JP2022151610A - 悪臭ガス吸着剤及び消臭製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも悪臭ガスに対する吸着能が高い悪臭ガス吸着剤及び消臭製品を提供する。【解決手段】金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む多孔性有機金属錯体を含有する、悪臭ガス吸着剤及びその応用。【選択図】なし
Description
本発明は、悪臭ガス吸着剤及び消臭製品に関する。
従来、活性炭及びゼオライトをはじめ、さまざまな材料を用いたガス吸着剤が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸又はそのエステルを配位子とする多孔性金属錯体を、生活臭用の消臭剤として用いることが開示されている。
ガス吸着剤において、悪臭ガス(例えば、酸性ガス)の吸着が求められる場合がある。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも悪臭ガスに対する吸着能が高い悪臭ガス吸着剤、及び消臭製品を提供することである。
<1>金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む多孔性有機金属錯体を含有する、悪臭ガス吸着剤。
<2>金属は、Zn、Zr、Ti、Al、及びCoからなる群より選択される少なくとも1種である、<1>に記載の悪臭ガス吸着剤。
<3>窒素原子を含む配位子は、芳香環又は複素環を有する、<1>又は<2>に記載の悪臭ガス吸着剤。
<4>酸性ガスを吸着するために用いられる、<1>~<3>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<5>多孔性有機金属錯体は粒子であり、粒子の一次粒径が0.05μm~3.0μmである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<6>ガスの吸着容量が50mL/g以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<7>金属がZnであり、配位子がイミダゾール系化合物である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<8><1>~<7>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤を含む消臭製品。
<2>金属は、Zn、Zr、Ti、Al、及びCoからなる群より選択される少なくとも1種である、<1>に記載の悪臭ガス吸着剤。
<3>窒素原子を含む配位子は、芳香環又は複素環を有する、<1>又は<2>に記載の悪臭ガス吸着剤。
<4>酸性ガスを吸着するために用いられる、<1>~<3>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<5>多孔性有機金属錯体は粒子であり、粒子の一次粒径が0.05μm~3.0μmである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<6>ガスの吸着容量が50mL/g以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<7>金属がZnであり、配位子がイミダゾール系化合物である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤。
<8><1>~<7>のいずれか1つに記載の悪臭ガス吸着剤を含む消臭製品。
本発明によれば、従来よりも悪臭ガスに対する吸着能が高い悪臭ガス吸着剤、及び消臭製品を提供することができる。
以下、本発明の悪臭ガス吸着剤及び消臭製品について詳細に説明する。
本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
<悪臭ガス吸着剤>
本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む多孔性有機金属錯体を含有する。本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、多孔性有機金属錯体に含まれる配位子が窒素原子を含むため、ガス中の成分が窒素原子と反応して化学吸着する。また、ガス中の成分が多孔性金属錯体の細孔内へ物理吸着する。本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、比表面積が大きい上、化学吸着と物理吸着の両方の作用により、従来よりも悪臭ガスに対する吸着能が高い。
本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む多孔性有機金属錯体を含有する。本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、多孔性有機金属錯体に含まれる配位子が窒素原子を含むため、ガス中の成分が窒素原子と反応して化学吸着する。また、ガス中の成分が多孔性金属錯体の細孔内へ物理吸着する。本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、比表面積が大きい上、化学吸着と物理吸着の両方の作用により、従来よりも悪臭ガスに対する吸着能が高い。
なお、本開示において、「悪臭ガス」とは、人が不快に感じるガスをいう。人が不快に感じるガスとは、一般的に、ガスの官能試験における9段階快・不快度表示法においてマイナス側に評価されるガスのことを指す。
(多孔性有機金属錯体)
多孔性有機金属錯体は、金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む。「多孔性」とは、複数の孔を有する構造であることを指し、複数の孔は互いに連通してもよく、連通していなくてもよい。
