JP2022152272A - 医療用長尺体、及び医療器具組立体 - Google Patents

医療用長尺体、及び医療器具組立体 Download PDF

Info

Publication number
JP2022152272A
JP2022152272A JP2021054979A JP2021054979A JP2022152272A JP 2022152272 A JP2022152272 A JP 2022152272A JP 2021054979 A JP2021054979 A JP 2021054979A JP 2021054979 A JP2021054979 A JP 2021054979A JP 2022152272 A JP2022152272 A JP 2022152272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lumen
balloon
sheath tube
region
catheter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021054979A
Other languages
English (en)
Inventor
光輝 布施
Koki Fuse
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2021054979A priority Critical patent/JP2022152272A/ja
Publication of JP2022152272A publication Critical patent/JP2022152272A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】カテーテル本体部の外径が太くなることを抑制しつつ、カテーテル本体部に配置したバルーン部により生体管腔からカテーテル本体部が抜けることを防止でき、かつバルーン部を拡張させた際にカテーテル本体部の内腔が潰れることを防止できる医療用長尺体、及び医療器具組立体を提供する。【解決手段】シースチューブ210は、シースチューブの先端部に位置する第1領域211と、第1領域よりも基端側に位置する第2領域212と、を有し、第2領域は、バルーン部220と、バルーン部と対向し、シースチューブの内腔213側に位置する補強体部230と、バルーン部と補強体部の間に流体を保持できる空間を形成するように構成されたシール部250と、を有し、シール部は、シースチューブの長手方向と直交する方向で、補強体部と重なる位置に配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、医療用長尺体、及び医療器具組立体に関する。
従来、カテーテル手技等では、血管等の生体管腔に医療用長尺体を挿入して病変部の検査や治療を実施している。医療用長尺体の一つとして、体外と生体管腔を繋ぐアクセス経路を形成するシースイントロデューサーが知られている。
シースイントロデューサーは、シースチューブ(カテーテル本体)と、シースチューブに接続されたハブと、を備える(特許文献1を参照)。
シースイントロデューサーを使用した手技では、医師等の術者(以下、単に「術者」とする)は、シースチューブにダイレーターを挿入した状態で、患者の肢体等に形成した穿刺部位(穿孔)を介して経皮的に生体管腔内へシースチューブを挿入する。術者は、シースチューブの先端側を血管内に挿入した状態でシースチューブからダイレーターを抜去する。術者は、シースチューブからダイレーターを抜去した後、穿刺部位を介してシースチューブの先端側の一部を血管内に留置する。術者は、シースチューブの先端側の一部を血管内に留置した状態で、シースチューブの内腔を介してガイドワイヤや各種のカテーテルデバイス等を血管内へ導入することができる。
特開2007-144062号
シースイントロデューサーは、例えば、生体管腔に挿入する際の摩擦抵抗を軽減するため、シースチューブの表面に潤滑性を付与する。そのような場合、上記のようなシースイントロデューサーを使用した手技において、シースチューブの先端側の一部を血管内に留置していると、穿刺部位付近における皮下組織(脂肪層や筋肉層等)の影響により、血管からのシースチューブの抜けが発生し易くなる場合がある。シースチューブの抜けが発生した場合、術者は、血管内にシースチューブを新たに挿入する必要があるため、手技時間の長時間化を招く。
例えば、上記のような課題の解決を図るために、シースチューブの外表面にバルーン等の拡張部材を配置することが考えられる。術者は、シースチューブを血管内に挿入した状態で、シースチューブの外表面に配置した拡張部材を拡張させることにより、拡張部材の拡張力によってシースチューブを固定することができる。それにより、術者は、シースチューブが血管から抜けることを防止できると考えられる。
しかしながら、シースイントロデューサーは、シースチューブの外表面に拡張部材が配置された場合、シースチューブの外径が太くなるため、シースチューブを生体管腔内へ挿入する際の侵襲性が増す。また、シースイントロデューサーは、上記のような外径が太くなる課題を防ぐために、シースチューブの肉厚を薄くして外径を小さくすると、拡張部材が拡張した際、シースチューブの内腔が潰れるように変形し、シースチューブの内径を維持できない可能性がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、カテーテル本体部の外径が太くなることを抑制しつつ、カテーテル本体部に配置したバルーン部により生体管腔からカテーテル本体部が抜けることを防止でき、かつバルーン部を拡張させた際にカテーテル本体部の内腔が潰れることを防止できる医療用長尺体、及び医療器具組立体を提供することを目的とする。
本発明に係る医療用長尺体は、内腔を有し、経皮的に生体管腔に挿入するように構成されたカテーテル本体と、前記カテーテル本体の基端部に接続されたカテーテルハブと、を備え、前記カテーテル本体は、前記カテーテル本体の先端部に位置する第1領域と、前記第1領域よりも基端側に位置する第2領域と、を有し、前記第2領域は、バルーン部と、前記バルーン部と対向し、前記カテーテル本体の前記内腔側に位置する補強体部と、前記バルーン部と前記補強体部の間に流体を保持できる空間を形成するように構成されたシール部と、を有し、前記シール部は、前記カテーテル本体の長手方向と直交する方向で、前記補強体部と重なる位置に配置される。
