JP2022151518A - 積層体製造装置及び自己組織化単分子膜の形成方法 - Google Patents

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Koji Taguchi
直登 菅沼
Naoto Suganuma
豊治 寺田
Toyoji Terada
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【課題】基板表面に高密度な自己組織化単分子膜を形成することが可能な積層体製造装置を提供する。【解決手段】積層体製造装置1は、基板を収容する真空チャンバー2と、真空チャンバー内にガスを導入するガス導入口10と、真空チャンバー内にプラズマ雰囲気を形成するプラズマ発生部3、4と、を備え、真空チャンバー内に、親水性基を付与する蒸発源が供給された状態で、プラズマ発生部により形成されたプラズマ雰囲気により基板の膜形成面を改質し、該膜形成面を親水化する表面親水化モードと、膜形成面が親水化された基板に対し、真空チャンバー内が真空中、自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源が供給された状態で、自己組織化単分子膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、親水化された膜形成面上に自己組織化単分子膜を形成する自己組織化モードと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体製造装置、及び自己組織化単分子膜の形成方法に関する。
自動車部品やエレクトロニクス部品、その他の様々な分野において、接着層やコーティング層との密着性の向上や、樹脂表面の親水性化、撥水性化、親油化性や防汚性等の表面処理をすることが求められている。そこで、従来からプラズマ処理を行うことによって、接着層やコーティング層との密着性向上や、樹脂表面の親水性化、撥水性化を行ってきた。しかしながら、特に親水性化については、プラズマ処理のみでは経時変化があり、早いものでは、数時間で処理直後より1/2程度の効果に低減してしまう材質のものがある課題が存在する。また、最近は処理効果の保持、長期化の要望が高くなっている。
一方で現在、機能性コート用薄膜は様々な用途で使用されている。その中の一つに自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:以下、SAM膜という場合がある。)がある。SAM膜の一つの形態として、基板表面に水酸基やカルボキシル基等の極性基(親水性基)を付加し、金属アルコキシド系材料や有機シラン系材料、有機ホスホン酸系材料が自己集積して単層膜を形成する。金属アルコキシド系材料や有機シラン系材料は、加水分解反応後の生成物が基板表面の極性基との水素結合で集積し、脱水縮合反応により共有結合化される。また、有機ホスホン酸系材料の場合は、塩基性又は中性酸化物の基板表面の極性基との塩を形成し、脱水縮合反応によって共有結合化される。
SAM膜の作製方法としては、ウェットプロセスとドライプロセスに大別できる。前者はゾルゲル法と言われており、アルコール系の有機溶媒の溶剤に酸または塩基の触媒を用いる方法がとられる。前記金属アルコキシド又はアルコキシ有機シランを溶解させたアルコール溶液と、水を溶解させたアルコール溶液を別々に用意し、水系の溶液に触媒を溶解させておき、両者を混合させることで加水分解反応を促進させる。その後、ディップコーティング法、スプレーコーティング法やスピンコーティング法で塗工し、溶媒を蒸発させることで脱水縮合反応が進行する。
これに対して、前記ドライプロセスは、真空技術や放電技術を基礎とするものであり、溶媒や触媒を使用せずにSAM膜を形成することができる。真空プラズマ装置を用いて、水や酸素等のプラズマ処理により、基板表面に水酸基やカルボキシル基の親水性基を付加し、引き続いて、気相の金属アルコキシド材料やアルコキシ有機シラン材料を供給することにより、加水分解脱水縮合反応を進行させることが可能である。
特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材に、高周波プラズマ装置によりテトラメトキシシランと酸素の混合ガスプラズマを照射し、表面に水酸基を有する二酸化珪素膜を生成し、その後、二酸化珪素膜を有するPET基材を、オクタデシルトリメトキシシランと一緒に100℃オーブン中に5時間放置して、疎水性のSAM膜を形成していることが記載されている。
特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材に、高周波プラズマ装置により酸素ガスプラズマを照射し、PET基板表面に凹凸を形成すると同時に吸着基である水酸基を付加し、その後、テトラエトキシシランと酸素の混合ガスプラズマを照射し、親水性のSAM膜を形成していることが記載させている。
特許文献3には、SAM膜の製造装置として、電極を有するチャンバーを有し、直流電流を印加しつつ、表面にSi-H結合を導入し、ビニル誘導体のSAM膜を形成する装置が記載されている。
特許文献4には、、サンプル基材にSAM膜を形成する前に、サンプル基材表面の清掃を目的として、高周波プラズマ源によるプラズマを用いて、遠隔処理を行った後に、SAM膜を形成する装置が記載されている。
特開2003-276110号公報 特開2004-98350号公報 国際公開第2017/069221号 特許6265496号公報
近年、表面処理の分野で、撥水性、撥油性、親油性、親水性や防汚性等の表面処理された積層体の要望が高まってきている。
しかしながら、特許文献2の様に、サンプル表面に凹凸形成するようなエッチングを行うプラズマ処理では、基材の劣化を促進する問題を有する。
