JP2022148492A - 粘着テープ - Google Patents

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茂樹 河邊
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Abstract

【課題】電極部材の巻き止め(電池素子止め)に用いられ得る粘着テープであって、電解液内で所定の粘着力を維持し、かつ、電極部材の電池内部における動きを防止することができる粘着テープを提供すること。【解決手段】発明の粘着テープは、基材と、該基材の少なくとも片側に配置された粘着剤層とを備える粘着テープであって、1.4モル濃度のLiPF6を含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]に23℃で24時間浸漬した際に、当該粘着剤層の厚みの変化比(浸漬後の厚み/浸漬前の厚み)が、6以上であり、23℃における該粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率が、1.6MPa以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着テープに関する。より詳細には、電池素子止め用の粘着テープに関する。
一般に、2次電池は、正極と、負極と、該正極と負極との間に配置された多孔質セパレーターとからなる電極部材(電池素子)と、電極部材を電解液とともに密封収納する外装缶とを備える。電極部材の一態様として、正極、負極およびセパレーターを積層し巻回された構成が知られている。このような電極部材の最外郭の終端部、すなわち巻き取り端部においては、巻回状態の維持のため、粘着テープが貼着される。
一方、上記のような構造を持つ二次電池は、振動、衝撃等により、電池内部で電極部材が動いてしまい、当該電極部材が傾いたり、回転したりすることがある。このような電極部材の動きは、電池の安定性に悪影響を及ぼすこととなるため、その解消が求められる。
特開2000-173642号公報 特開2001-357839号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電極部材の巻き止め(電池素子止め)に用いられ得る粘着テープであって、電解液内で所定の粘着力を維持し、かつ、電極部材の電池内部における動きを防止することができる粘着テープを提供することにある。
本発明の粘着テープは、基材と、該基材の少なくとも片側に配置された粘着剤層とを備える粘着テープであって、1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]に23℃で24時間浸漬した際に、当該粘着剤層の厚みの変化比(浸漬後の厚み/浸漬前の厚み)が、6以上であり、23℃における該粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率が、1.6MPa以上である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層を構成する粘着剤が、ベースポリマーを含み、該ベースポリマーが、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーである。
1つの実施形態においては、上記ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)が、-30℃以上である。
1つの実施形態においては、上記ベースポリマーがアクリル系ポリマーであり、該アクリル系ポリマーが、下記式(1)で表されるモノマー由来の構成単位を含む。
CH=C(R)COOR (1)
ここで、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層のゲル分率が、60%以上である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層のゲル分率が、92%以下である。
1つの実施形態においては、上記ベースポリマーの重量平均分子量が、80万以上である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層を構成する粘着剤が、架橋剤を含み、該架橋剤の含有割合が、前記ベースポリマー100重量部に対して、3重量部以下である。
本発明によれば、電極部材の巻き止め(電池素子止め)に用いられ得る粘着テープであって、電解液内で所定の粘着力を維持し、かつ、電極部材の電池内部における動きを防止することができる粘着テープを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による粘着テープの概略断面図である。
A.粘着テープの概要
図1は、本発明の1つの実施形態による粘着テープの概略断面図である。粘着テープ100は、基材10と、基材10の少なくとも片側に配置された粘着剤層20とを備える。1つの実施形態においては、本発明の粘着テープは、図1に示すような片面粘着テープである。図示していないが、本発明の粘着テープは、使用に供するまでの間、粘着面を保護する目的で、粘着剤層の外側に剥離ライナーが設けられていてもよい。本発明の粘着テープは、電池用途で好ましく用いられ得る。より具体的には、本発明の粘着テープは、電池素子止め用の粘着テープとして、すなわち、電池(例えば、リチウムイオン電池)内に封入される電極部材であって、巻回して構成される電極部材の巻回端部を止めるための粘着テープとして、有用である。
上記粘着テープは、1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]に23℃で24時間浸漬した際に、当該粘着剤層の厚みの変化比(浸漬後の厚み/浸漬前の厚み;以下、粘着剤層の膨潤厚み変化ともいう)が、6以上である。浸漬による粘着剤層の厚み変化は、主に、粘着剤層の膨潤に依る。膨潤し得る粘着剤層を備えることにより、電池素子の巻き止めテープとして用いた際、当該粘着剤層が電解液中で好ましく寸法変化して、電池素子と外装缶との間に生じる隙間を埋めることができる。その結果、電池内での電池素子の動きが制限され、電池素子の損傷が防止される。なお、「1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]」は、電解液の代表例であり、粘着剤層の特性を特定するために示されており、本発明の粘着テープの適用条件はこれにより限定されない。すなわち、本発明の粘着テープは、電解液の種類にかかわらず、様々な電池において、適用され得、上記の効果を発揮し得る。
粘着剤層の膨潤厚み変化は、好ましくは6.5以上であり、より好ましくは7以上であり、さらに好ましくは8以上である。このような範囲であれば、上記効果は顕著となる。粘着剤層の膨潤厚み変化の上限は、好ましくは18以下であり、より好ましくは15以下であり、特に好ましくは12以下である。このような範囲であれば、膨潤後においても十分な強度を保ち得、かつ、電池素子の固定性に優れる粘着テープを得ることができる。
上記粘着テープの初期厚み(粘着テープ製造直後の厚みであり、粘着剤層膨潤前の厚み)は、好ましくは15μm~80μmであり、より好ましくは30μm~60μmである。このような範囲であれば、容易な電池組み立てを可能とする粘着テープを提供することができる。
