JP2022152608A - 電磁弁及びブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一例として、プランジャの動きが妨げられることを抑制可能な電磁弁を得る。【解決手段】実施形態に係る電磁弁は、筐体と、コイルと、プランジャと、開閉部材と、弾性部材とを備える。前記筐体は、壁部を有する。前記プランジャは、前記筐体の内部に位置し、前記壁部から第1の方向に離間する。前記壁部及び前記プランジャのうち一方である第1の部材は、前記壁部及び前記プランジャのうち他方である第2の部材に向く第1の吸引面と、ロッドの周りで前記第1の吸引面から突出する突出部と、前記突出部の外側面と、を有する。前記第2の部材は、前記突出部を収容する凹部が設けられ、前記第1の吸引面に向くとともに前記凹部が開口する第2の吸引面と、前記外側面に向く前記凹部の内周面と、を有する。前記プランジャは、前記外側面と前記内周面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向と交差する方向に付勢される。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、電磁弁及びブレーキ制御装置に関する。
従来のブレーキ制御装置において、差圧制御弁のような電磁弁は、通電されたコイルにより発生した磁界によりプランジャを吸引する。磁界がプランジャを吸引することで、プランジャ及び弁体が流路を開く方向に付勢される。
プランジャと筐体とに、凸部と凹部とが設けられることがある。例えば、プランジャが磁界に吸引されると、凸部が凹部に挿入され、凸部の外周面と凹部の内周面とが向かい合う。凸部の外周面と凹部の内周面とを通過する磁束により、プランジャは、筐体の内面に押し付けられ、プランジャ及び弁体の振動を抑制する摩擦力を発生させることができる(特許文献1)。
特許第5686201号公報
しかしながら、従来の構成では、プランジャの移動量に応じて凸部の外周面と凹部の内周面とが向かい合う面積が増大し、凸部の外周面と凹部の内周面とを通過する磁束も増大する。凸部の外周面と凹部の内周面とを通過する磁束の割合が過大になると、プランジャの動きが妨げられることがある。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、プランジャの動きが妨げられることを抑制可能な電磁弁及びブレーキ制御装置を提供する。
本発明の実施形態に係る電磁弁は、一例として、筐体と、コイルと、プランジャと、開閉部材と、弾性部材と、を備える。前記筐体は、シートと、前記シートから第1の方向に離間した壁部と、を有し、前記シートに設けられた第1の流路と、前記シートと前記壁部との間に位置して前記第1の流路に連通可能な第2の流路と、前記壁部に設けられて前記第2の流路に連通する貫通孔と、が設けられる。前記コイルは、電流を流されることで磁界を発生させる。前記プランジャは、前記筐体の内部に位置し、前記壁部から前記第1の方向に離間する。前記開閉部材は、前記筐体の内部で前記シートと前記プランジャとの間に位置する弁体と、前記弁体と前記プランジャとの間に介在するとともに前記貫通孔を貫通する非磁性のロッドと、を有し、前記弁体が前記シートに接触して前記第1の流路を塞ぐ閉位置と、前記弁体が前記シートから前記第1の方向に離間して前記第2の流路に前記第1の流路を連通させる開位置と、の間で移動可能である。前記弾性部材は、前記開閉部材を前記第1の方向に付勢する。前記壁部及び前記プランジャのうち一方である第1の部材は、前記壁部及び前記プランジャのうち他方である第2の部材に向く第1の吸引面と、前記ロッドの周りで前記第1の吸引面から突出する突出部と、前記ロッドに向く前記突出部の内側面と、前記内側面の反対側に位置する前記突出部の外側面と、を有する。前記第2の部材は、少なくとも前記開閉部材が前記閉位置に位置するときに前記突出部の少なくとも一部を収容する凹部が設けられ、前記第1の吸引面に向くとともに前記凹部が開口する第2の吸引面と、前記外側面に向く前記凹部の内周面と、を有する。前記プランジャは、前記第1の吸引面と前記第2の吸引面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向の反対の第2の方向に付勢され、向かい合う前記外側面と前記内周面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する方向に付勢される。よって、一例としては、突出部を通過可能な磁束の飽和磁束量は、第1の吸引面の近傍において第1の部材を通過可能な飽和磁束量よりも少なくなる。従って、電磁弁は、磁界によるプランジャの動きが妨げられることを抑制できる。
図1は、第1の実施形態に係るブレーキ制御装置の構成を示す模式図である。 図2は、第1の実施形態の電磁弁を示す断面図である。 図3は、第1の実施形態の電磁弁の一部を示す断面図である。 図4は、で第2の実施形態に係る電磁弁を示す断面図ある。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
以下の説明において、同一符号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び値は、略同一機能を有する。各種符号の末尾に付された添字「i」乃至「l」は、当該符号を付与された要素が何れの車輪に関するものであるかを示す。具体的には、「i」は右前輪、「j」は左前輪、「k」は右後輪、「l」は左後輪を示す。なお、符号末尾の添字「i」乃至「l」は、省略され得る。添字「i」乃至「l」が省略された場合、各符号は、各車輪に係る当該要素の総称である。
各種符号の末尾に付された添字「f」及び「r」は、当該符号を付与された要素が前後輪の何れの系統に関するものであるかを示す。具体的には、「f」は前輪系統、「r」は後輪系統を示す。なお、記号末尾の添字「f」及び「r」は省略され得る。添字「f」及び「r」が省略された場合、各符号は、各制動系統に係る当該要素の総称である。
ブレーキ制御装置SCの作動が適正状態、又は一部不調状態である場合に、ブレーキ制御装置SCによって行われる制動が、制御制動と称される。ブレーキ制御装置SCの作動が完全に不調状態である場合において、運転者の操作力のみによる制動が、マニュアル制動と称される。
図1は、第1の実施形態に係るブレーキ制御装置SCの構成を示す模式図である。車両Cには、二系統の流体路が設けられ、冗長性が確保されている。流体路は、ブレーキ制御装置SCの作動液体であるブレーキ液BFを移動するための経路であり、制動配管、流体ユニットの流路、ホース、又は他の流路である。流体路の内部は、ブレーキ液BFが満たされている。なお、流体路において、リザーバRVに近い側が、上流側又は上部と称され、ホイールシリンダCWに近い側が、下流側又は下部と称される。
図1に示すように、本実施形態では、二系統の流体路のうちの第1系統は前輪系統であり、前輪ホイールシリンダCWi,CWjに接続される。また、二系統の流体路のうちの第2系統は後輪系統であり、後輪ホイールシリンダCWk,CWlに接続される。すなわち、本実施形態における二系統の流体路は、いわゆる前後型(H型とも称され得る)の流体路である。
車両Cは、駆動用の電気モータGNを備えたハイブリッド車両、又は電気自動車である。駆動用の電気モータGNは、エネルギ回生用の発電機としても機能する。例えば、駆動用モータGNは、前輪WHfに備えられる。ブレーキ制御装置SCでは、いわゆる回生協調制御、すなわち回生制動と摩擦制動との協調が実行される。ブレーキ制御装置SCを備える車両Cは、制動操作部材BP、ホイールシリンダCW、リザーバRV、及び車輪速度センサVWを有する。
制動操作部材BPは、例えばブレーキペダルである。制動操作部材BPは、運転者が車両Cを減速するために操作する部材である。制動操作部材BPが操作されることによって、車輪WHの制動トルクが調整され、車輪WHに制動力が発生される。具体的には、車両の車輪WHには、ブレーキディスクのような回転部材KTが固定される。そして、回転部材KTの両面を覆うようにブレーキキャリパが配置される。
ブレーキキャリパには、ホイールシリンダCWが設けられている。ホイールシリンダCW内のブレーキ液BFの圧力(制動液圧)Pwが増加されることによって、ブレーキパッドのような摩擦部材が、回転部材KTに押し付けられる。回転部材KTと車輪WHとは、一体的に回転するよう固定されているため、このときに生じる摩擦力によって、車輪WHに制動トルク(摩擦制動力)が発生される。
リザーバRVは、作動液体用のタンクであり、その内部にブレーキ液BFが貯蔵されている。大気圧リザーバRVの内部は、仕切り板SKによって、マスタリザーバ室Ruと調圧リザーバ室Rdとに区画されている。マスタリザーバ室Ruはマスタシリンダ室Rmに接続される。調圧リザーバ室Rdは、第1リザーバ流体路HRによって、第1調圧ユニットYCに接続されている。リザーバRV内にブレーキ液BFが満たされた状態では、ブレーキ液BFの液面は、仕切り板SKの高さよりも上にある。このため、ブレーキ液BFは、仕切り板SKを越えて、マスタリザーバ室Ruと調圧リザーバ室Rdとの間を自由に移動することができる。一方、リザーバRV内のブレーキ液BFの量が減少し、ブレーキ液BFの液面が仕切り板SKの高さよりも低くなると、マスタリザーバ室Ru及び調圧リザーバ室Rdは、互いに独立した槽となる。
各車輪WHには、車輪速度Vwを検出するよう、車輪速度センサVWが備えられる。車輪速度Vwの信号は、車輪WHのロック傾向(過大な減速スリップ)を抑制するアンチスキッド制御等の各輪独立の制動制御に利用される。
ブレーキ制御装置SCは、マスタシリンダCMに近い側の上部流体ユニットYUと、ホイールシリンダCWに近い側の下部流体ユニットYLと、を有する。上部流体ユニットYUは、操作変位センサSP、反力液圧センサPS、入力液圧センサPN、操作スイッチST、マスタユニットYM、第1調圧ユニットYC、回生協調ユニットYK、及び上部コントローラECUを有する。
制動操作部材BPの操作量として、制動操作部材BPの操作変位Spを検出するよう、操作変位センサSPが設けられる。加えて、上記操作量として、後述する反力室Ro及び入力室Rn内の液圧Ps(反力液圧)及び液圧Pn(入力液圧)を検出するよう、反力液圧センサPS及び入力液圧センサPNが設けられる。制動操作量として、反力液圧Ps、入力液圧Pn、及び制動操作変位Spが検出される。なお、後述の第1開閉弁VAが閉じられ、入力室Rnが封じ込められた場合には、入力液圧Pnは、制動操作部材BPの操作力Fpに相当する。
制動操作部材BPに、操作スイッチSTが設けられる。操作スイッチSTによって、運転者による制動操作部材BPの操作の有無が検出される。制動操作部材BPが操作されていない非制動時には、制動操作スイッチSTによって、操作信号Stとしてオフ信号が出力される。一方、制動操作部材BPが操作されている制動時には、操作信号Stとしてオン信号が出力される。
マスタユニットYMによって、マスタシリンダ室Rmを介して、前輪ホイールシリンダCWf内の液圧(前輪制動液圧)Pwfが調整される。マスタユニットYMは、マスタシリンダCM、マスタピストンPM、及びマスタ弾性体SMを有する。
マスタシリンダCMは、底部を有するシリンダ部材である。マスタピストンPMは、マスタシリンダCMの内部に挿入されたピストン部材であり、制動操作部材BPの操作に連動して移動可能である。マスタシリンダCMの内部は、マスタピストンPMによって、三つのチャンバRm,Rs,Roに区画されている。
マスタシリンダCMの第1内周部Mcには、溝部が形成され、該溝部に、二つのシールSLがはめ込まれる。二つのシールSLによって、マスタピストンPMの外周部Mpと、マスタシリンダCMの第1内周部Mcと、が封止されている。マスタピストンPMは、マスタシリンダCMの中心軸Jmに沿って、滑らかに移動可能である。