また、特許文献3では、SAM膜の形成工程の前処理としてのプラズマ処理は、別装置で行うことが記載されており、サンプル基材の移動に伴う工数に対する問題を有する。
さらに、特許文献4に記載の構成では、洗浄工程としての遠隔プラズマ処理となり、基材表面に水酸基等の親水性基を付与する力が弱く、親水性基が所望の密度に達しない問題を有する。
本発明は、高密度なSAM膜をドライプロセスで形成し、基板の前処理からSAM膜を高密度に成膜完了するまでの一貫の成膜工程を簡便に実施することができる積層体製造装置、及び自己組織化単分子膜の形成方法を提供することである。
本発明に係る積層体製造装置は、基板の膜形成面に自己組織化単分子膜を形成する積層体製造装置であって、基板を収容する真空チャンバーと、真空チャンバー内にガスを導入するガス導入口と、真空チャンバー内にプラズマ雰囲気を形成するプラズマ発生部と、を備え、真空チャンバー内に、親水性基を付与する蒸発源が供給された状態で、プラズマ発生部により形成されたプラズマ雰囲気により基板の膜形成面を改質し、該膜形成面を親水化する表面親水化モードと、膜形成面が親水化された基板に対し、真空チャンバー内が真空中、自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源が供給された状態で、自己組織化単分子膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、親水化された膜形成面上に自己組織化単分子膜を形成する自己組織化モードと、を有することを特徴とする。
本発明に係る自己組織化単分子膜の形成方法は、基板の表面に自己組織化単分子膜を形成する方法であって、真空チャンバー内に前記基板を配置する工程(A)と、真空チャンバー内に、基板表面に親水性基を付与する蒸発源を供給し、真空チャンバー内をプラズマ化することにより、蒸発源のプラズマを発生させて、基板表面を親水化する工程(B)と、工程(B)の後、真空チャンバー内に、自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源を供給した状態で、自己組織化単分子膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、基板表面に自己組織化単分子膜を形成する工程(C)と、を含み、工程(B)及び工程(C)は、真空チャンバーを大気に解放することなく実行されることを特徴とする。
本発明によれば、基板上にSAM膜を形成する直前の基板表面に対して、真空プラズマ処理を施すことにより、表面に凹凸を形成することなく、水酸基等の親水性基を高密度に付与することが可能となり、その上、基板に付与された親水性基による親水性の経時変化が生じる前に、高密度なSAM膜を形成することが可能である。
また、本発明によれば、基板を高周波真空プラズマの親水性処理の直後において、真空チャンバー内でSAM膜を形成する工程を行うことが可能となることにより、SAM膜形成工程において供給するSAM前駆体を活性化させ易く、基板に付与された親水性基との脱水縮合反応を促進させることが可能である。
さらに、本発明によれば、SAM膜をドライプロセスで形成し、基板の前処理からSAM膜を高密度に成膜完了するまでの一貫の成膜工程を容易に実施できるため、製造コストを低減することができ、SAM膜を簡便かつ容易に形成することができる。
本発明の実施形態に係る積層体製造を実施するための積層体製造装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る積層体製造を実施するための積層体製造装置の真空チャンバーの断面図である。 本発明の実施形態に係る変形例1の積層体製造を実施するための積層体製造装置の全体構成と示す模式図である。 本発明の実施形態に係る変形例2の積層体製造を実施するための積層体製造装置の全体構成と示す模式図である。 本発明の実施形態に係る変形例3の積層体製造を実施するための積層体製造装置の全体構成と示す模式図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る積層体製造装置の全体構成を示す模式図である。また、図2は、実施形態に係る積層体製造装置の真空チャンバーの断面図である。
本実施形態に係る積層体製造装置1は、基板の膜形成面にSAM膜の形成を実施するための装置である。
本実施形態では、基板として、少なくとも2つの面を有する基板Sが使用される。基板Sを構成する材料は、特に限定されず、例えば、SiO(ガラス)、Si、アルミナ、セラミック、サファイア等の無機材料、プラスチック、フィルム等の有機材料等が挙げられる。基板Sは、WET洗浄処理が施された基板であってもよい。
図1に示すように、積層体製造装置1は、基板Sを収容する真空チャンバー2と、真空チャンバー2内に基板Sを配置するサンプルステージを兼ねる下部電極3と、下部電極3に対向する上部電極4を有し、下部電極3には、プラズマ生成用電源7が接続されている。図1においては、下部電極3がサンプルステージを兼ねているが、上部電極4がサンプルステージを兼ねても良いし、下部電極3と上部電極4の両方がサンプルステージを兼ねても良い。また、プラズマ生成用電源7は、低周波電源を用いても良いし、高周波電源を用いても良い。さらに、真空チャンバー2内の圧力を監視する圧力ゲージ5と、アース6と、真空ポンプ9とが真空チャンバー2に接続されている。その上、プラズマ処理に使用するガス導入口10と、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質のバブラー15と、SAM膜の原料チャンバー18とが配管で接続されて真空チャンバー2に導入されている構造を有する。
