JP2022150581A - 光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法 - Google Patents

光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分光器の掃引のために必要な駆動機構における加工精度やバックラッシュなどの影響も含めて校正可能にすること。【解決手段】エタロンを透過した広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に校正点として多数のサンプリング点を形成し、サンプリング点のそれぞれについて、周波数変化量δf(i)を算出し、その誤差量に基づいて波長制御部における波長制御データを補正する。エタロンスペクトル実測データに対するデジタル直交検波処理によりIQ信号を生成し、このIQ信号から校正点毎に周波数変化量δf(i)を求めて補正する。分光部における位置を基準位置からのモータ回転量で把握する場合に、スピンドルのねじ山の加工精度などに起因して発生する波長ずれを高精度で校正できる。【選択図】図5

Description

本発明は、光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法に関する。
例えば、特許文献1のような分光装置を利用して光スペクトラムアナライザを構成することができる。光スペクトラムアナライザは、分光装置に入射する被測定光を分光して波長又は周波数毎の強度を計測し、被測定光における波長又は周波数毎の強度分布(スペクトラム)をグラフ形式で表示することができる。
特許文献1の分光装置は、計測する光スペクトルの波長精度を改善するための技術を示している。具体的には、エタロン(Etalon)を用いて広波長帯域の参照光から波長の測定基準信号を作成することにより、測定精度を向上させることが提案されている。
特開平2-112138号公報
一般的な光スペクトラムアナライザにおいては、分光器として回折格子やプリズム等の分散型分光素子が用いられる。そして、被測定光は入射スリットから入力し、コリメータにて平行光線となり、分散型分光素子への入射光に対応した角度で任意の波長を回折し、回折された被測定光は集光器で集光されて出射スリットを通過し、受光器に入力される。受光器は入力した光強度に比例した電気信号を出力し、分光器を通過した波長の光信号強度を検出することができる。
分光器で分光される波長は、分散型分光素子への入射光の入射角に対応した回折光の回折角によって決定され、モータ等を用いた駆動機構により制御される。このような分光器を有する光スペクトラムアナライザでは、駆動機構を制御して分光器の出力波長を選択し、被測定光に含まれる波長毎の光信号強度を連続的に検出することにより、光スペクトルを得る。駆動機構は、モータや機械的連結部材を使用しており、必ずしも分光器の波長を正確に制御することができず、得られる被測定光の光スペクトルの波長精度が悪化する。
特許文献1のようにエタロンを用いた場合には、エタロンを透過した光のスペクトルを波長の目盛りとして利用できるので、被測定光のスペクトルにおける測定波長を把握するためにこの目盛りを利用できる。
特許文献1に示されているように、エタロンの表面にほぼ垂直に光を照射した場合、入射光は厚さdの内部で反射を繰り返した後、反対面から外部へ送出される。この場合の光の透過率αは、反射率R、屈折率n、厚さd、入射光に対する傾斜角θ、入射光の波長λの関数となる。但し、反射率R、屈折率n、厚さdは、エタロンの物理特性によって定まる定数である。また、傾斜角θは、エタロンを分光装置内に一旦取り付けると定数となる。そのため、入射光の波長λを変化させると、透過率αは、波長λを変数とする三角関数の波長となる。そして、波長間隔Δλ毎に各ピーク信号が生じる[Δλ=λ2/(2・n・d・cosθ)]。
上記のような従来の光スペクトラムアナライザでは、エタロンの特性によりスペクトルに生じるリップル変動のピーク位置を基準にして波長又は周波数の校正を行っている。
しかしながら、各ピーク位置の波長で正しく校正した場合でも、ピーク位置以外の波長位置で微妙な波長誤差が発生するのは避けられなかった。例えば、分光器が出力する波長を掃引するための駆動機構がモータで回転駆動されるスピンドル、及びこのスピンドルと螺合するナットとを含む場合がある。その場合は、スピンドルの外周に形成されているねじ山のピッチ毎に、加工精度に起因して発生する僅かな位置ずれや、スピンドルとナットとの間の間隙に起因するバックラッシュの影響が、分光器の駆動位置と分光器が出力する光の波長との関係に誤差をもたらす。つまり、モータの回転量に基づいて分光器の位置を把握するような場合には、モータの回転量と位置の変化量との間に誤差が発生し波長がずれる。このような誤差は、エタロンの各ピーク位置で校正を行っても除去することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分光器の掃引のために必要な駆動機構における加工精度やバックラッシュなどの影響も含めて校正することが可能な光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法は、下記(1)~(7)を特徴としている。
(1) 広波長帯域の光を出射する広帯域光源部と、
前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部と、
被測定光を入力する光入射部と、
前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光し、分光された任意の波長の光を出力する分光部と、
