じ種類でもよく、異なる種類でもよい。例えば、誘電体層のみに含まれる第2群金属M2が存在してもよい。誘電体層には、様々な要因により第2群金属M2が混入し得る。通常は、陽極体に含まれ得る第2群金属M2よりも、誘電体層に含まれ得る第2群金属M2の含有率が大きくなる。
陽極体における第1群金属の総原子数に対する第2群金属の総原子数の比を比Yとするとき、比Yに対して比Xが1倍以上、1.2倍以下であってもよい。比Yは、陽極体に含まれる第1群金属M1の含有率(AM1)に対する、陽極体に含まれる第2群金属M2の含有率(AM2)の比:AM2/AM1として求めてよく、比Y=AM2/AM1の関係を有する。すなわち、X/Y=(OM2/OM1)/(AM2/AM1)は、1以上1.10以下でもよく、1以上1.05以下でもよい。
ここで、比Xは、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP)により測定することができる。例えば、誘電体層を加熱した酸溶液(例えば、フッ化水素酸、硝酸および硫酸の混酸)中で溶解し、溶液残渣を濾過して除去した後、得られた溶液をICPで分析して、第1群金属M1および第2群金属M2のスペクトル強度を測定する。続いて、市販されている第1群金属M1および第2群金属M2の標準溶液を用いて検量線を作成し、誘電体層に含まれる第1群金属M1の含有率OM1および第2群金属M2の含有率OM2を算出し、比X=OM2/OM1を算出する。
比Yは、比Xと同様に測定し得る。例えば、陽極体を加熱した酸溶液中で溶解し、溶液残渣を濾過して除去した後、得られた溶液をICPで分析して、第1群金属M1および第2群金属M2のスペクトル強度を測定する。続いて、市販されている第1群金属M1および第2群金属M2の標準溶液を用いて検量線を作成し、陽極体に含まれる第1群金属M1の含有率AM1および第2群金属M2の含有率AM2を算出し、比Y=AM2/AM1を算出する。
また、比Xは、次のように求めてもよい。誘電体層を有する陽極体を加熱した酸溶液中で全溶解し、溶液残渣を濾過して除去した後、得られた溶液AをICPで分析して、第1群金属M1および第2群金属M2のスペクトル強度を測定する。同様に、誘電体層が除かれた陽極体を加熱した酸溶液中で全溶解し、溶液残渣を濾過して除去した後、得られた溶液BをICPで分析して、第1群金属M1および第2群金属M2のスペクトル強度を測定する。各溶液中の第1群金属M1および第2群金属M2の濃度を、検量線を用いて求め、誘電体層を有する陽極体に占める誘電体層の割合を用いて、計算により比X=OM2/OM1を算出してもよい。
第1群金属M1は、例えばTaのみであってもよい。この場合、Ta以外の弁作用金属は、陽極体および誘電体層に事実上含まれない。ここで、「事実上含まれない」とは、検出限界以下(例えば、質量基準で1ppb以下)の含有率で陽極体および誘電体層にTa以外の弁作用金属が含まれる場合も包含する。
第2群金属M2は、例えば、陽極体の原料である第1群金属M1の粉体に不純物として含まれ得る。また、第2群金属M2は、例えば、ステンレス鋼などを構成部材として有する化成槽等から化成液に溶出し、誘電体層に混入し得る。
第2群金属M2は、Fe、CrおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。Fe、CrおよびNiは、不純物として陽極体および誘電体層に含まれやすい元素である。
第2群金属M2は、Feのみであってもよい。Feは、第2群金属M2の代表例であり、不純物として最も陽極体および誘電体層に含まれやすい元素である。Feは、例えば、ステンレス鋼などを構成部材として有する化成槽等から化成液に溶出し、誘電体層に混入し得る。
本開示に係る電解コンデンサの構成および構成要素の例として、陽極体が第1群金属の粉体の焼結体(多孔質焼結体)である場合の一例を以下に説明する。以下で説明する電解コンデンサは、コンデンサ素子、外装体、陽極リード端子および陰極リード端子を含む。なお、本開示に係る電解コンデンサの構成および構成要素は、以下の例に限定されない。
(コンデンサ素子)
コンデンサ素子は、陽極部、誘電体層および陰極部を含む。陽極部は、陽極体と陽極リードとを含む。誘電体層は、陽極体の表面に形成される。陰極部は、固体電解質層と陰極引出層とを含む。固体電解質層は、陽極体の表面に形成された誘電体層と陰極引出層との間に配置されている。これらの構成要素に特に限定はなく、公知の電解コンデンサに用いられる構成要素を適用してもよい。
(陽極体)
陽極体は、弁作用金属であるTa、Nb、Ti、Al、Zrなど、またはこれらを含む合金の粉体を、金型などを用いて成形し、焼結することより形成してもよい。
(誘電体層)
誘電体層は、化成処理によって陽極体の表面に形成される。化成処理は、後述の電解コンデンサの製造方法の工程(iii)で説明するプロセスを含む。
(陽極リード)