上記のように構成した医療用長尺体は、カテーテル本体の先端部に位置する第1領域よりも基端側に位置する第2領域に配置されたバルーン部を有する。医療用長尺体は、カテーテル本体が生体管腔内に挿入された状態でバルーン部が拡張すると、バルーン部の拡張力を生体管腔の内壁に付与する。それにより、医療用長尺体は、カテーテル本体が生体管腔から抜けることを防止できる。また、医療用長尺体は、バルーン部と対向し、カテーテル本体の内腔側に位置する補強体部と、バルーン部と補強体部の間に流体を保持できる空間を形成するように構成されたシール部と、を有する。医療用長尺体は、バルーン部と補強体部の間に空間が形成されているため、カテーテル本体の外表面とバルーン部の間に空間が形成されるようにバルーン部が配置されている場合と比較して、カテーテル本体の外径が太くなることを防止できる。また、医療用長尺体は、バルーン部よりもカテーテル本体の内腔側に位置する補強体部によりカテーテル本体を補強することができるため、バルーン部が拡張した際、カテーテル本体の内腔が潰れることを防止できる。また、医療用長尺体は、シール部がカテーテル本体の長手方向と直交する方向で補強体部と重なる置に配置されているため、バルーン部を拡張させるために供給した流体が空間の外部へ漏れることを効果的に防止できる。
第1実施形態の医療器具組立体を示す図である。 第1実施形態の医療用長尺体及び流体注入部材の一部を示す部分断面図である。 第1実施形態の開口マーカー部と側孔マーカー部の作用を説明するための図である。 第1実施形態の開口マーカー部と側孔マーカー部の作用を説明するための図である。 第1実施形態のバルーン部の拡張方法を説明するための部分断面図であって、図1に示す破線部5A部分に対応する図である。 第1実施形態のバルーン部の拡張方法を説明するための部分断面図である。 第1実施形態のバルーン部の拡張方法を説明するための部分断面図である。 第1実施形態の医療器具組立体の使用例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の変形例1に係る針部材を説明するための断面図である。 第1実施形態の変形例1に係る針部材を説明するための断面図である。 第1実施形態の変形例2に係るカテーテルハブ及び注入部材ハブを示す図である。 第1実施形態の変形例2に係るカテーテルハブ及び注入部材ハブを示す図である。 第1実施形態の変形例3に係るバルーン部を備える医療用長尺体を示す図である。 第1実施形態の変形例3に係るバルーン部を備える医療用長尺体の使用例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の変形例4に係るカテーテル本体を備える医療用長尺体の使用例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の変形例5に係る医療器具組立体を示す図である。 第1実施形態の変形例5に係る流体注入部材及び針部材の使用例を説明するための部分断面図であって、図16に示す破線部17A部分に対応する図である。 第1実施形態の変形例5に係る流体注入部材及び針部材の使用例を説明するための部分断面図である。 第1実施形態の変形例6に係る流体注入部材及び針部材の使用例を簡略化して示す斜視図である。 第1実施形態の変形例6に係る流体注入部材及び針部材の使用例を簡略化して示す斜視図である。 第1実施形態の変形例6に係る流体注入部材及び針部材の使用例を簡略化して示す斜視図である。 第1実施形態の変形例7に係るカテーテル本体の一部を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例8に係る流体注入部材の一部を示す部分断面図である。 第2実施形態に係る医療用長尺体を示す図である。 第2実施形態のバルーン部の拡張方法を説明するための部分断面図であって、図24に示す破線部25A部分に対応する図である。 第2実施形態のバルーン部の拡張方法を説明するための部分断面図である。
図1~図8を参照して、本発明に係る医療用長尺体及び医療器具組立体を説明する。本実施形態では、本発明に係る医療用長尺体をイントロデューサー100のシースイントロデューサー200に適用した例を説明する。
<医療器具組立体>
医療器具組立体10は、図1に示すように、イントロデューサー100と、流体注入部材400と、を備える。
医療器具組立体10は、図8に示すように、シースイントロデューサー200のシースチューブ(「カテーテル本体」に相当する)210を血管B(「生体管腔」に相当する)内に挿入した状態で、流体注入部材400を使用して、シースチューブ210に配置されたバルーン部220を拡張させることができるように構成されている。
本明細書では、シースイントロデューサー200においてカテーテルハブ260が配置される側(図1の上側)を基端側と称する。また、シースイントロデューサー200において基端側とは反対側に位置し、生体内に導入される側(図1の下側)を先端側と称する。また、シースイントロデューサー200のシースチューブ210が延在する方向(図1の上下方向)を長手方向とする。なお、上記の「先端」、「基端」、及び「長手方向」の各定義は、医療器具組立体10の他の構成部材(例えば、流体注入部材400や図16に示す針部材500B等)についても同様のものとする。
<イントロデューサー>
イントロデューサー100は、図1に示すように、シースイントロデューサー200と、ダイレーター300と、を有する。
シースイントロデューサー200は、シースチューブ210の内腔213(図2を参照)を介してカテーテルデバイス、ガイドワイヤ等の各種の医療デバイスを血管B内へ導入するために使用することができる。また、シースイントロデューサー200は、シースチューブ210の内腔213にダイレーター300のダイレーター本体310を挿入できるように構成される。
<シースイントロデューサー>
シースイントロデューサー200は、図1、図2、図8に示すように、内腔213を有し、経皮的に血管Bに挿入するように構成されたシースチューブ210と、シースチューブ210の基端部に接続されたカテーテルハブ260と、を有する。
また、シースイントロデューサー200は、カテーテルハブ260と一端部が連結されたチューブ271と、チューブ271の他端部と連結された三方活栓272と、カテーテルハブ260の先端を覆うストレインリリーフ部280と、を有する。
シースチューブ210は、図2に示すように、軸方向に延在する内腔213が形成された中空の部材で構成している。シースチューブ210の先端には、内腔213の外部と連通する先端開口部が形成されている。シースチューブ210の基端には、カテーテルハブ260の内部空間と連通する基端開口部が形成されている。
カテーテルハブ260の内部空間には弁体261を配置している。弁体261は、シースチューブ210の内腔213に流れ込んだ血液がカテーテルハブ260の外部へ漏洩することを防止する。なお、弁体261の具体的な形状、材質、構造等について特に制限はない。
カテーテルハブ260の基端にはキャップ部材267を取り付けることができる。キャップ部材267は、例えば、カテーテルハブ260との間で弁体261を挟み込むことにより、弁体261をカテーテルハブ260に対して固定するように構成することができる。
チューブ271は、カテーテルハブ260の内部空間と連通するサイドポートに連結することができる。