前記分光部の出力光の波長、又は周波数を制御するための波長制御データを有する波長制御部と、
前記波長制御データを補正する波長制御データ補正処理部と、
前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部と、
を備え、
前記波長制御データ補正処理部が、前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
光スペクトラムアナライザ。
(2) 前記分光部は、その出力光の波長を変更するための可動部、及び前記可動部を駆動可能な駆動部を有する、
上記(1)に記載の光スペクトラムアナライザ。
(3) 前記波長制御データ補正処理部は、前記エタロンの透過光スペクトルに生じるリップルの固有の変動周期に基づく理論上の正弦波信号と、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を実測して得られるエタロンスペクトルデータとに基づいて、デジタル直交検波を実施した結果に基づき、前記エタロンの透過光における各サンプリング点の周波数又は位相のずれ量を算出する、
上記(1)又は(2)に記載の光スペクトラムアナライザ。
(4) 波長が既知の基準光を出射する基準光源部を有し、
前記分光部は、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光と、前記基準光と、前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を入力して分光する、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光スペクトラムアナライザ。
(5) 波長校正モードと、測定モードとを選択可能なモード制御部を有し、
前記モード制御部は、
前記波長校正モードでは、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を選択して前記分光部で分光し、
前記測定モードでは、前記光入射部からの被測定光を選択して前記分光部で分光し、
前記波長校正モード、及び前記測定モードを含む複数種類のモードを周期的に切り替えながら測定を実施する、
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光スペクトラムアナライザ。
(6) 波長校正第1モードと、波長校正第2モードと、測定モードとを選択可能なモード制御部を有し、
前記モード制御部は、
前記波長校正第1モードでは、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を選択して前記分光部に入力し、
前記波長校正第2モードでは、前記基準光を選択して前記分光部に入力し、
前記測定モードでは、前記入射部からの被測定光を選択して前記分光部に入力し、
前記波長校正第1モード、前記波長校正第2モード、及び前記測定モードを含む複数種類のモードを周期的に切り替えながら測定を実施する、
上記(4)に記載の光スペクトラムアナライザ。
(7) 広波長帯域の光を出射する広帯域光源部と、前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部と、被測定光を入力する光入射部と、前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光された任意の波長の光を出力する分光部と、前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部と、波長制御データを有する波長制御部とを備える光スペクトラムアナライザを制御するための波長校正制御方法であって、
前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
波長校正制御方法。
上記(1)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、波長制御データ補正処理部はエタロンのリップル変動波形におけるピーク位置の間に設けた複数のサンプリング点でそれぞれ誤差量を算出して波長又は周波数を補正するので高精度の校正が可能になる。すなわち、分光器の駆動機構に含まれるスピンドルやナットにおける加工精度やバックラッシュなどの影響がエタロンのリップル変動波形におけるピーク位置の間隔よりも小さい間隔で誤差をもたらす場合でも、複数のサンプリング点のそれぞれの位置で校正することで誤差を減らすことができる。
上記(2)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、駆動部を駆動することで分光部が出力する波長を掃引して被測定光のスペクトルを出力することができる。また、駆動部を駆動する際に、可動部などの機構部の加工精度やバックラッシュなどに起因する誤差を減らすことができる。
上記(3)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、デジタル直交検波の実施により実信号から複素信号(IQ信号)に変換することが可能になる。また、複素信号を扱う場合は実信号に比べて扱える帯域幅が2倍になる。また、瞬時の周波数を知ることができるので、エタロンの透過光におけるサンプリング点毎の周波数変化量を容易に算出できる。
上記(4)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、基準光の波長を基準として利用できるので、計測したスペクトラムの各波長を校正することが容易である。