B.粘着剤層
上記のとおり、粘着剤層は、電解液中で膨潤し得る。このような粘着剤層は、当該粘着剤層を構成する粘着剤として、電界液中で膨潤し得る粘着剤を用いることにより、得ることができる。粘着剤の膨潤性は、粘着剤に含まれるベースポリマーの種類、構成(置換基の種類、量等);架橋度(架橋剤の添加量)等により、粘着剤の電解液に対する親和性を制御して、調整することができる。
23℃における上記粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率は、1.6MPa以上である。本発明においては、粘着剤層の弾性率を当該範囲とすることにより、電池素子の巻き止めテープとして用いた際に、素子と外装缶との隙間を埋めた上で、当該素子を好ましく固定することが可能となり、電池素子の損傷が防止される。上記の粘着テープ(実質的には粘着剤層)の膨潤性と、粘着剤層の弾性率とが相まって、本発明における電池素子の損傷防止効果は顕著となる。なお、「23℃における粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率」とは、粘着剤層膨潤前の弾性率である。粘着剤層の弾性率は、粘着剤に含まれるベースポリマーの組成、当該ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)、粘着剤層における架橋度等を調整して制御することができる。なお、ナノインデンテーション法による弾性率とは、粘着剤層表面から3μm程度内側を測定対象として、圧子を粘着剤層に押し込んだときの、圧子への負荷荷重と押し込み深さとを負荷時、除荷時にわたり連続的に測定し、得られた負荷荷重-押し込み深さ曲線から求められる。本明細書において、ナノインデンテーション法による弾性率とは、測定条件を負荷・除荷速度:500nm/s、押し込み深さ:3000nmとして上記のように測定した弾性率をいう。
23℃における上記粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率は、好ましくは2MPa~50MPaであり、より好ましくは3MPa~30MPaであり、さらに好ましくは5MPa~20MPaである。このような範囲であれば、上記効果が顕著となる。
上記粘着剤層の初期厚み(膨潤前の厚み)は、好ましくは1μm~50μmであり、より好ましくは3μm~30μmである。
1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]に23℃で24時間浸漬した際の、粘着剤層の厚み(以下、粘着剤層の膨潤後厚みともいう)は、好ましくは6μm~400μmであり、より好ましくは20μm~300μmであり、さらに好ましくは50μm~250μmである。
上記粘着剤層のゲル分率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは65%~98%であり、特に好ましくは70%~95%である。このような範囲であれば、好ましく膨潤し得る粘着テープを得ることができる。1つの実施形態においては、上記粘着剤層のゲル分率は、92%以下である。このような範囲であれば、好ましく膨潤し得る粘着テープを得ることができる。ゲル分率は、粘着剤層を、トルエンに常温(23℃)にて所定期間浸漬して得られる不溶分の重量により、次式を用いて求めることができる。
ゲル分率(重量%)=(W×100)/(W×A/B)
A:重合体及び架橋剤の重量
B:粘着剤層構成成分の総重量
:試料とした粘着剤層の重量
:試料とした粘着剤層をトルエンに浸漬して得られる不溶分の重量
上記粘着剤層の25℃におけるタック値は、好ましくは10N以下であり、より好ましくは8N以下であり、特に好ましくは5N以下である。当該タック値が、10Nを超えると、非水系電池製造工程中でのハンドリング性が悪くなるおそれがある。当該タック値は小さいほど好ましく、その下限値は、例えば、0Nである。なお、上記タック値は、プローブタック法により、レスタ社製のタッキング試験機を使用して、測定される。
上記粘着剤層を構成する粘着剤は、ベースポリマーを含む。粘着剤に含まれるベースポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー等が挙げられる。なかでも好ましくは、アクリル系ポリマーである。
上記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー(アクリル系モノマー)成分を重合して得られるポリマーが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が4~20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。好ましくは、アクリル酸n-ブチルが用いられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合は、アクリル系ポリマーの重合に用いるモノマー成分100重量部に対して、好ましくは50重量部~100重量部であり、より好ましくは70重量部~100重量部である。
1つの実施形態においては、上記アクリル系ポリマーは、下記式(1)で表されるモノマー由来の構成単位を含む。
CH=C(R)COOR (1)
ここで、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基である。式(1)で表されるモノマー由来の構成単位を含むアクリル系ポリマーを用いれば、弾性率が好ましく調整された粘着剤層を形成することができる。式(1)で表されるモノマーの含有割合は、アクリル系ポリマーの重合に用いるモノマー成分100重量部に対して、好ましくは50重量部以上であり、より好ましくは70重量部以上である。
上記アクリル系ポリマーは、Tg調整の他、凝集力、耐熱性、架橋性等の改質を目的として、必要に応じて、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー由来の構成単位を含んでいてもよい。このような他のモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有モノマー;後述のようなヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどのアミド系モノマー;ビニルエステル系モノマー;スチレン系モノマー;ビニルエーテル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;オレフィン系モノマー;ジエン系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等のアルコキシ基含有モノマー;N-ビニルピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドンなどの窒素原子含有環を有するモノマー;N-ビニルカルボン酸アミド類;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;マレイミド系モノマー;イタコンイミド系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクルロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;グリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどの酸素原子含有複素環を有するモノマー;フッ素系(メタ)アクリレートなどのフッ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー;シリコーン系(メタ)アクリレートなどのケイ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能エポキシアクリレート、多官能ポリエステルアクリレート、多官能ポリウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。