マスタシリンダ室(単にマスタ室とも称される)Rmは、マスタシリンダCMの第1内周部Mc及び第1底部Muと、マスタピストンPMの第1端部Mvと、によって区画された液圧室である。マスタ室Rmには、マスタシリンダ流体路HMが接続され、下部流体ユニットYLを介して前輪ホイールシリンダCWfに接続される。なお、本実施形態では、マスタシリンダCMには、後輪ホイールシリンダCWrのためにはマスタシリンダ室は設けられていない。該マスタシリンダCMは、シングル型と称される。
マスタピストンPMには、つば部Tmが設けられる。つば部Tmによって、マスタシリンダCMの内部は、サーボ液圧室(単にサーボ室とも称される)Rsと反力液圧室(単に反力室とも称される)Roとに仕切られている。つば部Tmの外周部にはシールSLが設けられ、つば部TmとマスタシリンダCMの第2内周部Mdとが封止されている。サーボ室Rsは、マスタシリンダCMの第2内周部Md及び第2底部Mtと、マスタピストンPMのつば部Tmの第1面Msと、によって区画された液圧室である。マスタ室Rmとサーボ室Rsとは、マスタピストンPMを挟んで、相対するように配置される。サーボ室Rsには、前輪調圧流体路HCfが接続され、調圧ユニットYCから調整液圧Pcが供給される。
反力室Roは、マスタシリンダCMの第2内周部Mdと、段付部Mzと、マスタピストンPMのつば部Tmの第2面Moと、によって区画された液圧室である。反力室Roは、中心軸Jmに沿う方向において、マスタ液圧室Rmとサーボ液圧室Rsとの間に位置する。反力室Ro内の液圧(反力液圧)Psは、制動操作部材BPの操作に応じて、ストロークシミュレータSSによって発生される。反力室Roには、反力室流体路HSが接続される。反力室Roによって、上部流体ユニットYU内のブレーキ液BFの液量が調節される。
マスタピストンPMの第1端部Mvには、窪み部Mxが設けられる。該窪み部Mxと、マスタシリンダCMの第1底部Muとの間には、圧縮バネのようなマスタ弾性体SMが設けられる。マスタ弾性体SMは、マスタシリンダCMの中心軸Jmに沿う方向に、マスタピストンPMをマスタシリンダCMの第2底部Mtに対して押し付けている。非制動時には、マスタピストンPMの段付部MyとマスタシリンダCMの第2底部Mtとが当接している。この状態でのマスタピストンPMの位置が、マスタユニットYMの初期位置と称される。
カップシールのような二つのシールSLの間で、マスタシリンダCMには貫通孔Acが設けられる。貫通孔Acは、補給流体路HUを介して、マスタリザーバ室Ruに接続される。また、マスタピストンPMの第1端部Mvの近傍には、貫通孔Apが設けられる。マスタピストンPMが初期位置にある場合、マスタ室Rmは、貫通孔Ac,Apと補給流体路HUとを介して、リザーバRVに連通される。
マスタ室Rmは、マスタシリンダ液圧(単にマスタ液圧とも称される)Pmによって、中心軸Jmに沿った後退方向Hbの付勢力である後退力Fbを、マスタピストンPMに対して付与する。サーボ室Rsは、その内圧である調整液圧Pcによって、後退力Fbに対向する付勢力である前進力Faを、マスタピストンPMに付与する。つまり、マスタピストンPMにおいて、サーボ室Rs内の液圧Pv(=Pc)による前進力Faとマスタ室Rm内のマスタ液圧Pmによる後退力Fbとは、マスタシリンダCMの中心軸線Jmに沿う方向で互いに対抗し、静的には均衡している。
第1調圧ユニットYCによって、マスタ室Rm内の液圧Pm、及び、後輪ホイールシリンダCWr内の液圧(後輪制動液圧)Pwrが調整される。第1調圧ユニットYCは、第1電動ポンプDC、逆止弁GC、第1調圧弁UC、及び調整液圧センサPCを備えている。第1電動ポンプDCは、ポンプの一例である。第1調圧ユニットYCでは、第1電動ポンプDCが吐出するブレーキ液BFが、第1調圧弁UCによって調整液圧Pcに調節される。調整液圧Pcは、マスタユニットYM及び後輪ホイールシリンダCWrに付与される。
還流用の第1電動ポンプDCは、第1電気モータMCと第1流体ポンプQCとを有する。第1電動ポンプDCでは、第1電気モータMCと第1流体ポンプQCとが一体となって回転するよう、電気モータMCと流体ポンプQCとが固定されている。還流電動ポンプDCは、制御制動時に、ホイールシリンダCWの液圧(制動液圧)Pwを調整するための動力源である。第1電気モータMCは、駆動信号Mcに基づいて、上部コントローラECUによって制御される。
例えば、第1電気モータMCとして、三相ブラシレスモータが採用される。ブラシレスモータMCには、そのロータ回転角Kaを検出する回転角センサKAが設けられる。モータ回転角Kaに基づいて、ブリッジ回路のスイッチング素子が制御され、電気モータMCが駆動される。つまり、三つの各相(U相、V相、W相)のコイルの通電量の方向が、順次切り替えられ、ブラシレスモータMCが回転駆動される。なお、第1電気モータMCは、ブラシ付きモータであっても良い。
第1流体ポンプQCの吸込口Qsには、第1リザーバ流体路HRが接続されている。また、流体ポンプQCの吐出口Qtには、調圧流体路HCが接続されている。電動ポンプDCの駆動によって、ブレーキ液BFが、第1リザーバ流体路HRから、吸込口Qsを通して吸入され、吐出口Qtから調圧流体路HCに排出される。例えば、第1流体ポンプQCとしてギヤポンプが採用される。
調圧流体路HCには、逆止弁GC(チェック弁とも称される)が介装される。例えば、第1流体ポンプQCの吐出部Qtの近くに、逆止弁GCが設けられる。逆止弁GCによって、ブレーキ液BFは、第1リザーバ流体路HRから調圧流体路HCに向けては移動可能であるが、調圧流体路HCから第1リザーバ流体路HRに向けての逆流が阻止される。つまり、第1電動ポンプDCは、一方向に限って回転される。
第1調圧弁UCは、調圧流体路HC及び第1リザーバ流体路HRに接続される。第1調圧弁UCは、通電状態(例えば、供給電流)に基づいて開弁量(リフト量)が連続的に制御されるリニア型の電磁弁である。第1調圧弁UCは、比例弁又は差圧弁とも称される。第1調圧弁UCは、駆動信号Ucに基づいて、上部コントローラECUによって制御される。第1調圧弁UCとして、常開型の電磁弁が採用される。第1調圧弁UCは、電磁弁の一例である。
ブレーキ液BFは、第1リザーバ流体路HRから、第1流体ポンプQCの吸込口Qsを通して汲み上げられ、吐出口Qtから排出される。そして、ブレーキ液BFは、逆止弁GCと第1調圧弁UCとを通り、第1リザーバ流体路HRに戻される。換言すれば、第1リザーバ流体路HRと調圧流体路HCとによって、ブレーキ液BFの流れが再び元の流れに戻る還流路が形成され、この還流路に、逆止弁GCと第1調圧弁UCとが介装される。
第1電動ポンプDCが作動している場合には、ブレーキ液BFは、破線矢印(A)で示すように、「HR→QC(Qs→Qt)→GC→UC→HR」の順で還流している。第1調圧弁UCが全開状態にある非通電時には、調圧流体路HC内の液圧(調整液圧)Pcは低く、略大気圧である。第1調圧弁UCへの通電量が増加され、調圧弁UCによって還流路が絞られると、調整液圧Pcは増加される。該調圧方式は、還流型と称される。第1調圧ユニットYCでは、調整液圧Pcを検出するよう、調圧流体路HCに調整液圧センサPCが設けられる。
調圧流体路HCは、部位Bnにて、前輪調圧流体路HCfと後輪調圧流体路HCrとに分岐される。前輪調圧流体路HCfは、サーボ室Rsに接続され、サーボ室Rsに調整液圧Pcが供給される。また、後輪調圧流体路HCrは、下部流体ユニットYLに接続され、後輪ホイールシリンダCWr(CWk、CWl)に接続される。従って、調整液圧Pcは、後輪ホイールシリンダCWrに導入される。後輪ホイールシリンダCWrの液圧Pwrは、マスタシリンダCMを介さず、直接、調圧ユニットYCによって制御される。後輪用のマスタシリンダ室が省略されるため、マスタシリンダCMの中心軸Jm方向の寸法が短縮化され得る。
回生協調ユニットYKによって、摩擦制動と回生制動との協調制御が達成される。つまり、回生協調ユニットYKによって、制動操作部材BPは操作されているが、制動液圧Pwが発生しない状態が生み出される。回生協調ユニットYKは、入力シリンダCN、入力ピストンPK、入力弾性体SN、第1開閉弁VA、ストロークシミュレータSS、第2開閉弁VB、反力液圧センサPS、及び入力液圧センサPNにて構成される。
入力シリンダCNは、マスタシリンダCMに固定された、底部を有するシリンダ部材である。入力ピストンPKは、入力シリンダCNの内部(入力室Rn)に挿入されたピストン部材である。入力ピストンPKは、制動操作部材BPに連動するよう、クレビス(U字リンク)を介して、制動操作部材BPに機械的に接続されている。入力ピストンPKには、つば部Tnが設けられる。入力シリンダCNのマスタシリンダCMへの取付面と、入力ピストンPKのつば部Tnとの間には、圧縮バネのような入力弾性体SNが設けられる。入力弾性体SNは、中心軸Jmに沿う方向に、入力ピストンPKのつば部Tnを入力シリンダCNの底部に対して押し付けている。
非制動時には、マスタピストンPMの段付部MyがマスタシリンダCMの第2底部Mtに当接し、入力ピストンPKのつば部Tnが入力シリンダCNの底部に当接している。非制動時には、入力シリンダCNの内部にて、マスタピストンPMの端面Mqと入力ピストンPKの端面Rvとの隙間Ksは、所定距離ks(初期隙間とも称される)に設定されている。即ち、各ピストンPM,PKが最も後退方向Hbの位置(初期位置)にある非制動時に、マスタピストンPMと入力ピストンPKとは、所定距離ksだけ離れている。ここで、所定距離ksは、回生量Rgの最大値に対応している。回生協調制御が実行される場合には、隙間(離間変位とも称される)Ksは、調整液圧Pcによって制御される。
入力シリンダCNの入力室Rnは、反力室流体路HSを介して、反力室Roに接続される。反力室流体路HSには、第1開閉弁VAが設けられる。第1開閉弁VAは、開位置(連通状態)と閉位置(遮断状態)とを有する二位置の電磁弁(オン・オフ弁とも称される)である。第1開閉弁VAは、駆動信号Vaに基づいて、上部コントローラECUによって制御される。第1開閉弁VAとして常閉型の電磁弁が採用される。
ストロークシミュレータ(単にシミュレータとも称される)SSが、反力室流体路HSに設けられる。シミュレータSSによって、回生協調制御が実行された場合に、制動操作部材BPの操作に応じた反力液圧Psが生じ、制動操作部材BPの操作力Fpが発生される。シミュレータSSの内部には、ピストンと、圧縮バネのような弾性体と、が備えられる。入力シリンダCNからブレーキ液BFがシミュレータSSに移動され、流入するブレーキ液BFによりピストンが押される。ピストンには、弾性体によってブレーキ液BFの流入を阻止する方向に力が加えられる。弾性体によって、制動操作部材BPが操作される場合の操作力Fpが形成される。
反力室Roは、第2リザーバ流体路HTを介して、リザーバRVの調圧リザーバ室Rdに接続される。第2リザーバ流体路HTには、第2開閉弁VBが設けられる。第2開閉弁VBは、開位置(連通状態)と閉位置(遮断状態)とを有する二位置の電磁弁(オン・オフ弁)である。第2開閉弁VBは、駆動信号Vbに基づいて、上部コントローラECUによって制御される。第2開閉弁VBとして常開型の電磁弁が採用される。なお、図1の例では、反力室流体路HSと第2リザーバ流体路HTとは、反力室Roから第1開閉弁VAと第2開閉弁VBとの間の部位Bvまで重なっているが、重なり部分は無くても良い。
第2リザーバ流体路HTは、その一部を第1リザーバ流体路HRと共用することができる。しかし、第1リザーバ流体路HRと第2リザーバ流体路HTとは、別々にリザーバRVに接続されても良い。第1流体ポンプQCは、第1リザーバ流体路HRを介して、リザーバRVからブレーキ液BFを吸引するが、このとき、第1リザーバ流体路HRには、気泡の混入が生じ得る。このため、第2リザーバ流体路HTは、第1リザーバ流体路HRとは別個に、リザーバRVに接続されることで、入力シリンダCN等に気泡が混入することを回避できる。