陽極リードは、金属からなるワイヤ、リボン、箔などであってもよい。陽極リードの材料には、弁作用金属、銅などが含まれる。陽極リードの一部は陽極体に埋設され、残りの部分は陽極体の端面から突き出している。
(固体電解質層)
固体電解質層に特に限定はなく、公知の電解コンデンサに用いられている固体電解質層を適用してもよい。固体電解質層は、2層以上の異なる固体電解質層の積層体であってもよい。
固体電解質層は、誘電体層の少なくとも一部を覆うように配置される。固体電解質層は、マンガン化合物や導電性高分子を用いて形成してもよい。導電性高分子の例には、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、およびこれらの誘導体などが含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、導電性高分子は、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。なお、導電性高分子の誘導体とは、導電性高分子を基本骨格とする高分子を意味する。例えば、ポリチオフェンの誘導体の例には、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
導電性高分子にはドーパントが添加されていることが好ましい。ドーパントは、導電性高分子に応じて選択でき、公知のドーパントを用いてもよい。ドーパントの例には、ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、およびこれらの塩などが含まれる。一例の固体電解質層は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を用いて形成される。
導電性高分子を含む固体電解質層は、誘電体層上で原料モノマーを重合することによって形成してもよい。あるいは、導電性高分子(および必要に応じてドーパント)を含んだ液体を、誘電体層に塗布した後に乾燥させることによって形成してもよい。
(陰極引出層)
陰極引出層は、導電層であり、固体電解質層の少なくとも一部を覆うように配置されている。陰極引出層は、固体電解質層上に形成されたカーボン層と、カーボン層上に形成された金属ペースト層とを含んでもよい。カーボン層は、黒鉛等の導電性炭素材料と樹脂とによって形成されてもよい。金属ペースト層は、金属粒子(例えば銀粒子)と樹脂とによって形成されてもよく、例えば公知の銀ペーストによって形成されてもよい。
(陰極リード端子および陽極リード端子)
陰極リード端子は、電解コンデンサの外装体から露出している陰極端子部と、陰極端子部につながっている接続部とを含む。当該接続部は、陰極部と電気的に接続されている。例えば、当該接続部は、導電層(例えば銀ペースト層)などによって陰極引出層に接続されてもよい。陽極リード端子は、電解コンデンサの外装体から露出している陽極端子部と、陽極端子部につながっているリード接続部とを含む。リード接続部は、陽極リードに接続されている。各リード端子は、金属(銅、銅合金など)からなる金属シート(金属板および金属箔を含む)を、公知の金属加工法で加工することによって形成してもよい。
(外装体)
外装体は、電解コンデンサの表面にコンデンサ素子が露出しないように、コンデンサ素子の周囲に配置される。さらに、外装体は、陽極リード端子と陰極リード端子とを絶縁する。そのため、外装体は、絶縁性の材料で構成される。外装体の形成方法に限定はなく、公知の方法で形成してもよい。例えば、リード端子の一部およびコンデンサ素子を覆うように外装体の材料を配置して硬化させることによって、外装体を形成してもよい。このようにして、電解コンデンサが得られる。
図1は、本開示に係る電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図である。図1に示す電解コンデンサ100は、コンデンサ素子110、陽極リード端子120、陰極リード端子130、外装体101および導電層141を含む。コンデンサ素子110は、陽極部111、誘電体層114および陰極部115を含む。陽極部111は、陽極体113と、陽極リード(陽極ワイヤ)112とを含む。陽極体113は、直方体状の多孔質焼結体であり、表面に誘電体層114が形成されている。陽極リード112の一部は陽極体113の1つの端面から、電解コンデンサ100の前面100fに向かって突き出している。陽極リードの他の部分は陽極体113に埋設されている。
陰極部115は、誘電体層114の少なくとも一部を覆うように配置された固体電解質層116と、固体電解質層116上に形成された陰極引出層117とを含む。陰極引出層117は、例えば、固体電解質層116上に形成されたカーボン層と、カーボン層上に形成された金属粒子層とを含む。金属粒子層は、例えば金属ペーストを用いて形成された金属ペースト層(例えば銀ペースト層)である。