ストレインリリーフ部280は、シースチューブ210にキンクや折れ等が発生するのを抑制する。ストレインリリーフ部280は、シースチューブ210及びカテーテルハブ260に対して外嵌することができる。
<シースチューブ>
シースチューブ210は、図1、図2に示すように、シースチューブ210の先端部に位置する第1領域211と、第1領域211よりも基端側に位置する第2領域212と、を有する。
なお、図2の破線部分には、シースチューブ210の断面の一部を拡大して示している。
第2領域212は、図2に示すように、バルーン部220と、バルーン部220と対向し、シースチューブ210の内腔213側に位置する補強体部230と、バルーン部220と補強体部230の間に流体を保持できる空間240を形成するように構成されたシール部250と、第2領域212の管壁を構成する本体部212aと、を有する。
シール部250は、図2に示すように、シースチューブ210の長手方向と直交する方向(図2の左右方向)で、補強体部230と重なる位置に配置される。
第1領域211及び第2領域212の本体部212aは、例えば、樹脂材料で構成することができる。
第2領域212よりも基端側に位置するシースチューブ210の基端領域216は、第1領域211及び第2領域212の本体部212aと同様に樹脂材料で構成することができる。
第1領域211、第2領域212の本体部212a、及び基端領域216の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、またはこれら二種以上の混合物など)、ポリオレフィンエラストマー、ポリオレフィンの架橋体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体など)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどの高分子材料またはこれらの混合物等を用いることができる。
シースチューブ210は、第2領域212の全周に亘って、バルーン部220、補強体部230、空間240、及びシール部250が配置されている。
バルーン部220は、例えば、可撓性を備える膜材で構成することができる。膜材の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、ナイロン、ナイロンエラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)を用いることができる。
なお、バルーン部220は、シースチューブ210を使用した手技の後、シースチューブ210とともに血管Bから抜去可能に構成される限り、その具体的な材料は特に限定されない。ただし、バルーン部220は、上記のような回収が困難な場合、空間240内に注入された流体を徐々に放出し、それにより収縮することが可能な材料(シリコーン等)で構成されていることが好ましい。また、バルーン部220には、バルーン部220を血管Bの適切な位置に留置できるようにするために、造影マーカーを配置することもできる。
補強体部230は、図2に示すように、第1領域211及び第2領域212の本体部212aよりも硬い材料で構成された硬質部231と、硬質部231に形成された孔部233と、を有する。
補強体部230は、第2領域212の本体部212aに埋設されている。補強体部230は、例えば、孔部233を構成する網目が形成された金属メッシュで構成することができる。孔部233の形状、大きさ、個数等について特に制限はない。
補強体部230を構成する材料としては、例えば、SUS、銅、チタン、ナイチノールなどの金属材料を用いることができる。ただし、補強体部230は、第1領域211及び第2領域212の本体部212aよりも硬い材料で構成されている限り、構成材料について特に制限はない。
シール部250は、図2に示すように、孔部233を覆うように構成されている。
また、シール部250は、図2に示すように、補強体部230とバルーン部220の間に配置している。
シール部250は、例えば、公知の自己修復性ポリマーで構成することができる。ただし、シール部250の構成材料は、バルーン部220との間に形成した空間240に注入された流体がシール部250を介して漏洩することを防止することが可能な限り、特に制限はない。
硬質部231は、図2に示すように、孔部233よりも大きい開口部235を備える。開口部235は、シースチューブ210の周方向の一部のみに形成している。また、第2領域212の本体部212aには、開口部235に対応した位置に開口部が形成されている。
カテーテルハブ260は、図1、図3、図4に示すように、シースチューブ210の周方向における開口部235の位置を示す開口マーカー部265を有する。
開口マーカー部265は、例えば、図3、図4に示すように、基端側を向く矢印の図形で構成することができる。ただし、開口マーカー部265は、形状、大きさ、図柄、及び色等について特に制限はない。
シースチューブ210の製造方法(1)、(2)について説明する。なお、シースチューブ210の製造方法が下記の内容に限定されることはない。
製造方法(1);シースチューブ210を製造する作業者は、環状に形成された補強体部230を準備する。なお、補強体部230は樹脂材料に埋設されている。補強体部230を覆う樹脂材料は、シースチューブ210の第2領域212の本体部21aを構成する部材である。次に、作業者は、樹脂材料及び補強体部230を貫通する開口部235を形成する。次に、作業者は、補強体部230の外周面を覆うようにシール部250を配置する。次に、作業者は、シール部250の外周面を覆うようにバルーン部220を配置する。次に、作業者は、補強体部230、シール部250、バルーン部220からなる中間品をはめ込むことが可能な溝が基端面に形成された第1管状体を準備する。第1管状体は、シースチューブ210の第1領域211を構成する部材である。また、作業者は、上記の中間品をはめ込むことが可能な溝が先端面に形成された第2管状体を準備する。第2管状体は、シースチューブ210の第2領域212よりも基端側に位置する基端領域216を構成する部材である。作業者は、各管状体の各溝に中間品をはめ込んだ状態で、中間品に含まれる補強体部230を各管状体に対して接着や融着等により固定する。以上の手順により、作業者は、第1管状体で構成された第1領域211と、中間品で構成された第2領域212と、第2管状体で構成された基端領域216と、を有するシースチューブ210を製造することができる。