マスタユニットYMの反力室Ro内の液圧(反力液圧)Psを検出するよう、反力液圧センサPSが設けられる。反力液圧センサPSは、反力室Roと第2開閉弁VBとの間の反力室流体路HSに配置され得る。また、入力シリンダCNの入力室Rn内の液圧(入力液圧)Pnを検出するよう、入力液圧センサPNが設けられる。入力液圧センサPNは、入力室Rnと第1開閉弁VAとの間の第2リザーバ流体路HTに配置され得る。検出された液圧Ps,Pnは、上部コントローラECUに入力される。なお、第1開閉弁VAが開位置にされる場合には、反力液圧センサPSの検出値Psと、入力液圧センサPNの検出値Pnとは一致している。
上部コントローラ(電子制御ユニットとも称される)ECUは、マイクロプロセッサMP等が実装された電気回路基板と、マイクロプロセッサMPにプログラムされた制御アルゴリズムにて構成されている。上部コントローラECUには、制動操作変位Sp、制動操作信号St、反力液圧Ps、入力液圧Pn、調整液圧Pc、及び回転角Kaが入力される。上部コントローラECUは、これらの信号に基づいて、電気モータMCと、三種類の電磁弁VA,VB,UCを制御する。
具体的には、上部コントローラECUは、マイクロプロセッサMP内の制御アルゴリズムに基づいて、各種電磁弁VA,VB,UCを制御するための駆動信号Va,Vb,Ucを演算する。同様に、上部コントローラECUは、電気モータMCを制御するための駆動信号Mcを演算する。そして、駆動信号Va,Vb,Uc,Mcに基づいて、電磁弁VA,VB,UC、及び電気モータMCが駆動される。
上部コントローラECUは、車載の通信バスBSを介して、下部コントローラECL及び他システムのコントローラとネットワーク接続されている。回生協調制御を実行するよう、上部コントローラECUから駆動用コントローラECDに回生量Rg(目標値)が、通信バスBSを通して送信される。回生量Rgは、駆動用モータGNによって発生される回生制動の大きさを表す状態量(目標値)である。回生量の目標値Rgに基づいて、駆動用コントローラECDによって回生用ジェネレータGNが制御され、回生制動が行われる。各コントローラECU,ECL,ECDには、車載の発電機AL及び蓄電池BTから電力が供給される。
上部コントローラECUには、電磁弁VA,VB,UC、及び電気モータMCを駆動するよう、駆動回路DRが備えられる。駆動回路DRには、電気モータMCを駆動するよう、スイッチング素子(MOS-FET、IGBT等のパワー半導体デバイス)によってブリッジ回路が形成される。モータ駆動信号Mcに基づいて、各スイッチング素子の通電状態が制御され、電気モータMCの出力が制御される。また、駆動回路DRでは、電磁弁VA,VB,UCを駆動するよう、駆動信号Va,Vb,Ucに基づいて、それらの通電状態(励磁状態)が制御される。なお、駆動回路DRには、電気モータMC、及び電磁弁VA,VB,UCの実際の通電量を検出する通電量センサが設けられる。例えば、通電量センサとして、電流センサが設けられ、電気モータMC、及び電磁弁VA,VB,UCへの供給電流が検出される。
例えば制動操作部材BPの操作が行われていない非制動時には、電気モータMC、及び電磁弁VA,VB,UCへの通電は行われない。このため、電気モータMCは停止され、第1開閉弁VAは閉位置、第2開閉弁VBは開位置、第1調圧弁UCは開位置に設定されている。
ブレーキ制御装置SCが適正作動する場合の制御制動時には、第1及び第2開閉弁VA,VBに通電が行われ、第1開閉弁VAが開位置に、第2開閉弁VBが閉位置にされる。第1開閉弁VAが開位置に設定されることで、入力室Rnと反力室Roとが接続されるとともに、シミュレータSSが入力室Rnに接続される。また、第2開閉弁VBが閉位置に設定されることで、シミュレータSSとリザーバRVとの接続が遮断される。
制動操作部材BPが操作されると、入力ピストンPKが前進方向Haに移動される。この移動によって入力室Rnから流出する液量が、シミュレータSSに流入し、反力室Ro及び入力室Rn内に、反力液圧Psが発生され、制動操作力Fpが形成される。
制動操作部材BPの操作に応じて、第1調圧ユニットYCによって調整液圧Pcが上昇される。調整液圧Pcは、前輪調圧流体路HCfを介して、サーボ室Rs内に供給される。調整液圧Pcによって、前進力Faが、マスタピストンPMに加えられる。前進力Faが、マスタ弾性体SMの取付荷重(セット荷重)よりも大きくなると、マスタピストンPMは、中心軸Jmに沿って移動される。この前進移動によって、貫通孔ApがシールSLを通過すると、マスタ室Rmは、リザーバRVのマスタリザーバ室Ruから遮断され、マスタ室Rmが液密状態にされる。更に、調整液圧Pcが増加されると、ブレーキ液BFは、マスタ室Rmから前輪ホイールシリンダCWf(CWi,CWj)に向けて、マスタ液圧Pmにて圧送される。マスタピストンPMには、マスタ液圧Pm(=Pwf)によって、後退力Fbが作用している。サーボ室Rsは、後退力Fbに対抗するよう、サーボ液圧Pv(=Pc)によって、前進力Faを発生する。このため、調整液圧Pcの増減に応じて、マスタ液圧Pmが増減される。
調整液圧Pcは、マスタシリンダCMを介さずに、後輪調圧流体路HCrを通して、後輪ホイールシリンダCWr(CWk,CWl)に付与される。後輪ホイールシリンダCWrの制動液圧Pwrは、調整液圧Pcによって、直接、増減される。
制動操作部材BPが戻されると、調圧ユニットYCによって調整液圧Pcが減少される。そして、サーボ液圧Pv(=Pc)が、マスタ室液圧Pm(=Pwf)よりも小さくなり、マスタピストンPMは後退方向Hbに移動される。制動操作部材BPが非操作状態にされると、圧縮ばねSMの弾性力によって、マスタピストンPMは、段付部MyがマスタシリンダCMの第2底部Mtに接触する初期位置にまで戻される。
マスタピストンPMの移動に伴う体積変化が吸収されるよう、マスタピストンPMの端部Mqの断面積amと、つば部Tmの第2面Moの面積aoとが等しく設定される。回生協調制御が実行される場合、第1開閉弁VAは開位置であり、第2開閉弁VBは閉位置であるため、入力室Rnと反力室Roとは、第2リザーバ流体路HT、及び、反力室流体路HSによって接続されている。マスタピストンPMが前進方向Haに移動されると、該移動分だけ入力室Rn内の体積が増加されるが、am=aoであるため、体積増加分のブレーキ液BFは、全て反力室Roから入力室Rnに移動される。換言すれば、マスタピストンPMの移動に伴う液量の収支には過不足がない。従って、シミュレータSSへ流入する又はシミュレータSSからの流出するブレーキ液BFの量(体積)は、入力ピストンPKの移動のみに因る。
ブレーキ制御装置SCが完全に停止されたマニュアル制動時には、第1及び第2開閉弁VA,VBには通電が行われず、第1開閉弁VAが閉位置に、第2開閉弁VBが開位置にされる。第1開閉弁VAが閉位置に設定されることで、入力室Rnは流体ロックの状態(密封状態)にされ、入力ピストンPKとマスタピストンPMとが、相対移動できないように設定される。また、第2開閉弁VBが開位置に設定されることで、反力室Roは、第2リザーバ流体路HTを通して、リザーバRVに流体的に接続される。このため、マスタピストンPMの前進方向Haの移動によって、反力室Roの容積は減少されるが、容積減少に伴う液量は、リザーバRVに向けて排出される。制動操作部材BPの操作に連動して、入力ピストンPKとマスタピストンPMとが一体となって移動され、マスタ室Rmからブレーキ液BFが圧送される。
下部流体ユニットYLは、下部コントローラECLによって制御される。下部コントローラECLは、上部コントローラECUと信号、演算値を共有するよう、通信バスBSを介して接続される。下部コントローラECLには、各種センサの検出信号として、車輪速度Vw、ヨーレイトYr、操舵角Sa、前後加速度Gx、横加速度Gy、上部液圧Pq、下部液圧Pp、入力液圧Pn、及び操作変位Spが入力される。コントローラECLでは、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。
例えば、下部流体ユニットYLでは、車輪速度Vwに基づいて、車輪WHの過度の減速スリップ(例えば、車輪ロック)を抑制するよう、アンチスキッド制御が実行される。アンチスキッド制御では、先ず、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。車輪速度Vw及び車体速度Vxに基づいて、例えば、車輪速度Vxと車体速度Vwとの差である各車輪WHの減速スリップSwが演算される。そして、車輪スリップSwが過大になり、閾値sxを超過すると、後述の電磁弁VI,VOによって、制動液圧Pwが減少される。また、車輪スリップSwが閾値sy未満となり、車輪WHのグリップが回復すると、電磁弁VI,VOによって、制動液圧Pwが増加される。
また、下部流体ユニットYLでは、実際のヨーレイトYrに基づいて、過度のオーバステア挙動及びアンダステア挙動のような車両Cの不安定挙動を抑制する車両安定化制御(いわゆる、ESC)が行われる。車両安定化制御では、先ず、車体速度Vx及び操舵角Saに基づいて、目標ヨーレイトYtが演算される。目標ヨーレイトYtと実際のヨーレイトYr(検出値)との偏差hYが演算される。そして、ヨーレイト偏差hYに基づいて、過大なオーバステア挙動及び過大なアンダステア挙動が判定される。該判定結果に基づいて、各輪の制動液圧Pwが独立に制御されて、車両が減速されるとともに、車両を安定化するヨーモーメントが形成される。以上で説明したように、下部流体ユニットYLでは、上記信号に基づいて、各輪独立の制動制御が実行される。
加えて、下部流体ユニットYLでは、例えば、ブレーキ制御装置SCの一部である回生協調ユニットYK、第1開閉弁VA、及び第2開閉弁VBのうちの少なくとも一つが不調である場合に、第1調圧ユニットYCの第1液圧Pcに代わって制御制動を継続するよう、第2液圧Ppが発生される。つまり、下部流体ユニットYLによって、ブレーキ制御装置SCの冗長性が確保されている。
上部流体ユニットYUと下部流体ユニットYLとは、マスタシリンダ流体路HM及び後輪調圧流体路HCrを介して接続される。下部流体ユニットYLは、第2電動ポンプDLと、前輪及び後輪低圧リザーバRLf,RLrと、前輪及び後輪チャージ弁UPf,UPrと、前輪及び後輪上部液圧センサPQf,PQrと、前輪及び後輪下部液圧センサPPf,PPrと、インレット弁VIと、アウトレット弁VOとを有する。
第2電動ポンプDLは、一つの第2電気モータMLと二つの第2流体ポンプQLf,QLrを有する。第2電気モータMLは、下部コントローラECLによって、駆動信号Mlに基づいて制御される。電気モータMLによって、前輪用と後輪用の二つの第2流体ポンプQLf,QLrが一体となって回転され、駆動される。そして、第2電動ポンプDLの前輪及び後輪第2流体ポンプQLf,QLrによって、前輪及び後輪チャージ弁(チャージオーバ弁とも称される)UPf,UPrの上流部Bof,Borからブレーキ液BFが汲み上げられ、チャージ弁UPf,UPrの下流部Bpf,Bprに吐出される。前輪及び後輪流体ポンプQLf,QLrの吸込み側には、前輪及び後輪低圧リザーバRLf,RLrが設けられる。
第1調圧弁UCと同様に、第2調圧弁UP(チャージ弁UPf,UPr)は、通電状態によって開弁量が連続的に制御される常開型のリニア調圧弁である。第2調圧弁UPは、下部コントローラECLによって、駆動信号Up(Upf,Upr)に基づいて制御される。