陽極リード端子120は、陽極端子部121およびリード接続部122を含む。陽極端子部121は、電解コンデンサ100の底面100bにおいて露出している。リード接続部122は、陽極リード112に接続されている。陰極リード端子130は、陰極端子部131および接続部132を含む。陰極端子部131は、電解コンデンサ100の底面100bにおいて露出している。接続部132は、導電層141によって陰極引出層117に電気的に接続されている。
上記では、陽極体として多孔質焼結体を用いる場合を説明したが、本開示は、巻回式の電解コンデンサに適用してもよい。巻回式の電解コンデンサは、極板群、固体電解質およびケースを含む。極板群は、巻回体、陽極リードおよび陰極リードを含む。巻回体は、陽極体(金属箔)とセパレータと陰極箔とを巻回することによって形成される。陽極リードは陽極体(金属箔)に接続され、陰極リードは陰極箔に接続される。陽極体は弁作用金属を含む金属で形成されている。陽極体の表面は粗面化もしくは多孔質化されており、その表面には誘電体層が形成されている。セパレータには固体電解質が含浸されている。巻回式の電解コンデンサは、電解液などの液体を含んでもよい。これらの構成要素に特に限定はなく、巻回式の電解コンデンサに用いられる公知の構成要素を用いてもよい。
(電解コンデンサの製造方法)
電解コンデンサの製造方法は、以下の工程(i)~(iii)をこの順に含む。1つの観点では、本開示は、陽極体の表面に誘電体層を形成するための化成処理方法を提供する。当該化成処理方法は、以下の工程(i)~工程(iii)を含み、化成処理液が配置される化成槽、第1の電極、第2の電極および電源(例えば直流電源)を含む装置を用いて行われる。なお、以下で説明する実施形態において、本開示の方法に必須ではない構成要素は省略してもよい。
ここでは、陽極体が第1群金属の粉体の焼結体(多孔質焼結体)である場合の製造方法(もしくは化成処理方法)の一例を説明する。
(工程(i))
工程(i)は、陽極体を準備する工程である。工程(i)は、陽極体と陽極体の第1の端面から突き出した陽極リードとを含む陽極部を複数個準備する工程であってもよい。陽極体および陽極リードに限定はなく、公知の陽極体および陽極リードを用いてもよい。あるいは、公知の方法で陽極部を作製してもよい。
陽極体は、弁作用金属である第1群金属M1を含む。陽極体は、第1群金属M1の粉体の成形体の焼結体であってもよい。第1群金属M1は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。第1群金属M1は、例えばTaのみであってもよい。すなわち、陽極体は、Ta粉体の焼結体でもよい。この場合、Ta以外の弁作用金属は、陽極体および誘電体層に事実上含まれない。
図2に陽極部111の一例を示す。陽極部111は、陽極体113と陽極体113の第1の端面113e1から突き出した陽極リード112とを含む。陽極体113は、第1の端面113e1とは反対側の面は第2の端面113e2と、第1の端面113e1と第2の端面113e2とをつなぐ側面113sとを有する。図2に示す一例の陽極体113は略直方体状であり、4つの側面113sを有する。
(工程(ii))
工程(ii)は、陽極体を化成用の第1の電極に電気的に接続する工程である。工程(ii)は、例えば、複数の陽極体を所定の方向に沿って間隔をおいて並べて陽極体群とした状態で、複数の陽極体に接続された複数の陽極リードを化成用の第1の電極に接続する工程であってもよい。すなわち、工程(ii)は、例えば、複数の陽極部を所定の方向に沿って間隔をおいて並べた状態で、複数の陽極部の陽極リードを化成用の第1の電極に接続する。複数の陽極体は、一列に並べられてもよいし、マトリクス状に並べられてもよい。
第1の電極の形状は、陽極体群の配置に応じて選択される。例えば、複数の陽極体が一列に並べられている場合、第1の電極は、直線状の形状(例えば棒状や板状)を有してもよい。複数の陽極体がマトリクス状に並べられている場合、第1の電極は、複数の直線状の電極で構成されてもよいし、格子状の電極であってもよい。第1の電極と陽極リードとは、電気的に接続される。通常、陽極リードは、溶接などの方法によって第1の電極に固定される。第1の電極の材質に特に限定はなく、導電性を有する金属(例えば、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウムなど)であってもよい。第1の電極は、化成液に第2群金属M2を溶出させないように、化成液に接触させないことが望ましい。
陽極体群に含まれる陽極体の数に限定はなく、10~200の範囲(例えば40~100の範囲)にあってもよい。隣接する陽極体の間隔も特に限定はない。当該間隔は、1~20mmの範囲(例えば2~6mmの範囲)にあってもよい。通常、当該間隔は一定であるが、間隔は一定でなくてもよい。