更に、図2に示すように、本実施形態における真空チャンバー2は、上部チャンバー27と、下部チャンバー28とを有し、下部チャンバー28にO-リング30を有する。
本実施形態において、上部チャンバー27と、下部チャンバー28は、電気的に接地された電気伝導体で構成されており、真空チャンバー2の内壁面全体は、電位が接地となっている接地電位面となっている。上部チャンバー27と、下部チャンバー28を構成する電気導電体は、例えば、銅、ニッケル、チタン等の遷移金属、これらの合金、ステンレス鋼、モリブデン、タングステン等の高融点金属等で構成される金属材料である。
本実施形態では、上部チャンバー27の上部にガス導入部21を有し、プラズマ処理に使用するガス導入口10と、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質のバブラー15と、SAM膜の原料チャンバー18から接続された配管がガス導入部21に接続される。
本実施形態では、サンプルステージを兼ねる下部電極3は、電流導入端子22と電極ステージ23から構成されており、電流導入端子22の周囲と電極ステージ23の下部に絶縁部材26を配置している。また、電流導入端子22は高周波電源7と接続されている。下部電極3に対向している上部電極4はガスシャワー板24を兼ねている構造を有している。
本実施形態では、下部チャンバー28には、電極ステージ23を囲む形態でアースリング25が設けられている構造を有する。電極ステージ23とアースリング25の高さの差は略0mmとなることが好ましく、電極ステージ23よりアースリング25の方が高い方がよい。アースリング25は電極ステージ23との間隔が1mm以上5mm以下となるように形成されている。このような間隔を形成することにより、ガスの流れを制御し、プラズマの均一な領域を可能な限り広げることが可能となる。
アースリング25と電極ステージ23との間隔が1mm未満の場合、真空ポンプでガスを引く時に間隔が狭すぎて充分にガスを引くことができず、その上、異常放電が起こることにより、所望のプラズマを発生させることができない。また、アースリング25と電極ステージ23との間隔が5mmより大きくなると、電極ステージ23とアースリング25との間で異常放電が起こり、所望の均一なプラズマを発生させることができない。
また、下部チャンバー28には、電流導入端子22とアースリング25との間に真空排気口29を有し、真空ポンプ9と接続しており、排気流量調整バルブ8で真空度を調整する構成を有している。したがって、本実施形態の装置を用いることにより、SAM膜を形成する前処理工程においてプラズマ処理による親水化処理を良好に行うことが可能となる。
本実施形態では、プラズマ処理に使用するガスをガス導入口10から導入し、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー15と、SAM膜の原料チャンバー18の3系統のガス導入管と接続されている構成である。ガス導入管の配管には、ガスが液化しない様に、断熱材(図示せず)又はヒーター(図示せず)で囲まれた構造の配管が使用される。
本実施例形態においては、ガス導入口10から導入するプラズマ処理に使用するガスはガスボンベ(図示せず)から供給され、流量調整バルブ/マスフローコントローラ11を介して真空チャンバー2に導入される。プラズマ処理に使用されるガスとしては、サンプルSの表面に水酸基(OH基)を付与するガス、又はOH基を付与する工程の前処理用のガスが選択される。例えば、水蒸気(HO)、酸素(O)やアルゴン(Ar)等が挙げられる。表面にOH基を付与するガス、又はOHを付与する工程の前処理に使用することが可能なガスであれば、何ら限定するものではない。
プラズマ処理に使用されるガスが真空チャンバー2に供給される時は、真空チャンバー2を排気流量調節バルブ8と真空ポンプ9により真空度を制御し、下部電極3と上部電極4で放電することにより、上記ガスがプラズマ生成ガスとして機能し、サンプルSにプラズマ親水化処理を施す工程である。
本実施例形態においては、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17が注入されているバブラー15は、マントルヒーター16を備えており、加熱することによりプラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。バブラー15は、蒸気源17の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口12から流量調整バルブ/マスフローコントローラ13を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー15を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁14を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17として、サンプルSの表面にOH基を付与する蒸発源、又はSAM膜の前駆体の加水分解を促進する蒸発源が選択される。例えば、水(HO)が例示され、最も使用される。
プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17が真空チャンバー2に供給される時は、下部電極3と上部電極4で放電することにより、上記HOガス(水蒸気)がプラズマ生成ガスとして機能し、サンプルS表面にOH基を付与する工程となり、直後のSAM膜形成工程では、放電時のプラズマの残留成分(水蒸気)がSAM前駆体材料と加水分解反応を促進する。真空チャンバー2を排気流量調節バルブ8と真空ポンプ9により真空度を破らずに引き続きSAM前駆体の加水分解反応に関しては、放電中でも放電停止後でもどちらでも構わない。