前輪第2流体ポンプQLfが駆動されると、ブレーキ液BFは、「Bof→RLf→QLf→Bpf→UPf→Bof」の順で還流する。マスタシリンダ流体路HMに設けられた前輪チャージ弁UPfによって、前輪チャージ弁UPfの下流部の液圧(「下部液圧」と称される)Ppfが調節される。前輪第2流体ポンプQLfによって、前輪チャージ弁UPfの上流部Bofから下流部Bpfに向けて、ブレーキ液BFが移動され、前輪チャージ弁UPf(開弁部の絞り)によって、チャージ弁UPfの上流部の上部液圧Pqfと、チャージ弁UPfの下流部の下部液圧Ppfとの間の差圧(Ppf>Pqf)が調整される。
同様に、後輪第2流体ポンプQLrの駆動によって、ブレーキ液BFは「Bor→RLr→QLr→Bpr→UPr→Bor」の順で還流する。後輪調圧流体路HCrに設けられた、後輪チャージ弁UPrによって、後輪チャージ弁UPrの下流部の液圧Pprが調節される。つまり、後輪第2流体ポンプQLrによって、後輪チャージ弁UPrの上部Borから下部Bprにブレーキ液BFが移動され、後輪チャージ弁UPrによって、チャージ弁UPrの上流側の上部液圧Pqrと、チャージ弁UPrの下流側の下部液圧Pprとの間の差圧(Ppr>Pqr)が調整される。
前後輪の上部液圧Pqf,Pqrを検出するよう、前輪及び後輪上部液圧センサPQf,PQrが設けられる。また、前後輪の下部液圧Ppf,Pprを検出するよう、前輪及び後輪下部液圧センサPPf,PPrが設けられる。検出された液圧信号Pq,Ppは、下部コントローラECLに入力される。なお、四つの液圧センサPQf,PQr,PPf,PPrのうちの少なくとも一つは省略可能である。
マスタシリンダ流体路HMは、前輪チャージ弁UPfの下流側の前輪分岐部Bpfにて、各前輪ホイールシリンダ流体路HWi,HWjに分岐される。同様に、後輪調圧流体路HCrは、後輪チャージ弁UPrの下流側の後輪分岐部Bprにて、各後輪ホイールシリンダ流体路HWk,HWlに分岐される。
ホイールシリンダ流体路HWには、インレット弁VI及びアウトレット弁VOが設けられる。インレット弁VIは、常開型のオン・オフ電磁弁である。また、アウトレット弁VOは、常閉型のオン・オフ電磁弁である。電磁弁VI,VOは、下部コントローラECLによって、駆動信号Vi,Voに基づいて制御される。インレット弁VI及びアウトレット弁VOによって各輪の制動液圧Pwが独立して制御され得る。なお、インレット弁VI及びアウトレット弁VOが駆動されていない場合には、前輪制動液圧Pwf(Pwi,Pwj)は、前輪下部液圧Ppfと同じであり、後輪制動液圧Pwr(Pwk,Pwl)は、後輪下部液圧Pprと同じである。
分岐部BpとホイールシリンダCWとを結ぶホイールシリンダ流体路HWには、常開型のインレット弁VIが介装される。ホイールシリンダ流体路HWは、インレット弁VIの下流部にて、常閉型のアウトレット弁VOを介して、低圧リザーバRLに接続される。例えば、アンチスキッド制御において、ホイールシリンダCW内の液圧Pwを減少するためには、インレット弁VIが閉位置にされ、アウトレット弁VOが開位置される。ブレーキ液BFのインレット弁VIからの流入が阻止され、ホイールシリンダCW内のブレーキ液BFは、低圧リザーバRLに流出し、制動液圧Pwは減少される。また、制動液圧Pwを増加するため、インレット弁VIが開位置にされ、アウトレット弁VOが閉位置される。ブレーキ液BFの低圧リザーバRLへの流出が阻止され、チャージ弁UPを介した下部液圧Ppが、ホイールシリンダCWに導入され、制動液圧Pwが増加される。
図2は、第1の実施形態の電磁弁10を示す断面図である。電磁弁10は、本実施形態における第1調整弁UCの具体例であり、ブレーキ制御装置SCに搭載される。なお、電磁弁10は、この例に限られず、ブレーキ制御装置SCに他の電磁弁として搭載されても良いし、ブレーキ制御装置SCとは異なる装置に搭載されても良い。
電磁弁10は、筐体11と、プランジャ12と、開閉部材13と、コイル14と、弾性部材15とを有する。第1の実施形態において、プランジャ12は、第1の部材の一例である。第1調整弁UCである電磁弁10は、上述のように、常開型の電磁弁である。電磁弁10は、コイル14への通電状態に基づいて開閉部材13を動かし、開弁量を調整可能することができる。
筐体11の内部に、プランジャ12、開閉部材13、及び弾性部材15が収容される。筐体11は、ガイド21と、シート22と、スリーブ23と、フィルタ24とを有する。
ガイド21は、金属のような磁性体により作られる。ガイド21は、中心軸Axに沿って延びる略円筒形に形成される。中心軸Axは、ガイド21の略中心を通り、ガイド21の長手方向に延びている。なお、中心軸Axは、ガイド21の中心からズレていても良い。
以下、便宜上、中心軸Axに沿う方向が軸方向、中心軸Axと直交する方向が径方向、及び中心軸Axまわりに回転する方向が周方向と称される。軸方向は、ガイド21の長手方向である。
軸方向は、図2に示す第1の方向D1と第2の方向D2とを含む。第1の方向D1は、中心軸Axに沿う一方向であり、開弁方向とも称され得る。第2の方向D2は、第1の方向D1の反対方向であり、閉弁方向とも称され得る。
ガイド21は、ガイド筒31と取付筒32とを有する。第1の実施形態において、ガイド筒31は、壁部及び第2の部材の一例である。ガイド筒31と取付筒32とはそれぞれ、中心軸Axに沿って延びる略円筒状に形成される。
ガイド筒31と取付筒32とは、中心軸Axまわりに同心に配置され、一体に形成される。ガイド筒31は、第1の方向D1における取付筒32の端から、第1の方向D1に延びている。取付筒32は、第2の方向D2におけるガイド筒31の端から、第2の方向D2に延びている。
略円筒状のガイド筒31の内側に、ガイド孔35が設けられる。ガイド孔35は、貫通孔の一例である。ガイド孔35は、中心軸Axに沿って軸方向に延びる。このため、ガイド孔35の中心は、中心軸Axと略一致する。ガイド孔35の断面は、略円形に形成される。なお、ガイド孔35の少なくとも一部の断面は、多角形のような他の形状であっても良い。
ガイド筒31は、吸引面31aと、端面31bと、第1のガイド面31cと、第2のガイド面31dと、支持面31eとを有する。吸引面31aは、第2の吸引面の一例である。
本実施形態において、吸引面31aは、第1の方向D1におけるガイド筒31の端面である。吸引面31aは、略平坦に形成され、第1の方向D1に向く。吸引面31aに、ガイド孔35の一方の端部が開口する。なお、吸引面31aは、この例に限られない。
端面31bは、第2の方向D2におけるガイド筒31の端面である。このため、端面31bは、吸引面31aの反対側に位置する。端面31bは、略平坦に形成され、第2の方向D2に向く。端面31bに、ガイド孔35の他方の端部が開口する。
第1のガイド面31c及び第2のガイド面31dは、略円筒状のガイド筒31の内周面であり、中心軸Axに向く。第1のガイド面31cは、第2のガイド面31dと吸引面31aとの間に設けられる。第2のガイド面31dは、第1のガイド面31cと端面31bとの間に設けられ、端面31bに接続される。第2のガイド面31dの直径は、第1のガイド面31cの直径よりも短い。
支持面31eは、第2の方向D2における第1のガイド面31cの端と、第1の方向D1における第2のガイド面31dの端と、の間に設けられる。支持面31eは、第1の方向D1に向く略円環状の平面である。
略円筒形の取付筒32の内側に、取付孔36が設けられる。取付孔36は、中心軸Axに沿って軸方向に延びる。このため、取付孔36の中心は、中心軸Axと略一致する。取付孔36の断面は、略円形に形成される。なお、取付孔36は、この例に限られない。
取付孔36の直径は、ガイド孔35の直径よりも長い。なお、ガイド孔35の一部の直径は、取付孔36の直径より長くても良い。しかし、第2のガイド面31dの内側におけるガイド孔35の直径は、取付孔36の直径よりも短い。
ガイド筒31の端面31bは、取付孔36に面する。端面31bで開口するガイド孔35は、取付孔36に連通している。さらに、取付孔36は、第2の方向D2における取付筒32の端部32aに開口している。
取付筒32に、連通孔37がさらに設けられる。連通孔37は、取付筒32を径方向に貫通し、取付孔36に連通する。連通孔37は、例えば、ガイド筒31の端面31bの近傍に位置する。
シート22は、ガイド筒31から第2の方向D2に離間した位置で、取付孔36に嵌め込まれる。このため、ガイド筒31がシート22から第1の方向D1に離間し、シート22とガイド筒31との間に内室38が形成される。内室38は、第2の流路の一例である。内室38は、取付孔36に含まれる。このため、内室38は、ガイド孔35に連通している。連通孔37は、内室38と取付筒32の外部とを連通する。
シート22は、金属により作られ、略円筒状に形成される。略円筒状のシート22の内側に、流路41が設けられる。流路41は、第1の流路の一例である。流路41は、中心軸Axに沿って軸方向にシート22を貫通する。このため、流路41とガイド孔35とは、同心に配置される。
流路41は、第1の方向D1におけるシート22の端面22aと、第2の方向D2におけるシート22の端面22bとに開口する。端面22aは、内室38に面し、間隔を介してガイド筒31の端面31bに向く。端面22bは、端面22aの反対側に位置する。流路41は、内室38に連通可能である。
流路41に、オリフィス41aが設けられる。オリフィス41aは、流路41の他の部分よりも中心軸Axと直交する断面が小さい部分である。さらに、シート22は、端面22aからオリフィス41aに向かって先細る略円錐状の座面22cを有する。
スリーブ23は、第2の方向D2に開放されるとともに底のある略円筒状に形成される。スリーブ23は、例えば、ステンレスのような非磁性の金属により作られる。なお、スリーブ23はこの例に限られない。
スリーブ23の内部に、吸引面31aを含むガイド筒31の一部が挿入される。スリーブ23は、溶接又は他の手段により、ガイド21に固定される。これにより、スリーブ23の内部に、ガイド21のガイド孔35に連通する収容室42が設けられる。
スリーブ23は、内周面23aと、底面23bとを有する。内周面23aは、中心軸Axに沿って延びる略円筒状の面である。内周面23aは、中心軸Axに向く。例えば、内周面23aの一部は、ガイド21に溶接される。底面23bは、ガイド筒31の吸引面31aに向く略半球状の面である。なお、内周面23a及び底面23bの形状は、この例に限られない。
内周面23a、底面23b、及びガイド筒31の吸引面31aが、収容室42を形成(規定、区画)する。なお、収容室42は、この例に限られない。内周面23a、底面23b、及びガイド筒31の吸引面31aは、収容室42の内側に向く。
フィルタ24は、ガイド21に設けられた複数の連通孔37を、当該ガイド21の外側から覆う。フィルタ24は、例えば、異物を捕集し、当該異物が内室38に流入することを抑制する。
以上の筐体11の内部に、ブレーキ液BFが流れる内部流路11aが設けられる。内部流路11aは、上述の流路41と内室38とを含む。流路41は、図1の第1電動ポンプDCとホイールシリンダCWとの間の調圧流体路HCに接続される。内室38は、連通孔37及びフィルタ24を通じて、リザーバRVと第1電動ポンプDCとの間の第1リザーバ流体路HRに接続される。
図1の破線矢印(A)に沿って還流するブレーキ液BFは、調圧流体路HCから、流路41を通って、内室38に流入する。内室38のブレーキ液BFは、連通孔37を通って、第1リザーバ流体路HRへ流出する。
図2のプランジャ12は、金属のような磁性体により作られ、中心軸Axに沿って延びる略円柱状に形成される。プランジャ12は、スリーブ23の収容室42に位置する。プランジャ12は、ガイド筒31から第1の方向D1に離間している。なお、プランジャ12は、ガイド筒31に一時的に接触可能であっても良い。