図3に陽極体群の一例を示す。陽極体群113Gにおいて、複数の陽極体113は、所定の方向Dに沿って間隔をおいて並べられた状態で、複数の陽極体113に接続された複数の陽極リード112が化成用の第1の電極210に接続されている。図3では、複数の陽極体113が一列に並べられている。第1の電極210は、直線状に延びる細長い板状の電極である。陽極リード112は、溶接などによって第1の電極210に固定および電気的に接続される。
(工程(iii))
工程(iii)は、第1の電極に電気的に接続された陽極体を化成槽内の化成液に浸漬するとともに第2の電極を化成液に浸漬した状態で、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することによって陽極体の表面の少なくとも一部を酸化して誘電体層を形成する工程を含む。工程(iii)は、例えば、陽極リードを介して第1の電極に接続された複数の陽極体を化成液に浸漬した状態で、第1の電極と第2の電極との間に直流電圧を印加することによって陽極体の表面の少なくとも一部を酸化して誘電体層を形成する工程であってもよい。工程(iii)において、第2の電極は、例えば、化成液に接触するとともに陽極体群に沿うように配置される。
工程(iii)では、陽極体の表面が酸化されて誘電体層に変化する。例えば、陽極体がTa(タンタル)からなる場合には、陽極体の表面に酸化タンタル層が形成される。化成液に特に限定はなく、電解コンデンサの陽極体の化成処理に用いられている公知の化成液を用いてもよい。例えば、化成液には、酸性水溶液、中性水溶液、塩基性水溶液のいずれを用いてもよい。酸性水溶液の例には、リン酸水溶液、硝酸水溶液、酢酸水溶液、硫酸水溶液などが含まれる。化成液の他の例には、酒石酸塩の水溶液、シュウ酸塩の水溶液、四ホウ酸塩の水溶液などが含まれる。
ただし、化成液に含まれる第2群金属M2の質量基準の濃度は、0.03ppm以下、更には0.01ppm以下に制御される。化成液に含まれる第2群金属M2の質量基準の濃度を0.03ppm以下に制御する結果として、誘電体層は、高純度の第1群金属の酸化物で構成され得る。すなわち、比X=OM2/OM1を100ppm以下に制限することができる。
化成液に含まれる第2群金属M2の質量基準の濃度を算出する際、第2群金属M2として、Fe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種を考慮すればよい。この場合、化成液に含まれるFe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiの合計の質量基準の濃度が0.03ppm以下、更には0.01ppm以下に制御される。第2群金属M2は、Fe、CrおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。この場合、化成液に含まれるFe、CrおよびNiの合計の質量基準の濃度が0.03ppm以下、更には0.01ppm以下に制御される。第2群金属M2は、Feのみであってもよい。この場合、化成液に含まれるFeの質量基準の濃度が0.03ppm以下、更には0.01ppm以下に制御される。
第2の電極は、化成液に接触するように配置される。例えば、第2の電極を化成液に浸漬してもよい。化成液に第2群金属M2を溶出させないように、第2の電極の材料には、化成時に安定な金属を用いることが好ましい。第2の電極の材料は、例えば、第1群金属でもよく、Ta、Nb、Ti、Al、Zr、Pt、Au、Ni、カーボンおよびITO(酸化インジウムスズ)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。第2の電極は、板状であってもよいし、メッシュ状であってもよい。
同様の観点から、化成液と接触する部分を構成する材料は、第2群金属が化成液にできるだけ溶出しないように選択される。そのような材料は、例えば、第1群金属であってもよく、Ta、Nb、Ti、Al、Zr、Zr、Ni、カーボンおよび非金属材料からなる群より選択される少なくとも1種であることが望ましい。非金属材料は、樹脂、ガラスなどであってもよい。化成槽の少なくとも一部を第2の電極として用いてもよい。
第2の電極は、例えば、陽極体の第1の端面(それから陽極リードが突き出している端面)とは反対側の第2の端面、および、第1の端面と第2の端面とを結ぶ側面から選択される少なくとも一方の面に対向するように配置されている。例えば、第2の電極は、陽極体の第2の端面のみに対向するように配置されてもよいし、陽極体の側面のみに対向するように配置されてもよいし、陽極体の第2の端面および側面の両方に対向するように配置されてもよい。第2の電極が陽極体の側面に対向するように配置される場合、並んでいる陽極体群の一方の側面のみに対向するように、第2の電極が配置されてもよい。あるいは、陽極体群を挟むように2つの第2の電極が配置されてもよい。第1の電極と対になる電極(対極)が2つ以上の電極で構成される場合、そのうちの少なくとも1つの電極は、上記の特徴を有する第2の電極である。