本実施例形態においては、SAM前駆体材料の蒸気源20が注入されているSAM膜の原料チャンバー18は、マントルヒーター19を備えており、加熱することによりSAM膜の原料チャンバー18の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。SAM前駆体材料の蒸気源20として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
SAM前駆体材料の蒸気源20が真空チャンバー2に供給される時は、下部電極3と上部電極4で放電しても、しなくてもどちらでも良い。SAM膜形成工程では、SAM前駆体材料の蒸気源20がクロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料、ジシラザン系材料の場合は、放電時のプラズマの残留成分やHOがSAM前駆体材料と加水分解反応した後、サンプル表面に付与されたOH基、及び隣のSAM前駆体のOH基とが水素結合で自己組織化された後、脱水縮合反応が進み、SAM膜が形成される。SAM前駆体材料の蒸気源20がホスホン酸材料の場合は、加水分解の必要が無く、直接脱水縮合反応が進み、SAM膜が形成される。
以上、説明したように、本実施形態における積層体製造装置は、真空チャンバー内にプラズマ雰囲気を形成するプラズマ発生部を備え、以下の2つの処理をそれぞれ実行するモードを有する。
(1)真空チャンバー内に、親水性基を付与する蒸発源が供給された状態で、プラズマ発生部により形成されたプラズマ雰囲気により前記基板の膜形成面を改質し、膜形成面を親水化する表面親水化モード
(2)膜形成面が親水化された基板に対し、真空チャンバー内が真空中、SAM膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源が供給された状態で、SAM膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、親水化された膜形成面上にSAM膜を形成する自己組織化モード。
本実施形態において、表面親水化モードと、自己組織化モードとは、共通の真空チャンバー内で実行されることが好ましい。これにより、表面親水化モードから自己組織化モードへの移行を、真空チャンバーを大気に解放することなく行うことができる。なお、表面親水化モードと、自己組織化モードとを、別の真空チャンバー内で実行する場合は、真空状態を維持したまま基板を搬送できるロードロック式の真空チャンバーであることが好ましい。
本実施形態において、基板の表面に水酸基を付与する蒸発源、及び自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源は、共に水蒸気であることが好ましい。なお、自己組織化モードにおける水蒸気は、表面親水化モードで残存した水蒸気であってもよい。
本実施形態によれば、基板上にSAM膜を形成する直前の基板表面に対して、真空プラズマ処理を施すことにより、水酸基等の親水性基を高密度に付与することが可能となると共に、真空チャンバーを大気に解放することなく、基板に付与された親水性基による親水性の経時変化が生じる前に、基板表面に高密度なSAM膜を形成することが可能となる。
また、本実施形態におけるSAM膜の形成方法は、真空チャンバー内に基板を配置する工程(A)と、真空チャンバー内に、基板表面に親水性基を付与する蒸発源を供給し、真空チャンバー内をプラズマ化することにより、蒸発源のプラズマを発生させて、基板表面を親水化する工程(B)と、工程(B)の後、真空チャンバー内に、SAM膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源を供給した状態で、SAM膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、基板表面にSAM膜を形成する工程(C)とを含み、工程(B)及び工程(C)は、真空チャンバーを大気に解放することなく実行される。
本実施形態においては、構成の変更を行うことができる。以下、上記実施形態の変更例について説明する。
〔変更例1〕
以下、図3に基づいて変更例1である積層体製造装置100について説明する。
変更例1における積層体製造装置100は、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー15と、SAM膜の原料チャンバー18の2系統のガス導入管と接続されている構成であり、図1において、ガス導入口10からの配管を有さない構成である。前記ガス導入管の配管には、ガスが液化しない様に、断熱材(図示せず)又はヒーター(図示せず)で囲まれた構造の配管が使用される。
変更例1では、バブラー15には、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17が注入されている。バブラー15は、マントルヒーター16を備えており、加熱することによりプラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。バブラー15は、蒸気源17の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口12から流量調整バルブ/マスフローコントローラ13を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー15を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁14を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17は、蒸気源17のプラズマによりサンプルSの表面にOH基を付与する蒸発源、且つSAM膜の前駆体の加水分解を促進する蒸発源が選択される。例えば、水(HO)が例示され、最も使用される。