多孔性有機金属錯体は、金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む。「多孔性」とは、複数の孔を有する構造であることを指し、複数の孔は互いに連通してもよく、連通していなくてもよい。
-金属-
多孔性有機金属錯体に含まれる金属は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
多孔性有機金属錯体に含まれる金属は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
多孔性有機金属錯体に含まれる金属は特に限定されず、例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、及びBiが挙げられる。中でも、ガス吸着能を向上させる観点から、金属は、Zn、Zr、Ti、Al、及びCoからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、Znであることがより好ましい。
-配位子-
多孔性有機金属錯体に含まれる配位子は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。多孔性有機金属錯体に含まれる配位子が2種以上である場合、窒素原子を含む配位子が少なくとも1種含まれていればよく、窒素原子を含まない配位子が含まれていてもよい。
多孔性有機金属錯体に含まれる配位子は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。多孔性有機金属錯体に含まれる配位子が2種以上である場合、窒素原子を含む配位子が少なくとも1種含まれていればよく、窒素原子を含まない配位子が含まれていてもよい。
窒素原子を含む配位子としては、例えば、アミン化合物及び含窒素複素環式化合物が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、モノアミン、ジアミン、及びトリアミンが挙げられる。アミン化合物は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウムのいずれであってもよい。
アミン化合物としては、例えば、アニリン、1,2-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノベンゼン、1,3,5-トリアミノベンゼン、2-アミノテレフタル酸等の芳香族アミンが挙げられる。
また、含窒素複素環式化合物としては、ピリジン、ピロリジン、ピロリン、ピペリジン、ピリミジン、インドール、アザインドール、カルバゾール、インダゾール、ノルハルマン、ハルマン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピロール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアジン、ベンズイソオキサゾール、ピラジン、キノリン、ベンゾキノリン、アクリジン、チアゾリン、キヌクリジン、イミダゾリン、オキサゾリン、チアゾリン、及びイソキノリン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
中でも、悪臭ガスの吸着能を向上させる観点から、配位子は、芳香環又は複素環を有することが好ましい。芳香環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、インデン環、及びインダン環が挙げられる。複素環としては、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、ピリダジン環、及びピリミジン環が挙げられる。中でも、配位子は、複素環を有することが好ましく、含窒素複素環を有することがより好ましい。
特に、悪臭ガスの吸着能をより向上させる観点から、配位子は、含窒素複素環を有することがより好ましく、イミダゾール系化合物であることが好ましい。イミダゾール系化合物には、イミダゾールと、イミダゾールの誘導体と、が包含される。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、及びベンズイミダゾールが挙げられる。
悪臭ガス吸着剤に含まれる多孔性有機金属錯体は、金属がZnであり、配位子がイミダゾール系化合物であることが好ましい。また、多孔性有機金属錯体は、ゼオライト様イミダゾレート構造体(ZIF)であることが好ましい。
悪臭ガス吸着剤は、多孔性有機金属錯体以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、特に制限はなく、例えば、酸性ガス消臭剤、塩基性ガス消臭剤、硫黄系ガス消臭剤、アルデヒド系ガス消臭剤、ケトン系ガス消臭剤等の公知のその他の消臭剤;抗菌剤、防カビ剤、抗ウイルス加工剤、抗アレルゲン剤、消泡剤、着色剤、防腐剤、粘度調整剤、香料、界面活性剤、水、溶剤、保存料、保湿剤、増粘剤、pH調整剤、漂白剤、キレート剤、水溶性塩類、及び油剤が挙げられる。
多孔性有機金属錯体は、1種単独で含まれてもよいし、2種以上含まれてもよい。
悪臭ガス吸着剤中、多孔性有機金属錯体の含有量は、悪臭ガス吸着剤の全量に対して、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。多孔性有機金属錯体の含有量の上限値は特に限定されず、例えば、100質量%である。すなわち、悪臭ガス吸着剤は、多孔性有機金属錯体のみからなっていてもよい。
悪臭ガス吸着剤中、多孔性有機金属錯体の含有量は、悪臭ガス吸着剤の全量に対して、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。多孔性有機金属錯体の含有量の上限値は特に限定されず、例えば、100質量%である。すなわち、悪臭ガス吸着剤は、多孔性有機金属錯体のみからなっていてもよい。