上記(5)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、測定の際に波長校正モード、及び測定モードを周期的に切り替えるので、例えば温度変化に伴ってエタロンの特性が変化した場合や、スピンドルが摩耗した場合でも最新の環境で校正された波長に基づいて、被測定光のスペクトラムを正しく測定可能である。
上記(6)の構成の光スペクトラムアナライザによれば、測定の際に波長校正第1モード、波長校正第2モード、及び測定モードを周期的に切り替えるので、例えば温度変化に伴ってエタロンの特性が変化した場合や、スピンドルが摩耗した場合でも、最新の環境で校正された波長に基づいて、被測定光のスペクトラムを正しく測定できる。更に、波長が既知の基準光に基づいて波長校正の精度を上げることができる。
上記(7)の構成の波長校正制御方法によれば、エタロンのリップル変動波形におけるピーク位置の間に設けた複数のサンプリング点でそれぞれ誤差量を算出して波長又は周波数を補正するので高精度の校正が可能になる。すなわち、分光器の駆動機構に含まれるスピンドルやナットにおける加工精度やバックラッシュなどの影響がエタロンのリップル変動波形におけるピーク位置の間隔よりも小さい間隔で誤差をもたらす場合でも、複数のサンプリング点のそれぞれの位置で校正することで誤差を減らすことができる。
本発明の光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法によれば、分光器の掃引のために必要な駆動機構における加工精度やバックラッシュなどの影響も含めて細部まで校正できるので、測定精度が向上する。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る光スペクトラムアナライザの構成例を示すブロック図である。 図2は、エタロン部の内部構造の例を示す縦断面図である。 図3は、エタロン透過光のスペクトルの例を示すグラフである。 図4は、分光部の外観の例を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施形態に係る光スペクトラムアナライザの動作例を示すフローチャートである。 図6は、光スペクトラムアナライザの構成の変形例を示すブロック図である。 図7は、詳細な波長誤差校正の処理例を示すフローチャートである。 図8は、エタロン透過光のスペクトルと複数の校正点との関係の例を示すグラフである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<光スペクトラムアナライザの構成>
本発明の実施形態に係る光スペクトラムアナライザ10の構成例を図1に示す。光スペクトラムアナライザ10は、被測定光のスペクトラム、すなわち波長又は周波数毎の光強度分布を測定してグラフ形式でその結果を表示する機能を有している。なお、波長と周波数とは互いに逆数と似た関係にあるので、以下の説明では、両者がほぼ同じ意味で用いられる場合がある。
図1に示した光スペクトラムアナライザ10は、広帯域光源部11、エタロン部12、光入射部13、分光部15、受光部16、波長制御部17、補正処理部18、及び表示部19を備えている。
また、広帯域光源部11の出力とエタロン部12の入力との間が光ファイバ21で接続され、エタロン部12の出力と分光部15の1つの入力との間が光ファイバ22で接続され、光入射部13と分光部15の1つの入力との間が光ファイバ23で接続されている。また、分光部15の出力と受光部16の入力との間が光ファイバ24で接続されている。なお、分光部15は複数系統の入力光を選択的に切り替える光スイッチを内蔵している。この光スイッチの選択状態は、外部から制御信号を与えて切り替えることができる。
広帯域光源部11は、光スペクトラムアナライザ10の測定対象として想定される被測定光の波長帯域を網羅する広い波長帯域に亘って平坦なスペクトルを有する光を出射可能な光源を内蔵している。
エタロン部12は、透過する光のスペクトルに対してリップル状の周期的な変化を発生させることが可能なエタロンを内蔵している。また、このエタロン部12はエタロンの環境温度を検出するためのセンサを内蔵している。
光入射部13は、この光スペクトラムアナライザ10が測定対象とする被測定光を入力するための入力部である。
分光部15は、入力光のスペクトルを波長毎に分光すると共に、分光後の選択した波長の光成分だけを出力することができる。また、選択的に出力する波長を連続的に変化させて掃引するための可動機構及び駆動部を内蔵している。
受光部16は、分光部15から出力される光を受光して光電変換し、受光した光の強度を表す電気信号を出力することができる。
波長制御部17は、分光部15が出力する光の波長に相当する可動部の状態(位置)を把握し、測定時に波長の掃引を行うための制御を実施する。また、波長制御部17は、可動部の位置と波長との対応関係を表す波長制御データを有している。
補正処理部18は、校正時に波長制御部17の波長制御データを補正するための機能を有している。
被測定光を分光部15に入力した際に、波長制御部17が分光部15の出力波長を連続的に変化させながら、出力光強度を受光部16で検出することにより、被測定光のスペクトルが得られる。
表示部19は、測定した被測定光のスペクトルや、エタロンスペクトルに基づく波長目盛りなどをグラフ形式で表示することができる。表示するグラフは、通常、横軸が波長又は周波数の変化を表し、縦軸が光強度を表す。
<エタロン部の内部構造>
エタロン部12の内部構造の例を図2に示す。