製造方法(2);作業者は、第1領域211及び硬質部231が埋設された第2領域212を備える管状体を準備する。次に、作業者は、第2領域212の一部を周方向に沿って切削し、バルーン部220及びシール部250を配置することが可能な空間を第2領域212に形成する。次に、作業者は、硬質部231に開口部235を形成する。次に、作業者は、硬質部231の外周面を覆うようにシール部250を配置し、シール部250を接着または融着により第2領域212の本体部212aに固定する。次に、作業者は、シール部250の外周面を覆うようにバルーン部220を配置し、バルーン部220を接着または融着により管状体の第2領域212に固定する(図2を参照)。次に、作業者は、シール部250及びバルーン部220において第2領域212の本体部212aに固定された部分に熱を加えて収縮させる。以上の手順により、作業者は、第1領域211と、第2領域212と、第2領域よりも基端側に位置する基端領域216と、を有するシースチューブ210を製造することができる。
<流体注入部材>
流体注入部材400は、図2に示すように、シースチューブ210の内腔213に挿入可能に構成されている。
流体注入部材400は、図5~図7に示すように、内腔413を有し、シースチューブ210の内腔213に挿入するように構成された流体注入部410と、カテーテルハブ260と連結可能な注入部材ハブ460と、を備える。
流体注入部410は、カテーテルハブ260の基端側からカテーテルハブ260の内部空間へ挿入することができる。また、流体注入部410は、カテーテルハブ260を通して、シースチューブ210の内腔213に挿入させることができる。
流体注入部410は、内腔213が内部に形成された長尺状の部材で構成している。流体注入部410は、例えば、シースチューブ210の第1領域211と同一の樹脂材料で構成することができる。
注入部材ハブ460は、流体注入部410をシースチューブ210の内腔213に挿入するのに伴ってカテーテルハブ260と嵌合するように構成している(図3、図4を参照)。
注入部材ハブ460は、空間240に注入する流体(例えば、空気等の気体)を供給するための流体供給器具(例えば、シリンジやチューブ等)を連結可能に構成されている。流体注入部410は、注入部材ハブ460に連結された流体供給器具を使用して内腔413に流体が供給されると、後述する針部材500を介して空間240内へ流体を供給することができる(図7を参照)。
流体注入部410は、図5~図7に示すように、流体注入部410の側面で開口する側孔414を有する。
注入部材ハブ460は、図3、図4に示すように、流体注入部410の周方向における側孔414の位置を示す側孔マーカー部465を有する。
側孔マーカー部465は、例えば、先端側を向く矢印の図形で構成することができる。ただし、側孔マーカー部465は、形状、大きさ、図柄、及び色等について特に制限はない。
術者は、流体注入部410をシースチューブ210の内腔213に挿入する際、図3、図4に示すように、開口マーカー部265と側孔マーカー部465の位置を合わせる。術者は、開口マーカー部265と側孔マーカー部465の位置を合わせた状態で流体注入部410をシースチューブ210の内腔213に挿入することにより、側孔414を開口部235に対向させるように配置することができる。
流体注入部材400は、図5~図7に示すように、側孔414を介してシール部250を穿刺することによりシール部250を貫通可能に構成された針部材500を有する。
針部材500は、流体注入部410の側孔414に格納されている。流体注入部材400は、針部材500が流体注入部410に一体的に組み込まれているため、後述する針部材500Bを備える流体注入部材400B(図16を参照)と比較して、部品点数が少ない。そのため、流体注入部材400を使用した手技が簡便になる。また、流体注入部材400は、針部材500が流体注入部410に一体的に組み込まれているため、後述する針部材500Bを備える流体注入部材400Bを使用した手技(図17、図18を参照)を行う場合と比較して、内腔413を大きく確保することができる。それにより、流体注入部材400は、空間240へ流体を供給する時間の短縮化を図ることができる。
針部材500は、ルーメン511が形成された針部510と、針部510の移動をガイドするガイド部513と、針部510の移動を駆動する駆動部514と、を有する。
針部材500は、図6に示すように、内腔413内へ流体が供給されると、ガイド部513に対して圧力が掛かる。針部材500は、ガイド部513が圧力を受けると、ガイド部513を支持する駆動部514が開口部235側へ向けて伸長する。駆動部514は、例えば、ガイド部513が受けた流体の圧力の大きさに応じて伸縮可能なシリコーンゴム等で構成することができる。
針部510は、ガイド部513が開口部235側へ移動するのに伴って開口部235を通過してシール部250を貫通する。針部510は、針部510がシール部250を貫通した状態で内腔413内へ流体が供給されると、ルーメン511を介して流体を空間240へ注入する。バルーン部220は、空間240内へ流体が注入されると、拡張する。バルーン部220は、空間240内に注入された空気が空間240内で保持されることにより、拡張した状態を維持する。
図8には、患者の肢体(例えば、腕)に形成した穿孔Pを介してシースチューブ210を血管B(例えば、橈骨動脈)に挿入した際の様子を示す。
シースチューブ210は、第1領域211及び第2領域212が血管B内に挿入された状態で、バルーン部220が拡張することにより、血管内壁に対して拡張力を付与することができる。シースチューブ210は、拡張したバルーン部220が血管内壁に対して拡張力を作用させることにより、シースチューブ210が血管Bから抜けることを防止できる。
術者は、シースチューブ210を介して各種の医療デバイスを患者の各部へ送達する場合、シースチューブ210から流体注入部410を抜去する。術者は、流体注入部410を抜去するに際し、流体注入部410の内腔413を吸引する。術者が流体注入部410の内腔413を吸引すると、駆動部514が内腔413側へ向けて収縮し、針部510が側孔414内へ退避する。シースチューブ210は、シール部250が自己修復性ポリマーで構成されている場合、針部510が側孔414内へ退避するのに伴って、針部510が形成した穿孔を閉じる。そのため、シースチューブ210は、バルーン部220を拡張した状態に維持することができる。
<ダイレーター>
ダイレーター300は、図1に示すように、シースチューブ210の内腔213に挿入可能なダイレーター本体310と、ダイレーター本体310の基端側に固定されるダイレーターハブ360と、を有する。
ダイレーター300は、シースチューブ210を血管B内に挿入するときに、シースチューブ210の折れを防いだり、穿孔Pを拡径したりするために用いることができる。ダイレーター300は、シースチューブ210を血管B内に挿入した後、流体注入部410をシースチューブ210の内腔213に挿入する前に適宜抜去することができる。
(作用効果)