-物性-
多孔性有機金属錯体は、最大細孔径が0.2nm~2.0nmであることが好ましく、0.4nm~1.5nmであることがより好ましい。
多孔性有機金属錯体は、最大細孔径が0.2nm~2.0nmであることが好ましく、0.4nm~1.5nmであることがより好ましい。
最大細孔径とは、多孔性有機金属錯体に形成されている細孔における最大直径を意味する。細孔口径とは、多孔性有機金属錯体に形成されている細孔の入口の直径を意味する。
最大細孔径は、窒素吸着測定装置を用いて測定され、例えば、型番「AUTOSORB-1」(カンタクローム インスツルメンツ社製)を用いて測定される。
最大細孔径は、窒素吸着測定装置を用いて測定され、例えば、型番「AUTOSORB-1」(カンタクローム インスツルメンツ社製)を用いて測定される。
多孔性有機金属錯体は、粒子であることが好ましく、粒子の一次粒径が0.05μm~3.0μmであることが好ましく、0.1μm~2.0μmであることがより好ましく、0.2μm~1.5μmであることがさらに好ましい。
一次粒径は、以下の方法で測定される。
まず、多孔性有機金属錯体を、セミインレンズ式走査型電子顕微鏡(製品名「S-4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて適切な倍率で観察する。得られたSEM画像をもとに、粒子を特定する。単一の粒子が観察可能な倍率におけるSEM画像で、粒子の最も長い部分の径を測定する。100個の粒子について測定を行い、平均値を一次粒径とする。
まず、多孔性有機金属錯体を、セミインレンズ式走査型電子顕微鏡(製品名「S-4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて適切な倍率で観察する。得られたSEM画像をもとに、粒子を特定する。単一の粒子が観察可能な倍率におけるSEM画像で、粒子の最も長い部分の径を測定する。100個の粒子について測定を行い、平均値を一次粒径とする。
(用途)
本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、酸性ガスを吸着するために用いられることが好ましい。酸性ガスとは、遊離性のプロトンを持ち、揮発性を示す分子のガスのことである。酸性ガスとしては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等のカルボン酸類;塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素類;炭酸、硝酸、硫酸等の無機酸類;硫化水素等の酸性のガスが挙げられる。中でも、本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等のカルボン酸類、及び硫化水素を吸着するために用いられることがより好ましい。また、本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、酢酸ガスを吸着するために用いられることが特に好ましい。すなわち、本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、酸性ガス用吸着剤であることが好ましく、酢酸ガス用吸着剤であることがより好ましい。
本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、酸性ガスを吸着するために用いられることが好ましい。酸性ガスとは、遊離性のプロトンを持ち、揮発性を示す分子のガスのことである。酸性ガスとしては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等のカルボン酸類;塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素類;炭酸、硝酸、硫酸等の無機酸類;硫化水素等の酸性のガスが挙げられる。中でも、本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸等のカルボン酸類、及び硫化水素を吸着するために用いられることがより好ましい。また、本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、酢酸ガスを吸着するために用いられることが特に好ましい。すなわち、本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、酸性ガス用吸着剤であることが好ましく、酢酸ガス用吸着剤であることがより好ましい。
悪臭ガス吸着剤におけるガスの吸着容量は特に限定されないが、50mL/g以上であることが好ましく、100mL/g以上であることがより好ましく、150mL/gであることがさらに好ましい。ガスの吸着容量の上限値は、特に限定されない。また、悪臭ガス吸着剤における酸性ガスの吸着容量は50mL/g以上であることが好ましく、100mL/g以上であることがより好ましく、150mL/gであることがさらに好ましい。
本発明において、「吸着容量」とは、悪臭ガス吸着剤が吸着できる特定ガスの最大量を意味し、物理吸着と化学吸着の両吸着機構で吸着した吸着容量を意味する。
本発明において、ガスの吸着容量は、以下の方法で測定される。
(1)悪臭ガス吸着剤を、ビニルアルコール系ポリマーフィルム製の袋に入れて密封し、容量が3Lになるように、袋の中に空気を入れる。
(2)この袋に、特定ガスの濃度が30ppmとなるように特定ガスを入れる。
(3)30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定し、その後、この袋に、30ppm分の特定ガスを追加する。