図2に示したエタロン部12においては、密閉されたケース31の内部にエタロン32が固定された状態で配置されている。また、エタロン32の厚み方向の一方の表面(光入射面)と対向する状態でコリメータレンズ33が設置され、エタロン32の厚み方向の他方の表面(光出射面)と対向する状態で集光レンズ34が設置されている。
また、エタロン32の環境温度を検知するために、温度センサ35がエタロン32の近傍に配置されている。この温度センサ35は、温度変化に伴うエタロン32の特性変動の影響を含めて波長の校正を行うために利用される。
エタロン部12に入力される光は、入力側光ファイバ36を介してケース31内に導かれ、コリメータレンズ33で平行光にされた後、エタロン32の光入射面に入射する。なお、エタロン32の光入射面に入射する光の入射方向は、エタロン32の光入射面に垂直な軸方向に対して傾斜している場合もある。
エタロン32を透過する光は、入射光と、エタロン32内部で反射を繰り返す光との干渉の影響を受けるので、エタロン32から出力される透過光のスペクトルは、入射光とは異なる状態になる。すなわち、周期的なリップル状の変化が透過光のスペクトルに現れる。本実施形態では、入射光のスペクトルが平坦な場合に、透過光のスペクトルに生じるリップルが正弦波状になる特性を有するエタロン32を採用している。実際には、例えばエタロン32の反射面の反射率を10%程度に小さくすることで、リップルの波形を正弦波状にすることが可能である。
エタロン32から出た透過光は、集光レンズ34で集光され、出力側光ファイバ37に導かれてケース31の外側に出力される。
<エタロン透過光のスペクトル>
エタロン透過光のスペクトルの例を図3に示す。図3において、横軸は波長又は周波数を表し、縦軸は光透過率を表している。
図3に示したスペクトルは、広い波長帯域に亘って平坦なスペクトルを有する光を広帯域光源部11の出力からエタロン部12に入力した場合に、エタロン部12の出力側で観測可能な透過光のスペクトル、すなわちエタロン32の固有の特性に起因するスペクトルを表している。
図3の例では、周波数の50[GHz]に相当する一定波長の間隔で、正弦波状のリップル(レベル変動)がこの透過光のスペクトルを表す曲線C1上に周期的に現れている。
このリップルにおける各ピーク点などの位置は、エタロン32の固有の特性により定まるので、これらの位置を波長の目盛りとして利用すれば、被測定光のスペクトルを測定する際の波長を校正することが可能である。
但し、環境温度が変化する場合には、エタロン32の物理特性が変動する。また、分光部15内の可動部における物理的な寸法精度の影響やバックラッシュに起因してスペクトルの波長又は周波数に変化が現れる。図3中に示した2つの曲線C1、C2は、本来のスペクトルと、波長又は周波数がずれたスペクトルとをそれぞれ表している。
分光部15の可動部における寸法精度やバックラッシュに起因する変化は、例えば後述するスピンドルにおけるねじ山のピッチ毎に微妙なばらつきを生じたり、移動方向の違いの影響を受けることになる。また、このような変化はエタロン32のスペクトルに生じるリップルの周期に比べて小さい周期で発生する。したがって、図2に示した2つの曲線C1、C2のピーク位置を揃えるように校正するだけでは、隣接するピーク位置の間の各位置で発生する波長ずれを解消できない。
そこで、本実施形態では、後述するようにエタロン32の共振周波数間隔FSR(Free Spectral Range)よりも十分に小さい間隔で割り当てた多数の校正点のそれぞれについて、実測したエタロン透過光スペクトルのサンプリング結果を利用して校正を実施する。更に、温度変化に対するエタロン32の波長誤差も含めて校正を実施する。
エタロン32における温度変化時の共振周波数間隔FSRは次式で表される。
FSR(Ts+ΔT)=c/{2n・(L+ΔL)} ・・・(1)
但し、
Ts:温度
ΔT:温度変化
c :光速
n :エタロンの屈折率
L :エタロンの共振器長
ΔL:共振器長変化
また、温度変化(ΔT)に対する共振器長変化(ΔL)は、次式で表される。
ΔL=α・L・ΔT ・・・(2)
α:線膨張率
この共振周波数間隔FSR(Ts+ΔT)を、温度センサ35の検出した温度に基づいて補正し、波長の校正を実施する。
<分光部の外観の例>
分光部15の外観の例を図4に示す。
図4に示した分光部15は、リットマン型であり、コリメータレンズ41、回折格子42、折り返しミラー43、可動部44、モータ45、及びエンコーダ46を含んでいる。
分光部15の入力側に接続された光ファイバから分光部15に入射する光は、コリメータレンズ41で平行光にされた後、回折格子42、及び折り返しミラー43を含む光学系で分光され、分光された一部の波長の光のみが選択的に出力側の光ファイバ24に導かれ出力される。
分光部15の可動部44を動かすことにより、分光後の出力光の波長を変更することができる。具体的には、モータ45の駆動軸に連結されているスピンドル48の外周にナットが螺合し、このナットの位置が折り返しミラー43の位置を決定する。したがって、モータ45が回動すると、スピンドル48が回動し、スピンドル48外周に形成されているねじ山に沿ってナットの位置が移動し、ナットに連結されている折り返しミラー43の位置が変化する。また、モータ45の駆動軸にその回転量を検知するエンコーダ46が設置されている。
したがって、モータ45の回転量に基づいて、可動部44の位置、すなわち分光部15の分光出力における光の波長又は周波数を波長制御部17及び補正処理部18が特定する。但し、分光部15から実際に出力される光の波長又は周波数と、分光部15の位置との関係を事前に校正して正確に対応付けてから計測を実施する必要がある。また、モータ45の回転量とナットの移動量との関係が一定でない場合には可動部44の位置毎に波長がずれるので、互いに異なる位置に例えば等間隔で割り当てた多数の校正点でそれぞれ校正を実施する。