本実施形態に係るシースイントロデューサー200は、内腔213を有し、経皮的に血管Bに挿入するように構成されたシースチューブ210と、シースチューブ210の基端部に接続されたカテーテルハブ260と、を備える。シースチューブ210は、シースチューブ210の先端部に位置する第1領域211と、第1領域211よりも基端側に位置する第2領域212と、を有する。第2領域212は、バルーン部220と、バルーン部220と対向し、シースチューブ210の内腔213側に位置する補強体部230と、バルーン部220と補強体部230の間に流体を保持できる空間240を形成するように構成されたシール部250と、を有する。シール部250は、シースチューブ210の長手方向と直交する方向で、補強体部230と重なる位置に配置される。
上記のように構成されたシースイントロデューサー200は、シースチューブ210の先端部に位置する第1領域211よりも基端側に位置する第2領域212に配置されたバルーン部220を有する。シースイントロデューサー200は、シースチューブ210が血管B内に挿入された状態でバルーン部220が拡張すると、バルーン部220の拡張力を血管内壁に付与する。それにより、シースイントロデューサー200は、シースチューブ210が血管Bから抜けることを防止できる。
また、シースイントロデューサー200は、バルーン部220と対向し、シースチューブ210の内腔213側に位置する補強体部230と、バルーン部220と補強体部230の間に流体を保持できる空間240を形成するように構成されたシール部250と、を有する。シースイントロデューサー200は、バルーン部220と補強体部230の間に空間240が形成されているため、シースチューブ210の外表面とバルーン部220の間に空間240が形成されるようにバルーン部220が配置されている場合と比較して、シースチューブ210の外径が太くなることを防止できる。
また、シースイントロデューサー200は、バルーン部220よりもシースチューブ210の内腔213側に位置する補強体部230によってシースチューブ210を補強することができる。そのため、シースイントロデューサー200は、バルーン部220が拡張した際、シースチューブ210の内腔213が潰れることを防止できる。
また、シースイントロデューサー200は、シール部250がシースチューブ210の長手方向と直交する方向で補強体部230と重なる位置に配置されているため、バルーン部220を拡張させるために供給した流体が空間240の外部へ漏れることを効果的に防止できる。
また、補強体部230は、第1領域211及び第2領域212の管壁を構成する本体部212aよりも硬い材料で構成された硬質部231と、硬質部231に形成された孔部233と、を有する。シール部250は、孔部233を覆うように構成される。
上記のように構成されたシースイントロデューサー200は、硬質部231が第1領域211及び第2領域212の本体部212aよりも硬い材料で構成されているため、第2領域212の強度を高め、バルーン部220が拡張した際、シースチューブ210の内腔213が潰れることを効果的に防止できる。また、硬質部231が孔部233を有するため、硬質部231が配置された第2領域212の柔軟性を高め、第1領域211と第2領域212の境界における物性変化を軽減することができる。また、シール部250が孔部233を覆うように配置されているため、孔部233を介して空間240から流体が漏洩することを防止できる。
また、シール部250は、補強体部230とバルーン部220の間に配置されている。そのため、シースチューブ210は、バルーン部220と内腔213との間に補強体部230及びシール部250が配置されている。そのため、シースイントロデューサー200は、バルーン部220が拡張した際、補強体部230がシール部250のシースチューブ210の内腔213側への変形を防止するため、補強体部230及びシール部250により内腔213が潰れることをより効果的に防止できる。
また、硬質部231は、孔部233よりも大きい開口部235を備える。カテーテルハブ260は、シースチューブ210の周方向における開口部235の位置を示す開口マーカー部265を有する。術者は、バルーン部220を拡張する際、硬質部231に形成された開口部235を介して、空間240内へ流体を注入することができる。また、カテーテルハブ260がシースチューブ210の周方向における開口部235の位置を示す開口マーカー部265を有するため、術者は開口部235の周方向の位置を簡単に確認することができる。
医療器具組立体10は、シースイントロデューサー200と、シースチューブ210の内腔213に挿入可能な流体注入部材400と、を備える。医療器具組立体10は、流体注入部材400を使用することにより、シースチューブ210に配置されたバルーン部220を簡単に拡張させることができる。
流体注入部材400は、内腔413を有し、シースチューブ210の内腔213に挿入するように構成された流体注入部410と、カテーテルハブ260と連結可能な注入部材ハブ460と、を備える。流体注入部410は、側面で開口する側孔414を有し、注入部材ハブ460は、流体注入部410の周方向における側孔414の位置を示す側孔マーカー部465を有する。このように構成された流体注入部材400は、シースチューブ210の内腔213に流体注入部410を挿入した状態で、流体注入部410の内腔413に流体を供給することにより、内腔413に連通する側孔414を介して、空間240へ流体を注入することができる。また、注入部材ハブ460が流体注入部410の周方向における側孔414の位置を示す側孔マーカー部465を有するため、術者は側孔414の周方向の位置を簡単に確認することができる。
また、流体注入部材400は、側孔414を介してシール部250を穿刺することによりシール部250を貫通可能に構成された針部材500を有する。このように構成された流体注入部材400は、側孔414を介して針部材500を硬質部231の開口部235側へ突出させることにより、針部材500でシール部250を貫通させることができる。術者は、針部材500がシール部250を貫通した状態で、針部材500を介して簡単に空間240内へ流体を注入することができる。
次に、前述した第1実施形態の変形例及び第2実施形態を説明する。以下の説明では、第1実施形態で既に説明した部材等についての説明は省略する。また、変形例及び第2実施形態において特に説明の無い内容は、第1実施形態と同一のものとすることができる。
<変形例1>
図9及び図10には、変形例1に係る針部材500Aを示す。
針部材500Aは、ルーメン511が形成された針部510と、針部510から外方側に延びるフランジ部516と、を有する。
針部材500Aは、側孔414に連通するように流体注入部410の管壁に形成された収容空間419内に収容されている。
針部材500Aは、図10に示すように、内腔413に流体が供給されると、フランジ部516が流体の圧力を受ける。針部材500Aは、フランジ部516が受けた流体の圧力に応じて、開口部235側へ移動し、シール部250を貫通する。針部材500Aは、収容空間419に沿って直線状に移動するため、シール部250に対して真っ直ぐに針部510を貫通させることができる。また、針部510は、駆動部514(図7を参照)のような特殊な材料で構成された部材を備えていないため、簡便な構造で構成することができる。