(4)さらに30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定する。
(5)袋内の特定ガスの濃度が低下しなくなるまで(すなわち、30分後に、残存する特定ガスの濃度が、直前の測定で得られた特定ガスの濃度よりも30ppm多いことが確認されるまで)上記(2)及び(3)の操作を繰り返す。
(6)ガス濃度が低下しなくなった時点を、悪臭ガス吸着剤が吸着できる特定ガス量の限界点(すなわち、試験終了点)として、特定ガスを入れる操作を停止する。
下記式に基づいて、悪臭ガス吸着剤の酢酸ガス吸着容量を算出する。
ガス吸着容量(mL/g)=[{試験終了点までのガス注入回数×30(ppm)-試験終了時の残存ガス量(ppm)}×3000(mL)×1/1000000]/測定に用いた悪臭ガス吸着剤の量(g)
(2)この袋に、特定ガスの濃度が30ppmとなるように特定ガスを入れる。
(3)30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定し、その後、この袋に、30ppm分の特定ガスを追加する。
(4)さらに30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定する。
(5)袋内の特定ガスの濃度が低下しなくなるまで(すなわち、30分後に、残存する特定ガスの濃度が、直前の測定で得られた特定ガスの濃度よりも30ppm多いことが確認されるまで)上記(2)及び(3)の操作を繰り返す。
(6)ガス濃度が低下しなくなった時点を、悪臭ガス吸着剤が吸着できる特定ガス量の限界点(すなわち、試験終了点)として、特定ガスを入れる操作を停止する。
下記式に基づいて、悪臭ガス吸着剤の酢酸ガス吸着容量を算出する。
ガス吸着容量(mL/g)=[{試験終了点までのガス注入回数×30(ppm)-試験終了時の残存ガス量(ppm)}×3000(mL)×1/1000000]/測定に用いた悪臭ガス吸着剤の量(g)
本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、消臭剤として種々の用途に使用することができる。本発明の一実施形態である悪臭ガス吸着剤は、繊維、樹脂、液体(例えば、水、有機溶剤等)等に配合し、消臭製品を製造するための原料として利用できる。
消臭製品の用途としては、例えば、消臭加工液、消臭繊維、消臭樹脂組成物、消臭布帛及び消臭濾材が挙げられる。
<消臭製品>
本発明の一実施形態である消臭製品は、上記悪臭ガス吸着剤を含む。
-消臭樹脂組成物-
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭樹脂組成物に適用することができる。
本発明の一実施形態である消臭製品は、上記悪臭ガス吸着剤を含む。
-消臭樹脂組成物-
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭樹脂組成物に適用することができる。
本発明の一実施形態である消臭樹脂組成物は、上記悪臭ガス吸着剤及び樹脂を含む。
消臭樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記悪臭ガス吸着剤と樹脂とを混合した後に成型する方法、及び、高濃度の悪臭ガス吸着剤を含有するペレット状の樹脂をあらかじめ調製し、ペレット状の樹脂と他の樹脂とを混合した後に成型する方法が挙げられる。成型方法としては、射出成型、押出成型、インフレーション成型、及び真空成型が挙げられる。
消臭樹脂組成物を構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS樹脂)、ナイロン、ポリスチレン、及びポリカーボネート及び塩化ビニル樹脂が挙げられる。
消臭樹脂組成物中、悪臭ガス吸着剤の含有量は、消臭樹脂組成物の全量に対して、0.1質量%~35質量%であることが好ましく、0.2質量%~30質量%であることがより好ましく、0.5質量%~25質量%であることがさらに好ましい。
消臭樹脂組成物には、顔料、染料、酸化防止剤、耐光安定剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラス繊維、防湿剤、増粘剤、酸性ガス消臭剤、塩基性ガス消臭剤、硫黄系ガス消臭剤、アルデヒド系ガス消臭剤、ケトン系ガス消臭剤等の公知のその他の消臭剤;抗菌剤、防カビ剤、抗ウイルス加工剤、抗アレルゲン剤、消泡剤、着色剤、防腐剤、粘度調整剤、香料、界面活性剤、保存料、保湿剤、水溶性塩類、油剤等の添加剤が含まれていてもよい。
本発明の一実施形態である消臭樹脂組成物は、消臭性を必要とするさまざまな製品に適用可能であり、例えば、空気清浄器、冷蔵庫、エアコン等の家電製品;ゴミ箱、水切り、ラップ、スポンジ等の一般家庭用品;ポータブルトイレ等の各種介護用品、壁紙、便器、便座、キッチンカウンター、換気扇フィルター、塗料等の住宅建材製;車両内装、ペット製品、及び日用品が挙げられる。
-消臭加工液-
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭加工液に適用することができる。
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭加工液に適用することができる。
消臭加工液は、上記悪臭ガス吸着剤を含み、悪臭ガス吸着剤以外に、分散媒、分散剤、及び接着剤を含むことが好ましい。
分散媒としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の有機溶剤、及び、水が挙げられる。