可動部44に接続されているモータ45を駆動することにより、分光部15が出力する光の波長を連続的に変更できる。例えば、ある開始波長位置から終了波長位置までの間を掃引するようにモータ45を駆動すれば、光ファイバ24に出力する光の波長を連続的に変えることができるので、被測定光のスペクトルを計測できる。
分光部15においては、可動部44の各位置と分光された出力光の波長とが互いに関連付けられているので、計測する波長を位置で表すことができる。
<光スペクトラムアナライザの動作例>
本発明の実施形態における光スペクトラムアナライザ10の動作例を図5に示す。すなわち、光スペクトラムアナライザ10の補正処理部18を制御する図示しないマイクロコンピュータが内蔵された所定の制御プログラムを実行することにより、図5に示したような動作が実施される。図5の動作について以下に説明する。
補正処理部18は、モータ45の回転量を検出するエンコーダ46の出力により、分光部15の可動部44における現在位置、つまり分光部15が出力する光の波長を特定できる(S11)。波長制御部17は、分光部15の可動部44における各位置と各波長との対応関係を表す波長制御データを初期化し、補正処理部18は分光部15の現在位置、及び現在の波長又は周波数を把握する。
波長校正のために、補正処理部18は、まず最初に波長校正用の分光部の波長掃引データを作成する(S12)。次に、分光部15内の光スイッチを切り替えて波長校正モードに移行する(S13)。すなわち、エタロン部12から出力されるエタロン透過光が、分光部15に入力される状態にする。
次に、補正処理部18は、波長制御部17を介して分光部15を制御し、所定の開始位置の波長から終了位置の波長までの範囲を一定の速度で連続的に掃引しながら、受光部16で波長毎の光強度分布、すなわちエタロン32を透過した光のスペクトルを測定する(S14)。
次に、補正処理部18は、温度センサ35の出力からエタロン32の最新の温度を把握する(S15)。
次に、補正処理部18は、エタロン32を透過した光のスペクトル(図3参照)に基づいて、多数の校正点のそれぞれについて周波数変化量を算出する(S16)。i番目の校正点における周波数変化量δf(i)は次式で表される。
δf(i)=tan-1(Q(i)/I(i))・(Tr/2π) ・・・(2)
Q(i):i番目の校正点における複素信号の実数成分
I(i):i番目の校正点における複素信号の虚数成分
Tr:リップル変動周期
なお、各校正点の複素信号(IQ信号)については、S14で実測したエタロン透過光スペクトルにおける各位置の信号に対して後述するデジタル直交検波処理を実施することで得られる。
補正処理部18は、多数の校正点のそれぞれについて、S16で算出した周波数変化量δf(i)を加味し、更に温度変化の影響分も校正するように、分光部15の可動部44における各位置と各波長との対応関係を表す波長制御データを補正し記憶している波長掃引用のデータを更新する(S17)。
次に、補正処理部18は、分光部15内の光スイッチを切り替えて測定モードに移行する(S18)。すなわち、光入射部13に入力される被測定光が、測定対象として分光部15に入力される状態に切り替える。
補正処理部18は、スペクトルの測定モードで使用される波長掃引用のデータを、校正後の波長制御データに基づいて作成する(S19)。そして、作成した波長掃引用のデータを利用して被測定光のスペクトル測定を実施する(S20)。すなわち、所定の開始波長から終了波長までの間で、分光部15の可動部44の波長位置を把握しながらモータ45を駆動して波長を連続的に掃引し、各波長の位置で受光部16が検出した光強度を波長に対応付けてそれぞれ取得し、波長毎の光強度分布、すなわち被測定光のスペクトラムを測定する。測定した被測定光のスペクトラムは、表示部19で横軸が波長又は周波数、縦軸が光強度をそれぞれ表すグラフの形式で表示される。
S21で測定終了が検知されるまで、S12~S20の処理が繰り返し実施される。つまり、温度センサ35が検知した温度の補正を含む波長校正モードの処理(S13~S17)と、測定モードの処理(S18~S20)とが交互に周期的に繰り返される。したがって、環境温度が変動した場合や、スピンドル48が摩耗した場合でも、波長ずれを生じることなく高精度のスペクトル測定が可能になる。
<光スペクトラムアナライザの変形例>
光スペクトラムアナライザの構成の変形例を図6に示す。図6に示した光スペクトラムアナライザ10Aは、図1に示した光スペクトラムアナライザ10の変形例である。
図6の光スペクトラムアナライザ10Aは、既知の発光波長で発光する光源を有する基準光源部51を備えている。基準光源部51の出力は、光ファイバ52を介して分光部15に入力される。
図6の構成においては、分光部15は、3つの入力光のうちいずれか1つを選択して出力する光スイッチを内蔵している。したがって、分光部15は基準光源部51の出力光と、エタロン部12の出力光と、光入射部13からの被測定光とのいずれか1つを選択的に入力して分光した結果を出力することができる。
なお、偏光処理を必要とする場合には、分光部15内の光スイッチの出力側に偏光制御デバイスを接続することが想定される。例えば、入力光をそのまま透過する状態と、P偏光の光成分だけを透過する状態と、S偏光の光成分だけを透過する状態とのいずれかを選択的に切り替えて選択した偏光成分の光だけを分光部15で分光することが想定される。