変更例1において、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17が真空チャンバー2に供給される時は、下部電極3と上部電極4で放電することにより、上記HOガス(水蒸気)がプラズマ生成ガスとして機能し、サンプルS表面にOH基を付与する工程となり、直後のSAM膜形成工程では、放電時のプラズマの残留成分がSAM前駆体材料と加水分解反応を促進する。
サンプルSが上記HOガス(水蒸気)のプラズマ処理のみで表面にOH基を付与する可能な材質のときに使用可能である構成になる。真空チャンバー2を排気流量調節バルブ8と真空ポンプ9により真空度を破らずに引き続きSAM前駆体の加水分解反応に関しては、放電中でも放電停止後でもどちらでも構わない。
変更例1においては、SAM前駆体材料の蒸気源20が注入されているSAM膜の原料チャンバー18は、マントルヒーター19を備えており、加熱することによりSAM膜の原料チャンバー18の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。SAM前駆体材料の蒸気源20として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
〔変更例2〕
以下、図4に基づいて変更例2である積層体製造装置200について説明する。
変更例2における積層体製造装置200は、プラズマ処理に使用するガスをガス導入口10から導入し、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー15と、SAM膜の原料チャンバー18と、SAM膜の原料のバブラーとして、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー15と同じバブラー35を追加した4系統のガス導入管と接続されている構成である。前記ガス導入管の配管には、ガスが液化しない様に、断熱材(図示せず)又はヒーター(図示せず)で囲まれた構造の配管が使用される。
変更例2においては、ガス導入口10から導入するプラズマ処理に使用するガスはガスボンベ(図示せず)から供給され、流量調整バルブ/マスフローコントローラ11を介して真空チャンバー2に導入される。プラズマ処理に使用されるガスとしては、サンプルSの表面に水酸基(OH基)を付与するガス、又はOH基を付与する工程の前処理用のガスが選択される。例えば、水蒸気(HO)、酸素(O)やアルゴン(Ar)等が挙げられ、表面にOH基を付与するガス、又はOHを付与する工程の前処理に使用することが可能なガスであれば、何ら限定するものではない。
プラズマ処理に使用されるガスが真空チャンバー2に供給される時は、真空チャンバー2を排気流量調節バルブ8と真空ポンプ9により真空度を制御し、下部電極3と上部電極4で放電することにより、上記ガスがプラズマ生成ガスとして機能し、サンプルSにプラズマ親水化処理を施す工程である。
変更例2において、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17が注入されているバブラー15は、マントルヒーター16を備えており、加熱することによりプラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。バブラー15は、蒸気源17の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口12から流量調整バルブ/マスフローコントローラ13を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー15を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁14を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17として、サンプルSの表面にOH基を付与する蒸発源、又はSAM膜の前駆体の加水分解を促進する蒸発源が選択される。例えば、水(HO)が例示され、最も使用される。
変更例2においては、SAM前駆体材料の蒸気源20が注入されているSAM膜の原料チャンバー18は、マントルヒーター19を備えており、加熱することによりSAM膜の原料チャンバー18の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。SAM前駆体材料の蒸気源20として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
変更例2においては、SAM前駆体材料の蒸気源37が注入されているバブラー35は、SAM膜原料を加熱せずに窒素(N)等のキャリアガスを流すことによりSAM膜原料の蒸気を真空チャンバー2に供給する場合等に使用する。バブラー35は、蒸気源37の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口32から流量調整バルブ/マスフローコントローラ33を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー35を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁34を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
SAM膜の原料のバブラー35は、SAM前駆体材料の蒸気源37として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