分散媒が水である場合に、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸系分散剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系分散剤、ポリエチレングリコール、アルキルスルホン酸系分散剤、第4級アンモニウム系分散剤、高級アルコールアルキレンオキサイド系分散剤、及びポリリン酸系分散剤が挙げられる。また、分散媒が有機溶剤である場合に、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アルキルエステル系分散剤、ポリエーテル系分散剤、ポリアルキルアミン系分散剤、多価アルコールエステル系分散剤、及びアルキルポリアミン系分散剤が挙げられる。
接着剤としては、例えば、ノボラック型又はレゾール型のフェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、及びメラミン樹脂が挙げられる。
消臭加工液中、悪臭ガス吸着剤の含有量は、消臭加工液の全量に対して、0.1質量%~50質量%であることが好ましく、0.2質量%~30質量%であることがより好ましく、0.3質量%~20質量%であることがさらに好ましい。
-消臭繊維-
上記悪臭ガス吸着剤は、悪臭ガス吸着性能が高く、かつ、一次粒径が0.05~3.0μmと小さいため、糸切れすることなく紡糸することが可能である。そのため、消臭繊維に適用することができる。
上記悪臭ガス吸着剤は、悪臭ガス吸着性能が高く、かつ、一次粒径が0.05~3.0μmと小さいため、糸切れすることなく紡糸することが可能である。そのため、消臭繊維に適用することができる。
消臭繊維を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記悪臭ガス吸着剤を繊維原料に練り込んだ後に紡糸する方法、及び、紡糸した化学繊維、天然繊維等の繊維に上記悪臭ガス吸着剤を含む消臭加工液を塗工し、乾燥させる方法等が挙げられる。
消臭繊維を構成する繊維は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維;及び、ガラス繊維、炭素繊繊維、アルミナ繊維、金属繊維等の無機繊維が挙げられる。これらの繊維を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
消臭繊維中、悪臭ガス吸着剤の含有量は、消臭繊維の全量に対して、0.1質量%~5.0質量%であることが好ましく、0.2質量%~3.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%~2.0質量%であることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態である消臭繊維は、さまざまな繊維製品に適用可能であり、例えば、肌着、ストッキング、靴下、マスク、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファー、カーシート、エアーフィルター、空気清浄機フィルター、エアコンフィルター及び介護用衣類に適用可能である。
-消臭布帛-
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭布帛に適用することができる。布帛は、織布であってもよく、不織布であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭布帛に適用することができる。布帛は、織布であってもよく、不織布であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
消臭布帛を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記消臭繊維を用いて織る方法、上記消臭繊維を用いて公知の方法で不織布を作製する方法、及び、布帛に上記悪臭ガス吸着剤を含む消臭加工液を塗工し、乾燥させる方法が挙げられる。
消臭布帛中の悪臭ガス吸着剤の含有量は、消臭布帛の面積1m2に対して、0.1~5.0gであることが好ましく、0.2~4.0gであることがより好ましく、0.3~3.0gであることがさらに好ましい。
-消臭濾材-
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭濾材に適用することができる。
上記悪臭ガス吸着剤は、従来よりも酸性ガスに対する吸着能が高いため、消臭濾材に適用することができる。
消臭濾材を製造する方法は特に限定されず、例えば、基材に上記悪臭ガス吸着剤を含む消臭加工液を塗工し、乾燥させる方法、及び、上記消臭繊維又は消臭布帛を用いて消臭濾材を作製する方法が挙げられる。
基材は、ろ過可能なように孔を有していれば特に限定されず、例えば、繊維、セラミック及び金属が挙げられる。
消臭濾材中、悪臭ガス吸着剤の含有量は、基材の面積1m2に対して、0.1g~40gであることが好ましく、0.5g~35gであることがより好ましく、1.0g~30gであることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態である消臭濾材は、さまざまな製品に適用可能であり、例えば、エアーフィルター、空気清浄機フィルター、エアコンフィルター、水切り及び浄水器に適用可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ビーカーに純水35mLと2-メチルイミダゾール10gを加え、25℃で10分間撹拌し、2-メチルイミダゾール水溶液を調製した。次に、純水6mLと、硝酸亜鉛0.9gとを混合し、25℃で10分間撹拌し、硝酸亜鉛水溶液を調製した。さらに、2-メチルイミダゾール水溶液と硝酸亜鉛水溶液とを混合し、25℃で10分間撹拌した。得られた反応溶液をろ過し、ろ取した固体を純水で洗浄した。洗浄後の固体を80℃で一晩乾燥させてから乳鉢で粉砕することにより、多孔性有機金属錯体(ZIF-8)を得た。得られた多孔性有機金属錯体(ZIF-8)を悪臭ガス吸着剤とした。