図6の補正処理部18Aは、分光部15内の光スイッチを制御することにより、3種類のモードを周期的に切り替えることができる。すなわち、エタロン部12を透過した広帯域光源部11の広帯域光を利用して波長を校正する校正第1モードと、基準光源部51が出力する波長が既知の基準光を用いて波長を校正する校正第2モードと、光入射部13から入力される被測定光のスペクトルを測定する測定モードとを切り替えることができる。波長が既知の基準光を利用することにより、波長校正の精度をより高めることができる。
<詳細な波長誤差校正の処理例>
詳細な波長誤差校正の処理例を図7に示す。すなわち、図5に示したステップS16、S17で波長制御データを補正する目的のために、補正処理部18又は18Aが、図7に示した波長誤差校正の処理を実施する。図7の処理について以下に説明する。
補正処理部18は、最初にデジタル直交検波処理P01を実施する。
具体的には、補正処理部18は、温度補正後のエタロンスペクトルの波長位置データにおける波長を周波数に変換し(S41)、周期がエタロンFSR(温度補正後の値)に等しい理論正弦波信号(sin波/cos波)を生成し(S42)、エタロンスペクトルのデータに前記理論正弦波信号を掛けて複素信号であるIQ信号を生成する(S43)。このIQ信号は、実数成分を表すQ信号と虚数成分を表すI信号とで構成される。
補正処理部18は、上記デジタル直交検波処理P01で得られたIQ信号を利用して、周波数軸上で校正すべき多数のサンプリング点、すなわち校正点のそれぞれについて、前記式(2)を計算し、周波数変化量δf(i)を算出する(S44)。
補正処理部18は、エタロンスペクトルの実測結果を利用してS44で求めた各校正点の波長における周波数変化量δf(i)によって、各波長の周波数を補正し、補正された各校正点の波長を波長制御データに反映する(S46)。
本実施形態では、上記デジタル直交検波処理P01で実信号を複素信号(IQ信号)に変換しているので、瞬時の周波数を知ることができ、前記式(2)を利用して各校正点の波長における周波数変化量δf(i)を求めることができる。
<エタロンスペクトルと校正点との関係>
エタロン透過光のスペクトルと複数の校正点との関係の例を図8に示す。
エタロン透過光のスペクトルは、本実施形態では図8に示した曲線C1又はC2のように正弦波形状の振幅変動(リップル波形)になる。一般的な光スペクトラムアナライザの場合には、エタロンスペクトルのリップルにおける各ピーク位置のみで波長ずれが生じないように波長の校正が実施される。
一方、前述の光スペクトラムアナライザ10においては、図8に示したように、リップル波形の隣接する2つのピーク位置の間に多数の校正点P(i)が割り当てられ、それぞれの校正点について周波数変化δf(i)が算出され、その誤差を校正点毎に補正するように波長制御部17の波長制御データが校正される。
したがって、図8に示した2つの曲線C1、C2における差異のように、隣接するピーク位置の間で微妙なずれが生じている場合でも、これらの波長位置が各校正点で全て一致するように修正することができる。例えば、図4に示した分光部15において、スピンドル48におけるねじ山の加工精度に起因して、モータ45の一定の回転量に対するナットの移動距離が一定でない場合がある。また、これによって生じる波長ずれは、エタロンのリップル波形の変動周期よりもずっと小さい間隔で発生する。したがって、ピーク位置を校正するだけではスピンドル48等の加工精度の影響が避けられないが、図8のように多数の校正点でそれぞれ周波数変化量δf(i)を算出して校正する場合には、スピンドル48等の加工精度の影響が現れないように校正できる。
図8に示したような各校正点P(i)については、例えばモータ45における一定の回転量毎に、すなわち分光部15の出力する周波数が一定量変化する点毎に、例えば等間隔になるように周波数軸上の各位置に割り当てることが想定される。
なお、光スペクトラムアナライザ10が図5に示した動作を行う場合には、波長校正モードと測定モードとを任意のタイミングで交互に切替ながら、繰り返し測定を行うことが可能である。したがって、例えばエタロンの温度やスピンドル48の摩耗などに起因して生じる波長誤差の影響を受けることなく、正確なスペクトル測定が常時可能になる。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 広波長帯域の光を出射する広帯域光源部(11)と、
前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部(12)と、
被測定光を入力する光入射部(13)と、
前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光し、分光された任意の波長の光を出力する分光部(15)と、
前記分光部の出力光の波長、又は周波数を制御するための波長制御データを有する波長制御部(17)と、
前記波長制御データを補正する波長制御データ補正処理部(補正処理部18)と、
前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部(16)と、
を備え、
前記波長制御データ補正処理部が、前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点(校正点P(i))を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量(δf(i))を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
光スペクトラムアナライザ。
[2] 前記分光部は、その出力光の波長を変更するための可動部(44)、及び前記可動部を駆動可能な駆動部(モータ45、スピンドル48、ナット)を有する、