〔変更例3〕
以下、図5に基づいて変更例3である積層体製造装置300について説明する。
変更例3における積層体製造装置300は、プラズマ処理に使用するガスをガス導入口10から導入し、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー15と、SAM膜の原料チャンバー18と、SAM膜の原料のバブラーとして、プラズマ処理、且つSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー15と同じバブラー35及び45を追加した5系統のガス導入管と接続されている構成である。前記ガス導入管の配管には、ガスが液化しない様に、断熱材(図示せず)又はヒーター(図示せず)で囲まれた構造の配管が使用される。
変更例3の積層体製造装置300において、サンプルSに対してマスク等によるSAM膜の種類を変更することにより、親水性、撥水性、親油性、又は撥油性のパターンニングを行うときに、SAM膜原料の蒸発源の種類を連続して変更してSAM膜を形成することが容易にできる。
変更例3においては、ガス導入口10から導入するプラズマ処理に使用するガスはガスボンベ(図示せず)から供給され、流量調整バルブ/マスフローコントローラ11を介して真空チャンバー2に導入される。プラズマ処理に使用されるガスとしては、サンプルSの表面に水酸基(OH基)を付与するガス、又はOH基を付与する工程の前処理用のガスが選択される。例えば、酸素(O)やアルゴン(Ar)等が挙げられ、表面にOH基を付与する、又はOH基を付与する工程の前処理に使用することが可能なガスであれば、何ら限定するものではない。
プラズマ処理に使用されるガスが真空チャンバー2に供給される時は、真空チャンバー2を排気流量調節バルブ8と真空ポンプ9により真空度を制御し、下部電極3と上部電極4で放電することにより、上記ガスがプラズマ生成ガスとして機能し、サンプルSにプラズマ親水化処理を施す工程である。
変更例3において、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17が注入されているバブラー15は、マントルヒーター16を備えており、加熱することによりプラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。バブラー15は、蒸気源17の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口12から流量調整バルブ/マスフローコントローラ13を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー15を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁14を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17として、サンプルSの表面にOH基を付与する蒸発源、又はSAM膜の前駆体の加水分解を促進する蒸発源が選択される。例えば、水(HO)が例示され、最も使用される。
変更例3においては、SAM前駆体材料の蒸気源20が注入されているSAM膜の原料チャンバー18は、マントルヒーター19を備えており、加熱することによりSAM膜の原料チャンバー18の蒸気を発生させて、真空チャンバー2に供給する。SAM前駆体材料の蒸気源20として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
変更例3においては、SAM前駆体材料の蒸気源37が注入されているバブラー35は、SAM膜原料を加熱せずに窒素(N)等のキャリアガスを流すことによりSAM膜原料の蒸気を真空チャンバー2に供給する場合等に使用する。バブラー35は、蒸気源37の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口32から流量調整バルブ/マスフローコントローラ33を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー35を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁34を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
SAM膜の原料のバブラー35は、SAM前駆体材料の蒸気源37として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
変更例3においては、SAM前駆体材料の蒸気源47が注入されているバブラー45は、SAM膜原料を加熱せずに窒素(N)等のキャリアガスを流すことによりSAM膜原料の蒸気を真空チャンバー2に供給する場合等に使用する。バブラー45は、蒸気源47の蒸気をキャリアするためのキャリアガスの導入口42から流量調整バルブ/マスフローコントローラ43を介してキャリアガスが供給される配管と結合されており、バブラー45を通過することなく、バブラーからの蒸気と混合することが可能なキャリアガスが通るバイパス弁44を有する配管が構成されている。キャリアガスが不要な場合は、キャリアガスを流さなくても構わない。