なお、得られた多孔性有機金属錯体について、粉末X線回折測定により同定した結果、金属イオンに有機配位子が配位した結晶性物質であることが分かった。粉末X線回折測定結果を図1に示す。粉末X線回折測定は、粉末X線回折装置(製品名「D8 ADVANCE」、ブルカージャパン製)を用いて、回折角3°~50°の範囲で行った。
ビーカーに純水35mLと2-メチルイミダゾール10gを加え、25℃で10分間撹拌し、2-メチルイミダゾール水溶液を調製した。次に、純水6mLと、硝酸亜鉛0.9gとを混合し、25℃で10分間撹拌し、硝酸亜鉛水溶液を調製した。さらに、2-メチルイミダゾール水溶液と硝酸亜鉛水溶液とを混合し、25℃で10分間撹拌した。得られた反応溶液をろ過し、ろ取した固体を純水で洗浄した。洗浄後の固体を80℃で一晩乾燥させてから乳鉢で粉砕することにより、多孔性有機金属錯体(ZIF-8)を得た。得られた多孔性有機金属錯体(ZIF-8)を悪臭ガス吸着剤とした。
なお、得られた多孔性有機金属錯体について、粉末X線回折測定により同定した結果、金属イオンに有機配位子が配位した結晶性物質であることが分かった。粉末X線回折測定結果を図1に示す。粉末X線回折測定は、粉末X線回折装置(製品名「D8 ADVANCE」、ブルカージャパン製)を用いて、回折角3°~50°の範囲で行った。
<実施例2>
テフロン(登録商標)容器にN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40mL、2-アミノテレフタル酸0.62g、及びZrCl40.87gを加え、超音波撹拌により溶解させた。次に、テフロン容器に35質量%濃塩酸を0.375mL加え、テフロン容器をステンレスジャケットに入れて密閉し、静置した状態で120℃のオーブンで24時間加熱した。24時間後、室温まで放冷した。その後、テフロン容器の中身を50mL遠沈管に移し、遠心分離により沈殿物と上澄み液に分離した。デカンテーションにより上澄み液を除去し、沈殿物をDMF50mLに懸濁させた。再度、遠心分離を行い、上澄み液の除去を行った後、残った沈殿物をメタノール50mLに懸濁させた。再度、遠心分離を行い、上澄み液の除去を行った。その後、得られた沈殿物を100mLビーカーに移し、メタノール80mLに懸濁させ、25℃で一晩撹拌した。懸濁液を吸引ろ過し、ろ取した固体をメタノールで洗浄した。洗浄後の固体を、80℃で一晩乾燥し、多孔性有機金属錯体(UiO-66-NH2)を得た。得られた多孔性有機金属錯体(UiO-66-NH2)を悪臭ガス吸着剤とした。
なお、得られた多孔性有機金属錯体について、粉末X線回折測定により同定した結果、金属イオンに有機配位子が配位した結晶性物質であることが分かった。粉末X線回折測定結果を図2に示す。
テフロン(登録商標)容器にN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40mL、2-アミノテレフタル酸0.62g、及びZrCl40.87gを加え、超音波撹拌により溶解させた。次に、テフロン容器に35質量%濃塩酸を0.375mL加え、テフロン容器をステンレスジャケットに入れて密閉し、静置した状態で120℃のオーブンで24時間加熱した。24時間後、室温まで放冷した。その後、テフロン容器の中身を50mL遠沈管に移し、遠心分離により沈殿物と上澄み液に分離した。デカンテーションにより上澄み液を除去し、沈殿物をDMF50mLに懸濁させた。再度、遠心分離を行い、上澄み液の除去を行った後、残った沈殿物をメタノール50mLに懸濁させた。再度、遠心分離を行い、上澄み液の除去を行った。その後、得られた沈殿物を100mLビーカーに移し、メタノール80mLに懸濁させ、25℃で一晩撹拌した。懸濁液を吸引ろ過し、ろ取した固体をメタノールで洗浄した。洗浄後の固体を、80℃で一晩乾燥し、多孔性有機金属錯体(UiO-66-NH2)を得た。得られた多孔性有機金属錯体(UiO-66-NH2)を悪臭ガス吸着剤とした。
なお、得られた多孔性有機金属錯体について、粉末X線回折測定により同定した結果、金属イオンに有機配位子が配位した結晶性物質であることが分かった。粉末X線回折測定結果を図2に示す。
<比較例1>
ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸銅(製品名「Basolite C300」、BASF社製)を悪臭ガス吸着剤とした。
ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸銅(製品名「Basolite C300」、BASF社製)を悪臭ガス吸着剤とした。
<比較例2>
Y型ゼオライトを悪臭ガス吸着剤とした。
Y型ゼオライトを悪臭ガス吸着剤とした。
<比較例3>
ZSM-5型ゼオライトを悪臭ガス吸着剤とした。
ZSM-5型ゼオライトを悪臭ガス吸着剤とした。
<比較例4>
可溶性ジルコニウム塩及び可溶性ハフニウム塩を水に溶解した水溶液を調製し、ここに塩基を加えて水酸化物を生成させた後、水酸化物を分離回収することにより、水酸化ジルコニウムを得た。得られた水酸化ジルコニウムを悪臭ガス吸着剤とした。
可溶性ジルコニウム塩及び可溶性ハフニウム塩を水に溶解した水溶液を調製し、ここに塩基を加えて水酸化物を生成させた後、水酸化物を分離回収することにより、水酸化ジルコニウムを得た。得られた水酸化ジルコニウムを悪臭ガス吸着剤とした。
実施例及び比較例の悪臭ガス吸着剤を表1に示す。多孔性金属錯体を悪臭ガス吸着剤とした場合には、多孔性金属錯体の最大細孔径及び一次粒径を測定した。測定方法は、以下のとおりである。測定結果を表1に示す。
(最大細孔径)
型番「AUTOSORB-1」(カンタクローム インスツルメンツ社製)を用いて測定した。
型番「AUTOSORB-1」(カンタクローム インスツルメンツ社製)を用いて測定した。
(一次粒径)