上記[1]に記載の光スペクトラムアナライザ。
[3] 前記波長制御データ補正処理部は、前記エタロンの透過光スペクトルに生じるリップルの固有の変動周期に基づく理論上の正弦波信号と、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を実測して得られるエタロンスペクトルデータとに基づいて、デジタル直交検波(デジタル直交検波処理P01)を実施した結果に基づき、前記エタロンの透過光における各サンプリング点の周波数又は位相のずれ量を算出する、
上記[1]又は[2]に記載の光スペクトラムアナライザ。
[4] 波長が既知の基準光を出射する基準光源部(51)を有し、
前記分光部は、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光と、前記基準光と、前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を入力して分光する、
上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の光スペクトラムアナライザ。
[5] 波長校正モードと、測定モードとを選択可能なモード制御部(補正処理部18)を有し、
前記モード制御部は、
前記波長校正モードでは、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を選択して前記分光部で分光し(S13)、
前記測定モードでは、前記光入射部からの被測定光を選択して前記分光部で分光し(S18)、
前記波長校正モード、及び前記測定モードを含む複数種類のモードを周期的に切り替えながら測定を実施する(S12~S21)、
上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の光スペクトラムアナライザ。
[6] 波長校正第1モードと、波長校正第2モードと、測定モードとを選択可能なモード制御部(補正処理部18)を有し、
前記モード制御部は、
前記波長校正第1モードでは、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を選択して前記分光部に入力し、
前記波長校正第2モードでは、前記基準光を選択して前記分光部に入力し、
前記測定モードでは、前記光入射部からの被測定光を選択して前記分光部に入力し、
前記波長校正第1モード、前記波長校正第2モード、及び前記測定モードを含む複数種類のモードを周期的に切り替えながら測定を実施する、
上記[4]に記載の光スペクトラムアナライザ。
[7] 広波長帯域の光を出射する広帯域光源部と、前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部と、被測定光を入力する光入射部と、前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光された任意の波長の光を出力する分光部と、前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部と、波長制御データを有する波長制御部とを備える光スペクトラムアナライザを制御するための波長校正制御方法であって、
前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点(P(i))のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量(δf(i))を算出し(S16)、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する(S17)、
波長校正制御方法。
10,10A 光スペクトラムアナライザ
11 広帯域光源部
12 エタロン部
13 光入射部
15 分光部
16 受光部
17 波長制御部
18,18A 補正処理部
19 表示部
21,22,23,24 光ファイバ
31 ケース
32 エタロン
33 コリメータレンズ
34 集光レンズ
35 温度センサ
36 入力側光ファイバ
37 出力側光ファイバ
41 コリメータレンズ
42 回折格子
43 折り返しミラー
44 可動部
45 モータ
46 エンコーダ
48 スピンドル
51 基準光源部
52 光ファイバ
P01 デジタル直交検波処理
P(i) i番目の校正点(サンプリング点)
特開平1-112138号公報
前述した目的を達成するために、本発明に係る光スペクトラムアナライザ及び波長校正制御方法は、下記(1)~(7)を特徴としている。
(1) 被測定光の波長帯域を網羅する広い波長帯域に亘って平坦なスペクトルを有する広波長帯域の光を出射する広帯域光源部と、
前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部と、
前記被測定光を入力する光入射部と、
前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光し、分光された任意の波長の光を出力する分光部と、
前記分光部の出力光の波長、又は周波数を制御するための波長制御データを有する波長制御部と、
前記波長制御データを補正する波長制御データ補正処理部と、
前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部と、
を備え、
前記波長制御データ補正処理部が、前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
光スペクトラムアナライザ。