<変形例2>
図11及び図12には、変形例2に係るカテーテルハブ260及び注入部材ハブ460を示す。
注入部材ハブ460は、嵌合爪468を有する。カテーテルハブ260は、嵌合爪468が嵌合可能な凹部268を有する。
嵌合爪468は、流体注入部410の周方向において側孔414(図7を参照)が形成された位置と対応する位置に設けられている。また、凹部268は、シースチューブ210の周方向において開口部235(図7を参照)が形成された位置と対応する位置に設けられている。
図12に示すようにカテーテルハブ260に注入部材ハブ460は連結する際、嵌合爪468と凹部268の周方向の位置が一致していないと、嵌合爪468を凹部268に嵌合させることができない。そのため、術者は、カテーテルハブ260に注入部材ハブ460を連結するとき、嵌合爪468を凹部268に嵌合させることで、簡単に側孔414と開口部235の周方向の位置を一致させることができる。
なお、側孔414と開口部235の周方向の位置を一致させた状態でカテーテルハブ260に注入部材ハブ460を連結させるための機構は、図11及び図12に示す構造に限定されない。例えば、注入部材ハブ460の周方向の一部及び/または全体に先端側に延びる凸部を形成し、カテーテルハブ260の周方向の一部及び/または全体に基端側に延びる凹部を形成してもよい。このように構成した場合、術者は、注入部材ハブ460とカテーテルハブ260とを連結する際に、注入部材ハブ460の凸部とカテーテルハブ260の凹部とが嵌合されたことを手元の感覚で把握することにより、側孔414と開口部235の周方向の位置が一致していることを確認することができる。
<変形例3>
図13には、変形例3に係るシースイントロデューサー200Aを示す。
シースイントロデューサー200Aは、シースチューブ210の周方向の一部のみにバルーン部220Aが配置されている。
シースイントロデューサー200Aは、図14に示すように、シースチューブ210を血管B内に挿入した状態でバルーン部220Aが拡張すると、バルーン部220Aが血管Bの内周面の一部のみに当接する。そのため、シースイントロデューサー200Aは、バルーン部220Aを拡張させた際に、血管Bの血流がバルーン部220Aによって遮断されることを防止できる。
<変形例4>
図15には、変形例4に係るシースチューブ210Aを示す。
変形例4に係るシースチューブ210Aは、バルーン部220Aよりも基端側に形成され、シースチューブ210の内腔213と連通する灌流用孔部218を有する。
シースチューブ210Aは、シースチューブ210Aの先端開口部(図示省略)を介して内腔213内へ血液を流入させることができる。また、シースチューブ210Aは、灌流用孔部218を介して内腔213内へ流入させた血液をバルーン部220Aよりも基端側の位置で内腔213から排出させることができる。そのため、シースイントロデューサーは、バルーン部220Aを拡張させた際に、血管Bの血流がバルーン部220Aによって遮断されることをより一層効果的に防止することができる。
なお、灌流用孔部218は、バルーン部220が周方向の全周に沿って配置されているシースチューブ210(図8を参照)に設けることも可能である。
<変形例5>
図16には、変形例5に係る医療器具組立体10Bを示す。
医療器具組立体10Bは、針部材500Bが流体注入部材400Bと一体的に構成されていない。
針部材500Bは、図17、図18に示すように、流体注入部410Bの内腔413に挿入可能な針本体部510Bと、針本体部510Bの基端部に配置された針ハブ560Bと、を有する。
針本体部510Bは、空間240に供給する流体が流通可能なルーメン511を有する。針本体部510Bは、例えば、シリコーン等の柔軟な材料で構成された本体部材と、本体部材の先端に配置された針部と、を有するように構成することができる。
針ハブ560は、空間240に注入する流体を供給するための流体供給器具(例えば、シリンジやチューブ等)を連結可能に構成されている。
流体注入部410Bの内腔413は、側孔414に向かって断面積が徐々に狭まる形状を有する。そのため、図17及び図18に示すように、術者は、流体注入部410Bの内腔413に沿って針本体部510Bを移動させることにより、針本体部510Bの先端を側孔414まで簡単に案内することができる。
術者は、針本体部510Bの先端を側孔414まで案内した後、針本体部510Bをさらに開口部235側へ移動させることにより、針本体部510Bの先端でシール部250を貫通させることができる。術者は、図18に示すように、針本体部510Bがシール部250を貫通した状態で、針本体部510Bのルーメン511を介して流体を空間240内に注入することにより、バルーン部220を拡張させることができる。
術者は、針本体部510Bが柔軟である針部材500Bを使用することにより、シースチューブ210が蛇行血管に留置されている場合でも、蛇行血管等に沿わせて針部材500Bを移動させることができる。また、針部材500Bを介して流体の供給及び回収を行うことが可能になるため、それらの作業を簡単に行うことができる。
<変形例6>
図19~図21には、変形例5に係る流体注入部410C及び針部材500Cを示す。なお、図19~図21は、変形例5に係る流体注入部410C及び針部材500Cの構成を簡略的かつ概念的に示している。
図19に示すように、針部材500Cは、ルーメン511が形成された針本体部510Cと、針本体部510Cの長手方向と直交する方向へ突出した針部519と、を有する。ルーメン511は、針部519の内部に連通している。また、図20に示すように、針部材500Cには、針部519の突出方向を示す突出位置指示マーカー部515が配置されている。
流体注入部410Cは、図20に示すように、針部材500Cを嵌め込むことが可能な凹部410aを有する。また、流体注入部410Cには、側孔414の先端側に位置する底部416が設けられている。また、流体注入部410Cには、側孔414の周方向の位置を示す側孔マーカー部415が配置されている。
術者は、針部材500Cを使用して空間240へ流体を注入する際、図20に示すように、凹部410aに沿わせて針部材500Cを移動させる。術者は、凹部410aに沿わせて針部材500Cを移動させることにより、針部材500Cの移動経路を確実に確保することができる。
術者は、図20に示すように、針部材500Cの先端が流体注入部410Cの底部416に接触したことを手元の感覚で把握することにより、針部材500Cの針部519が側孔414付近まで移動したことを確認することができる。