多孔性有機金属錯体を、セミインレンズ式走査型電子顕微鏡(製品名「S-4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて適切な倍率で観察した。得られたSEM画像をもとに、粒子を特定した。単一の粒子が観察可能な倍率におけるSEM画像で、粒子の最も長い部分の径を測定した。100個の粒子について測定を行い、平均値を一次粒径とした。
多孔性有機金属錯体を、セミインレンズ式走査型電子顕微鏡(製品名「S-4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて適切な倍率で観察した。得られたSEM画像をもとに、粒子を特定した。単一の粒子が観察可能な倍率におけるSEM画像で、粒子の最も長い部分の径を測定した。100個の粒子について測定を行い、平均値を一次粒径とした。
実施例及び比較例の悪臭ガス吸着剤を用いて、酢酸ガス吸着容量を算出した。算出方法は以下のとおりである。結果を表2に示す。なお、酢酸ガス吸着容量は50mL/g以上であれば、実用上問題ないレベルである。
(1)悪臭ガス吸着剤を、ビニルアルコール系ポリマーフィルム製の袋に入れて密封し、容量が3Lになるように、袋の中に空気を入れた。
(2)この袋に、特定ガスの濃度が30ppmとなるように特定ガスを入れた。
(3)30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定し、その後、この袋に、30ppm分の特定ガスを追加した。
(4)さらに30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定した。
(5)袋内の特定ガスの濃度が低下しなくなるまで(すなわち、30分後に、残存する特定ガスの濃度が、直前の測定で得られた特定ガスの濃度よりも30ppm多いことが確認されるまで)上記(2)及び(3)の操作を繰り返した。
(6)ガス濃度が低下しなくなった時点を、悪臭ガス吸着剤が吸着できる特定ガス量の限界点(すなわち、試験終了点)として、特定ガスを入れる操作を停止した。
下記式に基づいて、悪臭ガス吸着剤の酢酸ガス吸着容量を算出した。
ガス吸着容量(mL/g)=[{試験終了点までのガス注入回数×30(ppm)-試験終了時の残存ガス量(ppm)}×3000(mL)×1/1000000]/測定に用いた悪臭ガス吸着剤の量(g)
(2)この袋に、特定ガスの濃度が30ppmとなるように特定ガスを入れた。
(3)30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定し、その後、この袋に、30ppm分の特定ガスを追加した。
(4)さらに30分後に、袋内に残存する特定ガスの濃度をガス検知管で測定した。
(5)袋内の特定ガスの濃度が低下しなくなるまで(すなわち、30分後に、残存する特定ガスの濃度が、直前の測定で得られた特定ガスの濃度よりも30ppm多いことが確認されるまで)上記(2)及び(3)の操作を繰り返した。
(6)ガス濃度が低下しなくなった時点を、悪臭ガス吸着剤が吸着できる特定ガス量の限界点(すなわち、試験終了点)として、特定ガスを入れる操作を停止した。
下記式に基づいて、悪臭ガス吸着剤の酢酸ガス吸着容量を算出した。
ガス吸着容量(mL/g)=[{試験終了点までのガス注入回数×30(ppm)-試験終了時の残存ガス量(ppm)}×3000(mL)×1/1000000]/測定に用いた悪臭ガス吸着剤の量(g)
表2に示すように、実施例1及び実施例2の悪臭ガス吸着剤では、比較例1の悪臭ガス吸着剤と比較して、酢酸ガス吸着容量が多く、酸性ガスに対する吸着能が高いことが分かった。
次に、実施例及び比較例の悪臭ガス吸着剤を用いて、消臭率を算出した。算出方法は以下のとおりである。結果を表3に示す。
悪臭ガス吸着剤20mgを、ビニルアルコール系ポリマーフィルム製の袋に入れて密封した。容量が3Lになるように、袋の中に空気を入れた。この袋に、酢酸ガス濃度が500ppmとなるように酢酸ガスを入れ、24時間静置した。酢酸ガスを注入してから2時間後に、袋内の残存酢酸ガス濃度をガス検知管で測定した。下記式に基づいて、悪臭ガス吸着剤の消臭率を算出した。
消臭率(%)=[{500-(残存酢酸ガス濃度)}(ppm)/(500ppm)]×100
消臭率(%)=[{500-(残存酢酸ガス濃度)}(ppm)/(500ppm)]×100
表3に示すように、実施例1及び実施例2の悪臭ガス吸着剤では、比較例1~比較例4の悪臭ガス吸着剤と比較して、消臭率が高く、酸性ガスに対する吸着能が高いことが分かった。
次に、実施例及び比較例の悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物を用いて、消臭率を算出した。算出方法は以下のとおりである。結果を表4及び表5に示す。
射出成型機で、ポリエステル(製品名「MA2101M」、ユニチカ社製)と悪臭ガス吸着剤とを練り込み、280℃でプレート状に成型加工した。ポリエステル100質量部に対する悪臭ガス吸着剤の添加量が3質量部となるように調整し、消臭樹脂組成物を得た。
成型加工して得られた消臭樹脂組成物をブレンダーで粉砕した。粉砕物1.0gを、ビニルアルコール系ポリマーフィルム製の袋に入れて密封した。容量が3Lになるように、袋の中に空気を入れた。この袋に、酢酸ガス濃度が30ppmとなるように酢酸ガスを入れ、静置した。酢酸ガスを注入してから2時間後に、袋内の残存酢酸ガス濃度をガス検知管で測定した。下記式に基づいて、悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物の消臭率を算出した。
消臭率(%)=[{30-(残存酢酸ガス濃度)}(ppm)/(30ppm)]×100
消臭率(%)=[{30-(残存酢酸ガス濃度)}(ppm)/(30ppm)]×100
射出成型機で、ポリエステル(製品名「MA2101M」、ユニチカ社製)と悪臭ガス吸着剤とを練り込み、280℃でプレート状に成型加工した。ポリエステル樹脂100質量部に対する悪臭ガス吸着剤の添加量が2質量部となるように調整し、消臭樹脂組成物Aを得た。