プランジャ12は、端面12aと、吸引面12bと、側面12cとを有する。吸引面12bは、第1の吸引面の一例である。端面12aは、第1の方向D1におけるプランジャ12の端面である。端面12aは、スリーブ23の底面23bに向く。
吸引面12bは、端面12aの反対側に位置する。吸引面12bは、第2の方向D2におけるプランジャ12の端面である。吸引面12bは、略平坦に形成され、第2の方向D2に向く。なお、吸引面12bは、この例に限られない。
プランジャ12の吸引面12bと、ガイド筒31の吸引面31aとは、間隔を介して向かい合う。また、吸引面12bは、ガイド筒31を介してシート22の端面22aに向く。プランジャ12が第2の方向D2に移動することで、吸引面12bがガイド筒31の吸引面31aに当接可能であっても良い。
側面12cは、端面12aと吸引面12bとの間に設けられ、おおよそ中心軸Axに沿って延びる略円筒状の面である。側面12cは、スリーブ23の内周面23aに向く。側面12cの直径は、スリーブ23の内周面23aの直径よりも僅かに小さい。このため、側面12cの少なくとも一部と、内周面23aとの間に、僅かな隙間が設けられる。
スリーブ23の内周面23aは、プランジャ12の側面12cを、プランジャ12が筐体11に対して軸方向(第1の方向D1及び第2の方向D2)に移動可能となるように支持することができる。言い換えると、プランジャ12は、スリーブ23の内周面23aにより、軸方向にガイドされる。
例えば、スリーブ23の内周面23aは、側面12cの一部に当接することで、プランジャ12が径方向に移動することを制限する。さらに、内周面23aは、側面12cの他の一部からわずかに離間することで、プランジャ12が軸方向に滑らかに移動することを許容する。
プランジャ12の側面12cとスリーブ23の内周面23aとの間に僅かな隙間が設けられるため、プランジャ12は、当該隙間の範囲内で径方向に移動することができる。内周面23aは、側面12cに当接することで、プランジャ12の径方向におけるさらなる移動を防ぐ。
開閉部材13は、筐体11の内部でシート22とプランジャ12との間に位置する。開閉部材13は、シート22に対して軸方向に移動することができる。開閉部材13は、弁体51とロッド52とを有する。
弁体51は、例えば、略半球状に形成される。なお、弁体51の形状は、この例に限られない。弁体51は、内室38に位置する。このため、弁体51は、シート22とプランジャ12との間に位置する。
弁体51は、第2の方向D2におけるロッド52の端部に設けられる。弁体51は、ロッド52と一体に形成される。なお、弁体51は、ロッド52とは別の部品であっても良い。弁体51は、ロッド52と一体に軸方向に移動することができる。弁体51は、例えば、非磁性体の金属で作られる。なお、弁体51は、他の材料によって作られても良い。
ロッド52は、例えば、ステンレスのような非磁性の金属により作られる。ロッド52は、弁体51とプランジャ12との間に介在し、ガイド筒31のガイド孔35を貫通する。ロッド52は、第1の柱部55と、第2の柱部56とを有する。
第1の柱部55及び第2の柱部56は、おおよそ中心軸Axに沿って延びる略円柱状に形成される。このため、第1の柱部55及び第2の柱部56は、同心に配置される。なお、ロッド52は、第1の柱部55及び第2の柱部56の中心が中心軸Axからズレるように径方向に若干移動可能であっても良い。中心軸Axと直交する第1の柱部55の断面は、中心軸Axと直交する第2の柱部56の断面よりも大きい。
第1の柱部55は、ガイド筒31の第1のガイド面31cの内側に位置する。第1の柱部55の直径は、第1のガイド面31cの直径よりも僅かに短い。このため、第1の柱部55と第1のガイド面31cとの間には、僅かな隙間が設けられる。第1のガイド面31cは、第1の柱部55を、軸方向に移動可能に支持することができる。
第1の方向D1における第1の柱部55の端部55aは、プランジャ12に当接する。これにより、ロッド52は、プランジャ12と一体的に軸方向に移動することができる。なお、ロッド52は、プランジャ12に固定されても良い。
第2の柱部56は、第2の方向D2における第1の柱部55の端部55bから、第2の方向D2に突出する。第2の柱部56の先端は、内室38に位置し、弁体51に接続される。弁体51と第1の柱部55との間における第2の柱部56の一部は、ガイド筒31の第2のガイド面31dの内側に位置する。
第2の柱部56の直径は、第2のガイド面31dの直径よりも僅かに短い。このため、第2の柱部56と第2のガイド面31dとの間には、僅かな隙間が設けられる。第2のガイド面31dは、第2の柱部56を、軸方向に移動可能に支持することができる。
図3は、第1の実施形態の電磁弁10の一部を示す断面図である。開閉部材13は、プランジャ12と共に、図2に示す開位置Popと、図3に示す閉位置Pclと、の間で軸方向に移動することができる。開位置Popは、開閉部材13が移動可能な範囲において、第1の方向D1に最大限移動した場合の、開閉部材13の位置である。閉位置Pclは、開閉部材13が移動可能な範囲において、第2の方向D2に最大限移動した場合の、開閉部材13の位置である。なお、開位置Pop及び閉位置Pclは、この例に限られない。
閉位置Pclにおいて、弁体51は、シート22の座面22cに当接することで、流路41を塞ぐ。言い換えると、閉位置Pclにおいて、弁体51は、座面22cに当接することで、流路41と内室38との間を遮断する。
開位置Popにおいて、弁体51は、シート22の座面22cから第1の方向D1に離間することで、流路41を開放する。言い換えると、開位置Popにおいて、弁体51は、内室38に流路41を連通させる。
図2のコイル14は、例えば、中心軸Axまわりに巻かれたソレノイドである。コイル14は、スリーブ23の外側に位置し、スリーブ23を囲んでいる。コイル14は、電流を流されることで磁界を発生させる。図1の上部コントローラECUが、駆動信号Ucにより、コイル14へ流される電流を制御する。
コイル14は、例えば、樹脂のような非磁性体により作られた円筒状のスプールに収納される。さらに、磁性体により作られたヨークが、スプール及びコイル14を保持する。スプール及びヨークは、筐体11に含まれても良い。
弾性部材15は、例えば、中心軸Axまわりに巻かれたコイルスプリングである。なお、弾性部材15は、他の弾性体であっても良い。弾性部材15は、ガイド孔35に収容され、ガイド筒31の支持面31eと、第1の柱部55の端部55bとの間に位置する。
弾性部材15は、支持面31eと第1の柱部55の端部55bとに支持されるとともに、支持面31eと第1の柱部55の端部55bとの間で圧縮されている。このため、弾性部材15は、支持面31eに支持され、開閉部材13を第1の方向D1に弾性力により付勢する。
なお、弾性部材15は、支持面31eに限らず、例えばシート22の端面22aに支持されても良い。この場合、例えば、ガイド筒31の第2のガイド面31d及び支持面31eが省略される。
弾性部材15により付勢された開閉部材13が第1の方向D1に移動すると、弁体51がシート22から第1の方向D1に離間する。さらに、プランジャ12も開閉部材13と一体的に第1の方向D1に移動する。
開閉部材13がシート22から所定の位置(開位置Pop)まで離間すると、プランジャ12の端面12aが、スリーブ23の底面23bに当接する。底面23bは、開閉部材13が開位置Popに位置するとき、プランジャ12の端面12aを支持して、プランジャ12がシート22からさらに離間することを制限する。
図3に示すように、第1の実施形態において、プランジャ12は、突出部61と支持面62とさらに有する。言い換えると、突出部61は、プランジャ12に設けられる。また、別の表現によれば、プランジャ12と突出部61とは、磁気回路として連結されている。突出部61は、磁束制限部とも称され得る。突出部61は、プランジャ12の吸引面12bから、第2の方向D2に突出する。
突出部61は、中心軸Axに沿って延びる略円筒形に形成される。略円筒形の突出部61の内側に、ロッド52の第1の柱部55が配置される。このため、突出部61は、ロッド52の周りで、吸引面12bから突出している。
突出部61の形状は、円筒形に限られない。例えば、略円柱状の複数の突出部61が、ロッド52の第1の柱部55の周りに配置されても良い。この場合も、複数の突出部61が、ロッド52の周りで吸引面12bから突出することとなる。
突出部61は、内側面61aと、外側面61bと、端面61cとを有する。本実施形態の内側面61aは、略円筒形の突出部61の内周面である。内側面61aは、ロッド52の第1の柱部55に向く。また、内側面61aは、中心軸Axに向く。
内側面61aの直径は、プランジャ12の吸引面12bの外縁の直径よりも短く、ロッド52の第1の柱部55の直径よりも長い。内側面61aは、例えば、第1の柱部55から離間している。なお、内側面61aは、第1の柱部55に接触していても良い。
本実施形態の外側面61bは、略円筒形の突出部61の外周面である。このため、外側面61bは、内側面61aの反対側に位置する。外側面61bは、間隔を介してスリーブ23の内周面23aに向く。外側面61bの直径は、プランジャ12の吸引面12bの外縁の直径よりも短い。
内側面61aと外側面61bとは、プランジャ12の吸引面12bから、第2の方向D2に延びている。このため、内側面61aと外側面61bとは、中心軸Axに略平行に延びている。内側面61aと外側面61bとの間において、中心軸Axと直交する突出部61の断面積は、軸方向において略一定となる。なお、軸方向における突出部61の両端において、突出部61の断面積が小さく又は大きくなっても良い。内側面61aと外側面61bとは、この例に限られず、中心軸Axに対して斜めに傾いていても良い。
端面61cは、第2の方向D2における突出部61の端部に設けられる。端面61cは、略平坦な略円環状に形成され、第2の方向D2に向く。端面61cの面積は、プランジャ12の吸引面12bの面積よりも小さい。
中心軸Axと直交する突出部61の断面積は、吸引面12bにおけるプランジャ12の断面積よりも小さい。吸引面12bにおけるプランジャ12の断面は、プランジャ12の側面12cを外縁とする円形の断面である。一方、突出部61の断面は、直径が側面12cよりも短い外側面61bを外縁とし、内側面61aを内縁とする、略円環状の断面である。突出部61の当該断面積は、例えば、プランジャ12の断面積の半分以下である。なお、突出部61の断面積は、この例に限られない。
支持面62は、径方向において、突出部61の内側に位置する。支持面62は、略平坦な略円形の平面であり、第2の方向D2に向く。なお、支持面62の形状は、この例に限られない。支持面62は、第1の柱部55の端部55aを支持する。
本実施形態において、支持面62は、軸方向(第1の方向D1及び第2の方向D2)において、プランジャ12の吸引面12bと同一の位置にある。この場合、支持面62は、吸引面12bに含まれても良い。なお、支持面62は、軸方向において、吸引面12bから第1の方向D1に窪んでいても良い。このため、軸方向において、内側面61aの長さは、外側面61bの長さ以上である。
第1の実施形態において、ガイド筒31の吸引面31aに、凹部65が設けられる。すなわち、ガイド筒31とプランジャ12とのうち一方に突出部61が設けられ、ガイド筒31とプランジャ12とのうち他方に凹部65が設けられる。
凹部65は、吸引面31aで開口する有底の窪みである。凹部65は、中心軸Axに沿って延びる略円柱状に形成される。すなわち、凹部65は、ガイド孔35と同心に配置される。凹部65は、ガイド孔35に連通する。なお、凹部65の形状は、この例に限られない。
軸方向において、凹部65は、突出部61よりも長い。さらに、凹部65の内径は、突出部61の外側面61bの直径(外径)よりも長い。なお、凹部65の大きさは、この例に限られない。