術者は、図21に示すように、針部材500Cを回転させることにより、側孔414及び開口部235を介してシール部250に針部519を貫通させることができる。術者は、針部材500Cを回転させる際、突出位置指示マーカー部515と側孔マーカー部415の位置を一致させることにより、側孔414に針部519を簡単に配置することができる。術者は、針部519がシール部250を貫通した状態で、ルーメン511を介して流体を空間240内に注入することにより、バルーン部220を拡張させることができる。
なお、針部519は、例えば、前述した実施形態で説明した各針部材500、500Aのように流体で駆動するように構成することも可能である(図6、図7、図9、及び図10を参照)。針部材500と同様の構成を採用することにより、空間240内に流体を供給する前の状態では、針部519の長さを短くすることができる。そのため、内径の小さな細いシースチューブに適用することが可能になる。また、針部材500Aと同様の構成を採用することにより、側孔414及び開口部235を介してシール部250をより確実に貫通させることが可能になる。
<変形例7>
図22には、変形例7に係るシースチューブ210Dを示す。
バルーン部220の外表面には、図22に示すように、薬剤600を配置することができる。薬剤600をバルーン部220に配置する場合、バルーン部220には、凹部221を形成することができる。シースチューブ210Dは、凹部221内に薬剤600の一部が入り込むため、擦過等によりバルーン部220から脱落することを防止できる。なお、凹部221は、例えば、空間240側に窪む凹状の空間を有する断面形状で形成されていてもよい。また、バルーン部220には凹部を形成せずに薬剤600が配置されていてもよい。例えば、バルーン部220は、血管B内に留置され、長時間血液と接触するため、薬剤600は、血液凝固系の抑制や血小板の粘着・活性化の抑制の効果を有する抗血栓性材料などを使用することができる。
<変形例8>
図23には、変形例8に係る流体注入部410Eを示す。
流体注入部410Eには、図23に示すように、ガイドワイヤを挿通させることが可能なガイドワイヤルーメン417を設けることができる。流体注入部410Eは、ガイドワイヤルーメン417が設けられることにより、ダイレーターとしても利用することが可能になる。なお、流体注入部410Eは、図1に示す流体注入部410にガイドワイヤルーメンを設けることも可能である。
流体注入部410Eにガイドワイヤルーメンを設ける場合、流体注入部410Eには、内腔413に連通する先端開口部(ガイドワイヤ用の開口部)が形成される。この点は、図1に示す流体注入部410にガイドワイヤルーメンを設ける場合も同様である。
<第2実施形態>
図24~図26には、第2実施形態に係るシースイントロデューサー200Fを示している。
シースイントロデューサー200Fが備えるシースチューブ210Fは、図25、図26に示すように、バルーン部220よりも基端側に位置し、空間240とシースチューブ210Fの外表面とを連通する注入口214と、注入口214に配置されたシール部250と、注入口214の位置を示す注入口マーカー部215と、を有する。
シースイントロデューサー200Fは、補強体部230Dの硬質部(図示省略)が孔部233(図2を参照)を備えていないプレートで構成されている。また、補強体部230Dには、開口部235(図2を参照)も形成されていない。プレートは、例えば、公知の金属材料で構成することができる。
注入口214は、シースチューブ210Fの周方向の一部に配置することができる。
注入口マーカー部215は、例えば、注入口214よりも先端側の位置に配置することができる。注入口マーカー部215は、例えば、IN/OUT等の文字や記号で構成することができる。ただし、注入口マーカー部215は、形状、大きさ、図柄、及び色等について特に制限はない。
術者は、シースイントロデューサー200Fを使用する場合、注入口214を患者の生体の外部に配置する。術者は、図25に示すように、先端に針部が形成された流体供給器具700を注入口214に穿刺し、シール部250を貫通させる。シースイントロデューサー200Fは、補強体部230Dの硬質部がプレートで構成されているため、流体供給器具700が補強体部230Dを誤って貫通してしまうことを好適に防止することができる。
術者は、図26に示すように、流体供給器具700がシール部250を貫通した状態で、流体供給器具700から空間240へ流体を注入することにより、バルーン部220Dを拡張させることができる。
術者は、シースイントロデューサー200Fを使用した場合、患者の生体の外部からのアクセスでバルーン部220を簡単に拡張させることができる。そのため、術者は、バルーン部220の拡張及び流体供給器具700の回収を容易に行うことができる。また、シースチューブ210F内に各種の医療デバイスを挿入した状態でバルーン部220を拡張させることができるため、手技を円滑に進めることができる。また、術者は、注入口マーカー部215の位置を確認することにより、注入口214の位置を簡単に把握することができる。
以上、実施形態及び変形例を通じて本発明に係る医療用長尺体及び医療器具組立体を説明したが、本発明は説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
医療用長尺体の適用対象は、シースイントロデューサーのみに限定されず、第1領域及び第2領域が設けられたカテーテル本体を備える各種のカテーテルに適用することが可能である。また、医療用長尺体を使用する具体的な手技の内容や処置手順等も特に限定されることはない。
明細書内において説明した各部の構造や部材の配置等は適宜変更することができ、また図示により説明した付加的な部材の使用の省略や、その他の付加的な部材の使用等も適宜に行いうる。
10、10B 医療器具組立体
100 イントロデューサー
200、200A、200F シースイントロデューサー
210、210A、210D、210F シースチューブ
211 第1領域
212 第2領域
212a 第2領域の本体部
213 シースチューブの内腔
214 注入口
215 注入口マーカー部
216 基端領域
217 灌流用ルーメン
218 灌流用孔部
220、220A、220D バルーン部
230、230D 補強体部
231 硬質部
233 孔部
235 開口部
240 空間
250 シール部
260 カテーテルハブ
265 開口マーカー部
300 ダイレーター
400、400B 流体注入部材
410、410B、410C、410E 流体注入部
413 流体注入部の内腔
414 側孔
460 注入部材ハブ
465 側孔マーカー部
500、500A、500B、500C 針部材
510 針部
510B、510C 針本体部
600 薬剤
700 流体供給器具
B 血管(生体管腔)
P 穿孔

Claims (10)

  1. 内腔を有し、経皮的に生体管腔に挿入するように構成されたカテーテル本体と、