(7) 被測定光の波長帯域を網羅する広い波長帯域に亘って平坦なスペクトルを有する広波長帯域の光を出射する広帯域光源部と、前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部と、前記被測定光を入力する光入射部と、前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光された任意の波長の光を出力する分光部と、前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部と、波長制御データを有する波長制御部とを備える光スペクトラムアナライザを制御するための波長校正制御方法であって、
前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
波長校正制御方法。

Claims (7)

  1. 広波長帯域の光を出射する広帯域光源部(11)と、
    前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部(12)と、
    被測定光を入力する光入射部(13)と、
    前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光し、分光された任意の波長の光を出力する分光部(15)と、
    前記分光部の出力光の波長、又は周波数を制御するための波長制御データを有する波長制御部(17)と、
    前記波長制御データを補正する波長制御データ補正処理部(18)と、
    前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部(16)と、
    を備え、
    前記波長制御データ補正処理部が、前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
    光スペクトラムアナライザ。
  2. 前記分光部は、その出力光の波長を変更するための可動部(44)、及び前記可動部を駆動可能な駆動部(45、48)を有する、
    請求項1に記載の光スペクトラムアナライザ。
  3. 前記波長制御データ補正処理部は、前記エタロンの透過光スペクトルに生じるリップルの固有の変動周期に基づく理論上の正弦波信号と、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を実測して得られるエタロンスペクトルデータとに基づいて、デジタル直交検波を実施した結果に基づき、前記エタロンの透過光における各サンプリング点の周波数又は位相のずれ量を算出する、
    請求項1又は請求項2に記載の光スペクトラムアナライザ。
  4. 波長が既知の基準光を出射する基準光源部(51)を有し、
    前記分光部は、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光と、前記基準光と、前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を入力して分光する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光スペクトラムアナライザ。
  5. 波長校正モードと、測定モードとを選択可能なモード制御部(18)を有し、
    前記モード制御部は、
    前記波長校正モードでは、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を選択して前記分光部で分光し、
    前記測定モードでは、前記光入射部からの被測定光を選択して前記分光部で分光し、
    前記波長校正モード、及び前記測定モードを含む複数種類のモードを周期的に切り替えながら測定を実施する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光スペクトラムアナライザ。
  6. 波長校正第1モードと、波長校正第2モードと、測定モードとを選択可能なモード制御部(18)を有し、
    前記モード制御部は、
    前記波長校正第1モードでは、前記エタロン部を透過した前記広帯域光源部からの光を選択して前記分光部に入力し、
    前記波長校正第2モードでは、前記基準光を選択して前記分光部に入力し、
    前記測定モードでは、前記光入射部からの被測定光を選択して前記分光部に入力し、
    前記波長校正第1モード、前記波長校正第2モード、及び前記測定モードを含む複数種類のモードを周期的に切り替えながら測定を実施する、
    請求項4に記載の光スペクトラムアナライザ。
  7. 広波長帯域の光を出射する広帯域光源部と、前記広帯域光源部からの光が入力されてエタロンを透過した光を出力するエタロン部と、被測定光を入力する光入射部と、前記エタロン部の出力光と前記光入射部からの被測定光とのいずれかの光を選択的に入力して分光された任意の波長の光を出力する分光部と、前記分光部の出力光を光電変換して光の強度を検出する受光部と、波長制御データを有する波長制御部とを備える光スペクトラムアナライザを制御するための波長校正制御方法であって、
    前記エタロンを透過した前記広帯域光源部の光のスペクトルに生じるリップル変動波形における隣接する2つのピーク位置の間に複数のサンプリング点を形成し、前記複数のサンプリング点のそれぞれについて、周波数又は波長の誤差量を算出し、前記誤差量に基づいて前記波長制御データを補正する、
    波長校正制御方法。
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