開閉部材13及びプランジャ12が閉位置Pclに位置するとき、凹部65は、突出部61の少なくとも一部を収容する。言い換えると、開閉部材13及びプランジャ12が閉位置Pclに位置するとき、突出部61の少なくとも一部は、凹部65の内部に位置する。
開閉部材13及びプランジャ12が開位置Popに位置するとき、突出部61は、凹部65に部分的に収容されても良いし、凹部65の外に位置しても良い。開閉部材13及びプランジャ12が閉位置Pclと開位置Popとの間の範囲に位置するとき、凹部65は、突出部61の一部を収容する。
ガイド筒31は、凹部65の内周面65a及び底面65bをさらに有する。内周面65a及び底面65bは、凹部65を形成(規定、区画)する。内周面65aは、ガイド筒31の吸引面31aから第2の方向D2に延びる略円筒状の面であり、中心軸Axに向く。このため、内周面65aは、突出部61の内側面61a及び外側面61bと略平行に延びている。底面65bは、第2の方向D2における内周面65aの端と、第1のガイド面31cとの間に設けられる。底面65bは、略平坦な略円環状に形成され、第1の方向D1に向く。
凹部65の底面65bと、突出部61の端面61cとは、間隔を介して向かい合う。さらに、凹部65が突出部61の少なくとも一部を収容するとき、凹部65の内周面65aと、突出部61の外側面61bとは、隙間を介して向かい合う。
例えば、コイル14に電流が流れない非通電時において、電磁弁10(第1調整弁UC)が全開状態に設定される。全開状態の電磁弁10では、開閉部材13は、弾性部材15に付勢され、開位置Popに位置する。これにより、開閉部材13の弁体51がシート22の座面22cから離間し、電磁弁10が連通状態となる。
一方、例えば、ブレーキ制御装置SCが調整液圧Pcを調整するとき、コイル14に電流が流され、電磁弁10(第1調整弁UC)は開弁量を制御する。上部コントローラECUの駆動信号Ucに基づき電流を流されたコイル14は、磁界を発生させる。
コイル14が磁界を発生させると、当該磁界の磁束Mfvが、ガイド筒31の吸引面31aとプランジャ12の吸引面12bとを通過する。これにより、吸引面12b,31aが磁界によって引き合う。プランジャ12は、吸引面12b,31aの間に発生する吸引力により、第2の方向D2に付勢される。
磁界により付勢されたプランジャ12は、ロッド52を第2の方向D2に押し、弁体51をシート22の座面22cへ近付ける。このように、開閉部材13は、磁界に付勢されたプランジャ12によって第2の方向D2に付勢される。
流路41のブレーキ液は、コイル14の磁界により付勢された開閉部材13の弁体51を第1の方向D1に押す。ブレーキ液BFは、弁体51をシート22の座面22cから離間させ、弁体51と座面22cとの間の隙間を通って流路41から内室38に流入する。
磁界により生じる吸引力が開閉部材13をシート22に近づく第2の方向D2(閉弁方向)に付勢する一方、ブレーキ液BFと弾性部材15とにより生じる反力が開閉部材13をシート22から遠ざかる第1の方向D1(開弁方向)に付勢する。開閉部材13は、吸引力と反力とが釣り合う位置へ移動し、電磁弁10(第1調整弁UC)の開弁量を調整する。
コイル14に流される電流の電流値によって、吸引力は変化する。このため、上部コントローラECUは、駆動信号Ucによりコイル14に流す電流を調整することで、開閉部材13の位置(開弁量)を調整する。開閉部材13の位置が調整されることで、流路41から内室38に流入するブレーキ液BFの流量と、調整液圧Pcとが調整される。
以上のように、電磁弁10において、開閉部材13がシート22に対して軸方向に移動させられる。また、プランジャ12は、開閉部材13を第2の方向D2に付勢し、又は開閉部材13により第1の方向D1に付勢され、開閉部材13と一体的に移動する。
一方、吸引力によりプランジャ12が第2の方向D2に移動すると、プランジャ12の突出部61が、より深くガイド筒31の凹部65に挿入される。これにより、突出部61の外側面61bと、凹部65の内周面65aと、が対向する面積(対向面積と称する)が増大する。対向面積は、外側面61bのうち内周面65aと向かい合う部分の面積と、内周面65aのうち外側面61bと向かい合う部分の面積と、のうち少なくとも一方である。
突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとは、隙間を介して、略径方向に向かい合う。このため、磁界の一部の磁束Mfhが、突出部61の外側面61bと、凹部65の内周面65aとを通過する。これにより、外側面61bと内周面65aとが磁界によって引き合う。プランジャ12は、外側面61bと内周面65aとの間に発生する吸引力により、略径方向に付勢される。略径方向は、軸方向(第1の方向D1及び第2の方向D2)と交差する方向である。
磁束Mfhの吸引力により付勢されたプランジャ12は、筐体11に対して略径方向に移動する。これにより、プランジャ12の側面12cが、スリーブ23の内周面23aに当接する。なお、側面12cと内周面23aとの間に、例えば、側面12c又は内周面23aを覆う非磁性体の層が設けられても良い。
プランジャ12の側面12cが、スリーブ23の内周面23aに当接するとき、突出部61の外側面61bが、凹部65の内周面65aに近づく。しかし、側面12cの直径と内周面23aの直径との差は、外側面61bの直径と内周面65aの直径との差よりも小さい。このため、プランジャ12の側面12cがスリーブ23の内周面23aに当接することで、外側面61bは、内周面65aから離間したままに保たれる。
プランジャ12が略径方向に付勢されることで、プランジャ12の側面12cが、スリーブ23の内周面23aに押し付けられる。これにより、プランジャ12が軸方向に移動するとき、側面12cと内周面23aとの間で摩擦力(摺動抵抗)が発生する。
例えば、流路41から内室38に流入するブレーキ液BFの力の流量の変動により、開閉部材13を第1の方向D1に押す反力が変動することがある。当該反力の変動は、開閉部材13及びプランジャ12を軸方向に振動させる虞がある。しかし、側面12cと内周面23aとの間の摩擦力は、当該振動の発生を抑制することができる。
一般的に、外側面61bと内周面65aとの対向面積が増大すると、外側面61bと内周面65aとを通過する磁束Mfhの量も増加する。このため、側面12cと内周面23aとの間の摩擦力(摺動抵抗)も増大し、当該摩擦力が開閉部材13及びプランジャ12の軸方向の移動を妨げる虞がある。しかし、本実施形態の突出部61は、磁束Mfhの量の増大を制限することができる。
磁気飽和時に磁性体の内部を通る磁束の量(飽和磁束量と称する)は、例えば、当該磁性体の飽和磁束密度と断面積とによって得られる。本実施形態では、上述のように、中心軸Axと直交する突出部61の断面積は、吸引面12bにおけるプランジャ12の断面積よりも小さい。このため、突出部61の飽和磁束量は、吸引面12bの近傍におけるプランジャ12の飽和磁束量よりも小さくなる。
突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとを通過する磁束Mfhは、吸引面12bと突出部61との接続部分を通過する。このため、吸引面12bと突出部61との接続部分において、磁束Mfhの量は絞られ(制限され)、磁束Mfhの飽和磁束量が低減される。
以上のように、本実施形態では、突出部61が、磁束Mfhの飽和磁束量を低減する。このため、突出部61は、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとの対向面積が増大しても、磁束Mfhが、低減された所定の飽和磁束量を上回ることを制限する。言い換えると、磁束Mfhの増加は、低減された所定の飽和磁束量で頭打ちとなる。従って、外側面61bと内周面65aとの間の吸引力と、プランジャ12の側面12cとスリーブ23の内周面23aとの間の摩擦力と、の増加は、所定の値で頭打ちとなる。
また、磁束Mfv,Mfhはそれぞれ、プランジャ12を通過する磁束の一部である。このため、外側面61bと内周面65aとの対向面積が増加するとき、磁束Mfhが増加する割合が大きいと、磁束Mfvが増加する割合が小さくなる虞がある。一般的に、磁束Mfvの増加量が小さいと、コイル14に流される電流量の増加に対する、開閉部材13の移動量が小さくなってしまう。しかし、本実施形態では、磁束Mfhの増加が頭打ちとなるため、コイル14に流される電流量の増加に対して開閉部材13が十分に移動することができる。
また、一般的に、磁束Mfhは、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとの間の距離が小さくなるほど増大する。このため、例えば寸法のバラつきにより外側面61bと内周面65aとの間の距離が小さくなると、磁束Mfhが増大し、ひいてはプランジャ12の側面12cとスリーブ23の内周面23aとの間の摩擦力も増大する。しかし、本実施形態では、磁束Mfhの飽和磁束量が小さいため、外側面61bと内周面65aとの間の距離が小さくなっても、磁束Mfhの増加が頭打ちとなる。従って、プランジャ12の側面12cとスリーブ23の内周面23aとの間の摩擦力も頭打ちとなる。
例えば、C字状に延びて両端の間にギャップが存在するコイルに電流が流れる場合、当該コイルを通過する磁束量Φは、下記の(数1)式により表され得る。
Φ=NI/(l/μ+l/μ) …(数1)
上記(数1)式において、Nはコイルの巻き数、Iは電流、lは磁気ギャップ、lは磁気ギャップを除いた磁束のループ長、μは真空の透磁率、μは磁気ギャップ以外の透磁率、Aは磁気ギャップの断面積、Aは磁気ギャップ以外におけるコイルの断面積である。
一般的に、μは、μに対して十分大きい。このため、例えば、突出部61が無い場合、上記(数1)式におけるl/μは0と近似され、lが磁束量Φに大きく影響する。従って、上述のように、一般的には、磁束Mfhは、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとの間の距離が小さくなるほど増大する。
一方、上記(数1)式においてAが小さい場合、l/μは0に近似されず、磁束量Φに対するlの影響が低減される。従って、突出部61の断面積が低減されている本実施形態では、寸法のバラつきによる磁束Mfhへの影響が低減される。
ブレーキ制御装置SCにおいて、常開弁である第1調整弁UCは、駆動信号Ucの変化に対する開弁量の変化が一定にされることで、調整液圧Pcをより正確に調整することができる。しかし、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとの対向面積の変化により、プランジャ12の側面12cとスリーブ23の内周面23aとの間の摩擦力が変化すると、開弁量の変化が不安定になってしまう。
本実施形態の電磁弁10は、上述のように、対向面積の増加に対する摩擦力の増加を制限することができる。このため、駆動信号Ucの変化に対する電磁弁10の開弁量の変化は、開閉部材13が閉位置Pcl、開位置Pop、及びその間の範囲のいずれにあっても略一定に設定される。従って、ブレーキ制御装置SCにおける電磁弁10(第1調整弁UC)は、調整液圧Pcをより正確に調整することができる。