これらの単量体成分は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、アクリル系ポリマーは、架橋点となり得る官能基を有するモノマー由来の構成単位を含む。架橋点となり得る官能基を有するモノマー由来の構成単位を含んでいれば、粘着剤層における架橋度を調整して、弾性率および膨潤性が好ましく調整された粘着剤層を得ることができる。架橋点となり得る官能基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類などが挙げられる。
1つの実施形態においては、アクリル系ポリマーは、ヒドロキシル基含有モノマー由来の構成単位を含む。ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド;などが挙げられる。なかでも好ましくは、アルキル基が炭素原子数2~4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)が挙げられ、より好ましくは、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)である。
ヒドロキシル基含有モノマーの含有割合は、アクリル系ポリマーの重合に用いるモノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.08重量部~5重量部であり、より好ましくは0.1重量部~3重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~2重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~1.6重量部である。このような範囲であれば、架橋度が適切に調整された粘着剤層を得ることができる。
1つの実施形態においては、アクリル系ポリマーは、カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位を含む。カルボキシ基含有モノマーの含有割合は、アクリル系ポリマーの重合に用いるモノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~10重量部であり、より好ましくは0.2重量部~8重量部である。
上記ベースポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-30℃以上であり、より好ましくは-20℃以上であり、さらに好ましくは-10℃以上である。ガラス転移温度(Tg)がこのような範囲であれば、弾性率が好ましく調整された粘着剤層を形成することができる。上記ベースポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)のガラス転移温度(Tg)の上限は、例えば、15℃である。ベースポリマーのTgとは、ベースポリマーを構成する各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよび該モノマーの重量分率(重量基準の共重合割合)に基づいて、フォックス(Fox)の式から求められる値をいう。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。ホモポリマーのTgとしては、公知資料に記載の値を採用するものとする。
ホモポリマーのTgとして、例えば、具体的には以下の値を用い得る。
2-エチルヘキシルアクリレート -70℃
n-ブチルアクリレート -55℃
アクリル酸 106℃
2-ヒドロキシエチルアクリレート -15℃
4-ヒドロキシブチルアクリレート -40℃
上記で例示した以外のホモポリマーのTgについては、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons, Inc., 1989)に記載の数値を用いることができる。上記「Polymer Handbook」に複数の数値が記載されている場合は、conventionalの値を採用する。上記「Polymer Handbook」に記載のないモノマーについては、モノマー製造企業のカタログ値を採用する。上記「Polymer Handbook」に記載がなく、モノマー製造企業のカタログ値も提供されていないモノマーのホモポリマーのTgとしては、特開2007-51271号公報に記載の測定方法により得られる値を用いるものとする。
上記ベースポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)の重量平均分子量は、好ましくは80万以上であり、より好ましくは90万以上であり、さらに好ましくは100万以上であり、特に好ましくは130万以上である。このような範囲であれば、好ましい膨潤性を有する粘着剤層を形成することができる。アクリル系ポリマーの重量平均分子量の上限は、好ましくは500万である。上記重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定される。測定条件は下記の通りである。なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出される。
測定装置:HLC-8120GPC(製品名、東ソー社製)
カラム:TSKgel GMH-H(S)×2(品番、東ソー社製)
流量:0.5ml/min
注入量:100μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.1重量%
検出器:示差屈折計
上記粘着剤は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含み得る。該添加剤としては、例えば、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤(例えば、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤)、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤、溶剤等が挙げられる。
1つの実施形態においては、架橋剤の添加量により、電解液中での粘着剤層の膨潤性、および粘着剤層の弾性率が調整される。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。なかでも好ましくは、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤である。