SAM膜の原料のバブラー45は、SAM前駆体材料の蒸気源47として、SAM膜の前駆体材料が加水分解されてできたOH基とサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源、またはSAM前駆体材料の蒸発源の材料分子自体がサンプルSの表面に形成されたOH基の間で脱水縮合する蒸発源が選択される。例えば、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルジメチルクロロシラン、テトラヒドロオクチルメチルジクロロシラン(FOMDS)、ジクロロジメチルシラン(DDMS)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリクロロシラン(FDTS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)等のクロロシラン系、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)等のアルコキシシラン系、オクタデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルホスホン酸、等のホスホン酸系材料や、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のジシラザン系が挙げられ、SAM膜を形成することができる、クロロシラン系材料や、アルコキシシラン系材料や、ホスホン酸系材料や、ジシラザン系材料であれば限定されるものではない。
[比較例]
図2、3に示す積層体製造装置200による、変更例1の装置において、比較サンプルであるSiO(硝子)製の基板Sを真空チャンバー2の下部電極3上に設置し、上部チャンバー27で蓋をし、下部電極3に対して上部電極4が平行に対向するように設置した。
比較サンプルの表面にOH基を付与する工程を行った。真空チャンバー2内の雰囲気圧力を一度5~10Paに減圧した。その後、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17として水(HO)が注入されたバブラー15をマントルヒーター16によって、70℃まで加熱し、水蒸気のガスを真空チャンバー2に真空チャンバー2内の雰囲気圧力が100Paとなるように導入した。プラズマ生成電源7には13.56MHzの高周波電源を用いて、200Wの電力で3分間の水蒸気プラズマ照射を実施した。
水蒸気プラズマ照射後、真空チャンバー2を大気解放し、比較サンプルのSiO基板の水の接触角を測定したところ5°以下となり、測定限界を超える程度の超親水性の表面処理となっていることを確認した。
しかしながら、基板表面の親水化処理を行った後、真空チャンバー2を大気に開放して、基板表面にSAM膜の形成を行ったところ、SAM膜の形成に多大な時間を要してしまった。そのため、このようなSAM膜の形成は、工業的に採用することが難しい。
[実施例]
図2、3に示す積層体製造装置200による、変更例1の装置において、サンプルSであるSiO(硝子)製の基板をチャンバー2の下部電極3上に設置し、上部チャンバー27で蓋をし、下部電極3に対して上部電極4が平行に対向するように設置された。
比較例と同様の方法で、サンプルSの表面にOH基を付与する工程を行った。すなわち、チャンバー2内の雰囲気圧力を一度5~10Paに減圧した。その後、プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源17として水(HO)が注入されたバブラー15をマントルヒーター16によって、70℃まで加熱し、水蒸気のガスをチャンバー2にチャンバー2内の雰囲気圧力が100Paとなるように導入した。プラズマ生成電源7には13.56MHzの高周波電源を用いて、200Wの電力で3分間の水蒸気プラズマ照射を実施した。
SAM前駆体材料の蒸気源20として、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリメトキシシランを5cc注入したSAM膜の原料チャンバー18は、マントルヒーター19を用いて50℃に加熱した。プラズマ照射終了後、バブラー15のバルブを閉めた後、真空チャンバー2を大気解放することなく、SAM膜の原料チャンバー18のバルブを開放することにより1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリメトキシシランを真空チャンバー2内に導入し、20分間サンプルSのSiO基板を1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリメトキシシラン蒸気に暴露することによって、SAM膜をサンプル上に形成を行った。
SAM膜の原料チャンバー18のバルブを閉めた後、真空チャンバー2を大気解放し、サンプル基板Sの水の接触角を測定したところ、99°と撥水性処理が施されていることが確認された。したがって、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルシロキサン誘導体のSAM膜が高密度に形成されていることが確認された。
以上の結果から、本発明の積層体製造装置を使用することにより、SAM膜を簡便、容易にかつ再現性よく形成し積層体を製造することが確認された。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、表面親水化モード及び自己組織化モードを、真空チャンバーを大気に解放することなく、共通の真空チャンバー内で実行したが、SAM膜の形成に時間を要するものの、表面親水化モードを実行した後、一度、真空チャンバーを大気に解放し、その後、別の真空チャンバー内で自己組織化モードを実行してもよい。
1、100、200、300 積層体製造装置
2 真空チャンバー
3 下部電極(ステージ)
4 上部電極
5 圧力ゲージ
6 アース
7 プラズマ生成用電源
8 排気流量調整バルブ
9 真空ポンプ
10 ガス導入口
11、13、33、43 流量調整バルブ/マスフローコントローラ
12、32、42 キャリアガスの導入口
14、34、44 バイパス弁