以上説明された第1の実施形態に係る電磁弁10において、プランジャ12は、吸引面12bと、突出部61と、を有する。吸引面12bは、ガイド筒31に向く。突出部61は、ロッド52の周りで吸引面12bから突出する。突出部61の内側面61aは、ロッド52に向く。突出部61の外側面61bは、内側面61aの反対側に位置する。ガイド筒31は、凹部65が設けられ、吸引面31aを有する。凹部65は、少なくとも開閉部材13が閉位置Pclに位置するとき、突出部61の少なくとも一部を収容する。吸引面31aは、吸引面12bに向く。凹部65は、吸引面31aに開口する。凹部65の内周面65aは、突出部61の外側面61bに向く。プランジャ12は、吸引面12bと吸引面31aとが磁界によって引き合うことにより、第2の方向D2に付勢される。さらに、プランジャ12は、向かい合う外側面61bと内周面65aとが磁界によって引き合うことにより、第1の方向D1及び第2の方向D2と交差する方向(径方向)に付勢される。すなわち、コイル14に電流が流されると、プランジャ12が第2の方向D2に付勢され、弁体51が閉位置Pclに近づく。これにより、突出部61がより深く凹部65に入り、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとが向かい合う面積が増大する。向かい合う外側面61bと内周面65aとを磁界の磁束Mfhが通ることで、外側面61bと内周面65aとが引き合い、付勢されたプランジャ12が例えば筐体11に接触して摩擦力を発生させる。外側面61bと内周面65aとが向かい合う面積、及び摩擦力は、弁体51が閉位置Pclに近いほど大きくなる。本実施形態では、突出部61は、吸引面12bから突出する。すなわち、突出部61の断面積は、吸引面12bにおけるプランジャ12の断面積よりも狭い。このため、突出部61を通過可能な飽和磁束量は、吸引面12bの近傍においてプランジャ12を通過可能な飽和磁束量よりも少なくなる。言い換えると、突出部61を通過可能な磁束量が制限される。従って、本実施形態の電磁弁10は、弁体51が閉位置Pclの近傍に位置しても、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとを通過する磁束Mfhが過大になることを抑制できる。すなわち、電磁弁10は、径方向に付勢されたプランジャ12と筐体11との間の摩擦力が過大になることを抑制できる。さらに、電磁弁10は、弁体51が閉位置Pclの近傍に位置しても、吸引面12bを通過する磁束Mfvが所定量よりも減ることを抑制でき、ひいては磁界によりプランジャ12を第2の方向D2に付勢する力が低下することを抑制できる。さらに、電磁弁10は、突出部61の外側面61bと凹部65の内周面65aとの間の距離の製造上のバラつきにより外側面61bと内周面65aとを通過する磁束Mfhが大きく変化することを抑制でき、ひいてはプランジャ12と筐体11との間の摩擦力が大きくバラつくことを抑制できる。以上より、電磁弁10は、磁界によるプランジャ12の動きが妨げられることを抑制できる。
プランジャ12が突出部61を有し、ガイド筒31に凹部65が設けられる。このため、ガイド筒31は、凹部65の内周面65aを含むとともにプランジャ12の突出部61を囲む部分、を有する。当該部分は、突出部61の外側に位置する。このため、当該部分及び突出部61が円筒状である場合、径が大きい当該部分の体積の方が突出部61の体積よりも大きくなりやすい。従って、突出部61が設けられたプランジャ12は、凹部が設けられる場合に比べ、軽量化されやすくなる。電磁弁10は、プランジャ12が軽量化されることで、コイル14に流される電流に対して早く応答することができる。
プランジャ12は、ロッド52を支持する支持面62をさらに有する。支持面62は、第1の方向D1において吸引面12bと同一の位置にあり、又は吸引面12bから第1の方向D1に窪む。これにより、突出部61は、当該突出部61の端面61cと吸引面12bとの間で外側面61bを通過可能な磁束Mfhの飽和磁束量を略一定に制限することができる。さらに、電磁弁10は、支持面62が第1の方向D1において吸引面12bと同一の位置にある場合、支持面62の位置の測定により、吸引面12bの位置を測定することを可能とする。
突出部61の内側面61aと外側面61bとは、吸引面12bから第2の方向D2に延びる。すなわち、内側面61aと外側面61bとは、略平行に延びている。これにより、突出部61は、当該突出部61の端面61cと吸引面12bとの間で外側面61bを通過可能な磁束Mfhの飽和磁束量を略一定に制限することができる。
流路41は、第1電動ポンプDCとホイールシリンダCWとの間の前輪調圧流体路HCに接続される。内室38は、リザーバRVと第1電動ポンプDCとの間の第1リザーバ流体路HRに接続される。電磁弁10は、コイル14への非通電時に開閉部材13を開位置Popに配置し、コイル14へ流される電流に応じて開閉部材13を開位置Popと閉位置Pclとの間で移動させる。すなわち、電磁弁10は、第1電動ポンプDCの下流から上流へ還流するブレーキ液BFの量を、コイル14に流れる電流に応じて制御することができる。これにより、ブレーキ制御装置SCは、第1電動ポンプDCの駆動によりホイールシリンダCWの圧力を調整することができる。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図4を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図4は、第2の実施形態に係る電磁弁10を示す断面図である。図4に示すように、第2の実施形態におけるガイド筒31は、凹部65が設けられる代わりに、突出部161を有する。言い換えると、突出部161は、ガイド筒31に設けられる。また、別の表現によれば、ガイド筒31と突出部161とは、磁気回路として連結されている。突出部161は、ガイド筒31の吸引面31aから、第1の方向D1に突出する。
突出部161は、中心軸Axに沿って延びる略円筒形に形成される。略円筒形の突出部161の内側に、ロッド52の第1の柱部55が配置される。このため、突出部161は、ロッド52の周りで、吸引面31aから突出している。
突出部161は、内側面161aと、外側面161bと、端面161cとを有する。内側面161aは、略円筒形の突出部161の内周面である。内側面161aは、ロッド52の第1の柱部55に向く。また、内側面161aは、中心軸Axに向く。
内側面161aの直径は、ガイド筒31の吸引面31aの外縁の直径よりも短く、ロッド52の第1の柱部55の直径よりも長い。また、内側面161aの直径は、第1のガイド面31cの直径よりも長い。内側面161aは、例えば、第1の柱部55から離間している。なお、内側面161aは、第1の柱部55に接触していても良い。
本実施形態の外側面161bは、略円筒形の突出部161の外周面である。このため、外側面161bは、内側面161aの反対側に位置する。外側面161bは、間隔を介してスリーブ23の内周面23aに向く。外側面161bの直径は、ガイド筒31の吸引面31aの外縁の直径よりも短い。
内側面161aと外側面161bとは、ガイド筒31の吸引面31aから、第1の方向D1に延びている。このため、内側面161aと外側面161bとは、中心軸Axに略平行に延びている。内側面161aと外側面161bとは、この例に限られず、中心軸Axに対して斜めに傾いていても良い。
端面161cは、第1の方向D1における突出部161の端部に設けられる。端面161cは、略平坦な略円環状に形成され、第1の方向D1に向く。端面161cの面積は、ガイド筒31の吸引面31aの面積よりも小さい。
中心軸Axと直交する突出部161の断面積は、吸引面31aにおけるガイド筒31の断面積よりも小さい。突出部161の断面積は、例えば、ガイド筒31の断面積の半分以下である。なお、突出部161の断面積は、この例に限られない。
第2の実施形態におけるプランジャ12は、突出部61を有する代わりに、凹部165が設けられる。すなわち、プランジャ12とガイド筒31とのうち一方に突出部161が設けられ、プランジャ12とガイド筒31とのうち他方に凹部165が設けられる。
凹部165は、吸引面12bで開口する有底の窪みである。凹部165は、中心軸Axに沿って延びる略円柱状に形成される。なお、凹部165の形状は、この例に限られない。
軸方向において、凹部165は、突出部161よりも長い。さらに、凹部165の内径は、突出部161の外側面161bの直径(外径)よりも長い。なお、凹部165の大きさは、この例に限られない。
開閉部材13及びガイド筒31が閉位置Pclに位置するとき、凹部165は、突出部161の少なくとも一部を収容する。開閉部材13及びガイド筒31が開位置Popに位置するとき、突出部161は、凹部165に部分的に収容されても良いし、凹部165の外に位置しても良い。
プランジャ12は、凹部165の内周面165a及び底面165bをさらに有する。内周面165a及び底面165bは、凹部165を形成(規定、区画)する。内周面165aは、プランジャ12の吸引面12bから第1の方向D1に延びる略円筒状の面であり、中心軸Axに向く。底面165bは、第1の方向D1における内周面165aの端に接続される。底面165bは、略平坦に形成され、第2の方向D2に向く。
凹部165の底面165bと、突出部161の端面161cとは、間隔を介して向かい合う。さらに、凹部165が突出部161の少なくとも一部を収容するとき、凹部165の内周面165aと、突出部161の外側面161bとは、隙間を介して向かい合う。
第2の実施形態におけるプランジャ12は、支持面62の代わりに、支持面162を有する。支持面162は、略平坦に形成され、第2の方向D2に向く。支持面162は、第1の柱部55の端部55aを支持する。
第2の実施形態において、支持面162は、軸方向において、凹部165の底面165bと同一の位置にある。この場合、支持面162は、底面165bに連続する。なお、支持面162は、軸方向において、底面165bから第1の方向D1に窪んでいても良い。また、突出部161の内側面161aと第1のガイド面31cとをつなぐ略平坦な端面が、吸引面31aと同一の位置又はこの吸引面31aよりも第2の方向D2に窪んでいても良い。
突出部161の外側面161bと凹部165の内周面165aとは、隙間を介して、略径方向に向かい合う。このため、コイル14が発生させた磁界の一部の磁束が、突出部161の外側面161bと、凹部165の内周面165aとを通過する。これにより、外側面161bと内周面165aとが磁界によって引き合う。プランジャ12は、外側面161bと内周面165aとの間に発生する吸引力により、略径方向に付勢される。
磁束の吸引力により付勢されたプランジャ12は、筐体11に対して略径方向に移動する。これにより、プランジャ12の側面12cが、スリーブ23の内周面23aに当接し、摩擦力を発生させることができる。
第2の実施形態の突出部161は、第1の実施形態の突出部61と同じく、磁束の量の増大を制限することができる。中心軸Axと直交する突出部161の断面積は、吸引面31aにおけるガイド筒31の断面積よりも小さい。このため、突出部161の飽和磁束量は、吸引面31aの近傍におけるガイド筒31の飽和磁束量よりも小さくなる。
突出部161の外側面161bと凹部165の内周面165aとを通過する磁束Mfhは、吸引面31aと突出部61との接続部分を通過する。このため、吸引面31aと突出部61との接続部分において、磁束の量は絞られ(制限され)、磁束の飽和磁束量が低減される。これにより、外側面161bと内周面165aとの間の吸引力と、プランジャ12の側面12cとスリーブ23の内周面23aとの間の摩擦力と、の増加は、所定の値で頭打ちとなる。