上記イソシアネート系架橋剤の具体例としては、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHL」)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物;等が挙げられる。
前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学社製、商品名「テトラッドC」)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(共栄社化学社製、商品名「エポライト1600」)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学社製、商品名「エポライト1500NP」)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学社製、商品名「エポライト40E」)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学社製、商品名「エポライト70P」)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(日本油脂社製、商品名「エピオールE-400」)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(日本油脂社製、商品名「エピオールP-200」)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、商品名「デナコール EX-611」)、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、商品名「デナコール EX-314」)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、商品名「デナコール EX-512」)、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテル、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂等が挙げられる。
上記架橋剤の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは3重量部以下であり、より好ましくは2重量部以下である。このような範囲であれば、電解液の品質低下を生じさせることなく使用可能な粘着テープを得ることができる。上記架橋剤の含有割合の下限は、ベースポリマー100重量部に対して、例えば、0.01重量部である。イソシアネート系架橋剤を用いる場合、その含有量は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~3重量部であり、より好ましくは0.6重量部~2重量部である。エポキシ系架橋剤を用いる場合、その含有量は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~3重量部であり、より好ましくは0.01重量部~2重量部である。
C.基材
上記基材としては、樹脂フィルムが好ましく用いられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PAR)等が挙げられる。基材として、多孔質フィルムが用いられてもよい。
上記基材の厚みは、好ましくは10μm~80μmであり、より好ましくは20μm~70μmであり、さらに好ましくは25μm~50μmである。
本発明の粘着テープは、任意の適切な方法により製造され得る。例えば、上記基材に、上記ベースポリマーと、必要に応じて添加される添加剤とを含む粘着剤を塗布し、その後、乾燥して形成することができる。また、別の支持体に粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材に転写してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。また、実施例において、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
[実施例1]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸メチル(MA)80重量部と、2-メトキシエチルアクリレート(MEA)20重量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)0.1重量部と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部と、酢酸エチル150重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量138万のベースポリマー(1)を得た。
ベースポリマー(1)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1.5重量部とを混合して、粘着剤(1)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(1)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[実施例2]
イソシアネート系架橋剤の配合量を2重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例3]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸メチル(MA)80重量部と、2-メトキシエチルアクリレート(MEA)20重量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)0.3重量部と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部と、酢酸エチル100重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量141万のベースポリマー(2)を得た。
ベースポリマー(2)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1重量部とを混合して、粘着剤(2)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(2)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[実施例4]
イソシアネート系架橋剤の配合量を1.5重量部としたこと以外は、実施例3と同様にして粘着テープを得た。
[実施例5]
イソシアネート系架橋剤の配合量を2重量部としたこと以外は、実施例3と同様にして粘着テープを得た。
[実施例6]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸メチル(MA)80重量部と、2-メトキシエチルアクリレート(MEA)20重量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)1.6重量部と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部と、酢酸エチル100重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量155万のベースポリマー(3)を得た。