    前記カテーテル本体の基端部に接続されたカテーテルハブと、を備え、
    前記カテーテル本体は、前記カテーテル本体の先端部に位置する第1領域と、前記第1領域よりも基端側に位置する第2領域と、を有し、
    前記第2領域は、バルーン部と、前記バルーン部と対向し、前記カテーテル本体の前記内腔側に位置する補強体部と、前記バルーン部と前記補強体部の間に流体を保持できる空間を形成するように構成されたシール部と、を有し、
    前記シール部は、前記カテーテル本体の長手方向と直交する方向で、前記補強体部と重なる位置に配置される、医療用長尺体。
  2. 前記補強体部は、前記第1領域及び前記第2領域の管壁を構成する本体部よりも硬い材料で構成された硬質部と、前記硬質部に形成された孔部と、を有し、
    前記シール部は、前記孔部を覆うように構成される、請求項1に記載の医療用長尺体。
  3. 前記シール部は、前記補強体部と前記バルーン部の間に配置される、請求項2に記載の医療用長尺体。
  4. 前記硬質部は、前記孔部よりも大きい開口部を備え、
    前記カテーテルハブは、前記カテーテル本体の周方向における前記開口部の位置を示す開口マーカー部を有する、請求項2又は請求項3に記載の医療用長尺体。
  5. 前記カテーテル本体は、前記バルーン部よりも基端側に形成され、前記カテーテル本体の内腔と連通する灌流用孔部と、を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  6. 前記バルーン部は、前記第2領域の周方向の一部に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  7. 前記カテーテル本体は、前記バルーン部よりも基端側に位置し、前記空間と前記カテーテル本体の外表面とを連通する注入口と、前記注入口に配置された前記シール部と、前記注入口の位置を示す注入口マーカー部と、を有する、請求項1、5、6のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載の医療用長尺体と、
    前記カテーテル本体の前記内腔に挿入可能な流体注入部材と、を備える医療器具組立体。
  9. 前記流体注入部材は、内腔を有し、前記カテーテル本体の前記内腔に挿入するように構成された流体注入部と、前記カテーテルハブと連結可能な注入部材ハブと、を備え、
    前記流体注入部は、側面で開口する側孔を有し、
    前記注入部材ハブは、前記流体注入部の周方向における前記側孔の位置を示す側孔マーカー部を有する、請求項8に記載の医療器具組立体。
  10. 前記流体注入部材は、前記側孔を介して前記シール部を穿刺することにより前記シール部を貫通可能に構成された針部材を有する、請求項9に記載の医療器具組立体。
JP2021054979A 2021-03-29 2021-03-29 医療用長尺体、及び医療器具組立体 Pending JP2022152272A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021054979A JP2022152272A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 医療用長尺体、及び医療器具組立体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021054979A JP2022152272A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 医療用長尺体、及び医療器具組立体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022152272A true JP2022152272A (ja) 2022-10-12

Family

ID=83556037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021054979A Pending JP2022152272A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 医療用長尺体、及び医療器具組立体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022152272A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6796972B1 (en) Catheter anchoring balloon structure with irrigation
JP4425546B2 (ja) 低抵抗の隔壁を有するカテーテル
EP2962720B1 (en) Sheath for sealed access to a vessel
CN104039384B (zh) 多次使用的拉伸和非穿透血液控制阀
US8192404B2 (en) Indwelling needle assembly
US20090192452A1 (en) Blood flow blocking catheter
KR20200037328A (ko) 바늘 및 카테터 삽입 디바이스
JP2009273609A (ja) 弁付きカテーテル
US20130211382A1 (en) Direction changing device, medical assembly having the same, and method
KR20180037216A (ko) 천공 시스템
WO2015146408A1 (ja) カテーテル組立体および内カテーテル
US20220409864A1 (en) Indwelling catheter, medical valve, and catheter assembly
US20200197662A1 (en) Introducer sheath
JP2007089607A (ja) イントロデューサシース
KR20200118090A (ko) 천자 시스템
KR20200135386A (ko) 유치 정맥 캐뉼라
US8690834B2 (en) Medical device with multi-port inflatable hemostatic valve system
JP2022152272A (ja) 医療用長尺体、及び医療器具組立体
US20220203073A1 (en) Catheter assembly
JP4900242B2 (ja) 大動脈内バルーンポンピングセット
WO2022138740A1 (ja) 医療器具および医療器具セット
JPH11299897A (ja) イントロデューサシース
US20210187245A1 (en) Catheter assembly
JP2019187771A (ja) カテーテル組立体
JP2007125126A (ja) 留置針組立体