図4に、化成槽、第1の電極および第2の電極を含む装置の一例を示す。図4では、電源の図示を省略する。複数の陽極体113は、陽極リード112を介して第1の電極210に接続され、陽極体群113Gとして、化成槽201内の化成液202に浸漬される。第2の電極220は、化成液202に浸漬され、陽極体113の第2の端面113e2に対向するように配置されている。第2の電極220は、陽極体群113Gに沿うように配置されている。この状態で、第1の電極210と第2の電極220との間に直流電圧を印加する。これによって陽極体113の表面の少なくとも一部を酸化して誘電体層114を形成する。このとき、陽極リード112の一部の表面も酸化されてもよい。
工程(i)~工程(iii)を含む工程によって、表面に誘電体層が形成された陽極部が得られる。そのため、1つの観点では、本開示は、表面に誘電体層が形成された陽極部の製造方法を提供する。当該製造方法は、上述した工程(i)~(iii)を含む。
工程(i)~(iii)の後は、電解コンデンサに必要な部分を形成する工程を実施することによって電解コンデンサが得られる。それらの工程に限定はなく、公知の方法を適用してもよい。
陽極体が第1群金属の粉体の焼結体である電解コンデンサの一例の製造方法では、誘電体層の少なくとも一部を覆うように固体電解質層を形成し、固体電解質層上に陰極引出層を形成する。このようにしてコンデンサ素子が作製される。次に、陽極リードに陽極リード端子を接続し、陰極引出層に陰極リード端子を接続する。そして、コンデンサ素子、陽極リード端子の一部、および陰極リード端子の一部を覆うように外装体を形成する。このようにして、電解コンデンサが得られる。
陽極体が、金属箔の巻回体である電解コンデンサの一例の製造方法では、工程(i)において、陽極体(金属箔)とセパレータと陰極箔とを巻回した巻回体を準備する。巻回体は陽極部を含む。当該陽極部は、陽極体(金属箔)と、陽極体の第1の端面(巻回された陽極体の第1の端面)から突き出した陽極リードとを含む。通常、陽極体(金属箔)の表面には誘電体層が形成されているが、陽極体の端面の少なくとも一部には誘電体層が形成されていない。そのため、誘電体層が形成されていない部分に、上記工程(ii)および工程(iii)によって誘電体層を形成する。誘電体層を形成した後は、巻回体の内部に固体電解質層を形成することによってコンデンサ素子を作製する。作製されたコンデンサ素子をケース内に封入することによって、巻回式の電解コンデンサが得られる。固体電解質層の構成要素および形成方法に特に限定はなく、公知の構成要素および形成方法を用いてもよい。
以下の実施例によって、本開示についてさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
《実施例1》
(i)コンデンサ素子の作製
(i-i)陽極体を準備する工程
弁作用金属としてTa粉体を用いた。Taからなるワイヤ状の陽極リードの一端がTa粉体に埋め込まれるように、Ta粉体を直方体に成形し、その後、成形体を真空中で焼結した。これにより、Taの多孔質焼結体と、多孔質焼結体に一部が埋設され、残りの部分が陽極体の端面から突き出している陽極リードと、を含む陽極部を得た。
(i-ii)陽極体を第1の電極に接続する工程
作製した陽極部を106個、一定の間隔をおいて一列に並べ、陽極リードを細長い板状の第1の電極に溶接した。
(i-iii)誘電体層を形成する工程
陽極リードが第1の電極に溶接された陽極部および陽極リードの一部を、全体がガラス製の化成槽内の化成液に浸漬し、Ta製の第2の電極を化成液に浸漬した状態で、第1の電極と第2の電極との間に直流電圧を印加することによって陽極体の表面を酸化して誘電体層を形成した。化成液には、硝酸の0.06質量%水溶液を用いた。化成液の温度は60℃であった。直流電圧は15Vとし、10時間印加した。このようにして、陽極体の表面および陽極リードの一部の表面に、誘電体層として、酸化タンタル(Ta25)の均一な化成被膜(厚み約30nm)を形成した。
(i-iv)固体電解質層の形成
ポリピロールを含む分散液を、誘電体層が形成された陽極体に5分間含浸させた後、150℃で30分間乾燥し、誘電体層上に固体電解質層を形成した。
(i-v)カーボン層の形成
固体電解質層に、カーボン粒子を水に分散した分散液(カーボンペースト)を塗布した後、200℃で加熱することにより、固体電解質層の表面にカーボン層を形成した。
(i-vi)金属ペースト層の形成
カーボン層の表面に、銀粒子とバインダ樹脂と溶媒とを含む銀ペーストを塗布した。その後、200℃で加熱して銀ペースト層を形成し、コンデンサ素子を得た。
(ii)電解コンデンサの作製