ベースポリマー(3)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)0.3重量部とを混合して、粘着剤(3)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(3)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[実施例7]
酢酸エチルの量を100重量部とし、イソシアネート系架橋剤の配合量を1重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例8]
酢酸エチルの量を100重量部とし、イソシアネート系架橋剤の配合量を1.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例9]
酢酸エチルの量を100重量部とし、イソシアネート系架橋剤の配合量を2重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例10]
酢酸エチルの量を230重量部とし、イソシアネート系架橋剤の配合量を2重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[実施例11]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸エチル(EA)30重量部と、アクリル酸メチル(MA)70重量部と、アクリル酸(AA)10重量部と、開始剤としてベンジルパーオキサイド0.2重量部と、酢酸エチル150重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量100万のベースポリマー(4)を得た。
ベースポリマー(4)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1.5重量部とを混合して、粘着剤(4)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(4)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[実施例12]
実施例11と同様にして、ベースポリマー(4)を得た。
ベースポリマー(4)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1重量部と、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製、商品名「テトラッドC」)0.01重量部とを混合して、粘着剤(5)を得た。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(5)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[実施例13]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸メチル(MA)40重量部と、アクリル酸エチル(EA)35重量部と、2-メトキシエチルアクリレート(MEA)25重量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)0.1重量部と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部と、酢酸エチル150重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量130万のベースポリマー(5)を得た。
ベースポリマー(5)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1.5重量部とを混合して、粘着剤(6)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(6)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[比較例1]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)30重量部と、アクリル酸エチル(EA)70重量部と、メタクリル酸メチル(MMA)5重量部と、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部と、開始剤としてベンジルパーオキサイド0.2重量部と、トルエン100重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量45万のベースポリマー(6)を得た。
ベースポリマー(6)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1重量部とを混合して、粘着剤(7)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(7)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[比較例2]
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸ブチル(BA)90重量部と、アクリル酸(AA)10重量部と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部と、酢酸エチル230重量部とを仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約6時間重合反応を行い、重量平均分子量70万のベースポリマー(7)を得た。
ベースポリマー(7)100重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)1.5重量部とを混合して、粘着剤(8)を調製した。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(8)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[比較例3]
窒素ガスが還流され、温度調節が容易となるように冷却装置を設置した1000cc反応器にアクリル酸ブチル(BA)58重量部、2-メトキシエチルアクリレート(MEA)40重量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)2重量部と、連鎖移動剤であるn-ドデカンチオール0.02重量と、エチルアセテート150重量部とを投入した。次に、酸素を除去するために、60℃で、窒素ガスを60分間パージングした後、60℃に維持した。混合物を均一にした後、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.04重量部を投入した。混合物を8時間反応させて、重量平均分子量が80万であるベースポリマー(8)を得た。