15 プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質用のバブラー
16、19 マントルヒーター
17 プラズマ処理やSAM膜の成膜工程に必要な反応体物質である蒸気源
18 SAM膜の原料チャンバー
20 SAM前駆体材料の蒸気源
21 ガス導入部
22 電流導入端子
23 電極ステージ
24 ガスシャワー板
25 アースリング
26 絶縁部材
27 上部チャンバー
28 下部チャンバー
29 真空排気口
30 O-リング
35、45 SAM膜の原料のバブラー
37、47 SAM前駆体材料の蒸気源

Claims (13)

  1. 基板の膜形成面に自己組織化単分子膜を形成する積層体製造装置であって、
    基板を収容する真空チャンバーと、
    前記真空チャンバー内にガスを導入するガス導入口と、
    前記真空チャンバー内にプラズマ雰囲気を形成するプラズマ発生部と、
    を備え、
    前記真空チャンバー内に、親水性基を付与する蒸発源が供給された状態で、前記プラズマ発生部により形成されたプラズマ雰囲気により前記基板の膜形成面を改質し、該膜形成面を親水化する表面親水化モードと、
    前記膜形成面が親水化された基板に対し、前記真空チャンバー内が真空中、前記自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源が供給された状態で、前記自己組織化単分子膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、親水化された前記膜形成面上に前記自己組織化単分子膜を形成する自己組織化モードと、
    を有することを特徴とする積層体製造装置。
  2. 前記表面親水化モードと、前記自己組織化モードとは、共通の前記真空チャンバー内で実行されることを特徴とする請求項1に記載の積層体製造装置。
  3. 前記表面親水化モードから前記自己組織化モードへの移行は、前記真空チャンバーが大気に解放されることなく行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体製造装置。
  4. 前記基板の表面に水酸基を付与する蒸発源、及び前記自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源は、共に水蒸気であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の積層体製造装置。
  5. 前記自己組織化モードにおける水蒸気は、前記表面親水化モードで残存した水蒸気であることを特徴とする請求項4に記載の積層体製造装置。
  6. 前記プラズマ発生部は、前記基板を載置するステージを兼ねる下部電極と、前記下部電極に対向して配置される上部電極とがプラズマ発生電極として形成されていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の積層体製造装置。
  7. 前記自己組織化単分子膜の前駆体材料の蒸発源は、共通の前記ガス導入口から供給されることを特徴とする請求項4または5に記載の積層体製造装置。
  8. 前記ステージの周りには、アースリングが隙間を有するように設けられており、その隙間を通じて前記真空チャンバー内のガスが排出されることを特徴とする請求項6に記載の積層体製造装置。
  9. 前記ガス導入口に接続されるガス配管には、バブラーが設けられていることを特徴とする請求項1~8の何れかに記載の積層体製造装置。
  10. 基板の表面に自己組織化単分子膜を形成する方法であって、
    真空チャンバー内に前記基板を配置する工程(A)と、
    前記真空チャンバー内に、前記基板の表面に親水性基を付与する蒸発源を供給し、前記真空チャンバー内をプラズマ化することにより、前記蒸発源のプラズマを発生させて、前記基板表面を親水化する工程(B)と、
    前記工程(B)の後、前記真空チャンバー内に、前記自己組織化単分子膜の前駆体材料の加水分解を促進する蒸発源を供給した状態で、前記自己組織化単分子膜の前駆体材料の蒸発源を供給して、前記基板の表面に前記自己組織化単分子膜を形成する工程(C)と
    を含み、
    前記工程(B)及び前記工程(C)は、前記真空チャンバーを大気に解放することなく実行されることを特徴とする自己組織化単分子膜の形成方法。
  11. 基板の膜形成面に自己組織化単分子膜を形成する積層体製造装置であって、
    前記積層体製造装置は、前記基板を設置するチャンバーを有し、
    前記チャンバーは、前記チャンバー内にガスを導入するガス導入口と真空排気口と前記チャンバー内の圧力を監視する圧力ゲージを有する真空チャンバーであって、
    前記真空チャンバー内には、プラズマ生成用電源に接続された下部電極ステージと、前記下部電極ステージに対向するガスシャワー板を兼ねる上部電極と、前記ガスシャワー板を設置する内壁面を有し、前記内壁面がアース面であって、真空プラズマ処理プロセスの機能を有し、
    前記ガス導入口には、プラズマ生成ガスと前記自己組織化単分子膜の原料ガス等の少なくとも2系統以上のガス導入配管が接続されており、
    プロセスの切替時に導入ガスの切替又は混合する機能を有すること特徴とする積層体製造装置。
  12. 前記上部電極又は/且つ前記下部電極ステージがサンプルステージの機能を有することを特徴とする請求項11に記載の積層体製造装置。
  13. 前記ガス導入配管が3系統以上5系統以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の積層体製造装置。
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