銀ペースト層に更に導電性接着材を塗布し、陰極リード端子と銀ペースト層とを接合した。陽極リードと陽極リード端子とを抵抗溶接により接合した。次いで、各リード端子が接合されたコンデンサ素子を金型に収容し、トランスファー成型法により外装体の材料(熱硬化性樹脂組成物)で封止し、電解コンデンサA1を作製した。
《実施例2~4》
化成液に、表1に示すFe濃度(質量基準のppm)となるように硝酸鉄を溶解させたこと以外、実施例1と同様に、実施例2~4の電解コンデンサA2~A4を作製した。
[評価]
<漏れ電流(LC)測定>
作製された電解コンデンサA1~A4について、6.3Vの電圧を印加し、40秒後のLCを測定した。Fe濃度が0.05ppmの化成液を用いた電解コンデンサA4のLCを基準値(100%)として、LCの相対値を表1に示す。
<比X=Fe/Ta>
既述の方法で、誘電体層に含まれるTaおよびFeの含有率、および、陽極体に含まれるTaおよびFeの含有率を測定し、比X、比Yを算出した。結果を表1に示す。
Figure 2022152802000002
本開示は、電解コンデンサおよびその製造方法に利用できる。
100 :電解コンデンサ
110 :コンデンサ素子
111 :陽極部
112 :陽極リード
113 :陽極体
113e1 :第1の端面
113e2 :第2の端面
113G :陽極体群
113s :側面
114 :誘電体層
115 :陰極部
116 :固体電解質層
117 :陰極引出層
120 :陽極リード端子
121 :陽極端子部
122 :リード接続部
130 :陰極リード端子
131 :陰極端子部
132 :接続部
141 :導電層
201 :化成槽
202 :化成液
210 :第1の電極
220 :第2の電極

Claims (7)

  1. 多孔質の陽極体と、
    前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、
    を含むコンデンサ素子を備え、
    前記陽極体は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種を含む第1群金属を含み、
    前記誘電体層は、前記第1群金属の酸化物と、Fe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種を含む第2群金属を含み、
    前記誘電体層において、前記第1群金属の総原子数に対する前記第2群金属の総原子数の比Xが、100ppm以下である、電解コンデンサ。
  2. 前記陽極体における前記第1群金属の総原子数に対する前記第2群金属の総原子数の比Yに対して、前記比Xが、1倍以上、1.2倍以下である、請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記第1群金属が、Taであり、
    前記第2群金属が、Feである、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 陽極体を準備する工程と、
    前記陽極体を化成用の第1の電極に電気的に接続する工程と、
    前記第1の電極に電気的に接続された前記陽極体を化成槽内の化成液に浸漬するとともに第2の電極を前記化成液に浸漬した状態で、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することによって前記陽極体の表面の少なくとも一部を酸化して誘電体層を形成する工程とを含み、
    前記陽極体は、Ta、Nb、Ti、AlおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種を含む第1群金属を含み、
    前記化成液に含まれるFe、Cr、Cu、Si、Mo、NaおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種を含む第2群金属の質量基準の濃度が、0.03ppm以下である、電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第2の電極の材料は、Ta、Nb、Ti、Al、Zr、Pt、Au、Ni、カーボンおよびITO(酸化インジウムスズ)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記化成槽の前記化成液と接触する部分を構成する材料は、Ta、Nb、Ti、Al、Zr、Ni、カーボンおよび非金属材料からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4または5に記載の電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記第1群金属が、Taであり、
    前記第2群金属が、Feである、請求項4~6のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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