ベールポリマー(8)100重量部と、多官能性イソシアネート系架橋剤(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物)0.3重量部とをエチルアセテート溶液に投入した後、コーティング性を考慮して適正の濃度に希釈して均一に混合して、粘着剤(9)を得た。
ポリプロピレン基材(厚み:30μm)に、粘着剤(9)を塗工して、基材(厚み:30μm)/粘着剤層(厚み:20μm)の粘着テープ(総厚:50μm)を得た。
[比較例4]
多官能性イソシアネート系架橋剤の配合量を2重量部としたこと以外は、比較例3と同様にして粘着テープを得た。
[比較例5]
イソシアネート系架橋剤の含有量を0.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
[比較例6]
イソシアネート系架橋剤の配合量を1.5重量部としたこと以外は、実施例6と同様にして粘着テープを得た。
[比較例7]
酢酸エチルの量を230重量部とし、イソシアネート系架橋剤の配合量を1重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
<評価>
実施例および比較例で得られた粘着テープを下記の評価に供した。結果を表1に示す。
(1)膨潤性
粘着テープに多孔質ポリプロピレンフィルムを貼り合わせて積層体を構成し、当該積層体を電解液に浸漬し、24時間経過後の粘着剤層の厚みを測定し、浸漬前の厚みと浸漬後の厚みとから、粘着剤層の膨潤厚み変化(浸漬後の厚み/浸漬前の厚み)を計算して、膨潤性を評価した。
この評価において、電解液は、1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート(キシダ化学社製)/ジエチルカーボネート(キシダ化学社製)混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]を用いた。また、多孔質ポリプロピレンフィルムは、電池用セパレーターを想定したフィルムであり、Celgard社製の商品名「Celgard 2325」を用いた。
(2)引き抜き力(素子固定力)
150μm厚のスペース内で、間隙を設けるようにして粘着テープを含む積層体を配置し、その後、当該粘着テープを膨潤させて上記間隙が埋め、この状態において、上記積層体を上記スペースから引き抜く際に要する力により、当該積層体の固定力を評価した。当該引き抜き力が高い粘着テープほど、電池素子の巻き止めテープとして用いた際に、当該素子を好ましく固定することが可能となる。具体的な評価方法は、以下のとおりである。
粘着テープに多孔質ポリプロピレンフィルム(厚み:25μm)を貼り合わせて積層体を得た。
対向して配置した一対のガラス板の間にPETフィルムを置き、150μm厚で維持されるスペースを設けた。なお、当該スペースは、電解液中でも厚みが維持される。
上記積層体(多孔質ポリプロピレンフィルム(25μm)/粘着剤層(30μm)/基材(20μm))を、上記ガラス板間スペース内に配置して、評価サンプルを得た。なお、当該評価サンプルは、ガラス板間スペース内に、積層体の一部(平面視サイズ:10mm×10mm)が存在し、積層体のその他の部分が、ガラス板間スペースからはみ出すようにして構成した(はみ出し部分の平面視サイズ:10mm×40mm)。
次いで、上記評価サンプルを電解液に、24時間浸漬させた。なお、電解液は、1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]を用いた。
上記浸漬後の評価サンプルの一方端(ガラス板部分(上記積層体が配置されていない部分))と、他方端(上記積層体のはみ出し部端部)とをそれぞれ、引張試験機(ミネベア社製、商品名「テクノグラフTGシリーズ TG-1KN」)にチャッキングして、引張速度50mm/minの条件で引張試験を行い、引き抜き力を測定した。
(4)ゲル分率
試験片としての粘着剤層(5cm×5cm角)をシート(ポリテトラフルオロエチレン製シート)で包み、秤量し、その後、トルエン中に23℃で7日間放置して、試験片中のゾル分を抽出した。その後、120℃で2時間乾燥し、乾燥後の試験片を秤量した。ゲル分率を下記の式にて算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(乾燥後の重量-シート重量)/(乾燥前の重量-シート重量)
(5)ナノインデンテーション法による弾性率
ナノインデンター(Hysitron Inc社製、商品名「Triboindenter TI-950」;バーコビッチ型測定圧子)を用いて、所定温度(25℃)における単一押し込み法により、押し込み速度約500nm/sec、引き抜き速度約500nm/sec、押し込み深さ約3000nmの測定条件で、粘着剤層表面の弾性率を測定した。
Figure 2022148492000002
10 基材
20 粘着剤層
100 粘着テープ

Claims (8)

  1. 基材と、該基材の少なくとも片側に配置された粘着剤層とを備える粘着テープであって、
    1.4モル濃度のLiPFを含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[エチルカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比)=1/2]に23℃で24時間浸漬した際に、該粘着剤層の厚みの変化比(浸漬後の厚み/浸漬前の厚み)が、6以上であり、
    23℃における該粘着剤層のナノインデンテーション法による弾性率が、1.6MPa以上である、
    粘着テープ。
  2. 前記粘着剤層を構成する粘着剤が、ベースポリマーを含み、
    該ベースポリマーが、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーである、
    請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)が、-30℃以上である、請求項2に記載の粘着テープ。
  4. 前記ベースポリマーがアクリル系ポリマーであり、
    該アクリル系ポリマーが、下記式(1)で表されるモノマー由来の構成単位を含む、請求項2または3に記載の粘着テープ:
    CH=C(R)COOR (1)
    ここで、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基である。
  5. 前記粘着剤層のゲル分率が、60%以上である、請求項1から4のいずれかに記載の粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層のゲル分率が、92%以下である、請求項1から5のいずれかに記載の粘着テープ。
  7. 前記ベースポリマーの重量平均分子量が、80万以上である、請求項2から6のいずれかに記載の粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層を構成する粘着剤が、架橋剤を含み、
    該架橋剤の含有割合が、前記ベースポリマー100重量部に対して、3重量部以下である、
    請求項2から7のいずれかに記載の粘着テープ。

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