以上説明された第2の実施形態の電磁弁10において、ガイド筒31は、突出部161を有する。プランジャ12は、凹部165が設けられる。凹部165は、少なくとも開閉部材13が閉位置Pclに位置するとき、突出部161の少なくとも一部を収容する。凹部165の内周面165aは、突出部161の外側面161bに向く。プランジャ12は、向かい合う外側面161bと内周面165aとが磁界によって引き合うことにより、径方向に付勢される。すなわち、コイル14に電流が流されると、プランジャ12が第2の方向D2に付勢され、弁体51が閉位置Pclに近づく。これにより、突出部161がより深く凹部165に入り、突出部161の外側面161bと凹部165の内周面165aとが向かい合う面積が増大する。向かい合う外側面161bと内周面165aとを磁界の磁束が通ることで、外側面161bと内周面165aとが引き合い、付勢されたプランジャ12が例えば筐体11に接触して摩擦力を発生させる。外側面161bと内周面165aとが向かい合う面積、及び摩擦力は、弁体が閉位置Pclに近いほど大きくなる。本実施形態では、突出部161は、吸引面31aから突出する。すなわち、突出部161の断面積は、吸引面31aにおけるガイド筒31の断面積よりも狭い。このため、突出部161を通過可能な磁束の飽和磁束量は、吸引面31aの近傍においてガイド筒31を通過可能な磁束の飽和磁束量よりも少なくなる。言い換えると、突出部161を通過可能な磁束量が制限される。従って、本実施形態の電磁弁10は、弁体51が閉位置Pclの近傍に位置しても、突出部161の外側面161bと凹部165の内周面165aとを通過する磁束が過大になることを抑制できる。すなわち、電磁弁10は、第1の方向D1及び第2の方向D2と交差する方向に付勢されたプランジャ12と筐体との間の摩擦力が過大になることを抑制できる。さらに、電磁弁10は、弁体51が閉位置Pclの近傍に位置しても、吸引面31aを通過する磁束が所定量よりも減ることを抑制でき、ひいては磁界によりプランジャ12を第2の方向D2に付勢する力が低下することを抑制できる。さらに、電磁弁10は、突出部161の外側面161bと凹部165の内周面165aとの間の距離の製造上のバラつきにより外側面161bと内周面165aとを通過する磁束量が大きく変化することを抑制でき、ひいてはプランジャ12と筐体11との間の摩擦力が大きくバラつくことを抑制できる。以上より、電磁弁10は、磁界によるプランジャ12の動きが妨げられることを抑制できる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係る電磁弁は、一例として、シートと、前記シートから第1の方向に離間した壁部と、を有し、前記シートに設けられた第1の流路と、前記シートと前記壁部との間に位置して前記第1の流路に連通可能な第2の流路と、前記壁部に設けられて前記第2の流路に連通する貫通孔と、が設けられた、筐体と、電流を流されることで磁界を発生させるコイルと、前記筐体の内部に位置し、前記壁部から前記第1の方向に離間した、プランジャと、前記筐体の内部で前記シートと前記プランジャとの間に位置する弁体と、前記弁体と前記プランジャとの間に介在するとともに前記貫通孔を貫通する非磁性のロッドと、を有し、前記弁体が前記シートに接触して前記第1の流路を塞ぐ閉位置と、前記弁体が前記シートから前記第1の方向に離間して前記第2の流路に前記第1の流路を連通させる開位置と、の間で移動可能である、開閉部材と、前記開閉部材を前記第1の方向に付勢する、弾性部材と、を備え、前記壁部及び前記プランジャのうち一方である第1の部材は、前記壁部及び前記プランジャのうち他方である第2の部材に向く第1の吸引面と、前記ロッドの周りで前記第1の吸引面から突出する突出部と、前記ロッドに向く前記突出部の内側面と、前記内側面の反対側に位置する前記突出部の外側面と、を有し、前記第2の部材は、少なくとも前記開閉部材が前記閉位置に位置するときに前記突出部の少なくとも一部を収容する凹部が設けられ、前記第1の吸引面に向くとともに前記凹部が開口する第2の吸引面と、前記外側面に向く前記凹部の内周面と、を有し、前記プランジャは、前記第1の吸引面と前記第2の吸引面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向の反対の第2の方向に付勢され、向かい合う前記外側面と前記内周面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する方向に付勢される。よって、一例としては、突出部の断面積は、第1の吸引面における第1の部材の断面積よりも狭い。このため、突出部を通過可能な飽和磁束量は、第1の吸引面の近傍において第1の部材を通過可能な磁束の飽和磁束量よりも少なくなる。言い換えると、突出部を通過可能な磁束の磁束量が制限される。従って、本実施形態の電磁弁は、弁体が閉位置の近傍に位置しても、突出部の外側面と凹部の内周面とを通過する磁束が過大になることを抑制できる。すなわち、電磁弁は、第1の方向及び第2の方向と交差する方向に付勢されたプランジャと筐体との間の摩擦力が過大になることを抑制できる。さらに、電磁弁は、弁体が閉位置の近傍に位置しても、第1の吸引面を通過する磁束が所定量よりも減ることを抑制でき、ひいては磁界によりプランジャを第2の方向に付勢する力が低下することを抑制できる。さらに、電磁弁は、突出部の外側面と凹部の内周面との間の距離の製造上のバラつきにより外側面と内周面とを通過する磁束量が大きく変化することを抑制でき、ひいてはプランジャと筐体との間の摩擦力が大きくバラつくことを抑制できる。以上より、電磁弁は、磁界によるプランジャの動きが妨げられることを抑制できる。
上記電磁弁では、一例として、前記第1の部材は、前記プランジャであり、前記第2の部材は、前記壁部である。よって、一例としては、壁部は、凹部の内周面を含むとともにプランジャの突出部を囲む部分、を有する。当該部分は、突出部の外側に位置する。このため、当該部分及び突出部が円筒状である場合、径が大きい当該部分の体積の方が突出部の体積よりも大きくなりやすい。従って、突出部が設けられたプランジャは、凹部が設けられる場合に比べ、軽量化されやすくなる。電磁弁は、プランジャが軽量化されることで、コイルに流される電流に対して早く応答することができる。
上記電磁弁では、一例として、前記プランジャは、前記第1の方向において前記第1の吸引面と同一の位置にあり、又は前記第1の吸引面から前記第1の方向に窪み、前記ロッドを支持する、支持面、をさらに有する。よって、一例としては、突出部は、当該突出部の先端と第1の吸引面との間で外側面を通過可能な磁束の飽和磁束量を略一定に制限することができる。さらに、電磁弁は、支持面が第1の方向において第1の吸引面と同一の位置にある場合、支持面の位置の測定により、第1の吸引面の位置を測定することを可能とする。
上記電磁弁では、一例として、前記内側面と前記外側面とは、前記第1の吸引面から前記第1の方向又は前記第2の方向に延びる。よって、一例としては、内側面と外側面とが、略平行に延びる。これにより、突出部は、当該突出部の先端と第1の吸引面との間で外側面を通過可能な飽和磁束量を略一定に制限することができる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係るブレーキ制御装置は、一例として、リザーバと、ホイールシリンダと、前記リザーバと前記ホイールシリンダとの間に位置し、前記リザーバのブレーキ液を前記ホイールシリンダに向かって流すポンプと、前記第1の流路が前記ポンプと前記ホイールシリンダとの間の流路に接続され、前記第2の流路が前記リザーバと前記ポンプとの間の流路に接続され、前記コイルへの非通電時に前記開閉部材を前記開位置に配置し、前記コイルへ流される電流に応じて前記開閉部材を前記開位置と前記閉位置との間で移動させる、上記電磁弁と、を備える。よって、一例としては、電磁弁は、ポンプの下流から上流へ還流するブレーキ液の量を、コイルに流れる電流に応じて制御することができる。これにより、ブレーキ制御装置は、ポンプの駆動によりホイールシリンダの圧力を調整することができる。
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
SC…ブレーキ制御装置、UC…第1調整弁(電磁弁)、RV…リザーバ、CW,CWi,CWj,CWk,CWl…ホイールシリンダ、DC…第1電動ポンプ(ポンプ)、10…電磁弁、11…筐体、12…プランジャ(第1の部材)、12b…吸引面(第1の吸引面)、13…開閉部材、14…コイル、15…弾性部材、31…ガイド筒(第2の部材)、31a…吸引面(第2の吸引面)、35…ガイド孔(貫通孔)、38…内室(第2の流路)、41…流路(第1の流路)、51…弁体、52…ロッド、61,161…突出部、61a,161a…内側面、61b,161b…外側面、62,162…支持面、65,165…凹部、65a,165a…内周面、D1…第1の方向、D2…第2の方向、Pcl…閉位置、Pop…開位置。

Claims (5)

  1. シートと、前記シートから第1の方向に離間した壁部と、を有し、前記シートに設けられた第1の流路と、前記シートと前記壁部との間に位置して前記第1の流路に連通可能な第2の流路と、前記壁部に設けられて前記第2の流路に連通する貫通孔と、が設けられた、筐体と、
    電流を流されることで磁界を発生させるコイルと、
    前記筐体の内部に位置し、前記壁部から前記第1の方向に離間した、プランジャと、
    前記筐体の内部で前記シートと前記プランジャとの間に位置する弁体と、前記弁体と前記プランジャとの間に介在するとともに前記貫通孔を貫通する非磁性のロッドと、を有し、前記弁体が前記シートに接触して前記第1の流路を塞ぐ閉位置と、前記弁体が前記シートから前記第1の方向に離間して前記第2の流路に前記第1の流路を連通させる開位置と、の間で移動可能である、開閉部材と、
    前記開閉部材を前記第1の方向に付勢する、弾性部材と、
    を備え、
    前記壁部及び前記プランジャのうち一方である第1の部材は、前記壁部及び前記プランジャのうち他方である第2の部材に向く第1の吸引面と、前記ロッドの周りで前記第1の吸引面から突出する突出部と、前記ロッドに向く前記突出部の内側面と、前記内側面の反対側に位置する前記突出部の外側面と、を有し、
    前記第2の部材は、少なくとも前記開閉部材が前記閉位置に位置するときに前記突出部の少なくとも一部を収容する凹部が設けられ、前記第1の吸引面に向くとともに前記凹部が開口する第2の吸引面と、前記外側面に向く前記凹部の内周面と、を有し、
    前記プランジャは、前記第1の吸引面と前記第2の吸引面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向の反対の第2の方向に付勢され、向かい合う前記外側面と前記内周面とが前記磁界によって引き合うことにより前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する方向に付勢される、
    電磁弁。
  2. 前記第1の部材は、前記プランジャであり、
    前記第2の部材は、前記壁部である、
    請求項1の電磁弁。
  3. 前記プランジャは、前記第1の方向において前記第1の吸引面と同一の位置にあり、又は前記第1の吸引面から前記第1の方向に窪み、前記ロッドを支持する、支持面、をさらに有する、請求項2の電磁弁。
  4. 前記内側面と前記外側面とは、前記第1の吸引面から前記第1の方向又は前記第2の方向に延びる、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの電磁弁。
  5. リザーバと、
    ホイールシリンダと、
    前記リザーバと前記ホイールシリンダとの間に位置し、前記リザーバのブレーキ液を前記ホイールシリンダに向かって流すポンプと、
    前記第1の流路が前記ポンプと前記ホイールシリンダとの間の流路に接続され、前記第2の流路が前記リザーバと前記ポンプとの間の流路に接続され、前記コイルへの非通電時に前記開閉部材を前記開位置に配置し、前記コイルへ流される電流に応じて前記開閉部材を前記開位置と前記閉位置との間で移動させる、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの電磁弁と、
    を備えるブレーキ制御装置。
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