射出成型機で、ポリプロピレン(製品名「プライムポリプロ J707G」、プライムポリマー製)と悪臭ガス吸着剤とを練り込み、220℃でプレート状に成型加工した。ポリプロピレン樹脂100質量部に対する悪臭ガス吸着剤の添加量が2質量部となるように調整し、消臭樹脂組成物Bを得た。
射出成型機で、ポリエチレン(製品名「Hi-Zex 2100J」、プライムポリマー製)と悪臭ガス吸着剤とを練り込み、220℃でプレート状に成型加工した。ポリエチレン樹脂100質量部に対する悪臭ガス吸着剤の添加量が2質量部となるように調整し、消臭樹脂組成物Cを得た。
射出成型機で、アクリル樹脂(製品名「アクリペットVHS」、三菱ケミカル製)と悪臭ガス吸着剤とを練り込み、240℃でプレート状に成型加工した。アクリル樹脂100質量部に対する悪臭ガス吸着剤の添加量が2質量部となるように調整し、消臭樹脂組成物Dを得た。
成型加工して得られた消臭樹脂組成物A~Dを5mm×5mmの大きさにカットした。カットしたサンプル2.0gを、ビニルアルコール系ポリマーフィルム製の袋に入れて密封した。容量が3Lになるように、袋の中に空気を入れた。この袋に、酢酸ガス濃度が30ppmとなるように酢酸ガスを入れ、静置した。酢酸ガスを注入してから2時間後及び24時間後に、袋内の残存酢酸ガス濃度をガス検知管で測定した。上記消臭率の算出方法と同様に、悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物A~Dの消臭率を算出した。結果を表5に示す。
表4及び表5に示すように、実施例1の悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物では、比較例4の悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物と比較して、消臭率が高く、酸性ガスに対する吸着能が高いことが分かった。
次に、実施例1の悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物B及び消臭樹脂組成物Cを用いて、MFR(メルトフローレイト)を測定した。MFRに基づいて、悪臭ガス吸着剤を含む樹脂組成物の安定性を評価した。評価方法は以下のとおりである。
消臭樹脂組成物BのMFRを、メルトインデクサ(製品名「メルトインデクサG-02」、東洋精機社製)を用いて、JIS K 7210-1:2014に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定した。ブランクサンプルとして、射出成型機で、ポリプロピレン(製品名「プライムポリプロ J707G」、プライムポリマー製)を220℃でプレート状に成型加工したものを用いた。
メルトインデクサ(製品名「メルトインデクサG-02」、東洋精機社製)を用いて、JIS K 7210-1:2014に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定した。ブランクサンプルとして、射出成型機で、ポリエチレン(製品名「Hi-Zex 2100J」、プライムポリマー製)を220℃でプレート上状に成型加工したものを用いた。評価結果を表6に示す。
表6に示すように、実施例1の悪臭ガス吸着剤を含む消臭樹脂組成物では、悪臭ガスを含まないブランクサンプルと比較して、MFRの顕著な変化はなく、安定性に優れることが分かった。
Claims (8)
- 金属と、窒素原子を含む配位子と、を含む多孔性有機金属錯体を含有する、悪臭ガス吸着剤。
- 前記金属は、Zn、Zr、Ti、Al、及びCoからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の悪臭ガス吸着剤。
- 前記窒素原子を含む配位子は、芳香環又は複素環を有する、請求項1又は請求項2に記載の悪臭ガス吸着剤。
- 酸性ガスを吸着するために用いられる、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の悪臭ガス吸着剤。
- 前記多孔性有機金属錯体は粒子であり、粒子の一次粒径が0.05μm~3.0μmである、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の悪臭ガス吸着剤。
- ガスの吸着容量が50mL/g以上である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の悪臭ガス吸着剤。
- 前記金属がZnであり、前記配位子がイミダゾール系化合物である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の悪臭ガス吸着剤。
- 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の悪臭ガス吸着剤を含む消臭製品。
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---|---|---|---|
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---|---|
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---|---|---|---|
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2022
- 2022-01-31 JP JP2022013507A patent/JP2022151610A/ja active Pending
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